| 【発明の名称】 |
焼結製品の製造装置およびこれを用いた製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】三木 猛義 【住所又は居所】新潟県新潟市小金町3丁目1番1号 三菱マテリアル株式会社新潟製作所内
【氏名】阿部 博 【住所又は居所】新潟県新潟市小金町3丁目1番1号 三菱マテリアル株式会社新潟製作所内
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| 【要約】 |
【課題】被成形品の脱ろうを迅速且つ確実に行うことができ、焼結室などに脱ろうガスが侵入することのない焼結製品の製造装置を提供する。
【解決手段】脱ろう部21は、密閉可能な脱ろう室23と、この脱ろう室23の搬入側に接続された密閉可能な搬入室22と、脱ろう室23と焼結室との間に設けられた密閉可能な搬出室24とを備える。脱ろう室23を加熱する電気ヒータ41と、脱ろう室23内を減圧する真空ポンプ43とを備える。脱ろう室23内を真空ポンプ43により減圧した状態で被成形品を加熱して脱ろうするため、バインダの気化効率が向上し、短時間で確実な脱ろうがなされる。また、脱ろう室23と予熱室12とを分けているため、脱ろうガスが焼結室側に侵入することがなく、品質の安定した焼結製品を得ることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被成形品を脱ろうする脱ろう部と、この脱ろう部で脱ろうした被成形品を焼結する焼結部と、この焼結部で焼結した被成形品を冷却する冷却部と、前記焼結部と冷却部に連続的に前記被成形品を搬送する搬送手段とを備えた焼結製品の製造装置において、前記脱ろう部は、密閉可能な脱ろう室と、この脱ろう室の搬入側に接続された密閉可能な搬入室と、前記脱ろう室と前記焼結部との間に設けられた密閉可能な搬出室と、前記脱ろう室内を加熱する加熱手段と、前記脱ろう室内を減圧する減圧手段と、前記搬入室内を減圧する減圧手段と、前記搬出室内を減圧する減圧手段とを備えることを特徴とする焼結製品の製造装置。 【請求項2】 前記搬出室内に不活性ガスを供給する雰囲気ガス供給手段を備えることを特徴とする請求項1記載の焼結製品の製造装置。 【請求項3】 前記搬入室と前記脱ろう室とを連通する搬入口に、開閉手段を設け、前記脱ろう室と搬出室とを連通する搬出口に、開閉手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の焼結製品の製造装置。 【請求項4】 請求項1記載の焼結製品の製造装置を用い、前記搬入室から被成形品が移送された後、密閉状態とした前記脱ろう室において減圧加熱下で被成形品の脱ろうを行い、この脱ろうが終了する前に、脱ろう前の被成形品を搬入した搬入室及び搬出室を密閉して減圧し、前記脱ろう終了後に、前記脱ろう室と搬出室とを連通し、前記脱ろう室の被成形品を搬出室に移送し、この移送後、前記脱ろう室と搬出室とを気密に仕切り、この仕切り後、前記脱ろう室と搬入室とを連通し、前記搬入室の被成形品を脱ろう室に移送し、前記仕切り後、前記搬出室内に不活性ガスを供給することにより大気圧に戻し、前記搬出室と前記焼結部とを連通し、前記搬出室の被成形品を前記焼結部に移送し、この移送された被成形品を焼結部で焼結し、この焼結した被成形品を冷却部で冷却することを特徴とする焼結製品の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、被成形品を脱ろう部で脱ろうした後、その被成形品の焼結と冷却とを連続的に行う焼結製品の製造装置およびこれを用いた製造方法に関する。 【0002】 【発明が解決しようとする課題】粉末冶金においては、原料粉末を粉末成形プレスにより圧縮して圧粉体を成形し(粉末成形工程)、この圧粉体を焼結炉により加熱して焼結する(焼結工程)ことが行われている。