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【発明の名称】 キャビテーション発生装置
【発明者】 【氏名】新井田 徳雄
【住所又は居所】宮城県角田市角田字流197−1 株式会社ケーヒン角田開発センター内

【氏名】高橋 等
【住所又は居所】宮城県角田市角田字流197−1 株式会社ケーヒン角田開発センター内

【要約】 【課題】インペラー等のワークに対し、切り屑や工作油等を容易に洗浄除去することができ、かつバリを確実に除去することもできるキャビテーション発生装置を提供する。

【解決手段】キャビテーション発生装置30は、インペラー13の成形加工品13a(ワーク)を浸漬するための浸漬液L1を貯留する貯留槽32と、浸漬液L1中で開口した吐出口112(噴射口)が設けられた噴射ノズル34とを備える。また、このキャビテーション発生装置30は、水道水を浄化する水処理装置42と、該水処理装置42にて得られた純水を脱気するための真空ポンプ36とを有する。この真空ポンプ36によって脱気された純水が、噴射ノズル34から噴射されるキャビテーション発生用液L2および浸漬液L1として使用される。なお、供給槽38および貯留槽32において、キャビテーション発生用液L2および浸漬液L1の液面には、球体からなる浮遊部材104が複数個浮遊している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ワークを浸漬するための浸漬液を貯留する貯留槽と、前記浸漬液中で開口した噴射口が設けられた噴射ノズルとを備え、前記噴射ノズルの噴射口からキャビテーション発生用液を噴射することに伴ってキャビテーションを前記浸漬液中に発生させるキャビテーション発生装置において、前記噴射口から噴射されるキャビテーション発生用液を予め脱気する脱気手段と、脱気された前記キャビテーション発生用液を貯留する供給槽と、を有し、脱気された前記キャビテーション発生用液を送液機構によって前記供給槽から前記噴射ノズルへと供給して前記噴射口から噴射させることを特徴とするキャビテーション発生装置。
【請求項2】請求項1記載の装置において、前記浸漬液が脱気手段によって予め脱気されたものであることを特徴とするキャビテーション発生装置。
【請求項3】請求項1または2記載の装置において、前記キャビテーション発生用液または前記浸漬液の少なくともいずれか一方の液面に浮遊した浮遊部材を有することを特徴とするキャビテーション発生装置。
【請求項4】請求項3記載の装置において、前記浮遊部材が複数個の球体であることを特徴とするキャビテーション発生装置。
【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置において、前記浸漬液を前記脱気手段に送液する循環送液機構を有し、前記脱気手段にて脱気された前記浸漬液をキャビテーション発生用液として循環利用することを特徴とするキャビテーション発生装置。
【請求項6】請求項5記載の装置において、前記貯留槽には、前記ワークから除去された除去物を捕捉するためのトラップ部が設けられており、かつ前記トラップ部を介して前記貯留槽から前記循環送液機構に前記浸漬液を送液することを特徴とするキャビテーション発生装置。
【請求項7】請求項5または6記載の装置において、前記貯留槽と前記循環送液機構とに橋架された送液管にフィルタが介装されており、かつ前記フィルタを逆洗するための逆洗機構を備えることを特徴とするキャビテーション発生装置。
【請求項8】請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置において、前記浸漬液および前記キャビテーション発生用液の温度を調整する温度調整機構が前記貯留槽および前記供給槽に設けられていることを特徴とするキャビテーション発生装置。
【請求項9】ワークを浸漬するための浸漬液を貯留する貯留槽と、前記浸漬液中で開口した噴射口が設けられた噴射ノズルとを備え、前記噴射ノズルの噴射口からキャビテーション発生用液を噴射することに伴ってキャビテーションを前記浸漬液中に発生させるキャビテーション発生装置において、前記浸漬液を脱気する脱気機構を有し、脱気された前記浸漬液をキャビテーション発生用液として前記噴射口から噴射することを特徴とするキャビテーション発生装置。
【請求項10】請求項9記載の装置において、前記浸漬液の液面に浮遊した浮遊部材を有することを特徴とするキャビテーション発生装置。
【請求項11】請求項10記載の装置において、前記浮遊部材が複数個の球体であることを特徴とするキャビテーション発生装置。
【請求項12】請求項9〜11のいずれか1項に記載の装置において、前記浸漬液を前記脱気手段に送液する循環送液機構を有し、前記脱気手段にて脱気された前記浸漬液をキャビテーション発生用液として循環利用することを特徴とするキャビテーション発生装置。
【請求項13】請求項12記載の装置において、前記貯留槽には、前記ワークから除去された除去物を捕捉するためのトラップ部が設けられており、かつ前記トラップ部を介して前記貯留槽から前記循環送液機構に前記浸漬液を送液することを特徴とするキャビテーション発生装置。
【請求項14】請求項12または13記載の装置において、前記貯留槽と前記循環送液機構とに橋架された送液管にフィルタが介装されており、かつ前記フィルタを逆洗するための逆洗機構を備えることを特徴とするキャビテーション発生装置。
