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【発明の名称】 有機性廃棄物の処理方法および処理装置
【発明者】 【氏名】戸倉 伯之
【住所又は居所】千葉県柏市十余二508番8号 株式会社日立空調システム事業統括本部環境技術推進部内

【氏名】千秋 隆雄
【住所又は居所】東京都千代田区神田須田町1丁目23番地2 株式会社日立空調システム事業統括本部環境技術推進部内

【要約】 【課題】脱窒処理のために必要な脱窒菌の栄養源として高価なメタノールを外部から添加することなしに脱窒処理が行えるようにする。

【解決手段】有機性廃棄物を微生物は発酵分解槽3で発酵分解処理される。この際に発生するアンモニアガスは硝化槽17及び脱膣槽18により生物脱臭方式で硝化・脱窒処理される。脱窒処理工程では、メタノールなど栄養源を外部から供給せずに、有機性廃棄物の発酵処理、或いは破砕処理時に発生した排液14を脱窒菌の栄養源として排液供給管15から脱膣槽に供給する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】生ごみ、食品加工残渣などの有機性廃棄物を微生物によって発酵分解処理する有機性廃棄物の処理方法において、有機性廃棄物を微生物によって発酵分解処理する工程と、前記発酵分解処理工程時に発生するアンモニアガスを硝化処理する工程と、硝化処理で発生した硝化液を脱膣処理する工程と、を有し、前記硝化及び脱窒処理工程は生物脱臭方式により行うと共に、前記脱窒処理工程で必要となる脱窒菌の栄養源として、前記有機性廃棄物の発酵処理中に発生した排液を供給することを特徴とする有機性廃棄物の処理方法。
【請求項2】請求項1において、生ごみ、食品加工残渣などの有機性廃棄物を破砕処理する破砕処理工程を更に有し、この破砕処理工程で破砕処理された有機性廃棄物が前記発酵分解処理工程に供給されることを特徴とする有機性廃棄物の処理方法。
【請求項3】生ごみ、食品加工残渣などの有機性廃棄物を微生物によって発酵分解処理する有機性廃棄物の処理方法において、前記有機性廃棄物を破砕処理する破砕処理工程と、この破砕処理工程で破砕処理された有機性廃棄物を微生物によって発酵分解処理する工程と、前記発酵分解処理工程時に発生するアンモニアガスを硝化処理する工程と、硝化処理で発生した硝化液を脱膣処理する工程と、を有し、前記硝化及び脱窒処理工程は生物脱臭方式により行うと共に、前記脱窒処理工程で必要となる脱窒菌の栄養源として、前記破砕処理工程で生じた分離液を前記脱窒処理工程での脱窒菌の栄養源として供給することを特徴とする有機性廃棄物の処理方法。
【請求項4】生ごみ、食品加工残渣などの有機性廃棄物を微生物によって発酵分解する有機性廃棄物の処理装置において、有機性廃棄物を微生物によって発酵・分解処理する発酵分解槽と、該発酵分解槽で発生したアンモニアガスを硝化処理する硝化槽と、該硝化槽で発生した硝化液を脱窒処理する脱膣槽と、前記有機性廃棄物の発酵処理中に発生した排液を前記脱膣槽に供給する排液供給手段とを備えることを特徴とする有機性廃棄物の処理装置。
【請求項5】生ごみ、食品加工残渣などの有機性廃棄物を微生物によって発酵分解する有機性廃棄物の処理装置において、生ごみ、食品加工残渣などの有機性廃棄物を破砕処理する破砕処理装置と、この破砕処理装置で破砕処理された有機性廃棄物を微生物によって発酵・分解処理する発酵分解槽と、該発酵分解槽で発生したアンモニアガスを硝化処理する硝化槽と、該硝化槽で発生した硝化液を脱窒処理する脱膣槽と、前記破砕処理装置で分離された排液を前記脱窒槽での脱窒菌の栄養源として供給するための排液供給手段とを備えることを特徴とする有機性廃棄物の処理装置。
【請求項6】生ごみ、食品加工残渣などの有機性廃棄物を微生物によって発酵分解する有機性廃棄物の処理装置において、有機性廃棄物を微生物によって発酵・分解処理する発酵分解槽と、該発酵分解槽で発生したアンモニアガスを硝化細菌及び脱膣菌などにより硝化・脱膣処理する生物脱臭処理装置と、前記有機性廃棄物の発酵処理中に発生した排液または生ごみ・食品加工残渣などが破砕処理されて生じた排液を脱窒菌の栄養源として前記生物脱臭処理装置に供給する排液供給手段とを備えることを特徴とする有機性廃棄物の処理装置。
