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【発明の名称】 光ディスクの廃棄処理方法及びその装置
【発明者】 【氏名】芥川 宏
【住所又は居所】大阪府吹田市垂水町3丁目28番33号 松下環境空調エンジニアリング株式会社

【氏名】清水 巧治
【住所又は居所】大阪府吹田市垂水町3丁目28番33号 松下環境空調エンジニアリング株式会社

【要約】 【課題】光ディスクを処理する際の粉塵発生防止、廃棄物の嵩の増加防止及び作業環境の悪化防止等を図ることを目的とする。

【解決手段】本発明に係る光ディスクの廃棄処理方法は、光ディスクD1,D2の情報開始位置E1,E2を情報の読み取りが不能となる程度にまで塑性変形させることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光ディスクの情報開始位置を情報の読み取りが不能となる程度にまで塑性変形させることを特徴とする光ディスクの廃棄処理方法。
【請求項2】 請求項1記載の光ディスクの廃棄処理方法であって、光ディスクの情報記憶領域の内円周上を深さ寸法1mm以上凹ませることを特徴とする光ディスクの廃棄処理方法。
【請求項3】 複数枚の光ディスクを収納するディスク収納手段と、前記ディスク収納手段に収納されている光ディスクを一枚づつ処理位置まで移動させる移動手段と、処理位置に配置された光ディスクの情報開始位置を情報の読み取りが不能となる程度にまで塑性変形させる塑性変形手段と、を有することを特徴とする光ディスクの廃棄処理装置。
【請求項4】 請求項3に記載の光ディスクの廃棄処理装置であって、塑性変形手段は、径の異なる光ディスクが共に処理位置に位置決めされていると仮定した場合に、各々の前記光ディスクの情報開始位置が互いに重複する部位を塑性変形させることが可能なように設置されていることを特徴とする光ディスクの廃棄処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不要な光ディスクを廃棄処理する光ディスク等の廃棄処理方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンパクトディスク(CD)や光磁気ディスク(MO)等の不良品の光ディスクは、廃棄する際、所定位置に仮保管された後、まとめて廃棄処理される。光ディスクには機密性の高い情報や著作権が発生している情報が記録されている場合が多い。このため、光ディスクが仮保管されているときに、その情報が第三者に読み取られると、著作権侵害等の問題が発生する恐れがあり、情報の漏洩は確実に防止する必要がある。このため、現状では、光ディスクを破砕したり、切断したり(特開2000−271563号公報、特開昭53−58880号公報参照)あるいは、光ディスク同士を接着した状態で仮保管している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、光ディスクを破砕あるいは切断する方法では粉塵が発生するとともに廃棄物の嵩が増えるという問題がある。また、光ディスク同士を接着する方法では、接着剤の臭気により作業環境が悪化する。
【0004】本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、光ディスクを処理する際の粉塵発生防止を図ること、廃棄物の嵩の増加防止を図ること、さらに作業環境の悪化防止等を図ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。請求項1の発明は、光ディスクの情報開始位置を情報の読み取りが不能となる程度にまで塑性変形させることを特徴とする。
【0006】光ディスクは、最初に情報が読み取られる部位である情報開始位置にその光ディスクのインデックス情報が記録されており、そのインデックス情報を読み取った後でなければ光ディスクの情報の読み取りや、光ディスクへの情報の記録ができない。このため、光ディスクの情報開始位置を情報の読み取りが不能となる程度にまで塑性変形させれば、その光ディスクに記録されている情報の読み取りや情報の記録が不能になる。
【0007】本発明では、光ディスクを廃棄する際に上記した情報開始位置を塑性変形させるだけであるため、粉塵が発生することがない。また、光ディスクがほぼ原形を止めているため、廃棄物の嵩が増えない。さらに、光ディスク同士を接着する接着剤等が不要なため、臭気の発生により作業環境が悪化することもない。