【請求項15】請求項9〜14のいずれか1項に記載の装置において、前記浸漬液の温度を調整する温度調整機構が前記貯留槽に設けられていることを特徴とするキャビテーション発生装置。
【請求項16】請求項1〜15のいずれか1項に記載の装置において、前記浸漬液および前記キャビテーション発生用液として脱気された水道水を使用することを特徴とするキャビテーション発生装置。
【請求項17】請求項16記載の装置において、水処理装置をさらに有し、前記水処理装置にて水道水を処理することにより得られた純水を前記浸漬液および前記キャビテーション発生用液として供給することを特徴とするキャビテーション発生装置。
【請求項18】請求項1〜17のいずれか1項に記載の装置において、車輌に搭載される燃料ポンプのインペラーの予備成形体を前記ワークとすることを特徴とするキャビテーション発生装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キャビテーション発生装置に関し、一層詳細には、ワークの表面に付着した種々の付着物を洗浄除去することが可能であるとともに、該ワークの成形時、加工時あるいは成形加工時に形成されたバリを容易かつ確実に除去することが可能なキャビテーション発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のキャビテーション発生装置として、本出願人は、特開平6−134414号公報および特開平6−134415号公報にて、ワークが浸漬された液中に噴射ノズルから液を噴射することに伴ってキャビテーションを発生させる装置において、噴射ノズルの吐出口の径と噴射孔の径との比や、前記噴射孔の径と該噴射孔からワークまでの距離との比を一定の範囲内とすることを提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来技術に係るキャビテーション発生装置にあっては、キャビテーションの気泡の壊食力が弱く、ワークに付着する異物等を洗浄除去することは可能であるが、ワークの成形時、加工時あるいは成形加工時に形成されたバリを確実に安定して除去することができる程ではなかった。
【0004】本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、キャビテーションの気泡の壊食力を向上して、ワークにおける異物の洗浄除去やバリ取りを確実に安定して行うことが可能なキャビテーション発生装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するために、本発明は、ワークを浸漬するための浸漬液を貯留する貯留槽と、前記浸漬液中で開口した噴射口が設けられた噴射ノズルとを備え、前記噴射ノズルの噴射口からキャビテーション発生用液を噴射することに伴ってキャビテーションを前記浸漬液中に発生させるキャビテーション発生装置において、前記噴射口から噴射されるキャビテーション発生用液を予め脱気する脱気手段と、脱気された前記キャビテーション発生用液を貯留する供給槽と、を有し、脱気された前記キャビテーション発生用液を送液機構によって前記供給槽から前記噴射ノズルへと供給して前記噴射口から噴射させることを特徴とする。
【0006】脱気手段にて予め脱気された液体をキャビテーション発生用液として噴射した場合には、高いキャビテーション効果を得ることが可能となる。例えば、水道水のように溶存気体量が多いと、キャビテーションで発生する気泡径が大きくなるが、キャビテーション気泡破壊時、それら大きなキャビテーション気泡同士がクッション作用を生じてしまい、破壊時における衝撃力を弱めてしまう。しかしながら、脱気手段にて予め脱気された液体は、溶存気体量が著しく低いので、上記クッション作用が極力防止される。このため、キャビテーション気泡破壊時における衝撃力が弱まることなく最大限に発揮されるので、高いキャビテーション効果を得ることが可能となる。
【0007】このように構成されたキャビテーション発生装置においては、前記貯留槽に貯留される浸漬液も脱気手段によって予め脱気されたものであることが好ましい。この場合、上記した効果が一層顕著となるからである。なお、浸漬液を脱気する脱気手段は、キャビテーション発生用液を脱気する脱気手段と同一であってもよいし、別個のものであってもよい。
【0008】また、キャビテーション発生装置は、キャビテーション発生用液または浸漬液の少なくともいずれか一方の液面に浮遊する浮遊部材を有するものであることが好ましい。浮遊部材が存在することによってこれらの液が大気から遮断されるので、噴射ノズルからキャビテーション発生用液を噴射してキャビテーションを発生させている最中に、大気からの気体が液中に溶解してしまうことを抑制することができるからである。
【0009】なお、前記浮遊部材は複数個の球体であることが好ましい。このような構成とすることにより、例えば、供給槽や貯留槽、送液機構等に対してメンテナンス作業を行うことが容易となる。これは、浮遊部材が球体であるために自由に移動させることができ、邪魔にならないからである。
【0010】また、前記浸漬液を前記脱気手段に送液する循環送液機構を設けて、一度使用されたキャビテーション発生用液および浸漬液を脱気した後にキャビテーション発生用液として循環再利用するようにしてもよい。これにより、液の使用量が著しく低減するので、省資源化を図ることができるとともにキャビテーション発生装置のランニングコストの低廉化を図ることができる。
