| 【発明の名称】 |
発酵処理装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】加藤 晃 【住所又は居所】埼玉県日高市原宿721 太平洋セメント株式会社埼玉工場内
【氏名】橋田 好弘 【住所又は居所】埼玉県日高市原宿721 太平洋セメント株式会社埼玉工場内
【氏名】中崎 幸男 【住所又は居所】東京都千代田区西神田3−8−1 太平洋セメント株式会社内
【氏名】高野 博幸 【住所又は居所】千葉県佐倉市大作2−4−2 太平洋セメント株式会社中央研究所内
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| 【要約】 |
【課題】セメントキルン等のセメント製造工場に備えられている設備を、廃棄物の処理のために有効に活かす途を開くことのできる発酵処理装置であって、得られる発酵処理品の排出を円滑に行うことができるようにした発酵処理装置を提供する。
【解決手段】廃棄物を発酵処理するために、内張り煉瓦を撤去したロータリーキルン、あるいはロータリードライヤーを用い、発酵処理品の出口部に、発酵処理品の排出手段350を設けた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 廃棄物を発酵処理するために、内張り煉瓦を撤去したロータリーキルン、あるいはロータリードライヤーを用い、発酵処理品の出口部に、発酵処理品の排出手段を設けてなることを特徴とする発酵処理装置。 【請求項2】 廃棄物を発酵処理するために、内張り煉瓦を撤去したセメントキルン、あるいはセメント製造用ロータリードライヤーを用い、発酵処理品の出口部に、発酵処理品の排出手段を設けてなることを特徴とする発酵処理装置。 【請求項3】 発酵処理品の出口部が、発酵処理品の取出口を備え、上記発酵処理品の排出手段が上記取出口に向けて発酵処理品を排出するようにしたことを特徴とする請求項1または2の発酵処理装置。 【請求項4】 上記発酵処理品の排出手段が、上記発酵処理装置の回転軸を中心として回転可能に支持されており、上記取出口の大きさおよび形状に対応して形成された排出バケット部から成ることを特徴とする請求項3の発酵処理装置。 【請求項5】 上記取出口が、開閉自在の排出扉を備えることを特徴とする請求項3または4の発酵処理装置。 【請求項6】 上記ロータリーキルンあるいはロータリードライヤーの外面は、少なくとも一部が保温材で被覆されていることを特徴とする請求項1および3〜5のいずれかに記載の発酵処理装置。 【請求項7】 上記セメントキルンあるいはセメント製造用ロータリードライヤーの外面は、少なくとも一部が保温材で被覆されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の発酵処理装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、発酵処理装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、厨芥等の有機廃棄物は、その処理量が増大する一方であり、その有効な処理方法および再利用方法に関して多くの試みがなされている。一つの方法として、回転発酵槽を用いて有機廃棄物を発酵処理(コンポスト化)することも提案されている。一方、セメント製造工場は、セメントの需要に応じて操業状態が変動する。セメントの需要が少ない時期には、焼成装置等のうち一部の運転を停止することもあり、それらの活用が課題となっている。このような状況のもと、有機廃棄物をセメント製造工場の保有するセメントキルンまたはセメント製造用ロータリードライヤーで処理することが考えられる。そこで、本発明者らは、セメントキルン等のセメント製造工場に備えられている設備を、廃棄物の処理のために有効に活かす途を開くことのできる発酵処理装置として、特開2001−191060に係る発酵処理装置を開発した。しかし、この装置においても、得られる発酵処理品の排出を円滑に行う工夫が要請されていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に対してなされたものであり、セメントキルン等のセメント製造工場に備えられている設備を、廃棄物の処理のために有効に活かす途を開くことのできる発酵処理装置であって、得られる発酵処理品の排出を円滑に行うことができるようにした発酵処理装置を提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明に係る発酵処理装置では、廃棄物を発酵処理(コンポスト化)するために、高温焼成品を得るためのロータリーキルンのうち内張り煉瓦を撤去したロータリーキルン、あるいはロータリードライヤーを用い、発酵処理品の出口部に、発酵処理品の排出手段を設けてなることを特徴とする。