【0008】また、情報開始位置は、一般的に光ディスクの情報記憶領域の内円周上に位置しているため、請求項2のように、光ディスクの情報記憶領域の内円周上を深さ寸法1mm以上凹ませても良い。また、深さ寸法1mm以上凹ませるようにすれば、その凹み部分の修復が困難になり、情報開始位置の情報の読み取りを確実に防止できる。
【0009】請求項3の発明は、複数枚の光ディスクを収納するディスク収納手段と、前記ディスク収納手段に収納されている光ディスクを一枚づつ処理位置まで移動させる移動手段と、処理位置に配置された光ディスクの情報開始位置を情報の読み取りが不能となる程度にまで塑性変形させる塑性変形手段とを有することを特徴とする。このため、本発明に係る光ディスクの廃棄処理装置を使用して、請求項1の発明を実施することができる。
【0010】また、請求項4に示すように、径の異なる光ディスクが共に処理位置に位置決めされていると仮定した場合に、各々の前記光ディスクの情報開始位置が互いに重複する部位を塑性変形させることが可能なように塑性変形手段を設置することにより、径の異なる光ディスクに対しても塑性変形手段を移動させる必要がない。このため、塑性変形手段を移動させる機構等が不要になり、設備コストの低減を図ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図6に基づいて本発明の実施形態1に係る光ディスクの廃棄処理装置及び光ディスクの廃棄処理方法を説明する。ここで、図1は本実施形態に係る光ディスクの廃棄処理方法を表す平面図であり、図2、図3は12cm、8cm光ディスクのそれぞれの廃棄処理方法を表す平面図である。図4は本実施形態に係る光ディスクの廃棄処理装置の全体側面図である。図5は、塑性変形機構の変形用ブロックを表す斜視図等であり、図6は光ディスクのディスクケース等を表す斜視図等である。なお、光ディスクの廃棄処理装置の幅方向をX方向、前後方向をY方向、高さ方向をZ方向として以下の説明を行う。
【0012】光ディスクの廃棄処理装置1は、図4に示すように、装置架台4を備えている。装置架台4はテーブル状の架台であり、テーブル板4uと、そのテーブル板4uを四隅で支える支柱4zと、各支柱4zの下部側面に支持される下平板4dとから構成されている。また、各支柱4zの下端部には、テーブル板4uをほぼ水平に保持するための高さ調整機構4hが設けられている。テーブル板4uの前部(図中左側)には一定厚みのベース板5が載置されている。ベース板5の上面5uは平面状に形成されており、その上面5uに光ディスクDを上下に重ねて収納するディスクケース10が設置されている。
【0013】ディスクケース10は、直径12cmと直径8cmとの二種類の光ディスクDを収納可能な略角筒形のケースであり、上下開放状態で形成されている(図6参照)。ディスクケース10は、その中心線が光ディスクの廃棄処理装置1の前後方向に延びる中心線Yc(図2等参照)と重なるように、ベース板5の上面5uに設置されている。また、ディスクケース10は、互いに対向する内壁面間の距離が直径12cmの光ディスクD(以下、12cm光ディスクD1と呼ぶ)の直径に等しく設定されている。このため、12cm光ディスクD1がディスクケース10に収納された状態で、12cm光ディスクD1は前後左右から拘束され、その12cm光ディスクD1の中心C1は光ディスクの廃棄処理装置1の中心線Ycと重なるようになる。なお、光ディスクDと記載するときには、直径12cmと直径8cmとの二種類の光ディスクDを含むものとする。
【0014】ディスクケース10の左側板11は扉状に開放可能に構成されており、光ディスクDを収納する際の作業性向上が図られている。なお、図6では、左側板11は二点鎖線で表されており、図2〜図4では、左側板11は省略されている。また、ディスクケース10の上部には、そのディスクケース10内に所定枚数(例えば、150枚)の光ディスクDが収納されたことを検出するリミットスイッチ19が取付けられている。
【0015】ディスクケース10の後側板12には、下端部のほぼ中央に段差状の切欠き12cが形成されており、その切欠き12cの高さ寸法が後記する移動機構20の押圧板22の厚み寸法とほぼ等しく設定されている。また、切欠き12cの幅寸効がその押圧板22の幅寸法とほぼ等しく設定されている。このため、ディスクケース10がベース板5の上面5uに載置された状態で、後側板12の切欠き12cとそのベース板5の上面5uとにより押圧板22が通されるスリット状の開口が形成される。以後、前記開口を押圧板入口12cと呼ぶ。