【0011】さらに、ワークから除去された除去物、すなわち、上記した異物やバリ等を捕捉するためのトラップ部を貯留槽に設け、かつこのトラップ部を介して貯留槽から循環送液機構に浸漬液を送液することが好ましい。これにより異物やバリが浸漬液内で泳動した後に再びワークに付着することを回避することができるので、ワークを清浄なものとすることができるからである。
【0012】さらにまた、貯留槽と前記循環送液機構とに橋架された送液管にフィルタが介装され、かつ前記フィルタを逆洗するための逆洗機構を備えることが好ましい。これにより、貯留槽から排出された浸漬液から異物やバリ等を分離除去することができる。また、逆洗機構を備えているので、フィルタが目詰まりして浸漬液の透過量が低下してきた際に逆洗を行ってフィルタを清浄化することができる。
【0013】ワークの材質によっては、浸漬液およびキャビテーション発生用液の温度を室温よりも高くすることが好ましいことがある。例えば、ワークがポリフェニレンサルファイド(PPS)からなる場合、これらの液の好適な温度範囲は、50〜60℃である。そこで、貯留槽および供給槽に、浸漬液およびキャビテーション発生用液の温度を調整する温度調整機構を設けることが好ましい。勿論、浸漬液およびキャビテーション発生用液の温度は、ワークの材質に応じて適宜設定すればよい。
【0014】また、本発明は、ワークを浸漬するための浸漬液を貯留する貯留槽と、前記浸漬液中で開口した噴射口が設けられた噴射ノズルとを備え、前記噴射ノズルの噴射口からキャビテーション発生用液を噴射することに伴ってキャビテーションを前記浸漬液中に発生させるキャビテーション発生装置において、前記浸漬液を脱気する脱気機構を有し、脱気された前記浸漬液をキャビテーション発生用液として前記噴射口から噴射することを特徴とする。
【0015】要するに、このキャビテーション発生装置では、脱気された液が浸漬液として貯留され、かつこの浸漬液がキャビテーション発生用液として使用される。このため、液を貯留する槽が1個あればよい。したがって、このキャビテーション発生装置では、上記したキャビテーション発生装置の効果を得ることができる一方で、装置構成の小型化を図ることができる。
【0016】そして、上記と同様の理由から、このキャビテーション発生装置も浸漬液の液面に浮遊した浮遊部材を有することが好ましい。また、該浮遊部材は、複数個の球体であることが好ましい。
【0017】また、このキャビテーション発生装置においても、浸漬液を前記脱気手段に送液する循環送液機構を設けることにより、前記脱気手段にて脱気された前記浸漬液をキャビテーション発生用液として循環利用することができる。上述した理由から、この場合においても、ワークから除去された除去物を捕捉するためのトラップ部を貯留槽に設け、かつ前記トラップ部を介して貯留槽から循環送液機構に浸漬液を送液することが好ましい。さらに、貯留槽と循環送液機構とに橋架された送液管にフィルタを介装し、かつ前記フィルタを逆洗するための逆洗機構を備えることが好ましい。そして、浸漬液の温度を調整する温度調整機構を貯留槽に設けることが好ましい。
【0018】上記したキャビテーション発生装置のいずれにおいても、前記浸漬液および前記キャビテーション発生用液として、脱気された水道水を使用することが好ましい。これにより、作業環境を安全なものとすることができる。
【0019】水道水を使用した場合には、ウォーターマークといわれる痕跡がワークに残留することがある。このことを確実に回避するために、キャビテーション発生装置は、水処理装置をさらに有し、前記水処理装置にて水道水が処理されることにより得られた純水を浸漬液およびキャビテーション発生用液として供給するものであることが好ましい。
【0020】以上のように構成されたキャビテーション発生装置で洗浄ないしバリ取り加工されるワークの好適な例としては、車輌に搭載される燃料ポンプのインペラーの予備成形体を挙げることができる。勿論、その他のものであってもよい。また、本発明に係るキャビテーション発生装置は、洗浄およびバリ取り加工の両方を営むものに限定されるものではなく、洗浄のみを行うものであってもよいし、バリ取り加工のみを行うものであってもよい。このように用途を変更する場合、例えば、噴射ノズルからのキャビテーション発生用液の吐出圧力を用途に応じた範囲内に適宜変更すればよい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るキャビテーション発生装置につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0022】本発明の第1実施形態に係るキャビテーション発生装置の概略全体構成を図1に示す。このキャビテーション発生装置30は、例えば、後述する、車輌に搭載される燃料ポンプ用の合成製樹脂製インペラー13の成形加工品13a(ワーク)を浸漬するための浸漬液L1を貯留する貯留槽32と、キャビテーション発生用液L2を噴射する噴射ノズル34と、この噴射ノズル34から噴射されるキャビテーション発生用液L2を予め脱気する真空ポンプ36(脱気手段)と、該真空ポンプ36によって脱気されたキャビテーション発生用液L2を貯留する供給槽38と、該供給槽38から噴射ノズル34へキャビテーション発生用液L2を送液するための第1送液ポンプ40(送液機構)とを備える。なお、第1実施形態では、浸漬液L1およびキャビテーション発生用液L2として、水道水が水処理装置42で処理されることにより得られた純水が使用される。
