| 【発明の名称】 |
汚染物質の除去方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 和義 【住所又は居所】埼玉県熊谷市大字三ヶ尻6100番地 日本鋼管ライトスチール株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】土壌中に含まれる汚染物質を除去できる汚染物質の除去方法であって、特に土壌中を移動しにくい重金属などを除去することができ、効率的且つ汚染物質の除去にムラがない汚染物質の除去方法を提供する。
【解決手段】汚染物質を含む汚染土壌中に汚染物質捕捉体を設け、汚染土壌中に液体又は気体を注入するための流体注入管の一部又は全部を汚染土壌中に挿入し、流体注入管を介して汚染土壌中に液体又は気体を注入し、汚染物質捕捉体を減圧(真空吸引)して汚染物質捕捉体近傍に移動してきた汚染物質を汚染物質捕捉体に捕捉させる。前記流体注入管は、所定の間隔を有して複数本設置され、周面に複数の孔を有しており、一方の縁部は圧縮装置に連結され、圧縮装置は前記流体注入管に加圧流体を注入することを特徴とする。この液体は酸性の液体であり、汚染土壌のpHを3〜6にする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 汚染物質を含む汚染土壌中に汚染物質捕捉体を設け、該汚染土壌中に液体又は気体を注入するための流体注入管の一部又は全部を前記汚染土壌中に挿入し、前記流体注入管を介して前記汚染土壌中に液体又は気体を注入し、前記汚染物質捕捉体近傍に移動してきた前記汚染物質を前記汚染物質捕捉体に捕捉させる汚染物質の除去方法であって、前記流体注入管の前記汚染土壌中に挿入している挿入部は、1本又は所定の間隔を有して複数本になっていることを特徴とする汚染物質の除去方法。 【請求項2】 前記汚染物質捕捉体を減圧して前記汚染物質を捕捉することを特徴とする請求項1に記載の汚染物質の除去方法。 【請求項3】前記流体注入管は、周面に複数の孔を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の汚染物質の除去方法。 【請求項4】前記流体注入管は、周縁部分に連結手段を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の汚染物質の除去方法【請求項5】前記流体注入管の一方の縁部は圧縮装置に連結され、該圧縮装置は前記流体注入管に加圧液体又は加圧気体を注入することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の汚染物質の除去方法。 【請求項6】前記流体注入管に液体又は気体の逆流散逸防止機構を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の汚染物質の除去方法。 【請求項7】前記流体注入管の外周面の一部又は全部に水膨潤性樹脂塗膜を形成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の汚染物質の除去方法。 【請求項8】前記水膨潤性塗膜は、アクリル系バインダー樹脂、ポリアクリル酸系吸水性樹脂、及び有機溶媒の混合物のいずれかであることを特徴とする請求項7に記載の汚染物質の除去方法。 【請求項9】前記流体注入管を介して前記汚染土壌中に注入する液体が、酸性の液体であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の汚染物質の除去方法。 【請求項10】前記流体注入管を介して前記汚染土壌中に酸性の液体を注入して前記汚染土壌のpHを3〜6にすることを特徴とする請求項9に記載の汚染物質の除去方法。 【請求項11】前記流体注入管を介して前記汚染土壌中に注入する気体が、酸素を富化した空気であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の汚染物質の除去方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、有害物質除去や汚染物質を浄化する技術分野の中で、特に、汚染物質を含む汚染土壌や汚染土壌堆積物、廃棄物堆積場などの浄化促進技術に関する。 【0002】 【従来の技術】汚染土壌の浄化方法については、種々の方法が提案、実施されてきている。