前記粉末成形工程においては、原料粉末を固める際、金型を保護するために、これにワックス類などのバインダを添加しているが、このバインダは製品に不要であるので、焼結工程の始めに、加熱して気化させて、圧粉体から取り除くようにしている(脱ろう工程)。 【0003】この焼結炉の一例を図4に示すと、焼結炉1には無端状のベルト2が設けられており、脱ろう部3にガスバーナ4を配置し、該ガスバーナ4により被成形品である圧粉体を加熱することにより、バインダを気化燃焼させるようにしている。そして、燃焼又は分解されたバインダは、脱ろうガスとして排気ダクト5より排気される。 【0004】前記脱ろう部3により脱ろうされた圧粉体は、ベルト2により連続的に搬送されて焼結室6に送られ、あるいは焼結室6の前に設けた予熱室に送られ、雰囲気ガス中で加熱されて焼結され、次いで、冷却部にて冷却処理される。 【0005】ところで、上記焼結炉1では、脱ろうガスを排気ダクト5より排出するようにしているが、脱ろう部3と焼結室6とが連通しているため、脱ろうガスの一部が焼結室6側に侵入する問題がある。そして、脱ろうガスが焼結室6内に侵入すると、焼結雰囲気が汚染され、被成形品の酸化,炭素量の不安定化などを招く共に、焼結室6内に析出物を付着させて、焼結炉自体の寿命を短くするなどの問題がある。 【0006】また、上述した連続式の焼結炉1では、脱ろう部3は搬入側と搬出側が開放しており、この構造では、大気圧化で製品内のバインダが気化しにくい為、バインダの加熱による気化の効率を大幅に向上することは難しく、脱ろう工程に時間を要する問題がある。また、排気ダクト内へ自然排気する為、排気ガスの回収が難しくなる。 【0007】そこで、本発明は、このような問題点を解決しようとするもので、被成形品の脱ろうを迅速且つ確実に行うことができ、また、焼結部に脱ろうガスが侵入することのない焼結製品の製造装置およびこれを用いた製造方法を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明の焼結製品の製造装置は、被成形品を脱ろうする脱ろう部と、この脱ろう部で脱ろうした被成形品を焼結する焼結部と、この焼結部で焼結した被成形品を冷却する冷却部と、前記焼結部と冷却部に連続的に前記被成形品を搬送する搬送手段とを備えた焼結製品の製造装置において、前記脱ろう部は、密閉可能な脱ろう室と、この脱ろう室の搬入側に接続された密閉可能な搬入室と、前記脱ろう室と前記焼結部との間に設けられた密閉可能な搬出室と、前記脱ろう室内を加熱する加熱手段と、前記脱ろう室内を減圧する減圧手段と、前記搬入室内を減圧する減圧手段と、前記搬出室内を減圧する減圧手段とを備えるものである。 【0009】したがって、被成形品を脱ろう室内に入れて密閉し、脱ろう室内を減圧手段により減圧した状態で被成形品を加熱して脱ろうするため、バインダの気化効率が向上し、短時間で確実な脱ろうを行うことができる。 【0010】また、脱ろう室の前後に設けた搬入室と搬出室を通して、脱ろう室への被成形品の搬入・搬出を行うため、これら搬入・搬出に伴う外気との温度差による脱ろう室の温度低下を抑制することができる。 【0011】さらに、脱ろう部の搬入側に搬入室を設け、この搬入室を減圧する減圧手段を設けたから、脱ろう室において、被成形品の脱ろうを行っている間に、脱ろう前の被成形品を搬入室に搬送して密閉し、該搬入室内を減圧しておくことができる。このように予め減圧状態とした搬入室から脱ろう室に被成形品を移送することにより、脱ろう室の真空度を保った状態で、搬入室から脱ろう室に被成形品を移送できる。 【0012】さらに、脱ろう室と焼結部との間に搬出室を設け、この搬出室を減圧する減圧手段を設けたから、脱ろう室において、被成形品の脱ろうを行っている間に、搬出室を減圧しておくことができる。