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【発明の名称】 残留炭化水素除去方法
【発明者】 【氏名】鈴 木 茂
【住所又は居所】東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建設株式会社内

【氏名】綿 貫 昇
【住所又は居所】東京都文京区後楽1丁目7番27号 鹿島道路株式会社内

【氏名】佐 伯 勇
【住所又は居所】東京都港区元赤坂一丁目3番4号 株式会社エムコ内

【氏名】蓬 莱 秀 人
【住所又は居所】兵庫県明石市大久保町江井島1013の1 日工株式会社内

【氏名】村 元 俊 博
【住所又は居所】大阪府大阪市西区京町堀2丁目4番7号 中外炉工業株式会社内

【要約】 【課題】低温加熱浄化工法の乾燥用回転ドラムで熱せられた土壌の熱を有効利用して土壌の汚染処理レベルが低下でき、冷却用回転ドラムで使用される冷却水の量が少なくて済む酸化劣化促進法による残留炭化水素除去方法を提供する。

【解決手段】乾燥用回転ドラム3で土壌中の油分を蒸発させる土壌中油分の蒸発分離工程で処理された土壌を酸化促進サイロ5に投入し、隔膜式酸素富加装置7で酸素濃度を高めた空気を酸化促進サイロ5へ圧送し、酸化劣化を促進して土壌を浄化する土壌の酸化劣化工程を実行し、この土壌を冷却用回転ドラム9へ投入し、土壌の冷却調湿工程を実行する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 油で汚染された土壌を乾燥用回転ドラムへ投入して熱で土壌中の油を蒸発させて分離し、乾燥用回転ドラムで油が蒸発された土壌を冷却用回転ドラムへ投入して水で土壌を冷却し、そして土壌の水分量を調整し、乾燥用回転ドラムから排出される排気ガスを乾燥ガスバグフィルタへ送り、乾燥ガスバグフィルタで集塵されたダストをダストフィーダを介して乾燥用回転ドラムへ投入する加熱浄化工法における残留炭化水素除去方法おいて、前記乾燥用回転ドラムで油分を蒸発させた土壌を酸化促進サイロに投入し、酸素富加装置で酸素濃度を高めた空気を酸化促進サイロへ圧送し、酸化劣化を促進して土壌を浄化し、そして酸化劣化した土壌を冷却用回転ドラムへ投入し、前記土壌を冷却して水分量を調整することを特徴とする酸化劣化促進法による残留炭化水素除去方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油で汚染された土壌を浄化処理する加熱浄化工法で実施される残留炭化水素除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】工場跡地のように例えば軽質油などの油で汚染された土壌を埋立て土として再利用するための土壌の浄化工法として、加熱浄化工法が知られている。図2に示すように、加熱浄化工法は、例えば軽質油によって汚染された土壌SAをグリズリフィーダ1に投入して塊を除去し、塊が除去された土壌を土壌ホッパ2から排出してベルトコンベア4で乾燥用回転ドラム3内へ投入する。乾燥用回転ドラム3内へ投入された土壌は、摂氏約180度から230度に加熱され、土壌中の軽質油が蒸発して分離する。そして、軽質油が除去された土壌は、ホットエレベータ6で運ばれ、冷却用回転ドラム9へ投入される。冷却用回転ドラム9へ投入された土壌は、冷却用水槽13から送られてくる水で冷却され、同時に土壌中の水分量が調整されて浄化土壌サイロ11に溜められる。そして、浄化土壌サイロ11から排出された土壌SBは、ベルトコンベア12で運ばれ、公定分析により浄化されたことが確認された後に埋立て土として再利用されるようになっている。
【0003】一方、乾燥用回転ドラム3内で蒸発した軽質油及びダスト分を含む排気ガスは、乾燥ガスバグフィルタ17に送られる。そして、乾燥ガスバグフィルタ17で集塵されたダストは、ダストフィーダ18及びホットエレベータ6で運ばれて冷却用回転ドラム9へ投入され、乾燥用回転ドラム3からの土壌と共に処理される。また、乾燥ガスバグフィルタ17からの排気ガスは乾燥ガス脱臭炉24へ送られ、摂氏約700から800度に加熱されて完全燃焼され、無臭化された排気ガスは乾燥ガス排気塔25から大気へ排出されるようになっている。