【請求項7】生ごみ、食品加工残渣などの有機性廃棄物を微生物によって発酵分解処理する有機性廃棄物の処理方法において、有機性廃棄物を微生物によって発酵分解処理する際に発生するアンモニアガスを硝化・脱窒処理する生物脱臭工程において、脱窒処理工程で必要となる栄養源として、メタノールなど栄養源を外部から供給せずに、有機性廃棄物の発酵処理中に発生した排液を脱窒菌の栄養源として供給するようにしたことを特徴とする有機性廃棄物の処理方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば生ゴミ、食品加工残渣などの有機性廃棄物を微生物によって発酵分解処理する有機性廃棄物の処理方法および処理装置に関し、特に有機性廃棄物を発酵分解処理する際に発生する臭気(アンモニアガス等)を生物脱臭方式により処理するものに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、生ゴミ等の有機性廃棄物は焼却または埋立による処理がほとんどであった。近年、処分場の不足、ダイオキシン問題等により、廃棄物の減量化や資源リサイクルが進みつつあり、有機性廃棄物を微生物によって発酵分解する生物的処理が積極的に行われるようになった。微生物によって生ごみ等の有機性廃棄物が発酵分解されると、アンモニア等の臭気が発生する。この臭気を除去するために様々な脱臭装置が利用されている。この脱臭方式としては、活性炭等を利用した吸着方式、酸化触媒等を利用した触媒方式、化学薬品を用いる中和方式などの物理化学的脱臭方式が主に利用されてきた。この種従来技術としては特開平8−57456号公報に記載されたものなどがある。
【0003】また、前記脱臭方式として、最近、微生物によって臭気成分を分解する生物脱臭方式も検討されている。この生物脱臭方式は、微生物が生息している液相または固相中に臭気成分を通すことにより処理する方式であり、土壌脱臭方式、充填塔方式、ばっ気方式などがある。
【0004】有機性廃棄物を微生物によって発酵分解処理する際に発生する臭気成分の主成分となるアンモニアを生物脱臭処理する場合は、硝化細菌などの微生物によりアンモニアを好気的に亜硝酸や硝酸に酸化分解する(硝化処理)。この処理が連続的に続くと、亜硝酸や硝酸による酸性化や硝酸塩などが蓄積し、硝化細菌の活性が低下する。このため、前記充填塔方式やばっ気方式では処理水の交換などが必要となる。しかし、亜硝酸や硝酸を含んだ処理水は、河川や湖沼などの汚染原因となる栄養塩類であることから、亜硝酸や硝酸から窒素を除去(脱窒処理)し、無害な窒素ガスとして処理する試みが為されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記生物脱臭方式において、脱膣処理工程では、嫌気的条件下で脱窒菌によって亜硝酸や硝酸から窒素を除去し、窒素ガスを大気に放出するものである。この処理において、脱窒菌が増殖するためにはBOD成分を含んだ栄養源が必要となる。しかしながら、上記のような生物脱臭方式に使用されている充填塔方式やばっ気方式では処理水中にBOD成分が含まれることはほとんどないため、脱窒処理のためには別途脱膣菌の栄養源を供給する必要があった。
【0006】このため、脱窒処理を行う場合、脱窒菌の栄養源としてメタノールなどを添加することが考えられているが、ランニングコストが大きくなるという問題があった。
