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【発明の名称】 部品洗浄乾燥方法、及び部品洗浄乾燥装置
【発明者】 【氏名】土屋 武司
【住所又は居所】静岡県田方郡大仁町神島字日之前244番地 東静電気株式会社内

【要約】 【課題】浸漬洗浄工程において微細な孔の内部の洗浄をも行うことができ、また真空乾燥工程において乾燥効率を向上させて乾燥時間を短縮することができ、さらに駆動機器の重複使用を排除して装置コストを全体として低減する。

【解決手段】洗浄乾燥槽3内に被処理物2を収容し、被処理物2を洗浄溶剤に浸漬して超音波振動を与えて洗浄する浸漬洗浄工程において、洗浄乾燥槽3内を200Pa以下に減圧して減圧洗浄を行うと共に、この減圧洗浄を行った後、200Paを超え洗浄溶剤の爆発下限界以下の圧力まで復圧し、復圧洗浄を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 洗浄乾燥槽内に被処理物を収容し、該被処理物を洗浄溶剤に浸漬して超音波振動を与えて洗浄する部品洗浄乾燥方法において、前記洗浄溶剤は溶剤タンク内に貯溜されており、該溶剤タンクから洗浄乾燥槽への洗浄溶剤の給液、及び該洗浄乾燥槽から溶剤タンクへの洗浄溶剤の排液は、洗浄乾燥槽内の圧力と溶剤タンク内の圧力とを爆発下限界以下の圧力範囲内で圧力差を付け、圧力に差がついた状態で洗浄乾燥槽と溶剤タンクとの間を連通させることにより、高圧力側の洗浄溶剤を低圧力側に移送することを特徴とする部品洗浄乾燥方法。
【請求項2】 洗浄乾燥槽内に被処理物を収容し、該被処理物を洗浄溶剤に浸漬して超音波振動を与えて洗浄する浸漬洗浄工程と、洗浄溶剤の加熱蒸気を導入して被処理物を蒸気洗浄する蒸気洗浄工程と、蒸気洗浄後の被処理物を減圧状態で乾燥する真空乾燥工程とを行う部品洗浄乾燥方法であって、上記真空乾燥工程において、上記洗浄乾燥槽内を真空ポンプの限界値まで減圧して低圧真空乾燥を行うと共に、該低圧真空乾燥を行った後、真空ポンプの限界値を開放し洗浄溶剤の爆発下限界以下の圧力まで復圧し、所定時間が経過した後に、再び低圧真空乾燥を行うことを特徴とする部品洗浄乾燥方法。
【請求項3】 前記低圧真空乾燥を所定の時間行い、該低圧真空乾燥を行った後、所定の時間復圧する操作を乾燥工程中で複数回繰り返すことを特徴とする請求項2に記載の部品洗浄乾燥方法。
【請求項4】 前記復圧の時間を被処理物に応じて調整することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の部品洗浄乾燥方法。
【請求項5】 被処理物を収容する洗浄乾燥槽と、該洗浄乾燥槽内の被処理物を洗浄溶剤に浸漬して超音波振動を与える超音波発生器と、洗浄乾燥槽内を減圧する真空ポンプと、洗浄乾燥槽内に洗浄溶剤を給液する洗浄溶剤給液系と、洗浄乾燥槽内の洗浄溶剤を排液する洗浄溶剤排液系と、洗浄乾燥槽内に洗浄溶剤の加熱蒸気を導入する洗浄溶剤蒸気導入系と、を備え、制御装置の制御の下で、洗浄乾燥槽内に洗浄溶剤を給液する洗浄溶剤給液工程と、洗浄乾燥槽内の洗浄溶剤に被処理物を浸漬して減圧状態で超音波振動を与えて洗浄する浸漬洗浄工程と、浸漬洗浄工程の後に洗浄乾燥槽内の洗浄溶剤を排液する排液工程と、排液工程の後に洗浄溶剤の加熱蒸気を洗浄乾燥槽内に導入して被処理物を蒸気洗浄する蒸気洗浄工程と、蒸気洗浄工程の後に洗浄乾燥槽内を減圧して被処理物を乾燥する真空乾燥工程とを行う部品洗浄乾燥装置であって、上記制御装置は、真空乾燥工程において、上記洗浄乾燥槽内を真空ポンプの限界値まで減圧して低圧真空乾燥を行うと共に、該低圧真空乾燥を行った後、真空ポンプの限界値を開放し洗浄溶剤の爆発下限界以下の圧力まで復圧し、所定時間が経過した後に、再び低圧真空乾燥を行う制御を実行することを特徴とする部品洗浄乾燥装置。
【請求項6】 前記制御装置は、低圧真空乾燥を所定の時間行い、該低圧真空乾燥を行った後、所定の時間復圧する操作を乾燥工程中で複数回繰り返す制御を実行することを特徴とする請求項5に記載の部品洗浄乾燥装置。
