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【発明の名称】 部品洗浄乾燥装置
【発明者】 【氏名】土屋 武司
【住所又は居所】静岡県田方郡大仁町神島字日之前244番地 東静電気株式会社内

【要約】 【課題】熱交換器を大型化することなく、洗浄乾燥槽に導入する溶剤蒸気への溶剤液滴の混入を防止し、乾燥後の被処理物へのシミの付着を防止する。

【解決手段】洗浄乾燥槽3内を減圧し、洗浄溶剤の加熱蒸気を導入して被処理物2を蒸気洗浄し、蒸気洗浄の完了後に被処理物2の乾燥を行う部品洗浄乾燥装置1であって、被処理物2を蒸気洗浄するために、洗浄乾燥槽3内へ溶剤蒸気を導入する蒸気洗浄系29には、洗浄溶剤を加熱して気化させる熱交換器30が備えられ、熱交換器30の溶剤導入口30cには、洗浄溶剤を霧状に噴出する噴霧ノズル33がそのノズル口33aを溶剤導入口30c内へ臨ませて配置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 洗浄乾燥槽内に被処理物を収容すると共に、該洗浄乾燥槽内を減圧し、洗浄溶剤の加熱蒸気を導入して被処理物を蒸気洗浄し、蒸気洗浄の後に被処理物の乾燥を行う部品洗浄乾燥装置において、上記洗浄乾燥槽内へ溶剤蒸気を導入する蒸気洗浄系には、洗浄溶剤を加熱して気化させる熱交換器を設け、該熱交換器の溶剤導入口に、洗浄溶剤を霧状にする噴霧器を設け、該噴霧器で噴霧化した洗浄溶剤を熱交換器で加熱気化して該加熱蒸気を洗浄乾燥槽に導入することを特徴とする部品洗浄乾燥装置。
【請求項2】 前記噴霧器が噴霧ノズルで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の部品洗浄乾燥装置。
【請求項3】 前記噴霧器の上流側に、清浄な蒸留再生溶剤を貯溜するタンクを設け、清浄な洗浄溶剤を噴霧器で噴霧化して熱交換器に供給することを特徴とする請求項1または2に記載の部品洗浄乾燥装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油脂系の汚れ等が付着した機械部品やメッキ部品等を蒸気洗浄し乾燥する部品洗浄乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】金属製機械部品、メッキ部品、電子部品等の各種部品には、その製造工程や組立工程等において、切削油等の工作油脂、フラックス、塵埃等をはじめとして様々な汚れが付着する。このような汚れが付着した機械部品や電子部品等の被処理物の清浄は、従来、例えば炭化水素系、塩素系等の金属洗浄溶剤を使用して、被処理物を洗浄溶剤に浸漬して超音波による振動を与えて洗浄する浸漬洗浄工程を行ない、次に、洗浄溶剤の蒸気を噴霧して洗浄を行う蒸気洗浄工程を行なうことにより成されている。そして、真空乾燥工程を行うことにより、蒸気洗浄後の被処理物を乾燥している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えば、図3に示す従来の部品洗浄乾燥装置51では、溶剤タンク52内に汚れ成分を含む溶剤が貯溜されており、この溶剤を再生使用するために、溶剤タンク52から蒸留器53、溶剤再生弁54、コンデンサ55、及びリザーブタンク56を介して再び溶剤タンク52へと至る環状の溶剤再生系57が備えられている。また、溶剤再生弁54の上流側(蒸留器側)の溶剤再生系57は分岐され、蒸気洗浄弁58を介して洗浄乾燥槽59へと至る蒸気洗浄系60が備えられており、上記蒸留器53により溶剤を加熱気化させて、気化した溶剤蒸気を洗浄乾燥槽58へと導入し、蒸気洗浄工程を行うように成っている。