このように搬出室を減圧しておくことにより、脱ろう室の真空度を保った状態で、脱ろう室から搬出室に被成形品を移送できる。 【0013】そして、脱ろう部と焼結部とを分けているため、脱ろうガスが焼結部に侵入することがなく、品質の安定した焼結製品を得ることができる。 【0014】また、請求項2の発明は、請求項1の焼結製品の製造装置において、前記搬出室内に不活性ガスを供給する雰囲気ガス供給手段を備えるものである。したがって、脱ろう後の被成形品を搬出室に移送した後、脱ろう室と搬出室とを仕切り、焼結部と同じ不活性ガスを搬出室に供給し、該搬出室を大気圧まで戻してから焼結部に移送することができる。 【0015】さらに、請求項3の発明は、請求項1又は2の焼結製品の製造装置において、前記搬入室と前記脱ろう室とを連通する搬入口に、開閉手段を設け、前記脱ろう室と搬出室とを連通する搬出口に、開閉手段を設けたものである。したがって、搬入口と搬出口とを閉めて脱ろう室を密閉し、減圧加熱下で脱ろう処理を行っている間に、後作業である脱ろう後の被成形品の搬出室から焼結部への移送が可能となり、また、予備作業である被成形品の搬入室への搬入ができる。 【0016】請求項4の発明は、請求項1記載の焼結製品の製造装置を用い、前記搬入室から被成形品が移送された後、密閉状態とした前記脱ろう室において減圧加熱下で被成形品の脱ろうを行い、この脱ろうが終了する前に、脱ろう前の被成形品を搬入した搬入室及び搬出室を密閉して減圧し、前記脱ろう終了後に、前記脱ろう室と搬出室とを連通し、前記脱ろう室の被成形品を搬出室に移送し、この移送後、前記脱ろう室と搬出室とを気密に仕切り、この仕切り後、前記脱ろう室と搬入室とを連通し、前記搬入室の被成形品を脱ろう室に移送し、前記仕切り後、前記搬出室内に不活性ガスを供給することにより大気圧に戻し、前記搬出室と前記焼結部とを連通し、前記搬出室の被成形品を前記焼結部に移送し、この移送された被成形品を焼結部で焼結し、この焼結した被成形品を冷却部で冷却する製造方法である。 【0017】したがって、減圧下の搬入室と脱ろう室とを連通し、搬入室の被成形品を脱ろう室に移送することにより、脱ろう室の真空度を低下させることなく、直に、脱ろう室内を所定の減圧加熱下に戻して脱ろうを行うことができる。また、搬出室と焼結部との間を気密に仕切った状態で、前記脱ろう室と搬出室とを連通し、前記脱ろう室の被成形品を搬出室に移送することにより、脱ろう室の脱ろうガスが焼結部へ侵入することを防止することができる。 【0018】また、搬出室を不活性ガスの供給により大気圧に戻してから、焼結部に被成形品を移送するので、脱ろう部側の減圧雰囲気の影響が焼結部に及ぶことがない。 【0019】 【発明の実施形態】以下、本発明の焼結製品の製造装置の一実施形態について、図1〜図3を参照しながら説明する。図1は製造装置の全体側面図、図2は脱ろう部回りの平断面図、図3は図2のA−A線縦断面図である。 【0020】焼結製品の製造装置10は、例えば通常良く使われているマッフルタイプのメッシュベルト炉などの焼結炉11を備え、図1に示すように、ほぼ一直線に並んだ予熱室12,焼結室13,徐冷室14及び冷却ゾーン15に、搬送装置により、圧粉体である被成形品を連続的に搬送し、前記搬送装置には、無端状メッシュベルトを有するコンベア16を用いている。 【0021】そして、前記被成形品は予熱室12を通過することにより予備加熱され、さらに焼結室13にて所定温度で焼結され、次いで、焼結室13の下流側の徐冷室14を経て冷却ゾーン15を通過することにより、所定の物理的・機械的特性及び寸法精度を有する成形品(焼結体)が得られるべく構成されている。このように予熱室12,焼結室13,徐冷室14及び冷却ゾーン15は連通し、冷却ゾーン15の搬出口15Aが外部に開放されており、前記予熱室12及び焼結室13には、被成形品を加熱する加熱手段が設けられている。