例えば、特開平11−169836号公報には、不飽和帯に存在する汚染帯の下方に所定の間隔を開けて複数の水平井戸を掘削して暗渠を構築する工程と、地表から汚染帯に浸透して汚染物質が溶解した重力水を前記各水平井戸に形成されたスクリーンから強制的に集水する工程と、前記集水された重力水を排出する工程とを含み、前記汚染物質の溶解した重力水が帯水層に移動するのを防止する技術が開示されている。 【0003】また、特開平11−156351号公報には、帯水層より大きい透水性を得ることが可能な金属系還元剤又は吸着物質を含んだ円柱を、地中に列状配置して形成された地下連続の地下水浄化壁、及び地下水の汚染領域に金属系還元剤を注入する注入工程、又は地下水の汚染領域に位置する土壌と、金属系還元剤又は吸着物質を撹拌混合する撹拌混合工程を含む浄化方法が開示されている。 【0004】重金属の除去に関する技術として、特開2000−102776号公報には、特定種の無機還元剤を適量とセメントを混合し、熱処理を加えて調製した処理剤を使用する技術が開示されている。また、特開2000−51835号公報には、重金属で汚染された土壌に、水と鉄粉と重金属の移動を促す薬品を加えて撹拌し、土壌中の重金属を鉄粉に吸着させた後、この鉄粉を湿式磁選機を用いて土壌から分離する技術が開示されている。また、特開平11−165147号公報には、高炉水砕スラグ及びポゾラン活性物質を含有した重金属有廃棄物処理剤と、重金属含有廃棄物と、水を混合・混練する重金属含有廃棄物の安定化処理法が開示されている。また、特開平10−146577号公報には、ポゾラン活性物質を使った重金属含有廃棄物の安定化処理方法が開示されている。また、特開平10−71386号公報には、汚染された土壌及び地下水を浄化するための鉄粉注入を伴うニューマチック・フラクチャリングによる可溶性及び不溶性重金属及び有機ハロゲン化合物の原位置還元法が開示されている。 【0005】また、有機塩素化合物の除去の技術として、土壌ガス(土壌の間隙にある空気)の真空吸引技術(土壌ガス吸引法)が一般的に使われている。この方法は、地下水位より上部の地層に存在する汚染物質を強制的に吸引除去し汚染土壌の浄化を行うものである。具体的には、ボーリングにより土壌中に吸引井戸を設置し、真空ポンプで、その吸引井戸を減圧し気化した汚染物質を地上に導き、活性炭などで吸着除去する。汚染が帯水層まで及んでいる場合には、吸引井戸内部に水中ポンプを設置し、地下水の揚水も行う二重吸引法を用いる。比較的浅い地下水位の地盤には、土壌ガスと地下水汚染の両方を一緒に吸引する方法も利用される。この他にも、多数の補助工法が開発されており、吸引井戸に水平井戸を用いる方法や、飽和帯に空気を注入して地下水からの揮発を促進するエアスパージング法などがある。 【0006】また、揮発性有機化合物(VOC)の除去技術として、揮発性有機化合物(VOC)は、物質の移動性が高く、且つ分離・分解しやすい特性があるため、重金属に対してよく使われる封じ込め技術は適用されず、汚染物質を除去する浄化技術が一般的である。 【0007】また、ベンゼンなどの炭化水素系の汚染の除去技術として、生物分解技術(バイオレメディエーション)などが挙げられる。特にベンゼンなどの軽質油は分解が容易なことから、汚染した土壌を掘削し、平坦地に薄く広げて鋤き込むような簡単な方法(ランドファーミングなど)が実用されている。また、最近ではトリクロロエチレンなどの揮発性有機塩素化合物を効率よく分解する微生物も見つかっており、実用化に向けて検討されている。 【0008】この他にも、特開平11−77019号公報には、有機ハロゲン化合物で汚染された土壌に微生物を添加することで土壌浄化を図っているものにおいて、土壌のpHを特定範囲に調整することにより、土壌の種類に影響されず常に効率的に土壌浄化を行えるようにする方法が開示されている。 【0009】上述した以外にも、化学分解を利用した方法として、鉄粉を利用し揮発性有機塩素化合物による汚染地下水を脱塩素する方法などが実用されてきている。また、汚染地下水を揚水し、汚染物質を除去・回収することにより、地下水および土壌汚染の処理を行う方法(地下水揚水法)も提案されている。揚水した汚染地下水の処理方法としては、ばっ気処理、活性炭吸着処理および化学分解が適用できるが、ばっ気処理が広く一般に行われてきている。また、掘削した汚染土壌に対して、風力乾燥、加熱などの処理を施し、汚染物質の除去・回収を行う方法や、有機塩素化合物を過マンガン酸カリウムで原位置で酸化する技術といったものもある。 また、前述したように土壌を機械的に洗浄して汚染物質を除去する方法に対して、原位置に溶媒を注入して土壌を洗浄する方法(ソイルフラッシングと呼ばれる)も提案されている。