ロータリーキルンとしてはセメントキルンが好ましく、ロータリードライヤーとしてはセメント製造用ロータリードライヤーが好ましい。本明細書中、「廃棄物」というときは、以下の処理対象物を含む概念である。 有機汚泥:下水汚泥、し尿系汚泥(浄化槽汚泥、農業集落排水汚泥)、食品産業排水汚泥、アオコ・底泥等がこの範疇に含まれる。 食品加工残さ:ビールかす、焼酎かす、おから(豆腐かす)、製糖残さ、果汁残さ、コーヒーかす、茶かす、畜産残さ等がこの範疇に含まれる。 林産残さ、植物残さ:パルプ廃液、バーク、おがくず、チップダスト、剪定枝葉、バガス、籾殻、わら類等がこの範疇に含まれる。 生活ゴミ:厨芥類(生ゴミ)、都市収集可燃ゴミ、事業系生ゴミ等がこの範疇に含まれる。 畜産廃棄物:家畜ふん尿、鳥糞等がこの範疇に含まれる。 水産廃棄物:魚腸骨、へい死魚等がこの範疇に含まれる。 以上に列記したもののうち二以上の混合物も廃棄物の概念に含まれる。後述するように発酵処理品を一部戻し、廃棄物に混合して処理する場合には、このような発酵処理品を混合した混合物も廃棄物という。 【0005】本発明ではさらに、発酵処理品の出口部が、発酵処理品の取出口を備え、上記発酵処理品の排出手段が上記取出口に向けて発酵処理品を排出するようにすることが好ましい。また、上記発酵処理品の排出手段を、上記発酵処理装置の回転軸を中心として回転可能に支持し、上記取出口の大きさおよび形状に対応して形成された排出バケット部として構成することが好ましい。本発明に係る発酵処理装置として用いる上記セメントキルン等のロータリーキルンあるいはセメント製造用ロータリードライヤー等のロータリードライヤーの外面は、少なくとも一部を保温材で被覆した形態として実施することが発酵処理を均一かつ効率良く進める上で好ましい。発酵処理品をセメント製造用原燃料として用いる場合には、上記発酵処理装置を工場内に付設したセメント製造工場用の施設として実施することが好ましい。そしてさらに、該発酵処理装置は、セメント製造設備の焼成設備に近接して付設されていることが配管等の上で好ましい。これによって発酵処理で発生する排ガスの焼成設備への導入がし易くなる。 【0006】また、本発明に係る発酵処理装置を、セメント製造用原燃料製造設備として用いることができる。このようなセメント製造用原燃料製造設備は、発酵処理品の貯蔵用タンクを含む形態として実施することが好ましい。このセメント製造用原燃料製造設備は、廃棄物中あるいは発酵処理品中の異物を除去するための異物の分離・除去装置を含む形態として実施することができる。該分離・除去装置は、発酵処理装置の前段または前後段に設けるのが通常であるが、下水汚泥、都市ゴミまたはこれらの両方を処理する場合には、後段のみのほうが効率的である。好ましい実施の形態では、このような異物の分離・除去装置では、プラスチック廃材もセメント製造用原燃料として利用する。これによって、金属系以外の廃棄物の全量をセメント製造用原燃料として利用することができる。また、このセメント製造用原燃料製造設備は、発酵処理装置への給気手段および排気手段を含む形態としても実施することが好気性発酵を維持する上で好ましい。またさらに、このセメント製造用原燃料製造設備では、上記貯蔵用タンクを貯蔵兼発酵処理用タンクとすることができる。また、このような場合は、上記貯蔵用タンクの外面の少なくとも一部を保温材で被覆した形態として実施することが好ましい。そして、この貯蔵用タンクは、その下部に定量引出機を設けると、ここからの引出を調節できるので好ましい。 【0007】さらに、上記セメント製造用原燃料製造設備で、上記貯蔵用タンクを上記貯蔵兼発酵処理用タンクとして使用する場合は、該タンクにエアーを送る給気手段を付設した形態として実施することが好気性発酵を進める上で好ましい。また、このセメント製造用原燃料製造設備は、上記の発酵処理品の貯蔵用タンクに、発酵処理品の一部を上記発酵処理装置へ戻すための手段を付設した形態として実施することもできる。またさらに、上記セメント製造用原燃料製造設備には、貯蔵用タンクに発酵処理品の循環系統を設け、貯蔵用タンク内に循環することが好ましい。これによって、貯蔵用タンク内の好気条件を保つことができるとともに、発酵処理品の混合・均質化を図ることができる。