【0004】さらに、浄化土壌サイロ11から排出される排気ガスは、冷却ガスバグフィルタ27に送られる。そして、冷却ガスバグフィルタ27で集塵されたダストはダストフィーダ28及びホットエレベータ6で運ばれて冷却用回転ドラム9へ投入され、乾燥用回転ドラム3からの土壌と共に処理される。また、冷却ガスバグフィルタ27からの排気ガスは、冷却ガス排気塔31から大気へ排出されるようになっている。
【0005】上述した低温加熱浄化工法は、軽質油で汚染された土壌の浄化に有効である。しかし、乾燥用回転ドラム3から排出された後の土壌の汚染処理レベルに変化を与えるプロセスがなく、土壌の汚染処理レベルは乾燥用回転ドラム3から排出された時点で決定される。そして、乾燥用回転ドラム3で熱せられた土壌の熱が有効利用されることがなく、冷却用回転ドラム9では多量の冷却水が必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記に鑑みてなされたもので、加熱浄化工法の乾燥用回転ドラムで加熱された土壌の熱を有効利用して土壌の汚染処理レベルが低下でき、冷却用回転ドラムで使用される冷却水の量が少なくて済む酸化劣化促進法による残留炭化水素除去方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、油で汚染された土壌を乾燥用回転ドラムへ投入して熱で土壌中の油を蒸発させて分離し、乾燥用回転ドラムで油が蒸発された土壌を冷却用回転ドラムへ投入して水で土壌を冷却し、そして土壌の水分量を調整し、乾燥用回転ドラムから排出される排気ガスを乾燥ガスバグフィルタへ送り、乾燥ガスバグフィルタで集塵されたダストをダストフィーダを介して乾燥用回転ドラムへ投入する加熱浄化工法における残留炭化水素除去方法において、前記乾燥用回転ドラムで油分を蒸発させた土壌を酸化促進サイロに投入し、酸素富加装置で酸素濃度を高めた空気を酸化促進サイロへ圧送し土壌中の残留炭化水素の、酸化劣化を促進して土壌を浄化し、そして酸化劣化した土壌を冷却ドラムへ投入し、前記土壌をさらに冷却して水分量を調整するようになっている。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の酸化劣化促進法による残留炭化水素除去方法を説明する。図1に示すように、酸化劣化促進法による残留炭化水素除去方法が実施される低温加熱浄化工法の構成は、グリズリフィーダ1の下側に土壌ホッパ2が設けられ、土壌ホッパ2の排出口2aと乾燥用回転ドラム3の投入口3aとはベルトコンベア4で接続されている。そして、乾燥用回転ドラム3の排出口3bと酸化促進サイロ5の投入口5aとはホットエレベータ6で接続されている。この酸化促進サイロ5には隔膜式酸素富加装置7が設けられ、隔膜式酸素富加装置7にはコンプレッサ8が接続されている。酸化促進サイロ5の排出口5bと冷却用回転ドラム9の投入口9aとはホットエレベータ10で接続され、冷却用回転ドラム9には浄化土壌サイロ11が付設され、浄化土壌サイロ11の排出口11aにはベルトコンベア12が設けられている。また、冷却用回転ドラム9には冷却用水槽13からのパイプ14が接続され、パイプ14にはポンプ15が介装されている。
【0009】一方、乾燥用回転ドラム3の排気口3cはパイプ16を介して乾燥ガスバグフィルタ17に接続され、乾燥ガスバグフィルタ17の排出口17aはダストフィーダ18を介して乾燥用回転ドラム3の排出口3bの近傍に接続されている。ダストフィーダ18は加熱室19内に設けられ、加熱室19はパイプ20により後述する乾燥ガス排気塔25に接続され、流量制御ダンパ21を介してパイプ16に接続されている。そして、乾燥ガスバグフィルタ17の排気口17bは排風機22が介装されたパイプ23を介して乾燥ガス脱臭炉24に接続され、乾燥ガス脱臭炉24には乾燥ガス排気塔25が付設されている。
【0010】また、酸化促進サイロ5の排気口5c及び浄化土壌サイロ11の排気口11bはパイプ26を介して冷却ガスバグフィルタ27に接続され、冷却ガスバグフィルタ27の排出口27aはダストフィーダ28を介してホットエレベータ6に接続されている。そして、冷却ガスバグフィルタ27の排気口27bは排風機29が介装されたパイプ30を介して冷却ガス排気塔31に接続されている。なお、パイプ20とパイプ26とを接続しているパイプ32は、結露防止用煙道である。
