| 【発明の名称】 |
希土類磁石の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 市郎 【住所又は居所】東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同和鉱業株式会社内
【氏名】大鹿 嘉和 【住所又は居所】東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同和鉱業株式会社内
【氏名】池田 浩也 【住所又は居所】東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同和鉱業株式会社内
【氏名】紺野 慎一 【住所又は居所】東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同和鉱業株式会社内
【氏名】山田 潔 【住所又は居所】東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同和鉱業株式会社内
【氏名】猪股 寛成 【住所又は居所】東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同和鉱業株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】焼結前の成形品を正確に定量化することにより高品質の焼結希土類磁石を歩留り良く製造する【解決手段】 合金の鋳造,粉砕,成形および焼結の各工程を経て焼結磁石とする希土類磁石の製造法において,前記の粉砕工程を経た合金粉末を計量しながら成形用金型に装填するさいに,該金型への粉体の装填量を重量基準で計量する。
【解決手段】合金の鋳造,粉砕,成形および焼結の各工程を経て焼結磁石とする希土類磁石の製造法において,前記の粉砕工程を経た合金粉末を計量しながら成形用金型に装填するさいに,該金型への粉体の装填量を重量基準で計量する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 合金の鋳造,粉砕,成形および焼結の各工程を経て焼結磁石とする希土類磁石の製造法において,前記の粉砕工程を経た合金粉末を計量しながら成形用金型に装填するさいに,該金型への粉末の装填量を重量基準で計量することを特徴とする希土類磁石の製造方法。 【請求項2】 粉体を貯留するホッパーと,このホッパーから受けた粉体を連続流れとして供給する給粉機と,この給粉機から連続的に供給される粉体を受け取る計量容器と,この計量容器の重量を計測する重量計と,該給粉機から該計量容器に供給される粉体の連続流れを全体的に遮断する第一シャッターおよび該連続流れの一部だけを遮断する第二シャッターとからなる請求項1の方法に使用する粉体供給装置。 【請求項3】 該重量計の計測値が設定値を示したときに第一シャッターを閉じ,該設定値よりも軽い重量を計量した前段階での予備設定値を示したときに第二シャッターを予め閉じるように設定された請求項2に記載の粉体供給装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は,焼結前の成形品を定量化することにより高品質の焼結希土類磁石を歩留り良く製造する方法および装置に関する。 【0002】 【従来の技術】いわゆるFe−R(希土類元素)−B(硼素)さらにはC(炭素)を主成分とする希土類磁石は,合金の鋳造,粉砕,成形および焼結の各工程を経て焼結品とする工業的方法によって製造されている。 【0003】焼結品はそのまま製品となることもあるが,小型製品の場合には焼結品からさらに同一形状の小片に切り出し,表面仕上げ等を施して磁石製品とするのが通常であり,このため焼結品はロッド形状のものとし,これを輪切りすることによって小片に切り出す方法が採られることが多い。焼結品は,生産性の点から,同一形状のものを同時に多数製造する方式が採られるが,この場合には,合金粉末を同一形状に成形することが必要である。 【0004】焼結に供するための圧粉成形体を得るには,同一形状のキャビテイを多数有したダイセットで成形する方式が生産性が良い。その場合の代表的な成形方式を図1に図解的に示した。図1において,10は上パンチ, 11はダイス, 12は下パンチを示す。図1の(a) は,ダイス11の内部に形成されたキャビテイ内に合金粉末13が装填された状態を示してており,各キャビテイはダイス11の下方から部分的に挿入された下パンチ12の上面がキャビテイの底を形成している。このキャビテイ内の合金粉末13の成形を行うさいには,図1の(b) に示すように,上パンチ10とダイス11を同時に下降させ,所定の圧力で圧縮して圧粉する。そのとき,上パンチ10の下降速度をダイス11の下降速度より速くする。圧粉が終了したら,図1の(c) のように,上パンチ10を上げ, ダイス11を下げることによって,下パンチ12の上面に圧粉成形品14が乗った状態になるので,これを取り出せばよい。