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】ここで、重金属は環境中での移動性が比較的低いため、重金属の固化・不溶化を行い、遮水構造に封じ込める方法が一般的に行われている。しかし、重金属を土中に封じ込める方法では汚染土壌の完全な浄化にはなっていない。また、長時間経過してしまうと封じ込めた汚染物質が土中に漏れてしまう危険もある。 【0011】また、従来の重金属を含んだ汚染土壌の除去方法は、土壌を掘削して、薬品や鉄粉といったものを撹拌混合する必要があり、施工に莫大な費用と時間が必要であった。 【0012】従って、本発明に係る汚染物質の除去方法は、特に重金属のように汚染土壌中を移動しにくい汚染物質を封じ込めずに、汚染土壌から除去することができ、且つ、効率よく汚染物質を除去することができる技術を提供することを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明に係る汚染物質の除去方法は、汚染物質を含む汚染土壌中に汚染物質捕捉体を設け、汚染土壌中に液体又は気体を注入するための流体注入管の一部又は全部を汚染土壌中に挿入し、流体注入管を介して汚染土壌中に液体又は気体を注入し、汚染物質捕捉体近傍に移動してきた汚染物質を汚染物質捕捉体に捕捉させる汚染物質の除去方法であって、流体注入管の前記汚染土壌中に挿入している挿入部は、1本又は所定の間隔を有して複数本になっていることを特徴とする。 【0014】また、汚染物質捕捉体を減圧して汚染物質を捕捉することを特徴とする。 【0015】また、流体注入管は、周面に複数の孔を有していることを特徴とする。 【0016】また、流体注入管は、周縁部分に連結手段を有していることを特徴とする。 【0017】また、流体注入管の一方の縁部は圧縮装置に連結され、圧縮装置は前記流体注入管に加圧流体を注入することを特徴とする。 【0018】また、流体注入管に液体又は気体の逆流散逸防止機構を設けたことを特徴とする。 【0019】また、流体注入管の外周面の一部又は全部に水膨潤性樹脂塗膜を形成したことを特徴とする。 【0020】また、前記水膨潤性塗膜は、アクリル系バインダー樹脂、ポリアクリル酸系吸水性樹脂、及び有機溶媒の混合物のいずれかであることを特徴とする。 【0021】また、流体注入管を介して汚染土壌中に注入する液体が、酸性の液体であることを特徴とする。 【0022】また、流体注入管を介して前記汚染土壌中に酸性の液体を注入し、汚染土壌のpHを3〜6にすることを特徴とする。 【0023】また、流体注入管を介して前記汚染土壌中に注入する気体が、酸素を富化した空気であることを特徴とする。 【0024】 【実施の形態】本発明に係る汚染物質の除去方法を、図を参照にしながら説明する。図1及び図2は本発明に係る汚染物質の除去方法を図示した説明図である。図1は流体注入管2を土壌に対して鉛直方向に挿入した場合、図2は流体注入管2を土壌に対して水平方向に挿入した場合である。本発明に係る汚染物質の除去方法は、汚染物質を含む汚染土壌18中に汚染物質捕捉体16を設け、汚染土壌18中に液体又は気体を注入するための流体注入管2の一部又は全部を汚染土壌18中に挿入し、流体注入管2を介して汚染土壌18中に液体又は気体を注入し、汚染物質捕捉体16近傍に移動してきた汚染物質を汚染物質捕捉体16に捕捉させることを特徴とする。また、流体注入管2の汚染土壌18中に挿入している挿入部は、所定の間隔を有して複数本になっている。 【0025】ここで、本発明で引用している土壌とは狭義の土壌のみならず、投棄されて堆積している廃棄物、汚染土壌18を堆積した汚染土壌積物をも含む。また、汚染物質を含むとは、土壌粒子や廃棄物に汚染物質が付着している場合、土壌粒子や廃棄物の隙間に存在する水分が汚染物質を含んでいる場合、地下水が汚染物質を含んでいる場合、土壌粒子や廃棄物の隙間に汚染物質がそのまま存在する場合など、土壌(地盤)中に汚染物質が何等かの形で存在している場合をいう。また、本発明で引用している土壌は、地下水面上にある不飽和帯と、地下水面下にある帯水層のどちらか一方又は両方を指す。 【0026】次に、本発明に係る汚染物質捕捉体16は、汚染物質捕捉材とこの汚染物質捕捉材を入れる容器とからなっている。この容器としては、袋状の入れ物や、複数の孔を有する略筒状の壁体14などを使用することができる。袋状の入れ物の場合は、耐久性、透気性、透水性の良好な素材を用いるのが好ましく、布や麻などの繊維やビニル製の網や金網といったものも使用することができる。また、形状としては、略マット状や略ボール状が使用しやすいが、適宜設定すれば良い。 【0027】また、図10は本発明に係る壁体14を示した説明図である。この壁体14は周面に複数の孔を有している。この壁体14は、鋼やその他の金属、樹脂などの材料で形成されており、壁面には複数の孔が形成されている。この壁体14は、底部が無くても良い。この壁体14の内部に汚染物質捕捉材を直接装入しても良いし、袋状の入れ物に汚染物質捕捉材を入れた汚染物質捕捉体16を装入しても良い。 【0028】汚染物質捕捉材としては、活性炭、炭、ゼオライトなどの鉱物系捕捉材(吸着やイオン交換機能を持つ)等幅広く選択できる。汚染物質捕捉材は、粉状と粒状いずれも使用できるが、粒状の方が扱いやすい場合が多い。粒状の形状は必ずしも球状でなく、円筒状などでも良い。円筒状の場合、ランダム配置されたときの空隙が大きく、捕捉材層中の物質移動が容易になり、汚染物質の捕捉が有効に行われる。炭は、木質系廃棄物を炭化したものも使用できる。 【0029】この汚染物質捕捉体16を設置するには、土壌中に水平方向又は鉛直方向の井戸を形成し、この井戸内に汚染物質捕捉体16を設置する。 【0030】例えば、鉛直方向の井戸を使用する場合、井戸の周面に複数の孔を有する壁体を設置し、汚染物質捕捉材を井戸内に直接装入する汚染物質の除去方法が利用できる。すなわち、この井戸内に装入した汚染物質捕捉材が汚染物質を捕捉した後、汚染物質捕捉材を井戸から回収し、新たに汚染物質捕捉材を井戸内に装入することで、土壌中の汚染物質を除去しようとするものである。この壁体は、図10に示されているものと同じものでも良い。 【0031】また、水平方向の井戸を使用した場合は、井戸内に複数の孔を有する壁体を設置して、汚染物質捕捉材を直接井戸内に装入する方法も使用可能である。この時、汚染物質の回収は汚染物質捕捉材を減圧すれば可能である。また、水平方向の井戸内に袋状の入れ物に汚染物質捕捉材を入れた汚染物質捕捉体16を使用する方法も使用可能である。この時、汚染物質捕捉体を回収し、新たな汚染物質捕捉体を挿入すれば良い。この壁体は、図10に示されているものと同じものでも良い。 【0032】また、本発明に係る汚染物質の除去は、汚染物質捕捉体16を減圧して汚染物質を除去する。汚染物質捕捉体16を減圧することにより、汚染物質捕捉体16近傍に移動してきた汚染物質を捕捉しやすくなるだけでなく、汚染物質捕捉体16が捕捉した汚染物質を汚染物質捕捉体16内で移動させることができ、汚染物質を回収することができる。ここで、汚染物質捕捉体16の捕捉力が真空吸引の吸引力より大きい場合は、汚染物質捕捉体16が汚染物質を捕捉したままの状態でいるが、吸引力が捕捉力より大きい場合は、汚染物質が真空吸引側に移動する。従って、汚染物質捕捉体16の捕捉力と真空吸引する吸引力のバランスに注意して、汚染物質捕捉体16を減圧する必要がある。減圧の方法としては、ファンやブロワ、コンプレッサなどで汚染物質捕捉体16を真空吸引するのが良い。 【0033】次に、本発明に係る流体注入管2について、図3を参照にしながら説明する。本発明に係る流体注入管2は、一部又は全部を土壌中に挿入して、土壌中に液体又は気体を注入するものである。この流体注入管2の挿入方向は、地面に対して鉛直方向であるか水平方向であるかは問わない。 【0034】この流体注入管2は1本又は複数本で用いられ、図示されているように、周面に複数の孔4が形成されている。孔4の形成位置や数については、適宜設定すれば良い。また、流体注入管2の材料については、ステンレス管が望ましいが、その他の材料でも使用することができる。 【0035】また、この流体注入管2の周縁部は、連結手段を有しており、他の流体注入管2又は他の管と連結させることができる。この連結手段としては、ネジ連結が好ましいが、嵌合部材を設けても良いし、他の連結具を用いても良く、適宜設定すれば良い。 【0036】この流体注入管2の挿入方向が、土壌に対して鉛直方向の場合、流体注入管2の土壌に挿入する挿入部の先端は、挿入しやすくするために尖形になっていても良い。 【0037】また、図4に示されたように、適当な間隔を設けた流体注入管2を枝状管8で連結し、一つのユニット6として使用することもできる。この時、流体注入管2の数は適宜設定すれば良いが、流体注入管2を1m2に9〜16本程度設置すると使いやすい。このユニット6を等間隔で配置すると、土壌中に液体又は気体を均一に注入することができ、ムラなく汚染物質を除去することができる。 