| 【発明の名称】 |
小型無線機の振動発生装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】渋田 正幸 【住所又は居所】静岡県裾野市千福46番地の1 三菱マテリアルシーエムアイ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】振動子の製造が容易で、かつ小さな加締め力によっても高い引抜き強度で振動子をモータの回転軸に結合させることができ、よって装置全体の一層の小型化を図ることが可能となる小型無線機の振動発生装置を得る。
【解決手段】振動子10は、先端部端面(外周面)14aにおける偏心位置に上記回転軸12を嵌め込むための溝部13が形成され、かつこの溝部22の開口部両側に位置する先端部端面14aが溝部13の開口部側から底側に向けて凹状に加締められることにより、回転軸12に一体的に結合されるようになっており、かつ上記凹状の加締め部14cは、溝部13に向かうに従って徐々に深くなるように変形させられているものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 モータの回転軸に振動子を一体的に結合してなる小型無線機の振動発生装置において、上記振動子は、外周面における偏心位置に上記回転軸を嵌め込むための溝部が形成され、かつこの溝部の開口部両側に位置する外周面が当該溝部の開口部側から底側に向けて凹状に加締められることにより、上記回転軸に一体的に結合されるようになっており、かつ上記凹状の加締め部は、上記溝部に向かうに従って徐々に深くなるように変形させられていることを特徴とする小型無線機の振動発生装置。 【請求項2】 上記加締め部は、上記溝部に向かうに従って円弧状に徐々に深くなるように変形させられていることを特徴とする請求項1に記載の小型無線機の振動発生装置。 【請求項3】 上記加締め部は、上記溝部に向かうに従って直線状に徐々に深くなるように変形させられていることを特徴とする請求項1に記載の小型無線機の振動発生装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、携帯電話のような小型無線機の呼び出しなどに用いられる振動発生装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、ページング方式の小型無線呼び出し機やPHSあるいは携帯式電話機等の小型無線機の一種として、モータの回転軸に高比重金属製の振動子を偏心させて結合してなる振動発生装置を内蔵した形式のものが普及しつつある。このような振動発生装置を内蔵した小型無線呼び出し機等によれば、呼び出し音を発する代わりに、振動子の回転によって振動を発生させるため、例えば、人込みの中や会議中などにおいても他人に知られることなく受信を確認することができる。 【0003】従来、この種の小型無線機の振動発生装置は、小型無線機の信号発生回路に接続された小型モータの回転軸に、非円筒状に形成された振動子を一体的に結合させた構成となっている。ここで、この振動子は、粉末冶金法によって成形された高比重金属製のものであり、横断面略扇状の偏心荷重部に円筒状のボス部が一体形成され、そのボス部に形成された取付孔に回転軸を差し込み、当該ボス部を加締めて塑性変形させることにより、ボス部と回転軸とを密させて回転軸に一体的に結合されている。 【0004】このような上記従来の振動発生装置によれば、振動子自体を加締めて回転軸に直接的に結合させているため、それまでの接着剤や他の結合部品を介して振動子を回転軸に固定したものと比較して、部品点数の削減が可能になるという利点がある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の振動発生装置にあっては、振動子の円筒状をなすボス部の内部に、取付孔を形成しなければならないため、粉末原料をプレスして振動子を成形する際に、特に外周が薄肉となるボス部の成形型部分に粉末原料を充填することが難しく、振動子の歩留まりの低下をもたらすという問題があった。また、近年における小型化の要請から、振動子自体を小径に形成しようとすると、取付孔の周囲のボス部が極薄肉になるために、大きな力で加締めるとクラックを発生しやすく、逆に加締め力が小さいと所望の引抜き強度が得られないために、当該加締め力の調整が困難になるという問題点もあった。 