【0016】ディスクケース10の前側板13は、左右の側板11,14及び後側板12よりも短く形成されており、その前側板13の下端面13kが左右の側板11,14等の下端面11k,14kよりもほぼ光ディスクDの厚み寸法分だけ高い位置に配置されている。このため、ディスクケース10がベース板5の上面5uに載置された状態で、前側板13の下端面13kとその上面5uとによりスリット状の開口が形成され、ディスクケース10内の最下部の光ディスクDがその開口を通過可能となる。以後、前記開口をディスク出口13kと呼ぶことにする。
【0017】ディスクケース10は、直径8cmの光ディスクD(以下、8cm光ディスクD2と呼ぶ)を収納する際に使用されるアタッチメント16を備えている。アタッチメント16は、図3に示すように、8cm光ディスクD2をディスクケース10内で後方及び左右の三方向から囲むことで、その8cm光ディスクD2が前後左右に位置ずれしないように保持するとともに、その8cm光ディスクD2の中心C2を中心線Yc上に保持する部材であり、L字ブロック17と平板ブロック18とから構成されている。
【0018】L字ブロック17は、8cm光ディスクD2を右方向及び後方向から囲む部材であり、右側に配置される薄肉部17nと後側に配置される厚肉部17wとにより平面略L字形に形成されている。薄肉部17nの幅寸法、即ち、その薄肉部17nの先端面17fから厚肉部17wの内側面17eまでの距離は8cm光ディスクD2の直径寸法に等しく設定されている。また、薄肉部17nの肉厚寸法は8cm光ディスクD2の半径寸法と12cm光ディスクD1の半径寸法との差に等しく設定されおり、厚肉部17wの肉厚寸法が8cm光ディスクD2の直径寸法と12cm光ディスクD1の直径寸法との差に等しく設定されている。
【0019】平板ブロック18は、8cm光ディスクD2を左方向から押える平板であり、L字ブロック17の薄肉部17nと等しい肉厚寸法に設定されている。また、平板ブロック18の幅寸法、即ち、前端面18fと後端面18e間の距離は8cm光ディスクD2の直径寸法に等しく設定されている。このため、L字ブロック17をディスクケース10に収納した状態で、平板ブロック18はディスクケース10の前側板13とL字ブロック17の厚肉部17wとの間に収納可能となる。さらにこの状態で、平板ブロック18とL字ブロック17の薄肉部17nとの対向する面間距離が8cm光ディスクD2の直径寸法に等しくなる。
【0020】即ち、アタッチメント16により、8cm光ディスクD2はディスクケース10内で前後左右に位置ずれしないように保持されるとともに、その8cm光ディスクD2の中心C2が光ディスクの廃棄処理装置1の中心線Yc上に位置するようになる。L字ブロック17の厚肉部17wには、ディスクケース10の後側板12の押圧板入口12cに対応する位置にその押圧板入口12cと等しい開口寸法の切欠き17cが段差状に形成されている。即ち、ディスクケース10及びアタッチメント16が本発明に係るディスク収納手段に相当する。
【0021】ディスクケース10の後方には、そのディスクケース10内の光ディスクDをディスク出口13kから前方に押出して後記する処理位置まで移動させる移動機構20が設置されている。移動機構20は、その中心線が光ディスクの廃棄処理装置1の中心線Ycと重なるように、装置架台4のテーブル板4u上に設置されている。
【0022】移動機構20は、図4等に示すように、シリンダ21と、そのシリンダ21のピストンロッド21pに連結された押圧板22とから構成されており、ピストンロッド21pの上側面とベース板5の上面5uとが等しい高さとなるように、シリンダ21の高さ位置が設定されている。シリンダ21にはエア式が一般的に使用され、そのシリンダ21を動作させるソレノイドバルブ21vが制御盤30からの信号に基づいて駆動される。なお、制御盤30は、装置架台4の下平板4d上に設置されている。
