| 【発明の名称】 |
ロール偏芯除去方法及びロール偏芯除去装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】今野 雄介 【住所又は居所】富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技術開発本部内
【氏名】香取 英夫 【住所又は居所】富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技術開発本部内
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| 【要約】 |
【課題】バックアップロールの幾何学的中心と質量の中心とのずれに起因して発生する高い周波数のロール偏芯外乱確実に除去できるようにする。
【解決手段】バックアップロールの偏芯に起因するロール偏芯外乱を含んだ圧延反力信号と、ロール偏芯外乱がないと見なせる場合の基準の圧延反力信号との偏差をとることにより得られる圧延反力偏差信号を所定の期間繰り返し加算するとともに、上記加算値に応じた圧下位置操作量に係わる信号を用いて圧下位置を制御することにより、バックアップロール13のロール偏芯外乱に起因して生じる鋼板9の板厚偏差を小さくできるようにする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 鋼板を押圧して圧延するワークロールと連動して回転するバックアップロールの偏芯に起因して発生するロール偏芯外乱を除去するロール偏芯除去方法において、上記バックアップロールが上記鋼板を圧延している状態を反映する偏差信号を繰り返し加算するとともに、上記加算した信号を用いて圧延機の圧下位置を制御することを特徴とするロール偏芯除去方法。 【請求項2】 上記バックアップロールが上記鋼板を圧延している状態を反映する偏差信号は、鋼板の圧延中に上記バックアップロールが受ける荷重を測定する荷重装置から得られる圧延反力信号であることを特徴とする請求項1に記載のロール偏芯除去方法。 【請求項3】 上記バックアップロールが上記鋼板を圧延している状態を反映する偏差信号は、上記バックアップロールを有する2つの圧延機間で上記圧延中の鋼板が受ける張力を検出することにより得られる張力信号であることを特徴とする請求項1に記載のロール偏芯除去方法。 【請求項4】 鋼板を押圧して圧延するワークロールと連動して回転するバックアップロールの偏芯に起因して発生するロール偏芯外乱を除去するロール偏芯除去方法において、上記バックアップロールが受ける荷重を測定する荷重装置から圧延反力信号を取得する圧延反力信号取得処理と、上記圧延反力信号取得処理により取得した圧延反力信号を、所定の期間繰り返し加算する圧延反力加算処理と、上記圧延反力加算処理により加算した加算圧延反力信号を用いて圧延機の圧下位置を制御する圧下位置制御処理とを行うことを特徴とするロール偏芯除去方法。 【請求項5】 鋼板を押圧して圧延するワークロールと連動して回転するバックアップロールの偏芯に起因して発生するロール偏芯外乱を除去するロール偏芯除去方法において、上記バックアップロールを有する2つの圧延機間で上記圧延中の鋼板が受ける張力を検出することにより得られる張力信号を取得する張力信号取得処理と、上記張力信号取得処理により取得した張力信号を、所定の期間繰り返し加算する張力信号加算処理と、上記張力信号加算処理により加算した加算張力信号を用いて圧延機の圧下位置を制御する圧下位置制御処理とを行うことを特徴とするロール偏芯除去方法。 【請求項6】 上記圧延機のバックアップロールの直径と、上記圧延機で鋼板を圧延する際の標準の通板速度とから算出されるロール偏芯の周波数に対応する時間における偏差信号に基づいて、上記圧延機の圧下位置を制御することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のロール偏芯除去方法。 【請求項7】 鋼板を押圧して圧延するワークロールと連動して回転するバックアップロールの偏芯に起因して発生するロール偏芯外乱を除去するロール偏芯除去装置において、上記バックアップロールが上記鋼板を圧延している状態を反映する偏差信号を繰り返し加算するとともに、上記加算した信号を用いて圧下位置を制御するように、上記圧延機に対して指示を出すことを特徴とするロール偏芯除去装置。 【請求項8】 上記バックアップロールが上記鋼板を圧延している状態を反映する偏差信号は、鋼板の圧延中に上記バックアップロールが受ける荷重を測定する荷重装置から得られる圧延反力信号であることを特徴とする請求項7に記載のロール偏芯除去装置。 【請求項9】 上記バックアップロールが上記鋼板を圧延している状態を反映する偏差信号は、上記バックアップロールを有する2つの圧延機間で上記圧延中の鋼板が受ける張力を検出することにより得られる張力信号であることを特徴とする請求項7に記載のロール偏芯除去装置。 【請求項10】 鋼板を押圧して圧延するワークロールと連動して回転するバックアップロールの偏芯に起因して発生するロール偏芯外乱を除去するロール偏芯除去装置において、鋼板の圧延中に上記バックアップロールが受ける荷重を測定する荷重装置から得られる圧延反力信号を取得する圧延反力信号取得手段と、上記圧延反力信号取得手段により取得した圧延反力信号を、所定の期間繰り返し加算する圧延反力加算手段と、上記圧延反力加算手段により加算した加算圧延反力信号を用いて、圧下位置を制御するように、圧延機に対して指示を出す圧下位置制御指示手段とを有することを特徴とするロール偏芯除去装置。 【請求項11】 鋼板を押圧して圧延するワークロールと連動して回転するバックアップロールの偏芯に起因して発生するロール偏芯外乱を除去するロール偏芯除去装置において、上記バックアップロールを有する2つの圧延機間で上記圧延中の鋼板が受ける張力を検出することにより得られる張力信号を取得する張力信号取得手段と、上記張力信号取得手段により取得した張力信号を、所定の期間繰り返し加算する張力信号加算手段と、上記張力信号加算手段により加算した加算張力信号を用いて、圧下位置を制御するように、上記圧延機に対して指示を出す圧下位置制御指示手段とを有することを特徴とするロール偏芯除去装置。 【請求項12】 上記圧延機のバックアップロールの直径と、上記圧延機で鋼板を圧延する際の標準の通板速度とから算出されるロール偏芯の周波数に対応する時間における偏差信号に基づいて、上記圧延機の圧下位置を制御することを特徴とする請求項7〜11の何れか1項に記載のロール偏芯除去装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ロール偏芯除去方法及びロール偏芯除去装置に関し、特に、圧延機で発生するロール偏芯外乱を除去するために用いて好適なものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、鋼板を圧延するための装置として、圧延を実際に行うワークロールと、上記ワークロールを押下するバックアップロールとを組み合わせた圧延機が用いられている。このような圧延機では、上記バックアップロールの幾何学的中心と質量の中心とのずれに起因して発生する数Hz程度の高い周波数のロール偏芯外乱により、圧延後の板厚に偏差が生じていた。 【0003】そこで、従来は、圧延機における制御系の応答を上げることにより、上記数Hz程度の高い周波数のロール偏芯外乱を除去しようとしていた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記圧延機における制御系の応答は、圧下系の応答等から物理的に実現できる範囲が決まってしまうので、従来のように圧延機における制御系の応答を上げる方法では上記ロール偏芯外乱を確実に除去することができなかった。 【0005】例えば、圧下系の応答が100rad/sであったとしても、全体としての制御系の応答は10rad/s程度が限界である。 【0006】これに対し、上記ロール偏芯の周波数fは、バックアップロールの直径をD、通板速度をVとした場合、f=V/(πD)・・・(1式) と表せるので、例えば、バックアップロールの直径を1500mm、通板速度を20000mm/sとすると、ロール偏芯の周波数fは、26.6rad/sに対応する値となる。 【0007】したがって、鋼板を圧延する際の一般的な通板速度では、ロール偏芯の周波数が制御系の応答の限界を超えてしまうため、高周波数の外乱を除去しきることができなかった。 