【0011】次に、上述した構成の低温加熱浄化工法の動作を説明する。例えば軽質油で汚染した土壌SAをグリズリフィーダ1に投入すると、塊が除去された土壌がグリズリフィーダ1から落下して土壌ホッパ2に溜まる。そして、土壌ホッパ2の排出口2aから一定量づつの土壌が排出され、土壌はベルトコンベア4で運ばれて投入口3aから乾燥用回転ドラム3内へ投入される。
【0012】1) 土壌中油分の蒸発分離工程乾燥用回転ドラム3内は摂氏約180度から230度に加熱されていて、乾燥用回転ドラム3内へ投入された土壌は攪拌され、土壌に染み込んでいた軽質油が蒸発して分離する。そして、軽質油が分離して浄化された土壌は乾燥用回転ドラム3の排出口3bから排出され、ホットエレベータ6で運ばれて投入口5aから酸化促進サイロ5内へ投入される。
【0013】2) 土壌の酸化劣化工程酸化促進サイロ5には隔膜式酸素富加装置7が設けられている。この隔膜式酸素富加装置7は、コンプレッサ8から送られてくる酸素濃度20%の空気を酸素濃度25〜30%に高め、酸素濃度が高められた空気を酸化促進サイロ5へ圧送する。そして、酸化促進サイロ5へ圧送した酸素濃度が高められた空気は、高温状態の土壌に接触し、土壌中の残留炭化水素即ち、油分は酸素と結合して酸化分解並びに劣化し、土壌の炭化水素濃度が低下する。この結果、処理された土壌は、埋立て用の土として安心して再利用することができるようになる。
【0014】この酸化劣化作用により残留炭化水素濃度が下がった土壌は、酸化促進サイロ5の排出口5bから排出され、ホットエレベータ10で運ばれて投入口9aから冷却用回転ドラム9内へ投入される。また、酸化促進サイロ5の排気ガスは、酸化促進サイロ5の上部に設けられた排気口5cからパイプ26に排出される。なお、酸化劣化作用により土壌の残留炭化水素濃度を下げることができるので、乾燥用回転ドラム3での処理レベルを落とすことができ、乾燥用回転ドラム3の加熱エネルギの消費量が削減できるようになる。
【0015】3) 土壌の冷却調湿工程冷却用回転ドラム9にはパイプ14を介して冷却用水槽13が接続されていて、ポンプ15で冷却水が送られている。冷却用回転ドラム9内へ投入された土壌は攪拌されて水により冷却され、同時に土壌の水分量が調整される。
【0016】そして、水分量が調整された土壌は冷却用回転ドラム9から浄化土壌サイロ11に溜められ、浄化土壌サイロ11の排出口11aから排出されてベルトコンベア12で運ばれる。浄化土壌サイロ11から排出された土壌SBは、公定分析により浄化されたことが確認された後に埋立用の土として再利用される。また、冷却用回転ドラム9の排気ガスは、浄化土壌サイロ11の上部に設けられた排気口11bからパイプ26に排出される。なお、酸化促進サイロ5で土壌の温度が下がっているので、冷却用回転ドラム9で使用される水量が少なくて済むようになる。
【0017】4) 乾燥ガス中ダストの集塵工程一方、乾燥用回転ドラム3内で土壌から蒸発した軽質油及びダスト分を含む排気ガスは、パイプ16を介して乾燥ガスバグフィルタ17に送られる。乾燥ガスバグフィルタ17は、排気ガス中のダストを集塵して排出口17aからダストフィーダ18へ排出し、ダストを含まない排気ガスを排気口17bからパイプ23へ排出する。
【0018】ところで、排気ガス中に気体状で浮遊している油分の殆どは乾燥ガスバグフィルタ17を通り抜けるが、一部の油分は乾燥用回転ドラム3から飛散するダストに付着したり、乾燥ガスバグフィルタ17を通り抜ける前にダストに吸着され、排出口17aから排出されるダストは油で再び汚染されている。
【0019】5) ダスト中油分の蒸発分離工程ダストフィーダ18が設けられている加熱室19は、パイプ20を介して乾燥ガス排気塔25に接続され、流量制御ダンパ21を介してパイプ16に接続され、乾燥ガス排気塔25からの熱風で摂氏約700度〜800度に加熱されている。そして、乾燥ガスバグフィルタ17の排出口17aから排出されたダストは、ダストフィーダ18で運ばれる間に間接的に熱せられ、ダスト中の油分の蒸発が促進されて分離する。