【請求項7】 前記制御装置は、外部入力手段からの入力により前記復圧状態の時間を調整可能としたことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の部品洗浄乾燥装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油脂系の汚れ等が付着した機械部品やメッキ部品等を減圧下で洗浄し乾燥する部品洗浄乾燥方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】金属製機械部品、メッキ部品、電子部品等の各種部品には、その製造工程や組立工程等において、切削油等の工作油脂、フラックス、塵埃等をはじめとして様々な汚れが付着する。このような汚れが付着した機械部品や電子部品等の被処理物の清浄は、従来、例えば炭化水素系、塩素系等の金属洗浄溶剤を使用して、被処理物を洗浄溶剤に浸漬して超音波による振動を与えて洗浄する浸漬洗浄工程を行ない、次に、洗浄溶剤の蒸気を噴霧して洗浄を行う蒸気洗浄工程を行なうことにより成されている。そして、真空乾燥工程を行うことにより、蒸気洗浄後の被処理物を乾燥している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述の乾燥工程は、洗浄時に加熱された洗浄溶剤によって与えられる熱に真空を付加することによって行なわれるが、重ね合わせた被洗浄物や、微細な孔、隙間が存在する場合にはこれらの微細な孔や隙間などの中に洗浄溶剤が残留して乾燥しづらいため、乾燥してもシミ等の不具合が発生していた。
【0004】また、前述の真空乾燥工程を行うと、被処理物に付着した洗浄溶剤が気化する際に、気化熱によって被処理物の表面温度が低下してしまう。このため、乾燥効率が低下し易く、減圧して洗浄溶剤の沸点を低下させても実際には乾燥に相当の時間を要していた。
【0005】また、従来の洗浄装置において、浸漬洗浄工程における洗浄乾燥槽への洗浄溶剤の給液、及び洗浄乾燥槽から使用済みの洗浄溶剤を貯溜する溶剤タンクへの排液は、その給液系及び排液系に搬送用のポンプを夫々介設して行われており、駆動機器の重複使用によりコストが全体として増大していた。
【0006】そこで、本発明は、真空乾燥工程において、従来よりも乾燥効率を向上させて乾燥時間を短縮することができる部品洗浄乾燥方法、及びその装置を提供することを目的とする。
【0007】また、駆動機器の重複使用を排除して装置のコストを全体として低減することができる部品洗浄乾燥方法、及びその装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記に鑑み提案されたもので、請求項1に記載のものは、洗浄乾燥槽内に被処理物を収容し、該被処理物を洗浄溶剤に浸漬して超音波振動を与えて洗浄する部品洗浄乾燥方法において、前記洗浄溶剤は溶剤タンク内に貯溜されており、該溶剤タンクから洗浄乾燥槽への洗浄溶剤の給液、及び該洗浄乾燥槽から溶剤タンクへの洗浄溶剤の排液は、洗浄乾燥槽内の圧力と溶剤タンク内の圧力とを爆発下限界以下の圧力範囲内で圧力差を付け、圧力に差がついた状態で洗浄乾燥槽と溶剤タンクとの間を連通させることにより、高圧力側の洗浄溶剤を低圧力側に移送することを特徴とする部品洗浄乾燥方法である。
【0009】請求項2に記載のものは、洗浄乾燥槽内に被処理物を収容し、該被処理物を洗浄溶剤に浸漬して超音波振動を与えて洗浄する浸漬洗浄工程と、洗浄溶剤の加熱蒸気を導入して被処理物を蒸気洗浄する蒸気洗浄工程と、蒸気洗浄後の被処理物を減圧状態で乾燥する真空乾燥工程とを行う部品洗浄乾燥方法であって、上記真空乾燥工程において、上記洗浄乾燥槽内を真空ポンプの限界値まで減圧して低圧真空乾燥を行うと共に、該低圧真空乾燥を行った後、真空ポンプの限界値を開放し洗浄溶剤の爆発下限界以下の圧力まで復圧し、所定時間が経過した後に、再び低圧真空乾燥を行うことを特徴とする部品洗浄乾燥方法である。本願における「真空乾燥」は、減圧状態で乾燥する意味である。また、「復圧」は、一旦減圧した圧力を大気圧側に戻すことを意味する。そして、「真空ポンプの限界値を開放する」とは、その限界値に相当する減圧状態を解くことを意味する。
【0010】請求項3に記載のものは、前記低圧真空乾燥を所定の時間行い、該低圧真空乾燥を行った後、所定の時間復圧する操作を乾燥工程中で複数回繰り返すことを特徴とする請求項2に記載の部品洗浄乾燥方法である。
【0011】請求項4に記載のものは、前記復圧の時間を被処理物に応じて調整することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の部品洗浄乾燥方法である。
