| 【発明の名称】 |
金属粒子の製造装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】山口 由紀夫
【氏名】加藤 健治
【氏名】宮崎 聖樹
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| 【要約】 |
【課題】Siなどの金属粒子を連続して大量生産すること。
【解決手段】底部265にノズル孔218が形成された坩堝208に溶融したSiを貯留し、その溶融Siの上方の空間266に、ガスによって圧力を作用し、ノズル孔218から、溶融Siを滴下する。坩堝208は、六方晶のBN、立方晶のBN、Si3N4、TiB2およびZrB2から成るグループから選ばれた1または複数を含む材料から成る。ガスは、He、Ne、Ar、Kr、およびXeから成るグループから選ばれた1または複数である。ノズル孔の内径D3は、0.05〜2.0mmφであり、長さL3はノズル孔の内径の1〜30倍である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (a)坩堝であって、溶融金属を貯留し、底部にノズル孔が形成され、少なくともノズル孔付近が、六方晶のBN、立方晶のBN、Si3N4、TiB2およびZrB2から成るグループから選ばれた1または複数を含む材料から成る坩堝と、(b)坩堝内の溶融金属の上部空間に、大気圧を超えるガスを供給するガス源であって、このガスは、He、Ne、Ar、KrおよびXeから成るグループから選ばれた1または複数を含むガス源とを含み、(c)溶融金属を、ノズル孔から滴下することを特徴とする金属粒子の製造装置。 【請求項2】 金属は、Siであり、坩堝のノズル孔付近の材料は、六方晶BNであり、ガスは、Arであることを特徴とする請求項1記載の金属粒子の製造装置。 【請求項3】 坩堝自体が前記材料から成ることを特徴とする請求項1または2に記載の金属粒子の製造装置。 【請求項4】 坩堝は、底部に取付孔が形成された坩堝本体と、取付孔に取付けられ、ノズル孔が形成され、前記材料から成るノズル部材とを含むことを特徴とする請求項1〜3のうちの1つに記載の金属粒子の製造装置。 【請求項5】 坩堝本体の表面には、前記材料から成る被覆層が形成されることを特徴とする請求項1,2または4記載の金属粒子の製造装置。 【請求項6】 ノズル孔の内径は、0.05〜2.0mmφであり、ノズル孔の長さは、ノズル孔の内径の1〜50倍であることを特徴とする請求項1記載の金属粒子の製造装置。 【請求項7】 ノズル孔の上部は、下方になるにつれて小径となるように彎曲して形成されることを特徴とする請求項1〜6のうちの1つに記載の金属粒子の製造装置。 【請求項8】 ノズル孔の下部は、下方になるにつれて大径となるように彎曲して形成されることを特徴とする請求項7記載の金属粒子の製造装置。 【請求項9】 坩堝の底部の内表面は、下方になるにつれてノズル孔の上部に近づくように傾斜して形成されることを特徴とする請求項1〜8のうちの1つに記載の金属粒子の製造装置。 【請求項10】 ガスの圧力は、1〜50kPaであることを特徴とする請求項1〜9のうちの1つに記載の金属粒子の製造装置。 【請求項11】 溶融金属を貯留し、底部にノズル孔が形成され、少なくともノズル孔付近が、六方晶のBN、立方晶のBN、Si3N4、TiB2およびZrB2から成るグループから選ばれた1または複数を含む材料から成ることを特徴とする坩堝。 【請求項12】 溶融金属を、少なくともノズル孔付近が、六方晶のBN、立方晶のBN、Si3N4、TiB2およびZrB2から成るグループから選ばれた1または複数を含む材料から成るノズル孔から、He、Ne、Ar、Kr、およびXeから成るグループから選ばれた1または複数を含むガスによって、加圧して、滴下することを特徴とする金属粒子の製造方法。 【請求項13】 半導体を、貯留し、少なくともノズル孔付近が、六方晶のBN、立方晶のBN、Si3N4、TiB2およびZrB2から成るグループから選ばれた1または複数を含む材料から成り、貯留された溶融半導体を滴下するノズルを有する坩堝と、坩堝内の半導体を加熱して溶融する加熱手段と、溶融半導体を振動して、ノズルから落下する溶融半導体を、気相中で、粒径が揃った球状粒子にする加振手段と、坩堝内の半導体の上部空間に、He、Ne、Ar、KrおよびXeから成るグループから選ばれた1または複数を含むガス源から、大気圧を超えるガスを供給し、半導体を加圧する加圧手段とを含むことを特徴とする球状半導体粒子の大量生産装置。 【請求項14】 加振手段は、滴下する溶融半導体に音波または超音波を発生して、この音波または超音波によってノズル孔から滴下する溶融半導体を振動することを特徴とする請求項13記載の球状半導体粒子の大量生産装置。 【請求項15】 加振手段は、坩堝内の半導体の上部空間の圧力を変動する圧力変動手段であることを特徴とする請求項13記載の球状半導体粒子の大量生産装置。 【請求項16】 加振手段は、坩堝内の半導体の上部空間に連通して設けられるダイヤフラムと、ダイヤフラムを往復駆動する駆動源とを含むことを特徴とする請求項15記載の球状半導体粒子の大量生産装置。 【請求項17】 加振手段は、坩堝内の半導体の上部空間に接続される駆動室と、駆動室の圧力を振動させる駆動源とを含むことを特徴とする請求項15記載の球状半導体粒子の大量生産装置。 【請求項18】 加振手段は、坩堝内の溶融半導体に挿入される加振棒と、加振棒を振動する駆動源とを含むことを特徴とする請求項13記載の球状半導体粒子の大量生産装置。 【請求項19】 加振手段は、坩堝を振動することを特徴とする請求項13記載の球状半導体粒子の大量生産装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、金属粒子、特に高融点で反応性が高い金属の粒子を製造するための装置に関する。 【0002】 【従来の技術】本件明細書中、用語「金属」は、シリコンSi、ガリウムヒ素GaAs、インジウムガリウム燐InGaPなどの半導体を含む概念として解釈されなければならない。 【0003】典型的な先行技術は、アメリカ特許USP4,188,177である。この先行技術は、シリコン粒子を製造するために、石英製筒状坩堝を用い、不活性ガス、He、Arを用いて坩堝内の溶融Siを加圧してノズル孔から滴下する構成を開示する。 【0004】他の先行技術は特公昭60−59283である。この先行技術では、粉末冶金に適した金属粉末を製造するために、坩堝に貯留された溶融金属を、不活性ガス、Ar、He、Xe、Krによって加圧してノズル孔から噴霧し、アルミニウムには限定的にN2を用いる技術が開示される。 【0005】さらに他の先行技術は、特許2674053である。この先行技術では、金などの微細な金属粒を製造するために、耐火物の坩堝を用い、不活性ガスで加圧する構成を開示する。 