このような循環系統は、異物の分離・除去装置から輸送された発酵処理品を複数の貯蔵用タンクに分割して投入し、複数の貯蔵用タンクからそれぞれ抽出した発酵処理品を合流させ、再度分割して上記複数の貯蔵用タンクに投入することが好ましい。これによって、セメント製造用原燃料の更なる均質化を図ることができる。上記異物の分離・除去装置は、少なくとも一以上の発酵処理品破砕装置(1次破砕機、2次破砕機等)を備えることが好ましい。これによって、発酵処理品の粒度を好適に調整することができる。上記セメント製造工場は、上記セメント製造用原燃料製造設備が付設された形態として実施することができる。なお、本明細書でいう「セメント製造用原燃料」とは、セメント製造に用いる原料および燃料を含む概念である。ただし、「セメント製造用原燃料」の語を使用する場合に、原料または燃料のいずれか一方のみを指す場合であってもこの語を用いることができる。 【0008】 【発明の実施の形態】以下に添付図面に示した実施の形態を参照しながら、本発明に係る発酵処理装置およびそれが実施されるセメント製造用原燃料製造設備およびセメント製造工場を説明する。図1は、本発明に係る発酵処理装置を用いたセメント製造工場の一実施の形態についてその概要を示す。このセメント製造工場では、セメント製造設備100に、本発明の一実施の形態に係る発酵処理装置を採用したセメント製造用原燃料製造設備200を付設している。セメント製造設備100は、ロータリーキルン(セメントキルン)102、クリンカクーラ103、仮焼炉104、サスペンジョンプレヒータ106を主要な設備として含む。 【0009】ロータリーキルン102は、バーナ108を備える。該バーナ108は、後述する発酵処理品、微粉炭等の固体燃料を供給するための図示しない吹き込み風車、重油等の液体燃料を供給するための供給ポンプ110および空気を供給するための図示しない空気吹き込み風車等の空気供給手段を備える。ロータリーキルン102は、円筒型のドラムを図示しない支持ローラで支持し、図示しない電動モータ等の回転手段によって回転できる。そして、セメント原料(セメント調合原料ともいう)の送入部分からセメントクリンカの落口に向かって緩い勾配を持って傾斜して設置されている。セメント原料は、プレヒータ最下段のサイクロン107で捕集された後、投入され、ロータリーキルン102内壁の内張り煉瓦に付着したコーテイング上を回転しながら持ち上げられ、下降し、これを繰り返す。そして、バーナ108で形成される火焔の輻射熱によってセメント原料を焼成する。 【0010】クリンカクーラ103は、ロータリーキルン102から排出されたセメントクリンカを冷却するための手段である。クリンカクーラ103は、数室に区切られており、各室の下部エアー室に設置された冷却用風車112によって供給された空気によって冷却される。 【0011】仮焼炉104は、セメント原料の仮焼を行うための装置であり、セメント原料の仮焼を行うためのバーナ114を備える。バーナ114は、後述する発酵処理品、微粉炭等の固体燃料を供給するための図示しない吹き込み風車、重油等の液体燃料を供給するための供給ポンプ116および図示しない空気吹き込み風車等の空気供給手段を備える。仮焼炉104は、セメント原料の仮焼を行うことによって、脱炭酸率を向上させ、ロータリーキルン102の熱負荷を下げることによって、焼成を確実にし、ロータリーキルン102自体の機械的保護に寄与する。また、これと同時に、ロータリーキルン102からの排熱を有効に活用し、セメント製造工場全体の熱効率を向上させる。 【0012】サスペンジョンプレヒータ106は、セメント原料を予熱するための装置であり、サイクロン107を多段に重ねた構成となっている。各々のサイクロン107において、気体成分と固体成分の分離が行われ、セメント原料をダクト内で気流中にサスペンドしながらセメント原料と気体との間で熱交換を行い、セメント原料の予熱を行う。 【0013】一方、セメント製造用原燃料製造設備200は、廃棄物をセメント製造用の原燃料として有効利用することを目的として廃棄物の発酵処理(コンポスト化)を行うための設備であり、本発明の一実施の形態に係る発酵処理装置202、貯蔵兼発酵処理用タンク204、206を含む。さらに、このセメント製造用原燃料製造設備200は、発酵処理装置202の後段に、異物の分離・除去装置208〜218を備えている。発酵処理装置202は、操業停止中のロータリーキルン(遊休キルン)を活用したものである。この発酵処理装置202も、前述したロータリーキルン102と同様、円筒型のドラムを図示しない支持ローラで支持し、図示しない回転手段によって回転するようにしたものである。