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【発明の名称】 真空清掃設備及び掃除具
【発明者】 【氏名】近江谷 知司
【住所又は居所】神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝横浜事業所内

【要約】 【課題】放射能を帯びた塵埃を吸入した場合には、その場で分離収集できるようにして、配管16、機器の被曝が防止できるようにする。

【解決手段】真空清掃設備の掃除具Aを掃除具装着口11に接続される塵埃分離器23、吸引した塵埃が放射能により汚染されていない場合には空気を清掃設備本体部Bに直接流入させ、汚染されている場合には空気を塵埃分離器23で当該塵埃を分離収集した後清掃設備本体部Bに流入するように流路を切替える流路切替器24、塵埃分離器23に流路切替器24を介して接続されるフレキシブルホース21、該フレキシブルホース21に接続されたアタッチメント22、このアタッチメント22に設けられて塵埃が放射能により汚染されているか否かを検出し、その結果を流路切替器24に送る放射能検出器25により構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 施設の複数箇所に設置された掃除具装着口に掃除具を装着して塵埃を吸引し、前記掃除具装着口の下流側に設けられた塵埃収集装置で塵埃を分離収集する真空清掃設備において、前記掃除具が、吸引した塵埃の放射能を検出する放射能検出器と、吸引した空気に含まれる塵埃を分離する塵埃分離器と、該放射能検出器により吸引した塵埃に放射能が検出されない場合には、当該塵埃を含む吸引した空気が前記塵埃収集装置に直接流入するように流路を設定し、吸引した塵埃に放射能が検出された場合には、当該塵埃を含む吸引した空気を前記塵埃分離器を介して前記塵埃収集装置に流入させて、放射能を帯びた塵埃を前記掃除具装着口より上流で集塵できるように流路を設定する流路切替器とを設けたことを特徴とする真空清掃設備。
【請求項2】 施設の複数箇所に設置された掃除具装着口と、この掃除具装着口の下流側に設けられ塵埃を分離収集する塵埃収集装置とを有する真空清掃設備の前記掃除具装着口に装着される掃除具において、吸引した塵埃の放射能を検出する放射能検出器と、吸引した空気に含まれる塵埃を分離する塵埃分離器と、該放射能検出器により吸引した塵埃に放射能が検出されない場合には、当該塵埃を含む吸引した空気が前記塵埃収集装置に直接流入するように流路を設定し、吸引した塵埃に放射能が検出された場合には、当該塵埃を含む吸引した空気を前記塵埃分離器を介して前記塵埃収集装置に流入させて、放射能を帯びた塵埃を前記掃除具装着口より上流で集塵できるように流路を設定する流路切替器とを有することを特徴とする掃除具。
【請求項3】 前記塵埃分離器が、放射能を帯びた塵埃を分離する集塵フィルタと、該集塵フィルタにより分離された塵埃を収納するカートとを備えることを特徴とする請求項2記載の清掃具。
【請求項4】 前記カートが、放射能遮蔽部材からなる筐体内に収納されていることを特徴とする請求項3記載の清掃具。
【請求項5】 前記塵埃分離器が、前記集塵フィルタに振動を付与して、当該集塵フィルタに付着した塵埃を振い落す振動付与器を備えることを特徴とする請求項3記載の清掃具。
【請求項6】 前記掃除具が、移動装置を備えて移動可能に設けられていることを特徴とする請求項2乃至5いずれか1項記載の清掃具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力発電所等で使用される真空清掃設備及び掃除具に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、例えば原子力発電所では、原子炉格納容器内ドライウェル、原子炉建屋、タービン建屋等の清掃に真空清掃設備が利用されている。
【0003】このような真空清掃設備の概略構成を図3に示し説明する。真空清掃設備は、掃除具Aと清掃設備本体部Bとにより構成されている。
