| 【発明の名称】 |
電磁型アクチュエータ |
| 【発明者】 |
【氏名】白木 学 【住所又は居所】神奈川県大和市下鶴間3854番地1 テクノプラザ 大和 株式会社シコー技研内
【氏名】大久保 克 【住所又は居所】神奈川県大和市下鶴間3854番地1 テクノプラザ 大和 株式会社シコー技研内
【氏名】藤井 誠 【住所又は居所】神奈川県大和市下鶴間3854番地1 テクノプラザ 大和 株式会社シコー技研内
|
| 【要約】 |
【課題】安定した振動が得られる電磁型アクチュエータを提供する。
【解決手段】挿通孔を備えた振動ユニット10と、振動ユニット10を支持する2個のスプリング15,17と、振動ユニット10と2個のスプリング15,17とを収納し且つ2個のスプリング15,17を支持するケース13と、ケース13の一方の面を覆うダイヤフラム23と、ダイヤフラム23に支持され且つ、低周波及び高周波電流が印加されるコイル5と、ケース13の他方の面を覆い且つ振動ユニット10の挿通孔を貫通するシャフト部31aを持ったカバー31とを備え、振動ユニット10は、マグネット7と、ギャップ面となるポールピース5と、ポールピース5と対向して半径方向のギャップを形成し且つマグネット7およびポールピース5と一体化されたヨーク9とを備え、コイル5に低周波電流を印加することにより、振動ユニット10が振動し、コイル5に高周波電流を印加することにより、ダイヤフラム23が振動する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 挿通孔を備えた振動ユニットと、振動ユニットを支持する弾性体と、振動ユニットと弾性体を収納し且つ弾性体を支持するケースと、ケースの一方の面を覆うダイヤフラムと、ダイヤフラムに支持され且つ低周波および高周波電流が印加されるコイルと、ケースの他方の面を覆い且つ振動ユニットの挿通孔を貫通するシャフトを持ったカバーとを備え、振動ユニットは、マグネットと、ギャップ面となるポールピースと、ポールピースと対向して半径方向のギャップを形成し且つマグネットおよびポールピースと一体化されたヨークとを備え、コイルに低周波電流を印加することにより、振動ユニットが振動し、コイルに高周波電流を印加することにより、ダイヤフラムが振動することを特徴とする電磁型アクチュエータ。 【請求項2】 弾性体は、外周部円周上120°毎に鍔を備え、ケースの内周面上に設けた溝部に固着されて、振動ユニットを支持する2個のスプリングである事を特徴とする請求項1に記載の電磁型アクチュエータ。 【請求項3】 弾性体は、外周部に対して内周部が高さを備え、ケースおよびカバーに対して高さを圧縮して振動ユニットを支持する2個のスプリングである事を特徴とする請求項1に記載の電磁型アクチュエータ。 【請求項4】 シャフトは、ケースの中央部を押圧成形して形成する事を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電磁型アクチュエータ。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話やポケットベル(登録商標)等に用いられ、信号着信時の呼び出しを振動や音によって知らせるための電磁型アクチュエータに関する。 【0002】 【従来の技術】この種の電磁型アクチュエータとしては、WO99/39843に開示されているものが知られている。この電磁型アクチュエータを図6に示す。図6に示すように、電磁型アクチュエータ100は、ケース101内において、ヨーク103の溝部内にマグネット105を配置し、溝部内においてマグネット105とギャップを経て位置し且つダイヤフラム107に取り付けられたコイル109を設けており、ヨーク103は、筐体101の側面に平行に配置された上下の振動板111、113によって支持されている。コイル109に低周波電流を印加することにより、振動板111,113の作用によってヨーク103が振動し、コイル109に高周波電流を印加することにより、ダイヤフラム107を振動させて高周波音を発生させる。また、ケース101から内側径方向に向かって鍔115を配置し、ヨーク103の振動方向を上下方向に規制している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の技術では、振動方向規制のため鍔115がヨーク103に接触すると、接触摩擦のために、安定な振動を損なうという課題がある。 