【0004】しかし、この部品洗浄乾燥装置51では、蒸留器53により発生した溶剤蒸気を洗浄乾燥槽59へと直接導入して蒸気洗浄工程を行っているので、蒸気温度はその後の凝縮効率を高めるために高温にすることは望ましくない。また、蒸留器53と洗浄乾燥槽59との間隔を短くすることが容易ではなく、蒸気洗浄系60が長尺になってしまう。このため、比較的低温の溶剤蒸気が蒸気洗浄系60の導管の途中で結露し易く、液滴が混ざった溶剤蒸気が洗浄乾燥槽59へ導入され易い。このため、被処理物に溶剤の液滴が付着することがあり、そのまま乾燥すると被処理物にシミが残ってしまう。
【0005】また、図4に示す部品洗浄乾燥装置61では、溶剤タンク62内に貯溜されている汚れ成分を含む溶剤を再生使用するために、溶剤タンク62から蒸留器63、コンデンサ64、及びリザーブタンク65へと至る溶剤再生系66が備えられている。またリザーブタンク65には、蒸気洗浄補助弁67、熱交換器68、及び蒸気洗浄弁69を介して洗浄乾燥槽70へと至る蒸気洗浄系71が備えられており、上記リーザーブタンク65に貯溜された蒸留再生溶剤を上記熱交換器68に通過させることにより加熱気化させて、溶剤蒸気を洗浄乾燥槽70へと導入し、蒸気洗浄工程を行うように成っている。
【0006】しかし、蒸留再生溶剤を熱交換器68に通過させ、短時間で高温の溶剤蒸気として加熱気化させるには大熱量が必要であり、該熱交換器68を大型化しなければならない。さらに、蒸気洗浄開始直後は、完全にガス化されておらず、溶剤蒸気に溶剤液滴が混ざった状態で洗浄乾燥槽70へ導入され易い。このため、被処理物に溶剤の液滴が付着することがあり、そのまま乾燥すると被処理物にシミが残ってしまう。
【0007】そこで、本発明は、熱交換器を大型化することなく、洗浄乾燥槽に導入する溶剤蒸気への溶剤液滴の混入を防止し、乾燥後の被処理物へのシミの付着を防止することができる部品洗浄乾燥装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記に鑑み提案されたもので、請求項1に記載のものは、洗浄乾燥槽内に被処理物を収容すると共に、該洗浄乾燥槽内を減圧し、洗浄溶剤の加熱蒸気を導入して被処理物を蒸気洗浄し、蒸気洗浄の後に被処理物の乾燥を行う部品洗浄乾燥装置において、上記洗浄乾燥槽内へ溶剤蒸気を導入する蒸気洗浄系には、洗浄溶剤を加熱して気化させる熱交換器を設け、該熱交換器の溶剤導入口に、洗浄溶剤を霧状にする噴霧器を設け、該噴霧器で噴霧化した洗浄溶剤を熱交換器で加熱気化して該加熱蒸気を洗浄乾燥槽に導入することを特徴とする部品洗浄乾燥装置である。
【0009】請求項2に記載のものは、前記噴霧器が噴霧ノズルで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の部品洗浄乾燥装置である。
【0010】請求項3に記載のものは、前記噴霧器の上流側に、清浄な蒸留再生溶剤を貯溜するタンクを設け、清浄な洗浄溶剤を噴霧器で噴霧化して熱交換器に供給することを特徴とする請求項1または2に記載の部品洗浄乾燥装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る部品洗浄乾燥装置1の系統構成を示す概略図、図2は熱交換器の概略図である。
【0012】図1に示すように、工作油脂等の汚れが付着した機械部品や電子部品等の被処理物2の清浄及び乾燥は、洗浄乾燥槽3内にバスケット4に入れた複数の被処理物2を収容して行われる。この洗浄乾燥槽3内では、例えば炭化水素等の洗浄溶剤を使用して、被処理物2を洗浄溶剤に浸漬して超音波による振動を与えて洗浄する浸漬洗浄工程を行ない、次に洗浄溶剤の蒸気を導入して被処理物2の洗浄を行う蒸気洗浄工程を行ない、さらに蒸気洗浄後の被処理物2を真空乾燥工程を行って乾燥する。