【0020】ダストに付着している油分が分離して脱油処理されたダストは、乾燥用回転ドラム3の排出口3bの近傍に投入され、処理済の土壌と共にホットエレベータ6で酸化促進サイロ5へ運ばれて処理される。また、油蒸気は乾燥用回転ドラム3内の熱風に流されてパイプ16へ流れ、乾燥ガスバグフィルタ17内へ流入する。このように、乾燥ガスバグフィルタ17で集塵されたダストをダストフィーダ18で加熱しているので、ダストを再汚染している油分の蒸発が促進されて分離する。そして、ダストは乾燥用回転ドラム3へ再び投入され、蒸発分離した油蒸気を乾燥ガスバグフィルタ17へ戻して処理するようにしているので、乾燥用回転ドラム3から排出されるダストは油分を含むことがなく、土壌を再汚染する虞がなくなる。
【0021】6) 乾燥ガスの脱臭工程乾燥ガスバグフィルタ17で濾過された排気ガスは、排気口17bからパイプ23へ排出され、排風機22で乾燥ガス脱臭炉24へ送られる。乾燥ガス脱臭炉24は摂氏約700から800度に加熱されていて、流入した排気ガスは完全燃焼され、無臭化されて乾燥ガス排気塔25から大気へ排出される。
【0022】7) 冷却ガス中ダストの集塵工程酸化促進サイロ5の排気口5c及び浄化土壌サイロ11の排気口11bからパイプ26に排出された排気ガスは、冷却ガスバグフィルタ27に送られる。冷却ガスバグフィルタ27は、排気ガス中のダストを集塵して排出口27aからダストフィーダ28へ排出し、ダストフィーダ28で運ばれて乾燥用回転ドラム3の排出口3bの近傍に投入され、処理済の土壌と共にホットエレベータ6で酸化促進サイロ5へ運ばれて処理される。
【0023】そして、冷却ガスバグフィルタ27で濾過された排気ガスは、排気口27bからパイプ30へ排出され、排風機29で送られて冷却ガス排気塔31から大気へ排出される。
【0024】
【発明の効果】本発明の酸化劣化促進法による残留炭化水素除去方法の効果を、以下に列挙する。
(1) 酸素富加装置で酸素濃度を高めた空気を酸化促進サイロへ圧送しているので、処理済土壌中の残留炭化水素の酸化劣化作用が促進され、土壌の処理レベルが向上する。この結果、処理された土壌は、埋立て用の土として安心して再利用することができるようになる。
(2) 乾燥用回転ドラムで加熱された土壌を酸化促進サイロへ投入しているので、土壌中の残留炭化水素の酸化劣化作用が促進され、土壌の処理レベルが向上する。また、乾燥用回転ドラムの熱が有効利用できる。
(3) 酸化劣化作用により残留炭化水素濃度を下げることができるので、乾燥用回転ドラムでの処理レベルを落とすことができ、乾燥用回転ドラムの加熱エネルギの消費量を削減できるようになる。
(4) 酸化促進サイロで土壌の温度が下がっているので、冷却ドラムで使用される水量が少なくて済むようになる。
【出願人】 【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
【住所又は居所】東京都港区元赤坂一丁目2番7号
【識別番号】000181354
【氏名又は名称】鹿島道路株式会社
【住所又は居所】東京都文京区後楽1丁目7番27号
【識別番号】501361149
【氏名又は名称】株式会社エムコ
【住所又は居所】東京都港区元赤坂1丁目3番4号
【識別番号】000226482
【氏名又は名称】日工株式会社
【住所又は居所】兵庫県明石市大久保町江井島1013番地の1
【識別番号】000211123
【氏名又は名称】中外炉工業株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市西区京町堀2丁目4番7号
【出願日】 平成13年9月13日(2001.9.13)
【代理人】 【識別番号】100071696
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 敏忠 (外1名)
【公開番号】 特開2003−80224(P2003−80224A)
【公開日】 平成15年3月18日(2003.3.18)
【出願番号】 特願2001−278564(P2001−278564)