【0012】請求項5に記載のものは、被処理物を収容する洗浄乾燥槽と、該洗浄乾燥槽内の被処理物を洗浄溶剤に浸漬して超音波振動を与える超音波発生器と、洗浄乾燥槽内を減圧する真空ポンプと、洗浄乾燥槽内に洗浄溶剤を給液する洗浄溶剤給液系と、洗浄乾燥槽内の洗浄溶剤を排液する洗浄溶剤排液系と、洗浄乾燥槽内に洗浄溶剤の加熱蒸気を導入する洗浄溶剤蒸気導入系と、を備え、制御装置の制御の下で、洗浄乾燥槽内に洗浄溶剤を給液する洗浄溶剤給液工程と、洗浄乾燥槽内の洗浄溶剤に被処理物を浸漬して減圧状態で超音波振動を与えて洗浄する浸漬洗浄工程と、浸漬洗浄工程の後に洗浄乾燥槽内の洗浄溶剤を排液する排液工程と、排液工程の後に洗浄溶剤の加熱蒸気を洗浄乾燥槽内に導入して被処理物を蒸気洗浄する蒸気洗浄工程と、蒸気洗浄工程の後に洗浄乾燥槽内を減圧して被処理物を乾燥する真空乾燥工程とを行う部品洗浄乾燥装置であって、上記制御装置は、真空乾燥工程において、上記洗浄乾燥槽内を真空ポンプの限界値まで減圧して低圧真空乾燥を行うと共に、該低圧真空乾燥を行った後、真空ポンプの限界値を開放し洗浄溶剤の爆発下限界以下の圧力まで復圧し、所定時間が経過した後に、再び低圧真空乾燥を行う制御を実行することを特徴とする部品洗浄乾燥装置である。
【0013】請求項6に記載のものは、前記制御装置は、低圧真空乾燥を所定の時間行い、該低圧真空乾燥を行った後、所定の時間復圧する操作を乾燥工程中で複数回繰り返す制御を実行することを特徴とする請求項5に記載の部品洗浄乾燥装置である。
【0014】請求項7に記載のものは、前記制御装置は、外部入力手段からの入力により前記復圧状態の時間を調整可能としたことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の部品洗浄乾燥装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る部品洗浄乾燥装置1の系統構成を示す概略図、図2は部品洗浄乾燥装置1を制御する制御装置50の概略ブロック図である。
【0016】図1に示すように、工作油脂等の汚れが付着した機械部品や電子部品等の被処理物2の洗浄及び乾燥は、洗浄乾燥槽3内にバスケット4に入れた複数の被処理物2を収容して行われる。この洗浄乾燥槽3内では、例えば炭化水素等の洗浄溶剤を使用して、被処理物2を洗浄溶剤に浸漬して超音波による振動を与えて洗浄する浸漬洗浄工程を行ない、次に洗浄溶剤の蒸気を導入して被処理物2の洗浄を行う蒸気洗浄工程を行ない、さらに蒸気洗浄後の被処理物2を真空乾燥工程を行って乾燥する。
【0017】洗浄溶剤としては、炭化水素系溶剤(パラフィン、ナフテン)、塩素系溶剤(トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン)、臭素系溶剤(ノルマルプロピルブロマイド)、フッ素系溶剤(HFC、HFE、HCFC)等が挙げられるが、環境保護の観点から炭化水素系が好ましい。
【0018】洗浄乾燥槽3は、上部が開閉可能な中空箱体状の耐圧容器であり、上部開口部5に形成されたフランジ部5aにはシール材6を介して、該開口部5を密閉して覆う開閉蓋7が設けられている。この開閉蓋7は、少なくともその天井面(下面)7aが傾斜するように洗浄乾燥槽3の上部開口部5に開閉自在に設けられる。開閉蓋7の天井面7aを傾斜させて設けるのは、この開閉蓋7の天井面7aに溶剤ガスが結露した場合に、溶剤液滴を該天井面7aを伝わらせて傾斜側へと流下させるためであり、傾斜側に集められた溶剤液滴は洗浄乾燥槽3の側壁面3bから底面3aへと流下する。したがって、結露した溶剤滴が被処理物2に付着してシミが発生することを防止できる。
【0019】洗浄乾燥槽3の底部3aには、後述する溶剤タンクに至る排液系8が本発明の洗浄溶剤排液系として接続されており、該排液系8にはこれを開閉する排液弁9が介設されている。
【0020】上述の浸漬洗浄工程、蒸気洗浄工程、及び真空乾燥工程は、被処理物2を収容する洗浄乾燥槽3内を炭化水素等の可燃性洗浄溶剤の爆発下限界以下まで減圧して行われるので、洗浄乾燥槽3には、真空ポンプ10に至る排気系11が接続されており、該排気系11にはこれを開閉する洗浄乾燥槽真空弁12が介設されている。
【0021】また、洗浄乾燥槽3には、その内部に洗浄溶剤を流入して被処理物2を浸漬洗浄するために、溶剤タンク13に至る浸漬洗浄系14が本発明の洗浄溶剤給液系として接続されており、該浸漬洗浄系14にはこれを開閉する浸漬洗浄弁15が介設されている。洗浄乾燥槽3には、その内部に流入された洗浄溶剤のレベルを検出するためのレベルスイッチ16が備えられている。浸漬洗浄工程は、前述したように被処理物2を洗浄溶剤に浸漬して超音波による振動を与えて洗浄する工程であり、したがって、本実施形態の洗浄乾燥槽3には、超音波発生装置3cが備えられている。なお、溶剤タンク13は、上部が覆われた密閉容器であり、後述する分岐排気系を介して真空ポンプ10により減圧される。