【0013】洗浄溶剤としては、炭化水素系溶剤(パラフィン、ナフテン)、塩素系溶剤(トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン)、臭素系溶剤(ノルマルプロピルブロマイド)、フッ素系溶剤(HFC、HFE、HCFC)等が挙げられるが、環境保護の観点から炭化水素系が好ましい。
【0014】洗浄乾燥槽3は、上部が開閉可能な中空箱体状の耐圧容器であり、上部開口部5に形成されたフランジ部5aにはシール材6を介して、該開口部5を密閉して覆う開閉蓋7が設けられている。この開閉蓋7は、少なくともその天井面(即ち、下面)7aが傾斜するように洗浄乾燥槽3の上部開口部5に開閉自在に設けられる。開閉蓋7の天井面7aを傾斜させて設けるのは、この開閉蓋7の天井面7aに溶剤ガスが結露した場合に、結露した溶剤液滴を該天井面7aを伝わらせて傾斜下端側へと流下させるためであり、傾斜下端側に集められた溶剤液滴は洗浄乾燥槽3の内側側壁面3bを伝って流下し、底面3aへと流下する。
【0015】洗浄乾燥槽3の底部3aには、後述する溶剤タンクに至る排液系8が接続されており、該排液系8にはこれを開閉する排液弁9が介設されている。
【0016】上述の浸漬洗浄工程、蒸気洗浄工程、及び真空乾燥工程は、被処理物2を収容する洗浄乾燥槽3内を炭化水素等の可燃性洗浄溶剤の爆発下限界以下まで減圧して行われるので、洗浄乾燥槽3には、真空ポンプ10に至る排気系11が接続されており、該排気系11にはこれを開閉する洗浄乾燥槽真空弁12が介設されている。
【0017】また、洗浄乾燥槽3には、その内部に洗浄溶剤を流入して被処理物2を浸漬洗浄するために、溶剤タンク13に至る浸漬洗浄系14が接続されており、該浸漬洗浄系14にはこれを開閉する浸漬洗浄弁15が介設されている。洗浄乾燥槽3には、その内部に流入された洗浄溶剤のレベルを検出するためのレベルスイッチ16が備えられている。浸漬洗浄工程は、前述したように被処理物2を洗浄溶剤に浸漬して超音波による振動を与えて洗浄する工程であり、したがって、本実施形態の洗浄乾燥槽3には、超音波発生装置3cが備えられている。なお、溶剤タンク13は、上部が覆われた密閉容器であり、後述する分岐排気系を介して真空ポンプ10により減圧される。
【0018】浸漬洗浄工程の完了後、洗浄乾燥槽3内の洗浄溶剤は、前述したように、上記排液弁9を開放することにより、洗浄乾燥槽3の傾斜底部3aの最下部に接続された排液系8を通じて溶剤タンク13へと排液される。
【0019】溶剤タンク13から洗浄乾燥槽3への洗浄溶剤の流入、及び洗浄乾燥槽3から溶剤タンク13への排液は、溶剤タンク13と洗浄乾燥槽3との圧力差により行われる。したがって、洗浄乾燥槽3には、前述したように、真空ポンプ10に至る排気系11が接続されている。洗浄乾燥槽3にはその内部圧力を表示する洗浄乾燥槽内圧力計17が備えられており、排気系11の洗浄乾燥槽真空弁12の上流側(洗浄乾燥槽側)には洗浄乾燥槽3の内部圧力を大気開放して調整する洗浄乾燥槽大気開放弁18が分岐介設されている。
【0020】また、洗浄乾燥槽3との相対関係において溶剤タンク13の内部圧力を調整する必要があるため、排気系11の洗浄乾燥槽真空弁12の下流側(真空ポンプ側)は分岐され、溶剤タンク13に至る分岐排気系19が接続され、この分岐排気系19には溶剤タンク減圧弁20が介設されている。さらに溶剤タンク13には、その内部圧力を表示する溶剤タンク圧力計21が備えられており、その内部圧力を大気開放して調整する溶剤タンク大気開放弁22が備えられている。