【0023】以下、このキャビテーション発生装置30の構成につき、水道水が供給される上流側から順に説明する。
【0024】まず、水道水を供給する供水管44は、水処理装置42に連結されている。該水処理装置42は、水道水中に溶解した塩素分等を除去して純水とする機能を有する。すなわち、水処理装置42は、いわゆる浄水作用を営むものであり、具体的な構成としては、活性炭や中空糸膜、あるいは逆浸透膜を有するもの等が例示される。なお、この供水管44には、バルブ46が介装されている。
【0025】水処理装置42は、供水管44に管継手を介して連結された送液管48によって脱気モジュール50に連結されている。水処理装置42にて生成した純水は、この脱気モジュール50内で脱気が施される。
【0026】図2に示すように、この場合、脱気モジュール50は略円筒状の容器52を有し、前記送液管48は、この容器52の下端部に連結されている。また、容器52の上端部には、該容器52と供給槽38とを橋架する送液管54が連結されている。さらに、容器52の側壁部には継手用管部56が突出形成されており、該継手用管部56には、容器52の内室58に連通する連通孔60が形成されている。そして、この継手用管部56には、排気管62を介して前記真空ポンプ36が連結されている(図1参照)。後述するように、純水中に溶解した気体は、この真空ポンプ36によって純水から分離される。
【0027】前記内室58には、円柱形状の中空糸膜64が収容されている(図2参照)。この中空糸膜64の長手方向には複数個の細孔が設けられており、送液管48を介して内室58に導入された純水は、この細孔を通過した後、送液管54を介して容器52から排出される。このように純水が流通する間、純水中に溶解した気体は、前記真空ポンプ36によって中空糸膜64の直径方向に吸引され、排気管62を介して排出される。なお、細孔を流通する純水は、中空糸膜64の直径方向に沿って透過することはできない。したがって、気体とともに純水が同伴されて排出されることはない。
【0028】送液管54は、脱気モジュール50によって脱気された純水(以下、脱気純水という)を供給槽38および貯留槽32に個別に供給できるように分岐されている。すなわち、送液管54は分岐管66、68を有し、これら分岐管66、68には、バルブ70、72がそれぞれ設置されている。
【0029】供給槽38は、脱気純水を一時的に貯留するための槽である。分岐管66を介して供給槽38に供給された脱気純水は、第1送液ポンプ40によって該供給槽38から噴射ノズル34へと送液され、後述するように、該噴射ノズル34からキャビテーション発生用液L2として噴出される。なお、脱気純水は、供給槽38内に浸漬された第1フィルタ74を有する送液管76を介して第1送液ポンプ40に送液される。
【0030】貯留槽32は、第1水平部78と、該第1水平部78から傾斜した傾斜部80と、第1水平部78よりも深い位置に設けられた第2水平部82とをその底部に有し、このうち、第2水平部82の下方には、貯留槽32と第2送液ポンプ84とを橋架するとともに第2フィルタ86が介装された送液管88が連結されている。また、第1水平部78には、成形加工品13aを固定するためのクランプ台90が配置されている。
【0031】以上の構成において、供給槽38および貯留槽32には、液面検知器92、94と温調器96、98がそれぞれ設置されている。また、供給槽38と貯留槽32には連通管100が橋架されており、該連通管100にはバルブ102が介装されている。液面検知器92、94、バルブ70、72、102および温調器96、98は、図示しない制御部に電気的に接続されている。成形加工品13aがPPSから構成されている場合、供給槽38および貯留槽32に貯留された脱気純水は、温調器96、98によって、例えば、50〜60℃の範囲内に保持される。
【0032】また、供給槽38および貯留槽32に貯留された脱気純水の液面には、それぞれ、この液面を全面に亘って覆うように、プラスチックの球体からなる浮遊部材104が複数個浮遊している。この浮遊部材104により、脱気純水は、大気から遮断された状態で供給槽38および貯留槽32に貯留されている。
【0033】ここで、噴射ノズル34の先端部は、貯留槽32に供給・貯留された浸漬液L1(脱気純水)内に挿入されており、かつ成形加工品13aに向けられている。したがって、キャビテーション発生用液L2は、浸漬液L1内で成形加工品13aに指向して噴射ノズル34から噴射される。
【0034】噴射ノズル34の先端部の概略断面構成図を図3に示す。この噴射ノズル34は、液路105が設けられた筒状部材106と、該筒状部材106の先端部に嵌着された吐出用突端部材108とを有する。すなわち、筒状部材106の先端壁部に設けられた液出口110から排出されたキャビテーション発生用液L2は、浸漬液L1内で開口した吐出用突端部材108の吐出口112(噴射口)を介して浸漬液L1内に噴射される。