また、冷却ゾーン15には水冷ジャケットなどの冷却手段を設けることができる。 【0022】前記焼結室13には供給配管17を接続し、この供給配管17から雰囲気ガスを前記焼結室13に供給する。雰囲気ガスにはN2などの不活性ガスが用いられる。また、予熱室12の搬入側には排気孔18を設け、この排気孔18に図示しない吸引手段を接続することができる。したがって、供給配管17から焼結室13内に雰囲気ガスを供給すると、この雰囲気ガスは、予熱室12の排気孔18と冷却ゾーン15の搬出口15Aに向ってそれぞれ流れる。 【0023】前記製造装置10は本発明の特徴である脱ろう部21を有している。この脱ろう部21は、前記予熱室12の搬入側に接続配置されており、図1及び図2に示すように、それぞれ密閉可能な搬入室22と、脱ろう室23と、搬出室24とを備えている。 【0024】図2などに示すように、前記搬入室22と脱ろう室23との間に搬入口25が設けられ、この搬入口25に開閉手段たる搬入扉26が設けられている。また、前記脱ろう室23と搬出室24との間に搬出口27が設けられ、この搬出口27に開閉手段たる搬出扉28が設けられている。さらに、搬出室24と予熱室12との間に連通口29が設けられ、この連通口29を気密に開閉する仕切扉30が設けられている。 【0025】前記搬入室22には準備室31を接続し、これら搬入室22と準備室31との間に連通口32を設け、この連通口32を気密に開閉する仕切扉33を設けている。また、準備室31には図示しない搬入口が設けられている。 【0026】尚、図3は、搬入扉26が上昇して搬入口25を開いた状態を示しており、他の搬出扉28,仕切扉30,33も同じく昇降により開閉するタイプのものである。 【0027】前記搬入室22内の被成形品は、移送装置たるプッシャ34により、前記脱ろう室23に移送され、前記プッシャ34は、その作動杆34Aを搬入室22の壁に気密に挿通し、図3に示すように、作動杆34Aの進退により被成形品を脱ろう室23に押し出すものである。尚、前記プッシャ34はコンベア16の搬送方向と交差方向に被成形品を移送する。また、前記脱ろう室23内の被成形品は、移送装置たるプッシャ35により、前記搬出室24に移送され、前記プッシャ35は、その作動杆35Aを脱ろう室23の壁に気密に挿通し、作動杆35Aの進退により被成形品を搬出室24に押し出すものである。尚、前記プッシャ35はコンベア16の搬送方向に被成形品を移送する。前記搬出室24にはロールコンベア36が設けられており、このロールコンベア36は、脱ろう室23から送られてきた被成形品を前記コンベア16に移送可能とするものである。 【0028】更に、図2に示すように、前記脱ろう室23には加熱手段たる電気ヒータ41が設けられている。また、前記脱ろう室23,搬入室22,搬出室24には、それぞれトラップ42,42A,42Bを介して減圧手段たる真空ポンプ43,43A,43Bを接続する。前記トラップ42,42A,42Bは、脱ろうガスに含まれるバインダの気化した成分を凝結あるいは吸着作用を利用して捕捉するものである。 【0029】前記搬出室24には、図1に示すように、雰囲気ガス供給手段51が接続され、この雰囲気ガス供給手段51は、前記供給配管17と同じ雰囲気ガスを搬出室24に供給するものであり、前記雰囲気ガス供給手段51と前記供給配管17とを接続して設けることができる。また、前記焼結炉11は図示しない制御装置により装置全体が駆動制御される。 【0030】次に、前記焼結製品の製造装置10を用いた被成形品の焼結方法について説明する。被成形品は、準備室31,搬入室22,脱ろう室23,搬出室24,予熱室12,焼結室13,徐冷室14,冷却ゾーン15の順で搬送される。 