【0004】なお、図3(a)は、真空清掃設備全体の概略構成を示し、図3(b)は掃除作業の様子を概略的に示す図である。
【0005】清掃設備本体部Bは、施設の各区域に複数設けられた掃除具装着口11、該掃除具装着口11に連通して配管接続され、吸引した空気に含まれる塵埃を分離収集するバグフィルタを備える塵埃収集装置12、塵埃が分収集された空気の清浄度を高めるヘパフィルタ13、吸引力を発生するターボブロア14、該ターボブロア14からの排気騒音を低減させるサイレンサ15等を備えている。なお、サイレンサ15からの空気はHVAC(排気空調系)排気ダクトに流入するように設けられている。
【0006】また、掃除具Aは、掃除具装着口11に装着されるフレキシブルホース21、このフレキシブルホース21に接続されるアタッチメント22を備えている。
【0007】そして、掃除具装着口11にフレキシブルホース21を装着して、この掃除具装着口11の下流側に設けられた配管16を介して塵埃収集装置12に流入して分離収集され、空気はヘパフィルタ13を介してHVAC排気ダクトに排気される。
【0008】このとき、ドライウェルからの塵埃は、放射能により汚染されている場合があるので、汚染されていない塵埃と同じ扱いをすることができない。
【0009】そこで、ドライウェルからの配管出口にはプリセパレータ17が設けられて、当該ドライウェルからの塵埃を分離収集するようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構成ではドライウェル以外の区域で放射能を帯びた塵埃を吸入した場合には、放射能を帯びていない塵埃と区別して収集することができないために、その流路の配管16や機器が放射能により汚染されてしまう可能性があった。
【0011】そこで、本発明は、ドライウェル以外の区域で放射能を帯びた塵埃を吸入した場合には、その場で分離収集できるようにして、配管、機器の被曝が防止できるようにした真空清掃設備を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、施設の複数箇所に設置された掃除具装着口に掃除具を装着して塵埃を吸引し、掃除具装着口の下流側に設けられた塵埃収集装置で塵埃を分離収集する真空清掃設備において、掃除具が、吸引した塵埃の放射能を検出する放射能検出器と、吸引した空気に含まれる塵埃を分離する塵埃分離器と、該放射能検出器により吸引した塵埃に放射能が検出されない場合には、当該塵埃を含む吸引した空気が塵埃収集装置に直接流入するように流路を設定し、吸引した塵埃に放射能が検出された場合には、当該塵埃を含む吸引した空気を塵埃分離器を介して塵埃収集装置に流入させるように流路を設定する流路切替器とを設ける。
【0013】これにより、ドライウェル以外の区域で放射能を帯びた塵埃を吸入した場合でも、掃除具装着口より上流側で当該塵埃を分離収集して、放射能を帯びた塵埃が塵埃収集装置に流入しないようにすることで、配管、機器の被曝が防止できるようにしたことを特徴とする。
【0014】請求項2にかかる発明は、施設の複数箇所に設置された掃除具装着口と、この掃除具装着口の下流側に設けられ塵埃を分離収集する塵埃収集装置とを有する真空清掃設備の前記掃除具装着口に装着される掃除具において、吸引した塵埃の放射能を検出する放射能検出器と、吸引した空気に含まれる塵埃を分離する塵埃分離器と、該放射能検出器により吸引した塵埃に放射能が検出されない場合には、当該塵埃を含む吸引した空気が前記塵埃収集装置に直接流入するように流路を設定し、吸引した塵埃に放射能が検出された場合には、当該塵埃を含む吸引した空気を前記塵埃分離器を介して前記塵埃収集装置に流入させて、放射能を帯びた塵埃を前記掃除具装着口より上流で集塵できるように流路を設定する流路切替器とを有する。
