トップ :: B 処理操作 運輸 :: B08 清掃




【発明の名称】 部品洗浄乾燥装置
【発明者】 【氏名】土屋 武司
【住所又は居所】静岡県田方郡大仁町神島字日之前244番地 東静電気株式会社内

【要約】 【課題】洗浄乾燥槽の開閉蓋に加熱手段を附設することなく、その天井面から結露が落下することを防止して、真空乾燥工程において被処理物への輪シミの付着を防止する。

【解決手段】洗浄乾燥槽3内に被処理物2を収容すると共に、洗浄乾燥槽3内を減圧し、洗浄溶剤の加熱蒸気を導入して被処理物2を蒸気洗浄し、蒸気洗浄の完了後に被処理物2の乾燥を行う部品洗浄乾燥装置1であって、洗浄乾燥槽3の上部開口部5を覆う開閉蓋7の少なくとも天井面7aを下り傾斜させて設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 洗浄乾燥槽内に被処理物を収容すると共に、該洗浄乾燥槽内を減圧し、洗浄溶剤の加熱蒸気を導入して被処理物を蒸気洗浄し、蒸気洗浄の完了後に被処理物の乾燥を行う部品洗浄乾燥装置において、上記洗浄乾燥槽の上部開口部を覆う開閉蓋の少なくとも天井面を傾斜させて設けることを特徴とする部品洗浄乾燥装置。
【請求項2】 前記洗浄乾燥槽の底部が傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の部品洗浄乾燥装置。
【請求項3】 前記洗浄乾燥槽の傾斜底部の最下部に、排液系が接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の部品洗浄乾燥装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油脂系の汚れ等が付着した機械部品やメッキ部品等を洗浄し乾燥する部品洗浄乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】金属製機械部品、メッキ部品、電子部品等の各種部品には、その製造工程や組立工程等において、切削油等の工作油脂、フラックス、塵埃等をはじめとして様々な汚れが付着する。このような汚れが付着した機械部品や電子部品等の被処理物の清浄は、従来、例えば炭化水素系、塩素系等の金属洗浄溶剤を使用して、被処理物を洗浄溶剤に浸漬して超音波による振動を与えて洗浄する浸漬洗浄工程を行ない、次に、洗浄溶剤の蒸気を噴霧して洗浄を行う蒸気洗浄工程を行なうことにより成されている。そして、真空乾燥工程を行うことにより、蒸気洗浄後の被処理物を乾燥している。
【0003】洗浄に使用した洗浄溶剤には被処理物に付着していた各種汚れが混入するが、これらの汚れ成分は洗浄装置に設けてあるフィルタ等を通しただけでは除去しきれない。このため、従来は、汚れた洗浄溶剤はそのまま廃棄することも少なくなかったが、省資源および環境保護の観点から洗浄溶剤の使用量の低減および再生利用が求められており、実際、再生装置により再生して使用することも行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の浸漬洗浄工程、蒸気洗浄工程、及び真空乾燥工程は、図4に示すように、被処理物51を洗浄乾燥槽52内に収容し、該洗浄乾燥槽52内を真空ポンプ53により炭化水素等の可燃性洗浄溶剤の爆発下限界以下まで減圧して行われる。
【0005】しかし、従来の洗浄乾燥槽52は、その上部開口部54及びこれを覆う開閉蓋55が水平に形成されているため、洗浄溶剤が付着した被処理物51を真空乾燥すると、気化した溶剤ガスが開閉蓋55の天井面に付着して結露し、液滴56として被処理物51上に滴下し、そのまま乾燥すると、折角洗浄した被処理物51に輪シミとして痕跡が残ってしまう。