一般に、セメント製造に用いられるロータリーキルンは、セメント焼成の際の耐火性能を保つために、内張り煉瓦で内壁を保護している。しかし、本実施の形態に係る発酵処理装置202では、この内張り煉瓦を除去する。この内張り煉瓦を除去することによって、発酵処理装置202内に廃棄物を投入して処理した場合、廃棄物の移動が容易になるとともにロータリーキルンを回転させるための消費エネルギーが大幅に減少する。また、攪拌設備、仕切板の取り付けが容易となる。発酵処理装置202は、内張り煉瓦除去後のロータリーキルンの内径が2〜7mであって、1.0〜6.0%好ましくは1.2〜1.6%の傾斜で設置することが好適である。 【0014】また、発酵処理装置202は、保温材でその周囲を被覆している。これは、発酵用原料を発酵させる際の保温を図り、発酵の促進、均一化を行うためである。被覆する部位としては、発酵処理装置202の外壁全長とするのが好適である。保温材は、ロックウールやグラスウール等の軽量で断熱性のあるものを使用し、発酵処理装置202の外壁を適当な厚みで被覆することが好適である。 【0015】本実施の形態に係る発酵処理装置202の内部は、仕切り板によって4〜5室に仕切られている。通常の運転状態において、三日間、発酵処理装置202に滞留する。上記仕切板は、被処理品である廃棄物を堰き止める一方、通風を確保できる構造、すなわちスリット状、穿孔板状等の通風可能な構造となっている。以上の他、従来のロータリーキルン式発酵装置に内蔵されている攪拌設備、加熱設備、もしくは処理物の移動設備を必要に応じて適宜取り付けることができる。 【0016】発酵処理装置202の入口部は、既設のサスペンジョンプレヒータと切り離されている。そして、そこには、例えば、都市ゴミの投入口220、下水汚泥の投入口222、戻し分の発酵処理品を投入する投入口224および発酵ガス引出口226が設けられている。この発酵ガス引出口226に対しては、排気手段として換気用風車219が設けられ、これによって発酵処理装置202内の発酵ガスを引き出し、セメント製造設備100に送ることができるようになっている。発酵処理装置202の出口部は、既設のクリンカクーラと切り離し、発酵処理品の取出口228を設ける。また、空気吹込口227を設け、この空気吹込口227には、給気手段として空気吹き込み風車229を設け、これによって給気を行うことができる。空気吹き込み風車229は、大気とクリンカクーラ103からのクーラー排気とを適宜混合できるように構成されている。 【0017】ここで、本発明に係る発酵処理装置202の特徴部分である発酵処理品の排出手段の一実施の形態を図3〜図6について説明する。図3に、発酵処理装置202を出口部で内側から見た状態を示す。矢印Aは、発酵処理装置202の回転方向を示している。この実施の形態で、排出手段は、排出バケット部350として形成されている。前記したように発酵処理装置202は、円筒型のドラム351を図示しない支持ローラで回転するように支持している。円筒型のドラム351は、エンドプレート352(出口側)を一体に備える。該エンドプレート352には、前記した発酵処理品の取出口228が2ケ口設けられている。排出バケット部350の大きさおよび形状は、取出口228に対応して形成されている。 【0018】図4に、発酵処理装置202を出口部で外側から見た状態を示す。図に示すように、取出口228には、開閉自在のダンパ扉353が設けられている。該ダンパ扉353は、図4、図5に示すように、油圧シリンダ354および関連するリンク機構によって開閉自在となっている。開閉のためのリンク機構は、当業者にとって公知の機構を用いることができる。さらに、図6は、図3のVI−VI線による矢視図であり、排出バケット部350を見下ろした状態で表わしている。 【0019】図3〜図6を参照して了解されるように、排出バケット部350は、長方形の底部プレート355、ヒサシ状プレート356、サイドプレート357、上記エンドプレート352および上記ドラム351の壁面358によって構成されている。底部プレート355は、図5、図6に示すようにドラム351の軸方向に向けて延長し、ドラム351の軸心に向けて立ち上がるように形成されている。ヒサシ状プレート356は、図3、図5に示すように底部プレート355の軸心側端部を起点として軸心側に向けて斜め方向に向けて末広状に延長している。サイドプレート357は、図3、図5に示すようにヒサシ状プレート356、底部プレート355、壁面358に連続して、ヒサシ状プレート356に同じく末広状に延長している。