【0006】これらの各先行技術では、本件発明者の実験によれば、坩堝に貯留された溶融金属の滴下噴出速度を制御することができず、ノズルから滴下する溶融金属の滴下速度が、時間経過に伴って低下し、最終的にはノズル孔から溶融金属が滴下することが不可能な状態に至る。本件発明者はこの原因■,■を次のように解明した。 【0007】原因■坩堝に設けられたノズル孔より溶融金属を加圧ガスと自重により滴下噴出させるにあたり、坩堝材料が溶融金属で濡れることにより、ノズル孔の周囲に金属材料が付着しやすい。また、溶融金属が高温であるために坩堝材料と反応して濡れが進行するとともに、反応生成物がノズル孔の周囲に堆積しやすく、さらにノズル孔に入り込むことによってノズル孔が閉塞される。 【0008】原因■さらに、高温の溶融金属は加圧ガスとも反応しやすく、その反応生成物は上記坩堝材料との反応生成物の場合と同様に、ノズル孔の周囲への堆積、孔の閉塞を引き起こす原因となる。 【0009】このようにして、坩堝のノズル孔の周辺部およびノズル孔の中の溶融金属の流れが徐々に阻害されていく現象が起こる。これにより、一定のガス圧力下で加圧しているにもかかわらず、溶融金属の滴下速度が低下したり、停止するという問題が発生する。この問題は、溶融金属の滴下速度に応じてガス圧力を調整する方法を採った場合でも解決できない。これは、溶融金属の滴下速度を一定に保つためのガス圧制御機構が非常に複雑であり、さらに最終的には、ガス圧力を最大限に上昇させても溶融金属が滴下しないというノズル孔の閉塞状態が発生するためである。このような現象は、溶融金属がSiであり、坩堝がカーボン、SiC、Al2O3またはZrO2から成り、加圧ガスがN2ガスから成るとき、特に著しく生じる。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、溶融金属と坩堝および加圧ガスとの反応を抑制することにより、上記従来の技術の問題点が解決された製造装置を提供することであり、これにより、高融点の金属であっても、生産性良く均一な粒度分布の金属粒子を提供することを可能にする。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明は、(a)坩堝であって、溶融金属を貯留し、底部にノズル孔が形成され、少なくともノズル孔付近が、六方晶のBN、立方晶のBN、Si3N4、TiB2およびZrB2から成るグループから選ばれた1または複数を含む材料から成る坩堝と、(b)坩堝内の溶融金属の上部空間に、大気圧を超えるガスを供給するガス源であって、このガスは、He、Ne、Ar、KrおよびXeから成るグループから選ばれた1または複数を含むガス源とを含み、(c)溶融金属を、ノズル孔から滴下することを特徴とする金属粒子の製造装置である。 【0012】また本発明は、金属は、Siであり、坩堝のノズル孔付近の材料は、六方晶BNであり、ガスは、Arであることを特徴とする。 【0013】また本発明は、坩堝自体が前記材料から成ることを特徴とする。また本発明は、坩堝は、底部に取付孔が形成された坩堝本体と、取付孔に取付けられ、ノズル孔が形成され、前記材料から成るノズル部材とを含むことを特徴とする。 【0014】また本発明は、坩堝本体の表面には、前記材料から成る被覆層が形成されることを特徴とする。 【0015】また本発明は、ガスの圧力は、1〜50kPaであることを特徴とする。また本発明は、溶融金属を貯留し、底部にノズル孔が形成され、少なくともノズル孔付近が、六方晶のBN、立方晶のBN、Si3N4、TiB2およびZrB2から成るグループから選ばれた1または複数を含む材料から成ることを特徴とする坩堝である。 【0016】また本発明は、溶融金属を、少なくともノズル孔付近が、六方晶のBN、立方晶のBN、Si3N4、TiB2およびZrB2から成るグループから選ばれた1または複数を含む材料から成るノズル孔から、He、Ne、Ar、Kr、およびXeから成るグループから選ばれた1または複数を含むガスによって、加圧して、滴下することを特徴とする金属粒子の製造方法である。 【0017】本発明の金属粒子製造装置は、溶融状態の金属を保持した坩堝中にガスを供給し、そのガスの加圧力および前記溶融状態の金属の自重による加圧力により、前記溶融状態の金属を前記坩堝の底部に設けられた孔から噴出滴下させる装置を有し、前記坩堝が、六方晶のBN、立方晶のBN、Si3N4、TiB2およびZrB2から成る群より選ばれた少なくとも1種の化合物を含み、前記ガスが、He、Ne、Ar、Kr、Xeから成る群より選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とするものである。不活性の加圧ガスと非反応性耐熱坩堝材料の組合わせにより、溶融金属が加圧ガスと坩堝材料のいずれとも反応しないようにする。これにより、溶融金属の滴下噴出速度の制御を可能にし、特に高融点の金属の粒子を均一な粒度分布で生産性良く、製造可能とする。 【0018】坩堝(少なくともノズル孔を含むその内表面)を溶融金属と化学的に安定で濡れ性が低い上記化合物を主成分として構成することによって、坩堝と溶融金属との反応を抑制し、反応生成物および濡れによる前記弊害を抑制することができる。また、上記化合物は耐熱性も高いので、一般的に1000度C以上の融点を有する金属を溶融状態で保持するために好適な材料である。 【0019】さらに加圧ガスとして上記の希ガス(不活性ガス)を使用することによって、加圧ガスと溶融金属の反応を阻止し、反応生成物による前記弊害をなくすことができる。 【0020】本発明の金属粒子の製造装置を適用して特に効果がある金属を述べる。高温での反応性が高い金属(化合物の種類が多い金属)、かつ高融点(1000度C以上)の金属、たとえば、シリコンSi、ガリウムヒ素GaAs、インジウムガリウム燐InGaP、チタン、クロム、銅、鉄、マンガン、タングステン、モリブデン、タンタルである。融点1000度C以下では、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛などが挙られる。 【0021】その金属の中で特にシリコンに適用して有効な理由を述べる。Siは、特に反応性が高く、シリサイドを形成しやすく、かつ高融点1420℃の金属であるので、シリコン球形粒子の太陽電池や半導体分野でのニーズが高いにかかわらず、従来法では製造が困難である。本発明では、このシリコン球形粒子を容易に製造可能にできる工業的効果はきわめて大きい。 【0022】加圧ガスについて述べる。不活性雰囲気とするために一般的に用いられるN2ガスは、反応性が高い前記各種金属と反応し、たとえばシリコンの場合にはSi3N4を形成する。本件発明者は、これら反応生成物が前記の弊害を引き起こすことを発見し、あえて、希ガスであるHe、Ne、Ar、KrまたはXeを用いて、厳密な不活性雰囲気とすることで、前記の弊害を抑制できることを見出した。 【0023】坩堝材料について述べる。本発明は、上記加圧ガス種の限定に加えて、耐熱性、非濡れ性と溶融金属への化学的安定性を兼ね備えた坩堝を使用することで、さらに効果的に前記弊害を排除することを可能にする。 