【0004】そこで、本発明は、安定した振動が得られる電磁型アクチュエータを提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、挿通孔を備えた振動ユニットと、振動ユニットを支持する弾性体と、振動ユニットと弾性体を収納し且つ弾性体を支持するケースと、ケースの一方の面を覆うダイヤフラムと、ダイヤフラムに支持され且つ低周波および高周波電流が印加されるコイルと、ケースの他方の面を覆い且つ振動ユニットの挿通孔を貫通するシャフトを持ったカバーとを備え、振動ユニットは、マグネットと、ギャップ面となるポールピースと、ポールピースと対向して半径方向のギャップを形成し且つマグネットおよびポールピースと一体化されたヨークとを備え、コイルに低周波電流を印加することにより、振動ユニットが振動し、コイルに高周波電流を印加することにより、ダイヤフラムが振動することを特徴とする。 【0006】この請求項1に記載の発明では、振動ユニットを振動方向にスライド可能に支持するシャフトを設けることにより、電磁型アクチュエータに対する外部からの衝撃、例えば、落下時の衝撃があっても、振動ユニットの位置がボイスコイルの径方向にずれるのを防止でき、耐衝撃性が向上する。また、電磁型アクチュエータがどのような方向に置かれていても、振動ユニットを軸方向に滑らかにスライドさせるので、更に安定した振動が得られる。 【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、弾性体は、外周部円周上120°毎に鍔を備え、ケースの内周面上に設けた溝部に固着されて振動ユニットを支持する2個のスプリングであることを特徴とする。 【0008】この請求項2に記載の発明では、単体のケースがスプリングを支持する構造にすることができるので、振動ユニットをケースに堅固に固着することができる。 【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、弾性体は、外周部に対して内周部が高さを備え、ケースおよびカバーに対して高さを圧縮して振動ユニットを支持する2個のスプリングである事を特徴とする。 【0010】この請求項3に記載の発明では、振動ユニットの外径を大きくすることができるので、振動力を増大させることができる。 【0011】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、シャフトは、ケースの中央部を押圧成形して形成する事を特徴とする。 【0012】この請求項4に記載の発明では、シャフトを押圧成形して形成するので、シャフトの強度が堅固にできると同時に部品数が低減できる。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、添付した図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係る電磁型アクチュエータを示す断面図であり、図2は、図1の電磁型アクチュエータの分解斜視図であり、図3は、本発明の弾性体に用いるスプリングの平面図である。図1に示す電磁型アクチュエータ1は、携帯電話を通して着信した情報を振動又は音により、携帯者に知らせるものである。 【0014】電磁型アクチュエータ1は、マグネット7と磁性体のヨーク9とポールピース3とで構成される振動ユニット10と、これらを収容するケース13と、ケース13に対して振動ユニット10の下面を支持する下スプリング17と、ケース13に対して振動ユニット10の上面を支持する上スプリング15と、ケース13の上部円周端面上に周囲を固定された振動板であるダイヤフラム23と、ダイヤフラム23のリング状の突起部23a上に固定されて電流が印加されるコイル5と、ケース13の下部円周端面上に固定されて、中央部が振動ユニット10を貫通しているカバー31とを備えており、コイル5に低周波電流を印加することにより、振動ユニット10が、カバー31の一部であるシャフト13aの軸線方向(図1中上下方向)に振動し、コイル5に高周波電流を印加することにより、ダイヤフラム23が振動して発音するようになっている。尚、本明細書においては、上及び下の文言を便宜上使用するが、これは上下方向を特定するものではない。 【0015】ケース13は、外周面の一角度方向に端子部13aを備え、内周面上120°毎に下方から形成された3個所の溝部13fと、溝部13fとは60°ズレた120°毎に下方から形成された3個所の溝部13gとを備えている。尚、溝部13fは振動ユニット10の上面と水平な深い溝とし、溝部13gは振動ユニット10の下面と水平な浅い溝としている。 【0016】下スプリング17の3個所の鍔17aは溝部13gの底面に固着(接着)されて、振動ユニット10の下面を支え、上スプリング15の3個所の鍔15aは、溝部13fの底面に固着(接着)されて、振動ユニット10の上面を支えており、下スプリング17とヨーク9の外周下面および上スプリング15とヨーク9の外周上面との間は接着固定している。