【0031】搬入扉26と搬出扉27とを閉じて密閉状態とされた脱ろう室23において、真空ポンプ43の作動により内部を所定の真空度雰囲気にしてから、電気ヒータ41により内部を加熱し、脱ろうを行う。このように脱ろう室23内を減圧加熱下として脱ろうを行うため、被成形品からバインダを迅速且つ確実に除去することができる。尚、真空ポンプ43に吸引される脱ろうガスに含まれるバインダ成分等は、トラップ26において捕捉される。 【0032】前記脱ろう室23における脱ろうが終了する前に、脱ろう前の被成形品を準備室31から搬入室22に搬入し、仕切扉33を閉じて搬入室22を密閉し、真空ポンプ43Aの駆動により搬入室22を脱ろう室23とほぼ同圧となるまで減圧する。また、前記脱ろう室23における脱ろうが終了する前に、搬出室24の仕切扉30を閉じて搬出室24を密閉し、真空ポンプ43Bの駆動により搬出室24を脱ろう室23とほぼ同圧となるまで減圧する。 【0033】脱ろう室23における脱ろう終了後、搬出扉28を開き、プッシャ35により被成形品を脱ろう室23から搬出室24に移送する。この場合、搬出室24を脱ろう室23とほぼ同圧としているため、移送により脱ろう室23の真空度が低下することがない。 【0034】プッシャ35により被成形品を脱ろう室23から搬出室24のロールコンベア36上に移送した後、搬出扉28を閉め、搬入扉26を開き、プッシャ34により搬入室22の被成形品を脱ろう室23に移送する。この場合、搬出室22を脱ろう室23とほぼ同圧としているため、移送により脱ろう室23の真空度が低下することがなく、移送後、搬入扉26を閉めて脱ろう室23を密閉し、連続駆動する真空余ンプ43により脱ろう室23内を極めて短時間に所定の真空度雰囲気とすることができる。 【0035】上述したように、搬出室24に脱ろう後の被成形品が移送され、搬出扉27を閉じて搬出室24を密閉した後、真空を破壊し、雰囲気ガス供給手段51により搬出室24に雰囲気ガスを供給し、これにより搬出室24を焼結室13側と同じ雰囲気ガスによって大気圧まで戻す。次に、仕切扉30を開き、ロールコンベア36により搬出室24の被成形品をコンベア16上に移送する。このコンベア16の駆動により、被成形品は予熱室12を通過し乍ら予備加熱され、さらに焼結室13にて所定温度で焼結され、この後、焼結室13の下流側の徐冷室14を経て冷却ゾーン15を通過することにより、所定の物理的・機械的特性及び寸法精度を有する成形品(焼結体)を得ることができる。 【0036】このように本実施形態では、請求項1に対応して、被成形品を脱ろうする脱ろう部21と、この脱ろう部21で脱ろうした被成形品を焼結する焼結部たる予熱室12及び焼結室13と、予熱室12及び焼結室13で焼結した被成形品を冷却する冷却部たる徐冷室14及び冷却ゾーン15と、焼結室13と徐冷室14及び冷却ゾーン15に連続的に被成形品を搬送する搬送手段たるコンベア16とを備えた焼結製品の製造装置において、脱ろう部21は、密閉可能な脱ろう室23と、この脱ろう室23の搬入側に接続された密閉可能な搬入室22と、脱ろう室23と焼結室13との間に設けられた密閉可能な搬出室24と、脱ろう室23内を加熱する加熱手段たる電気ヒータ41と、脱ろう室23内を外圧する減圧手段たる真空ポンプ43と、搬入室22内を減圧する減圧手段たる真空ポンプ43Aと、搬出室24内を減圧する減圧手段たる真空ポンプ43Bとを備えることにより、被成形品を脱ろう室23内に入れて密閉し、脱ろう室23内を真空ポンプ43により減圧した状態で被成形品を加熱して脱ろうするため、バインダの気化効率が向上し、短時間で確実な脱ろうを行うことができる。 【0037】また、脱ろう室23の前後に設けた搬入室22と搬出室24を通して脱ろう室23への被成形品の搬入・搬出を行うため、これら錘入・搬出に伴う外気との温度差による脱ろう室23の温度低下を抑制することができ、脱ろう室23における加熱ロスが少なくなる。 