【0008】さらに、上記ロール偏芯外乱には、1つの基本周波数について、2倍波、3倍波等の高調波が存在するため、ロール偏芯の基本波の周波数が制御系の応答よりも遅い場合であっても、上記高調波が板厚偏差に悪影響を与えることがあった。 【0009】本発明は上述の問題点にかんがみ、バックアップロールの幾何学的中心と質量の中心とのずれに起因して発生する高い周波数のロール偏芯外乱確実に除去できるようにすることを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明のロール偏芯除去方法は、鋼板を押圧して圧延するワークロールと連動して回転するバックアップロールの偏芯に起因して発生するロール偏芯外乱を除去するロール偏芯除去方法において、上記バックアップロールが上記鋼板を圧延している状態を反映する偏差信号を繰り返し加算するとともに、上記加算した信号を用いて圧延機の圧下位置を制御することを特徴としている。本発明の他の特徴とするところは、上記バックアップロールが上記鋼板を圧延している状態を反映する偏差信号は、鋼板の圧延中に上記バックアップロールが受ける荷重を測定する荷重装置から得られる圧延反力信号であることを特徴としている。本発明のその他の特徴とするところは、上記バックアップロールが上記鋼板を圧延している状態を反映する偏差信号は、上記バックアップロールを有する2つの圧延機間で上記圧延中の鋼板が受ける張力を検出することにより得られる張力信号であることを特徴としている。本発明のその他の特徴とするところは、鋼板を押圧して圧延するワークロールと連動して回転するバックアップロールの偏芯に起因して発生するロール偏芯外乱を除去するロール偏芯除去方法において、上記バックアップロールが受ける荷重を測定する荷重装置から圧延反力信号を取得する圧延反力信号取得処理と、上記圧延反力信号取得処理により取得した圧延反力信号を、所定の期間繰り返し加算する圧延反力加算処理と、上記圧延反力加算処理により加算した加算圧延反力信号を用いて圧延機の圧下位置を制御する圧下位置制御処理とを行うことを特徴としている。本発明のその他の特徴とするところは、鋼板を押圧して圧延するワークロールと連動して回転するバックアップロールの偏芯に起因して発生するロール偏芯外乱を除去するロール偏芯除去方法において、上記バックアップロールを有する2つの圧延機間で上記圧延中の鋼板が受ける張力を検出することにより得られる張力信号を取得する張力信号取得処理と、上記張力信号取得処理により取得した張力信号を、所定の期間繰り返し加算する張力信号加算処理と、上記張力信号加算処理により加算した加算張力信号を用いて圧延機の圧下位置を制御する圧下位置制御処理とを行うことを特徴としている。本発明のその他の特徴とするところは、上記圧延機のバックアップロールの直径と、上記圧延機で鋼板を圧延する際の標準の通板速度とから算出されるロール偏芯の周波数に対応する時間における偏差信号に基づいて、上記圧延機の圧下位置を制御することを特徴としている。 【0011】本発明のロール偏芯除去装置は、鋼板を押圧して圧延するワークロールと連動して回転するバックアップロールの偏芯に起因して発生するロール偏芯外乱を除去するロール偏芯除去装置において、上記バックアップロールが上記鋼板を圧延している状態を反映する偏差信号を繰り返し加算するとともに、上記加算した信号を用いて圧下位置を制御するように、上記圧延機に対して指示を出すことを特徴としている。本発明の他の特徴とするところは、上記バックアップロールが上記鋼板を圧延している状態を反映する偏差信号は、鋼板の圧延中に上記バックアップロールが受ける荷重を測定する荷重装置から得られる圧延反力信号であることを特徴としている。本発明のその他の特徴とするところは、上記バックアップロールが上記鋼板を圧延している状態を反映する偏差信号は、上記バックアップロールを有する2つの圧延機間で上記圧延中の鋼板が受ける張力を検出することにより得られる張力信号であることを特徴としている。