【0024】先行技術の坩堝の材料として用いられる従来からのカーボンは、溶融シリコンとSiCを形成し、坩堝表面のSiCは溶融シリコンと濡れてしまう。また、タングステン、モリブデン、タンタルとは、シリサイドと呼ばれる化合物を形成し、同様に濡れの問題が発生する。シリサイドは、種類が非常に多く、それだけシリコンは、いろいろな金属と化合物を形成する、反応性の高い金属である。さらに、アルミナ(Al2O3)、ジルコニア(ZrO2)などの非濡れ性を有する耐熱材料も、溶融シリコンと接触すると反応してアルミニウムシリサイド、ジルコニウムシリサイドを生成し、非濡れ性が失われる。 【0025】上記のような数多い耐熱材料のうちで、本件発明者は、耐熱性、非濡れ性、および、特にシリコンなどの高融点金属の溶融状態の金属に対する化学的安定性を兼ね備えた坩堝材料として、六方晶のBN、立方晶のBN、Si3N4、TiB2およびZrB2から成る群より選ばれた少なくとも1種の物質を主成分として含むものが好適であることを見出した。本発明における上記物質を主成分とする材料は、上記物質を70重量%以上含有する材料が好ましく、90重量%以上含む材料がさらに好ましい。坩堝材料としては上記物質を単体で用いる以外に、BN−Si3N4など上記物質同士の各種複合体、およびBN−AlN、BN−Al2O3など上記物質と他の物質との各種複合体を用いることもできる。 【0026】上記坩堝材料を用いた坩堝の実施の各形態■〜■について述べる。 ■坩堝全体を前述の本発明の坩堝材料で構成したもの。たとえば、材料粉末をバインダなどと混合したものを加圧成型、あるいはさらにこれを焼結して作製。後述の図1、図2参照。 【0027】■カーボン、Al2O3、ZrO2、SiC、タングステン、モリブデン、タンタルなどの、必ずしも非濡れ性、化学的安定性が充分ではない耐熱性材料で構成した坩堝本体の少なくとも内表面を、前述の本発明の坩堝材料から成る被覆層で被覆したもの。たとえば、化学蒸着法、物理蒸着法で0.1〜5μm程度被覆する。被覆層の厚みが厚すぎると密着性が劣り、薄すぎると被覆効果が薄い。ほかに、被覆層の形成は、ペースト塗布でコーティング後、熱処理する方法でもよい。図4参照。 【0028】■坩堝本体は必ずしも非濡れ性、化学的安定性が充分ではない上記の耐熱性材料から成り、坩堝のノズル孔の周辺のみが前述の本発明の坩堝材料から成るもの。たとえば、坩堝底部のノズル孔付近に、前述の本発明の坩堝材料で構成した溶融金属滴下用小孔であるノズル孔を備えた部材を嵌め込む。図5〜図8参照。 【0029】■前述の■の坩堝本体に前述の■の被覆層を施したもの(すなわち前述の被覆層■と前述の部材■との組合わせ)。図9参照。 【0030】これらの各構成によって、坩堝底部のノズル孔が反応生成物によって閉塞され、溶融金属を噴出滴下させる際の圧力が一定とならなかったり、また一定圧力を保持しているにもかかわらず滴下が停止してしまったり、最悪の場合には加圧圧力を上昇させても滴下しないという前記のノズル孔の閉塞の各問題を防止することができる。その結果、高融点、高反応性金属、たとえばSiであっても、均一な粒度分布で均一な形状の球形金属粒子を生産性良く製造することが可能となる。 【0031】また本発明は、ノズル孔の内径は、0.05〜2.0mmφであり、ノズル孔の長さは、ノズル孔の内径の1〜50倍であることを特徴とする。 【0032】本発明に従えば、ノズル孔の内径D3は前述のように0.05〜2.0mmφに選ばれ、好ましくは0.1〜0.5mmφに選ばれ、これによって粒径が揃った球状の金属粒子を大量生産することができる。内径が0.05mmφ未満では、製造される金属粒子の粒径が小さすぎて、取扱いハンドリングが繁雑になる。内径が2.0mmφを超えると、製造される金属粒子の粒径が大きくなりすぎて、たとえば後述の光発電装置の用途における単位面積あたりの発電電力である発電効率が低下してしまう。後述の光発電装置では、製造される金属粒子は、たとえば1mmφであることが、発電効率の観点から、好ましい。このノズル孔の内径は、好ましくは0.1〜0.5mmφである。 【0033】ノズル孔の長さL3は、前述のようにノズル孔の内径の1〜50倍であり(D3≦L3≦50・D3)、好ましくは10〜20倍であり、たとえば0.05〜60mmであってもよく、10〜20mmが好ましく、さらに約15mmが好ましい。ノズル孔の長さが、ノズル孔の内径の1倍未満では、そのノズル孔を流れる溶融金属が層流にならず、レイノルズ数が大きくなってしまい、ノズル孔を流れる溶融金属が乱流になり、これによって滴下する粒子の粒径が不揃いになる。50倍を超えるとドリルによるノズル孔の穿孔が困難になり、また金属粒子の粒径を揃えるためには、無意味でもある。 【0034】このようにノズル孔の内径とノズル孔の長さとを適切に選ぶことによって、坩堝内の溶融半導体が、その自重でノズルを落下して流過してしまうおそれはなく、加圧手段による圧力によって、たとえば一定の流量でノズルから溶融半導体を落下することができるようになる。これによって粒径が揃った球状粒子を、正確に得ることができるようになる。 【0035】また本発明は、ノズル孔の上部は、下方になるにつれて小径となるように彎曲して形成されることを特徴とする。 【0036】また本発明は、ノズル孔の下部は、下方になるにつれて大径となるように彎曲して形成されることを特徴とする。 【0037】本発明に従えば、ノズル孔の上部をラッパ状に形成することによって、溶融金属が円滑にノズル孔に案内されて層流で流下することができ、滴下が正確になる。 【0038】ノズル孔の下部をラッパ状に形成することによって、ノズル孔の下部に溶融金属が付着して、その付着量が時間経過に伴って増大して成長することを防ぐことができる。これによってノズル孔の下部が、溶融金属の付着によって閉塞してしまう恐れはなく、溶融金属の連続的な滴下が継続される。 【0039】また本発明は、坩堝の底部の内表面は、下方になるにつれてノズル孔の上部に近づくように傾斜して形成されることを特徴とする。 【0040】本発明に従えば、坩堝内に貯留された溶融金属は、坩堝の底部の表面に沿ってノズル孔の上部に案内される。したがって坩堝内に貯留された溶融金属の全てが、ノズル孔内に導かれることができ、坩堝内に付着して残存したままになる恐れがなく、溶融金属が無駄になることはない。 【0041】また本発明は、ガスの圧力は、1〜50kPaであることを特徴とする。本発明に従えば、ノズル孔から排出される溶融金属には、ガスの圧力1〜50kPaと、ノズル孔の上方に貯留されている溶融金属のヘッドによる圧力との和が作用する。1kPa未満では、ノズル孔からの溶融金属の滴下が不充分であり、50kPaを超えると、坩堝を含む圧力容器の構造が複雑になる。この圧力は、好ましくは5〜50kPaである。 