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【発明の名称】 有機性廃棄物の処理方式と処理装置
【発明者】 【氏名】小鍋 壽男

【氏名】高橋 金一

【氏名】黒部 功

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】有機性廃棄物を撹拌し緩慢に粉砕する工程、該粉砕工程に於いて発生した水分を、該粉砕する手段によって吸収する工程、該粉砕手段に換気装置から取り入れた空気を分散分配する分散・分配工程、該発生した水分を蒸気吸引する工程、以上の工程を組み合わせ該有機性廃棄物の水分を8,5割以上取り除き、肥料もしくは、飼料として作り変える事を特徴とした有機性廃棄物の処理方式。
【請求項2】前記有機性廃棄物を、請求項1に基づく処理方式によって処理することを特徴とする有機性廃棄物の処理装置。
【請求項3】前記緩慢に粉砕する手段として、竹材による細片素材を利用したことを特徴とする請求項2に基づく有機性廃棄物の処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機性廃棄物を、好気的環境のもとで、水分除去処理する処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】有機性廃棄物は、今日のように、ごみ問題が社会問題化し、生ごみの処理として問題になる以前から、農業の分野では、あたり前のように処理されて来た。そこでの処理方法は、発酵処理して堆肥にするというものであった。
【0003】野菜を収穫した後の茎や根っ子などの野菜くずに、畜糞をまぶし、時々切り返しを行って空気に触れさせる他は、嫌気状態に保ち1〜2年かけて発酵させ、完熟堆肥を作る方法である。空気に触れさせることによる水分の蒸発や、腐敗の進行を防ぎ、貴重な有機物資源を確保する方法として長く行われて来た。
【0004】家庭から出る生ごみ等を処理する方法としても、この考え方は踏襲され、EMボカシを使った台所での生ごみ処理は、臭いのする生ごみを密封状態にしなければならず、嫌気発酵による「生ごみ」の漬物作りが行われた。この中では、発生する水の処理が最大の問題となり、水を良く切り、PHを整えないと、発酵はうまく行かず、腐敗してしまうことになった。
【0005】そうした中で、加熱ヒーターや撹拌翼を備えた電気式の生ごみ処理機が製作されるようになり、発酵菌をねかせた木くずやもみがらなどの培養基材を処理機の中に仕込み、その中に生ごみを投入し、撹拌翼を回転させたり、ヒーターで加熱して水分をとばしながら、生ごみを発酵処理するといったことが行われた。好気処理の場合アンモニアなどが発生し、これはこれで、臭いの問題が発生した。
【0006】この発酵処理による問題は、それでも投入生ごみが多い夏場などは、■悪臭が発生する。■できた堆肥の利用先の確保と、利用先までの運搬方法といった問題があった。また■完熟堆肥にするまで時間がかかり広大な場所も必要となった。
【0007】そうした中で、生ごみを発酵処理するのではなく、分解し、COと水に変えてしまうということを銘打った消滅型の処理装置も作られ始めたが、生ごみと言っても、脂っぽいものや動物性蛋白など色々なものがあり、それらすべてが言う通りに消滅することはなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明では、炭水化物はもちろん動物性たんぱく、脂肪分等からなる有機性廃棄物の水分を除去し、保存が良く、運搬にも良い状態に仕上げること、さらに消化分解処理し、時には畜糞などの分解処理もすばやくできる有機性廃棄物の処理方法と処理装置を提供することが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では、上述した目的を実現するために、次のことを考えた。通常有機物から水分を除去するために、乾燥させるとすると、100度以上の温度にしないと、30パーセントくらいの水分しか取れない。熱をかけると、コストが掛かるという点と、資源として再利用するに際して栄養分が破壊されるなどの問題があった。そこで有機物を粉砕する方法が、種々考えられてきたが、粉砕すると、水分が一挙に出てしまい、有機物は嫌気的な環境に於かれ、臭いの問題が課題となった。またその水分を、脱水したりすると、ここでも栄養分の流失と、廃棄される水による環境汚染の問題が将来した。そこでまず、有機物を徐々に粉砕し、水分が、徐々に排出されるようにした。また排出された水分をその粉砕手段で吸収できるようにした。そのような素材で、耐久性のある素材として、竹材を考えた。竹材はきわめてきめの細かい多穴質になっているため、空気を吸引したとき、水分の乾燥にも大変役立つ素材である。