本発明のその他の特徴とするところは、鋼板を押圧して圧延するワークロールと連動して回転するバックアップロールの偏芯に起因して発生するロール偏芯外乱を除去するロール偏芯除去装置において、鋼板の圧延中に上記バックアップロールが受ける荷重を測定する荷重装置から得られる圧延反力信号を取得する圧延反力信号取得手段と、上記圧延反力信号取得手段により取得した圧延反力信号を、所定の期間繰り返し加算する圧延反力加算手段と、上記圧延反力加算手段により加算した加算圧延反力信号を用いて、圧下位置を制御するように、圧延機に対して指示を出す圧下位置制御指示手段とを有することを特徴としている。本発明のその他の特徴とするところは、鋼板を押圧して圧延するワークロールと連動して回転するバックアップロールの偏芯に起因して発生するロール偏芯外乱を除去するロール偏芯除去装置において、上記バックアップロールを有する2つの圧延機間で上記圧延中の鋼板が受ける張力を検出することにより得られる張力信号を取得する張力信号取得手段と、上記張力信号取得手段により取得した張力信号を、所定の期間繰り返し加算する張力信号加算手段と、上記張力信号加算手段により加算した加算張力信号を用いて、圧下位置を制御するように、上記圧延機に対して指示を出す圧下位置制御指示手段とを有することを特徴としている。本発明のその他の特徴とするところは、上記圧延機のバックアップロールの直径と、上記圧延機で鋼板を圧延する際の標準の通板速度とから算出されるロール偏芯の周波数に対応する時間における偏差信号に基づいて、上記圧延機の圧下位置を制御することを特徴としている。 【0012】 【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)次に、添付の図面を参照しながら、本発明のロール偏芯除去装置及びロール偏芯除去方法の第1の実施の形態を説明する。まず、図1を参照しながら、本実施の形態のロール偏芯除去装置の構成について説明する。 【0013】図1は、本実施の形態のロール偏芯除去装置100の概略構成図である。図1において、本実施の形態のロール偏芯除去装置100は、圧延反力取得手段1と、第1のノイズ除去手段2と、圧延反力加算手段3と、第2のノイズ除去手段4と、第3のノイズ除去手段5と、圧下位置操作量算出手段6と、圧延反力補償手段7と、圧下位置制御指示手段8とを有している。そして、このロール偏芯除去装置100は、鋼板9を圧延する圧延機10に接続されている。 【0014】圧延反力取得手段1は、鋼板9が、圧延機10の第1のワークロール11と第2のワークロール12との間を通過して圧延される際に発生する圧延反力信号A1を圧延機10側から取得する機能を有する。 【0015】具体的に、上記圧延反力信号A1は、第1のワークロール11を支持する第1のバックアップロール13から荷重装置として配設されているロードセル15が受ける荷重を測定することによって生成される信号である。 【0016】また、圧延反力取得手段1は、ロール偏芯外乱の影響がないと見なせる場合の基準の圧延反力を予め記憶しており、この基準の圧延反力と、上記ロードセル15から取得した圧延反力信号A1との偏差を検出する機能も有している(以下、この偏差を圧延反力偏差信号A2と表す)。 【0017】第1のノイズ除去手段2は、圧延反力取得手段1から出力された上記圧延反力偏差信号A2に含まれているノイズを除去するフィルターである。このフィルターは、ロール偏芯外乱のみを通過させ、他のノイズを除去し得るフィルターであれば足りる。 【0018】圧延反力加算手段3は、圧延反力取得手段1から第1のノイズ除去手段2を介して入力される所定の区間の圧延反力偏差信号A2を繰り返し加算する機能を有する。このとき、上記圧延反力偏差信号A2は、例えばローパスフィルターである第2のノイズ除去手段4によりノイズが除去された状態で繰り返し加算される。 【0019】ここで、上記所定の区間は、例えば、標準の通板速度で鋼板9を圧延した場合に発生すると予想されるロール偏芯の周波数に対応する時間である。このロール偏芯周波数に対応する時間は、圧延機10の第1のバックアップロール13及び第2のバックアップロール14の直径と、鋼板9の通板速度の標準値とから予め算出される。 【0020】第3のノイズ除去手段5は、圧延反力加算手段3で加算された圧延反力偏差加算信号A3のノイズを除去するフィルターである。このフィルターは、ロール偏芯外乱のみを通過させ、他のノイズを除去し得るフィルターであれば足りる。 