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【発明の名称】 無機質の焼却灰及び燃焼飛灰に含有するダイオキシン類並びに重金属類の処理方法。
【発明者】 【氏名】五味 吉男

【要約】 【課題】ダイオキシン類の合成防止を完全燃焼と中和処理により行うと共に、燃焼飛灰中に含有される重金属類を除去し、無害化と資源化を効率良く安価に行う。

【解決手段】炉本体を底部より、第一段旋回流動層室1−1と第二段ガス旋回流室1−2とからなる二段旋回流動層式焼却炉を用いてダイオキシン類の発生を防止する。前記第二段ガス旋回流室の中心軸頂部に陣笠付きガス冷却室27を設け、冷却室の最下部の側板に高圧空気入口を連通し、冷却水によって発生した排水中の燃焼飛灰を攪拌して排水処理する。また、ガス冷却室の中心軸頂部に排ガスチャンバー29を設け、中心軸頂部に排気筒を設け連通させ、その下部に多数のオリフィスノズル34を配列させて、高圧熱風を送り込むことにより、第三段目の旋回流を形成して、多量の水蒸気を含んだ排ガスと混合して白煙防止を図る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】炉本体を底部より、第一段旋回流動層室と第二段ガス旋回室とガス燃焼室とに区分して構成した焼却炉において、前記第一段旋回流動層室に円錐形底板を設け、この円錐形底板の中心を通って最下部に抜ける熱媒体取出し口を設けると共に、多数のオリフィスノズルを垂直に配列させて設け、更に円錐形底板の下部に風箱を設け、この風箱と各オリフィスノズルとを連通し、炉外で熱交換された加圧空気を熱風送気管を介して、前記風箱に送り込むことにより、前記第一段旋回流動層室で熱媒体の流動層を形成し、前記第一段旋回流動層室の上方の内壁に任意の角度を持たせた、多数のオリフィスノズルをタンジェンシャルに配列させて設け、炉本体の外板と耐火材の間に環状の風箱を設け、この環状の風箱と各タンジェンシャルのオリフィスノズルとを連通し、炉外で熱交換された加圧空気を熱風送気管及び環状ヘッダー管を介して、前記環状の風箱に送り込むことにより、第一段目の旋回流動層を形成し、前記第一段旋回流動層室と第二段ガス旋回流室のほぼ中間部の内壁に上方より投入する固形状被焼却物投入口と、液状被焼却物注入口と、炉外で不燃物と分離された熱媒体を投入する熱媒体循環口と被焼却物の燃焼によって、発生したガスを中和処理するために中和剤を投入する中和剤投入口と、バーナーとを其々設け、第二段ガス旋回流室の垂直部の中央と第一段旋回流動層室側に形成された円錐部の中央の内壁に、任意の角度を持たせた多数のオリフィスノズルをタンジェンシャルに配列させて其々設け、炉本体の外板と耐火材の間に環状の風箱を設け、この環状の風箱と各タンジェンシャルに配置したオリフィスノズルを連通し、炉外で熱交換された加圧空気を熱風送気管及び環状ヘッダー管を介して前記環状の風箱に送り込むことにより、燃焼ガスに強靭な第二段目の旋回流を形成し、更に第二段ガス旋回流室の上方に排ガス緊急放出口と排ガス出口を備えたガス燃焼室を設け、更に前記第二段ガス旋回流室の中心軸頂部に陣笠付ガス冷却室(濡れ壁式)を設け、陣笠の中心軸上部に冷却水出口と前記ガス冷却室の側板に設けた冷却水入口を連通し、燃焼排ガス温度を所定の設定温度まで降下させ、更に前記ガス冷却室の最下部に、環状の散気管に多数のオリフィスノズルを任意の角度を持たせ、タンジェンシャルに配列させて設けた散気管に高圧空気入口を設け、このものと前記ガス冷却室の最下部の側板に高圧空気入口を連通し、冷却水によつて、発生した排水中の燃焼飛灰を攪拌し、前記ガス冷却室の最下部の側板に排水出口を設け排水処理装置に送水し処理後、前記冷却水入口より循環使用し、更に前記ガス冷却室の中心軸頂部に排ガスチャンバーを設け、このものの側板に排ガス入口を設けると共に、これと同レベルの任意の位置に白煙防止用熱風入口を設け、更に前記排ガスチャンバーの中心軸頂部に排気筒を設け連通させ、この排気筒の下部に任意の角度を持たせた、多数のオリフィスノズルを、タンジェンシャルに配列させて設けた排気筒の側板の外側に環状の風箱を設け、更に、この風箱の外側に環状のヘッダー管を設け、熱風送気管を介して連通させ、炉外で熱交換された、高圧空気を熱風送気管及び環状のヘッダー管を介して、前記環状の風箱に送り込むことにより、第三段目の旋回流を形成し、多量の水蒸気を含んだ排ガスと白煙防止用熱風を旋回流の特性を生かし効率良い混合によって、排ガス中の水蒸気を気化させ白煙防止を図る、本出願者が所有する、特許第2985058号の二段旋回流動層式焼却炉中心軸の上部に設けた、排気筒までの各機器を積み重ねて構築した廃棄物焼却処理施設で焼却灰及び燃焼飛灰を再び焼却処理して、前記灰に含有している芳香族系有機塩素化合物であるダイオキシン類を熱分解し再合成を抑制すると共に、本出願者が出願中の特願2000−327810の二段旋回流動層式焼却炉によって、発生した燃焼飛灰に含有している重金属類の処理を組み合わせて、処理することを特徴とした処理方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明に属する技術分野】本発明は、焼却灰及び燃焼飛灰に含有する芳香族系有機塩素化合物で有る猛毒のダイオキシン類の再合成を抑制すると共に、燃焼飛灰に含有する重金属類の処理方法であって、特に焼却炉で発生する旋回(竜巻)流の3代特性を活用して、前記ダイオキシン類の再合成の抑制を図った後、燃焼飛灰に含有している重金属類の除去を行う方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に廃棄物は、植物性又は動物性の食品屑等いわゆる厨芥と紙・繊維・木・竹・プラスチック類・ゴム・皮革・落葉等の雑芥や、その他土砂ガラス・陶磁器・金属類を含む。厨芥と雑芥は60〜80%の水分を含み可燃性のものであるが、土砂・ガラス・陶磁器・金属類は不燃物である。これらの可燃分と不燃分の比率は、地域別の差は殆どなく混合芥では可燃分約80%、不燃分20%程度である。尚、パルプ廃液・石油精製における硫酸滓その他各種の可燃物には多少の差はあっても不燃物を含んでいる。又、化学製品の普及によって焼却処理施設から、発生する燃焼排ガス・焼却灰及び燃焼飛灰の中には、猛毒の芳香族系有機塩素化合物で有るダイオキシン類や、多塩化ジベンゾフランが多量に含まれている。これらの有害物質が自然界に流出することによって、自然環境や健康に直接影響を及ぼす生活環境に弊害が現れ大きな社会問題を誘発している。そこで何らかの方法で有害物質の安定化を図る必要が生じる。然しながら、従来は、固定炉床式、ストーカー(ロストル)式、流動床式及びガス化溶融式等によって、焼却処理されているものの、これらの方式ではダイオキシン類や多塩化ジベンゾフラン等の合成を抑制することは不可能で有る。その理由は、発生する燃焼排ガス・焼却灰及び燃焼飛灰の中には必ずダイオキシン類・多塩化ジベンゾフラン等や重金属類が含有しているし、集塵装置で捕集された燃焼飛灰の中には、焼却灰同様、必ずダイオキシン類・多塩化ジベンゾフラン等や重金属が含有しているため、溶融炉等でエンドレスに再処理が繰り返されているだけで、特段の燃焼方式によってダイオキシン類・多塩化ジベンゾフラン等の合成を抑制する措置は採られていないばかりか、重金属類の処理も一部の例を除いて殆ど実用化されていない。
