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【発明の名称】 汚染土壌を溶剤で浄化する方法
【発明者】 【氏名】濱崎 彰弘
【住所又は居所】兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内

【氏名】山内 澄男
【住所又は居所】兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内

【氏名】有川 究
【住所又は居所】兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内

【要約】 【課題】浄化が均等におこなわれ、溶剤の抜き出しに時間のかからない汚染土壌を浄化する方法を提供することを目的とする。

【解決手段】初めに、配管(61)のバルブ(54)を閉めて抽出塔(10)に精製済み溶剤タンク(40)から精製された溶剤をポンプ(53)で送り所定量貯留する。抽出塔に所定量の溶剤が貯留されたら溶剤内に汚染土壌(1)を投入する。所定の時間が経過したらバルブを開けポンプ(51)を作動させ、汚染物質を含む溶剤を排出溶剤タンク(20)に注入し、ある程度貯まったら、ポンプ(52)を作動させ精製装置(30)を通過せしめ汚染物質を除去して精製済み溶剤タンク(40)に送り貯留する。汚染物質が除去された土壌は、例えばフォークリフト等を使用して抽出塔を回転して取り出す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 汚染土壌を溶剤で浄化する方法であって、初めに抽出塔に溶剤を注入して貯留し、その後貯留された溶剤内に汚染土壌を投入することを特徴とする方法。
【請求項2】 液面を一定に保ちながら汚染土壌を溶剤内に投入することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】 溶剤に投入する汚染土壌に、所定の粒径を有し、比重が汚染土壌と異なる粒径調整材を混ぜることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】 表面電位がプラスに荷電された粒径調整剤を使用することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】 プラスチック製の立体網状体を抽出塔内に配設することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】 汚染物質が溶けた溶剤をフィルタおよび、または、活性炭を通過させて精製する、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】 汚染物質が溶けた溶剤を、蒸留により精製する、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は汚染土壌を溶剤で浄化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】油やPCB等の有害化学物質で汚染された土壌を浄化するための方法が色々と開発されている。従来よりおこなわれている方法は、抽出塔に初めに汚染土壌をいれておき、その後から溶剤を抽出塔に満たし、一定時間溶剤を抽出塔に保持した後に溶剤を使用済み溶剤タンクに抜き出し、溶剤再生装置で汚染物質を除去し、精製された溶剤を精製済み溶剤タンクに送る、という工程を繰り返す方法である。ところが、上記の方法では抽出塔に最初に汚染土壌を投入するので、土圧、空隙率のばらつきによって浄化度合いにばらつきが発生するという問題や、あるいは溶剤の抜き出しに時間がかかるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題に鑑み、浄化が均等におこなわれ、溶剤の抜き出しに時間のかからない汚染土壌を浄化する方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によれば、汚染土壌を溶剤で浄化する方法であって、初めに抽出塔に溶剤を注入して貯留し、その後貯留された溶剤内に汚染土壌を投入することを特徴とする方法が提供される。このような浄化方法ではまず溶剤が抽出塔に貯留され、その貯留された溶剤内に汚染土壌が投入される。
【0005】請求項2の発明によれば、請求項1の発明において、液面を一定に保ちながら汚染土壌を溶剤内に投入することを特徴とする浄化方法が提供される。
【0006】請求項3の発明によれば、請求項1の発明において、溶剤に投入する汚染土壌に、所定の粒径を有し、比重が土壌と異なる粒径調整材を混ぜることを特徴とする浄化方法が提供される。請求項4の発明によれば、請求項3の発明において、表面電位がプラスに荷電された粒径調整剤を使用することを特徴とする浄化方法が提供される。
【0007】請求項5の発明によれば、請求項1の発明において、プラスチック製の立体網状体を抽出塔内に配設することを特徴とする浄化方法が提供される。
【0008】請求項6の発明によれば、請求項1の発明において、汚染物質が溶けた溶剤をフィルタおよび、または、活性炭を通過させて精製することを特徴とする浄化方法が提供される。請求項7の発明によれば、請求項1の発明において、汚染物質が溶けた溶剤を蒸留で精製することを特徴とする浄化方法が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態の全体概略構成を示す図であって、抽出塔10、排出溶剤タンク20、精製装置30、精製済み溶剤タンク40を有し、抽出塔10と排出溶剤タンク20はポンプ51が介装された配管61で連結され、排出溶剤タンク20と精製装置30はポンプ52が介装された配管62で連結され、精製装置30と精製済み溶剤タンク40はポンプ53が介装された配管63で連結され、精製済み溶剤タンク40と抽出塔10はポンプ54が介装された配管64で連結されている。抽出塔10の下部の配管61の入口にはフィルタ12が取付けられている。