【0010】また、有機物は、細胞膜の中に蓄えた水分は、なかなか吐き出すことがない。機械的な粉砕だけでは、限界があるため、細胞膜を、消化分解することも考えた。有機物は、口の中で噛みくだかれ、ジアスターゼによって、炭水化物はでんぷんに分解される。有機物は、粉砕されることによって消化分解されやすくなる。したがって、適度に粉砕したものを、微生物酵素で分解することを考えた。
【0011】生ごみ等の有機物を粉砕すれば、水分はでるが、緩慢な形でゆっくりと時間をかけて粉砕し、粉砕によって浸み出した水分を、吸収し、水分量が次の酵素による消化分解に適するようなレベルになるように工夫する。
【0012】酵素は、炭水化物だけでなく、たんぱく質、脂肪を分解できるものを準備し、また酵素が活発に働くように、温度やPH調整を行う。温度はヒーターで加熱できるようにし、一方では、消化・分解の化学反応による反応熱も、その加熱手段の1つとして利用する。
【0013】炭酸同化作用で、有機物が出来る過程は、たとえばブドウ糖の場合CO+HO+光のエネルギー→O+HO+C12というように表される。ブドウ糖の分解は、この逆をたどる。
+HO+C12→CO+HO+反応熱つまりこの反応を進めるに当たって、酸素が必要不可欠であるというだけでなく酸素は起動要素となっている。
【0014】そこで、この有機物の消化・分解にあたり、分解した有機物に万遍なく、酸素を届けることが必要であった。本発明では有機物の粉砕手段を粉砕とともに、この取り入れた空気を、すみずみにまで分散分配して行く手段としての役割をもたせた。これは、好季的環境のもとで、有機物を処理していくことになるため、処理中の臭いの問題を解決することになるとともに、酵素による消化分解作用も働かせることが出来た。
【0015】酵素の触媒作用によって、有機物が分解し分解した有機物を栄養素として微生物が増殖し、微生物がその有機物を分解した栄養素をすべて食べ尽くした時点で、微生物自身の自己消化・自己分解が始まる。つまりエサがなくなることによって世代交代的に死んだ微生物を他の微生物がエサとして行くのである。ここで、世代交代的な補充が出来なくなるため、急速に微生物は数を減らしていく。これらの一連の過程で、水とともにCOガスが排出される。
【0016】有機物から自らの細胞の構成炭素を摂取する微生物を従属栄養微生物と言い、有機物を消化分解するに当たっては、この微生物が中心的に働く事になる。これに対し、COガスから炭素を摂取し、同化作用によってここから構成炭素を得ることが出来る微生物を独立栄養微生物という。COが処理雰囲気中に充満すればこの独立栄養微生物が増殖する条件が作られ、従属栄養微生物が働く上で阻害となる。そこで、本発明では、有機性廃棄物の消化分解が行われているすぐ上に排気口を設け、比重の重いCOガスを外に排出していく換気装置を設けCOガスの排出工程を考えた。
【0017】このように本発明は、有機物を緩慢に粉砕する手段として処理槽の内に、竹材による細片素材を投入し撹拌翼によってそれを回転移動させるようにした。この細片素材がお互いにぶつかり合い槽内を移動することによって、有機物がそこにはさまれ、ゆっくりと粉砕されていくようにしている。
【0018】もう1つのポイントは、換気された空気(=酸素)を槽内の隅々にまで送り届ける分散分配手段である。この細片素材は、互いがランダムに接触し、至る所に空隙を作っている。その空隙の場所は、回転のたびに移動する。従って空気(=酸素)も、それに従って移動し、結果として有機物が投入された槽内の隅々にまで、空気(=酸素)を送り届けることが出来るのである。