【0003】従来の焼却装置は、被焼却物に混入している石・ガラス・陶磁器・金属類等の不燃物の処理に関しては一部を除いて何ら考慮されておらず、たとえ焼却装置の前処理工程中に不燃物除去装置や破砕装置を設けても、尚、効率の良い焼却処理が得られないばかりか、塵芥以外の可燃物、例えばパルプ廃液・硫酸滓であっても同様の課題が残されている。更に被焼却物の燃焼によって発生する塩化水素(HCl)・酸素(O)・一酸化炭素(CO)等によって、燃焼飛灰の中の重金属類や燃え残った炭素によって合成される猛毒のダイオキシン類や、多塩化ジベンゾフランが発生し、重大な社会問題を引き起こしているものの、燃焼方法等で、この問題を解決する手段はなされていない。
【0004】傾斜した火床上に被焼却物を上方から投入し、その下方からの空気を上方の斜めの邪魔板に沿って吹き上げ、循環の流れを生じさせる燃焼装置、例えば特開昭46−892号公報に記載されているが、この装置では、空気の循環が不充分であり、しかも被焼却物は一段で装置内に投入される一段燃焼方法であるがために、燃焼は必ずしも充分といえない欠点がある。
【0005】又、炉の頂部の開口部から被焼却物を投入し、充填された被焼却物の上部に設けた散気管からの吹き込み空気によって、充填された被焼却物の上部に流動層を形成し燃焼させた後、不燃物を底部に設けたスクリューコンベアで装置外に排出するようにした一段燃焼方式(例えば特開昭49−108856号公報)もあるが、これでは流動層における燃焼は不充分である。ましてや水分の多い被焼却物にあっては不完全な燃焼となる。
【0006】更に、パドルフィーダーを炉の底部に設け、被焼却物をその一方から炉内に搬送し、このパドルフィーダートラフの下方からの空気の吹き上げとその上部の散気管によって流動層を形成する一段式の燃焼装置は、本出願人に係る特開昭52−90174号公報に記載されているが、この方法も一段式燃焼装置のために必ずしも完全な燃焼は得られない。
【0007】一方、本出願人に係る特開昭55−95016号公報の方法は、前記特開昭52−90174号公報の装置とは異なり、被焼却物は炉本体の流動層室の斜め上方から投下され、熱媒体(硅砂等)によって形成された流動層中に落下し、一部が燃焼し流動層を通過してパドルフィーダーに落下したものは、このフィーダーで粉砕されフィーダートラフからの空気の吹き上げと、流動層室の中間部に設けた散気管によって安定した流動層を形成するものである。これは散気管上方の一方の壁から斜め上方に、更にその対向壁から斜め下方に炉外で熱交換した空気を風箱から吹き込んで旋回流動層を形成する二段燃焼方式である。この場合、被焼却物は旋回流に乗って完全な燃焼が行われるが、炉内に投入された被焼却物の中には、パドル間隔以上の大きな石塊や金属塊等の不燃物が混入することも多く、パドルフィーダーの回転停止が起こる。従って、可燃物の粉砕と不燃物の搬送が順調に行われないため充分な二段燃焼が不可能となるばかりか、焼却装置そのものの一時停止を余儀なくされる等の基本的な欠点がある。又、被焼却物の燃焼によって発生する酸性ガス例えば塩化水素によって、特殊な例を除いて殆どの当該装置は、炉本体内壁の耐火材が著しく劣化され、装置そのものの機能を完全に損ね焼却処理が不可能となる。よって、これらを補うための手間や修繕等にかかる経費は増大する。その上、焼却装置内において、猛毒で有る芳香族系有機塩素化合物で有るダイオキシン類や、多塩化ジベンゾフランの合成を抑制する技術に関しては、殆ど考慮されていないため、前記二段旋回流動層式燃焼炉を用いて構築されたもの以外の廃棄物焼却処理施設は開発されていない。
【0008】然しながら、前記廃棄物焼却処理施設おいて集塵装置等で捕集した乾状のものと廃水処理装置から引き抜かれた汚泥状の燃焼飛灰中には、ダイオキシン類は殆ど含有していないが、有害物質である重金属類は含まれている。