排出バケット部350は、上記のように構成されることによって、ドラム351の回転に伴って一体に回転する。すなわち、発酵処理装置202の回転軸を中心として回転可能に支持されていることとなる。なお、図4に表れたパイプ状の要素359は、空気の送り込み用配管である。 【0020】なお、上記した発酵処理装置202の入口部の投入口220、222、224は、原料投入時以外密閉され、発酵ガス引出口226、空気吹込口227、発酵処理品の取出口228も通風を行う時以外は、密閉され、発酵処理装置202は、基本的に密閉構造とする。 【0021】上記貯蔵兼発酵処理用タンク204、206は、発酵処理装置202と同様の保温材でその周囲を被覆する。これは、発酵処理装置202での発酵をさらに進めるための保温を図り、発酵の促進を行うためである。被覆する部位としては、その外壁全長とするのが好適である。 【0022】さらに、この貯蔵兼発酵処理用タンク204、206にも図示しないエアー供給手段を設けている。好気条件を確保し、養生を促進するためである。発酵処理装置202における発酵は、コンポスト化という観点からは、いわゆる一次発酵と呼ばれる処理であり、必要に応じて発酵をさらに進めることにより、いわゆる二次発酵まで終了させれば、堆肥としての製品化も可能である。貯蔵兼発酵処理用タンク206には定量引出機を設けている。定量引出機からの発酵処理品は、セメント製造設備100への供給ライン230と、発酵処理装置202への戻しライン232のいずれにも供給可能となっている。 【0023】発酵処理装置202の後段に設けられた機器208〜218は、発酵処理品から金属等のコンポスト化せず、セメント製造用の原燃料としては無用な異物を除去するための異物の分離・除去装置である。ベルトコンベア209に付設された磁選機208は、ベルトコンベア234、スキップコンベア236によって運ばれてくる発酵処理品から磁石によって主として鉄を除去するためのものである。なお、この磁選機208は、この実施の形態では一段のみ設けているが2以上の多段のものとしても設計できる。一次破砕機210は、このような鉄を除いた発酵処理品を一次破砕し、後のトロンメル212における篩分けを効率的なものとするための装置である。トロンメル212は、回転篩であり、発酵処理品として適度の粒度合いを備えた発酵処理品をセメント製造用原燃料として篩い分けるための装置である。発酵処理品は、ベルトコンベア238を介して240に送られる。高ガウス選別機214は、トロンメル212からのステンレス、アルミニウム等を包含する部分を受ける装置である。この装置は、ステンレスとその他のものとに被処理品を分ける。その他のものとは、アルミニウムとセメント製造用原燃料とを包含する部分である。アルミニウム選別機216は、ステンレスを除去した後の部分から、アルミニウムとセメント製造用原燃料として適する部分を分けるための装置である。トロンメル212で回収しきれなかったこのような部分をここで回収することができる。このセメント製造用原燃料として適合する部分は、二次破砕機218に送られる。二次破砕機218は、一次破砕機210で破砕しきれなかったセメント製造用原燃料適合部分を好適な粒度に調整するための装置である。ここで得られたセメント製造用原燃料は、ベルトコンベア239を介してベルトコンベア240に送られる。発酵処理装置202の後段のこれらの異物の分離・除去装置は、換気手段を設けた建屋の中に設置し、できるだけ外部に発酵処理品等からの臭気が漏れないようにする。 【0024】次に、以上の構成を備えたセメント製造工場の作用について説明する。本実施の形態では、セメント製造工場内に設置された上記したセメント製造用原燃料製造設備200で、セメント製造用原燃料を製造する。セメント製造用原燃料製造設備200の発酵処理装置202には、都市ゴミの投入口220から都市ゴミを投入する。投入する都市ゴミの成分は、水分15〜60重量%、可燃分30〜60重量%、灰分3〜30重量%が好ましい。投入する際、都市ゴミの破袋等の前処理は行わない。さらに、都市ゴミに加えて下水汚泥の投入口222から下水汚泥を投入する。投入する下水汚泥の成分は、水分50〜90重量%、可燃分6〜35重量%、灰分2〜15重量%が好ましい。都市ゴミと下水汚泥を同時に投入するのは、都市ゴミと下水汚泥を同時に処理することにより、廃棄物処理の効率化を図るとともに、下水汚泥の持つ水分によって発酵用原料としての含水率を適切に調整し、発酵状態を良好に保つためである。仮に、発酵適性含水率を45〜60重量%とした場合、混合物中の下水汚泥の比率は、重量比で0〜85%が好適である。