| 【発明の名称】 |
多段クラスタ圧延機の板形状修正方法及び制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】谷岡 和彦 【住所又は居所】広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島製作所内
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| 【要約】 |
【課題】従来の板形状修正方法は、板幅方向各ゾーンで検出した伸率値を関数で表現し演算処理していたので、関数の近似精度に伴い圧延機の形状制御能力を有効利用できず高精度の板形状制御が困難であった。本発明はこの不具合を解消する板形状修正方法の提供を課題とする。
【解決手段】本発明の板形状修正方法は、圧延材板形状の検出工程、板形状検出信号を板幅方向各ゾーンの伸率値を要素とする多次元ベクトルにする工程、多次元ベクトルで目標板形状、実板形状及び各形状制御アクチュエータ影響係数をデータベクトルにする工程、目標板形状データベクトル、実板形状データベクトルから板形状偏差ベクトルを算出する工程、板形状偏差ベクトルの大きさが最小値になる最適操作量を求める工程、最適操作量でアクチュエータを制御し板形状修正を行なう工程からなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧延材の板形状を圧延機出側の板幅方向に設けた板形状検出器により検出する工程と、検出された板形状検出信号を板幅方向に分割された各ゾーンにおける伸率値を要素とする多次元ベクトルにする工程と、目標板形状、実板形状及び予め計算又は実測により求めた各形状制御アクチュエータの能力を表すアクチュエータ影響係数を、前記多次元ベクトルを用いて目標板形状データベクトル、実板形状データベクトル、及びアクチュエータ影響係数データベクトルにする工程と、前記目標板形状データベクトルと実板形状データベクトルとから板形状偏差ベクトルを算出する工程と、前記アクチュエータ影響係数データベクトルを各形状制御アクチュエータ操作量で操作し、前記板形状偏差データベクトルの大きさが最小値になるときの前記各形状制御アクチュエータ操作量である最適操作量を求める工程と、前記最適操作量により前記各形状制御アクチュエータを制御し板形状修正を行なう工程とからなることを特徴とする多段クラスタ圧延機の板形状修正方法。 【請求項2】 請求項1の多段クラスタ圧延機の板形状修正方法において、前記板形状制御用アクチュエータを圧延機内にx個、圧延機出側にy個の分割ゾーンより構成される前記板形状検出器を配置し、前記各アクチュエータ影響係数データベクトルをAij(aij;i=1〜x,j=1〜y)、前記実板形状データベクトルをBj(bj;j=1〜y)、前記目標板形状データベクトルをCj(cj;j=1〜y)、前記各形状制御アクチュエータ操作量をΔKi(i=1〜x)、前記板形状偏差ベクトルをDjとしたとき、前記最適操作量を求める工程が、各ベクトルが数1の関係を満たすようΔKi(i=1〜x)だけ操作し、各アクチュエータ操作後のDjであるD′jとAlj〜Axjが数2に示すようになり、前記D′jの大きさが最小になるときに前記Bjが前記Cjに最も近づいていると判定を行う工程からなり、前記板形状修正を行なう工程が、前記各ベクトルの関係が数1の関係を満たすΔKiを圧延中に常時求めて板形状の閉ループ制御を行う工程からなることを特徴とする多段クラスタ圧延機の板形状修正方法。 【数1】
【数2】
【請求項3】 圧延機出側に設けられた板形状検出器によって検出された圧延材の板形状を、板幅方向の伸率値を要素とする多次元ベクトルで表す機能を有する手段と、目標板形状、実板形状及び予め計算若しくは実測によって求めた各形状制御アクチュエータの能力を表すアクチュエータ影響係数を、前記多次元ベクトルを用いてそれぞれ目標板形状データベクトル、実板形状データベクトル、及びアクチュエータ影響係数データベクトルで表す機能を有する手段と、これらの多次元ベクトルに対して、和、差、積、外積、内積等の種々のベクトル計算を行ない、前記アクチュエータ影響係数データベクトルを各形状制御アクチュエータ操作量で操作し、前記目標板形状データベクトルと実板形状データベクトルとの差である板形状偏差ベクトルの大きさが最小値になるときの各形状制御アクチュエータ操作量である最適操作量を求める機能を有する手段と、前記最適操作量により前記各形状制御アクチュエータを制御し、板形状修正を行なう機能を有する手段とを備えていることを特徴とする多段クラスタ圧延機の板形状制御装置。 