【0035】図3から諒解されるように、液路105の直径は略一定である。また、液出口110も直径が略一定となるように設けられている。このため、筒状部材106においては、内周壁部と先端壁部とが互いに略90°の角度をなしている。すなわち、この噴射ノズル34においては、液出口110がオリフィス状に設けられており、液路105から液出口110にかけて、本出願人提案の噴射ノズル(以後、この噴射ノズルを収縮ノズルという)のように絞られた部分は設けられていない。
【0036】また、吐出用突端部材108の一端部には円柱状孔部113が設けられており、該吐出用突端部材108は、この円柱状孔部113に筒状部材106の先端部が嵌合されることによって筒状部材106に嵌着されている。なお、筒状部材106と吐出用突端部材108とは、例えば、図示しないねじによって互いに連結されている。
【0037】該吐出用突端部材108の他端部に設けられた吐出口112は、小径孔部114と、該小径孔部114に連通するとともにテーパ状に拡径したテーパ状孔部116とを有する。このうち、小径孔部114は、その中心部が液出口110の中心部と略合致する位置に設けられている。
【0038】小径孔部114の直径Dは、液出口110の直径dの3倍以内に設定することが好ましい。また、テーパ状孔部116のなす角度θは、30°〜70°の範囲内に設定することが好ましい。なお、吐出用突端部材108の構成材料としては、焼入れ処理が施された金属や超硬合金、セラミックス等、耐摩耗性が良好なものが好適である。
【0039】成形加工品13aとしてのインペラー13の正面図を図4に示す。このインペラー13の略中央部には、図示しない燃料ポンプを構成する支軸が嵌合される軸孔14が設けられており、この軸孔14は、円弧部14aと直線部14bを有している。
【0040】また、図4および図5に示すように、インペラー13の側周壁部近傍には、該インペラー13の周方向に沿って、通路16が複数個設けられている。そして、各通路16内には、互いに略V字状をなすように一体的に形成された羽根板17a、17bからなる回転翼17がそれぞれ配置されている(図5参照)。図5および該図5の一部拡大図である図6に示すように、これら羽根板17a、17bは、各通路16内における略中央部においてワーク13aの径方向に沿って僅かに突出したリブ部18と一体的に形成されている。
【0041】また、軸孔14の近傍には、この軸孔14を囲繞してかつ互いに略等間隔で離間した複数個の小貫通孔19が設けられている。通路16、羽根板17a、17bおよび小貫通孔19は、溶融樹脂からインペラー13を成形する際に同時に形成される。なお、図4〜図6中、参照符号20a〜20cは、成形加工時にインペラー13に残存したバリを示す。バリ20a〜20cは、その一部のみが図示されている。
【0042】前記第2フィルタ86(図1参照)は、図7に示すように、その略中央部に流路118が設けられ、かつ外周部に流路119が設けられた濾過膜120を有し、貯留槽32の第2水平部82から排出されて流路119に矢印Y1方向から導入された脱気純水は、該濾過膜120の直径内方向に指向して通過した後、流路118を矢印X1方向に指向して通過する。このようにして濾過膜120を通過した脱気純水は、第2送液ポンプ84によって送液管48(図1参照)に戻され、脱気モジュール50によって再び脱気された後、キャビテーション発生用液L2または浸漬液L1として循環再利用される。
【0043】第2送液ポンプ84(図1参照)に連結された送液管48から分岐された分岐管122は、第2フィルタ86の逆洗を行うための逆洗水を送液する管である。すなわち、逆洗水は、図7に示すように、濾過膜120の流路118を矢印X2方向に導入され、該濾過膜120の直径外方向(矢印Y2方向)に指向して通過する際に異物等を濾過膜120の外周壁面から分離した後、該異物とともに矢印Y2方向に流通して流路119の出口(図示せず)から排出される。
【0044】第1実施形態に係るキャビテーション発生装置30は基本的には以上のように構成されるものであり、次にその作用効果について説明する。
【0045】このキャビテーション発生装置30で成形加工品13a(図1参照)に対するバリ取り加工・洗浄を行うに際しては、まず、バルブ46が開放されることに伴って水道水の流通が開始される。この水道水は、水処理装置42にて塩素分等が除去されることにより、純水となる。純水を使用することにより、ウォーターマークといわれる加工跡がインペラー13に残留することを回避することができる。
【0046】得られた純水は、次に、脱気モジュール50(図2参照)を構成する容器52の内室58に導入され、該内室58に収容された中空糸膜64の細孔を通過する。その間、純水中の溶解した気体は、真空ポンプ36の吸引作用下に中空糸膜64の直径外方向へと吸引され、その結果、中空糸膜64の外周壁部から排出された後、容器52の継手用管部56および排気管62を介して該容器52の外部へと導出される。なお、上記したように、純水が中空糸膜64の直径方向に沿って透過することはない。すなわち、純水が真空ポンプ36の吸引作用下に容器52の外部に排出されることはない。
【0047】以上のようにして、純水中の気体が分離除去される。換言すれば、純水に対して脱気が営まれ、これにより脱気純水が得られる。この時点で脱気純水に残留した溶存気体量は、例えば、1.5ppm程度と極めて微量である。