【0015】これにより、ドライウェル以外の区域で放射能を帯びた塵埃を吸入した場合でも、掃除具装着口より上流側で当該塵埃を分離収集して、放射能を帯びた塵埃が塵埃収集装置に流入しないようにすることで、配管、機器の被曝が防止できるようにしたことを特徴とする。
【0016】請求項3にかかる発明は、塵埃分離器が、放射能を帯びた塵埃を分離する集塵フィルタと、該集塵フィルタにより分離された塵埃を収納するカートとを備える。
【0017】これにより、掃除具装着口より上流側で放射能を帯びた塵埃を分離し、かつ、収集できるようにして、作業員の被曝や配管、機器の被曝が防止できるようにしたことを特徴とする。
【0018】請求項4にかかる発明は、カートを放射能遮蔽部材からなる筐体内に収納できるようにする。
【0019】これにより、カートに収納されている放射能を帯びた塵埃による被曝を防止すると共に、その扱いを容易にしたことを特徴とする。
【0020】請求項5にかかる発明は、塵埃分離器が、集塵フィルタに振動を付与して、当該集塵フィルタに付着した塵埃を振い落す振動付与器を設ける。
【0021】これにより、集塵フィルタに塵埃が付着したときには、振動を与えて塵埃を振い落せるようにして、分離能力が高い集塵フィルタの利用を可能にすると共に、その能力の継続時間を延して作業性の向上や被曝量の低減を可能にしたことを特徴とする。
【0022】請求項6にかかる発明は、掃除具に移動装置を設けて移動可能にする。
【0023】これにより、設備投資を抑えながら作業性を向上させたことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図を参照して説明する。なお、従来と同一構成に関しては同一符号を用いて説明する。図1は本実施の形態の真空清掃設備の概略構成を示す図である。
【0025】当該真空清掃設備は、掃除具Aと清掃設備本体部Bとにより構成されて、清掃設備本体部Bは、施設の各区域に複数設けられた掃除具装着口11、該掃除具装着口11に連通して配管接続され、吸引した空気に含まれる塵埃を分離収集するバグフィルタを備える塵埃収集装置12、塵埃が分収集された空気の清浄度を高めるヘパフィルタ13、吸引力を発生するターボブロア14、吸引に伴う騒音を低減させるサイレンサ15等を備えて、サイレンサ15からの空気はHVAC排気ダクトに流入するように設けられている。なお、清掃設備本体部Bは従来と同じ構成である。
【0026】一方、掃除具Aは、掃除具装着口11に接続される塵埃分離器23、吸引した空気の流路を切替える電動三方弁等の流路切替器24、塵埃分離器23に流路切替器24を介して接続されるフレキシブルホース21、該フレキシブルホース21に接続されたアタッチメント22、このアタッチメント22に設けられた放射能検出器25等を有している。
【0027】塵埃分離器23は、当該塵埃分離器23を移動できるようにするキャスター等の移動装置26、放射能汚染された塵埃を分離する集塵フィルタ27、該集塵フィルタ27で分離された塵埃を収納するカート28、該カート28を収納すると共に放射能遮蔽部材から形成されて、当該カート28に収集された塵埃から放射能が外部に漏れないように遮蔽する遮蔽筐体29を備えている。
【0028】流路切替器24は、1つの入口24aと2つの出口24b,24cを備えて、放射能検出器25からの信号に基づき流路を切替えるもので、一方の出口24bは集塵フィルタ27を介して掃除具装着口11に連通するようになっており、他方の出口24cは直接に掃除具装着口11に連通するようになっている。
【0029】そして、流路切替器24は放射能検出器25が放射能を検出すると、集塵フィルタ27を介して吸引した空気が清掃設備本体部Bに流入するように流路を切替え(図1において実線矢印)、放射能が検出されないときは吸引した空気が直接清掃設備本体部Bに流入するように流路を切替える(図1において点線矢印)。
【0030】このような構成で、塵埃を吸引清掃する場合は、放射能検出器25を動作させて塵埃分離器23の排出口を近くの掃除具装着口11に接続し、アタッチメント22を操作して清掃する。