尚、上下のスプリング15、17のばね係数と振動ユニット10の質量とからなる振動系の共振周波数は、コイル5に印加する低周波電流の周波数と一致させている。 【0017】本実施の形態では、弾性体となる上下のスプリング15、17は、図3に示すような板バネであり、それぞれの鍔15a、17aは、ケース13との接着固定用に設けており、内周部15b、17bはヨーク9との接着固定用に設けている。 【0018】ダイヤフラム23は、ポリエチレン等の高分子化合物の薄膜を円板形状に成形したものであり、ケース13の上面円周部に接着固定している。また、広い周波数帯域内で平坦な固有振動特性を得るために、複数のコーン状の成形が施されており、コイル5を接着する部分は、リング状に突起させて突起部23aとして成形している。この突起部23aは、ヨーク9とポールピース3との間のギャップに向けて突出させており、振動ユニット10が上下方向に振動したとき、ダイヤフラム23に衝突することを回避するために設けている。尚、小型な電磁型アクチュエータ1では、ダイヤフラム23の固有基本(最低)周波数は、1kHz付近の高周波となるので、ダイヤフラム23を振動させて発音するためにコイル5に印加する電流を高周波電流と呼んでいる。 【0019】カバー31は、アルミニウム等の金属板を円板形状に成形したものであり、ケース13の下面円周部に接着固定している。中央部分は、ケース13の内側に突出させる押圧成形を施してシャフト部31aを形成し、内部空気の逃げ口となる複数の孔31bを備えている。 【0020】ポールピース3、マグネット7およびヨーク9の中央部には、シャフト部31aを挿通させる孔が設けられており、この順に配置し、接着して振動ユニット10を構成している。本構造により、振動ユニット10は、中央部の挿通孔10aに挿通されるシャフト部31aによって、シャフト部31aの軸線方向にスライド可能になっている。 【0021】振動ユニット10をスライド可能に支持するシャフト部31aを設けることにより、電磁型アクチュエータ1を落としたとき等、電磁型アクチュエータ1に対して外部から衝撃が加えられた場合であっても、振動ユニット10の位置が、外周方向に向けて(図1中左右方向に向けて)ずれるのを防止でき、耐衝撃性が向上するとともに、振動ユニット10の振動方向を軸線方向に規制する。 【0022】コイル5のリード線は、ダイヤフラム23の下面に接着させながら、ケース13との接合面を介して、端子部13aに接続している。端子部13aには、携帯電話内から、高周波及び低周波電流が供給される。 【0023】次に、上述した構成に基づき、本実施の形態の作用を説明する。電磁型アクチュエータ1を組み立てるには、ヨーク9とマグネット7およびポールピース3を固着(接着)して振動ユニット10を組み立て、引き続き、振動ユニット10の上面に上スプリング15を、下面に下スプリング17を固着(接着)する。 【0024】そして、振動ユニット10と、上下スプリング15,17とが一体に固着されたユニットを、ケース13の溝部13gと13fの底面に固着(接着)する。次いで、カバー31を、シャフト部31aを挿通孔10aに挿通させながら、ケース13の下面円周部に接着する。ダイヤフラム23の下面には、事前にコイル5を接着し、同時にコイル用リード線はダイヤフラム23の下面に接着しながら外部への引出し線を設けておく。最後に、このコイル5を装着したダイヤフラム23をケース13の上面円周部に接着すると同時に、リード線を端子部13aに接続する。 【0025】この電磁型アクチュエータ1において、コイル5に、携帯電話内の回路から、低周波電流(体感周波数として例えば、100〜150Hzの単一周波数)が印加されると、この低周波電流とギャップ部の磁界との作用で、振動ユニット10が、シャフト部13dの軸線方向に振動する。振動ユニット10が振動すると、ケース13を固定している携帯電話が振動して携帯者に着信信号などの情報を伝達する。 【0026】尚、本実施の形態では、振動ユニット10の質量と上下のスプリング15,17からなる振動系の共振周波数は、供給される低周波電流の周波数と一致させて、電磁エネルギーから運動エネルギーへの伝達を効率化している。 【0027】また、コイル5に、高周波電流(可聴周波数として例えば、900〜8000Hzの広帯域周波数)が印加されると、この高周波電流とギャップ部の磁界との作用で、ダイヤフラム23が高周波帯域の振動を起こす。このダイヤフラム23は、ポリエチレン等の薄膜材質をコーン状に成形した振動板なので、コイル5を介した高周波数帯域の駆動力に対して、忠実な音響放射を行う。ダイヤフラム23が振動すると、ケース13を固定している携帯電話の筐体の音響放射孔を通して、高周波音が携帯者に着信信号等の情報を伝達する。 