なお、混合物中の可燃分は、10〜60重量%、灰分は、2〜30重量%が好ましい。なお、必要に応じて、肥料(尿素、硫安、塩化アンモニウム等)、水、水分調整材(稲わら、もみがら、おがくず、紙、木片等)、空隙保持用の切断ゴムタイヤ等を添加する。発酵菌は、発酵処理品を原料戻しすることによっても供給することができる。 【0025】さらに、本実施の形態では、貯蔵兼発酵用処理タンク206から発酵処理品の一部をライン232を通じて発酵処理装置202に戻す。これは、発酵処理装置202内の菌体の安定化を図り、発酵処理品の品質を安定させる等の目的のためである。 【0026】廃棄物は、発酵処理装置202内の4〜5室のうち、まず最も入口部に近い部屋に投入される。各室の間には仕切りがあるが、廃棄物は、その仕切りに設けられた開口部を通して各部屋間を移動して行く。そして、三日間経過後取出口228から発酵処理品を取り出す。前述したように、発酵処理装置202は、1.0〜6.0%の傾斜を持って設置されており、その回転によって、発酵中の被処理物は容易に移動する。なお、発酵処理期間中、発酵処理装置202は、例えば内張り煉瓦を撤去した内径を4〜5mとして、0.5〜3.0rpmのスピードで回転させることが好ましい。 【0027】発酵中、入口部側の部屋では、自然界にどこにでも生息する発酵菌(好熱性細菌、一般細菌、放線菌類)により、易分解成分の好気的分解作用のような機序によって発酵(コンポスト化)が進行し、24時間以内に投入原料の温度が場合によって70℃にまで達する。そして、発酵処理装置202内において、原料である廃棄物は、一般に一次発酵と呼ばれる発酵工程を完了する。すなわち、好気的条件下で不安定な有機物(炭水化物、タンパク質等)が悪臭の少ない貯蔵のきく安定な物質へと変換される。なお、上記した部屋の温度は、適切な温度センサーでモニターする。そして、給気手段によって供給するエアーの温度、廃棄物の投入割合等をモニターされた温度に対応して制御することにより、発酵処理装置202内の温度を適切に調整することができる。発酵処理中、発酵処理装置202が上記した回転速度で回転することによって、都市ゴミのゴミ袋等の袋は破袋し、発酵処理に支障を来すことはない。このようなゴミ袋等は、発酵処理装置202の回転によって掻き上げられ、落下し、落下を繰り返すことによって、ほとんどのものが最初の室で破袋する。 【0028】一方、発酵処理中、発酵ガス引出口226からは、換気用風車219によって発酵処理装置202内の発酵ガスを引き出し、配管を通じてセメント製造設備100の仮焼炉104等に送る。これによって、発酵工程で発生するアンモニア等が分解され、排ガスが脱臭される。また、発酵処理品の出口側に設けた空気吹込口227から空気吹き込み風車229によって給気を行ない、発酵処理装置202内の好気条件を保つ。これによって、好気性菌による発酵を維持することができる。ここで、前述したように空気吹き込み風車229は、大気とクリンカクーラ103のクーラー排気とを適宜混合できるように構成されているので、給気の際の温度を適切に設定することができる。50℃以上の温度で一日暴露すると、各種の有害菌は殺菌もしくは不活性化されて衛生的に安全である。一方、好気性菌の発酵速度は、60℃程度で最も促進される。これらを勘案すると、温度を55〜60℃程度に制御することが好適といえる。そこで、大気の温度に応じて、適宜クーラー排気の添加割合で調整し、供給する空気の温度を適切に設定することができる。この他、上記給気における空気をセメント製造装置で発生する種々の廃熱で予熱しつつ給気を行っても良い。 【0029】以上のような三日間の発酵経過後、発酵処理品の好適な性状は、以下の通りである。大腸菌群数(衛生指標微生物、JISK0102−1993に規定される工場排水試験方法−細菌試験により定量する。):103個/g以下この指標は、チフス菌、サルモネラ菌等の有害菌が存在しないことの指標であり、この値を満足することによってこのような有害菌の不存在を確認できる。有機性廃棄物の粒度組成:20mm以下のものが90%(重量比)以上セメント製造用原燃料として用いるためには、この程度の粒度組成を満たすことが好ましい。発酵処理品の組成は、含水率40〜60重量%、可燃分10〜55重量%、灰分4〜20重量%に調整することが好ましい。発熱量は、1,500kcal/kg(乾燥ベース)以上となることが好ましい。このような仕様を満足する発酵処理品であれば、セメント製造用原燃料として特段さらなる処理を施さなくても、投入位置に投入することもできる。 