各キャビテイへの合金粉末の装填にさいしては,キャビテイ内容積一杯となるように計量すれば,その操作は非常に簡単であり,生産性もよい。キャビテイで計量しなくても,別の定量容器を使用し,この定量容器に粉体を入れ,その容器の内容積で粉体を計量しても同様である。このため,従来の圧粉成形体を得るための計量は容量基準で行われていた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】焼結希土類磁石は,その特性から,焼結に供する粉体の粒径を適正に制御することが肝要であり,通常は粉砕工程を経た合金粉末の平均粒径は1〜10μmの或る値に制御されている。しかし,機械的粉砕された希土類磁石粉体は,見かけ密度が常に一定であるとは限らない。すなわち,同一の粉体でも採取する時の詰まり具合によって見かけ密度が異なることが多く,このため同一の容量を採取しても,必ずしも同一重量にはならない。 【0006】図1の例で言えば,多数のキャビテイ内にいずれも同一の容量の合金粉末13が装填されたとしても,重量基準ではバラツキが生ずることになる。このためパンチによる圧縮量がいずれも一定であれば,成形密度がそれぞれ異なったものとなる。パンチによる圧縮量を個別に制御して圧縮比が一定となるようにすれば同一の成形密度をもつものが得られるが,それでは装置がかえって複雑化する。 【0007】成形体の寸法は同じであっても前記のように成形密度がそれぞれ異なると,すなわち成形体の圧縮率が異なると,得られる焼結体の寸法に変化が生じ,ひいては焼結品ごとに磁気特性が変化し,場合によっては不良品を発生して歩留りを低下させるという問題がある。 【0008】成形密度を一定にするために,合金粉末を予め造粒して見かけ密度を一定にし,その容積を計量する方法もあるが,造粒工程が別途必要になると共に,造粒品を焼結すると磁気特性の低下を招くので,計量後に再度粉体に解粉することが必要となり,工程増から生産性を悪化させ,多数個同時成形の利点を損なう結果となる。また,合金粉末を溶媒を用いてスラリー化してを計量する方法も試みたが,スラリー化することによる粉体の劣化や不純物混入による磁気特性の劣化の問題が新たに生ずることがわかった。 【0009】したがって,本発明は,このような問題の解決を課題としてなされたものである。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明によれば,合金の鋳造,粉砕,成形および焼結の各工程を経て焼結磁石とする希土類磁石の製造法において,粉砕工程を経た合金粉末を計量しながら成形用金型に装填するさいに,該金型への粉末の装填量を重量基準で計量することを特徴とする希土類磁石の製造法を提供する。そして,この方法に使用する粉体供給装置として,粉体を貯留するホッパーと,このホッパーから受けた粉体を連続流れとして供給する給粉機と,この給粉機から連続的に供給される粉体を受け取る計量容器と,この計量容器の重量を計測する重量計と,該給粉機から該計量容器に供給される粉体の連続流れを全体的に遮断する第一シャッターおよび該連続流れの一部だけを遮断する第二シャッターとからなる粉体供給装置を提供する。この装置は,前記の重量計の計測値が設定値を示したときに第一シャッターを閉じ,該設定値よりも軽い重量を計量した前段階での予備設定値を示したときに第二シャッターを予め閉じるように駆動される。 【0011】 【発明の実施の形態】焼結希土類磁石の製造にあたっては,まずほぼ目標組成となるように鉄源(電解鉄),硼素源(フエロボロン合金),希土類元素源(ネオジム金属),場合によっては炭素源(カーボンブラック)を配合して溶解して鋳型に鋳込み,その合金塊を熱処理するかまたはせずして粗粉砕し,所望により炭素源を添加し,平均粒径が1〜10μmの或る値となるように微粉砕し,これを圧粉成形して焼結に供される。本発明はこの合金粉末を成形する段階に特徴を有するので,以下,この点についての発明の形態を説明する。 【0012】図2は合金粉末を連続的に計量する本発明に従う装置を示したものであり,1はホッパー,2は振動式給粉機,3は計量容器を示す。給粉機2の駆動により,ホッパー1内の合金粉末が給粉機2のテーブル上に流れ込み,テーブル上を移動したあとテーブルの端縁4から連続流れとして落下するが,テーブルの端縁4が水平方向の幅をもつことによって,合金粉末はカーテン状(膜状)の連続流れ5として落下し,計量容器3に受け止められる。計量容器3はその全体の重量が重量計(ロードセル)6で計測される。計量された合金粉末はシュート蓋7が開くことにより計量容器3から落下し,金型(図示せず)に装填される。 【0013】給粉機2から計量容器3に落下する合金粉末の連続流れ5を全体的に遮断する第一シャッター8が備えられており,ロードセル6が所定の設定値を検出すると,第一シャッター8が連続流れ5の流路を全体的に遮断し,計量容器3への供給を停止する。