【0006】そこで、従来の他の振動発生装置として、図14および図15に示すように、振動子1の偏心荷重部2の左右方向の中央部に、回転軸3が嵌まり込む溝部4を形成し、さらに溝部4に沿って偏心荷重部2から膨出することにより溝部4の両側縁部となる側壁5を一体に形成するとともに、これら側壁5の先端部における軸線方向の中央部分を、先端が直方体状に形成された加締めパンチ7によって、溝部4の開口部側から底側に向けて加締めることにより回転軸3に一体的に結合するものが提案されている。 【0007】上記従来の振動発生装置によれば、取付孔が形成されたボス部を有する振動子よりも成形が容易であり、よって製造歩留まりを向上させることができるとともに、振動子1自体が小径になった場合においても、上記ボス部の外周部のような薄肉部分を加締める場合と比較して、クラックを生じるおそれが少ないという利点がある。 【0008】しかしながら、図14および図15に示した従来の振動発生装置においては、側壁5の先端部端面を加締める際に、その溝部4側から外周6側に至る全幅寸法を押し潰しているので、大きな加締め力が必要になるにも拘わらず、側壁5の溝部4側の部分は回転軸3によって剛性が高くなっているために、塑性変形する際に、もっぱら自由端となる外周6側に膨出してしまい、この結果高い引抜き強度が得られないという問題点があった。また、大きな加締め力を要する結果、振動子1を小径にした場合においても所望の振動を得るべく、よりタングステンの含有を増加させようとすると、材質的に一層脆くなるために、加締める側壁5にクラックを生じやすくなるという問題点もあった。 【0009】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、振動子の製造が容易で、かつ小さな加締め力によっても高い引抜き強度で振動子をモータの回転軸に結合させることができ、よって装置全体の一層の小型化を図ることが可能となる小型無線機の振動発生装置を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の小型無線機の振動発生装置は、モータの回転軸に振動子を一体的に結合してなる小型無線機の振動発生装置において、上記振動子は、外周面における偏心位置に上記回転軸を嵌め込むための溝部が形成され、かつこの溝部の開口部両側に位置する外周面が当該溝部の開口部側から底側に向けて凹状に加締められることにより、上記回転軸に一体的に結合されるようになっており、かつ上記凹状の加締め部は、上記溝部に向かうに従って徐々に深くなるように変形させられていることを特徴とするものである。 【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記加締め部は、上記溝部に向かうに従って円弧状に徐々に深くなるように変形させられていることを特徴とするものである。 【0012】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記加締め部は、上記溝部に向かうに従って直線状に徐々に深くなるように変形させられていることを特徴とするものである。 【0013】請求項1〜3のいずれかに記載の小型無線機の振動発生装置においては、溝部の開口部両側に位置する外周面が当該溝部の開口部側から底側に向けて凹状に加締められることにより、上記回転軸に一体的に結合されるようになっており、かつ上記凹状の加締め部は、上記溝部に向かうに従って徐々に深くなるように変形させられているので、凹状の加締め部に相当する振動子の一部を、回転軸の外周面を圧迫するようにしながら溝部側に無理なく移動させて、当該溝部内に突出させることができる。 【0014】即ち、加締め部における深さの浅い側の部分は、振動子の一部を溝部側に押し出すための強固な支持壁部として作用するので、加締め部のほぼすべてが溝部内に突出して回転軸を保持するために使われることになる。そして、溝部の両側の加締め部及び溝部内に突出する部分と、当該溝部の底部との3の部分によって、振動子を回転軸に、強固にかつ安定的に固定することができる。このため、図14および図15に示した従来の振動発生装置に比べて、より小さな加締め力でより強力に振動子を回転軸に結合させることができる。 【0015】しかも、加締め部のほぼすべてが溝部内に突出するため、加締め部にあった材料が振動子の溝部以外の他の部分に移動し、当該振動子の所定の外周面を膨出させるようなことがない。このため、その膨出に伴う引っ張り応力により、振動子の外周面に亀裂が生じるのを防止することができる。