【0030】このような発酵処理品は、前記した排出バケット部350により、取出口228から排出される。図3のように、矢印Aの方向でドラム351が回転することにより、排出バケット部350も一体に回転する。すると、発酵処理品は、排出バケット部350にある程度蓄積されることとなる。ここで、ダンパ扉353を開くことにより、取出口228から発酵処理品が排出されることになる。本発明者らは、このように排出バケット部350を設けた場合、設けない場合に比べて少なくとも5倍の排出速度になることを確認している。すなわち、この実施の形態によれば、得られる発酵処理品の排出を円滑に行うことができる。 【0031】以上のようにして得られた発酵処理品は、磁選機208、高ガウス選別機214、アルミニウム選別機216によって、鉄、ステンレス、アルミニウムを除去し、これらの再資源化を図る。さらに、一次破砕機210と二次破砕機218とによって、発酵処理品を適切な粒度に調整する。このように破砕装置を多段に設けることによって、セメント製造用原燃料として用いる際の品質を好適なものとすることができる。また、本発明では、プラスチック廃棄物は除去していない。これは、プラスチック廃棄物をそのままセメント製造用原燃料の一部として利用する意図からである。これらの一、二次破砕機210、218を用いることによって、プラスチック廃棄物も適度の大きさに寸断される。ベルトコンベア240で回収した発酵処理品は、セメント製造用原燃料として貯蔵兼発酵処理用タンク204、206に送られる。本実施の形態では、バケットエレベータ242、243によって寸胴型の貯蔵兼発酵処理用タンク204、206に発酵処理品を送る。これらの貯蔵兼発酵処理用タンク204、206に送られた発酵処理品は、循環系統によって循環される。すなわち、タンク204、206の下にはベルトコンベア244、246が設けられており、これらに一部取り出された発酵処理品は、バケットエレベータ248で垂直輸送され、再度貯蔵兼発酵処理用タンク204、206に循環される。これによって、好気状態が保たれ、このような混合処理により発酵処理品のセメント製造用原燃料としての均質化を図ることができる。そして、発酵処理品は、ベルトコンベア250を経て、ライン230からセメント製造設備100にセメント製造用原燃料として供給され、あるいは一部ライン232を経て発酵処理装置202に戻される。 【0032】一方、上記セメント製造設備100では、セメント製造用原燃料製造設備200の運転と併行してセメント原料の処理を行う。すなわち、サスペンションプレヒータ106における各サイクロン107でセメント原料の予熱、仮焼炉104で仮焼、ロータリーキルン102で焼成を行う。本実施の形態では、ロータリーキルン102における焼成のための燃料もしくは仮焼炉104における仮焼のための燃料として、得られたセメント製造用原燃料を貯蔵兼発酵処理用タンク206からライン230を通して、ロータリーキルン102の窯尻または仮焼炉104に供給する。また、発酵処理装置202からの発酵ガスを仮焼炉104(ロータリーキルン102でも良い)に送り、高熱下で脱臭を行う。このような脱臭操作によって、脱硝の効果も得られる。なお、異物の分離・除去装置を囲む建屋からの空気も同様に脱臭することができる。 【0033】他の実施の形態本発明に係る発酵処理装置および該発酵処理装置を用いたセメント製造用原燃料製造設備、セメント製造工場は、図1の実施の形態について説明したが、本発明は、このような実施の形態に限定されるものではなく、当業者にとって自明な修飾・変更・付加は、全て本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、上記実施の形態では、処理対象を都市ゴミとしたが、コンポスト化が可能な他の有機廃棄物であっても勿論本発明を実施することができる。 【0034】上記実施の形態では、ロータリーキルン(セメントキルン)を発酵処理装置として用いたが、セメント製造用ロータリードライヤーを用いることもできる。このロータリードライヤーは、セメント製造では、原料の乾燥をするために使われているものである。図2にロータリードライヤーを含むセメント製造工場の一実施の形態についてその一部を示す。ロータリードライヤー300は、石灰石、粘土類等のセメント原料を供給ライン302から供給され、その乾燥を行う。乾燥は、供給ライン304から供給されるロータリーキルン等からの排ガスの持つ廃熱で行う。ロータリードライヤー300からの排ガスは、電気集塵機306で除塵され、煙突308から排出される。