【0042】また本発明は、半導体を、貯留し、少なくともノズル孔付近が、六方晶のBN、立方晶のBN、Si3N4、TiB2およびZrB2から成るグループから選ばれた1または複数を含む材料から成り、貯留された溶融半導体を滴下するノズルを有する坩堝と、坩堝内の半導体を加熱して溶融する加熱手段と、溶融半導体を振動して、ノズルから落下する溶融半導体を、粒径が揃った球状粒子にする加振手段と、坩堝内の半導体の上部空間に、He、Ne、Ar、KrおよびXeから成るグループから選ばれた1または複数を含むガス源から、大気圧を超えるガスを供給し、半導体を加圧する加圧手段とを含むことを特徴とする球状半導体粒子の大量生産装置である。 【0043】本発明に従えば、坩堝内に半導体を貯留して加熱手段によって溶融し、この溶融半導体を、ノズル孔から滴下する。この坩堝から滴下する溶融半導体に、または、坩堝内に貯留されている溶融半導体に、振動を加振手段によって加える。これによってノズルから落下する溶融半導体が、気相中で球状粒子となり、その球状粒子の粒径がほぼ一定の値に揃う。これによって簡単な操作で容易に球状半導体粒子を大量生産することができるようになる。気相というのは、前述の本発明の加圧ガスであってもよいが、空気、ArまたはN2などの不活性ガスなどであってもよく、さらにまた真空中も含む。 【0044】本発明に従えば、ノズル孔から滴下する溶融半導体は、線状ではなく、液滴状であり、したがって高速度で短時間に大量の球状半導体粒子を製造することが容易に可能である。たとえば本発明によれば、溶融半導体をノズルから、1cm/sec〜5m/secで滴下して、球状半導体粒子を製造することができ、この生産速度は、前述の先行技術に比べて格段に大きい。 【0045】気体で溶融半導体を加圧するには、坩堝内の半導体の上部空間に、大気圧を超える圧力を有する前述の本発明の加圧ガスをガス源から供給する。あるいはまた坩堝内の半導体の上部空間の加圧ガスの圧力よりも、ノズル孔が臨む下方の空間の圧力を低くし、これによって坩堝内の溶融半導体がノズルから滴下するように構成してもよい。 【0046】加振手段の振動周波数は、10Hz〜1kHzに選ばれ、これによって溶融半導体は、粒径が揃った球状粒子とされて、球状半導体粒子の大量生産が容易に可能になる。 【0047】また本発明は、加振手段は、滴下する溶融半導体に音波または超音波を発生して、この音波または超音波によってノズル孔から滴下する溶融半導体を振動することを特徴とする。 【0048】本発明に従えば、ノズル孔から滴下する溶融半導体に、音波または超音波を照射し、これによって落下している溶融半導体が、粒径の揃った球状粒子とすることが正確に可能になる。 【0049】また本発明は、加振手段は、坩堝内の半導体の上部空間の圧力を変動する圧力変動手段であることを特徴とする。 【0050】また本発明は、加振手段は、坩堝内の半導体の上部空間に連通して設けられるダイヤフラムと、ダイヤフラムを往復駆動する駆動源とを含むことを特徴とする。 【0051】また本発明は、加振手段は、坩堝内の半導体の上部空間に接続される駆動室と、駆動室の圧力を振動させる駆動源とを含むことを特徴とする。 【0052】本発明に従えば、溶融半導体を振動するための加振手段は、坩堝内の溶融半導体の上部空間に気体の圧力を作用してその圧力を変動する圧力変動手段である。この圧力変動手段は、ダイヤフラムと、そのダイヤフラムを往復駆動する駆動源、たとえばモータとクランクとを含む構成によって実現されてもよく、あるいはまた駆動室の容積を駆動源によって大小に変動して圧力を振動させる構成によって実現されてもよい。 【0053】また本発明は、加振手段は、坩堝内の溶融半導体に挿入される加振棒と、加振棒を振動する駆動源とを含むことを特徴とする。 【0054】本発明に従えば、坩堝内に貯留された溶融半導体に、駆動源によって振動されて駆動される加振棒を挿入する。これによって溶融半導体が振動される。したがってノズル孔から溶融半導体が滴下し、球状粒子となり、その粒径がほぼ一定の値に揃う。 【0055】また本発明は、加振手段は、坩堝を振動することを特徴とする。さらに本発明に従えば、溶融半導体を振動させるために、その溶融半導体が貯留されている坩堝を、駆動源によって振動するようにしてもよい。 【0056】また本発明は、ノズル孔からの液体または固体の粒子が気相中に存在している状態で、冷却速度を制御するために加熱し、粒子を単結晶または多結晶にする結晶化手段とを含むことを特徴とする。 【0057】また本発明は、一方導電形式の結晶半導体粒子を、その粒子の表面にドープすべき原子または分子を含む原料ガスの気相中の通路を通過して、他方導電形式の表面層を形成する拡散手段とを含むことを特徴とする。 【0058】本発明に従えば、ノズルから落下する液体または固体の粒子を、結晶化手段によって加熱して再溶融して、その粒子が気相中に存在している状態で、粒子を単結晶または多結晶にする。また、一方導電形式の結晶半導体粒子を、その粒子の表面にドープすべき原子または分子を含む原料ガスの気相中の通路を通過して、他方導電形式の表面層を形成する。 【0059】本発明に従えば、ガス拡散法または固相拡散法によって、一方導電形式、たとえばp形の結晶半導体粒子の表面層に、他方導電形式、たとえばn形の表面層を容易な操作で形成することができる。ガス拡散法は、拡散したい不純物を、高温に保ったシリコン表面にガス状で送る手法であり、固相拡散法は、シリコン表面に不純物を含む拡散剤を堆積し、その後、高温度でシリコンを熱処理する手法である。 【0060】また、前記通路は、上下に延びて形成され、粒子がその通路を落下中に、表面層の拡散が行われる。本発明では、ガス拡散法により球状シリコンの表面に拡散層を形成する。事例として、たとえばp形球状シリコンの表面に浅いn形拡散層を形成する。拡散源としては、P2O5、POCl3あるいはPH3等を用いる。まず、前記拡散源をわずかの水素を含む不活性ガスにより、レーザ光照射領域に隣接し、同領域とは雰囲気的に分離された拡散層形成領域に導入し、同領域内を同ガスにより充満させる。p形シリコン球は、レーザ光の照射により高品質再結晶化された後、高温度に保たれたまま、拡散層形成領域の上端部より下端部に向け通過する。同通過時にp形シリコン球の表面全面に太陽電池として機能するに必要な深さのn形拡散層が形成される。この工程は前記ガスを連続して導入し、拡散層形成領域のガス雰囲気をコントロールすることにより、大量にかつ連続して行うことが可能となる。 【0061】また、前記通路を通過して拡散剤が表面に堆積した粒子を、加熱して所望の厚みを有する表面層を形成する。本発明に従えば、たとえばp形シリコン球を、拡散層形成領域の上端部より下端部に向け通過させ、同通過時にp形シリコン球の表面全面に浅いn形拡散層を形成しておき、しかる後、これらのシリコン球を多数石英等の容器にのせ、再度熱処理することにより所望のn形拡散層を得ることもできる。 【0062】 【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の後述の図3に示される球状半導体粒子の大量生産装置である金属粒子の製造装置の一部分を示す断面図である。後述の図17の光発電装置1などにおいて用いられるSiから成る球状半導体粒子を大量生産するために、坩堝208には、Siから成る溶融半導体261が貯留される。