【0031】このとき、吸引した塵埃が放射能により汚染されていない場合には、放射能検出器25は放射能を検出しないので、流路切替器24は吸引した空気を直接清掃設備本体部Bに流入するように流路を切替える。
【0032】これにより、塵埃は塵埃収集装置12で集塵され、空気はヘパフィルタ13を通過する際に浄化されて排気されるようになる。
【0033】一方、吸引した塵埃が放射能により汚染されている場合には放射能検出器25がこれを検出し、その検出信号に基づき流路切替器24が動作して、吸引した空気が集塵フィルタ27を介して流入するように流路を切替える。
【0034】これにより、放射能により汚染された塵埃は集塵フィルタ27で分離されカート28に集塵される。また、空気は塵埃収集装置12及びヘパフィルタ13を通過する際に浄化されて排気されるようになる。
【0035】以上説明したように、塵埃が放射能で汚染されているか否かを検出し、汚染されている場合には流路を切替えて清掃設備本体部Bに流入する前に集塵するようにしたので、清掃設備本体部Bが放射能汚染されることが無くなり、吸引した塵埃の放射能汚染を気にせず安心して掃除が行えるようになる。
【0036】また、塵埃分離器23のカート28は遮蔽筐体29内に配置されるので、作業員や配管16、機器の被曝量を抑制することが可能になり安全性が向上する。
【0037】次に、本発明の第2の実施の形態を図を参照して説明する。なお、上述した実施の形態と同一構成に関しては同一符号を用い説明を適宜省略する。
【0038】先に説明した実施の形態では、放射能により汚染されている塵埃は集塵フィルタ27により分離されるようになっていた。このとき、集塵フィルタ27の目を細かくする等して分離能力を高めると、付着した塵埃により短時間のうちに目詰りを起して分離能力が低下してしまうことが危惧される。
【0039】従って、集塵フィルタ27の清掃を頻繁に行なうか、分離能力を犠牲にして集塵フィルタ27の目を粗くする等の対処が求められ、共に被曝量の増大に繋がるため好ましくない。
【0040】そこで、本実施の形態では、図2に示すように集塵フィルタ27をバグフィルタにより構成すると共に、当該集塵フィルタ27に付着した塵埃を振い落す図示しない振動付与器を設けている。
【0041】これにより、集塵フィルタ27に塵埃が付着して分離能力が低下したときには、振動付与器を動作させて塵埃を振い落して当該分離能力を回復させる。
【0042】従って、分離能力の高い集塵フィルタ27が利用でき、かつ、その能力を長時間持続させることができるようになって、塵埃分離器23のメンテナンス時等における被曝量が抑制でき、かつ、清掃頻度が少なくなるので作業コストの低減を図ることが可能になる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、掃除具を吸引した塵埃の放射能を検出する放射能検出器と、吸引した空気に含まれる塵埃を分離する塵埃分離器と、該放射能検出器により吸引した塵埃に放射能が検出されない場合には、当該塵埃を含む吸引した空気が塵埃収集装置に直接流入するように流路を設定し、吸引した塵埃に放射能が検出された場合には、当該塵埃を含む吸引した空気を塵埃分離器を介して塵埃収集装置に流入させるように流路を設定する流路切替器とにより構成したので、例えばドライウェル以外の区域で放射能を帯びた塵埃を吸入した場合でも、掃除具装着口より上流側で当該塵埃を分離収集して、放射能を帯びた塵埃の塵埃収集装置内への流入を阻止することができ、配管、機器の被曝を防止できるようになる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目1番1号
【出願日】 平成13年9月17日(2001.9.17)
【代理人】 【識別番号】100083231
【弁理士】
【氏名又は名称】紋田 誠
【公開番号】 特開2003−80190(P2003−80190A)
【公開日】 平成15年3月18日(2003.3.18)
【出願番号】 特願2001−281402(P2001−281402)