【0022】浸漬洗浄工程の完了後、洗浄乾燥槽3内の洗浄溶剤は、前述したように、上記排液弁9を開放して両者を連通させることにより、洗浄乾燥槽3の傾斜底部3aの最下部に接続された排液系8を通じて溶剤タンク13へと排液される。
【0023】溶剤タンク13から洗浄乾燥槽3への洗浄溶剤の流入、及び洗浄乾燥槽3から溶剤タンク13への排液は、溶剤タンク13と洗浄乾燥槽3との圧力差により行われる。したがって、洗浄乾燥槽3には、前述したように、真空ポンプ10に至る排気系11が接続されている。また、洗浄乾燥槽3にはその内部圧力を検出する洗浄乾燥槽圧力センサ51が備えられるとともに、内部圧力表示する洗浄乾燥槽内圧力計17が備えられており、排気系11の洗浄乾燥槽真空弁12の上流側(洗浄乾燥槽側)には洗浄乾燥槽3の内部圧力を大気開放して調整する洗浄乾燥槽大気開放弁18が分岐介設されている。
【0024】また、洗浄乾燥槽3との相対関係において溶剤タンク13の内部圧力を調整する必要があるため、排気系11の洗浄乾燥槽真空弁12の下流側(真空ポンプ側)は分岐され、溶剤タンク13に至る分岐排気系19が接続され、この分岐排気系19には溶剤タンク減圧弁20が介設されている。さらに、溶剤タンク13には、その内部圧力を検出する溶剤タンク圧力センサ52が備えられると共に、内部圧力を表示する溶剤タンク圧力計21が備えられており、その内部圧力を大気開放して調整する溶剤タンク大気開放弁22が備えられている。また、溶剤タンク13内の洗浄溶剤の温度を検出して温度管理を行うための溶剤タンク温度センサ53が設けられており、該溶剤タンク温度センサ53からの信号により洗浄溶剤が所定の温度よりも低下すると、制御装置50がヒータ13aに通電して洗浄溶剤を加熱する。
【0025】浸漬洗浄工程の完了後、排液弁9を開放して両者を連通することにより、洗浄乾燥槽3内の使用済み洗浄溶剤が排液系8を通じて溶剤タンク13へと排液されるが、洗浄に使用した洗浄溶剤には被処理物2に付着していた各種の汚れが混入している。これらの汚れ成分は洗浄乾燥槽3や排液系8に設けるフィルタ等を通しただけでは除去しきれず、省資源および環境保護の観点から洗浄溶剤を再生して使用する。したがって、溶剤タンク13には、使用済み溶剤を蒸留して凝縮し、再生溶剤として貯留するリザーブタンク23に至る再生処理系24が接続されており、この再生処理系24には蒸留器25及びコンデンサ26が順次介設されている。
【0026】蒸留器25は、例えば耐熱・耐圧性を有する概略円筒体状の竪型容器であり、本実施形態では蒸留器25の下部を収納する状態で、加熱機構25aが備えられている。この加熱機構25aは、例えばオイル加熱ユニットであり、熱源として電気ヒータを備えており、該ヒータにより加熱媒体としての耐熱オイルを加熱し、この加熱オイルを介して蒸留器25を加熱することにより、この蒸留器25内を流通する汚れ成分を含む洗浄溶剤を加熱して蒸発する。
【0027】なお、沸点を低下させるために蒸留器25内を減圧する。また、溶剤タンク13から蒸留器25への汚れ成分を含む溶剤の流入は、これら溶剤タンク13と蒸留器25との圧力差により行われ、汚れ成分を含む溶剤は蒸留器25の下部に流入し、気化した溶剤蒸気は蒸留器25の上部から取り出される。
【0028】再生処理系24の蒸留器25よりも下流側には、この蒸留器25によって蒸留した溶剤蒸気を凝縮して液化するためのコンデンサ26が介設されている。このコンデンサ26の本体は、例えば概略円筒体状の竪型または横型の容器であり、その内部に冷却水を通す冷却細管26aを収納した熱交換器である。コンデンサ26を通過する溶剤蒸気は冷却細管26aに接触して凝縮(液化)され、この液化した再生溶剤がリザーブタンク23内に貯溜される。コンデンサ26とリザーブタンク23との間の再生処理系24には、循環ポンプ27aにより再生溶剤を循環させて水分分離器27bに通して水分を分離してからリザーブタンク23に供給すると共に、コンデンサ26からの再生溶剤をエゼクタ27cにより循環流路内に吸引合流する水分分離機構が介設されており、リザーブタンク23には再生溶剤の貯溜量を検出するレベルスイッチ28が備えられている。なお、上記エゼクタ27cは、蒸留器25内を減圧して蒸留効率を高めている。