即ち、歩留まりの向上を図ることができる。 【0016】以上、請求項1〜3のいずれかに記載の小型無線機の振動発生装置によれば、振動子の製造が容易であることに加えて、従来よりさらに小さな加締め力によっても高い引抜き強度で振動子をモータの回転軸に結合させることができるので、振動子の小型軽量化、ひいては振動発生装置および小型無線機全体の小型軽量化を実現することができる。また、加締め荷重を小さくし、かつ振動子の亀裂の発生を防ぐことができる結果、振動発生装置の生産性を向上させるとともに、振動子の高比重化による振動効率の向上が可能となる。 【0017】 【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1〜図3は、本発明の第1の実施形態を示すもので、図中符号10が振動子である。この振動子10は、粉末冶金法によって成形された高比重金属製のものであり、軸線Oを中心とする横断面略扇型状とされ、その軸線Oから偏心する扇状部分全体が偏心荷重部11となっている。この振動子10は、偏心荷重部11の扇状を描く外周円弧の中心部に、モータの回転軸12が嵌まり込む底部を有する溝部13が形成されている。この溝部13の底部は、回転軸12の直径とほぼ等しい半円形状に形成されている。さらに、溝部13の両側縁部には、偏心荷重部11から平行に膨出して溝部13の両側縁部となる側壁14が偏心荷重部11と一体に形成されている。各側壁14は、溝部13を形成する内壁面と、溝部13と反対側に位置する外壁面との間の幅寸法Wが等しくなっている。 【0018】また、換言すれば、振動子10は、扇型状の偏心荷重部11における半径方向を向く外周面の交差部分から偏心荷重部11とは反対側に突出するブロック部を有し、このブロック部の先端部端面(外周面)14aから偏心荷重部11の扇型の中心に向けて凹状に形成された溝部13を有してなり、この溝部13の両側が同一の幅寸法Wの側壁14になっているものである。なお、この種の振動子10は、一般に偏心荷重部11の円弧半径が数mmと極めて小さなもので形成されている。 【0019】そして、上記振動子10は、側壁14の先端部端面14aのうち、軸線O方向の両端部を残した中央部分において、側壁14の外壁面側部分14bを残した溝部13側の部分(以下、加締め部という)14cが、加締めパンチ15によって溝部13の開口部側から底側に向けて凹状に加締められることにより、回転軸12に一体的に結合されている。 【0020】即ち、振動子10は、溝部13の開口部両側に位置する先端部端面(外周面)14aが加締めパンチ15によって溝部13の開口部側から底側に向けて凹状に加締められ、この加締め部14cの材料の移動により、回転軸12と一体的に結合されるようになっている。 【0021】上記加締めパンチ15は、加締め圧力を作用させる先端面15aが円弧状に突出する曲面、即ち円柱外周面の周方向の一部からなる曲面によって形成されている。そして、加締め部14cは、上記加締めパンチ15で加締められることにより、溝部13に向かうに従って円弧状に徐々に深くなるように形成されている。すなわち、加締め部14cの底面は、溝部13に向かうにしたがって、先端部端面14aに対して漸次深くなるように形成されているとともに、その深くなる率が徐々に小さくなる円弧状の曲面によって形成されている。そして、加締め部14cは、先端部端面14aにおける上記幅寸法Wのうち、溝部13側の縁部から0.25W〜0.9Wの範囲となるように設定されている。 【0022】ちなみに、回転軸12としては、例えば、SUS420などのステンレス製のものを用いることができる。また、振動子10は、例えば、W−Ni系、W−Ni−Fe系、W−Ni−Cu系、あるいはW−Mo−Ni−Fe系等の、比重が17〜19g/cm3 程度の超重合金材料を用いて、粉末冶金法により成形されたものである。具体例としては、W粉末;89〜98重量%およびNi粉末;1.0〜11重量%からなる組成の混合粉末、あるいは上記重量%の範囲のW粉末およびNi粉末に、Cu;0.1〜6重量%、Fe粉末;0.1〜6重量%、Mo粉末;0.1〜6重量%、およびCo粉末;0.1〜5重量%の1種または2種以上を含有する組成の混合粉末を、1ton/cm2 〜4ton/cm2 で扇板状に圧粉成形し、この圧粉体を0℃〜−6℃の露点の水素気流中またはアンモニア分解ガス中で液相焼結した後、さらに、真空、中性もしくは還元性のいずれかの雰囲気中において700℃〜1430℃±30℃の温度範囲で加熱した後に、少なくとも300℃まで40℃/min以上の冷却速度で急冷する熱処理を施したものである。 