【0007】本発明の目的は、生ごみなどの有機性廃棄物を発酵分解処理する際に発生するアンモニアを生物脱臭方式によって処理するものにおいて、脱窒処理のために必要な脱窒菌の栄養源として高価なメタノールなどを外部から添加することなしに効率よく脱窒処理が行える有機性廃棄物の処理方法および処理装置を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明の第1の特徴は、生ごみ、食品加工残渣などの有機性廃棄物を微生物によって発酵分解処理する有機性廃棄物の処理方法において、有機性廃棄物を微生物によって発酵分解処理する工程と、前記発酵分解処理工程時に発生するアンモニアガスを硝化処理する工程と、硝化処理で発生した硝化液を脱膣処理する工程と、を有し、前記硝化及び脱窒処理工程は生物脱臭方式により行うと共に、前記脱窒処理工程で必要となる脱窒菌の栄養源として、前記有機性廃棄物の発酵処理中に発生した排液を供給することにある。
【0009】なお、生ごみ、食品加工残渣などの有機性廃棄物を破砕処理する破砕処理工程を更に設け、この破砕処理工程で破砕処理された有機性廃棄物が前記発酵分解処理工程に供給されるようにしても良い。この場合には、前記脱窒処理工程で必要となる脱窒菌の栄養源として、上述した有機性廃棄物の発酵処理中に発生した排液を供給する代わりに、または前記排液と共に、前記破砕処理工程で生じた分離液を供給するようにしても良い。
【0010】本発明の第2の特徴は、生ごみ、食品加工残渣などの有機性廃棄物を微生物によって発酵分解する有機性廃棄物の処理装置において、有機性廃棄物を微生物によって発酵・分解処理する発酵分解槽と、該発酵分解槽で発生したアンモニアガスを硝化処理する硝化槽と、該硝化槽で発生した硝化液を脱窒処理する脱膣槽と、 前記有機性廃棄物の発酵処理中に発生した排液を前記脱膣槽に供給する排液供給手段とを備えることにある。
【0011】本発明の第3の特徴は、生ごみ、食品加工残渣などの有機性廃棄物を微生物によって発酵分解する有機性廃棄物の処理装置において、生ごみ、食品加工残渣などの有機性廃棄物を破砕処理する破砕処理装置と、この破砕処理装置で破砕処理された有機性廃棄物を微生物によって発酵・分解処理する発酵分解槽と、該発酵分解槽で発生したアンモニアガスを硝化処理する硝化槽と、該硝化槽で発生した硝化液を脱窒処理する脱膣槽と、前記破砕処理装置で分離された排液を前記脱窒槽での脱窒菌の栄養源として供給するための排液供給手段とを備えることにある。
【0012】本発明の第4の特徴は、生ごみ、食品加工残渣などの有機性廃棄物を微生物によって発酵分解する有機性廃棄物の処理装置において、有機性廃棄物を微生物によって発酵・分解処理する発酵分解槽と、該発酵分解槽で発生したアンモニアガスを硝化細菌及び脱膣菌などにより硝化・脱膣処理する生物脱臭処理装置と、前記有機性廃棄物の発酵処理中に発生した排液または生ごみ・食品加工残渣などが破砕処理されて生じた排液を脱窒菌の栄養源として前記生物脱臭処理装置に供給する排液供給手段とを備えることにある。
【0013】本発明の第5の特徴は、生ごみ、食品加工残渣などの有機性廃棄物を微生物によって発酵分解処理する有機性廃棄物の処理方法において、有機性廃棄物を微生物によって発酵分解処理する際に発生するアンモニアガスを硝化・脱窒処理する生物脱臭工程において、脱窒処理工程で必要となる栄養源として、メタノールなど栄養源を外部から供給せずに、有機性廃棄物の発酵処理中に発生した排液を脱窒菌の栄養源として供給するようにしたことにある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的実施例を図面により説明する。◆図1は、本発明の一実施例に係る有機性廃棄物の処理装置を示すもので、有機性廃棄物の処理装置1は、生ごみなどの有機性廃棄物を発酵分解処理する発酵・分解槽(以下発酵分解槽という)3、この発酵分解槽3で発生する有機性廃棄物のBODを含む排液を貯留するためのBOD排液槽2、前記発酵分解槽3で発生するアンモニアガスを除去分解する生物脱臭装置(硝化槽17及び脱窒槽18)等で構成されている。
