| 【発明の名称】 |
ハイドロフォーム成形方法および装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】園部 治 【住所又は居所】千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式会社技術研究所内
【氏名】橋本 裕二 【住所又は居所】千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式会社技術研究所内
【氏名】井口 貴朗 【住所又は居所】千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式会社技術研究所内
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| 【要約】 |
【課題】製造ロット間の素材差に起因する成形不良を効果的に抑制しうるハイドロフォーム(HF)成形方法および装置を提供する。
【解決手段】金型で保持した被成形管1に予め設定した負荷スケジュールに沿って内圧および軸力を付与するHF成形方法において、成形中の被成形管の外面内の少なくとも1点の拡管方向の移動量を測定するバルジ量モニタ手段16を設けたHF成形装置を用い、バルジ量モニタ手段16の測定移動量データと内圧検出手段12の測定内圧データとの関係に基づいて前記負荷スケジュールを調整する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金型で保持した被成形管に予め設定した負荷スケジュールに沿って内圧および軸力を付与するハイドロフォーム成形方法において、成形中の被成形管の外面内の少なくとも1点の拡管方向の移動量と同管の内圧とを測定し、該測定した移動量と内圧との関係に基づいて前記負荷スケジュールを調整することを特徴とするハイドロフォーム成形方法。 【請求項2】 金型で保持した被成形管に内圧と軸力を付与するハイドロフォーム成形装置において、成形中の被成形管の外面内の少なくとも1点の拡管方向の移動量を測定するバルジ量モニタ手段を設けたことを特徴とするハイドロフォーム成形装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ハイドロフォーム成形方法および装置に関する。 【0002】 【従来の技術】ハイドロフォーム(以下適宜HFと記す)とは、鋼管等の金属管(パイプ)に軸力と圧力をかけて一体成形することにより中空閉断面構造部品を製造する成形加工技術であり、具体的には、管を金型内に装着し、管内に液体を注入し、軸押し(管端を管軸方向中心側に押すこと)を付加して管軸方向の伸びを抑えながら、注入液の圧力により管周方向に伸びを与え、所定の形状に拡管加工する。この技術は、主に自動車部品の製造に用いられている。 【0003】仮に軸押しを行わずに拡管した場合、圧力と拡管状況の関係は以下のようになる。ここで、圧力には、拡管に必要とされる理論的な圧力と、実際にHFを行うときに機械によって付与する圧力の2通りの意味があるので、区別するために前者を「必要成形圧力」、後者を「付与圧力」と仮称する。(i) HFにおいて拡管させるために「付与圧力」を増加させた場合、「付与圧力」が所定の「必要成形圧力」に達した時点で拡管が開始する。このときの「必要成形圧力」p(0) は、パイプの降伏応力をσYS、同肉厚をt、同拡管部分の内径をDi とすると、2t・σYS=Di ・p(0) (1)が近似的に成立つ。 【0004】(ii)拡管が進むと、内径Di は大きくなり、肉厚tは小さくなるが、加工硬化により管素材の降伏応力σは増加するため、‘ある時点’までは「必要成形圧力」pは増大する。 (iii) しかし、上記‘ある時点’を過ぎる段階まで拡管が進むと、加工硬化による降伏応力σの増加よりも内径Di の増加と肉厚tの減少の影響が強くなり、拡管のために必要とされる成形内圧(必要成形圧力)が減少する。すなわち上記‘ある時点’で必要成形圧力は極大値に到達する。その条件は、次式、d〔2t・σ〕=0 (2)で表される。このときの「必要成形圧力」をp(1) と定義する。この圧力を正確に算出するのはやや困難を伴うので、概算法の1例として、σに引張強さTSを代用し、2t・TS=Di ・p(1)' (3)を満たすp(1)'を、正確なp(1) の値の代用とする。 【0005】(iv)「必要成形圧力」は、拡管がさらに進むと、極小値に到達し、拡管部分の外面の一部が金型に接触した頃辺りから再び増大し、未接触部が最終的に金型隅の細かい形状(以下、コーナR部と記す)に倣い整合するまでには極めて大きな「必要成形圧力」となる。