【0038】さらに、脱ろう室23の搬入側に搬入室22を設け、この搬入室22を減圧する真空ポンプ43Aを設けたことにより、脱ろう室23において、被成形品の脱ろう処理を行っている間に、脱ろう前の被成形品を搬入室22に搬送して密閉し、該搬入室22内を減圧しておくことができる。このように予め減圧状態とした搬入室22から脱ろう室に被成形品を移送することにより、脱ろう室23の真空度を保った状態で、搬入室22から脱ろう室23に被成形品を移送できる。 【0039】さらに、脱ろう室23と焼結室13との間に搬出室24を設け、この搬出室24を減圧する真空ポンプ43Bを設けたことにより、脱ろう室23において、被成形品の脱ろう処理を行っている間に、脱ろうした被成形品を焼結部に移送後、搬出室24を減圧しておくことができる。このように搬出室24を減圧しておくことにより、脱ろう室23の真空度を保った状態で、脱ろう室23から搬出室24に被成形品を移送できる。 【0040】そして、脱ろう部21と焼結室13側とを分けているため、脱ろうガスが焼結室13側に侵入することがなく、品質の安定した焼結製品を得ることができる。 【0041】また、本実施形態では、請求項2に対応して、請求項1の焼結製品の製造装置において、搬出室24内に不活性ガスを供給する雰囲気ガス供給手段51を備えることにより、脱ろう後の被成形品を搬出室24に移送した後、脱ろう室23と搬出室24とを仕切り、焼結室13と同じ不活性ガスを搬出室24に供給し、該搬出室24をほぼ大気圧まで戻してから焼結室13側に移送することができる。 【0042】また、本実施形態では請求項3に対応して、請求項1又は2の焼結製品の製造装置において、搬入室22と脱ろう室23とを連通する搬入口25に、開閉手段たる搬入扉26を設け、脱ろう室23と搬出室24とを連通する搬出口27に、開閉手段たる搬出扉28を設けたので、搬入口25と搬出口27とを閉めて脱ろう室23を密閉し、減圧加熱下で脱ろう処理を行っている間に、搬入室22及び搬出室24に於いて、夫々必要な作業を行うことができる。 【0043】また、本実施形態では請求項4に対応して、請求項1記載の焼結製品の製造装置を用い、搬入室22から被成形品が移送された後、密閉状態とした脱ろう室23において減圧加熱下で被成形品の脱ろうを行い、この脱ろうが終了する前に、脱ろう前の被成形品を搬入した搬入室22内及び搬出室24内を密閉して減圧し、前記脱ろう終了後に、脱ろう室23と搬出室24とを連通し、脱ろう室23の被成形品を搬出室24に移送し、この移送後、脱ろう室23と搬出室24とを気密に仕切り、この仕切り後、脱ろう室23と搬入室22とを連通し、搬入室22の被成形品を脱ろう室23に移送し、前記仕切り後、搬出室24内を不活性ガスの供給によりほぼ大気圧に戻し、搬出室24と焼結室13側とを連通し、搬出室24の被成形品を焼結室13側に移送し、この移送された被成形品を焼結室13で焼結し、この焼結した被成形品を冷却部たる徐冷室14及び徐冷ゾーン15で冷却することを特徴とする製造方法であり、減圧下の搬入室22と脱ろう室23とを連通し、搬入室22の被成形品を脱ろう室23に移送することにより、脱ろう室23の真空度を低下させることなく、直に、脱ろう室23内を所定の減圧加熱下として脱ろうを行うことができる。また、搬出室24と焼結室13側との間を気密に仕切った状態で、脱ろう室23と搬出室24とを連通し、脱ろう室23の被成形品を搬出室24に移送することにより、脱ろう室23の脱ろうガスが焼結室13側へ侵入することを防止できる。 【0044】また、移送に際して、搬出扉28及び搬入扉26を開閉することにより脱ろう室23内の温度が低下するが、仕切扉33,30は閉じられているから、僅かな温度低下で済み、電気ヒータ41の連続加熱により、脱ろうガスが発生する揖度まで直に脱ろう室23内を昇温することができ、加熱に伴う時間的ロスが少ないものとなる。 