【0015】発酵分解槽3は、有機性廃棄物(被処理物)の投入扉4、被処理物を攪拌するための攪拌機5、発酵・分解処理を促進させるための加熱ヒータ6、処理槽内の温度を監視しその制御をするために設けられたサーミスタ7及び温度調節器8などから構成されている。発酵分解槽3内には処理物の水分調整材として木材チップやおがくず等の基材(または母材)9と呼ばれるものが充填されており、発酵・分解に関与する複数の微生物が存在する種菌と呼ばれるものが添加されていることもある。基材は、水分調整材としての役割の他、微生物の生息・増殖場所にもなる。また、発酵・分解を行う微生物は、好気条件下で且つ通常の微生物より高い温度条件下で働くことのできる好気性・好熱性のバチルス属細菌が支配的になることが多い。
【0016】発酵・分解処理工程について説明する。まず、有機性廃棄物である生ごみ等の被処理物10が発酵分解槽3の投入扉4から投入される。発酵分解槽内の攪拌器5はその軸をチェーンベルト等によってモータ(図示せず)と連結しており、被処理物10は攪拌器5によって基材9と攪拌混合され、微生物の働きやすい含水率(50〜60%が好ましい)に水分調整される。更に、攪拌によって被処理物全体に空気が供給され、好気条件を作り出すようにしている。更に、攪拌と同時に発酵分解槽3の周囲に設けられた加熱ヒータ6とサーミスタ7により、槽3内が発酵分解を行う微生物の最適温度である60℃前後に均一に調整され、微生物の発酵分解が活発となる。なお、被処理物10中に病原性などを有した有害微生物が生息していた場合、この加熱処理によりそれらは死滅または不活性化される。
【0017】微生物による発酵分解の反応過程は被処理物の成分により異なるが、生ごみ中の炭水化物やタンパク質は、微生物から分泌された酵素によりそれぞれブドウ糖、アミノ酸に変化し、微生物によって吸収されるか、または炭酸ガスと水などに分解される。ただし、アミノ酸の分解過程ではアンモニアなどが生成され、臭気として発生する。これら反応の一例は以下の式(1)及び式(2)で表される。
【0018】
(炭水化物)→(ブドウ糖): C12+6O →6CO + 6HO …(1)
(タンパク質)→(アミノ酸): CxHyNzOp+aO →CuHvNwOq+bCO+dHO+eNH…(2)
その他、有機性廃棄物の発酵分解時には硫化水素、メチルメルカプタン、硫化メチルなどの硫黄系臭気が発生する場合もあるが、アンモニアが主な臭気成分となる。
【0019】次に、有機性廃棄物のBOD排液槽2、硝化槽17、脱窒槽18の構造と動作について説明する。◆BOD排液槽2は、排液管12を介して発酵分解槽3内の底部に設けられた排液排出部11に接続されている。排液排出部11にはフィルタや多孔板13などが設けられ、発酵分解槽3内で基材9に吸収されずに透過した有機性廃棄物の排液14はこの排液排出部11を通してBOD排液槽3に排出される。BOD排液槽3には排液供給管15が接続され、この排液供給管15と排液供給ポンプ16によりBOD排液槽3内の有機性廃棄物の排液は脱窒槽18に供給される。
【0020】この排液中のBOD濃度は200〜400mg/l 程度であるが、脱窒槽18への供給量は、脱窒槽において適切な処理ができるように調整することが好ましい。例えば、脱窒槽内にBODセンサを設け、脱窒槽内のBOD濃度を検知することによって排液供給ポンプ16の運転を制御するようにすると良い。
【0021】硝化槽17は、発酵分解槽3内上部に、原ガス配管19及びエアポンプ20を介して接続されている。硝化槽17は充填塔型とよばれる構造になっており、槽17内には多孔質セラミック、プラスチック、軽石などの充填材21がパンチング板などによる支持材31上に充填されている。この充填材21には亜硝酸菌や硝酸菌などの硝化細菌が付着している。
【0022】また、硝化槽17内の上部には散水部22が設けられ、底部には硝化槽内で生成した硝化液が溜められる受水部23が設けられている。受水部23の硝化液は硝化液供給配管24及び硝化液供給ポンプ25を介して脱窒槽18に供給される。脱窒槽18の内部には硝化槽内の前記散水部22に供給するための水が溜められ、また脱窒菌が固定化された担体26が収容されている。この担体26を脱窒槽内で流動させるために、攪拌装置27が脱膣槽に設置されている。