【0010】初めに、抽出塔10に精製済み溶剤タンク40から精製された溶剤がポンプ53により配管64を通って送られ所定量貯留される。この時、配管61に設けられているバルブ54は勿論閉じられている。抽出塔10に所定量の溶剤が貯留されたら、次に貯留塔10のふた11をあけて、例えば、パワーショベル等によって、汚染土壌1を溶剤内に投入する。
【0011】所定の時間が経過したらバルブ54を開け、ポンプ51を作動させ、汚染物質を含む溶剤を排出溶剤タンク30に注入する。排出溶剤タンク20に汚染物質を含む溶剤がある程度貯まったならば、ポンプ52を作動させ精製装置30を通過せしめ汚染物質を除去して精製済み溶剤タンク40に送り、次の使用に備えて貯留する。一方、汚染物質が除去された土壌は、例えばフォークリフト等を使用して抽出塔10を回転して抽出塔10から取り出しても良いし、あるいは、抽出塔10を壁面部材で組み立てるようにしておいて分解しておいてもよい。
【0012】このように、最初に抽出塔に溶剤を貯留しておいてから汚染土壌を投入することにより汚染土壌は溶剤内で沈降するときに大きいものは速く沈降し、小さいものは遅く沈降するという沈降分離が発生するので汚染土壌の粒径が揃い、溶剤の通り道が確保され溶剤の抜けがよくなり、溶剤の抜き出し時間が短縮される。これに対して従来のように先に土壌を投入しておいてその上から溶剤をかけるような場合には土圧の影響を受け均等性を確保することが難しく、また溶剤が最下部に達するまで時間がかかる。
【0013】なお、この第1の実施の形態では、精製装置30は例えば、フィルタや活性炭を使用するものであるが、蒸留タイプのものを使用してもよい。また、精製装置30で除去された汚染物質は、別途、例えば、高温で燃焼して分解して無害化される。
【0014】次に第2の実施の形態について説明する。図2が第2の実施の形態を説明する図であって、第1の実施の形態の抽出塔10にオーバーフローパイプを設けた点が異なる。このようにオーバーフローパイプ65を設けることにより貯留した溶剤内に土壌を投入したときに上昇する溶剤の液面がオーバーフローパイプで制限され、それ以上には上昇しない。したがって、第1の実施の形態にくらべて抽出塔10の高さを低くすることができる。なお、オーバーフローパイプ65の入口にはフィルタ13が取付けられ、出口は排出溶剤タンク20に結合されている。
【0015】次に、第3の実施の形態について説明する。図3が第3の実施の形態を説明する図であって、この第3の実施の形態は第1の実施の形態に対して予め定めた基準粒径を有する粒径調整剤2を土壌とともに投入するようにしたものである。このように粒径調整剤2を混ぜることによって土壌の粒の分布が均等化され土圧の偏りが防止され、溶剤の通りが良くなるので、溶剤の抜き出し時間が短縮できる。なお、粒径調整剤2は鉄等の金属、あるいは、プラスチックで形成され、径は数mmから数cmの大きさとされる。そして、使用後の粒径調整剤2の回収は土壌1との比重差を利用しておこなわれる。
【0016】次に、第4の実施の形態について説明する。図4が第4の実施の形態を説明する図であって、この第4の実施の形態は第3の実施の形態において粒径調整剤を+(プラス)に帯電した荷電粒体3としたものであって、このようにすることにより通常−(マイナス)に帯電している土壌内の微細粒子を吸着せしめることができ、たとえば、フィルタ12の目詰まりを防止することができる。
【0017】次に、第5の実施の形態について説明する。図5が第5の実施の形態を説明する図であって、この第5の実施の形態は第1の実施の形態において、抽出塔10内に、例えば、プラスチックの糸、あるいは、紐を、乾麺あるいは金属たわしのように成形した立体網状体4を配設したものである。このようにすることにより溶剤の通り道が確保され溶剤の抜き出し時間を短縮することができる。この立体網状体4は洗浄することによって繰り返し使用できる。
【0018】なお、以上、第1〜第5の実施の形態を説明したが、各実施の形態は、適宜、組み合わせることができる。
【0019】
【発明の効果】各請求項に記載の発明は、汚染土壌を溶剤で浄化する方法であるが、初めに抽出塔に溶剤を注入して貯留し、その後貯留された溶剤内に汚染土壌を投入する。貯留された溶剤に汚染土壌が投入されるので汚染土壌は溶剤内を沈降するときに大きいものが先に沈み、小さなものが後に沈むので粒径毎にそろい溶剤が通りやすく溶剤抜き出し時間が短くなり、また、土圧の影響をうけないので均等に浄化できる。特に、請求項2のように、液面を一定に保ちながら汚染土壌を溶剤内に投入するようにすれば、液面が上昇が抑制されるので抽出塔の高さを低くすることができる。特に、請求項3のように、溶剤に投入する汚染土壌に、所定の粒径を有し、比重が土壌と異なる粒径調整材を混ぜるようにすれば、土壌が分散され、均等に浄化でき、また溶剤の通りが良くなるので溶剤抜き出し時間をさらに短縮できる。また、請求項4のように、粒径調整材に表面電位がプラスの粒径調整剤を使用すれば、微細粒子を吸着することができるので溶剤抜き出し口に使用されるフィルタ等の目詰まりを防止できる。ことを特徴とする浄化方法が提供される。特に、請求項5のように、プラスチック製の立体網状体を抽出塔内に配設すれば、溶剤の通り道が確保され溶剤の抜き出し時間をさらに短縮することができる。
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目5番1号
【出願日】 平成13年9月7日(2001.9.7)
【代理人】 【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外4名)
【公開番号】 特開2003−80219(P2003−80219A)
【公開日】 平成15年3月18日(2003.3.18)
【出願番号】 特願2001−272367(P2001−272367)