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【発明の名称】 鋳造用原型製造方法及び原型用親型
【発明者】 【氏名】榊原 清隆
【住所又は居所】愛知県宝飯郡一宮町大字大木字小牧179の6 サカキバラモデル株式会社内

【要約】 【課題】自動車用に用いる内装関係で樹脂系の比較的大きい形状、例えばシート類の鋳造に於いて原型を製作するには一ケ月余りの日数を必要としている。

【解決手段】親型本体を自動加工機械によって切削し親型を製作する親型切削加工工程と、親型内に鋳物砂を詰め込み固めて砂型を作る砂型作成工程と、出来上がった砂型に外枠を設けこの外枠内で鋳物砂を詰め込み湯口を設け固めて鋳型とする原型用鋳型準備工程と、原型用鋳型に溶融した原型用材料を注入して原型を鋳造する原型鋳造工程と、鋳造にて出来た原型を仕上げたり組み付けたりする仕上組付工程との組合せとした原型製造過程に於いて、ウレタン或はスチロールなどの合成樹脂系の材料とした親型本体を原型の複雑具合に応じて数分割し、一体加工して親型を製作するようにした方法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 加工データーを作成し、自動加工機械にそのデーターを打ち込んで記録させる自動加工準備工程と、親型本体を自動加工機械によって切削し親型を製作する親型切削加工工程と、外枠を設けた親型内に鋳物砂を詰め込み結合剤にて固めて砂型を作る砂型作成工程と、出来上がった砂型に鋳物砂を詰め込み湯口を設け結合剤にて固めて鋳型とする原型用鋳型準備工程と、原型用鋳型に溶融した原型用材料を注入して原型を鋳造する原型鋳造工程と、鋳造にて出来た原型を仕上組付たりする仕上組付工程との組合せとした原型製造過程に於いて、親型本体を原型の複雑具合に応じて数分割し、一体加工して親型を製作する親型切削加工工程としたことを特徴とする鋳造用原型製造方法。
【請求項2】 詰め込んだ鋳物砂が固まった後上下を逆に引っ繰り返してから親型を分割している部分毎に取り除いて砂型を作る砂型作成工程とした請求項1記載の鋳造用原型製造方法。
【請求項3】 砂型の表面に原型の肉厚と同じ厚さの溶解可能な材料からなる肉厚マットを設ける原型用鋳型準備工程とした請求項1記載の鋳造用原型製造方法。
【請求項4】 ウレタン或はスチロールなどの合成樹脂系の材料で立方体からなる親型本体に凹凸の原型の形状を設け、分解組立可能に数分割したことを特徴とする鋳造原型用親型。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属を融解しこれを鋳型に注入する鋳造に於いて、鋳型に用いる原型を作るための鋳造用原型製造方法及び原型用親型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋳型に用いる原型としては、ろう型・木型・金型・合成樹脂型などがあり、それぞれ鋳造にて作る鋳物の使用場所(自動車・家電・機械等)・数量・精度・コストなどの条件を考え、それに最適な原型が選ばれ用いられている。そのように用いられる原型の製作も色々考え工夫され、前記条件に合うよう製造されてきている。このような中で、特に自動車関連に於いては大量生産を主流としながらも顧客の要望に答えるため車種が多くなり又モデルチェンジの期間も短縮されて来ている。そして自動車用に用いる内装関係で樹脂系の比較的大きい形状、例えばシート類の鋳造に於いて原型を製作するには以下に記載する工程にて行なっている。