この坩堝208は、鉛直の軸線262に垂直な断面が円形であり、その内周面は、直円筒部263と、その下部に連なる円錐部264とを含み、底部265には、軸線262と同軸のノズル孔218が形成される。円錐部264の軸線262と成す角度θ1(図1参照)は、たとえば30度であってもよい。したがって、坩堝208の底部265の溶融半導体が接触する内表面は、前述のように円錐部264となって形成されているので、その底部の溶融半導体が接触する内表面は、下方になるにつれてノズル孔218の上部268に近づくように傾斜して形成される。これによって坩堝208内に貯留される溶融半導体261への全てが、ノズル孔218に円滑に案内され、溶融半導体261が坩堝208内に残存して無駄になる恐れはない。 【0063】溶融半導体261の上方の上部空間266には、後述の加圧手段211を構成するガス源214から、加圧ガスが供給される。坩堝208自体は、六方晶のBN、立方晶のBN、Si3N4、TiB2およびZrB2から成るグループから選ばれた1または複数を含む材料から成り、これらのグループから選ばれた材料のみから成ってもよいが、その材料を主成分とし、そのほかの材料が混合されていてもよい。上部空間266に供給されるガスは、He、Ne、Ar、KrおよぶXeから成るグループから選ばれた1または複数のガスを含み、これらのグループのガスのみから成ってもよいが、そのガスを主成分とし、そのほかの種類のガスを含んでもよい。好ましくは坩堝208は六方晶BNであり、化学的安定性が優れており、分解点は2000℃以上であり、しかもSiである溶融半導体261とは濡れず、反応を生じないという点で、好ましい。ガスはArが好ましい。 【0064】図2は、図1のノズル孔218付近の拡大断面図である。ノズル孔の上部268は、下方につれて小径となるように彎曲し、ラッパ状に形成される。ノズル孔の下部269は、下方になるにつれて大径となるように彎曲して、ラッパ状に形成される。上部268の曲率半径R1は、たとえば孔径D3の1/10〜10倍、好ましくは1〜5倍であってもよい。下部269の曲率半径R2は、たとえば孔径D3の1/10〜10倍、好ましくは1〜5倍であってもよい。直円筒部271の内径D3は、たとえば0.05〜2.0mmφであり、好ましくは0.1〜0.5mmφである。 【0065】上部268は、直円錐部264に滑らかに連なる。下部269は底部265の下面272に滑らかに連なる。上部268と下部269とは、ノズル孔218の直円筒部271に滑らかに連なる。上部268と下部269との間にわたるノズル孔218の長さL3は、内径D3の1〜50倍(すなわちL3=D3〜50・D3)であり、好ましくは10〜20倍(すなわちL3=10・D3〜20・D3)である。 【0066】坩堝208に貯留された溶融半導体261は、ノズル孔218から空間217に滴下し、空間217の気相中で冷却され、または結晶化のために加熱される。 【0067】図3は、坩堝208を含む溶融部207の具体的な構成を示す断面図である。ガス源214からは、管路274を介してガスが前述のように供給される。坩堝208は、その坩堝208を囲むカーボンヒータなどの電気ヒータ275によって加熱される。坩堝208は、支持筒276によって受けられ、その支持筒276は支持体277によって支持される。ノズル218から滴下する溶融半導体は、支持体277の空間217を落下し、この滴下する溶融半導体は、参照符278で示される。坩堝208およびヒータ276などは、断熱材279で覆われる。 【0068】ガス源214によって坩堝208の溶融半導体261における上部空間266に作用する加圧力は、たとえば1〜50kPaであり、好ましくは5〜50kPaであってもよい。 【0069】図4は、本発明の実施の他の形態の坩堝208aの断面図である。この坩堝208aは、坩堝本体281の溶融半導体261に接触する表面に被覆層282が形成されて構成される。被覆層282は、坩堝本体281の直円筒部263、円錐部264、ノズル孔218の上部268に連なる上面、および底部265のノズル孔218における下部269に連なる下面に被覆され、さらにノズル孔218の内面にも被覆層282が施されることが好ましい。坩堝本体281は、たとえばカーボン、タングステン、モリブデン、タンタル、アルミナ、ジルコニアなどのような前述の耐熱材料から成ってもよい。被覆層282は、前述の図1に示される坩堝208と同様な本発明の坩堝材料から成る。被覆層282の厚みは、0.1〜5μmであってもよい。 【0070】図5は、本発明の他の形態の坩堝208bを示す断面図である。この坩堝208bは、坩堝本体284と、ノズル部材285とを含む。ノズル本体284は、前述の図1に示されるノズル208と同様な本発明の坩堝材料から成り、その底部265には、軸線262と同軸の取付孔286が形成される。取付孔286には、めねじが刻設される。 【0071】ノズル部材285は、おねじ部287と、このおねじ部287に連なるベース部288とを含む。おねじ部287は、取付孔286に交換のために取外し可能に螺着される。ノズル部材285には、軸線262と同軸のノズル孔218が形成される。ノズル部材285もまた、坩堝本体284と同様に、前述の本発明の坩堝材料から成る。ベース部288は、坩堝本体284の底部265の下面に当接し、このときノズル孔218の上部268は、円錐部264の図5における下部に連なる。 【0072】図6は、本発明の実施の他の形態の坩堝208cの断面図である。この坩堝208cは、坩堝本体291と、ノズル部材292とを含む。ノズル本体291は、前述の図5に示されるノズル本体284と同様な構成を有し、底部265には取付孔286が形成される。ノズル部材292は、取付孔286のめねじに螺合するおねじ部293と、このおねじ部293の上部に連なる頂部294とを有し、軸線262と同軸のノズル孔218が形成される。頂部294は、坩堝本体291の円錐部264に連なる。坩堝本体291およびノズル部材292は、前述の図1の坩堝208と同様な本発明の坩堝材料から成る。 【0073】図7は本発明の実施の他の形態の坩堝208dの断面図であり、図8は図7に示される坩堝208dの底面図である。坩堝208dは、坩堝本体295と、その底部265に取付けられるノズル部材296とを含む。ノズル部材296は、そのノズル部材296を厚み方向(図7の上下方向)に挿通するボルト297が着脱可能に底部265のねじ孔298に螺合することによって、取付けられる。このノズル部材296には、軸線262と同軸のノズル孔218が形成される。ノズル孔218の上部268は、円錐部264の下部に連なる。坩堝本体295およびノズル部材296は、前述の図1の坩堝208と同様な本発明の坩堝材料から成る。 【0074】図9は、本発明の実施の一形態の坩堝208eの断面図である。この図9に示される実施の形態では、坩堝本体の直円筒部263および円錐部264の内面に、図4に示される被覆層263が形成される。