【0019】竹材は、私たちの実験でも、その重量の20%の水分を吸収し、乾燥すればそれを吐き出す大変便利な素材である。したがって、2cm×3cmぐらいの大きさに細断したものは、有機物を粉砕する手段として使えるだけでなく、粉砕した有機物から排出される水分を吸収し、細片の接触部でできた空隙は、空気を運び分散分配する役割もはたすことが出来る。
【0020】竹材の細片素材は、強い強度をもっているため、細片がたまたま重なり合って撹拌翼に引掛かった時には、回転力にブレーキがかかることがある。そこで本発明では、撹拌翼を装着した回転軸に過負荷がかかったときには、この回転を順方向から逆方向に回転し、過負荷の原因となる細片の重なりを取り払い、再び順方向に回転できる仕組みにした。
【0021】
【発明の具体的な実施例】図1は、本発明の特許請求の範囲第1項に示した有機性廃棄物の処理方式を示すシステム図である。(2)は投入する有機性廃棄物、(4)はその粉砕工程、(6)は換気工程、(8)は換気手段によって水分蒸気を排気する工程、(10)は再利用される有機物資源である。
【0022】図2は、本発明の他の実施例で、粉砕処理だけでなく、微生物酵素の働きも活用したものである。(12)は、送り込む空気を、酵素が働きやすい温度にするための加熱器(14)は、投入する微生物酵素である。(16)は、粉砕する工程を、酵素が働きやすい温度にするための加熱器である。図3は、特許請求の範囲第2項に示した有機性廃棄物の処理装置の概略図である。(26)は処理装置、(28)は処理槽、(30)は回転軸、(32)は攪拌翼、(34)は動力源、(36)は吸引口、(38)は排気口、(40)は有機性廃棄物の投入口である。
【0023】図4は、図3に示した処理装置の処理槽(28)の部分を抜き出し、この中に竹材の細片(42)を投入したときの概略図である。
【0024】以下図1から図4に基づき作用を説明する。処理装置(26)の処理槽(28)の中に竹材を2cm×3cm角で切断した細片を図4のように投入し、処理槽内を4〜6割埋める。この中に有機廃棄物(2)が投入される。この処理槽(28)内に満たされた竹材の細片(42)は図1の破砕工程(4)の構成要素である。動力源(34)によって、回転軸(30)が回転し、それに伴って攪拌翼(32)が回転すると竹材の細片(42)がそれに伴って移動し有機物をまき込み粉砕して行く。これが粉砕工程(4)である。有機物が粉砕されて行くと水分が出るが、それは、この粉砕手段である竹材の細片に吸収されて行く。竹材は、その重量の20%近い水分を吸収することができる。
【0026】粉砕されて行く有機物に別個に用意した消化酵素と微生物(14)からなる液を投入する。これは動物の消化器官を通過した糞尿を処理して作成した。この投入により有機物の酵素による分解工程が始まる。ここでは酵素が働きやすい温度として40℃±5℃くらいが最適であり、加熱器(16)ではヒーターで処理槽(28)を温めることにより、この調整を行っている。
【0027】酵素が充分働くためと、酵素分解の起動要素として酸素が必要となる。好気条件の下で分解が進んで行けば、嫌気発酵による有機酸やアルコールの製造を防ぐことができ、それがすなわちPH調整の役割を担うことになる。これがPH調整(12)である。ここでは、PHは4.0〜7.0に調整することができた。
【0028】有機性廃棄物は、魚のあら、野菜くず、加工食品の残渣、畜糞などと多岐にわたっている。従って炭水化物のほか、動物性、植物性のタンパク質と脂肪を分解する必要がある。そこで炭水化物の加水分解酵素(アミラーゼ,マルターゼ)の他、タンパク質の加水分解酵素(ペプシン,トリプシン,ペプチターゼ)脂肪酸の加水分解酵素(リパーゼ)などが働き分解して行く。
【0029】分解の結果、ブドウ糖やアミノ酸、そして脂肪酸になったものを、栄養素とし、一方で換気工程(6)から取り込んだ空気、(酸素)を条件としつつ微生物が増殖する。この過程で微生物から排出される酵素は酵素による分解工程に補充される。これが微生物の増殖工程である。
【0030】このようにして、有機物が粉砕され、粉砕された有機物が酵素によって分解され、分解されて作り出された栄養素と取り入れられた酵素を基にして、微生物の増殖が行われて行く。この過程で投入された有機物はどんどん減って消えて行くが、投入された有機物の重量はまだ減らない。つまり、有機物が微生物に形を変えているのである。図5の12時間ぐらい経過までがこの時点である。