第一シャッター8が流路を遮断したときも給粉機2は稼働を続行している。その遮断中に落下する合金粉末は第一シャッター8で受け止められる。このため,第一シャッター8は受け皿状の凹部を上面に有している。シャッター8の上に受け止めた粉体は次の計量用に計量容器3に落とされる。このため,第一シャッター8は,計量容器3の上方において,流路を遮断する水平位置(図2の破線で示す位置)と,流路を開放する垂直位置(図2の実線で示す位置)に回動できるように設置されている。すなわち,合金粉末の連続流れ5が形成されている膜流と平行な水平方向の軸回りにその流路を遮断する水平位置と開放する垂直位置に受け皿をもつ第一シャッター8が回動可能に取付けられている。 【0014】図2において,9は第二シャッターを示す。この第二シャッター9は,合金粉末の連続流れ5の一部を遮断するように設置された以外は,第一シャッター8と同一の構造を有しており,その設置位置は,第一シャッター8よりも上方の位置,すなわち給粉機2の端縁4と第一シャッター8との間の位置である。第二シャッター9が遮断する連続流れ5の一部とは,連続流れ5の全体に対して例えば20〜90%の範囲を遮断できることを意味する。したがって,第二シャッター9が連続流れ5を遮断する位置に動作したときは,残りの80〜10%が第一シャッター8に向かって落下することになる。 【0015】このように構成された第一シャッター8と第二シャッター9の動作は次のとおりである。重量計(ロードセル)6は,設定された重量(計量目標値)を検出すると,第一シャッター8に連続流れ5の流路の全体的に遮断する指令を出す。またその前に,重量計6は,計量目標値にほぼ近づいた重量(予備設定値)を検出すると,第二シャッター9に動作指令を発し,連続流れ5の一部(殆んど)を遮断する。すなわち,先ず予備設定値に達すると第二シャッター9に遮断信号を発し,次いで目標設定値に達すると第一シャッター8に遮断信号を発する。第二シャッター9への遮断信号を発する予備設定値の時点は,目標設定値に達する一歩手前の時点であり,第一シャッター8への遮断信号を発す時点は目標設定値に達した時点である。 【0016】この動作によって,第一シャッター8を遮断する時点では,連続流れ5の流路は第二シャッター9による部分的な遮断によって非常に狭められているので,計量容器3への供給速度が著しく遅くなっている。このため,第一シャッター8が遮断開始から遮断終了までの間に,すなわち遮断開始信号を発してから遮断終了までの間に計量容器3に入る量が少なくなり,第一シャッター8の閉鎖動作にともなう誤差を小さくすることができる。これに対し,第二シャッター9による部分的な先閉鎖動作を行わない場合には,計量容器3への供給速度が大きくなるので,第一シャッター8が動作してから閉塞するまでの間に計量容器3に入る量の誤差が大きくならざるを得ない。 【0017】このようにして計量容器3への計量が終了すると,第一および第二シャッターは閉じたままで(或いは第二シャッター9は開成するが第一シャッター8は閉成したままで)シュート蓋7を開いて金型にその全量を落とし,次の計量に備えるために蓋7を閉じる。そして,第二シャッター9の上の乗っている合金粉末と,第一シャッター8の上に乗っている合金粉末を,計量容器3内に落としながら合金粉末の連続流れ5を開通させ,以後は前記と同様の動作で次の計量を行う。 【0018】第一および第二シャッターを閉じている間は,計量容器3に入る合金粉末が止まるかまたは一部停止するが,その間に各シャッターに受けた合金粉末は次の計量時に計量容器3に落とされるので,結局のところ,シャッターを閉じても計量速度には影響を与えずに,連続的に計量できることになる。 【0019】なお希土類磁石の合金粉末は,給粉機,シャッター,計量容器等に対して合金自体の性質や粒子特性から付着し易く,粉の流れ性が良くないという特質がある。また,該部材上をこの合金粉末が流れることによって部材の摩耗が問題となることがある。このため,この合金粉末に接する部位については表面処理を施して粉の流れ性を改善し耐摩耗性にするのが好ましい。粉末の流れ性を改善するには窒化クロム系の材料で被覆処理するのが好ましく,このため,例えば磁性を持たないオーステナイト系ステンレス鋼または真鍮に窒化クロムのスパッタリング処理を施したものを使用するのがよい。耐摩耗性を付与するには合金粉末に接する部位を窒化チタンで被覆するのが好ましく,例えば磁性を持たないオーステナイト系ステンレス鋼に窒化チタンを真空蒸着またはCVD等蒸着処理したものを使用するのがよい。 【0020】 【実施例】純度99.9%の電解鉄,ボロン含有量19.3%のフェロボロン合金,純度99.5%のカーボンブラック及び純度98.5%(不純物として他の希土類金属を含有する)のネオジウム金属を原料として使用し,組成比として18Nd−76Fe−3B−1Cとなるようにこれらの原料を計量,配合し,高周波誘導炉で真空中で溶解した後,水冷銅鋳型中に鋳込み,合金塊を得た。