【0029】また、リザーブタンク23には、上記洗浄乾燥槽3へ溶剤蒸気を導入して、該洗浄乾燥槽3内に収容された被処理物2の蒸気洗浄工程を行うために、該洗浄乾燥槽3に至る蒸気洗浄系29が本発明の洗浄溶剤蒸気導入系として接続されている。この蒸気洗浄系29には、リザーブタンク23から導入される再生溶剤を溶剤蒸気として気化させるための熱交換器30が介設されており、リザーブタンク23から熱交換器30への再生溶剤の導入、熱交換器30から洗浄乾燥槽3への溶剤蒸気の導入は、リザーブタンク23と洗浄乾燥槽3との圧力差により行われ、熱交換器30よりも上流側の蒸気洗浄系29にはこれを開閉するための蒸気洗浄補助弁31が介設され、熱交換器30よりも下流側の蒸気洗浄系29にはこれを開閉するための蒸気洗浄弁32が介設されている。
【0030】熱交換器30の本体は、例えば概略円筒体状の竪型または横型の容器であり、その内部に加熱媒体を通す加熱細管30aを収納しており、該熱交換器30を通過する再生溶剤は加熱細管30aに接触して気化され、溶剤蒸気として洗浄乾燥槽3に導入されることになる。熱交換器30の加熱細管30aに通す加熱媒体としては、電気ヒータ等の加熱手段により加熱したオイルが挙げられる。また、熱交換器30の導入口には、この熱交換器30内へ再生溶剤を霧状にして噴出させるための噴霧ノズル33が設けられており、該熱交換器30内へ再生溶剤を噴霧することにより発生する溶剤蒸気を確実にガス化することができる。
【0031】前記した各機器、即ち真空ポンプ、各種の弁、及び各種センサは、制御装置50に電気的に接続され、この制御装置50の制御の下で予め設定した手順と条件で作動する。
【0032】本実施形態における制御装置50は、図2に示すように、CPU、ROM、RAMなどを備えたコンピュータにより構成され、タイマ54を備える。そして、この制御装置50の入力側には、操作パネル55に設けた電源スイッチ56、スタートスイッチ57、減圧洗浄時間設定スイッチ58、復圧洗浄時間設定スイッチ59、低圧真空乾燥時間設定スイッチ60、復圧真空乾燥時間設定スイッチ61の他に、洗浄乾燥槽圧力センサ51、洗浄乾燥槽レベルスイッチ16、溶剤タンク温度センサ53、溶剤タンク圧力センサ52、リザーブタンクレベルスイッ28チなどが接続され、出力側には、操作パネル55に設けた表示器62の他に、真空ポンプ10、洗浄乾燥槽真空弁12、排液弁9、浸漬洗浄弁15、溶剤タンクヒータ13a、洗浄乾燥槽大気開放弁18、分岐排気弁19、溶剤タンク減圧弁20、溶剤タンク大気開放弁22、蒸気洗浄補助弁31、蒸気洗浄弁32、耐熱オイル過熱ヒータなどが接続されている。
【0033】なお、復圧洗浄時間設定スイッチ59、復圧真空乾燥時間設定スイッチ61は、被処理物2の重量、表面積、微細孔や微細隙間の有無や数などの特質に応じて、復圧時間をタイマ54に設定する入力手段として機能する。また、減圧洗浄時間設定スイッチ58、低圧真空乾燥時間設定スイッチ60は、被処理物に応じて所望する時間をタイマ54に設定する入力手段として機能するものである。
【0034】そして、本実施形態における制御装置50は、浸漬洗浄工程において、上記洗浄乾燥槽内を200Pa以下に減圧して減圧洗浄を行うと共に、該減圧洗浄を行った後、200Paを超え洗浄溶剤の爆発下限界以下の圧力まで復圧し、この復圧状態で復圧洗浄を行う制御を実行するとともに、真空乾燥工程において、上記洗浄乾燥槽3内を真空ポンプ10の限界値まで減圧して低圧真空乾燥を行うと共に、該低圧真空乾燥を行った後、真空ポンプ10の限界値を開放し洗浄溶剤の爆発下限界以下の圧力まで復圧し、この復圧状態で復圧真空乾燥を行う制御を実行する。
【0035】また、制御装置50は、減圧洗浄を所定の時間行い、該減圧洗浄を行った後、所定の時間復圧洗浄を行う操作を洗浄工程中で複数回繰り返す制御を実行する。なお、繰り返し回数は、予め設定した固定回数でもよいが、操作パネル55の図示していない操作部(外部入力手段)を操作することにより設定できるようにしてもよい。
【0036】さらに、制御装置50は、低圧真空乾燥を所定の時間行い、該低圧真空乾燥を行った後、所定の時間復圧真空乾燥する操作を乾燥工程中で複数回繰り返す制御を実行する。なお、この繰り返し回数は、予め設定した固定回数でもよいが、操作パネル55の操作部(外部入力手段)を操作することにより設定できるようにしてもよい。
【0037】次に、本実施形態における部品洗浄乾燥装置1の操作を具体的に説明する。準備段階として、洗浄乾燥槽大気開放弁18を開放した後、洗浄乾燥槽3の開閉蓋7を開放して、機械部品等の被処理物2を複数個入れたバスケット4を載置部上に載置し、開閉蓋7をシール部材6を介して密閉状態で閉成する。そして、スタートスイッチ57を操作すると、制御装置50が洗浄乾燥槽大気開放弁18を閉成する。