【0021】圧下位置操作量算出手段6は、圧延反力取得手段1で検出した上記圧延反力偏差信号A2と、上記圧延反力加算手段3で加算した圧延反力偏差加算信号A3とを加えて、上記圧延反力加算手段3で加算した圧延反力偏差信号の加算値に応じた圧下位置操作量を調整するための圧下操作量調整信号A4を算出する機能を有する。 【0022】圧延反力補償手段7は、圧下位置操作量算出手段6で算出した上記圧下操作量調整信号A4に対してPID制御を行って、ロール偏芯外乱除去信号A5を生成する機能を有する。 【0023】圧下位置制御指示手段8は、圧延反力補償手段7により生成されたロール偏芯外乱除去信号A5を、圧延機10に備えられている板厚制御機能部16に送信して、ロール偏芯外乱に起因したバックアップロールの上下運動分を考慮して油圧圧下機構17を制御するように、板圧制御機能部16に対して指示を出す機能を有する。 【0024】そして、板厚制御機能部16は、圧下位置制御指示手段8から送信されるロール偏芯外乱除去信号A5と、油圧圧下機構17から圧下位置検出器18に入力される圧下位置検出信号とに基づいて、ロール偏芯外乱に起因したバックアップロールの上下運動分がキャンセルされるように油圧圧下機構17の動作を制御する。 【0025】次に、図2を参照しながら、圧延反力取得手段1で取得した圧延反力信号A1からロール偏芯外乱除去信号A5を生成する方法を詳細に説明する。図2は、本実施の形態のロール偏芯除去装置100の構成例を示すブロック図である。 【0026】図2において、exp(−Ts)は、圧延反力加算手段3におけるむだ時間要素の伝達関数である。ここで、Tは、上記所定の区間に相当する時間である。 【0027】また、K(s)は、第1のノイズ除去手段2の伝達関数であり、F(s)は、第2のノイズ除去手段4の伝達関数であり、さらに、L(s)は、第3のノイズ除去手段5の伝達関数である。 【0028】また、C(s)は、圧延反力補償手段7の伝達関数であり、具体的には、PID制御を行うための伝達関数であり、P(s)は、圧延機10の圧下位置を操作するための伝達関数である。 【0029】なお、図2の各要素において、orの後に示したもの(K(z)、F(z)、(1/z)^n、L(z)、C(z))は、それぞれz変換を行った場合の伝達関数であり、本実施の形態におけるロール偏芯除去装置100をデジタル制御する場合には、これらの伝達関数を用いて制御するが、以下の説明では、連続信号に対する伝達関数(K(s)、F(s)、exp(−Ts)、L(s)、C(s))を用いて説明を行う。 【0030】図2に示したように、本実施の形態におけるロール偏芯除去装置100では、上記基準の圧延反力rを目標値、exp(−Ts)、K(s)、F(s)、L(s)及びC(s)を制御要素、P(s)を制御対象としたフィードバック制御を行う。 【0031】ここで、目標値である上記基準の圧延反力rは、例えば、ロール偏芯外乱がないと見なせる場合の圧延反力の値である。 【0032】圧延反力取得手段1は、圧延機10に配設されているロードセル15から圧延反力信号A1を取得し、この取得した圧延反力信号A1と、上記基準の圧延反力rとの偏差をとることによって圧延反力偏差信号A2を生成する。 【0033】生成された圧延反力偏差信号A2は、第1のノイズ手段2の伝達関数K(s)を介してノイズが除去され、ローパスフィルターの伝達関数F(s)及びむだ時間要素の伝達関数exp(−Ts)を介してフィードバック制御される。 【0034】これにより、予め算出された上記ロール偏芯の周波数に対応する所定の時間Tに相当する所定の区間の圧延反力偏差信号A2が繰り返し加算される。 【0035】そして、この繰り返しの加算により、圧延反力偏差加算信号A3が生成され、この圧延反力偏差加算信号A3は、第3のノイズ除去手段5の伝達関数L(s)によりノイズが除去された状態で圧下位置操作量算出手段6に入力される。 【0036】上記圧下位置操作量算出手段6は、上記圧延反力偏差加算信号A3と、上記圧延反力取得手段1で生成された圧延反力偏差信号A2とを加えて、上記加算信号の加算値に応じた圧下位置操作量を調整するための圧下操作量調整信号A4を算出する。 【0037】圧下位置操作量算出手段6で算出された圧下操作量調整信号A4は、圧延反力補償手段7の伝達関数C(s)によりPID制御されてロール偏芯外乱除去信号A5が生成され、このロール偏芯外乱除去信号A5が圧下位置制御指示手段8を介して制御対象である圧延機10に出力される。 