【0006】そのため、従来は洗浄乾燥槽52の開閉蓋55に電気プレートヒータ等の加熱手段を附設して、開閉蓋55の天井面に溶剤蒸気が結露しないような工夫をしているが、結露を防止するには70℃〜80℃に保持しなければならず、省エネルギーの観点から得策とはいえない。
【0007】また、開閉蓋55は、被処理物51の搬入搬出時に、通常手の触れる場所であり、上記加熱手段により高温になっている開閉蓋55を接触可能な温度にまで低下させるには、厚い断熱材が必要となる。
【0008】さらに、洗浄溶剤として石油系溶剤等の可燃性洗浄溶剤を使用する場合には、電気プレートヒータ等の裸火の加熱手段を附設することは、引火を防止するという安全上の観点から好ましくない。
【0009】そこで、本発明は、洗浄乾燥槽の開閉蓋に加熱手段を附設することなく、その天井面からの結露の落下を防止して、真空乾燥工程において被処理物への輪シミの付着を防止することができる部品洗浄乾燥装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記に鑑み提案されたもので、請求項1に記載のものは、洗浄乾燥槽内に被処理物を収容すると共に、該洗浄乾燥槽内を減圧し、洗浄溶剤の加熱蒸気を導入して被処理物を蒸気洗浄し、蒸気洗浄の完了後に被処理物の乾燥を行う部品洗浄乾燥装置において、上記洗浄乾燥槽の上部開口部を覆う開閉蓋の少なくとも天井面を傾斜させて設けることを特徴とする部品洗浄乾燥装置である。
【0011】請求項2に記載のものは、前記洗浄乾燥槽の底部が傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の部品洗浄乾燥装置である。
【0012】請求項3に記載のものは、前記洗浄乾燥槽の傾斜底部の最下部に、排液系が接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の部品洗浄乾燥装置である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本実施形態の部品洗浄乾燥装置1における洗浄乾燥槽3を示す斜視図、図2はその側面形状を示す概略図、図3は本発明に係る部品洗浄乾燥装置1の系統構成を示す概略図である。
【0014】図3に示すように、工作油脂等の汚れが付着した機械部品や電子部品等の被処理物2の洗浄及び乾燥は、洗浄乾燥槽3内にバスケット4に入れた複数の被処理物2を収容して行われる。この洗浄乾燥槽3内では、例えば石油系溶剤を洗浄溶剤として使用し、被処理物2を洗浄溶剤に浸漬して超音波による振動を与えて洗浄する浸漬洗浄工程を行ない、浸漬洗浄工程が終了すると、洗浄溶剤を排液してから洗浄溶剤の蒸気を導入して被処理物2の仕上げ洗浄を行う蒸気洗浄工程を行ない、さらに蒸気洗浄後の被処理物2を真空乾燥工程を行って乾燥する。
【0015】洗浄溶剤としては、炭化水素系溶剤(パラフィン、ナフテン)、塩素系溶剤(トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン)、臭素系溶剤(ノルマルプロピルブロマイド)、フッ素系溶剤(HFC、HFE、HCFC)等が挙げられるが、環境保護の観点から炭化水素系が好ましく、その内でも石油系溶剤が最適である。
【0016】図1及び図2において、洗浄乾燥槽3は上部が開閉可能な中空箱体状の耐圧容器であり、上部開口部5に形成されたフランジ部5aにはシール材6を介して、該開口部5を密閉して覆う開閉蓋7が設けられている。この開閉蓋7は、少なくともその天井面7a(即ち、下面)が傾斜するように洗浄乾燥槽3の上部開口部5に開閉自在に設けられる。開閉蓋7の天井面7aを傾斜させて設ける理由は、この開閉蓋7の天井面7aに溶剤ガスが結露した場合に、結露した溶剤液滴を該天井面7aを伝わらせて傾斜下端側へと流下させるためであり、傾斜下端側に集められた溶剤液滴は洗浄乾燥槽3の内側側壁面3bを伝って流下し、底面3aへと流下することになる。