【0028】即ち、携帯電話からコイル5に、低周波電流を印加すれば低周波振動が発生し、高周波電流を印加すれば高周波音が発生し、これら両者を印加すれば低周波振動と高周波音の両者が発生する。 【0029】ここで、携帯電話がどのような向きに置かれても、振動ユニット10は、上下方向(軸線方向)の一方向に移動させねばならず、外的要因によって横方向の衝撃が加わっても、振動ユニット10を軸線方向に振動させねばならないが、本実施の形態では、シャフト部13dを振動ユニット10の中心に挿通させているので、安定した滑り摩擦で振動方向を軸線方向の一方向に規制することができる。従って、図6の従来例に示すケース101に鍔115を設ける場合のように、鍔115とヨーク103が接触して、滑らかな振動を阻害する不都合な現象は生じない。 【0030】また、金属製のカバー31の一部を押圧成形してシャフト部31aを形成しているので、シャフトの強度を堅固にすることができると同時に、部品数を低減した低価格構造とすることができる。 【0031】次に、他の実施の形態を説明するが、その説明にあたり、上述した部分と同様な部分には、同一の符号を付することにより、その説明を省略する。 【0032】図4は、第2実施の形態に係る電磁型アクチュエータを示す断面図であり、図5は、第2実施の形態に用いるスプリングの斜視図である。第2実施の形態では、図4に示すように、振動ユニット10の上面円周部とケース13上部の突出部13bの間に上スプリング15を配置し、振動ユニット10の下面円周部とカバー31の間に下スプリング17を配置している。 【0033】図5に示すように、上下のスプリング15,17は、外周部15a、17aと内周部15b、17bを備え、自然状態では、外周部15a、17aと内周部15b、17b間に高さhを保持している。上スプリング15の外周部15aは突出部13bと接着し、内周部15bはヨーク9の上面に接着し且つ、下スプリング17の外周部17aはケース31と接着し、内周部17bはヨーク9の下面に接着して組立てる。この組立過程によって、上下のスプリング15,17は、図5に示す高さhの略2分の1に圧縮されて図4に示す配置に介在する。尚、振動ユニット10の質量と本スプリングのばね係数とからなる振動系の共振周波数は、低周波電流の周波数と一致させる。 【0034】本実施の形態では、ケース31と別体のシャフト11をケース31の中央部に固着(接着)し、振動ユニット10の挿通孔10aに挿通させている。これにより、振動ユニット10を、シャフト11の軸線方向にスライド可能としている。シャフト11を設けることによって、耐衝撃性が向上するとともに、振動ユニット10の振動方向を軸線方向に規制する。 【0035】この第2実施の形態では、上下のスプリング15、17が圧縮された状態で振動ユニット10を支えるので、振動ユニットの外径を大きくすることができ、振動力を増大させることができる。 【0036】 【発明の効果】請求項1に記載の発明では、振動ユニットを振動方向にスライド可能に支持するシャフトを設けることにより、耐衝撃性が向上するとともに、電磁型アクチュエータがどのような方向に置かれていても、振動ユニットを軸方向に滑らかにスライドさせるので、更に安定した振動が得られる。 【0037】請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明と同様な効果を奏するとともに、振動ユニットをケースに堅固に固着することができる。 【0038】請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の発明と同様な効果を奏するとともに、振動力を増大させることができる。 【0039】請求項4に記載の発明では、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明と同様な効果を奏するとともに、シャフトの強度を堅固にすることができ且つ、部品数を低減することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000131348 【氏名又は名称】株式会社シコー技研 【住所又は居所】神奈川県大和市下鶴間3854番地1 テクノプラザ大和
|
| 【出願日】 |
平成13年9月13日(2001.9.13) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2003−80171(P2003−80171A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月18日(2003.3.18) |
| 【出願番号】 |
特願2001−322867(P2001−322867) |
|