【0023】このような振動子10の組成において、W(タングステン)の含有量が98重量%を越えると展性が低下するものの高比重となり、また89重量%に満たない場合には所定の比重が得られなくなり、この種の振動子としては不都合となる。また、Ni(ニッケル)の含有量が11重量%を越えた場合にも所定の比重が得られなくなり、それが1.0重量%に満たない場合には焼結性が進まなくなってしまう。さらに、Co(コバルト)は、Niと同様の効果があるものの、それが0.1重量%未満では充分な添加の効果が得られず、一方、それが5重量%を越えても相応の効果が得られずに製造上不経済となる。また、Cu粉末およびFe粉末は、これらを含有させることにより焼結温度を下げることができるものの、上記の上限値以上では所定の比重が得られなくなる。 【0024】また、加締めパンチ15の先端面15aの半径Rとしては、振動子10が下記の寸法条件のときに、2.5mm程度に設定することが好ましい。振動子10の寸法条件は、偏心荷重部11の円弧状の外周面の半径が3mm、軸線O方向の長さが5mm、溝部13の内径が0.8mm、溝部13の底からの側壁14の高さ寸法が1.1mm、側壁14の幅寸法Wが0.7mmであり、回転軸12の外径寸法は0.8mmである。 【0025】以上の構成からなる小型無線機の振動発生装置によれば、溝部13内にモータの回転軸12を嵌め込み、この溝部13の両側縁部を形成する側壁14の先端部端面14aのうち、外壁面側部分14bを残して、上記幅寸法Wのうち、溝部13側の縁部から0.25W〜0.9Wの範囲の部分14cを、加締めパンチ15によって溝部13の底側に向けて加締めているので、図14および図15に示した従来の振動発生装置に比べて、より小さな加締め力によって振動子を回転軸に結合させることができる。 【0026】また、外壁面側部分14bを残し、溝部13に向かうに従って徐々に深くなるように加締め部14cを塑性変形さているので、この加締め部14cに相当する振動子10の一部を、回転軸12の外周面を圧迫するようにしながら溝部13側に無理なく移動させて、当該溝部13内に突出させることができる。 【0027】すなわち、外壁面側部分14b及び加締め部14cにおける深さの浅い側の部分は、振動子10の一部を溝部13側に押し出すための強固な支持壁部として作用するので、加締め部14cのほぼすべてが溝部13内に突出して回転軸12を保持するために使われることになる。しかも、加締め部14cを成形する加締めパンチ15の先端面15aが円弧状に突出する曲面によって形成されているので、加締めの際に、溝部13の幅方向の中心と、先端面15aの中心とが自動的に一致することになる。このため、溝部13の両側に同一の幅の加締め部14cを形成することができる。したがって、左右均等に形成された加締め部14c及びこの加締め部14cによって溝部13内に突出した部分と、当該溝部13の底部との3の部分によって、振動子10を回転軸12に、強固にかつ安定的に固定することができる。よって、図14および図15に示した従来の振動発生装置に比べて、より小さな加締め力によって振動子を回転軸に強固に結合させることができる。 【0028】しかも、加締め部14cのほぼすべてが溝部13内に突出するため、加締め部14cによって押し出された材料が振動子10における溝部13以外の他の部分、例えば側壁14の外壁面側に移動し、当該外壁面や先端部端面14aを膨出させるようなことがない。このため、その膨出に伴う引っ張り応力により、側壁14における特に外壁面側部分14bの外壁面や先端部端面14aあるいは外壁面と先端部端面14aとが交わる角部に亀裂が生じるのを防止することができる。 【0029】以上、振動子10の製造が容易であることに加えて、さらに小さな加締め力によっても高い引抜き強度で振動子10をモータの回転軸12に結合させることができるので、振動子10の小型軽量化、ひいては振動発生装置および小型無線機全体の小型軽量化を実現することができる。また、加締め荷重を小さくし、かつ振動子10の特に側壁14におけるクラックの発生を防ぐことができるため、振動発生装置の生産性を向上させるとともに、振動子10の高比重化による振動効率の向上が可能となる。 