【0045】さらに、搬出室24と予熱室12とを連結して設けていることにより、脱ろう室23で昇温された被成形品は、搬出室24から予熱室12への移送の際に、温度低下が抑制され、予熱室12において、被成形品を所定温度まで昇温するに必要な熱量を削減できる。 【0046】なお、本発明は、前記実施例に限定されるもあではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、実施例では、予熱室12及び焼結室13の両者を有する焼結部を示したが、焼結部は焼結室13のみでもよく、また、徐冷室14及び冷却ゾーン15の両者を有する冷却部を示したが、徐冷室14及び冷却ゾーン15の一方のみからなる冷却部でもよく、その冷却方式も適宜選択可能である。 【0047】 【発明の効果】請求項1の発明に於いて焼結製品の製造装置は、脱ろう部が、密閉可能な脱ろう室と、この脱ろう室の搬入側に接続された密閉可能な搬入室と、前記脱ろう室と前記焼結部との間に設けられた密閉可能な搬出室と、前記脱ろう室内を加熱する加熱手段と、前記脱ろう室内を減圧する減圧手段と、前記搬入室内を減圧する減圧手段と、前記搬出室内を減圧する減圧手段とを備えるものであり、被成形品の脱ろうを迅速具つ確実に行うことができ、また、焼結部に脱ろうガスが侵入することのない焼結製品の製造装置を提供できる。 【0048】また、請求項2発明は、請求項1の焼結製品の製造装置において、前記搬出室内に不活性ガスを供給する雰囲気ガス供給手段を備えるものであり、焼結部と同じ雰囲気ガスを搬出室に供給し、搬出室を大気圧まで戻してから焼結部に移送することができる。 【0049】さらに、請求項3の発明は、請求項1又は2の焼結製品の製造装置において、前記搬入室と前記脱ろう室とを連通する搬入口に、開閉手段を設け、前記脱ろう室と搬出室とを連通する搬出口に、開閉手段を設けたものであり、搬入口と搬出口とを閉めて脱ろう室を密閉し、減圧加熱下で脱ろう処理を行っている間に、搬入室及び搬出室に於いて、夫々必要な作業を行うことができる。 【0050】請求項4の発明は、請求項1記載の焼結製品の製造装置を用い、前記搬入室から被成形品が移送された後、密閉状態とした前記脱ろう室において減圧加熱下で被成形品の脱ろうを行い、この脱ろうが終了する前に、脱ろう前の被成形品を搬入した搬入室及び搬出室を密閉して減圧する製造方法であり、被成形品の脱ろうを迅速且つ確実に行うことができ、また、焼結部に脱ろうガスが侵入することのない焼結製吊の製造方法を提供できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006264 【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区大手町1丁目5番1号
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| 【出願日】 |
平成13年7月6日(2001.7.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080089 【弁理士】 【氏名又は名称】牛木 護
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| 【公開番号】 |
特開2003−27107(P2003−27107A) |
| 【公開日】 |
平成15年1月29日(2003.1.29) |
| 【出願番号】 |
特願2001−207109(P2001−207109) |
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