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【発明の名称】 廃棄物処理方法
【発明者】 【氏名】永山 貴志
【住所又は居所】東京都中央区日本橋室町3丁目1番3号 株式会社クボタ東京本社内

【氏名】金子 文彰
【住所又は居所】東京都中央区日本橋室町3丁目1番3号 株式会社クボタ東京本社内

【氏名】山本 洋明
【住所又は居所】東京都中央区日本橋室町3丁目1番3号 株式会社クボタ東京本社内

【要約】 【課題】鉄缶類を再利用に適した有用金属として回収できる手段を有する廃棄物処理方法を提供する。

【解決手段】廃棄物を溶融処理に適する溶融適廃棄物と溶融処理に適さない溶融不適廃棄物とに選別する溶融前処理工程Aと、溶融前処理工程Aにおいて選別された溶融適廃棄物を溶融炉41において溶融処理する溶融処理工程Bとを有する廃棄物処理方法において、溶融前処理工程Aが、溶融不適廃棄物である鉄缶類を磁選機により選別する磁力選別工程31と、磁力選別工程31により選別された鉄缶類を破砕する破砕工程32と、破砕工程32により破砕された鉄缶類を洗浄する洗浄工程33とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 廃棄物を溶融処理に適する溶融適廃棄物と溶融処理に適さない溶融不適廃棄物とに選別する溶融前処理工程と、前記溶融前処理工程において選別された前記溶融適廃棄物を廃棄物溶融炉において溶融処理する溶融処理工程とを有する廃棄物処理方法において、前記溶融前処理工程が、溶融不適廃棄物である鉄缶類を磁力選別機構により選別する磁力選別工程と、前記磁力選別工程により選別された鉄缶類を破砕する破砕工程と、前記破砕工程により破砕された鉄缶類を洗浄する洗浄工程とを有する廃棄物処理方法。
【請求項2】 前記洗浄工程の後に、前記洗浄工程で生じた排水中に溶解している重金属を凝集沈殿処理する凝集沈殿処理工程を有する請求項1に記載の廃棄物処理方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物を溶融処理に適する溶融適廃棄物と溶融処理に適さない溶融不適廃棄物とに選別する溶融前処理工程と、前記溶融前処理工程において選別された前記溶融適廃棄物を廃棄物溶融炉において溶融処理する溶融処理工程とを有する廃棄物処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、都市ゴミ等を焼却炉で焼却処理することにより発生する焼却残渣である焼却主灰と、その焼却炉の煙道で捕集される焼却飛灰とを溶融処理する場合、運搬中に飛散することを防止するために、これら焼却主灰や焼却飛灰は水を加えた湿灰の状態で、各焼却炉から溶融炉に輸送される。これは溶融炉を備えない複数のゴミ焼却施設からの被処理物を、広域溶融処理施設に輸送し、一括して溶融処理する広域溶融処理においても同様である。
【0003】前記焼却主灰には、溶融処理に適さない鉄缶類等の金属類や不燃粗大物等が含まれている。このため、前記湿灰を溶融炉に投入するに先立って、溶融処理に適する溶融適廃棄物と溶融処理に適さない溶融不適廃棄物とに選別する溶融前処理工程が行われていた。
【0004】溶融不適廃棄物である前記鉄缶類は磁選機等を使用した磁力選別により選別される。この時選別された前記鉄缶類は施設外へ排出され投棄されていた。一方、前記不燃粗大物は篩い分け、比重分離等によって分離され、分離された前記不燃粗大物(通常30mmを超えるもの)は破砕機等により破砕され、30mm以下にサイズ調整されていた。このようにサイズ調整された前記不燃粗大物は、溶融適廃棄物として前記溶融炉において溶融処理されるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のゴミ焼却施設からの湿灰の溶融前処理工程においては、磁力選別において選別された鉄缶類を有用金属として回収していないが、環境浄化、資源の再利用等の観点から回収することが望ましい。しかし、前記鉄缶類の内、鉄類の表面には灰が付着しており、さらに、缶類の表面には灰が付着していると共に内部には灰が詰まっているため、磁力選別において選別された鉄缶類はそのままでは有用金属として再利用には適していない。
【0006】そこで、灰を含有する鉄缶類を洗浄処理等により前記鉄缶類から灰を分離することが考えられるが、単に洗浄するだけでは前記缶類の内部に詰まっている灰を分離することは困難であり、前記缶類の内部に詰まっている灰を分離するためには、多大の手間、労力や時間を要することになる。そのため、磁力選別により選別された前記鉄缶類を再利用するためにはコストが嵩むため、前記鉄缶類は再利用に適していないという問題点があった。