上記現象を考慮して、軸力(軸押し)を加えた場合のHFの時間- 成形内圧スケジュールおよび時間- 軸押しスケジュール(以下、これらの負荷スケジュールをLoading Path略してLPと記す)の設定を行う。LP設定方法の一例を図2に示す。図中、成形内圧p0 は「必要成形圧力」p(0) を想定して設定した「付与圧力」である。また図中、成形内圧p2 は「必要成形圧力」p(1) よりやや大きめの値を想定して設定した「付与圧力」であり、「付与圧力」p(1)'に係数α=1.2 〜1.4 程度を掛けた、p2 =p(1)'・α (4)で求められた値に設定する。成形内圧および軸押し量は、その観察される値、すなわちモニタ値を設定値に限りなく近づけるように、制御される。 【0006】このとき、上記(iii) 〜(iv)で述べたように、「付与圧力」が「必要成形圧力」p(1) を超えると、図3に示すように、拡管が一気に進展することは自明である。拡管が一気に進展すると肉厚が急激かつ非一様に減少し、不均一変形やバーストが発生しやすい。そこで、拡管が一気に進展する圧力p(1) 〜p2 の範囲で大きく軸押しし、伸びによる肉厚の減少を効果的に補償しようとする。ただし、「必要成形圧力」p(1) 値は正確にはわからず、上記概算法で算出したp(1)'値も不正確であるため、実際はダミー材を用いた試行錯誤から成形内圧p0 〜p2の範囲で上手く成形できる軸押しLPを設定する。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかるに、軸押しが適正な「必要成形圧力」範囲より低い成形内圧範囲で行われると軸押し過多となり、図4に示すような座屈や皺20が生じ、最悪の場合最後まで残って成形不良となる。また、成形途中で座屈や皺が発生すると、それらを最終的に消せたとしても、図5に示すように軸押しの効果が低下21して減肉過多22を生じる。その場合、成形性の高い材料では問題にならないが、成形性が低い材料ではネッキングやバーストが発生し問題となることがあるため、図6に示すように座屈や皺を発生させずに成形23して減肉の最小化24を図ることが好ましい。 【0008】一方、被成形管素材としてのパイプには、パイプ造管に伴う寸法誤差や加工歪差およびパイプ素材鋼板の材質差等により、肉厚や材質に差(バラツキ)がある。かかる素材差は同一ロット製品パイプでは比較的小さいから、予めダミー材によりチューニングしたLPを用いて本番素材をHF成形しても成形途中で座屈や皺が発生することはないが、ロットが変わると素材差が大きくなって前記チューニングしたLPが不適正となり、軸押し不足によるバーストや軸押し過多による座屈や皺が発生する場合が少なからずある。これを防止すべく、拡管が一気に進展する内圧領域の見積り幅を大きめにとり、結果的に拡管が一気に進展する以前から軸押しを開始し、軽度の座屈や皺を発生させつつ拡管し、最終的に軸押しを停止して座屈や皺を消すという形で成形を行っているが、それでもバースト、座屈、皺などの成形不良が発生するのを完全には防ぎきれず歩留りが思うように上がらないという問題がある。 【0009】本発明は、上記問題に鑑み、製造ロット間の素材差に起因する成形不良を効果的に抑制しうるハイドロフォーム成形方法および装置を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成した本発明は、以下のとおりである。 (1)金型で保持した被成形管に予め設定した負荷スケジュールに沿って内圧および軸力を付与するハイドロフォーム成形方法において、成形中の被成形管の外面内の少なくとも1点の拡管方向の移動量と同管の内圧とを測定し、該測定した移動量と内圧との関係に基づいて前記負荷スケジュールを調整することを特徴とするハイドロフォーム成形方法。 【0011】(2)金型で保持した被成形管に内圧と軸力を付与するハイドロフォーム成形装置において、成形中の被成形管の外面内の少なくとも1点の拡管方向の移動量を測定するバルジ量モニタ手段を設けたことを特徴とするハイドロフォーム成形装置。 【0012】 【発明の実施の形態】本発明のHF成形方法(本発明方法)では、予め設定した負荷スケジュール(LP)について、HF成形中の被成形管の外面内の少なくとも1点の拡管方向の移動量を測定する。それと同時に、同管の内圧を従来どおり測定する。そして、測定移動量データが所定の挙動(ゼロからの立上り、ならびに、時間変化率の立上りおよび立下り)を示したと同期の測定内圧データを用いて、前記LPを、初期設定時のコンセプト(拡管開始に合わせて軸押し開始し、拡管の一気進展に合わせて軸押しを大きくするという概念)とのずれをなくす方向に調整する。 