得られた合金塊を800℃で15時間の熱処理に供した後,炉内放冷した。 【0021】次いで粉砕工程として,該合金塊をジョークラッシャーで破砕し,次いで該合金塊をアルゴンガス中でスタンプミルを用いて−100meshまで粗砕した後,組成比が18Nd−76Fe−3B−3Cとなるように更に純度90%のステアリン酸を該粗砕粉に混合添加し,次いで振動ミルを用いて平均粒子径5μmまで粉砕した。 【0022】このようにして得られた合金粉末を図2のホッパー1に投入した。ホッパー内部の合金粉末は振動給粉機(フィーダー)2を振動させることにより一定流量でそのテーブル上に流れ出すが,その振幅と振動数を調節して該合金粉末が1.5g/secの流量で流れるように設定し,給粉機2の端縁4から連続的に流れ落ちる合金粉末から10gづつ計量容器3に計量する。計量容器3に投入される合金粉末の重量をロードセル6で連続して計量し続け,投入重量が予備設定値として8.3gになった時点で第二シャッター9を閉じるように設定した。この第二シャッター9が閉じると合金粉末の流量は1g/secに減じて計量容器3に投入されることになる。その後,更に計量をしながら合金粉末の重量が目標設定値として9.7gになった時点で第一シャッター8を閉じるように設定した。 【0023】予備設定値8.3gは,第二シャッター9の閉成動作開始から終了までの間に0.3gの合金粉末が計量容器3に流れ落ちることを確認し,同じく目標設定値9.7gも,第一シャッター8が動作開始から終了までに0.3gの合金粉末が流れ落ちることを確認して,これらの値を定めたものである。なお,振動式給粉機2および計量容器3の合金粉末と触れる材料としては,窒化チタンを蒸着したステンレス材,窒化クロムをスパッタリングしたステンレス材または真鍮材を組合せて用いた。 【0024】このようにして,実行したところ,計量容器3には10g±0.3gの精度で計量できた。一回の計量が終了するとシュート蓋7を開いて金型(ダイス内の直径8.7mmの円柱状のキャビティ)に給粉した。この給粉作業中にも振動フィーダー2を動作させたままとし,シャッター8および9の背面に合金粉末を受け続けた。キャビテイへの給粉が終わると,シュート蓋7閉じ,再び計量作業を開始するため,シャッター8および9を開くと同時に,それらの背面に蓄えられた合金粉末を計量容器3にまとめて投入し,その後は同様に計量作業を行った。 【0025】この作業を繰り返し,金型の給粉を順次行ったが,10g±0.3gの精度が常時維持された。その後,各キャビテイ内の合金粉末を10Keの磁界中でダイスとパンチによる一回動作で成形し,円柱状の成形体としたうえ,各成形体を,底面が上下方向となるようにトレーに載せた状態でアルゴンガス中1100℃で1時間保持した後急冷する焼結操作によって焼結体とした。焼結体サンプル5個を抜き出し,それらの上部,中部,下部の直径を測定した結果を表1に示す。なお上部,中部,下部の区別は焼結工程におけるそれぞれの成形体中の上下方向の位置を表す。 【0026】〔比較例〕内容積が5.26cm3の計量カップを用いて合金粉末を計量した以外は,前記の実施例と全く同様の工程によって焼結体を得た。これらの焼結体からもサンプル5個を抜きだし前記実施例と同様にして上部,中部,下部の直径を測定した結果を表1に併記した。この計量カップを用いた計量では,そのカップを上向きにセットし,合金粉末をその上端開口から過剰に投入し,入りきらなかった分を上端開口の縁部に沿って擦る切って落とすことで一定容量の合金粉末をカップ内に収めた。 【0027】 【表1】
【0028】表1の結果から,比較例のものに比べて,本発明に従って得られた焼結品は最大寸法と最小寸法の差が少なく, 良好な寸法精度を有していることがわかる。 【0029】 【発明の効果】以上説明したように,本発明によると,焼結希土類磁石製造時の成形工程を生産性良く行うことができ,かつ高品質の焼結体を安定して製造できるという効果を奏する。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000224798 【氏名又は名称】同和鉱業株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区丸の内1丁目8番2号
|
| 【出願日】 |
平成13年11月16日(2001.11.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076130 【弁理士】 【氏名又は名称】和田 憲治 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2003−155501(P2003−155501A) |
| 【公開日】 |
平成15年5月30日(2003.5.30) |
| 【出願番号】 |
特願2001−352145(P2001−352145) |
|