【0023】脱窒槽18と硝化槽17内の前記散水部22とは戻り配管28で接続され、散水ポンプ29により脱膣槽内の水分が硝化槽内に戻され、散水部22から充填材21に散水されるように構成されている。なお、戻り配管28に担体26が吸い込まれないように、戻り配管の吸込口にはフィルタ30が設けられている。
【0024】硝化槽17の作用について説明する。発酵分解槽3内で発生したアンモニアを含んだ原ガスが原ガス配管19及びエアポンプ20を介して硝化槽17に供給される。一方、脱窒槽18内の水が戻り配管28及び散水ポンプ29を介して硝化槽17内の散水部22に供給され、槽内上部から充填材21に連続的または間欠的に散水される。硝化槽に供給された原ガス中のアンモニアは充填材21を通過しながら散水中の水や充填材に付着した水に溶解され、硝化細菌によってアンモニア態窒素が好気的条件下で亜硝酸や硝酸に酸化される。生成した亜硝酸や硝酸は散水部からの散水によって充填材から洗い流されるため充填材21の酸性化が抑えられると共に、充填材を濡らすことにより硝化細菌の活性が維持される。硝化細菌にはNitrobacteraceae科に属する好気性細菌(Nitrosomonas属やNitrobacter属等)などが知られており、その生育適温は25〜30℃、最適生育pHは7.5〜8.5である。アンモニアの酸化反応は以下の式(3)及び式(4)で表される。
【0025】
2NH+3O→2HNO+2HO …(3)
(アンモニアの酸化により亜硝酸生成) 2HNO+O→2HNO …(4)
(亜硝酸の酸化により硝酸生成)このようにしてアンモニアが除去された処理ガスは排気ダクト35を介して大気に排気される。
【0026】なお、硝化槽内に供給される原ガスの気流方向は上方向でも下方向でもよい。また、硝化槽内の充填材容積は原ガス風量に対して空間速度150〜540m3/m3hとなるようにするのが好ましく、硝化槽内の温度、pHは硝化細菌の生育適温、最適生育pHの範囲にするのが好ましい。散水部22からの散水間隔や散水時間、或いは散水量は原ガス中のアンモニア量などにも左右されるが、アンモニアガス濃度が1000ppm程度の高濃度(負荷が0.5kg-N/m3・day)の場合には、充填材容積の1/2の散水量を連続散水することにより処理が可能である。
【0027】硝化槽17の構造としては上述した充填塔方式の他に、硝化細菌が固定された担体や活性汚泥を液相中に添加し、アンモニアを含んだ原ガスをその液相中に吹き込む液相型(ばっ気方式)などもあるが、生物学的処理によってアンモニアを亜硝酸や硝酸に酸化するものであればよい。また、発酵分解槽3内は50〜60℃程度であるため、該装置内で発生したアンモニアを含んだ原ガスの温度が硝化細菌の生育適温以上になってしまう場合には、硝化槽17に供給する原ガス配管19の途中に冷却装置を設け、原ガス温度を硝化細菌の生育適温まで下げるのが好ましい。
【0028】脱窒槽18の動作について説明する。硝化槽17内の散水によって受水部23に回収された亜硝酸や硝酸を含んだ処理水(硝化液)は受水部下部から硝化液供給ポンプ25によって脱窒槽18に供給される。この時、硝化液供給ポンプ25は散水ポンプ29の運転間隔や時間と同期して運転される。また、脱窒槽18内にはBOD排液槽2から排液供給管15を介して供給されたBOD成分を含む排液が添加されており、脱窒槽内の担体26中に生息している脱窒菌がこのBOD成分を栄養源として、嫌気的条件下で亜硝酸や硝酸の硝酸態窒素から窒素を除去する。脱窒槽内のBOD濃度の制御は、BOD濃度センサにより、BOD排液槽2からの排液供給量が制御されることにより為される。この濃度は、脱窒槽18内のBOD濃度と窒素濃度の比(BOD/N値)が0.5以上(好ましくは1〜5)になるように制御されるのが望ましい。また、脱窒菌にはPseudomonas属の細菌が知られており、その生育適温や最適生育pHは硝化細菌と同程度である。亜硝酸態窒素や硝酸態窒素からの脱窒反応の一例は以下の式(5)及び式(6)で表される。
【0029】
【化1】