【0013】これにより、成形内圧および軸力(軸押し量で表す)に係るLPが、各製造ロット毎に僅かずつ異なる材質・寸法特性に最もよく適合した形となるように調整されるので、HF成形精度が向上し、バースト、座屈、皺等に因る不良の発生頻度が低減して歩留りが向上する。本発明のHF成形装置(本発明装置)は、本発明方法を実施するために、成形中の被成形管の外面内の少なくとも1点の拡管方向の移動量を測定するバルジ量モニタ手段を設けたものである。 【0014】本発明装置の1例を図1に示す。この例では、被成形管(パイプ、この例では鋼管)1を金型の上型2と下型3とで保持し、入力手段13によりパイプ1内に液体を挿入し内圧を高めて管周方向の伸びを与えながら、両管端側からそれぞれポンチ(軸押し工具)4、4を油圧ピストン等の駆動手段6、6で管内へ押し込むことによって軸力をかける。なお、入力手段13および駆動手段6の動作は、内圧検出手段12、軸押し量検出手段11によるモニタ値がそれぞれLPに追従するよう制御手段5で制御する。本発明装置において、以上のところまでは従来と同様であるが、従来と違うところはバルジセンサ14および信号変換手段15からなるバルジ量モニタ手段16が設けてある点である。バルジセンサ14は、成形中の被成形管1の外面内の少なくとも1点の拡管方向の移動量を検出するもので、この例では移動量検出点を2点設けている。バルジセンサ14の出力は信号変換手段15によって前記移動量に変換された上で、測定移動量データとして制御手段5に送られる。制御手段5は、送られてきた測定移動量データと前記内圧のモニタ値(測定内圧データ)との関係に基づいて内圧、軸力の各LPを調整する。 【0015】バルジセンサ14としては、接触型変位計(差動トランス方式等)、非接触型変位計(光源にレーザやLEDを用いたもの)のいずれを用いてもよい。ただし、非接触型は、拡管に伴って被検出点配置面の曲率が大きく変化するような場合には測定誤差が大きくなるので、前記曲率の変化量が小さい場合に限って用いるのが好ましい。また、接触型では、内圧印加時のパイプ1の微小振動等により付勢されて真値よりも大きい値を出力する可能性をなくすべく、バルジセンサ14を弱い力(例えば数十N程度以下の力)で常にパイプ1表面に押し付けることが好ましい。 【0016】次に、LPの具体的調整方法について述べる。本発明方法では、まず、初期(調整前)の内圧LPおよび軸力(軸押し)LPを例えば図2のような形で設定する。この初期LP設定は試行錯誤による。なお、図2において、軸力LPの軸押し量l1 点通過と同時点の成形内圧をp1 とする。 【0017】次に、この初期設定したLPに従って、同一ロットのパイプをn本(好ましくはn≧10)成形試行し、それらの測定移動量データから当該初期設定LP曲線上での圧力ポイントp0x、p1x、p2xを決定する。これらの圧力ポイントの意味は次のとおりである。 p0x:バルジ中央部分の拡管が開始する時点の成形圧力(前記「必要成形圧力」p(0) を想定した圧力) p1x:バルジ中央部分の拡管が一気に進展し始める時点の成形圧力(前記「必要成形圧力」p(1) を想定した圧力) p2x:バルジ中央部分が拡管して金型に接触する時点の成形圧力(前記「必要成形圧力」p(1) より僅かに大きい圧力) n本の試行パイプのうちi番目のパイプの圧力ポイントp0x(i) は次の(0-1)〜(0-3) のいずれかの方法、p1x(i) は次の(1-1) 〜(1-3) のいずれかの方法、p2x(i) は次の(2-1) 〜(2-3) いずれかの方法で決定される。なお、検出点を2点以上とした場合は、同じパイプの検出点毎の圧力ポイントデータを検出点全部について平均し、これを決定値とする。 (0-1) 測定移動量データに振動がない場合、該データがゼロから立上り始める時点t0x0 の成形圧力p0x0 をp0x(i) とする。 (0-2) 測定移動量データに振動がある場合、該データが立上り途中で所定の閾値z0x1 を超えた時点t0x1 の成形圧力p0x1 、または該時点t0x1 を含む微小時間範囲Δtでの平均成形圧力p0x1A、をp0x(i) とする。 (0-3) (0-2) において、さらに適当な補正係数f0 (0超1未満の値)または微小量δp0を設け、f0 ・(p0x1 またはp0x1A)、または、(p0x1 またはp0x1A)−δp0をp0x(i) とする。 (1-1) 測定移動量データの時間微分が所定の閾値(dz/dt)1を下から上に通過した時点の成形圧力p1x0 をp1x(i) とする。 (1-2) 測定移動量データが所定の閾値z1x1 を超えた時点の成形圧力p1x1 をp1x(i) とする。 (1-3)(1-1)または(1-2) において、さらに適当な補正係数f1 (0超1未満の値)または微小量δp1を設け、f1 ・(p1x0 またはp1x1 )、または、(p1x0またはp1x1 )−δp1をp1x(i) とする。 (2-1) 測定移動量データの時間微分が所定の閾値(dz/dt)2を上から下に通過した時点の成形圧力p2x0 をp2x(i) とする。 (2-2) 測定移動量データが所定の閾値z2x1 を超えた時点の成形圧力p2x1 をp2x(i) とする。 (2-3) (2-1) または(2-2) において、さらに適当な補正係数f2 (0超1未満の値)または微小量δp2を設け、f2 ・(p2x0 またはp2x1 )、または、(p2x0 またはp2x1 )−δp2をp2x(i) とする。 【0018】上記のようにして得た3種の圧力ポイントデータp0x(i) 、p1x(i) 、p2x(i) (各種あたりn個)の統計処理値をそれぞれp0x、p1x、p2xとする。統計処理値としては、平均値、最小値、最大値、中央値のいずれをも採用しうるが、不良発生防止の点では平均値または中央値の採用が好ましい。なお、この統計処理では、3種の圧力ポイントデータの各種について、適宜の判別分析等により検出した異常値を除いた残りのデータを用いることが、より好ましい。 【0019】このようにして得られたp0x、p1x、p2x(判別値という)とp0 、p1 、p2 の現用値との差(大−小)をとり、この差が適宜設けた許容差δpset 以内のものは現用値のままとし、同差が同δpset 超のものは現用値を判別値に変更(更新)する。なお、最大成形圧力であるpmax については初期設定値を変更しない。 【0020】かくしてp0 、p1 、p2 の値が決定される。該決定後のLP調整方法について、以下に説明する。この説明では、図7に本発明により調整されたLPの1例を示す線図を援用する。内圧LPについて、内圧印加開始時(成形時間=0s )を起点とするp0 、p1 、p2 、pmax の各圧力点通過時点t0 、t1 、t2 、tmax は、成形に格別の影響を及ぼすものではないので、HF設備の最大圧力上昇速度や最大軸押し速度などの制約内で適宜の値に設定しうる。なお、図7の例示とは異なるが、時間(t2 −t1 )は、時間(t0 −0)、(t1 −t0 )、(tmax −t2 )のいずれよりも長くとることが好ましい。 【0021】軸力(軸押し)LPについては、図7に示されるように、成形圧力0→p0 に軸押し量0を、成形圧力p0 →p1 に軸押し量0→l1 を、成形圧力p1 →p2に軸押し量l1 →l2 を、成形圧力p2 →pmax に軸押し量l2 →lmax を、それぞれ対応させる。軸押し量l1 、l2 は、lmax に係数k1 、k2 をそれぞれ掛けて、 l1 =k1 ・lmax , l2 =k2 ・lmax (5) のように設定する。なお、ここでlmax は最大軸押し量である。図7の例では、k1 ≒0.2 、k2 ≒0.9 としたが、一般には、係数k1 、k2 の値は、管素材特性や潤滑条件、成形する部品形状に合わせて適宜決定される。この決定には試行錯誤を要する。この決定手続では軸押し量l1 までの軸押し過程で被成形管に座屈や皺が発生しないことを目安とする。また、lmax の値は、成形前後でパイプ表面積が不変という条件を満たす軸押し量を算出し、その値に適当な係数η(=0.6 〜0.9 )を掛けたものとする。この係数ηの適正値は被成形管のr値等物性値に依存するので、その決定には前記係数k1 、k2 と同様試行錯誤を要する。ただし、k1 、k2 、ηは、パイプの材質・寸法規格および成形条件(金型、潤滑方法など)が同じである限り、素材製造ロットが違っても一定として差し支えないので、本発明のLP調整方法では、初期LP設定時に試行錯誤で決定したk1 、k2 、ηの値をそのまま用いればよい。 【0022】 【実施例】降伏応力=約350MPa(引張強さ(TS)=450MPa)のJIS STKM13B 相当鋼管からなる図8に寸法を示す素材1A をHF成形して同図に寸法を示す成形品1B となすにあたり、図1に示したHF成形装置を用いた。この装置は、最大成形内圧(pmax )=200MPa、最大軸押し力=2000kNの仕様とし、バルジ量モニタ手段のバルジセンサは、差動トランス方式の接触型変位計を図1に示したように2箇所に設置した。 