【0038】この流体注入管2の端部、又は前記ユニット6の枝状管8の端部は、圧縮装置に連結されている。この圧縮装置は、液体又は気体を圧送し、土壌中に液体又は気体を注入するものである。圧縮装置としては、コンプレッサや一般的なポンプなどを使用することができるが、適宜設定すれば良い。 【0039】また、この流体注入管2に、液体又は気体の逆流散逸防止機構10を設けていても良い。図6及び8は本発明に係る逆流散逸防止機構10の一実施の形態を示した図である。また、図7及び図9は逆流散逸防止機構10を使用しよう状態を示した説明図である、。土壌に液体又は気体を注入する時、前記したとおり圧縮装置から圧送されるため、土壌と流体注入管2との隙間から逆流してしまう。そこで、逆流散逸防止機構10を設け、液体又は気体の逆流を防止しようとするものである。また、流体注入管2から加圧された液体又は気体が土壌中に注入されるので、流体注入管2が不安定になってしまう。そこで、この逆流散逸防止機構10を設けて、流体注入管2を固定して安定させようとする目的もある。 【0040】この逆流散逸防止機構10は、図6に示された略筒状鍔型のものや、図8に示されたマット状のものが良いが、適宜設定すれば良い。また、逆流散逸防止機構10は、流体注入管2と一体形成されていても良いし、着脱可能であっても良い。着脱可能であれば、流体注入管2を挿入することができる深さを自由に調節することができるが、流体注入管2と逆流散逸防止機構10に隙間ができないように注意する必要がある。 【0041】図6に示された略筒状鍔型の逆流散逸防止機構10は、ステンレス又は鋼製などの金属で形成するのが好ましいが、他の材料でも良い。また、図7に示されたマット状の逆流散逸防止機構10は、ゴムや樹脂などの材料で形成するのが好ましいが、他の材料でも良い。 【0042】また、流体注入管2を略水平に土中に設置するには、開削又は水平ボーリングによる水平孔の掘削により行うことができる。水平孔の掘削方法は、貫入坑と到達坑の2つのピットを堀り、ロッドに取り付けたドリルヘッドで、貫入坑から所定の対地角度で、斜めに掘進し、次いで水平掘進、最後に水平部から地上部へ斜め掘進する。掘進が終了したら、ロッドの先端に、流体注入管2を連結したリーマを取り付けて拡径すると同時に、流体注入管2を水平孔内に引き込む。流体注入管2を略水平方向に設置できれば、建物などの障害物が既に存在する土地であっても、本発明に係る汚染物質の除去が実施できる。 【0043】流体注入管2を略水平に設置する場合も、適当な間隔を設けた流体注入管2を枝状管8で連結して一つのユニット6として使用することもできる。このユニット6の流体注入管2の数は、適宜設定すれば良い。この時も、流体注入管2の端部、又は前記ユニット6の枝状管8の端部は、圧縮装置に連結されている。 【0044】また、この流体注入管2の外周面の一部又は全部に水膨潤性樹脂塗膜を形成しても良い。この水膨潤性樹脂塗膜は、土壌中の水分や注入する液体や地下水によって、膨潤してゲル化するため、流体注入管2の周辺に潤滑な層を形成することができる。この潤滑な層は、流体注入管2の抜き差しが容易になるだけでなく、流体注入管2の周辺の隙間を潤滑な層で塞ぐことができるため、土壌に注入する液体又は気体の逆流を防止することができる。 【0045】この水膨潤性樹脂塗膜としては、アクリル系バインダー樹脂、ポリアクリル酸系吸水性樹脂、有機溶媒の混合物のいずれかを使用することが好ましいが、これ以外にも適宜設定して使用すれば良い。 【0046】また、土壌中に注入する液体は、水やその他の溶液などを使用することができるが、酸性の液体を使用しても良い。例えばヒ素などが汚染土壌18中に含まれていた場合、水などで汚染物質を洗い流すことができるが、重金属などは土粒子に吸着しているため、水などでは洗い流すことはほとんどできない。また、重金属は一般的に、水酸化物、イオン、塩類分子の形で水溶液中に存在するが、pHが低いほど塩類分子の形で残りやすい。従って、土壌に酸性の液体を注入し、土粒子などに付着していた重金属等を土粒子から剥離し、液体で流れ出させて汚染土壌18から汚染物質を除去しようとするものである。酸性の液体としては、種々の条件を考慮して適宜設定すれば良い。炭酸水などは、酸度は大きくないが使いやすい。 【0047】また、酸性の液体を注入する際には、汚染土壌のpHを3〜6程度にするのが良い。土壌に含有されているCdやZnといった重金属は、ゆるい結合状態にあるものが、土壌中の水素イオン濃度が高くなるにつれ、土壌中の他の物質とともに離脱して活性化し、液体側に移動する。