【0017】本実施形態では、開閉蓋7が等厚の矩形平板状によって形成されているため、洗浄乾燥槽3の上部開口部5及びフランジ部5aが、例えば前面下方(図2において、左側下方)へ下り傾斜するように形成されており、該フランジ部5a上に平板状の開閉蓋7を載置することにより、その天井面7aが前面下方へ傾斜するように構成されている。このように洗浄乾燥槽3の上部開口部5及びフランジ部5aの前面側(作業者の立つ側)が奥側よりも低くなるように形成したのは、被処理物2を入れたバスケット4の洗浄乾燥槽3内への搬入搬出作業が容易になるようにするためであり、具体的には開閉蓋7の天井面7aの傾斜角θが3°以上30°以下の範囲となるように設定することが好ましい。開閉蓋7の天井面7aの傾斜角を3°以上に設定するのは、3°未満であると、結露した溶剤液滴が傾斜側へ流下し難くいからであり、傾斜角を30°以下に設定するのは、30°を超えると開閉蓋7が上部開口部5のフランジ部5a上からずれ易くなるからである。
【0018】なお、本実施形態では、開閉蓋7が等厚の矩形平板状に形成されているため、洗浄乾燥槽3の上部開口部5及びフランジ部5aを傾斜させて形成したが、これに限るものではなく、開閉蓋7の板厚を順次変化させたり断面楔形のプレートを付加するなど、開閉蓋7に改造を施して、その天井面7aを傾斜させてもよい。
【0019】また、洗浄乾燥槽3の底部3aは、開閉蓋7の天井面7aの傾斜方向に合わせて傾斜するように形成されている。本実施形態では、開閉蓋7の天井面7aが前面下方へ傾斜するように設けられるので、この傾斜方向に合わせて洗浄乾燥槽3の底部3aも前面下方へ傾斜するように形成されている。上述したように、開閉蓋7の天井面7aに結露した溶剤液滴は、該天井面7aを伝わって傾斜側である前面側へと流下して集まり、集まった溶剤液滴は前面側において洗浄乾燥槽3の側壁面3bから底面3aへと流下し、洗浄乾燥槽3の底部3aの前面側が奥側よりも低くなっているので、当該底部3aの前面側に溜まることになる。なお、この洗浄乾燥槽3の本体に加熱手段(図示せず)を附設すると、該加熱手段の加熱により、洗浄乾燥槽3の底部3aに滴下した溶剤液滴を再度気化することができる。
【0020】また、洗浄乾燥槽3の底部3aの傾斜は、必ずしも天井面7aの傾斜方向に合わせる必要はないが、いずれかに向けて傾斜させると、被処理物2を洗浄溶剤に浸漬して超音波による振動を与えて洗浄する浸漬洗浄工程の完了後における排液操作に有効であり、したがって、洗浄乾燥槽3の傾斜底部3aの最下部には、後述する溶剤タンクに至る排液系8を接続し、該排液系8にはこれを開閉する排液弁9を介設する。
【0021】上述の浸漬洗浄工程、蒸気洗浄工程、及び真空乾燥工程は、被処理物2を収容する洗浄乾燥槽3内を炭化水素等の可燃性洗浄溶剤の爆発下限界以下まで減圧して行われる。したがって、洗浄乾燥槽3には、真空ポンプ10に至る排気系11が接続されており、該排気系11にはこれを開閉する洗浄乾燥槽真空弁12が介設されている。