このように、本実施例によれば、脱窒槽内の脱窒菌の栄養源として、有機性廃棄物処理装置の発酵分解過程で生じた排液を利用するようにしたので、メタノールなどのBOD源を外部から別途供給しなくても脱窒処理が可能となる。脱窒槽18内で亜硝酸や硝酸の硝酸態窒素から除去された窒素は窒素ガスの形で脱窒槽上部の窒素排気ダクト36から大気に排気され、脱窒槽内で脱窒処理された水は、戻り配管(散水配管)28、散水ポンプ29を介して再び硝化槽内の散水部22に供給されて散水される。◆上述した実施例の処理フローを簡略的に示すと図2のようなる。
【0030】図3は図1に示した実施例の一部変形例を示すものである。図3において図1と同一の符号を付した部分は同一または相当する部分を示し、同一の部分については説明を省略する。
【0031】この例では、特に、生ごみなどの有機性廃棄物の破砕処理装置32を設けたもので、生ごみや食品加工残渣などの有機性廃棄物は破砕処理装置32で破砕処理されてから発酵分解槽3に投入扉4から供給され、発酵分解処理される。すなわち、破砕処理装置37内に生ごみなどの有機性廃棄物が投入されると該装置内で破砕処理され、破砕固形物と破砕によって生じた液体に固液分離される。破砕固形物は上述したように、発酵分解槽3に投入扉4から供給される。一方、破砕によって生じた分離液(排液)は排液管32を介してBOD排液槽2に供給される。
【0032】BOD排液槽2は排液供給管15及び排液供給ポンプ16を介して脱窒槽18に接続されており、BOD排液槽2に滞留した有機性廃棄物の排液は排液供給ポンプ16の運転によって脱窒槽18に供給され、図1の実施例と同様に脱窒菌のBOD源として利用される。
【0033】このように、この例においても、脱窒槽18内の脱窒菌の栄養源として、有機性廃棄物が破砕処理によって生じた排液を利用するようにしているので、メタノールなどのBOD源を外部から別途供給しなくても、脱窒処理を良好に行うことができる。特に、この例は、有機性廃棄物の発酵分解処理工程(発酵分解槽3)で発生する排液が少ない場合に有効である。この図3に示す処理装置における処理フローを簡略的に示すと図4のようになる。
【0034】なお、この図3に示す例においても、図1に示す例のように、発酵分解槽3の底部とBOD排液槽2とを排液管12で接続し、発酵分解槽3で発生したBODを含む排液もBOD排液槽2に戻すようにしても良い。
【0035】以上説明したように、本実施例では、生ごみ、食品加工残渣などの有機性廃棄物を微生物によって発酵分解処理する際に発生するアンモニアを硝化細菌、脱窒菌などによって硝化・脱窒処理する生物脱臭方式において、脱窒処理工程で必要となる脱窒菌の栄養源として、生ごみ等の有機性廃棄物の発酵処理または破砕処理中に発生したBODを含む排液を脱窒菌の栄養源として供給するようにしたので、脱窒菌の栄養源としてメタノールなどを外部から別途供給する必要がない。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、生ごみなどの有機性廃棄物を発酵分解処理する際に発生するアンモニアを生物脱臭方式によって処理するものにおいて、脱窒処理のために必要な脱窒菌の栄養源として、生ごみ等の有機性廃棄物を発酵処理または破砕処理する際に発生する排液を利用するようにしたので、高価なメタノールなどを外部から別途添加することなしに効率よく脱窒処理が行え、ランニングコストを削減することが可能な有機性廃棄物処理方法および処理装置を得ることができる効果がある。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【住所又は居所】東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地
【出願日】 平成13年9月7日(2001.9.7)
【代理人】 【識別番号】100075096
【弁理士】
【氏名又は名称】作田 康夫
【公開番号】 特開2003−80206(P2003−80206A)
【公開日】 平成15年3月18日(2003.3.18)
【出願番号】 特願2001−271158(P2001−271158)