【0003】先ずウレタン或はスチロールなどの合成樹脂系を材料として用い、手加工かNC加工によって切削して親型を形成する親型切削工程と、形成した親型の表面精度を高めるための表面処理工程と、鋳造にて原型をつくためフランジや補助リブや枠などを設けて準備する原型用鋳型準備工程と、溶融した原型用材料(例えばアルミニウム合金)を原型用鋳型に注入して原型を鋳造する原型用鋳造工程と、鋳造にて出来た原型を放電加工にて仕上げる仕上工程とによって原型を製造していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような方法で原型を製造しているが、親型切削工程には10日程、表面処理工程には5日程、原型用鋳型準備工程には5日程、原型用鋳造工程には3日程、仕上工程には7日程の製作日数が掛かり、実際に作業を開始してから原型が出来上がるまでには30日の日数を必要とし、且つ内装関係の形状変更が部分的に頻繁に行なわれ、そのたび毎に今までの親型は破棄し新しい親型を製作しなければならず原型製造上不経済で非常に不都合を感じていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不都合を解消するもので、先ずは原型の製造方法について説明する。原型の形状に合わせどのように加工するかの加工データーを作成し、自動加工機械(例えばNC)にそのデーターを打ち込んで記録させる自動加工準備工程と、親型本体を自動加工機械によって切削し親型を製作する親型切削加工工程と、外枠を設けた親型内に鋳物砂を詰め込み結合剤にて適硬さに固めて砂型を作る砂型作成工程と、出来上がった砂型に鋳物砂を詰め込み湯口を設け結合剤にて適硬さに固めて鋳型とする原型用鋳型準備工程と、原型用鋳型に所定の溶融した原型用材料(例えばアルミニウム合金)を注入して原型を鋳造する原型鋳造工程と、鋳造にて出来た原型を仕上げたり組み付けたりする仕上組付工程との組合せとした原型製造過程に於いて、【0006】ウレタン或はスチロールなどの合成樹脂系の材料とした親型本体を原型の複雑具合に応じて数分割し、数分割した親型本体を再度組み合わせて一体として切削加工して親型を製作する親型切削加工工程としたものである。そして詰め込んだ鋳物砂が固まった後上下を逆に引っ繰り返してから親型を分割している部分毎に取り除いて砂型を作る砂型作成工程としたものである。更に砂型の表面に原型の肉厚と同じ厚さの溶解可能な材料からなる肉厚マットを設ける原型用鋳型準備工程としたものである。
【0007】
【作用】このような本方法によれば、特別な技術を必要とせず従来の技術を用いて原型を容易に製造することが出来る。そして親型を分割するため複雑な形状の製品でも容易に鋳造が可能で原型を作ることが出来、分割によって製造日数を短縮すると共に、設計変更に対しても全部を破棄せず再使用が可能となりロスを無くし経済的に効率の良い製造が行なえる。
【0008】次に原型用親型について説明する。ウレタン或はスチロールなどの合成樹脂系の材料で立方体からなる親型本体に凹凸の原型の形状を設け、分解組立可能に数分割したものである。このようにした親型は、型の表面も従来の型と同程度の精度を保つことが出来、分割によって分解組立が出来るため設計変更に対しても全部を破棄せず再使用が可能となる。
【0009】
【実施の形態】以下本発明方法の一実施例を図面について説明する。実施例は原型として乗用車のフロントクッションを製造する方法及び親型の場合であり、製造上原型を下型と上型に分けて説明する。
先ず原型の下型について■.自動加工準備工程として原型1の下型2の形状に合わせどのように加工するかの加工データーを作成し、自動加工機械(例えばNC)にそのデーターを打ち込んで記録させる。
■.親型切削加工工程としてウレタン或はスチロールなどの合成樹脂系の材料とした親型本体4を、図1に示す如く下型2の複雑具合に応じて底部4aと左右側部4bと前後側部4cに5分割し、5分割した親型本体4を再度組み合わせて一体として自動加工機械にて切削加工して図2及び図3に示す如く親型5を製作する。