【0048】脱気純水は、バルブ70、72が開放されることに伴い、送液管54および分岐管66、68を介して供給槽38および貯留槽32に供給される。この際には、バルブ102が開放されていてもよい。そして、液面検知器92、94が「液面上限」の信号を前記制御部にそれぞれ発することに伴ってバルブ70、72が閉止されることにより、供給槽38または貯留槽32への脱気純水の供給が停止される。
【0049】供給槽38および貯留槽32に貯留された脱気純水の液面には、浮遊部材104がそれぞれ浮遊している。これら浮遊部材104が存在することにより、脱気純水が大気に露呈することが回避される。このため、脱気純水中に大気からの気体が溶解することを抑制することができ、結局、脱気純水を、溶存気体量が著しく低い状態に維持することができる。
【0050】供給槽38に貯留された脱気純水は、第1送液ポンプ40を介して噴射ノズル34に送液される。この場合、第1送液ポンプ40の吐出圧力は、例えば、30〜200kgf/cm2(2.9〜19.6MPa)に設定すればよい。なお、脱気純水中に異物が混入している場合には、該異物は第1フィルタ74によって除去される。
【0051】噴射ノズル34に送液された脱気純水は、該噴射ノズル34を介して、キャビテーション発生用液L2として供給槽38に貯留された脱気純水(浸漬液L1)中に噴射される。すなわち、脱気純水は、噴射ノズル34を構成する筒状部材106の液路105を流通した後、該筒状部材106に設けられた液出口110から排出され、さらに、吐出用突端部材108の吐出口112を介して、クランプ台90に固定された状態で浸漬液L1中に浸漬された成形加工品13aに指向して噴射される。この際の噴流と浸漬液L1との摩擦によって、キャビテーションCAが多数発生する。このキャビテーションCAが成形加工品13aに衝突した際に破壊されることに伴って生じる壊食力により、成形加工品13aから切り屑や工作油(異物)が洗浄除去されるとともに、バリが除去される。
【0052】ここで、本実施形態では、上記したように、溶存気体量が著しく低い脱気純水をキャビテーション発生用液L2および浸漬液L1として使用している。このため、高いキャビテーション効果を得ることが可能となる。
【0053】これは、例えば、水道水のように溶存気体量が多いと、キャビテーションで発生する気泡径が大きくなるが、キャビテーション気泡破壊時、それら大きなキャビテーション気泡同士がクッション作用を生じてしまい、破壊時における衝撃力を弱めてしまう。しかしながら、脱気手段にて予め脱気された液体は、溶存気体量が著しく低いので、上記クッション作用が極力防止される。このため、キャビテーション気泡破壊時における衝撃力が弱まることなく最大限に発揮されるので、高いキャビテーション効果を得ることが可能となる。したがって、このときに生じる壊食力が著しく大きくなるので、異物やバリを効率よく除去することができる。
【0054】しかも、この場合、上記したように、このキャビテーションCAは壊食力が著しく大きいので、例えば、成形加工品13aの通路16内に存在するバリ20bであっても、確実に除去される。勿論、キャビテーションCAが成形加工品13aに衝突する位置を調整することによって、成形加工品13aの軸孔14や小貫通孔19に存在するバリ20a、20cを除去することも可能である。
【0055】上記した噴射の際、図8に示すように、筒状部材106の液出口110が液路105に対してオリフィス状に急激に絞られているため、該液出口110において、脱気純水の縮流COが発生する。このようにして縮流COが発生することにより、縮流CO部内噴流の周囲に、従来技術に係る収縮ノズルでは得ることのできない大きいせん断応力が生じ、噴流内部から強いキャビテーションCAの発生が始まる。このため、従来技術に係る収縮ノズルに比して大きな壊食効果を得ることが可能となる。したがって、成形加工品13aから切り屑や工作油(異物)およびバリを一層確実に除去することができる。なお、キャビテーション発生用液L2の吐出圧力が2.9〜19.6MPaに設定されているので、該キャビテーション発生用液L2の噴流が成形加工品13aに衝突した場合であっても、成形加工品13aが損傷することはない。
【0056】液出口110を通過したキャビテーション発生用液L2(脱気純水)は、吐出用突端部材108の小径孔部114に至る。この小径孔部114が存在することにより、テーパ状孔部116の中心軸と液出口110の中心軸が位置ずれしている場合であっても、キャビテーション発生用液L2は、テーパ状孔部116の略中心軸近傍から噴射される。
【0057】この際、テーパ状孔部116内では、噴流周りに強い渦流Vが生じる。このため、キャビテーションCAの発生がさらに促進されるので、成形加工品13aから切り屑や工作油およびバリをさらに一層確実に除去することができる。
【0058】また、キャビテーション発生用液L2および浸漬液L1は、温調器96、98によって、50〜60℃の範囲内に保持されている。この温度範囲においては、異物およびバリを成形加工品13aから離脱させ易い。すなわち、異物およびバリの除去効率が向上する。
【0059】以上のようにして、異物の洗浄除去およびバリの除去が施され、図9に示すように、軸孔14や通路16、小貫通孔19にバリ20a〜20c(図4〜図6参照)がほとんど存在しない良好なインペラー13が得られるに至る。
【0060】このようなインペラー13は、以下のような利点を有する。すなわち、まず、図示しない燃料ポンプの支軸が軸孔14に精度よく嵌合される。