【0038】このような準備が整ったら、まず、洗浄乾燥槽3へ洗浄溶剤の給液を行う。給液操作は、制御装置50が溶剤タンク大気開放弁22を開放して溶剤タンク13の内部圧力を溶剤タンク圧力センサ52が爆発下限界以下の500Paを検出するまで大気方向へと戻す。そして、溶剤タンク13の内部圧力が500Paになったことが検出されると、制御装置50が溶剤タンク大気開放弁22を閉成し、浸漬洗浄系14の浸漬洗浄弁15、及び排気系11の洗浄乾燥槽真空弁12を開放すると共に、真空ポンプ10を駆動する。すると、浸漬洗浄弁15が洗浄乾燥槽3と溶剤タンク13との間を連通し、洗浄乾燥槽3と溶剤タンク13との圧力差により、溶剤タンク13内から洗浄溶剤が洗浄乾燥槽3へと給液される。このとき、制御装置50の制御により、溶剤タンク減圧弁20、蒸気洗浄弁32、蒸気洗浄補助弁31、及び排液弁9は閉成されている。そして、洗浄乾燥槽3のレベルスイッチ16の上限レベルスイッチが上限レベルを検出して制御装置50に信号を送ると、これにより、制御装置50が浸漬洗浄弁15及び洗浄乾燥槽真空弁12を閉成すると共に、真空ポンプ10を停止する。
【0039】そして、真空浸漬洗浄工程を行う。この浸漬洗浄工程では被処理物2が加熱溶剤内に浸漬している状態で、超音波発生装置3cにより超音波振動を与えて浸漬洗浄(超音波洗浄)を行う。具体的には、図3に示すように、真空ポンプ10により排気系11を通じて洗浄乾燥槽3内を洗浄乾燥槽圧力センサ51が200Pa以下を検出するまで減圧して減圧洗浄を行うと共に、この減圧洗浄を行った後に制御装置50が洗浄乾燥槽大気開放弁18を開放し、洗浄乾燥槽圧力センサ51による検出圧力が200Paを超え、かつ洗浄溶剤の爆発下限界以下の500Paの圧力を指示するまで大気圧方向へと復圧して、この復圧状態で復圧洗浄を行い、この復圧洗浄の所定時間が経過した後に洗浄乾燥槽大気開放弁18を閉成し、再度、真空ポンプ10により排気系11を通じて洗浄乾燥槽3内を200Pa以下に減圧して減圧洗浄を行うという、減圧洗浄と復圧洗浄を繰り返し行う。
【0040】本実施形態では、洗浄乾燥槽3内を200Pa以下に減圧して行う減圧洗浄を所定の時間(T1)行い、この減圧洗浄を行った後、所定の時間(T2)だけ復圧洗浄する操作を定期的に複数回繰り返して洗浄を行っており、200Paを超え爆発下限界以下の圧力の復圧時(T2)に被処理物2に超音波振動を与えている。ただし、超音波を振動を与えるのは復圧洗浄時(T2)に限る必要はなく、連続して発信してもよい。
【0041】洗浄乾燥槽3内を200Pa以下に減圧して減圧洗浄を行うのは、洗浄溶剤の爆発下限界値との間に圧力差を確保して減圧洗浄を効果的に行うためである。一方、200Paを超え爆発下限界以下の圧力まで復圧するのは、減圧洗浄の圧力との間に圧力差を確保すると共に、洗浄溶剤の引火を防止するためである。
【0042】このように復圧洗浄を実施する理由は、被処理物2に微細な空間、例えば微細な孔(特に直径に比較して深い孔)が存在する場合には、洗浄溶剤中に浸漬しても微細な孔の中に空気が残留して抜け難く、すなわち孔内に洗浄溶剤が浸入し難く、超音波洗浄を施しても孔内部へ洗浄溶剤が浸透していかない。また、一度減圧しただけでは、孔内の空気が膨張して、膨張した分の空気が抜けたとしても洗浄溶剤が孔内に浸透していかない。そこで、孔の中の空気を減圧して膨張させて希薄にして膨張分は排出し、その後の復圧操作により残った空気を収縮させることによりこの収縮分の洗浄溶剤を浸透させ、この減圧と復圧とを繰り返すことにより、孔の中から空気を抜け出し易くして、孔内部へ洗浄溶剤を浸透させ、浸透した洗浄溶剤を介して孔の内周面に超音波を伝播して超音波洗浄を効率良く行うものである。
【0043】なお、ポーラス状の微細な孔や狭い隙間を洗浄する場合には、孔等の中の空気は抜け難いので、減圧洗浄の時間(T1)を長めに設定した方がよいが、比較的大きい孔を洗浄する場合には、復圧洗浄の時間(T2)に超音波振動を与えて洗浄した方が効果が大きい。上記した時間の調整は、前記したように、操作パネル55の減圧洗浄時間設定スイッチ、復圧洗浄時間設定スイッチ59の操作により、被処理物2に応じて設定することができる。