【0030】(第2の実施の形態)図4および図5は、本発明の第2の実施形態を示すもので、この振動発生装置においては、振動子20の偏心荷重部21に底部22aがほぼ半円形状をなす溝部22が形成されるとともに、この溝部22の両側壁を形成する側壁23が、溝部22内に嵌め込まれたモータの回転軸12の露出部分を軸線O方向の両側から間隔をおいて覆うように一体に形成されている。この結果、振動子20の溝部22は、回転軸12の中心角180°以上の範囲を内在させる大きさに形成されている。そして、対向する側壁23間における溝部22の開口幅W1は、回転軸12の直径Dとの比(W1/D)が0.70〜0.95の範囲になるように設定されている。 【0031】このような範囲となる具体例を示せば、回転軸12の直径D(mm)が、それぞれ0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0である場合には、側壁23間における溝部22の開口幅W1(mm)を、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9に設定すればよい。そして、上記振動子20は、図5に示すように、側壁23の先端部端面23aのうち、軸線O方向の両端部を残した中央部分において、側壁23の外壁面側部分23bを残した溝部22側の加締め部23cが、加締めパンチ15によって溝部22の開口部側から底側に向けて凹状に加締められることにより、回転軸12に一体的に結合されている。この際に、加締め部23cは、第1の実施形態と同様に、溝部13に向かって円弧状の曲面で徐々に深くなるように塑性変形させられているとともに、先端部端面23aにおける幅寸法Wのうち、溝部22側の縁部から0.25W〜0.9Wの範囲となるように設定されている。 【0032】以上の構成からなる振動発生装置においても、第1の実施形態に示したものと同様の作用効果が得られる他、特に本実施形態に示す振動子20においては、振動子20の溝部22を、回転軸12の中心角180°以上の範囲を内在させる大きさに形成し、かつ溝部22の開口幅W1を、回転軸12の直径Dとの比(W1/D)が0.70〜0.95の範囲になるように設定しているので、振動子20は、溝部22の底部22aと、両側壁23における加締め部23cに対応する位置の底部23d及び加締めによる突出部との3つの部分によって、回転軸12に強固にかつ安定的に固定される。この結果、より一層小さな加締め力によって強固に振動子20を回転軸12に固定することができる。 【0033】(第3の実施形態)図6および図7は、本発明の第3の実施形態における振動子20を示すもので、この振動子20は、加締め部23eが溝部22に向かうに従って直線状に徐々に深くなるように塑性変形させられるようになっている点で、上記第2の実施形態と異なる。 【0034】すなわち、加締め部23eの底面は、溝部22に向かうにしたがって、先端部端面23aに対して漸次深くなるように傾斜した平面によって形成されている。そして、加締め部23eは、先端部端面23aにおける上記幅寸法Wのうち、溝部22側の縁部から0.25W〜0.9Wの範囲となるように設定されている。 【0035】上記加締め部23eを成形する加締めパンチ25は、溝部22の両側の先端部端面23aに加締め圧力を作用させるため、先端面がV字状に交差する2つの四角形状の平面部25aによって形成されている。各平面部25aは、加締めパンチ25の軸方向の中心線Cに対して左右対称に形成されている。この加締めパンチ25は、その中心線Cを、偏心荷重部11の扇型の中心線であって、溝部22の底部22aの中心線である軸線Oに向け、かつ先端部端面23aに直交させる方向に向けた状態で振動子10に加圧され、上記各加締め部23eを成形するようになっている。 【0036】また、上記各平面部25aが上記中心線Cと直交する平面となす角度θは、振動子10が下記の寸法条件のときに、11度程度に設定することが好ましい。振動子10の寸法条件は、偏心荷重部11の円弧状の外周面の半径が3mm、軸線O方向の長さが5mm、溝部13の内径が0.8mm、溝部13の底からの側壁14の高さ寸法が1.0mm、側壁14の幅寸法Wが0.7mm、溝部22の開口幅W1が0.6mmであり、回転軸12の外径寸法は0.8mmである。 【0037】上記構成からなる振動発生装置においても、第1の実施形態に示したものと同様の作用効果が得られる。 【0038】なお、上記第1の実施形態で示した振動子10に対しても、上記加締めパンチ25を用いて、斜面状の加締め部23eを成形するようにしてもよい。 