【0007】従って、本発明の目的は、鉄缶類を再利用に適した有用金属として回収できる手段を有する廃棄物処理方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】〔構成〕この目的を達成するための本発明の特徴構成は、廃棄物を溶融処理に適する溶融適廃棄物と溶融処理に適さない溶融不適廃棄物とに選別する溶融前処理工程と、前記溶融前処理工程において選別された前記溶融適廃棄物を廃棄物溶融炉において溶融処理する溶融処理工程とを有する廃棄物処理方法において、前記溶融前処理工程が、溶融不適廃棄物である鉄缶類を磁力選別機構により選別する磁力選別工程と、前記磁力選別工程により選別された鉄缶類を破砕する破砕工程と、前記破砕工程により破砕された鉄缶類を洗浄する洗浄工程とを有する点にあり、前記洗浄工程の後に、前記洗浄工程で生じた排水中に溶解している重金属を凝集沈殿処理する凝集沈殿処理工程を有する廃棄物処理方法であれば好ましく、その作用効果は以下の通りである。
【0009】〔作用効果〕つまり、前記溶融前処理工程において、溶融不適廃棄物である鉄缶類を磁力選別機構により選別する磁力選別工程の後に、選別された鉄缶類を破砕する破砕工程を行うことにより、前記鉄缶類を細分化することができる。そして、このように細分化された鉄缶類を洗浄する洗浄工程を行うことにより、細分化された鉄缶類に付着している灰を分離することができる。これは結果として前記鉄缶類の表面に付着している灰だけでなく、前記缶類の中に詰まっている灰も分離することができることになる。このように前記鉄缶類に付着している灰が分離されることによって、洗浄後の鉄缶類は再利用に適した有用金属として回収することができる。
【0010】また、一般に、灰の中には、焼却処理の際に生じた重金属やダイオキシン等の有害物質が含まれている可能性があるが、前記洗浄工程で前記鉄缶類に付着している灰を分離することによって、回収された鉄缶類には前記有害物質が付着している虞は殆ど無くなる。このため、回収された鉄缶類は灰が分離されるだけでなく、有害物質も除去された状態で回収されているため資源として品質が向上したものとなり、再利用を容易に行うことができる。
【0011】このように、前記鉄缶類を破砕処理した後に洗浄処理することにより前記鉄缶類に付着した灰及び有害物質を分離できる本発明の廃棄物処理方法は、比較的手間、労力や時間を要しないため、低コストで前記鉄缶類を再利用に適した有用金属として回収できる方法であると考えられる。
【0012】また、従来は溶融前処理工程での磁力選別の後に溶融不適廃棄物として施設外へ排出され投棄されていた鉄缶類が再利用に適した資源として回収されることにより、施設外に排出される投棄物の減少に繋がる。さらに、前記鉄缶類が施設外へ排出され投棄される際には、前記鉄缶類に付着する灰も一緒に施設外へ排出されるのであるが、施設外へ排出され投棄されていた鉄缶類が殆ど無くなることにより、施設外へ排出される灰の量も殆ど無くなる。上述したように、灰の中には重金属やダイオキシン等の有害物質が含まれている可能性があるため、このように施設外へ排出される灰の量が殆ど無くなることは、環境汚染防止の観点から好ましいものとなる。
【0013】また、前記洗浄工程の後に、前記洗浄工程で生じた排水中に溶解している重金属を凝集沈殿処理する凝集沈殿処理工程を行うことにより、排水中の重金属を凝集沈殿させることができる。これにより、排水中に溶解している重金属を固形の沈殿物中に含有させた状態で容易に回収することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明するが、本発明は、これらによって限定されるものではない。本発明の廃棄物処理方法の概略を図1に示す。
【0015】都市ゴミ等を焼却炉1で焼却処理することにより発生する焼却残渣である焼却主灰や、焼却炉1の煙道で捕集される焼却飛灰を溶融処理する場合、運搬中に飛散することを防止するために、これら焼却主灰や焼却飛灰は水を加えた湿灰の状態となっている。このような湿灰等の廃棄物2を溶融処理施設における表面溶融炉等の溶融炉41で溶融処理すると前記湿灰等の廃棄物2は溶融して減容した溶融スラグ42となるため、廃棄物2の減容化を図るための手段として有効である。
【0016】このような湿灰などの廃棄物2を溶融処理する場合には、前処理を施して溶融処理に適する溶融適廃棄物を選別する必要がある。つまり、溶融処理に適する溶融適廃棄物と溶融処理に適さない溶融不適廃棄物とに選別する溶融前処理工程Aを行ったのち、前記溶融前処理工程Aにおいて選別された前記溶融適廃棄物を、前記溶融炉41において溶融処理する溶融処理工程Bを行うことにより溶融処分を行う。