【0044】浸漬洗浄の完了後に、洗浄乾燥槽3内の汚れ成分を含む溶剤を排液する。排液操作は、制御装置50からの信号により洗浄乾燥槽大気開放弁18を開放し、洗浄乾燥槽3の内部圧力を洗浄乾燥槽圧力センサ51が爆発下限界以下の500Paを検出するまで大気方向へと戻す。そして、500Paを検出したならば、洗浄乾燥槽大気開放弁18を閉成し、排液系8の排液弁9、及び分岐排気系19の溶剤タンク減圧弁20を開放すると共に、真空ポンプ10を駆動する。すると、排液弁9の開放により洗浄乾燥槽3と溶剤タンク13とが連通し、これにより洗浄乾燥槽3と溶剤タンク13との圧力差により、洗浄乾燥槽3内から汚れ成分を含む溶剤が溶剤タンク13へと排液される。そして、洗浄乾燥槽3のレベルスイッチ16の下限レベル検出により、排液弁9及び溶剤タンク減圧弁20を閉成する。
【0045】排液操作の完了後、仕上げ蒸気洗浄工程に移行する。蒸気洗浄工程では、真空ポンプ10は既に駆動状態にあり、制御装置50が排気系11の洗浄乾燥槽真空弁12を開放した後、蒸気洗浄系29の蒸気洗浄弁32及び蒸気洗浄補助弁31を開放する。蒸気洗浄弁32及び蒸気洗浄補助弁31の開放タイミングは、洗浄乾燥槽3の洗浄乾燥槽圧力センサ51が100Pa以下の減圧状態を検出したときである。すると、洗浄乾燥槽3とリザーブタンク23との圧力差により、リザーブタンク23から熱交換器30の溶剤導入口30cに導入され、該溶剤導入口30cに設けられた噴霧ノズル33のノズル口33aから溶剤細管30bへ再生溶剤が霧状に噴出されることにより、霧状溶剤が溶剤細管30b内を通過しながら加熱媒体の通過する加熱細管30aと熱交換してガス化し、溶剤液滴の混入しない完全なる溶剤ガスとして洗浄乾燥槽3に導入される。したがって、熱交換器30を大型化することなく、洗浄乾燥槽3に導入する溶剤蒸気への溶剤液滴の混入を防止し、後述する真空乾燥後の被処理物2へのシミの付着を防止することができるものである。
【0046】蒸気洗浄を所定の時間行った後に制御装置50が蒸気洗浄弁32及び蒸気洗浄補助弁31を閉成して蒸気洗浄工程を完了し、真空乾燥工程へと移行する。移行した時点では真空ポンプ10は継続して駆動状態であり、排気系11の洗浄乾燥槽真空弁12を開放したままであり、真空ポンプ10の限界値まで減圧する。なお、真空ポンプ10は、真空乾燥に理想的な圧力である約7Pa以下まで減圧する能力を備えている。そして、限界値に達したならば、この状態を所定時間維持して低圧真空乾燥を行い、その所定時間経過後に制御装置50が洗浄乾燥槽大気開放弁18を開放して、即ち真空ポンプ10の限界値を開放し、洗浄乾燥槽圧力センサ51が爆発下限界以下の500Paを検出するまで大気方向へと戻す。すなわち、復圧する。そして、500Paを検出すると、この復圧状態を所定時間だけ維持して復圧真空乾燥を行い、その後に再度洗浄乾燥槽大気開放弁18を閉成して真空ポンプ限界値まで減圧する。本実施形態では、真空ポンプ限界値での低圧真空乾燥を所定の時間(T1)だけ継続して行い、該真空ポンプ限界値での真空乾燥を行った後に、所定の時間(T2)だけ復圧乾燥する操作を乾燥工程中で複数回繰り返して、乾燥を行っている。
【0047】このように乾燥工程中で復圧するのは、真空乾燥を行うと、被処理物2に付着した溶剤が気化するときに、気化熱を奪い、被処理物2の表面温度が低下し、この温度低下によって乾燥効率が低下するので、洗浄乾燥槽3の内部圧力を所定時間(T1)ごとに爆発下限界以下の500Paまで大気方向へと復圧して、復圧により蒸発が抑制、すなわち気化熱が奪われて冷却されることを一時的に抑制し、この間に被処理物2が保有する芯熱(内部の熱)を表面に呼び戻して表面温度を高め、この表面温度上昇後に、再び真空方向へと減圧することにより被処理物2の表面からの蒸発を促進させ、これにより総括的に乾燥効率を向上させるものである。
【0048】本実施形態では、上記復圧状態の保持時間(T2)は、被処理物2に応じて可変である。例えば、リードフレーム等の肉厚の薄い部品の被処理物2を洗浄した後に乾燥を行うと、気化熱が奪われ、被処理物2全体の温度が低下し易い。一方、質量の比較的大きな(表面積の割りに重い)被処理物2は、復圧操作により洗浄乾燥槽3の内部圧力を大気圧方向へと戻すことにより、被処理物2の芯熱が呼び戻され易く、したがって、再び減圧することにより乾燥が促進される割合が高い。しかしながら、薄物の被処理物2の場合には芯熱の絶対量が少ないために、表面の温度上昇を肉厚物ほどには期待することができない。また、洗浄乾燥槽3自体には加熱洗浄溶剤の熱が残っているが、洗浄乾燥槽3内が真空ポンプ10の限界値まで減圧されていると、空気による熱伝導も期待できない。そこで、上記復圧真空乾燥の保持時間(T2)を可変とし、薄物の被処理物2の場合には、爆発下限界以下の500Paまで戻している時間(T2)を長く設定することにより、洗浄乾燥槽3の熱を被処理物2に導入した空気を介して伝導させて加熱し、被処理物2の表面温度が高められてから再び真空ポンプ限界値へと減圧することにより、乾燥を促進させることができるものである。すなわち、復圧真空乾燥の時間T2を調整すると、被処理物2が薄物であるか、厚物であるかにかかわらず、真空乾燥工程において乾燥効率を向上させることができ、乾燥時間を大幅に短縮することができる。