【請求項4】 請求項3の多段クラスタ圧延機の板形状制御装置において、前記請求項2に記載の多段クラスタ圧延機の板形状修正方法を実施する機能を有する手段を備えていることを特徴とする多段クラスタ圧延機の板形状制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は多段クラスタ圧延機における板形状の修正方法及び制御装置に係り、特に板形状制御の応答性能を高め、しかも高い圧延材の板形状制御精度を達成できるようにした多段クラスタ圧延機の板形状修正方法及びその方法を実施するための制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】熱間圧延された鋼板(ストリップ)を均一な所定厚さにする冷間圧延においては、ハウジング内に、上下一対のワークロール、このワークロールをサポートする中間ロール、及びこの中間ロールをサポートする板幅方向に分割されたバックアップロールを設けた多段クラスタ圧延機が使用されている。図4は、このような冷間圧延に使用される多段クラスタ圧延機の概略側面を示す図である。 【0003】図において、1は圧延を行う圧延材、2は圧延機のハウジング、21はワークロール、22は中間ロール、23はバックアップロール、3は圧下レベリング機能を有する圧下装置、4はバックアップロール23のクラウン調整装置、5はワークロールベンダー装置、6は中間ロールベンダー装置、7は板形状検出器である。 【0004】このような多段クラスタ圧延機では、ワークロール21に押圧され走行する圧延材1の板幅方向の各ゾーンにおける伸率値を板形状検出器7で検出し、検出した伸率値に応じてワークロールベンダー装置5、中間ロールベンダー装置6、圧下装置3及びクラウン調整装置4を制御することにより、ワーク側及びドライブ側ロールギャップと、クラウンの調整を行うようにしている。このようにして行われる従来の圧延材1の板形状の修正では、圧延材1の板幅方向に分割された各ゾーンにおいて検出された伸率値を板幅方向の検出位置に対応させて示すようにした入力値の関数によって表現し、この関数を使って演算することにより、目標板形状と実板形状の差をなくすようにした種々の方法が考案されている。 【0005】ところが、従来の方法では、目標板形状、実板形状、及び各形状制御アクチュエータの能力を表すアクチュエータ影響係数を、板幅方向の検出位置に対応させて示すようにした入力値の関数によって表現するようにしていたため、目標板形状と実板形状の差を評価する方法は、これらの関数を用いたものでしかできなかった。 【0006】このため、アクチュエータ操作量を算出するロジックが統計数学等を用いた複雑なものとなり、これに起因して、板形状制御装置内における演算処理が複雑となり、処理時間が長くなるため、板形状制御の応答速度が遅くなってしまう不具合、または関数の近似精度の問題に起因して、多段クラスタ圧延機が持つ形状制御能力を最大限に有効利用できず、高精度の板形状制御ができないという不具合が生じていた。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従来の方法による目標板形状と実板形状の差をなくするためアクチュエータ操作において生じる不具合を解消するために、統計数学等を用いることなくアクチュエータ操作量を算出できるようにして、板形状制御装置内における演算処理を簡素化して処理時間を短くし、板形状制御の応答性能を高め、且つ、どのような板形状制御用アクチュエータが装備された多段クラスタ圧延機においても、その圧延機の有する形状制御能力を最大限に有効利用でき、高い板形状制御精度を達成することができる板形状修正方法及びその制御装置を提供することを課題とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】このため、第1番目の本発明の多段クラスタ圧延機の板形状修正方法は、次の手段を採用した。 【0009】(1)圧延材の板形状を圧延機出側の板幅方向に設けた板形状検出器により検出する工程と、検出された板形状検出信号を板幅方向に分割された各ゾーンにおける伸率値を要素とする多次元ベクトルにする工程と、目標板形状、実板形状及び予め計算又は実測により求めた各形状制御アクチュエータの能力を表すアクチュエータ影響係数を多次元ベクトルを用いて目標板形状データベクトル、実板形状データベクトル、及びアクチュエータ影響係数データベクトルにする工程と、目標板形状データベクトルと実板形状データベクトルとから板形状偏差ベクトルを算出する工程と、アクチュエータ影響係数データベクトルを各形状制御アクチュエータ操作量で操作し、板形状偏差ベクトルが最小値になるときの各形状制御アクチュエータの最適操作量を求める工程と、最適操作量により各形状制御アクチュエータを制御し板形状修正を行なう工程とからなるものとした。 