乾燥後の原料は、原料粉砕機310で粉砕した後、所定の粒度のものがセパレータ312で分離された後、ライン314を通して後段の均一化、予熱、仮焼、焼成の各工程に送られる。このようなロータリードライヤー300もセメントキルン(ロータリーキルン)と同様、遊休のものがあれば使用することができる。また、必要に応じて、これらを併用することも可能である。このロータリードライヤーも前記発酵処理装置202と同様の形態で使用することができる。もちろん、本発明の特徴部分である排出手段を設けることもできる。すなわち、図3〜図6と同様の排出バケット部を設けることができる。 【0035】排出バケット部の形状および数は、上記実施の形態に限られるものではない。すなわち、発酵処理品の取出口の形状、数に合わせて設定することができる。 【0036】上記発酵処理装置202は、ロータリーキルンの入口/出口をセメント製造時と同一としているが、必ずしも同一でなくても良い。これを逆転して用いることもできる。そのような際は、ロータリーキルン又はロータリードライヤーの傾斜を逆転させて使用する必要がある。 【0037】上記発酵処理装置202は、4〜5に区分し、発酵処理を三日間行うこととしている。しかし、区分の仕方はこれに限定されない。場合によって、3室以下のより少ない区分、または6室以上のより多い区分とすることもできる。また、発酵処理期間は、三日日に限らず、有害な微生物が死滅するのであれば、三日間未満のより少ない期間であっても良い。セメント製造用原燃料として使用する目的の場合、いわゆる一次発酵が終了していれば良く、完全な堆肥化までは必要がないからである。なお、完全な堆肥化を図る場合には、前述したように貯蔵兼発酵処理用タンクを利用して熟成することができる。上記貯蔵兼発酵処理用タンク204、206は、二つを設けているが、さらに複数のものを設けるようにすることもできる。また、これらのタンク204、206は、内蔵物を取り出しやすくするため寸胴型のものとしたが、末広型のものとすることができる。より内蔵物を取り出しやすくするためである。貯蔵用タンクとしては、この他セメントキルンに併設されていたプレヒータ設備を用いることができる。プレヒータ設備としては、仮焼炉、サイクロン、ダクト部等を挙げることができる。このようなプレヒータ設備も、貯蔵用タンクとして用いる場合には、内張り煉瓦を撤去する等適切な変更を施すことが好適である。発酵処理品は、図1の実施の形態では、一部を発酵処理装置202に戻すこととしているが、場合によって必ずしも戻す必要はない。図1の実施の形態では実施されていないが、貯蔵兼発酵処理用タンク204、206からの発酵ガスをセメント製造装置100に戻し、脱硝剤として、発酵処理装置202からの発酵ガスと同様に活用することもできる。この場合、貯蔵兼発酵処理用タンク204、206にも排気手段を設ける。図1の実施の形態では実施されていないが、発酵処理品は、セメント調合原料の一部として、セメント調合原料の製造工程へ投入することも可能である。 【0038】 【発明の効果】上記したところから明かなように、本発明によれば、セメントキルン等のセメント製造工場に備えられている設備を、廃棄物の処理のために有効に活かす途を開くことのできる発酵処理装置であって、得られる発酵処理品の排出を円滑に行うことができるようにした発酵処理装置が提供される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000240 【氏名又は名称】太平洋セメント株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区西神田三丁目8番1号
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| 【出願日】 |
平成13年9月17日(2001.9.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100099623 【弁理士】 【氏名又は名称】奥山 尚一 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−80209(P2003−80209A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月18日(2003.3.18) |
| 【出願番号】 |
特願2001−281558(P2001−281558) |
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