従って、前記重金属類の分離除去ができないために貴重な資源(フライアッシュ)として再利用できるにも拘らず利用されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題点を解決するためになされるもので、被焼却物の燃焼によって発生する猛毒のダイオキシン類や、多塩化ジベンゾフランの合成を抑制する燃焼方法を確立した、前記二段旋回流動層式焼却炉を用いて、構築された廃棄物焼却処理施設に燃焼飛灰中の重金属類の分離除去装置を加えた一連の処理施設を用いて、処理する方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を技術的に解決するための手段として、本発明は、本出願人が所有する特許第2985058号の二段旋回流動層式焼却炉を用いて構築した廃棄物焼却処理施設によって行うものである。一般的に焼却処理施設におけるダイオキシン類の生成過程は、二次燃焼室において完全燃焼できないまま残留した未燃成分、或いは前駆物質が、二次燃焼室から熱交換器・集塵機を通過するうちに温度・雰囲気・触媒などの諸条件が適当に揃ってしまい、燃焼によって発生した塩化水素と反応して生成されると考えられている。この生成反応には、1)300〜500℃の雰囲気で、ばいじん中の重金属(特に銅の触媒作用が強い)が触媒となり、未燃炭素などから合成される反応経路と、2)クロロフェノールやクロロベンゼンといった前駆物質の分解、合成反応で生成される反応経路が有る。特に1)の合成反応は、関連の薄い物質から新たに合成されると言った意味でDe Novo Synthesisとよばれている。毒性の強いダイオキシン類は、その化学的構造からもわかるように、本質的には一酸化炭素(CO)や各種炭化水素(HC)などと同様、未燃分の一種と考えられている。従って、焼却炉内でのダイオキシン類生成抑制法は、高い燃焼温度(Temperature)・高温での充分な滞留時間(Time)・未燃ガスと空気との良好な乱流混合(Turbulence)が最も重要と成る。そこで、酸素(O)濃度のコントロールを前提とするが、この三要素の良好なバランスが図れば殆どのダイオキシン類の抑制が可能となる。但し、燃焼によって発生した塩化水素は、前記の三要素の良好なバランスの図られた燃焼状況で同時に生石灰(CaO)による中和処理を行い安定した無害の塩化カルシウム(CaCI)と水(HO)が生成され、重金属の触媒が燃焼ガス中に存在しても殆ど反応しないため、ダイオキシン類の抑制効果を高めることが可能となった。そこで、前記二段旋回流動層式焼却炉の中心軸の上部に陣笠付ガス冷却室(濡れ壁式)を設け、更に、その上部に清浄化された燃焼排ガスの排ガスチャンバーを設け、更に上部に排ガスを大気に放出するための排気筒を設け、この排気筒の外側の最下部に白煙防止装置を設けた、前記二段旋回流動層式焼却炉の中心軸の上部に各々の装置を積み上げて、構成する廃棄物焼却処理施設に本出願人が出願中の特願2000−327810の二段旋回流動層式焼却炉によって、発生した燃焼飛灰に含有している重金属類の処理方法を組み込んで構築した、前記廃棄物焼却処理施設によって行う一連の処理方法を要旨とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳説する。図1は本発明に係る焼却炉の概念を示す断面図であり、1は、炉本体でありその底部より硅砂等の熱媒体aを充填する第一段旋回流動層室1−1と、第二段ガス旋回流室1−2と、ガス燃焼室1−3とに区分して構成する。
【0011】前記第一段旋回流動層室1−1は、すり鉢状になだらかに傾斜する円錐形底板nが設けられ、この円錐形底板nの中央を通って最下部に抜ける熱媒体取出口2を設けると共に、ほぼ前面に亙って多数のオリフィスノズル3を垂直に配列させて設け、これらのオリフィスノズル3は円錐形底板nの下側に設けた風箱4と連通させる。
【0012】5は風箱4に取り付けられた熱風送気管であり、炉外で空気熱交換器(図略)によって熱交換された加圧空気eは、前記オリフィスノズル3を通過して第一段旋回流動層室1−1内に吹き出され、予め充填された熱媒体aを吹き上げて流動層を形成する。