【0010】また、第2番目の本発明の多段クラスタ圧延機の板形状修正方法は、上述(1)に加え、次の手段を採用した。 【0011】(2)板形状制御用アクチュエータを圧延機内にx個、圧延機出側にy個の分割ゾーンより構成される板形状検出器を配置し、各アクチュエータ影響係数データベクトルをAij(aij;i=1〜x,j=1〜y)、実板形状データベクトルをBj(bj;j=1〜y)、目標板形状データベクトルをCj(cj;j=1〜y)、各形状制御アクチュエータの操作量をΔKi(i=1〜x)、板形状偏差ベクトルをDjとしたとき、各形状制御アクチュエータの最適操作量を求める工程が、各ベクトルの関係が数1を満たすようΔKi(i=1〜x)だけ操作し、各アクチュエータ操作後の操作量D′jとAlj〜Axjが数2に示すようになり、D′jの大きさが最小になるときにBjがCjに最も近づいていると判定する工程であり、板形状修正を行なう工程が、各ベクトルの関係が数1を満たすΔKiである最適操作量を圧延中に常時求めて板形状の閉ループ制御を行う工程とした。 【0012】 【数1】
【0013】 【数2】
また、第1番目の本発明の多段クラスタ圧延機の板形状制御装置は、次の手段とした。 【0014】(3)圧延機出側に設けられた板形状検出器によって検出された圧延材の板形状を、板幅方向の伸率値を要素とした多次元ベクトルで表す機能を有する手段と、目標板形状、実板形状及び予め計算又は実測によって求めた各形状制御アクチュエータの能力を表すアクチュエータ影響係数を、多次元ベクトルを用いてそれぞれ目標板形状データベクトル、実板形状データベクトル、及びアクチュエータ影響係数データベクトルで表す機能を有する手段と、これらの多次元ベクトルに対して、和、差、積、外積、内積等の種々のベクトル計算を行ない、アクチュエータ影響係数データベクトルを各形状制御アクチュエータ操作量で操作し、目標板形状データベクトルと実板形状データベクトルとの差である、板形状偏差ベクトルの大きさが最小値になるときの各形状制御アクチュエータの操作量である最適操作量を求める機能を有する手段と、前記最適操作量により前記各形状制御アクチュエータを制御し、板形状修正を行なう機能を有するものとした。 【0015】また、第2番目の本発明の多段クラスタ圧延機の板形状制御装置は、上述(3)に加え、次の手段とした。 【0016】(4)請求項3の多段クラスタ圧延機の板形状制御装置において、前記請求項2に記載の多段クラスタ圧延機の板形状修正方法を実施する機能を有する手段を備えていることを特徴とする多段クラスタ圧延機の板形状制御装置。 【0017】上述した構成により、本発明の多段クラスタ圧延機の板形状修正方法及びこの方法を実施する板形状制御装置では、実板形状を目標板形状に最も近づけるための各形状制御アクチュエータの最適操作量が、従来から行われている板幅方向の各ゾーンにおいて検出された伸率値を検出位置に対応して示すようにした、入力値の関数に依って表現することなくできるようになり、板形状制御装置内で行われる演算処理が簡素化され処理時間を短くでき、板形状制御の応答性が高められ圧延作業を迅速化することができるとともに、圧延機の有する板形状制御能力を最大限に有効利用でき、高い板形状制御精度を達成できるようになる。 【0018】 【発明の実施の形態】以下、本発明の多段クラスタ圧延機の板形状修正方法およびその方法に使用する制御装置の実施の一形態を図面に基づき説明する。 【0019】図1は本発明の多段クラスタ圧延機の板形状修正方法およびその方法に使用する制御装置を説明するための、修正を行う板形状のベクトル空間の概念説明図、図2は本発明の多段クラスタ圧延機の板形状制御装置の実施の第1形態を示すブロック構成図、図3は本発明の多段クラスタ圧延機の板形状修正方法の実施の第1形態を示すフロー図である。 【0020】図1においてAijは、図4で示した圧下装置3、ロールのクラウン調整装置4、ワークロールベンダー装置5、中間ロールベンダー装置6等、各アクチュエータの板幅方向の板形状に対する有限個(i=1〜x個)の影響係数データベクトルである。Bjは板形状検出ゾーンに設置された板形状検出器7が検出する板幅方向に有限個(j=1〜y個)の要素からなる実板形状データベクトル、Cjは板形状検出ゾーンに対応する板幅方向に有限個(j=1〜y個)の要素からなる目標板形状データベクトル、Djは目標板データベクトルCjと目標板形状データベクトルの差(Cj−Bj)である板形状偏差ベクトルである。 【0021】板形状偏差ベクトルDj=(Cj−Bj)は、アクチュエータ影響係数データベクトルAij(A1j〜Axj)に従属し、図1に示すようにアクチュエータ影響係数データベクトルAijの方向に対して傾斜方向に生じるものとして表わすことができる。 