【0061】また、燃料ポンプにおいては、燃料が小貫通孔19を介して円滑に通過するのでインペラー13の表裏の圧力バランスを適正な範囲に保つことができる。
【0062】さらに、通路16内に設けられてポンプ作用を営む羽根板17a、17bを介して燃料が円滑に通過することが可能となる。したがって、羽根板17a、17bの形状を適宜選定することにより、ポンプ効率の向上を図ることが可能となる。
【0063】結局、本実施形態によれば、キャビテーション発生用液L2および浸漬液L1として脱気純水を使用することによって成形加工品13aから異物やバリを効率よくかつ確実に除去することができるので、所定のポンプ効率を保つとともに、インペラー13の表裏の圧力バランスを適正な範囲に保ちかつ燃料ポンプの支軸が軸孔14に精度よく嵌合される燃料ポンプを構成することができる。
【0064】噴射ノズル34から噴射されたキャビテーション発生用液L2の大部分は、浸漬液L1として貯留槽32に貯留される。
【0065】上記のようにして成形加工品13aから除去された異物やバリは、第2送液ポンプ84の吸引作用下に貯留槽32の第2水平部82に収集される。すなわち、傾斜部80と第2水平部82は、異物やバリを捕捉するトラップ部である。このようにして異物やバリをトラップ部にて捕捉することにより、該異物やバリが浸漬液L1内で泳動した後に再び成形加工品13aに付着することを回避することができる。
【0066】これら異物やバリは、第2フィルタ86にて浸漬液L1から濾過分離される。すなわち、バリや異物を含んだ浸漬液L1は、第2フィルタ86において、図7に示す濾過膜120の流路118に対して矢印Y1方向から導入される。そして、バリや異物が濾過膜120の外周壁面で堰き止められる一方で、浸漬液L1のみがX1方向に指向して進行して該濾過膜120を浸透・通過する。
【0067】濾過膜120を通過した浸漬液L1は、第2送液ポンプ84によって送液管48(図1参照)に戻され、脱気モジュール50によって再び脱気された後、キャビテーション発生用液L2または浸漬液L1として循環再利用される。
【0068】以上の循環過程は、前記制御部がプログラムに基づいて制御信号を発することにより、自動的に遂行される。そして、所定の時間が経過した後、制御部が「運転停止」の信号を発することに伴って噴射ノズル34からのキャビテーション発生用液L2の噴射が停止される。
【0069】なお、上記した循環過程において、供給槽38または貯留槽32における脱気純水の液面が所定の位置よりも低下した場合には、液面検知器92または液面検知器94が「液面下限」の信号を制御部に発する。この信号を受けた制御部がバルブ70と、バルブ72またはバルブ102とを開放する制御信号を発することにより、所定の液面となるまで新たな脱気純水が供給される。
【0070】上記した循環過程を繰り返し行うことによって第1フィルタ74が目詰まりを起こした場合には、浮遊部材104を数個だけかきわけて第1フィルタ74を取り出し、該第1フィルタ74を洗浄ないし交換すればよい。このように、浮遊部材104として球体形状のものを採用しているので、第1フィルタ74の洗浄ないし交換等のメンテナンス作業を行う際には浮遊部材104を自由に移動させることができるようになっている。すなわち、メンテナンス作業が煩雑・困難になるような事態を招くことがない。
【0071】第2フィルタ86が目詰まりを起こした場合には、該第2フィルタ86に対して逆洗を施せばよい。すなわち、分岐管122を介して、濾過膜120(図7参照)の内周壁部から矢印Y2方向に指向して逆洗水を導入する。この逆洗水は、流路119に進入する際、濾過膜120の外周壁面に付着した異物等を機械的に分離した後、該異物を同伴して矢印Y2方向に流通し、流路119の出口(図示せず)から排出される。
【0072】また、キャビテーション発生用液L2の噴流によって噴射ノズル34の吐出用突端部材108が摩耗した場合には、この吐出用突端部材108を新たなものに交換すればよい。このように、吐出用突端部材108を交換可能としたことにより、噴射ノズル34を筒状部材106ごと交換することが不要となる。したがって、噴射ノズル34に要するコストを低減することができる。
【0073】さらに、浸漬液L1およびキャビテーション発生用液L2として水を使用することができるので、環境への負荷が著しく低減される。また、作業環境も安全である。しかも、砥粒を使用しないので、砥粒を除去する等の煩雑な工程が必要となることもない。
【0074】次に、本発明の第2実施形態に係るキャビテーション発生装置の概略全体構成を図10に示す。この第2実施形態に係るキャビテーション発生装置150は、上記供給槽38および貯留槽32に代替して供給貯留槽152を有する点を除いて第1実施形態に係るキャビテーション発生装置30と同様に構成されており、したがって、図1〜図6に示される構成要素については同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0075】供給貯留槽152は、隔壁部材154によって供給室156と貯留室158とに区画されている。なお、この場合、脱気純水の液面は、隔壁部材154の頂部160よりも高い位置に設定されている。
【0076】また、供給貯留槽152には、液面検知器162および温調器164が設置されている。すなわち、第2実施形態においては、供給室156および貯留室158に貯留された脱気純水は、液面検知器162によって液面がモニターされる一方、温調器164によって温度が制御される。