【0021】浸漬洗浄工程の完了後、排液弁9を開放することにより、洗浄乾燥槽3内の使用済み洗浄溶剤が排液系8を通じて溶剤タンク13へと排液されるが、洗浄に使用した洗浄溶剤には被処理物2に付着していた各種の汚れが混入している。これらの汚れ成分は洗浄乾燥槽3や排液系8に設けるフィルタ等を通しただけでは除去しきれず、省資源および環境保護の観点から洗浄溶剤を再生して使用する。したがって、溶剤タンク13には、使用済み溶剤を蒸留して凝縮し、再生溶剤として貯留するリザーブタンク23に至る再生処理系24が接続されており、この再生処理系24には蒸留器25及びコンデンサ26が順次介設されている。
【0022】蒸留器25は、例えば耐熱・耐圧性を有する概略円筒体状の竪型容器であり、本実施形態では蒸留器25の下部を収納する状態で、加熱機構25aが備えられている。この加熱機構25aは、例えばオイル加熱ユニットであり、熱源として電気ヒータを備えており、該ヒータにより加熱媒体としての耐熱オイルを加熱し、この加熱オイルを介して蒸留器25を加熱することにより、この蒸留器25内を流通する汚れ成分を含む洗浄溶剤を加熱して蒸発する。
【0023】なお、沸点を低下させるために蒸留器25内を減圧する。また、溶剤タンク13から蒸留器25への汚れ成分を含む溶剤の流入は、これら溶剤タンク13と蒸留器25との圧力差により行われ、汚れ成分を含む溶剤は蒸留器25の下部に流入し、気化した溶剤蒸気は蒸留器25の上部から取り出される。
【0024】再生処理系24の蒸留器25よりも下流側には、この蒸留器25によって蒸留した溶剤蒸気を凝縮して液化するためのコンデンサ26が介設されている。このコンデンサ26の本体は、例えば概略円筒体状の竪型または横型の容器であり、その内部に冷却水を通す冷却細管26aを収納した熱交換器である。コンデンサ26を通過する溶剤蒸気は冷却細管26aに接触して凝縮(液化)され、この液化した再生溶剤が清浄な洗浄溶剤としてリザーブタンク23内に貯溜される。コンデンサ26とリザーブタンク23との間の再生処理系24には、循環ポンプ27aにより再生溶剤を循環させて水分分離器27bに通して水分を分離してからリザーブタンク23に供給すると共に、コンデンサ26からの再生溶剤をエゼクタ27cにより循環流路内に吸引合流する水分分離機構が介設されており、リザーブタンク23には再生溶剤の貯溜量を検出するレベルスイッチ28が備えられている。なお、上記エゼクタ27cは、蒸留器25内を減圧して蒸留効率を高めている。
【0025】また、リザーブタンク23には、上記洗浄乾燥槽3へ溶剤蒸気を導入して、該洗浄乾燥槽3内に収容された被処理物2の蒸気洗浄工程を行うために、該洗浄乾燥槽3に至る蒸気洗浄系29が接続されている。この蒸気洗浄系29には、リザーブタンク23から導入される再生溶剤を溶剤蒸気として気化させるための熱交換器30が介設されており、リザーブタンク23から熱交換器30への再生溶剤の導入、熱交換器30から洗浄乾燥槽3への溶剤蒸気の導入は、リザーブタンク23と洗浄乾燥槽3との圧力差により行われ、熱交換器30よりも上流側の蒸気洗浄系29にはこれを開閉するための蒸気洗浄補助弁31が介設され、熱交換器30よりも下流側の蒸気洗浄系29にはこれを開閉するための蒸気洗浄弁32が介設されている。
【0026】熱交換器30の本体は、例えば概略円筒体状の竪型または横型の容器であり、本実施形態では図2に示すような竪型熱交換器として構成されている。図2において、熱交換器30の胴体34内には、その下部から上部へ蛇行するように挿通された加熱細管30aが収納されており、この加熱細管30a内には下部から上部へ向けて、電気ヒータ等の加熱手段(図示せず)により加熱した耐熱オイル等の加熱媒体が供給されるようになっている。この熱交換器30を通過する再生溶剤は、熱交換器30の胴体34内に収納され、その下部から上部へ蛇行するように挿通された溶剤細管30b内に導入されるように成っており、該溶剤細管30bは加熱媒体の通過する加熱細管30aと接触して熱交換しうるように配置されている。