【0022】一方、アクチュエータ影響係数データベクトルAijは、アクチュエータ操作量ΔKi(i=1〜x)を使ってΔKi×Aijとして表わすことができ、アクチュエータ操作量ΔKiを変えることで操作し、調整することができ、この操作により、板形状偏差ベクトルDj=(Cj−Bj)をアクチュエータ影響係数データベクトルAij(A1j〜Axj)と1次従属の関係にない、即ち板形状偏差ベクトルDjをアクチュエータ影響係数データベクトルA1j〜Axjと直交する位置に変動させることができる。 【0023】この操作位置では、図1から明らかなように板形状偏差ベクトルDjの大きさが最小値となることから、実板形状データベクトルBjは、目標板形状データベクトルCjに最も近づけたものにすることができる。そして、板形状偏差ベクトルDj=(Cj−Bj)を、この操作位置へ移動させるためには、アクチュエータ操作量ΔKi(i=1〜x)が、数3を満たすように計算されて得られる操作量ΔKiで、各アクチュエータを操作することによって達成することができる。 【0024】 【数3】
本実施の形態の図2に示す多段クラスタ圧延機の板形状制御装置では、この操作量ΔKiを板形状の最適操作量信号として使用するようにしている。 【0025】図2において、8は板形状制御装置であり、この板形状制御装置8は、入力部9と、演算部10と、出力部11で構成されている。入力部9には、図4に示す多段クラスタ圧延機の出側に設けられた板形状検出器7から検出された実板形状信号Fが入力され、更に外部の上位計算機12と、操作盤13から目標形状設定信号Eが入力される。 【0026】演算部10では、入力部9から入力された実板形状信号F、目標形状設定信号Eにより数1を満足する最適操作量信号ΔKi(i=1〜x)が計算され、この計算値が入力された出力部11から操作量信号A、B、C、Dが、圧下装置3、クラウン調整装置4、ワークロールベンダー装置5及び中間ロールベンダー装置6の各板形状制御アクチュエータへ出力され、これらの操作量信号により、実板形状を上位計算機に操作盤13から入力された目標形状に近づける各装置3、4、5、6に設けられている各板形状制御アクチュエータの制御が行われる。 【0027】上述した図2に示す多段クラスタ圧延機の板形状修正制御装置を使用して行う板形状制御は、図3に示す制御方法のフローで行われる。 【0028】ステップS1で、多段クラスタ圧延機の出側の板幅方向に設けられた板形状検出器7により、ワークロールに押圧され走行して来る圧延材1を検出することにより、有限個の要素からなる板形状を検出し、ステップS2で、板形状検出器7より出力された板形状検出信号を板幅方向に分割された各ゾーンの伸率値を要素とした多次元ベクトルにし、ステップS3で、ステップS2から出力された多次元ベクトルを用い目標板形状データベクトルCj、実板形状データベクトルBj、及び各アクチュエータの影響係数データベクトルAijを計算する。 【0029】次いで、ステップS4で、ステップS3から出力された目標板形状データベクトルCjと実板形状データベクトルBjとから板形状偏差ベクトルDjを求め、ステップS5で、アクチュエータ操作量ΔKiを変化させることにより、各アクチュエータの影響係数Aijを調整しながら数3の左辺の演算を行うことにより、数3の条件を満している板形状偏差ベクトルDjの大きさが最小値となる最適アクチュエータ操作量ΔKiを計算し、ステップS6で、この最適アクチュエータ操作量ΔKi値により圧下装置3、クラウン調整装置4、ワークロールベンダー装置5及び中間ロールベンダー装置6を制御する各形状制御用アクチュエータの制御を行い、板形状検出器7で検出される圧延材1の実板形状が、上位計算機12と操作盤13から入力された目標形状になるようにする。 【0030】このような多段クラスタ圧延機の板形状修正方法及びこの修正方法に使用する修正制御装置を用いて、圧延材1の冷間圧延をするようにしたことにより、従来の冷間圧延において、圧延材1の板幅方向の各ゾーンにおける伸率値に応じて行われるワーク側及びドライブ側ロールギャップ調整とクラウンの調整に必要な圧下装置3、クラウン調整装置4、ワークロールベンダー装置5及び中間ロールベンダー装置6の各板形状制御アクチュエータの制御に必要としていた板形状装置内において行う、複雑な関数近似演算や統計数学処理等を実施する必要がなくなり、演算処理時間を短縮することができる。 【0031】また、これによって制御上の無駄時間が少なくなり、板形状制御の応答性能が向上する。更には、圧延材1の板幅方向に分割された各ゾーンにおいて検出された伸率値を、板幅方向の検出位置に対応させて示すようにした入力値の関数によって表現し、この関数を使って演算するようにした、従来の演算において必要としていた関数の近似等の処理を必要としないため、近似精度不良に起因する問題も解消し、圧延機が持つ形状制御能力を最大限有効に利用できる板形状制御が可能となる。 