この坩堝本体281の下部265には、前述の図5の実施の形態と同様な取付孔286が形成され、この取付孔286には、ノズル部材285が着脱可能に取付けられる。坩堝本体281は、前述の図4の坩堝本体281と同様なカーボンなどの材料から成り、被覆層263は、前述の本発明の坩堝材料から成り、またノズル部材285は、被覆層263と同様な前述の本発明の坩堝材料から成る。 【0075】本発明の実施の他の形態では、ノズル部材285に代えて、図6の坩堝材料292が用いられてもよく、さらに図7および図8に示される構成において、坩堝本体295は、前述の先行技術のカーボンなどの材料から成り、その内面に被覆層263が本発明の坩堝材料によって構成されてもよい。前述の実施の各形態におけるそのほかの構成は、図1〜図3の実施の形態および後述の実施の形態の構成と同様である。 【0076】図10は本発明の実施の一形態の球状半導体粒子の大量生産装置の全体の構成を簡略化して示す図であり、図11は図10に示される装置の操作を示すフローチャートである。光発電装置などにおいて用いられるSiから成る球状半導体粒子を大量生産するために先ず、上部ホッパ201に、Si半導体の原料が供給される。ホッパ201内は常時、常圧である。上部ホッパ201からの原料は、開閉弁202を経て中間ホッパ203に供給される。中間ホッパ203は、原料受け入れ時は常圧であり、原料供給時に運転圧力になる。この中間ホッパ203からの原料は、開閉弁204を経て下部ホッパ205に供給される。下部ホッパ205は、常に運転圧力であり、固体状態の原料を滞留する。こうして図11のステップs1では、Si半導体の果粒状の原料が上部ホッパ201から中間ホッパ203を経て供給され、開閉弁202,204の働きによってステップs2では、下部ホッパ205への定量供給が、外部の圧力が遮断された状態で、達成される。 【0077】下部ホッパ205からの原料は、固体予熱部206において図11のステップs3では原料が予熱される。この固体予熱部206は、高周波誘導加熱方式で予熱が行われ、本発明の実施の他の形態では、高周波誘導加熱方式に代えて、反射炉または電気炉などによって輻射加熱するように構成されてもよい。 【0078】固体予熱部206で予熱された原料は、次に、前述の溶融部207において、図11のステップs4に示されるように加熱されて溶融される。溶融部207の溶融は、前述の固体溶融部206と同様に、高周波誘導加熱方式で達成されてもよいけれども、本発明の実施の他の形態では、反射炉または電気炉などによる輻射加熱方式によって加熱溶融されてもよい。 【0079】溶融部207は、前述の図1の坩堝208を含み、溶融半導体261が坩堝208に貯留される。この坩堝208内の溶融半導体の上部空間266には、運転圧力が与えられて加圧されるとともに、図11のステップs4aに示されるように溶融半導体が加振されて振動される。坩堝208の底部265に形成されたノズル孔218から、坩堝208の溶融半導体の上部空間266に与えられる圧力に対応した予め定める一定の流量で溶融半導体が滴下される。 【0080】図12は、坩堝208からノズル孔218を経て溶融半導体を落下する構成を簡略化して示す図である。溶融部207において坩堝208には、加圧手段211によって溶融半導体261の上部空間266に不活性ガスであるArガスによって圧力が与えられる。坩堝208内の半導体261は、加熱手段212によって加熱され、前述のように溶融される。さらにノズル孔218から落下する溶融半導体は、加振手段213によって振動される。 【0081】図13は、溶融部207の簡略化した断面図である。加圧手段211は、ガス源214を含み、不活性ガスArを坩堝208内の溶融半導体261の上部空間266に供給する。坩堝208内の半導体261を加熱溶融するために、坩堝208その付近に設けられた前述の電気ヒータ276を有する抵抗加熱手段によって行うようにしてもよいが、坩堝208内の半導体261を加熱溶融するために、誘導加熱方式では、たとえば200〜500kHzの高周波電源215からの高周波電力が坩堝208を囲む誘導加熱コイル216に供給され、これによって坩堝208内の半導体261が誘導加熱される。このようにカーボンヒータ275によってジュール熱を発生する代りに、誘導加熱コイル216によって高周波磁界を発生し、半導体261を誘導加熱してもよい。坩堝208は、図1に関連して前述した本発明の高融点導電性材料から成る。ノズル孔218の内径とその長さを、前述のように適切に選び、これによってガス源214による溶融半導体261の上部空間266に与えられるガス圧に対応した流量で、たとえば一定の予め定める値の流量で、ノズル孔218から溶融半導体261を滴下することができる。ノズル孔218が臨む空間217の圧力は、大気圧である。 【0082】本発明の実施の他の形態では、ガス源214によるガス圧が溶融半導体の上部空間に供給される代りに、この坩堝208内の溶融半導体261の上部空間266の圧力を大気圧とし、ノズル孔218が臨む空間217の圧力を、坩堝内の溶融半導体の上部空間の圧力よりも低く選ぶようにしてもよい。 【0083】ノズル孔218から滴下する溶融半導体261には、加振手段213によって、たとえば10Hz〜1kHzの音波が与えられ、落下する溶融半導体が振動される。この振動周波数は、超音波の帯域であってもよい。 【0084】図14は、ノズル孔218から落下される溶融半導体261が球状粒子に形成される状態を示す図である。ノズル孔218から滴下する溶融半導体261は、上下に連なっている状態でもよいが、さらに落下することによって、加振手段213の振動の作用によって、上下に分断され、粒子となることが確実になる。 【0085】再び図10および図11を参照して、ノズル孔218から滴下された溶融半導体が粒子状となり、冷却筒211を通過し、粒子の真球度を向上し、表面状態を滑らかにされる。この冷却筒211では、図11のステップs6における冷却制御が行われる。ステップs7では、冷却された粒子が分級され、たとえばその粒径D2が1±0.5mmφ内の粒子だけが分級されてレーザ源222によるレーザ光223が照射される。こうしてステップs8では、ノズル209からの固体の粒子が、気相中に存在している状態で、レーザ光223の照射によって加熱されて再溶融し、これによって粒子が、単結晶または多結晶になり、その表面にクラックが生じたり、また粒子がアモルファス化することを防ぐ。 【0086】このレーザ源222は、粒子を結晶化するための働きを果たし、結晶化手段224を構成する。こうして結晶化された粒子は、図11のステップs9において再び分級され、その粒径D2が前述のように1±0.5mmφの粒子だけが分級されて、次の表面層形成手段225に導かれ、ステップs10におけるコーティング工程が行われる。表面層形成手段225では、一方導電形式、たとえばp形の単結晶または多結晶の結晶半導体粒子を、その粒子の表面にドープすべき原子または分子を含む拡散源の気相中の通路に通過して、他方導電形式、たとえばn形の表面層を形成する。