【0013】6は第一段旋回流動層室1−1の上方の内壁に設けたオリフィスノズルであり、図3に示すように任意の角度を持たせてタンジェンシャルに多数配列し、炉本体1の外板と耐火材fとの間に環状の風箱7を設け、この環状の風箱7とオリフィスノズル6を連通させる。
【0014】8は炉本体1の外側に配設した環状ヘッダー管であり、炉外で熱交換された加圧空気eを熱風送気管9に送り込むと、上部に複数箇所設けられた熱風送気管10から各ダンパー12及び熱風送気管11を介して、前記環状の風箱7内に送気された加圧空気eは、前記タンジェンシャルのオリフィスノズル6を連通して第一段旋回流動層室1−1内に吹き出され、流動層を形成した熱媒体aを旋回させる。つまり熱媒体aの安定した第一段目の旋回流動層が形成される。
【0015】13は、第一段旋回流動層室1−1と第二段ガス旋回流室1−2のほぼ中間の内壁部に上方より斜め下方に傾斜して設けられた固形状被焼却物bを投入するための投入口であり、この固形状被焼却物投入口13に隣接させて図1(ロ)のような液状被焼却物cを注入するための注入口14が設けられる。
【0016】前記固形状被焼却物bは、前処理工程(図略)において一定粒径以下に破砕された後、図示を省略した被焼却物供給装置でロータリーフィーダー(図略)を経由して定量ずつ前記固形状被焼却物投入口13より第一段旋回流動層室1−1内に投入される。一方液状被焼却物cは、図示を省略したがポンプアップし定量的に前記液状被焼却物注入口14より、第一段旋回流動層室1−1内に注入される。
【0017】このようにして第一段旋回流動層室1−1内に送り込まれた被焼却物は、瞬時に乾燥とガス化及び一部が燃焼して、第一段目の燃焼工程が完了すると共に、不燃物dは、第一段旋回流動層室1−1内で可燃分と分離され、前記円錐形底板n上に一時滞留した後、熱媒体取出口2より、一部の熱媒体aと一緒に搬送機(図略)で炉外に搬出され分級器(図略)に送られる。そして熱媒体aと不燃物dに分離され、熱媒体aは、熱媒体循環装置(図略)でロータリーフィーダー(図略)まで搬送され、第一段旋回流動層室1−1と第二段ガス旋回流室1−2の間の内壁に設けられた熱媒体循環口15(図1(ハ)参照)から第一段旋回流動層室1−1の流動層内に定量づつ戻され循環使用する。一方、不燃物dは、不燃物搬送機(図略)によって、不燃物貯留槽(図略)に送られ一時貯留した後系外に搬出される。
【0018】本発明に係る焼却炉は、定格運転で常に負圧状態で運転する必要性から外気との気密性が要求されている。そこで外気とのシールは前記流動層を形成するために使用される熱媒体aのサンドシール法によってその役割を果たす。
【0019】尚、熱媒体循環口15の取り付け位置と同じ円周上の他の個所に、斜め下方に傾斜する中和剤投入口16及びバーナー17が設けられる(図1(二)、(イ)参照)。
【0020】中和剤投入口16は、被焼却物b、cの燃焼によって発生した酸性ガス例えば塩化水素等を化学反応によって、中和処理するための中和剤g(CaO等)を第一段旋回流動層室1−1内の前記旋回流動層内に投入するものであって、投入された中和剤gは、旋回流動層の竜巻流(乱流)に乗って燃焼ガスとの直接混合時間を長く取り、効率良い中和反応が行われダイオキシン類の抑制効果を発揮する。
【0021】前記バーナー17は、熱媒体aが旋回流動状態において着火し燃焼させる。炉内温度が設定温度に上昇した時点で、被焼却物b、cを単独或いは同時に第一段旋回流動層室1−1内に供給し、竜巻流の外側温度を850℃以上に保持して被焼却物b、cの燃焼を安定させると共に竜巻流のエネルギー即ち、竜巻流の中心軸温度を1300℃以上に維持させるために,重油等の高発熱量の補助燃料mを燃やす必要があるので、このバーナー17が使用される。