【0010】■.砂型作成工程として外枠8内に設けた親型内に鋳物砂を図4に示す如く詰め込み結合剤にて適硬さに固め、詰め込んだ鋳物砂が固まった後上下を逆に引っ繰り返してから底部4aと左右側部4bと前後側部4cを順番に取り除いて砂型6を作る。若し引っ繰り返してから底部4aと左右側部4bと前後側部4cが取り除けない時には、外枠8を外してから底部4aと左右側部4bと前後側部4cを取り除き、再び外枠8を設けておく。
■.原型下型用鋳型準備工程として出来上がった砂型6の表面に原型1の肉厚と同じ厚さの溶解可能な材料からなる肉厚マット7を設け、外枠8内で鋳物砂9を詰め込み湯口10を設け結合剤にて適硬さに固めて図5に示す如く鋳型11を作る。
■.原型下型鋳造工程として所定の溶融した原型用材料(例えばアルミニウム合金)を鋳型11に図6に示す如く注入して図6に示す原型1の下型2を鋳造する。このようにして原型1の下型2を製造する。
【0011】次に原型の上型についてこの上型は比較的形状が単純のため原型の親型本体を分割せずに製作する。そのため分割工程以外は下型と同じであるが念のため工程を説明する。
■.自動加工準備工程として原型1の上型13の形状に合わせどのように加工するかの加工データーを作成し、自動加工機械(例えばNC)にそのデーターを打ち込んで記録させる。
■.親型切削加工工程としてウレタン或はスチロールなどの合成樹脂系の材料とした親型本体14を、自動加工機械にて切削加工して図8に示す如く親型15を製作する。
■.砂型作成工程として外枠18内に設けた親型15内に鋳物砂を図9に示す如く詰め込み結合剤にて適硬さに固め、詰め込んだ鋳物砂が固まった後上下を逆に引っ繰り返してから親型15を取り除いて砂型16を作る。
【0012】■.原型上型用鋳型準備工程として出来上がった砂型16の表面に原型の肉厚と同じ厚さの溶解可能な材料からなる肉厚マット17を設け、外枠18内で鋳物砂19を詰め込み湯口20を設け結合剤にて適硬さに固めて図10に示す如く鋳型21を作る。
▲10▼.原型上型鋳造工程として所定の溶融した原型用材料(例えばアルミニウム合金)を図11に示す如く鋳型21に注入して図12に示す原型1の上型13を鋳造する。このようにして原型1の上型13を製造する。
▲11▼.仕上組付工程としてこのようにして出来た原型1の下型12と上型13の形面を研き外周などを仕上げて図13に示す如く組み付けて原型1を作成して終わる。
【0013】このようにして原型1を製造するが、製造日数は自動加工準備工程と親型切削加工工程に4日、砂型作成工程に4日、原型下型及び上型用鋳型準備工程と原型下型及び上型鋳造工程と仕上組付工程に2日を必要とし合計10日で全工程を完了するため、従来の方法では30日を要していたのに比べて1/3に短縮し、原型表面も従来と変わらない精度に仕上げることが出来る。
【0014】
【発明の効果】上述の如く本発明の請求項1乃至請求項3に於いては、特別な技術を必要とせず従来の技術を用いて原型を容易に製造することが出来き、親型を分割するため複雑な形状の製品でも容易に鋳造が可能で原型を作ることが出来ると共に、分割によって製造日数を短縮すると共に、設計変更に対しても全部を破棄せず再使用が可能となりロスを無くし経済的に効率の良い製造が行なえる。請求項4に於いては、型の表面も従来の型と同程度の精度を保つことが出来、分割によって分解組立が出来るため設計変更に対しても全部を破棄せず再使用が可能となる。このように多くの特徴が有り産業利用上非常に優れた発明である。
【出願人】 【識別番号】502024764
【氏名又は名称】サカキバラモデル株式会社
【住所又は居所】愛知県宝飯郡一宮町大字大木字小牧179の6
【出願日】 平成13年12月10日(2001.12.10)
【代理人】 【識別番号】100076945
【弁理士】
【氏名又は名称】六川 詔勝
【公開番号】 特開2003−181596(P2003−181596A)
【公開日】 平成15年7月2日(2003.7.2)
【出願番号】 特願2001−402615(P2001−402615)