更に、土壌pHが4〜5.5の範囲では、良好に液体側に移動することが知られている。また、HgやPbなども、酸性の土壌中では液体側に移動することも知られている。従って、汚染物質を含む汚染土壌18に酸性の液体を注入して、土壌のpHを3〜6にして、土粒子に吸着している重金属を液体によって土壌から剥離させようとするものである。 【0048】また、土壌中に注入される気体については、空気や他の気体、ガスといったものを使用することができるが、酸素を富化した空気を注入するのも良い。これは、汚染土壌18中を好気的雰囲気にすることで、浄化を促進することが期待できるだけでなく、汚染物質の化学的状態を変化させることができれば、通常では除去しにくい汚染物質を容易に除去できることも期待できる。また、微生物による分解が可能な汚染物質を除去するのであれば、汚染土壌18に微生物を混入し、酸素を富化させた空気を注入することで、微生物による分解をより活性化させることができる。 【0049】 【発明の効果】本発明に係る汚染物質の除去方法は、上記課題を解決するために、本発明に係る汚染物質の除去方法は、汚染物質を含む汚染土壌中に汚染物質捕捉体を設け、汚染土壌中に液体又は気体を注入するための流体注入管の一部又は全部を汚染土壌中に挿入し、流体注入管を介して汚染土壌中に液体又は気体を注入し、汚染物質捕捉体近傍に移動してきた汚染物質を汚染物質捕捉体に捕捉させるため、汚染土壌中に含まれる移動しにくい汚染物質を液体によって洗い流すことができる。 【0050】また、汚染物質捕捉体を減圧(真空吸引)して汚染物質を捕捉するため、汚染物質捕捉体近傍に移動してきた汚染物質を効率よく捕捉することができ、汚染土壌から汚染物質の除去を短期間で処理することができる。 【0051】また、本発明に係る流体注入管は、周面に複数の孔を有しているため、土壌中にまんべんなく液体又は気体を注入することができ、汚染物質をムラなく除去することができる。 【0052】更に、流体注入管に液体又は気体の逆流散逸防止機構を設けたため、土壌中に注入した液体又は気体の逆流を防ぐことができるだけでなく、流体注入管を安定して固定することができる。 【0053】更に、流体注入管の外周面の一部又は全部に、アクリル系バインダー樹脂、ポリアクリル酸系吸水性樹脂、及び有機溶媒の混合物などの水膨潤性樹脂塗膜を形成したため、流体注入管の抜き差しが容易になるだけでなく、土壌と流体注入管の隙間に潤滑層が形成されて、土壌中に注入する液体又は気体の逆流も防止することができる。 【0054】また、本発明に係る汚染物質の除去方法は、汚染土壌中に注入する液体が酸性の液体であるため、主に土粒子と吸着している重金属などを剥離することができ、重金属を含む汚染土壌から汚染物質の除去ができる。 【0055】更に、汚染土壌中に酸性の液体を注入して、汚染土壌のpHを3〜6にするため、CdやZn、Hg、Pbといった、水では除去できない重金属類を土粒子から剥離させることができ、汚染土壌から汚染物質を除去することができる。 【0056】また、本発明に係る汚染物質の除去方法は、汚染土壌中に中に注入する気体が酸素を富化した空気であるため、土壌中に生存する好気性微生物を活性化させて、汚染物質の分解を促進させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000231110 【氏名又は名称】日本鋼管ライトスチール株式会社 【住所又は居所】埼玉県熊谷市大字三ケ尻6100番地
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| 【出願日】 |
平成13年9月13日(2001.9.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090402 【弁理士】 【氏名又は名称】窪田 法明
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| 【公開番号】 |
特開2003−80222(P2003−80222A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月18日(2003.3.18) |
| 【出願番号】 |
特願2001−277662(P2001−277662) |
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