【0022】炉本体1の外側には、環状ヘッター管20が配設され、この環状ヘッター管20には熱風送気管21、22が設けられ、更に熱風送気管22と前記風箱19の熱風送気管23との間にダンパー24が各々配設される。炉外で空気熱交換器(図略)によって熱交換された加圧空気eを熱風送気管21から環状ヘッター管20に送り込むと、この加圧空気eはダンパー24によって平均的な酸素濃度(空気量)を調整し、風箱19に送気され各オリフィスノズル18から吹き出して、前記第一段目の旋回流(竜巻流)より一層、強靭な第二段目の旋回流が形成される。
【0023】この第二段目の旋回流(竜巻流)は、旋回流の外側に在る物を当該流中心に引き寄せる特性を有している。この特性は、焼却炉1において発生した燃焼ガスを旋回流の中心部に引き寄せるため、焼却炉1の内壁面に用いられる耐火材fに対し、酸性ガスからの腐食を完全に阻止できることと、燃焼ガスの炉内滞留時間を引き延ばすことができると共に、当該流中心部の温度を1300℃以上に保持できることから、酸性ガスの中和処理と被焼却物b、cの完全燃焼をほぼ達成できる。従って、ダイオキシン類の抑制効果も多大なものと成る。
【0024】第二段目の燃焼完了後の燃焼ガスh及び発生飛灰iは、炉本体1のガス燃焼室1−3の頂部に設けた排ガス出口管25より排出されるが、これらはガス冷却室(濡れ壁式)27に導かれ、陣笠42の中心部に冷却水入口管40より送水された冷却水lを連続、且つ、平均的に送水して、発生飛灰iの50%以上を排水中に浮遊懸濁させるが、発生飛灰iを平均的に浮遊懸濁させるために、高圧空気入口管41より高圧空気oを送気して良く混合した後、適当な排水処理装置(図略)に送水して処理される。残りの飛灰を含んだ燃焼ガスhは、余熱利用装置(図略)或るいは冷却水によって400〜500℃に降温した後、ガス冷却室(濡れ壁式)27の上部側面に設けた排ガス出口管28から排出される。尚、ガス燃焼室1−3の頂部には、燃焼ガス緊急放出口管26を設け、未燃ガスによる爆発事故を防止する配慮がなされている。
【0025】この排ガスjは、適当な手段、例えば図示は省略するが、空気熱交換器を経由してダストコレクター等によって、飛灰を捕集した後の排ガスを誘引送風機(図略)を経由して排ガスチャンバー29の下部の側面に設けた、排ガス入口管30に送気すると共に、該チャンバー29の排ガス入口管30と同レベルの任意の位置に設けた白煙防止用熱風入口管31から、熱風発生炉(図略)で発生した600℃の熱風を送気して混合する。更に、該チャンバー29の頂部に排筒32を設けるが、この排気筒32の最下部に環状の風箱33を設け、排気筒側板に任意の角度を持たせた多数のオリフィスノズル34をタンジェンシャルに、配列させ連通させる。更に、排気筒32の外側には、環状ヘッダー管35が配設され、この環状ヘッダー管35には熱風送気管36、37が設けられ、熱風送気管37と前記風箱33に設けた熱風送気管36との間にダンパー38が、各々配設される。空気熱交換器(図略)によって熱交換された加圧空気eを、ダンパー38で調整して、熱風送気管39から環状ヘッダー管35に送り熱風送気管36と風箱33経由して、オリフィスノズル34から排気筒32に吹き込まれ、旋回流を発生する。排ガスは、この旋回流に乗って混合され排ガス中の水蒸気を気化させて白煙防止を図る。
【0026】図5は、であって、前記廃棄物焼却処理施設で発生した燃焼飛灰pを集塵装置(図略)で捕集した乾状のものと前記廃棄物焼却処理施設の廃水処理装置(図略)から発生しる湿状の汚泥を混練機43に其々移送(図略)し、均一な湿分を保持させたNo.1混合物(燃焼飛灰)pを飛灰貯留槽44に移送して一次貯留する。該槽44の下部に定量切出搬送機45を設けてあり貯留されているNo.1混合物(燃焼飛灰)pを順次、一定量づつ該搬送機45及びロータリーフィーダー46を経由し、スクレッパー型搬送機47に移送される。