【0023】押圧板22は、ディスクケース10の最下部に位置する光ディスクDをディスク出口13kから押出すための平板であり、ディスクケース10の押圧板入口12c及びアタッチメント16の切欠き17cを通過できる寸法で、かつ光ディスクDとほぼ等しい厚み寸法で製作されている。押圧板22は、先端面22fで光ディスクDを横方向から押圧する構造であり、図2等に示すように、その先端面22fが平面逆く字形状に形成されている。このため、押圧板22の先端面22fは左右二箇所で光ディスクDと接触するようになり、押出し過程で光ディスクDが左右方向(X方向)に位置ずれを起し難い。
【0024】押圧板22は、その押圧板22の下面(図示されていない)がベース板5の上面5uに面接触している状態で、その基端部22mがピストンロッド21pの上側面に固定されている。また、移動機構20のシリンダ21のストロークは、押圧板22の先端部分をディスクケース10の押圧板入口12cの位置(図2、図3の実線参照)からディスク出口13kの外側位置(二点鎖線参照)まで移動させることが可能な値に設定されている。このため、シリンダ21が前進動作することで、押圧板22がディスクケース10内の最下部の光ディスクDをディスク出口13kから押出し、処理位置に保持する。また、シリンダ21が後退動作することで、押圧板22がの押圧板入口12cの位置まで戻り、次の光ディスクDが自重で最下部の位置まで下降する。即ち、移動機構20が本発明の移動手段に相当する。
【0025】ディスクケース10の前方には、そのディスクケース10のディスク出口13kから押出された光ディスクDを検出するマイクロスイッチ32が設置されている。マイクロスイッチ32の信号は上記した制御盤30内のカウンタ(図示されていない)に入力され、前記カウンタによりディスク出口13kから押出された光ディスクDの枚数が積算される。
【0026】マイクロスイッチ32の前方には、移動機構20の押圧板22によって処理位置に保持された光ディスクDを部分的に塑性変形させる塑性変形機構40が設置されている。ここで、12cm光ディスクD1及び8cm光ディスクD2は、図1〜図3に示すように、ディスクにおけるドーナッツ状の記録可能範囲の最内周部分(中心から半径r=22.5mmの仮想円上)が最初に情報が読み取られる部位である情報開始位置E1,E2となっている。情報開始位置E1,E2には、その光ディスクDのインデックス情報が記録されており、そのインデックス情報を読み取った後に光ディスクDの部分情報が読み取られるように構成されている。このため、光ディスクDの情報開始位置Eを情報の読み取りが不能となる程度にまで塑性変形させれば、その光ディスクDの全体情報が読み取り不能となる。
【0027】前述のように、光ディスクDは移動機構20の押圧板22の先端面22fに押圧された状態で処理位置まで移動する。このとき、シリンダ21のストロークは一定のため、12cm光ディスクD1が処理位置にあるときの押圧板22の位置と、8cm光ディスクD2が処理位置にあるときの押圧板22の位置とは等しくなる(図1参照)。このため、12cm光ディスクD1と8cm光ディスクD2とが処理位置にあるとき、各光ディスクD1,D2の中心C1,C2は、ほぼ各々の光ディスクD1,D2の半径差分だけY方向にズレる。したがって、12cm光ディスクD1の情報開始位置E1(一点鎖線の仮想円)と8cm光ディスクD2の情報開始位置E2(一点鎖線の仮想円)とは、二箇所T1,T2で交差するようになる。
【0028】塑性変形機構40は、光ディスクDの位置T1と位置T2とを情報の読み取りが不能となる程度にまで塑性変形させる(凹ませる)装置であり、図4に示すように、変形用シリンダ42と変形用ブロック44とから構成されている。変形用シリンダ42は、位置T1と位置T2とを結ぶ仮想直線Xt(図1参照)が光ディスクの廃棄処理装置1の中心線Ycと交差する点Oの真上位置において下向きに設置されている。変形用シリンダ42にはエア式が一般的に使用され、その変形用シリンダ42を動作させるソレノイドバルブ42vが制御盤30からの信号に基づいて駆動される。
【0029】変形用ブロック44は、図5に示すように、側面略楔形をしたブロックであり、中央上部に変形用シリンダ42のピストンロッドの先端が接続される雌ねじ44wが形成されている。また、変形用ブロック44の両端部下側には、光ディスクDの位置T1と位置T2を凹ませる押圧刃44sが形成されている。左右の押圧刃44s間の距離は、位置T1と位置T2間の距離にほぼ等しく設定されている。また、押圧刃44sの長さ寸法L2は、例えば10mm、押圧刃44sの幅寸法L1は、例えば1mmに設定されている。