この通路は、上下に延びて形成され、粒子がその通路を落下中に、表面層の拡散が行われる。拡散源は、たとえばP2O5、POCl3またはPH3などであってもよい。こうして気相拡散方式で、表面層が形成される。 【0087】本発明の実施の他の形態では、この通路を通過して拡散剤が表面に堆積した粒子を、さらに加熱して、所望の厚みを有する表面層を形成し、固体拡散方式によって表面層を形成するようにしてもよい。表面層は、真空蒸着によって形成されてもよい。 【0088】こうして表面層が形成された粒子は、冷却筒227において、図11のステップs11において冷却制御が行われる。こうして真球度が向上され、表面状態が希望する表面層の状態に保たれて制御され、クラックなどが生じることなく、結晶性、真球度および表面形状が優れた光電変換素子がステップs12において得られる。 【0089】図15は、表面層形成手段225の具体的な構成を示す断面図である。結晶化手段224によって結晶化されて固化された粒子は、表面層形成手段225において前述のように表面層が形成される。本発明では、ガス拡散法により球状シリコンの表面に拡散層を形成する。事例として、p形球状シリコンの表面に浅いn形拡散層を形成する方法について説明する。拡散源としては、P2O5、POCl3あるいはPH3等を用いる。まず、前記拡散源をわずかの水素を含む不活性ガスにより、レーザ光照射領域に隣接し、同領域とは雰囲気的に分離された拡散層形成領域239に導入し、同領域239内を同ガスにより充満させる。また、同拡散層形成領域239は上下方向の長さが約5メートルであり、上端部241の温度が約1400℃、下端部242の温度が約1350℃になるよう設定されている。p形シリコン球は、レーザ光の照射により高品質再結晶化された後、高温度に保たれたまま、上記拡散層形成領域239の上端部241より下端部242に向け通過する。通過時間は約1秒である。そして、同通過時にp形シリコン球の表面全面に太陽電池として機能するに必要な深さ約0.5μmのn形拡散層が形成される。この工程は前記ガスを連続して導入し、拡散層形成領域239のガス雰囲気をコントロールすることにより、大量にかつ連続して行うことが可能となる。 【0090】図16は、本発明の実施のさらに他の形態の表面層形成手段238の構成を簡略化して示す図である。本発明に従えば、前述と同様な拡散層形成領域243の温度を約1200℃になるように設定しておき、前述同様p形シリコン球を、拡散層形成領域243の上端部244より下端部245に向け約1秒で通過させ、同通過時にp形シリコン球の表面全面に深さ約0.1μmの浅いn形拡散層を形成しておき、しかる後、これらのシリコン球を多数石英等の容器246にのせ、900〜1000℃の温度で再度数十分間熱処理することにより所望のn形拡散層を得ることもできる。 【0091】本件明細書中、pin接合というのは、ほぼ球状の光電変換素子2の内から外に、または外から内に、順次的にn形、i形およびp形の各半導体層が形成された構成を含むものと解釈されなければならない。 【0092】図17は、本発明の実施の他の形態の加振手段228を示す簡略化した断面図である。この加振手段228は、坩堝208内の溶融半導体261の上部空間266に連通して設けられるダイヤフラム229と、このダイヤフラム229を図17の上下に往復駆動する駆動源231とを含む。駆動源231は、たとえばモータと、そのモータによって駆動されるクランク機構とを含んでもよい。ダイヤフラム229の図17における上下動によって、溶融半導体261の上部空間266に作用する圧力が周期的に変動して加振されることになる。 【0093】図18は、本発明のさらに他の実施の形態の加振手段234の簡略化した断面図である。坩堝208内の半導体261の上部空間266には、管路235を経て駆動室236が接続される。この駆動室236の圧力を、駆動源237によって駆動し、駆動室236内の容積を大小に周期的に変化する。これによって空間233、したがって溶融半導体261を振動することができる。 【0094】図19は、本発明の実施の他の形態の加振手段302を備えた坩堝208の構成を示す断面図である。加振手段302は、坩堝208内の溶融半導体261に挿入される加振棒303と、この加振棒303を軸線262に沿って往復して鉛直の上下方向に振動して駆動する振動子である駆動源304と、この駆動源304を坩堝208の上部に固定された坩堝蓋305に弾発的に支持する防振ばね部材306とを含む。駆動源304は、たとえば圧電素子、ボイスコイルモータ、振動モータなどによって実現され、そのほかの構成であってもよい。加振棒303はほぼ直円柱状であり、軸線262と同軸であり、下端部307は、ノズル孔218の上部付近の直上に臨む。加振棒303の外径D4は、ノズル孔218の内径D3を超える値に選ばれる。防振ばね部材306は、駆動源304の発生する振動を、効果的に、損失を生じることなく、加振棒303に伝達する働きをする。加振棒303が振動されることによって、溶融半導体261も振動する。これによって滴下する溶融半導体309自体も振動し、特定のタイミングで切れて落下し、滴下粒子278の粒径が均一に揃うことになる。加振棒303は、坩堝208と同様な前述の本発明の坩堝材料から成ることが好ましい。 【0095】加振棒303の上端部が、駆動源304によって往復上下駆動されることによって、溶融半導体261は、周期的にノズル孔218に押込まれて供給され、参照符309で示されるようにノズル孔218の下部269から下方に垂下し、参照符278で示されるように滴下する。ガス源214からのガスは前述の実施の形態と同様に管路274から、カバー部材311で囲まれた加振室312に供給され、溶融半導体261の上部空間266に供給され、一定の圧力で溶融半導体261が加圧される。 【0096】本発明の実施の他の形態では、加振棒303は、前述の鉛直な上下方向の振動に代えて、たとえば軸線262に垂直な図19の左右方向の振動であってもよく、そのほかの方向に移動するように構成されてもよい。 【0097】図20は、本発明の実施の他の形態の加振手段314によって坩堝208が振動される構成を示す断面図である。坩堝208の上部には、カバー部材315が固定され、このカバー部材315上には、振動子である駆動源316が取付けられる。カバー部材315は、防振ばね部材317を介して、固定位置に設けられた支持部材318に連結されて吊り下げられる。駆動源316は、カバー部材315、したがって坩堝208を軸線262に沿って鉛直方向に往復振動して駆動する。本発明の実施の他の形態では、駆動源316は、軸線262に垂直な図20の左右方向に往復振動するように構成されてもよく、そのほかの方向に振動して駆動するように構成されてもよい。防振ばね部材317は、駆動源316によって発生する振動を効果的に、損失を生じることなく、坩堝208にカバー部材316を介して伝達する。こうして坩堝208が振動されることによって、溶融半導体261も振動する。