【0027】該搬送機45によってNo.1混合物(燃焼飛灰)pは、攪拌機付洗浄槽48に移送し一次貯留される。塩酸タンク49内に予め貯蔵されている塩酸qを塩酸移送ポンプ50を経由して、該洗浄槽48内に貯留されている該混合物pに添加すると共に水rを給水することにより、No.1混合物pの濃度調整を図り、よく混合攪拌せしめ反応を促進させる。反応が完了したNo.2混合物sに含有している重金属類は、固体側から分離して液体側に抽出され移動する。
【0028】該洗浄槽48内に貯留されている該混合物sは、No.2混合物移送ポンプ51を経由して一定量づつNo.1固液分離機52に移送され、ここで第一段目の固液分離が行われる。重金属化合物を殆ど含まない固形物(フライアッシュ)b‘と重金属化合物を含んだNo.1分離液体(塩化カルシウム溶液)tに分離され固形物(フライアッシュ)b‘は建設資材として再利用が可能となる。
【0029】分離されたNo.1液体tは、No.1分離液移送ポンプ53を経由して、攪拌機付重金属沈降槽54に一定量づつ移送される。ここで重金属安定剤タンク55内に、予め貯蔵されている重金属安定剤uを重金属安定剤移送ポンプ56を経由させ、No.1分離液tに添加し、よく混合攪拌せしめPH調整した後、No.2分離液移送ポンプ57を経由し第二段目の固液分離を行うために、No.2分離液vを沈澱装置(シックナー)58に移送して重力沈降によって、重金属化合物スラリーwを系外(図略)に搬出すると共にNo.3分離液xを自然流下により、調整槽59に一次貯留した後、No.3分離液移送ポンプ60を経由し一定量づつ攪拌機付複分解槽61に貯留する。
【0030】硫酸タンク62に予め貯蔵されている硫酸yを硫酸移送ポンプ63を経由して、該複分解槽61内の該分離液xに添加し、よく混合攪拌せしめ反応が完了すると水石膏a‘と塩酸qが生成する。
【0031】攪拌機付複分解槽61内のNo.4混合物zをNo.4混合物移送ポンプ64を経由して、第三段目の固液分離を行うためにNo.2固液分離機65に一定量づつ移送し、ここで高純度の水石膏a‘(建設資材として使用可能なもの)を分離して系外(図略)に搬出すると共に分離液(塩酸)qをNo.2塩酸移送ポンプ66を経由し、塩酸タンク49に貯蔵し系内で循環使用する。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、二段旋回流動層式焼却炉を用いて構築した廃棄物焼却処理施設は、従来の当該処理施設と比較すると大きな相違点が有る。即ち、従来の当該処理施設によって焼却処理された廃棄物の殆どは、焼却炉の下部に堆積する焼却灰及び燃焼飛灰中のダイオキシン類と、燃焼排ガス中のダイオキシン類を活性炭に吸着させたものを混合して、溶融炉で処理する方法が主流であったが、ガス化溶融炉によって廃棄物を直接燃焼溶融する方法も行われるようになった。然しながら、直接燃焼溶融するガス化溶融炉であっても燃焼排ガス中にダイオキシン類は混入しているため、集塵装置で捕集した燃焼飛灰と活性炭に吸着させ除去したものは、エンドレスに処理しなければならないことから、莫大な建設費とランニングコストを必要とする上に溶融されたスラグ中には、重金属類が含まれているので、そのままリサイクルすることは問題が残る。従って、本発明では、排ガス中のダイオキシン類の処理と燃焼飛灰中の重金属類の除去を確実で安全に実施することによって、前記施設の各機器の損傷も少なく、修繕費は著しく軽減されると共に燃焼飛灰のリサイクルが可能となったばかりか、埋め立て処分費は、著しく軽減される。
【出願人】 【識別番号】596067582
【氏名又は名称】五味 吉男
【出願日】 平成13年9月11日(2001.9.11)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−80203(P2003−80203A)
【公開日】 平成15年3月18日(2003.3.18)
【出願番号】 特願2001−318702(P2001−318702)