【0038】圧延機10の板厚制御機能部16は、上記ロール偏芯外乱除去信号A5と、圧下位置検出器18で検出される上記圧下位置検出信号とに基づいて油圧圧下機構17の動作を制御して圧下位置を操作する。これにより、ロール偏芯外乱に基づく変動分がキャンセルされるように、第1のワークロール11と第2のワークロール12の間隙が調整される。 【0039】そして、圧延反力取得手段1は、圧下位置が調整された状態での圧延反力信号A1を、ロードセル15を介して再び取得し、以上の動作を繰り返し行う。これにより、ロール偏芯外乱が次第に除去され、適正な振幅の圧延反力信号A2がロードセル15から出力されるようになる。 【0040】次に、図3のフローチャートを参照しながら、本実施の形態のロール偏芯除去装置100の動作手順を説明する。 【0041】まず、最初のステップS1において、圧延機10に関するデータを取得する。具体的には、第1のバックアップロール13及び第2のバックアップロール14の直径と、鋼板9の通板速度の標準値と、上記基準の圧延反力などである。 【0042】次に、ステップS2において、ステップS1で取得した第1のバックアップロール13及び第2のバックアップロール14の直径と、鋼板9の通板速度の標準値とから、標準の通板速度で鋼板9を圧延した場合に発生すると予想されるロール偏芯の周波数、及びこのロール偏芯の周波数の逆数であるロール偏芯の周波数に対応する時間を算出する。 【0043】次に、ステップS3において、圧延機10の運転が開始するまで待機し、運転が開始すると、ステップS4に進み、圧延反力取得手段1は、圧延機10に配設されているロードセル15から圧延反力信号A1を取得する。 【0044】次に、ステップS5において、圧延反力取得手段1は、取得した圧延反力信号A1と上記基準の圧延反力との偏差を検出して圧延反力偏差信号A2を生成し、生成した圧延反力偏差信号A2を第1のノイズ除去手段2に出力する。 【0045】次に、ステップS6において、第1のノイズ手段2は、圧延反力取得手段1で生成された圧延反力偏差信号A2に含まれているノイズを除去する。 【0046】次に、ステップS7において、圧延反力加算手段3は、第1のノイズ手段2でノイズが除去された圧延反力偏差信号A2を上述のように繰り返し加算して圧延反力偏差加算信号A3を生成し、この生成した圧延反力偏差加算信号A3を第3のノイズ除去手段5に出力する。 【0047】次に、ステップS8において、第3のノイズ除去手段5は、上記加算した圧延反力偏差加算信号A3に含まれているノイズを除去する。 【0048】次に、ステップS9において、圧下位置操作量算出手段6は、上記圧延反力偏差加算信号A3と、圧延反力取得手段1で生成された圧延反力偏差信号A2を加えるなどして、上記圧延反力取得手段1で取得した圧延反力信号の加算値に応じた圧下位置操作量を調整するための圧下操作量調整信号A4を生成する。 【0049】次に、ステップS10において、圧延反力補償手段7は、上記圧下操作量調整信号A4に対してPID制御を行ってロール偏芯外乱除去信号A5を生成する。 【0050】次に、ステップS11において、圧下位置制御指示手段8は、圧下位置操作量に係わるロール偏芯外乱除去信号A5を圧延機10の板厚制御機能部16に出力する。 【0051】次に、ステップS12において、鋼板9の圧延が終了したか否かを判定し、終了する場合にはロール偏芯除去装置100の動作を終了する。一方、終了していなければ、ステップS4の動作に戻り、再びステップS4からステップS10までの圧延反力偏差信号A2の加算処理を行う。 【0052】以上の処理を行うことにより、圧延機10の板厚制御機能部16は、ロール偏芯外乱に起因したバックアップロールの上下運動分を考慮して油圧圧下機構17を制御し、圧下位置を操作する。こうして、ロール偏芯外乱に起因する圧下位置の変動を次第に減少することができ、圧延された鋼板9の板厚偏差を小さくすることができる。 【0053】次に、上述した本実施の形態のロール偏芯除去装置100を用いた場合のロール偏芯除去効果について説明する。 【0054】図4は、バックアップロール径に誤差が生じた場合の板厚偏差を示した図であり、図4(a)は、誤差が−2%の場合の図、図4(b)は、誤差が+2%の場合の図である。