【0022】また、図3に示すように、上記洗浄乾燥槽3には、その内部に洗浄溶剤を供給して被処理物2を浸漬洗浄するために、溶剤タンク13に至る浸漬洗浄系14が接続されており、該浸漬洗浄系14にはこれを開閉する浸漬洗浄弁15が介設されている。洗浄乾燥槽3には、その内部に流入された洗浄溶剤のレベルを検出するためのレベルスイッチ16が備えられている。浸漬洗浄工程は、前述したように被処理物2を洗浄溶剤に浸漬して超音波による振動を与えて洗浄する工程であり、したがって、本実施形態の洗浄乾燥槽3には、超音波振動装置3cが備えられている。なお、溶剤タンク13は、上部が覆われた密閉容器であり、後述する分岐排気系を介して真空ポンプ10により減圧される。
【0023】浸漬洗浄工程の完了後、洗浄乾燥槽3内の洗浄溶剤は、前述したように、上記排液弁9を開放することにより、洗浄乾燥槽3の傾斜底部3aの最下部に接続された排液系8を通じて溶剤タンク13へと排液される。
【0024】溶剤タンク13から洗浄乾燥槽3への洗浄溶剤の注入、及び洗浄乾燥槽3から溶剤タンク13への排液は、溶剤タンク13と洗浄乾燥槽3との圧力差により行われる。したがって、洗浄乾燥槽3には、前述したように、真空ポンプ10に至る排気系11が接続されている。洗浄乾燥槽3にはその内部圧力を表示する洗浄乾燥槽内圧力計17が備えられており、排気系11の洗浄乾燥槽真空弁12の上流側(洗浄乾燥槽側)には洗浄乾燥槽3の内部圧力を大気開放して調整する洗浄乾燥槽大気開放弁18が分岐介設されている。
【0025】また、洗浄乾燥槽3との相対関係において溶剤タンク13の内部圧力を調整する必要があるため、排気系11の洗浄乾燥槽真空弁12の下流側(真空ポンプ側)は分岐され、溶剤タンク13に至る分岐排気系19が接続され、この分岐排気系19には溶剤タンク減圧弁20が介設されている。さらに溶剤タンク13には、その内部圧力を表示する溶剤タンク圧力計21が備えられており、その内部圧力を大気開放して調整する溶剤タンク大気開放弁22が備えられている。
【0026】浸漬洗浄工程の完了後、排液弁9を開放することにより、洗浄乾燥槽3内の使用済み洗浄溶剤が排液系8を通じて溶剤タンク13へと排液されるが、洗浄に使用した洗浄溶剤には被処理物2に付着していた各種の汚れが混入している。これらの汚れ成分は洗浄乾燥槽3や排液系8に設けるフィルタ等を通しただけでは除去しきれず、省資源および環境保護の観点から洗浄溶剤を再生して使用する。したがって、溶剤タンク13には、使用済み溶剤を蒸留して凝縮し、再生溶剤として貯留するリザーブタンク23に至る再生処理系24が接続されており、この再生処理系24には蒸留器25及びコンデンサ26が順次介設されている。
【0027】蒸留器25は、例えば耐熱・耐圧性を有する概略円筒体状の竪型容器であり、本実施形態では蒸留器25の下部を収納する状態で、加熱機構25aが備えられている。この加熱機構25aは、例えばオイル加熱ユニットであり、熱源として電気ヒータを備えており、該ヒータにより加熱媒体としての耐熱オイルを加熱し、この加熱オイルを介して蒸留器25を加熱することにより、この蒸留器25内を流通する汚れ成分を含む洗浄溶剤を加熱して蒸発する。
【0028】再生処理系24の蒸留器25よりも下流側には、この蒸留器25によって蒸留した溶剤蒸気を凝縮して液化するためのコンデンサ26が介設されている。このコンデンサ26の本体は、例えば概略円筒体状の竪型または横型の容器であり、その内部に冷却水を通す冷却細管26aを収納した熱交換器である。コンデンサ26を通過する溶剤蒸気は冷却細管26aに接触して凝縮され、液化した再生溶剤としてリザーブタンク23内へ貯溜されることになる。コンデンサ26とリザーブタンク23との間の再生処理系24には、循環ポンプ27aにより再生溶剤を循環させて水分分離器27bに通して水分を分離してからリザーブタンク23に供給すると共に、コンデンサ26からの再生溶剤をエゼクタ27cにより循環流路内に吸引合流する水分分離機構が介設されており、リザーブタンク23には再生溶剤の貯溜量を検出するレベルスイッチ28が備えられている。なお、上記エゼクタ27cは、蒸留器25内を減圧して蒸留効率を高めている。