【0017】前記溶融前処理工程Aについて以下に説明する。前記焼却主灰には、溶融処理に適さない鉄缶類等の金属類や不燃粗大物等が含まれている。前記鉄缶類は溶融不適廃棄物であるため、選別して除去する必要がある。この選別は、磁選機等を利用して磁力選別する磁力選別工程31により行われる。この時、前記磁選機により選別された前記鉄缶類のうち、鉄類の表面には灰が付着しており、さらに、缶類の表面には灰が付着していると共に内部には灰が詰まっている。そのため、選別された前記鉄缶類を回収して有用金属として再利用するためには、前記鉄缶類の表面に付着した灰や前記缶類の中に詰まっている灰を分離する必要がある。このように灰を前記鉄缶類から分離するために、まず、前記鉄缶類を破砕する破砕工程32を行う。前記破砕工程32では、例えば衝撃式破砕機や二軸擅断式破砕機等の破砕装置により前記鉄缶類を細かい鉄片にまで細分化する。
【0018】次に、破砕することにより細分化された鉄缶類を洗浄する洗浄工程33を行う。前記洗浄工程33では、例えばドラム式洗浄機等の洗浄機内に細分化された鉄缶類を投入し、水等の洗浄液で細分化された鉄缶類に付着している灰を洗い落とす。これにより、細分化された鉄缶類に付着している灰を鉄缶類から分離することができる。このように細分化された鉄缶類から灰を分離することは、結果として、前記鉄缶類の表面に付着している灰だけでなく、前記缶類の中に詰まっている灰も分離されたことになるため、洗浄後の細分化された鉄缶類は再利用に適した有用金属として回収することができる。
【0019】前記洗浄工程33を行った際には、灰中に含まれる重金属が洗浄排水中に溶解することになる。そのため、必要に応じて洗浄排水中の重金属を凝集沈殿処理する凝集沈殿処理工程34を行うことにより洗浄排水中の重金属を凝集沈殿させて固形の沈殿物として回収する。具体的には、活性炭吸着処理やキレート処理等によりZn、Fe等の重金属を凝集沈殿させ、この凝集沈殿物を回収することにより重金属を除去する。
【0020】一方、溶融不適廃棄物である前記不燃粗大物は篩い分け、比重分離等によって分離され(図示せず)、分離された前記不燃粗大物(通常30mmを超えるもの)は、予備破砕機にかけられ、30mm以下にサイズ調整される。このようにサイズ調整された前記不燃粗大物は溶融適廃棄物として、前記溶融炉において溶融処理されるのである。
【0021】尚、上述した前記各工程で使用する機器類は、公知の機器類が使用できる。
【0022】上述したように、前記溶融前処理工程Aにより、前記廃棄物2を溶融適廃棄物と溶融不適廃棄物とに選別した後、前記溶融前処理工程Aにおいて選別された前記溶融適廃棄物を、前記溶融炉41において溶融処理して溶融スラグ化する溶融処理工程Bを行うことにより溶融処分を行う。
【0023】この時、前記溶融前処理工程Aにより選別された前記溶融適廃棄物の他に、前記凝集沈殿処理工程34の際に回収した前記凝集沈殿物も溶融処理される被溶融物として炉内に投入することが可能である。
【0024】〔別実施形態〕以下に別実施形態を説明する。近年の廃棄物の急増によって埋立処分場に不足を来たしている。このような事情から、古くに埋め立て処分された埋立廃棄物を再び掘り起こし、溶融処理施設の溶融炉を活用して溶融処理し、減容した溶融スラグとして改めて埋立処分する埋立廃棄物溶融処理が注目されている。また、不法投棄等により周辺環境に放置あるいは埋め立てられている廃棄物も増加している。このような不法投棄等による埋立廃棄物においても、環境浄化の観点から、掘り起こして溶融処理し、減容した溶融スラグとして改めて埋立処分することが望まれている。
【0025】本発明は、この埋立廃棄物溶融処理における溶融前処理工程においても適用可能である。この場合、上述した実施例で説明した前記廃棄物2は、埋立廃棄物となる。この埋立廃棄物中に鉄缶類が含まれている場合、前記鉄缶類の内、鉄類の表面には土壌等の覆土が付着しており、さらに、缶類の表面には覆土が付着していると共に内部には覆土が詰まっている。このため、このままでは前記鉄缶類は有用金属として再利用に適していないため、上述の実施例と同様に溶融不適物として前記溶融前処理工程Aにおいて前記磁力選別工程31で選別された後、前記破砕工程32、前記洗浄工程33を行って細分化された鉄缶類に付着した覆土を分離し、洗浄後の細分化された鉄缶類を再利用に適した有用金属として回収する。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
【出願日】 平成13年9月11日(2001.9.11)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2003−80198(P2003−80198A)
【公開日】 平成15年3月18日(2003.3.18)
【出願番号】 特願2001−274685(P2001−274685)