【0027】また、溶剤細管30bの溶剤導入口30cには、この溶剤細管30b内へ再生溶剤を霧状にする噴霧器として噴霧ノズル33が設けられている。この噴霧ノズル33は、そのノズル口33aを上記溶剤導入口30c内へ臨ませて配置されており、該ノズル口33aから溶剤細管30bへ再生溶剤を霧状に噴出することにより、霧状溶剤が溶剤細管30b内を通過しながら加熱媒体の通過する加熱細管30aと熱交換して高温ガス化するものであり、溶剤液滴の混入しない高温溶剤蒸気として洗浄乾燥槽3に導入されることになる。
【0028】なお、前述したように、蒸気洗浄系29はリザーブタンク23から熱交換器30を介して洗浄乾燥槽3へと至っており、リザーブタンク23には蒸留再生溶剤が貯溜されているので、本実施形態では蒸留再生溶剤を熱交換器30により確実にガス化して洗浄乾燥槽3に導入しているが、熱交換器30に供給する洗浄溶剤には未使用の洗浄溶剤も使用できる。この場合には未使用の洗浄溶剤をタンクを別個設けて熱交換器30に供給する。
【0029】次に、本発明の部品洗浄乾燥装置1の操作を説明する。準備段階として、洗浄乾燥槽大気開放弁18を開放した後、洗浄乾燥槽3の開閉蓋7を開放して、機械部品等の被処理物2を複数個入れたバスケット4を載置部上に載置し、開閉蓋7をシール部材6を介して密閉状態で閉成すると共に、洗浄乾燥槽大気開放弁18を閉成する。
【0030】このような準備が整ったら、まず、洗浄乾燥槽3へ洗浄溶剤の給液を行う。給液操作は、溶剤タンク大気開放弁22を開放して溶剤タンク13の内部圧力を溶剤タンク圧力計21が爆発下限界以下の500Paを指示するまで大気方向へと戻して、溶剤タンク大気開放弁22を閉成し、浸漬洗浄系14の浸漬洗浄弁15、及び排気系11の洗浄乾燥槽真空弁12を開放すると共に、真空ポンプ10を駆動する。すると、洗浄乾燥槽3と溶剤タンク13との圧力差により、ヒータ13aを備えた溶剤タンク13内から加熱された洗浄溶剤が洗浄乾燥槽3へと給液される。このとき、溶剤タンク減圧弁20、蒸気洗浄弁32、蒸気洗浄補助弁31、及び排液弁9は閉成されている。そして、洗浄乾燥槽3のレベルスイッチ16の上限レベル検出により、浸漬洗浄弁15及び洗浄乾燥槽真空弁12を閉成すると共に、真空ポンプ10を停止する。
【0031】そして、真空浸漬洗浄工程を行う。この浸漬洗浄工程では被処理物2が加熱溶剤内に浸漬している状態で、超音波発生装置3cにより超音波振動を与えて浸漬洗浄(超音波洗浄)を行う。
【0032】浸漬洗浄の完了後に、洗浄乾燥槽3内の汚れ成分を含む溶剤を排液する。排液操作は、洗浄乾燥槽大気開放弁18を開放し、洗浄乾燥槽3の内部圧力を洗浄乾燥槽圧力計17が爆発下限界以下の500Paを指示するまで大気方向へと戻して、洗浄乾燥槽大気開放弁18を閉成し、排液系8の排液弁、及び分岐排気系19の溶剤タンク減圧弁20を開放すると共に、真空ポンプ10を駆動する。すると、洗浄乾燥槽3と溶剤タンク13との圧力差により、洗浄乾燥槽3内から汚れ成分を含む溶剤が溶剤タンク13へと排液される。
【0033】排液操作の完了後、仕上げ蒸気洗浄工程に移行する。蒸気洗浄工程では、真空ポンプ10は既に駆動状態にあり、排気系11の洗浄乾燥槽真空弁12を開放した後、蒸気洗浄系29の蒸気洗浄弁32及び蒸気洗浄補助弁31を開放する。蒸気洗浄弁32及び蒸気洗浄補助弁31の開放タイミングは、洗浄乾燥槽3の洗浄乾燥槽圧力計17が100Pa以下の減圧状態を指示したときである。