【0029】また、リザーブタンク23には、上記洗浄乾燥槽3へ溶剤蒸気を導入して、該洗浄乾燥槽3内に収容された被処理物2の蒸気洗浄工程を行うために、該洗浄乾燥槽3に至る蒸気洗浄系29が接続されている。この蒸気洗浄系29には、リザーブタンク23から導入される再生溶剤を溶剤蒸気として気化させるための熱交換器30が介設されており、リザーブタンク23から熱交換器30への再生溶剤の導入、熱交換器30から洗浄乾燥槽3への溶剤蒸気の導入は、リザーブタンク23と洗浄乾燥槽3との圧力差により行われ、熱交換器30よりも上流側の蒸気洗浄系29にはこれを開閉するための蒸気洗浄補助弁31が介設され、熱交換器30よりも下流側の蒸気洗浄系29にはこれを開閉するための蒸気洗浄弁32が介設されている。
【0030】熱交換器30の本体は、例えば概略円筒体状の竪型または横型の容器であり、その内部に加熱媒体を通す加熱細管30aを収納しており、該熱交換器30を通過する再生溶剤は加熱細管30aに接触して気化され、溶剤蒸気として洗浄乾燥槽3に導入されることになる。熱交換器30の加熱細管30aに通す加熱媒体としては、電気ヒータ等の加熱手段により加熱したオイルが挙げられる。また、熱交換器30の導入口には、この熱交換器30内へ再生溶剤を霧状にして噴出させるためのスプレーノズル33が設けられており、該熱交換器30内へ再生溶剤を噴霧することにより発生する溶剤蒸気を確実にガス化することができる。
【0031】次に、本発明の部品洗浄乾燥装置1の操作を説明する。準備段階として、洗浄乾燥槽大気開放弁18を開放した後、洗浄乾燥槽3の開閉蓋7を開放して、機械部品等の被処理物2を複数個入れたバスケット4を載置部上に載置し、開閉蓋7をシール部材6を介して密閉状態で閉成すると共に、洗浄乾燥槽大気開放弁18を閉成する。
【0032】このような準備が整ったら、まず、洗浄乾燥槽3へ洗浄溶剤の給液を行う。給液操作は、溶剤タンク大気開放弁22を開放して溶剤タンク13の内部圧力を溶剤タンク圧力計21が爆発下限界以下の500Paを指示するまで大気方向へと戻して、溶剤タンク大気開放弁22を閉成し、浸漬洗浄系14の浸漬洗浄弁15、及び排気系11の洗浄乾燥槽真空弁12を開放すると共に、真空ポンプ10を駆動する。すると、洗浄乾燥槽3と溶剤タンク13との圧力差により、ヒータ13aを備えた溶剤タンク13内から加熱された洗浄溶剤が洗浄乾燥槽3へと給液される。このとき、溶剤タンク減圧弁20、蒸気洗浄弁32、蒸気洗浄補助弁31、及び排液弁9は閉成されている。そして、洗浄乾燥槽3のレベルスイッチ16の上限レベル検出により、浸漬洗浄弁15及び洗浄乾燥槽真空弁12を閉成する。
【0033】そして、真空浸漬洗浄工程を行う。この浸漬洗浄工程では被処理物2が加熱溶剤内に浸漬している状態で、超音波発生装置3cにより超音波振動を与えて浸漬洗浄(超音波洗浄)を行う。
【0034】浸漬洗浄の完了後に、洗浄乾燥槽3内の汚れ成分を含む溶剤を排液する。排液操作は、洗浄乾燥槽大気開放弁18を開放し、洗浄乾燥槽3の内部圧力を洗浄乾燥槽圧力計17が爆発下限界以下の500Paを指示するまで大気方向へと戻して、洗浄乾燥槽大気開放弁18を閉成し、排液系8の排液弁、及び分岐排気系19の溶剤タンク減圧弁20を開放すると共に、真空ポンプ10を駆動する。すると、洗浄乾燥槽3と溶剤タンク13との圧力差により、洗浄乾燥槽3内から汚れ成分を含む溶剤が溶剤タンク13へと排液される。