【0030】このため、変形用シリンダ42が動作して変形用ブロック44が下降し、変形用ブロック44の押圧刃44sが処理位置にある光ディスクDに衝突すると、光ディスクDの位置T1と位置T2とに情報開始位置E1,E2(一点鎖線の仮想円)の円弧を横断する長さ10mm、幅1mmの線状の凹みHが形成される。さらに、変形用シリンダ42の高さ位置は、凹みHの深さ寸法が1mm以上となるように調整される。一般的に光ディスクDのデータを読み取る読取り装置(図示されていない)は、光ディスクDのデータが所定幅で欠落していても再生が可能であり、その再生可能幅は0.6mmである。しかし、上記したように、押圧刃44sの長さ寸法L2は10mm、幅寸法L1は1mmに設定されているため、その押圧刃44sで光ディスクDの情報開始位置E1,E2に凹みHを形成することにより、その位置E1,E2のデータ読み取りを確実に不能にすることができる。
【0031】変形用ブロック44は、図4に示すように、周囲が傾斜板46によって被われており、その傾斜板46の下端面とベース板5の上面5uとの間に光ディスクDが通過できる隙間が形成されている。これによって、塑性変形機構40の動作中に、作業員が誤って押圧刃44sに接触するようなトラブルが発生しない。また、装置架台4の前側には、凹みHが形成された光ディスクD(廃棄処理済みの光ディスクD)を収納するバケット34が配置されている。バケット34は手押し車35上に載置されており、任意の位置に廃棄処理済みの光ディスクDを運搬可能となっている。即ち、塑性変形機構40が本発明の塑性変形手段に相当する。
【0032】次に、上記した光ディスクの廃棄処理装置1の動作説明を行う。最初に、12cm光ディスクD1を廃棄処理する手順を説明する。先ず、ディスクケース10の左側板11を開き、処理する12cm光ディスクD1(以下、光ディスクD1という)を重ねてディスクケース10に収納した後、その左側板11を閉じる。これによって、光ディスクD1はディスクケース10内で前後左右に位置ずれしないように保持されるとともに、その光ディスクD1の中心C1が光ディスクの廃棄処理装置1の中心線Ycと重なるようになる。このとき、光ディスクD1がディスクケース10の上部レベルまで収納されていれば、この状態がリミットスイッチ19によって検出される。
【0033】次に、制御盤30からの信号が移動機構20を構成するシリンダ21のソレノイドバルブ21vに入力され、シリンダ21が押圧板22を前進させる方向に動作する。これによって、押圧板22がディスクケース10の押圧板入口12cからディスクケース10内に押込まれ、その押圧板22の先端面22fがディスクケース10の最下部に位置する光ディスクD1を前方(Y方向)に押圧する。これによって、光ディスクD1はディスクケース10のディスク出口13kから押出され、押圧板22が前進限位置まで前進した状態で(図2の二点鎖線参照)、光ディスクD1は処理位置に保持される。
【0034】次に、制御盤30からの信号が変形用シリンダ42のソレノイドバルブ42vに入力され、変形用シリンダ42が変形用ブロック44を下降させる方向に動作する。これによって、変形用ブロック44の押圧刃44sが処理位置にある光ディスクD1の位置T1と位置T2とに衝突し、その位置T1と位置T2とに情報開始位置E1(一点鎖線の仮想円)の円弧を横断する長さ10mm、幅1mm及び深さ1mm以上の凹みHが形成される。これによって、光ディスクD1の情報開始位置E1における情報の読み取りが不能になり、その結果、前述のように、光ディスクD1の全体情報の読み取りが不能になる。このようにして、廃棄処理が終了した光ディスクD1は、作業員によって処理位置からバケット34に落される。
【0035】次に、制御盤30からの信号で移動機構20のシリンダ21が動作し、押圧板22を原位置まで後退させる。これによって、次の光ディスクD1がディスクケース10の最下部まで自重で降下する。以後、上記した工程が繰り返し実行され、光ディスクD1の廃棄処理が順番に行われる。なお、光ディスクD1の処理枚数は制御盤30のカウンタによって積算される。
【0036】8cm光ディスクD2を廃棄処理する場合には、ディスクケース10の左側板11を開き、図3に示すように、ディスクケース10内にアタッチメント16のL字ブロック17を収納する。次に、8cm光ディスクD2(以下、光ディスクD2という)を重ねてディスクケース10に収納した後、アタッチメント16の平板ブロック18をセットし、左側板11を閉じる。これによって、光ディスクD2はディスクケース10内で前後左右に位置ずれしないように保持されるとともに、その光ディスクD2の中心C2が光ディスクの廃棄処理装置1の中心線Ycと重なるようになる。