すると、洗浄乾燥槽3とリザーブタンク23との圧力差により、リザーブタンク23から熱交換器30の溶剤導入口30cに導入され、該溶剤導入口30cに設けられた噴霧ノズル33のノズル口33aから溶剤細管30bへ再生溶剤が霧状に噴出されることにより、霧状溶剤が溶剤細管30b内を通過しながら加熱媒体の通過する加熱細管30aと熱交換してガス化するとともに、この溶剤蒸気が溶剤細管30b内を通過する間にさらに加熱されて高温蒸気となる。そして、この溶剤液滴の混入しない完全なる溶剤ガスが洗浄乾燥槽3に導入される。したがって、熱交換器30を大型化することなく、洗浄乾燥槽3に導入する溶剤蒸気への溶剤液滴の混入を防止することができる。このため、被処理物2に溶剤蒸気中の溶剤液滴が付着することを防止でき、後述する真空乾燥後の被処理物2へのシミの付着を防止することができる。
【0034】蒸気洗浄を所定の時間行った後、蒸気洗浄弁32及び蒸気洗浄補助弁31を閉成して蒸気洗浄工程を完了し、真空乾燥工程へと移行する。真空ポンプ10は継続して駆動状態であり、排気系11の洗浄乾燥槽真空弁12を開放したままであるが、所定時間ごとに洗浄乾燥槽大気開放弁18を開放して洗浄乾燥槽圧力計17が爆発下限界以下の500Paを指示するまで大気方向へと戻し(復圧し)、再度洗浄乾燥槽大気開放弁17を閉成して真空ポンプ限界値まで減圧する操作を真空乾燥工程中に複数回繰り返す。
【0035】真空乾燥を行うと、被処理物2に付着した溶剤が気化するときに、気化熱を奪い、被処理物2の表面温度が低下し、乾燥効率が低下する。そこで、洗浄乾燥槽3の内部圧力を所定時間ごとに爆発下限界以下の500Paまで大気方向へと戻して、被処理物2が保有する芯熱を呼び戻して、再び真空方向へと減圧することにより乾燥効率を向上させることができる。
【0036】真空乾燥工程が完了したら、洗浄乾燥槽大気開放弁18を開放して、洗浄乾燥槽3の内部圧力を大気開放し、全工程の終了を警報する。そして、洗浄乾燥槽3の開閉蓋7を開放すれば、バスケット4と共に洗浄乾燥された複数の被処理物2を取り出すことができる。
【0037】なお、前記実施形態においては、噴霧器として噴霧ノズルを例に挙げて説明したが、本発明における噴霧器はこれに限定されるものではなく、洗浄溶剤を霧状化して熱交換器に供給することができればよい。例えば、洗浄溶剤の噴流中に板材等を衝突させることにより噴霧化する構成でもよい。
【0038】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明の部品洗浄乾燥装置によれば、洗浄乾燥槽内に収容された被処理物を蒸気洗浄するために、洗浄乾燥槽内へ溶剤蒸気を導入する蒸気洗浄系に、洗浄溶剤を加熱して気化させる熱交換器が備えており、該熱交換器の溶剤導入口に、洗浄溶剤を霧状にする噴霧器を設けているので、霧状溶剤が熱交換器内を通過しながら熱交換して確実にガス化し、溶剤液滴の混入しない高温溶剤蒸気となり、この高温溶剤蒸気を洗浄乾燥槽に導入することができる。したがって、熱交換器を大型化することなく、洗浄乾燥槽に導入する溶剤蒸気への溶剤液滴の混入を防止し、被処理物に溶剤液滴が付着することを未然に防止することができ、これにより乾燥後の被処理物へのシミの付着を防止することができる。そして、噴霧器を噴霧ノズルで構成すると、装置の構成が簡単で製造も容易である。
【出願人】 【識別番号】000221454
【氏名又は名称】東静電気株式会社
【住所又は居所】静岡県田方郡大仁町神島字日之前244番地
【出願日】 平成13年9月11日(2001.9.11)
【代理人】 【識別番号】100098073
【弁理士】
【氏名又は名称】津久井 照保
【公開番号】 特開2003−80186(P2003−80186A)
【公開日】 平成15年3月18日(2003.3.18)
【出願番号】 特願2001−275562(P2001−275562)