【0032】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の多段クラスタ圧延機の板形状修正方法は、圧延材板形状を板形状検出器で検出する工程、板形状検出信号を板幅方向の各ゾーンの伸率値を要素とする多次元ベクトルにする工程、目標板形状、実板形状及び予め計算又は実測により求めた各形状制御アクチュエータの影響係数を多次元ベクトルを用い目標板形状データベクトル、実板形状データベクトル、及びアクチュエータ影響係数データベクトルにする工程、目標板形状データベクトルと実板形状データベクトルから板形状偏差ベクトルを算出する工程、アクチュエータ影響係数データベクトルを各形状制御アクチュエータ操作量で操作し、板形状偏差ベクトルの大きさが最小値になる各形状制御アクチュエータの最適操作量を求める工程、最適操作量より各形状制御アクチュエータを制御し板形状修正を行なう工程からなるものとした。 【0033】また、本発明の多段クラスタ圧延機の板形状修正方法は、板形状制御用アクチュエータを圧延機内にx個、圧延機出側にy個の分割ゾーンより構成される板形状検出器を配置し、各アクチュエータ影響係数データベクトルをAij、実板形状データベクトルをBj、目標板形状データベクトルをCj、各形状制御アクチュエータの操作量ベクトルをΔKi、板形状偏差ベクトルをDjとしたとき、各形状制御アクチュエータの最適操作量を求める工程が、各ベクトルの関係が数1を満たすΔKiだけ操作し、各アクチュエータ操作後のD′jとAli〜Axjが数2に示すようになり、D′jの大きさが最小になるときにBjがCjに最も近づいていると判定する工程であり、板形状修正を行なう工程が、各ベクトルの関係が数1を満たすΔKiである最適操作量を圧延中に常時求めて板形状の閉ループ制御を行う工程からなるものとした。 【0034】また、多段クラスタ圧延機の板形状制御装置は、圧延機出側の板形状検出器で検出された圧延材の板形状を板幅方向の伸率値を要素とした多次元ベクトルで表す機能を有する手段、目標板形状、実板形状及び予め計算又は実測により求めた各形状制御アクチュエータ能力を示すアクチュエータ影響係数を、多次元ベクトルを用い目標板形状データベクトル、実板形状データベクトル、及びアクチュエータ影響係数データベクトルとして表す機能を有する手段、多次元ベクトルに対して、種々のベクトル計算を行ないアクチュエータ影響係数データベクトルを各形状制御アクチュエータの操作量で操作し、目標板形状データベクトルと実板形状データベクトルの差、板形状偏差ベクトルが最小値になる各形状制御アクチュエータの最適操作量を求める機能を有する手段、最適操作量により各形状制御アクチュエータを制御し板形状修正を行なう機能を有する手段を有するものとした。 【0035】また、本発明の多段クラスタ圧延機の板形状制御装置は、多段クラスタ圧延機の板形状制御装置が、前記板形状修正方法を実施する機能を有する手段を備えているものとした。 【0036】これにより、実板形状を目標板形状に最も近づけるための各形状制御アクチュエータの最適操作量が、板幅方向の各ゾーンにおいて検出された伸率値を検出位置に対応して示す入力値の関数で表現することなくでき、板形状制御装置内で行われる演算処理が簡素化され処理時間を短くでき、板形状制御の応答性が高められ圧延作業を迅速化できるとともに、圧延機の有する板形状制御能力を最大限に有効利用でき、高い板形状制御精度を達成できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006208 【氏名又は名称】三菱重工業株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目5番1号
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| 【出願日】 |
平成13年10月23日(2001.10.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100069246 【弁理士】 【氏名又は名称】石川 新 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−126904(P2003−126904A) |
| 【公開日】 |
平成15年5月8日(2003.5.8) |
| 【出願番号】 |
特願2001−324527(P2001−324527) |
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