【0037】次に、上記したように、移動機構20のシリンダ21と押圧板22との働きでディスクケース10の最下部に位置する光ディスクD2が処理位置まで押出され、塑性変形機構40によってその光ディスクD2の位置T1と位置T2とに凹みHが付けられる。
【0038】このように、本実施形態に係る光ディスクの廃棄処理装置1では、光ディスクDを廃棄する際に情報開始位置E1,E2に凹みHを形成するだけであるため、廃棄処理時に粉塵等が発生しない。また、光ディスクDがほぼ原形を止めているため、廃棄物の嵩が増えない。また、情報開始位置E1,E2に凹みHが二個形成されるため、凹みHを一個形成する場合よりも情報の漏洩に対する安全性が向上する。また、凹みHの深さ寸法が1mm以上であるため、その凹みHの部分の修復が困難であり、情報開始位置E1,E2の情報の読み取りを確実に防止できる。
【0039】また、径の異なる光ディスクの情報開始位置E1,E2が互いに重複する部位(位置T1、位置T2)に凹みHを形成できるように塑性変形機構40を設置しているため、径の異なる光ディスクDに対して塑性変形機構40を移動させる必要がない。このため、塑性変形機構40を移動させる機構等が不要になり、設備コストの低減を図ることができる。
【0040】なお、本実施形態では、光ディスクDの情報開始位置E1,E2に二個の凹みHを設ける例を示したが、一個でも可能である。また、変形用ブロック44の形状を変えて三個以上の凹みHを形成できるようにしても良い。また、変形用ブロック44の押圧刃44sの長さ寸法を大きくし、光ディスクDの情報開始位置E1,E2と二箇所で交差する長い線状の凹みHを一個形成することも可能である。また、本実施形態では、ディスクケース10及び移動機構20を使用して光ディスクDを処理位置まで移動させる例を示したが、ディスクケース10及び移動機構20の代わりにロボット等を使用することも可能である。
【0041】また、本実施形態では、機械的に凹みHを形成する例を示したが、レーザ等で凹みを形成することも可能である。また、処理位置における光ディスクDの位置決め精度を向上させるため、処理位置に光ディスクDの位置決め装置を設置することも可能である。
【0042】なお、本実施形態には記載されているが、特許請求の範囲には記載されていない発明を以下に列挙する。
(1) 請求項1に記載の光ディスクの廃棄処理方法であって、情報開始位置に複数個の凹みを形成することを特徴とする。これによって、情報開始位置に一個の凹みを形成する場合よりも情報の漏洩等に対する安全性が向上する。
(2) 請求項3記載の光ディスクの廃棄処理装置であって、塑性変形手段は、光ディスクの情報開始位置に凹みを形成するための押圧刃を複数備えていることを特徴とする光ディスクの廃棄処理装置。
(3) 請求項3記載の光ディスクの廃棄処理装置であって、ディスク収納手段は、複数枚の光ディスクを平面上で上下に重ねた状態で収納可能な構造であって、最下部の光ディスクが前記平面上を移動する際に通過できるで出口を備えており、移動手段は、前記ディスク収納手段に収納された最下部の光ディスクを前記出口から押出して処理位置に配置するように構成されていることを特徴とする光ディスクの廃棄処理装置。
【0043】
【発明の効果】本発明によると、光ディスクを廃棄する際に情報開始位置を塑性変形させるだけであるため、粉塵の発生を防止できる。また、光ディスクがほぼ原形を止めているため、廃棄物の嵩が増えない。さらに、接着剤等が不要なため、臭気の発生により作業環境が悪化することもない。
【出願人】 【識別番号】591261336
【氏名又は名称】松下環境空調エンジニアリング株式会社
【住所又は居所】大阪府吹田市垂水町3丁目28番33号
【出願日】 平成13年9月14日(2001.9.14)
【代理人】 【識別番号】100064344
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 英彦 (外3名)
【公開番号】 特開2003−80215(P2003−80215A)
【公開日】 平成15年3月18日(2003.3.18)
【出願番号】 特願2001−279980(P2001−279980)