【0049】真空乾燥工程が完了したら、制御装置50が洗浄乾燥槽大気開放弁18を開放して、洗浄乾燥槽3の内部圧力を大気開放し、全工程の終了を報知する。そして、洗浄乾燥槽3の開閉蓋7を開放すれば、バスケット4と共に洗浄乾燥された複数の被処理物2を取り出すことができる。
【0050】また、浸漬洗浄系14による溶剤タンク13から洗浄乾燥槽3への給液、排液系8による洗浄乾燥槽3から溶剤タンク13への排液、及び蒸気洗浄系29によるリザーブタンク23から洗浄乾燥槽3への溶剤蒸気の導入については、全て真空ポンプ10が駆動機器の役割を果たしており、排気系11を通じて洗浄乾燥槽3を、もしくは分岐排気系19を通じて溶剤タンク13を減圧し、あるいは洗浄乾燥槽大気開放弁18により洗浄乾燥槽3の内部圧力を大気開放し、もしくは溶剤タンク大気開放弁22により溶剤タンク13の内部圧力を大気開放することにより、洗浄乾燥槽3と溶剤タンク13とに圧力差を与えて、あるいは洗浄乾燥槽3とリザーブタンク23とに圧力差を与えて、洗浄溶剤や溶剤蒸気の移送を行っている。したがって、駆動機器の重複使用を排除して部品洗浄乾燥装置1の装置コストを全体として低減することができる。
【0051】なお、前記減圧洗浄時間設定スイッチ58、復圧洗浄時間設定スイッチ59、低圧真空乾燥時間設定スイッチ60、復圧真空乾燥設定スイッチ61は、公知のスイッチを適宜選択して構成することができ、テンキー、或いは表示器62と一体化したタッチパネルスイッチでもよい。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば、以下の効果を奏する。すなわち、洗浄溶剤は溶剤タンク内に貯溜されており、該溶剤タンクから洗浄乾燥槽への洗浄溶剤の給液、及び該洗浄乾燥槽から溶剤タンクへの洗浄溶剤の排液は、これら洗浄乾燥槽から溶剤タンクとの圧力差により行われるので、真空ポンプが共通の駆動機器の役割を果たし、駆動機器の重複使用を排除して部品洗浄乾燥装置の装置コストを全体として低減することができる。そして、圧力差により洗浄溶剤を移送する際に、いずれの圧力も爆発下限界以下の圧力範囲なので、引火性のある洗浄溶剤であっても安全に行うことができる。
【0053】また、被処理物の真空乾燥工程において、洗浄乾燥槽内を真空ポンプの限界値まで減圧して低圧の真空乾燥を行うと共に、該低圧真空乾燥を行った後、真空ポンプの限界値を開放し洗浄溶剤の爆発下限界以下の圧力まで復圧し、この状態で復圧真空乾燥を行うので、低圧真空乾燥で気化熱が奪われて被処理物の表面温度が低下しても、被処理物が保有する芯熱を呼び戻したり、あるいは洗浄乾燥槽自体の熱を伝達させて被処理物の表面の温度を高めることができる。したがって、再び真空方向へと減圧して低圧の真空乾燥を行うことにより乾燥効率を従来に比較して向上させることができ、その結果として乾燥時間を短縮することができる。
【0054】そして、低圧真空乾燥を所定の時間行い、該低圧真空乾燥を行った後に復圧して、所定の時間復圧する操作を乾燥工程中で複数回繰り返すことにより、被処理物の温度回復を促進でき、これにより真空乾燥をより促進させることができ、乾燥時間をより短縮することができる。
【0055】また、復圧状態の維持時間が被処理物に応じて可変であることにより、被処理物が薄物であるか、厚物であるかにかかわらず、真空乾燥を効率良く行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000221454
【氏名又は名称】東静電気株式会社
【住所又は居所】静岡県田方郡大仁町神島字日之前244番地
【出願日】 平成13年9月11日(2001.9.11)
【代理人】 【識別番号】100098073
【弁理士】
【氏名又は名称】津久井 照保
【公開番号】 特開2003−80187(P2003−80187A)
【公開日】 平成15年3月18日(2003.3.18)
【出願番号】 特願2001−275560(P2001−275560)