【0031】分解する有機物がなくなった時点で、増殖した微生物は、世代交代的に死滅した微生物を他の微生物がエサにする微生物の分解・減量工程(22)に入る。こうして最終的には無機物だけが残って行く。
【0032】図1に示した、有機性廃棄物の処理方式はこのようにして進められて行くが、この全工程を通して、排出されるCOガスは、微生物が有機物を分解して行く過程にとって邪魔な存在であり、このCOガスは発生した処理槽内に吸気口(36)を設け排気口(38)から動力源(34)を使って排出するようにしている。この排気作用に伴って新しい空気が槽内に導入される。これを換気工程(6)と呼んでいる。
【0033】また、この消化・分解方式を進めるにあたり、推進エネルギーとなっているのは酸素である。換気工程(18)によって新しい空気、すなわち酸素が槽内に導入されても、有機性廃棄物は、水分を多く含み処理過程の有機物はどうしても嫌気状態となる。それがまたPHを不安定にし、臭気発生の原因となっていた。本発明では、粉砕工程(4)に使用した竹材の細片(42)は相互に接触する中で空隙を作り、その塊が移動する過程で、その新しく取り込んだ空気をまき込み、処理の途中の有機物を細かく分断し、空気、つまり酸素との接触を充分に行う仕組みとなっている。
【0034】これまで有機物を分解処理するにあたり、これを細かく細断すれば、発酵分解等が早く進むことは解かっていた。しかし、それはディスポーザーやジューサーでやるように粉砕してしまえば、発生する水分の処理が大変でできなかった。水分の問題を優先して考えれば、水分調整材としてモミガラや木屑などを利用するということがあったが、そのようなものに混在させれば有機物を粉砕することができなかった。
【0035】それを本発明では、動物や食物を歯で噛み砕くように、まず有機物の粉砕工程を作り、その中で発生する水分を粉砕手段たる竹によって吸収させることを考えた。この消化・分解工程で、反応熱が発生し微生物が活性に働くためには、水分の補給が必要になってくるが、そのときには一度取り込んだ水分を吐き出しそれを利用するという方法を考えた。
【0036】また、この竹材を攪拌翼で攪拌したときに、いくつかの竹材の細片が重なり合って、この回転軸の回転に過負荷がかかることが予想される。そこで本発明では図6に示すような機構を考え、それに対処するようにした。
【0037】通常状態では正逆回転モータ(46)は順方向に正回転している。それに伴い攪拌翼の回転軸(44)も回転している。ここに竹状の細片が引っかかり回転軸(44)が回りづらくなった時、正逆回転モータ(46)の負荷状態を検出する負荷検出機構(48)を設け、ここで過負荷の状態を検出し、検出したときには制御機構(50)に働きかけて正逆回転モータ(46)を逆回転させるようにした。
【0038】逆回転させれば竹材の重なりなども解消できるため、再び自動的に正回転に戻せば正常回転して行くことが保障される。
【0039】
【発明の効果】以上説明して来た如く、本発明は従来発酵分解処理が主流であり、消滅処理としては、うまく処理できていなかった有機性廃棄物の処理方式として新しい処理方式を考え、それを実現する処理装置を提案した。この処理装置を使えば約48hで総重量が5〜10%になるという画期的な成果を得た。(図5参照)この方式で処理すれば従来の処理に見られるような臭気の発生もなく、小さな処理装置で大容量の廃棄物を処理可能であり、また処理後の成果物は有機肥料として使用できる上に、容積的にも少なくなるため、農地への運搬も容易になるという大変な効果がある。
【0040】なお、発明の具体的な実施例で示したものは、あくまで1例であり、本発明は、その内容にとらわれるものではない。
【出願人】 【識別番号】598019118
【氏名又は名称】株式会社グリーンセイジュ
【出願日】 平成13年9月12日(2001.9.12)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−80211(P2003−80211A)
【公開日】 平成15年3月18日(2003.3.18)
【出願番号】 特願2001−322887(P2001−322887)