これによってノズル孔218から排出される滴下溶融半導体309も振動し、特定のタイミングで切れて、滴下粒子278の粒径が均一に揃うことになる。カバー部材315には、管路274を介してガス源214から加圧ガスが供給される。 【0098】図17〜図20に示される坩堝208に代えて前述の坩堝208a〜208eなどが用いられてもよい。 【0099】本発明によって生産された球状半導体粒子は、光電変換素子であり、このような光電変換素子2を用いて、後述の光発電装置1を構成することができる。 【0100】図21は、本発明の実施の一形態の光発電装置1の一部の拡大断面図である。光発電装置1は基本的に、ほぼ球状の形状を有する複数の光電変換素子2と、その光電変換素子2が搭載される支持体3とから成る組合せ体4が、透光性合成樹脂材料、たとえばPVB(ポリビニルブチラール)、EVA(エチレンビニルアセテート)などから成る充填層5内に埋設され、この充填層5には、太陽光などの光源側にポリカーボネートなどの透光性保護シート6が配置されて固定される。充填層5の保護シート6と反対側(図21の下方)の表面には、合成樹脂材料などから成る防水性裏面シート12が固定される。こうして光発電装置1の全体の形状は、偏平な板状である。 【0101】光電変換素子2は、第1半導体層7、およびそれよりも外方の第2半導体層8を有する。第2半導体層8には開口部9が形成される。第1半導体層7の一部分10は、開口部9から図21の下方に露出する。図21の上方から光11が照射されることによって、光電変換素子2の第1および第2半導体層7,8間から光起電力が出力される。 【0102】支持体3は、第1導体13と第2導体14との間に電気絶縁体15がサンドイッチされ、こうして第1および第2導体13,14が、電気絶縁体15を介して電気的に絶縁されて構成される。第1および第2導体13,14は、たとえばアルミニウム箔であってもよく、そのほかの金属製シートであってもよい。電気絶縁体15は、たとえばポリイミドなどの合成樹脂材料であってもよく、そのほかの電気絶縁性材料から成ってもよい。複数の各凹部17は、隣接して形成され、この凹部17の内面は、第1導体13によって形成される。各凹部17内の底には、光電変換素子2がそれぞれ配置される。 【0103】図10〜図16の坩堝208に代えて、前述の他の坩堝208a〜208eが用いられてもよい。 【0104】本発明は、Siなどの半導体だけでなく、そのほかの種類の金属、たとえば鉄、アルミニウムなどに関連しても広範囲に実施することができる。 【0105】本件発明者による実施例1および比較例1〜3を述べる。前述の図1〜図3および図10〜図16の実施の形態において、坩堝208の材質、ノズル孔218の孔径、上部空間266に供給される加圧ガスの種類、溶融半導体261の種類およびその溶融半導体261の加熱温度は、表1のとおりである。 【0106】 【表1】
【0107】実施例1の試験方法と結果を述べる。加熱終了後、10kPaで加圧、滴下が開始した。加圧中に粒子径が変化することは、全くなかった。また、滴下が停止してしまうこともなく、坩堝に貯留した70gのシリコンのうち68gを粒子として回収することができた。 【0108】比較例1の試験方法と結果を述べる。加熱終了後、10kPaで加圧、滴下が開始した。開始直後は、小径粒子が滴下していたが、時間の経過とともに大径粒子へと遷移しながら、最終的には10kPa保持していたにもかかわらず、滴下が停止してしまった。この後、加圧圧力を30kPaまで上昇するも、滴下が再開することはなかったため、試験を中断した。時間の経過とともに、滴下粒子が小径から大径へと遷移した原因は、徐々にカーボンとシリコンが濡れ、ノズル孔の周囲にシリコンが付着し始め、この付着したシリコンが一塊となって滴下したためである。また、滴下が停止してしまった原因は、カーボンとシリコンの反応生成物である、SiCやN2とシリコンの反応生成物であるSi3N4がノズル孔の内部に堆積し、最終的に孔が閉塞したためである。 【0109】比較例2の試験方法と結果を述べる。加熱終了後、10kPaで加圧したが、滴下が開始しなかったため、加圧圧力を上昇させたところ33kPaに達した時点で、滴下開始した。開始直後は、小径粒子が滴下していたが、時間の経過とともに大径粒子へと遷移しながら、最終的には33kPa保持していたにもかかわらず、滴下が停止してしまった。この後、加圧圧力を50kPaまで上昇するも、滴下が再開することはなかったため、試験を中断した。時間の経過とともに、滴下粒子が小径から大径へと遷移した原因は、徐々にSiCとシリコンが濡れ、ノズル孔の周囲にシリコンが付着し始め、この付着したシリコンが一塊となって滴下したためである。また、滴下が停止してしまった原因は、N2とシリコンの反応生成物であるSi3N4がノズル孔の内部に堆積し、最終的に孔が閉塞したためである。 【0110】比較例3の試験方法と結果を述べる。加熱終了後、10kPaで圧力、滴下が開始した。10kPa保持しているにもかかわらず小径から大径、大径から小径へといった遷移を数度繰返し、最終的には滴下が停止してしまった。この後、加圧圧力を50kPaまで上昇するも、滴下が再開することはなかったため、試験を中断した。滴下粒子が小径から大径、大径から小径へといった遷移を数度繰返した原因は、N2とシリコンの反応生成物であるSi3N4がノズル孔の内部に堆積しては、シリコンによって洗い流され、また堆積しては洗い流されるといったことを繰返し、実際のノズル孔の内径が細くなっては、元に戻るといったことを繰返したためである。また、滴下が停止してしまった原因は、N2とシリコンの反応生成物であるSi3N4が孔の内部に堆積し、最終的に閉塞したためである。 【0111】 【発明の効果】本発明によれば、高融点のシリコンなどの金属であっても、生産性良く均一な粒度分布の金属粒子を製造することができ、溶融金属を滴下するノズル孔が閉塞することはなく、金属粒子の製造を、継続することができるようになる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】502139910 【氏名又は名称】株式会社クリーンベンチャー二十一
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| 【出願日】 |
平成14年4月18日(2002.4.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075557 【弁理士】 【氏名又は名称】西教 圭一郎 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−306706(P2003−306706A) |
| 【公開日】 |
平成15年10月31日(2003.10.31) |
| 【出願番号】 |
特願2002−116714(P2002−116714) |
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