また、図5は、バックアップロール径の誤差に対するロール偏芯除去効果を、本実施の形態のロール偏芯除去装置100を用いない場合を0dBとして示した図である。 【0055】ロール偏芯の周波数は、バックアップロールの直径に逆比例するので、バックアップロールの直径が変わると、ロール偏芯の周波数も変動するが、図4に示したように、本実施の形態のロール偏芯除去制御装置を用いた場合には、バックアップロール径の誤差に基づくロール偏芯の周波数の変動があっても、ロール偏芯外乱の除去効果が十分に得られる。 【0056】そして、本実施の形態のロール偏芯除去装置を使用すれば、図5に示したように、1550mm程度の直径をもつバックアップロールの直径の誤差が±5%程度であっても、ロール偏芯外乱の除去効果が得られる。 【0057】図6は、通板速度を500mpm(8.3m/s)から1000mpm(16.6m/s)に加速させた場合の板厚偏差を示した図である。 【0058】ロール偏芯の周波数は、通板速度に比例するので、通板速度が変わると、ロール偏芯の周波数も変動するが、図6に示したように、本実施の形態のロール偏芯除去装置100を用いた場合には、通板速度の増加に基づくロール偏芯の周波数の変動があってもロール偏芯除去効果を確実に得ることができる。 【0059】(第2の実施の形態)次に、図7を参照しながら、本発明のロール偏芯除去装置200の第2の実施の形態について説明する。なお、図7において、上述した第1の実施の形態と同一部分には、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。 【0060】図7に示したように、本実施の形態のロール偏芯除去装置200は、スタンド間張力取得手段19と、第1のノイズ除去手段2と、スタンド間張力加算手段20と、第2のノイズ除去手段4と、第3のノイズ除去手段5と、圧下位置操作量算出手段6と、スタンド間張力補償手段21と、圧下位置制御指示手段8とを有している。 【0061】そして、本実施の形態のロール偏芯除去装置200も、上述した第1の実施の形態のロール偏芯除去装置100と同様に、鋼板9を圧延する圧延機10に接続されている。なお、図7では圧延機10のみにロール偏芯除去装置200が接続されているが、圧延機22にも同様のロール偏芯除去装置200が接続される。 【0062】スタンド間張力取得手段19は、圧延中に鋼板9が隣り合う圧延機10、22間を通過する時に発生するスタンド間張力信号A21を張力計23から取得する機能を有する。 【0063】また、スタンド間張力取得手段19は、ロール偏芯外乱の影響がないと見なせる場合における基準のスタンド間張力を予め記憶しており、この基準のスタンド間張力と、上記張力計23から取得したスタンド間張力信号A21との偏差を検出する機能も有している(以下、この偏差をスタンド間張力偏差信号A22と表す)。 【0064】スタンド間張力加算手段20は、スタンド間張力取得手段19から第1のノイズ除去手段2を介して入力される所定の区間のスタンド間張力偏差信号A22を繰り返し加算する機能を有する。 【0065】ここで、上記所定の区間は、例えば、標準の通板速度で鋼板9を圧延した場合に発生すると予想されるロール偏芯の周波数に対応する時間である。このロール偏芯周波数に対応する時間は、圧延機10の第1のバックアップロール13及び第2のバックアップロール14の直径と、鋼板9の通板速度の標準値とから予め算出される。 【0066】なお、スタンド間張力加算手段20は、第2のノイズ除去手段4によってノイズが除去されたスタンド間張力偏差信号を加算してスタンド間張力偏差加算信号A23を生成する。 【0067】圧下位置操作量算出手段6は、スタンド間張力取得手段19で検出した上記スタンド間張力偏差信号A22と、上記スタンド間張力加算手段20で加算したスタンド間張力偏差信号A23とを加えて、上記スタンド間張力加算手段20で加算したスタンド間張力偏差信号A22の加算値に応じた圧下位置操作量を調整するための圧下操作量調整信号A24を算出する。 【0068】スタンド間張力補償手段21は、圧下位置操作量算出手段6で算出した上記圧下位置操作量に係わる圧下操作量調整信号A24に対してPID制御を行って、ロール偏芯外乱除去信号A25を生成する機能を有する。 