【0077】隔壁部材154は、頂部160の他、該頂部160に比して低い位置に設けられた水平段部166を有する。この水平段部166の端部は供給貯留槽152の内壁面から所定間隔だけ離間しており、該端部からは、供給貯留槽152の底部に指向して傾斜した傾斜部168が延在している。供給貯留槽152と第2フィルタ86とを橋架する送液管170は、供給貯留槽152の側壁部において、前記傾斜部168の底部近傍に対応する位置に連結されている。また、水平段部166には、成形加工品13aを固定するクランプ台90が設置されている。
【0078】このように、供給槽および貯留槽の機能を兼ねる供給貯留槽152を採用することにより、キャビテーション発生装置150の小型化を図ることができる。また、この場合、液面検知器162および温調器164は1個のみ使用すればよく、したがって、キャビテーション発生装置150の構成コストやランニングコストを、キャビテーション発生装置30に比して低減することもできる。
【0079】このキャビテーション発生装置150においては、脱気モジュール50を通過した脱気純水は、供給貯留槽152の供給室156に導入される。そして、この脱気純水が隔壁部材154の頂部160をオーバーフローすることにより、脱気純水が貯留室158に導入される。最終的に、液面が隔壁部材154の頂部160を越えた後に所定の位置に到達すると、液面検知器162が「液面上限」の信号を制御部(図示せず)に発する。これに伴いバルブ172が閉止され、脱気純水の供給が停止される。
【0080】供給室156内の脱気純水は、第1送液ポンプ40を介し、2.9〜19.6MPa程度の吐出圧力をもって噴射ノズル34から噴射される。脱気純水中に異物が混入している場合には、該異物は第1フィルタ74によって除去される。
【0081】この第2実施形態においても、上記した第1実施形態と同様に、壊食力の大きなキャビテーションCAが多数発生する。このため、成形加工品13aからの異物の洗浄除去や、バリの除去が効率的にかつ確実に遂行され、清浄でかつバリのない良好なインペラー13を得ることができる。
【0082】成形加工品13aから除去された異物やバリは、供給貯留槽152内において、第2送液ポンプ84の吸引作用下に隔壁部材154の傾斜部168に収集される。すなわち、この場合、傾斜部168がトラップ部としての作用を営む。このトラップ作用により、上記と同様に、異物やバリが成形加工品13aに再付着することを回避することができる。
【0083】第2実施形態において、傾斜部168に収集された異物やバリが第2フィルタ86にて脱気純水(浸漬液L1)から濾過分離されることについても第1実施形態と同様である。また、第1フィルタ74を洗浄ないし交換することや、第2フィルタ86に対して逆洗すること、噴射ノズル34を構成する吐出用突端部材108が摩耗した場合には該吐出用突端部材108を新たなものに交換することについても上述したとおりに行えばよい。
【0084】以上のように、第2実施形態に係るキャビテーション発生装置150には、第1実施形態に係るキャビテーション発生装置30と同様の効果を得ることができ、しかも、装置構成の小型化を図ることができるという利点がある。
【0085】なお、上記した各実施形態においては、浮遊部材として球体形状のものを採用したが、シート形状のものを採用してもよい。
【0086】また、脱気手段として中空糸膜64および真空ポンプ36を例示して説明したが、気液分離膜等、液体から気体を分離できるものであればどのような手段であってもよい。
【0087】さらに、上記各実施形態においては、ワークとしてインペラー13の成形品に研削加工等を施した成形加工品13aを用いるようにしたが、インペラー13の成形品あるいはインペラー13の加工品を用いるようにしてもよい。
【0088】さらにまた、上記各実施形態に係るキャビテーション発生装置30、150において、インペラー13の成形加工品13a以外のものをワークとした場合であっても上記と同様の洗浄ないしバリ取り加工を施すことができることはいうまでもない。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るキャビテーション発生装置によれば、脱気手段にて予め脱気された液体をキャビテーション発生用液として噴射するようにしている。このため、キャビテーションを効率よく発生させることができるので、ワークに付着した切り屑や工作油等の異物を洗浄除去することができるとともに、該ワークのバリを確実に除去することができる。結局、清浄でかつバリのない良好なワークを得ることができるという効果が達成される。この効果は、前記ワークを浸漬する浸漬液も予め脱気することによって一層顕著となる。
【出願人】 【識別番号】000141901
【氏名又は名称】株式会社ケーヒン
【住所又は居所】東京都新宿区西新宿一丁目26番2号
【出願日】 平成13年9月7日(2001.9.7)
【代理人】 【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏 (外1名)
【公開番号】 特開2003−80185(P2003−80185A)
【公開日】 平成15年3月18日(2003.3.18)
【出願番号】 特願2001−272744(P2001−272744)