【0035】排液操作の完了後、仕上げ蒸気洗浄工程に移行する。蒸気洗浄工程では、真空ポンプ10は既に駆動状態にあり、排気系11の洗浄乾燥槽真空弁12を開放した後、蒸気洗浄系29の蒸気洗浄弁32及び蒸気洗浄補助弁31を開放する。蒸気洗浄弁32及び蒸気洗浄補助弁31の開放タイミングは、洗浄乾燥槽3の洗浄乾燥槽圧力計17が100Pa以下の減圧状態を指示したときである。すると、洗浄乾燥槽3とリザーブタンク23との圧力差により、リザーブタンク23から熱交換器30を介して加熱された溶剤蒸気が洗浄乾燥槽3へと導入され、被洗浄物処理物2の蒸気洗浄を行う。この蒸気洗浄において、洗浄乾燥槽3内に溶剤蒸気が導入され、この溶剤蒸気が開閉蓋7の天井面7aに接触して冷却され、これにより結露となったとしても、天井面7aの傾斜により落下することなく側壁面3bに導かれる。したがって、被処理物2上に結露が落下してシミとなる不都合を確実に防止できる。
【0036】蒸気洗浄を所定の時間行った後、蒸気洗浄弁32及び蒸気洗浄補助弁31を閉成して蒸気洗浄工程を完了し、真空乾燥工程へと移行する。真空ポンプ10は継続して駆動状態であり、排気系11の洗浄乾燥槽真空弁12を開放したままであるが、所定時間ごとに洗浄乾燥槽大気開放弁18を開放して洗浄乾燥槽圧力計17が爆発下限界以下の500Paを指示するまで大気方向へと戻し、再度洗浄乾燥槽大気開放弁18を閉成して真空ポンプ限界値まで減圧する操作を複数回繰り返す。
【0037】真空乾燥を行うと、被処理物2に付着した溶剤が気化するときに、気化熱を奪い、被処理物2の表面温度が低下し、乾燥効率が低下する。そこで、洗浄乾燥槽3の内部圧力を所定時間ごとに爆発下限界以下の500Paまで大気方向へと戻して(復圧して)、被処理物2が保有する芯熱を表面に呼び戻すことができ、再び真空方向へと減圧することにより乾燥効率を向上させる。
【0038】真空乾燥工程が完了したら、洗浄乾燥槽大気開放弁18を開放して、洗浄乾燥槽3の内部圧力を大気開放し、全工程の終了を報知する。そして、洗浄乾燥槽3の開閉蓋7を開放すれば、バスケット4と共に洗浄乾燥された複数の被処理物2を取り出すことができる。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明の部品洗浄乾燥装置によれば、以下の効果を奏する。請求項1の発明によれば、洗浄乾燥槽の上部開口部を覆う開閉蓋の少なくとも天井面を傾斜させて設けるので、開閉蓋の天井面に溶剤ガスが結露した場合に、結露した溶剤液滴を該天井面を伝わらせて傾斜側へと流下させ、傾斜側に集められた溶剤液滴を洗浄乾燥槽の底面へと流下させることにより、洗浄乾燥槽の開閉蓋に加熱手段を附設することなく、その天井面への結露を防止して、真空乾燥工程において被処理物への輪シミの付着を防止することができる。
【0040】請求項2の発明によれば、洗浄乾燥槽の底部が傾斜しているので、浸漬洗浄工程において使用した汚れ成分を含む溶剤を洗浄乾燥槽の底部における傾斜側に導入することができる。
【0041】請求項3の発明によれば、洗浄乾燥槽の傾斜底部の最下部に、排液系が接続されているので、浸漬洗浄工程の完了後に、洗浄乾燥槽内に汚れ成分を含む溶剤を残溜させることなく、確実に排液することができる。
【出願人】 【識別番号】000221454
【氏名又は名称】東静電気株式会社
【住所又は居所】静岡県田方郡大仁町神島字日之前244番地
【出願日】 平成13年9月11日(2001.9.11)
【代理人】 【識別番号】100098073
【弁理士】
【氏名又は名称】津久井 照保
【公開番号】 特開2003−80182(P2003−80182A)
【公開日】 平成15年3月18日(2003.3.18)
【出願番号】 特願2001−275561(P2001−275561)