【0069】そして、板厚制御機能部16は、圧下位置制御指示手段8から送信されるロール偏芯外乱除去信号A25と、油圧圧下機構17から圧下位置検出器18に入力される圧下位置検出信号とに基づいて油圧圧下機構17を操作する。 【0070】このように、本実施の形態のロール偏芯除去装置200は、上述した第1の実施の形態のロール偏芯除去装置100とは、加算処理を行う信号が異なるだけである。したがって、図7に示したような構成とすれば、スタンド間張力信号の加算処理を行った場合でも、上述の第1の実施の形態のロール偏芯除去装置100と同様に、ロール偏芯外乱の影響を確実に除去して圧下位置を操作することが可能になる。 【0071】なお、加算処理を行う信号は、バックアップロール13、14が鋼板9を圧延している状態を反映する信号であれば、上述した圧延反力信号、スタンド間張力信号でなくてもよい。 【0072】(本発明の他の実施形態)上述した実施形態の機能を実現するべく各種のデバイスを動作させるように、上記各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに対し、上記実施形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)に格納されたプログラムに従って上記各種デバイスを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。 【0073】また、この場合、上記ソフトウェアのプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えば、かかるプログラムコードを格納した記録媒体は本発明を構成する。かかるプログラムコードを記憶する記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。 【0074】また、コンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、上述の実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して上述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施形態に含まれる。 【0075】さらに、供給されたプログラムコードがコンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれる。 【0076】 【発明の効果】上述したように、本発明によれば、鋼板を押圧して圧延するワークロールと連動して回転するバックアップロールが回転することによって検出される偏差信号を所定の期間繰り返し加算するとともに、上記加算した信号を用いて圧延機の圧下位置を制御するようにしたので、ロール偏芯外乱を確実に除去でき、圧延された鋼板の板厚偏差を小さくすることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006655 【氏名又は名称】新日本製鐵株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区大手町2丁目6番3号
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| 【出願日】 |
平成13年9月7日(2001.9.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090273 【弁理士】 【氏名又は名称】國分 孝悦
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| 【公開番号】 |
特開2003−80305(P2003−80305A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月18日(2003.3.18) |
| 【出願番号】 |
特願2001−272470(P2001−272470) |
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