【0023】パイプは同一規格で製造ロットが異なるものを5種類(5ロット分)、各ロット200 本ずつを用意し、各ロット毎に本発明例に 100本、比較例に 100本を充当して、各々5ロット分合計 500本ずつテスト成形し、結果を比較した。各ロットでは造管条件や管素材鋼板の熱延製造条件を意図的に少しずつ変化させ、HF素材パイプの材質をロット間で違えるようにした。5種類の製造ロットをテスト成形に供した順にNo.1〜No.5ロットと称する。 【0024】No.1ロットに対しては本発明例、比較例とも図2に示したLPに沿わせて内圧および軸力(軸押し)を付与した。なお、図2のLPにおいて、最大軸押し量lmax は、成形前後でパイプ表面積が不変となる計算の軸押し量に係数η=0.9 を掛けて、軸押し量(片側)lmax =約33mm(=l2 )に設定し、p0 は前記(1)式で算出したp(0) に設定し、p2 は前記(3) 式で算出したp(1) ’に係数α=1.3 を掛けたもの(前記(4) 式参照)に設定し、t0 、t2 および(l1 ,t1)は、テスト成形に先立ち、No.1ロットの本発明例充当分3本および比較例充当分3本を用いた試行錯誤的予備実験により、成形後の状態が良好となる点をチューニングして設定した。 【0025】比較例では、No.2ロット以降も図2のLPをそのまま用いた。一方、本発明例では、No.2ロット以降は、各ロット毎に最初の10本ずつについての、バルジ量モニタ手段による測定移動量データと内圧検出手段による測定内圧データとから、前記p0x、p1x、p2xの判別値をそれぞれ前記(0-3),(1-3),(2-3) の方法で求めた。これら判別値とp0 、p1 、p2 の現用値との差がδpset (=10MPa )を超えたもののみ現用値を判別値に置換した。また、No.1ロットでは内圧LP上の最初の屈曲点をp0 としていた(図2参照)が、No.2ロット以降では同屈曲点をp1 に変更した(図7参照)。No.2ロット以降の軸押しLPは前述の要領で内圧LPと対応させて調整した。なお、最大軸押し量lmax は図2のままとし、軸押し量l1 、l2 は、図2とは違えて、l1 =0.3 ・lmax (この点は図7とも違えた)、l2 =0.95・lmax とした。また、かかる一連のLP調整手続は、これをプログラム化してなるLP学習制御機能を搭載した制御装置により、自動的に実行された。 【0026】各ロット毎のテスト成形結果を表1に示す。表1中、最小肉厚平均値は、各ロット全部の成形品から破断発生品を除いたもの(座屈・皺発生品は込み)について、拡管部の肉厚最小部分の肉厚測定データを平均したものである。表1に示すように、本発明例では、破断、座屈・皺発生、最小肉厚のいずれの項目においても、本発明方法によるLP調整を行ったNo.2ロット以降において、初期設定LPを用い続けた比較例よりも優れた結果が得られた。 【0027】 【表1】
【0028】 【発明の効果】かくして本発明によれば、製造ロット間で管素材の材質・肉厚等に差(バラツキ)があっても、HF成形での破断、座屈・皺の発生頻度が極めて低減し、成形歩留りが向上するという効果を奏する。また、成形成功品の減肉程度が従来よりも軽減し、強度的に有利なHF部品が得られるという効果もある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001258 【氏名又は名称】JFEスチール株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区内幸町二丁目2番3号
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| 【出願日】 |
平成14年4月24日(2002.4.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100099531 【弁理士】 【氏名又は名称】小林 英一
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| 【公開番号】 |
特開2003−311343(P2003−311343A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月5日(2003.11.5) |
| 【出願番号】 |
特願2002−122580(P2002−122580) |
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