【0039】(第4の実施形態)図8〜図10は、本発明の第4の実施形態における振動子30を示すもので、この振動子30は、その偏心荷重部31の全体が、中心角180°未満の扇形の図中破線で示す中心部分が除かれてなる、横断面切頭扇形状に形成されている。これにより振動子30の回転中心側には、平坦面(外周面)32が形成され、この平坦部32の中央に、上記回転軸12が嵌まり込むU字状の溝部33が形成されている。この結果、この溝部33の両側に当該溝部33の両側縁部を形成する側壁34が形成された状態になっているとともに、側壁34の外壁面34aが偏心荷重部31の半径方向に延在して円弧状の外周面31bに至る平面状の外周面31aにそのまま連続して形成されたものとなっている。 【0040】そして、上記振動子30は、第1の実施形態に示したものと同様に、側壁34の先端部端面となる上記平坦面32のうち、軸線方向の両端部を残した中央部分において、側壁34の外壁面34a側部分を残した溝部33側の部分が溝部33に向かうに従って円弧状の曲面で徐々に深くなるように形成された加締め部32aになっている。すなわち、加締め部32aは、加締めパンチ15によって溝部33の開口部側から底側に向けて凹状に加締められたものである。なお、この振動子30においても、加締められる溝部33側の部分は、平坦面32における溝部33側から外壁面34a側までの幅寸法Wのうち、溝部33側の縁部から0.25W〜0.9Wの範囲となるように設定されている。 【0041】上記構成からなる振動発生装置においても、第1の実施形態に示したものと同様の作用効果が得られる他、振動子30の全体を、中心角180°未満であって中心部に平坦部32が形成された横断面切頭扇形状に形成しているので、当該振動子30を粉末成形によって形成する際の金型形状が単純化されて、製造が容易になるとともに、重心を回転軸から外方に偏心した位置に設定することができるために、所望の振動を得ることもできるといった効果が得られる。 【0042】なお、上記第4の実施形態においても、円弧状の曲面かなる加締め部32aに代えて、第3の実施形態で示した斜面状の加締め部23eを成形するようにしてもよい。また、上記第1〜第4の実施形態においては、加締め部14c、23c、23e、32a等を、軸線O方向の中央部分を加締めたもので構成したが、これらの加締め部14c、23c、23e、32aは、例えば図11に示すように、軸線O方向の全体を凹状に加締めたもので構成してもよく、また図12に示すように、軸線O方向の一端部を残して中央部から他端部にかかる部分を凹状に加締めたもので構成してもよい。 【0043】さらに、上記第1〜第4の実施形態においては、振動子10、20、30として、いずれも断面略扇形状あるいは断面切頭扇形状の偏心荷重部11、21、31が形成されたものを用いた場合についてのみ説明したが、これに限定されるものではなく、例えば断面略半円状等の各種形状の偏心荷重部を有するものを用いることが可能である。さらにまた、溝部13、22、33については、底部が断面半円状のものに限るものではなく、例えば図13(a)〜(f)に示すように、略菱形形状(a)、略正方形状(b)、略五角形状(c)、略六角形状(d)、底面がV字凹状のU字溝形状(e)、底面が平らなU字溝形状(f)等の各種の断面形状のもので形成してもよい。 【0044】 【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜3のいずれかに記載の小型無線機の振動発生装置によれば、振動子の製造が容易であることに加えて、従来よりもさらに小さな加締め力によっても高い引抜き強度で振動子をモータの回転軸に結合させることができるので、振動子の小型軽量化、ひいては振動発生装置および小型無線機全体の小型軽量化を実現することができる。また、加締め荷重を小さくし、かつ振動子の亀裂の発生を防ぐことができる結果、振動発生装置の生産性を向上させるとともに、振動子の高比重化による振動効率の向上が可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】594111292 【氏名又は名称】三菱マテリアルシ−エムアイ株式会社 【住所又は居所】静岡県裾野市千福46番地の1
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| 【出願日】 |
平成13年9月12日(2001.9.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096862 【弁理士】 【氏名又は名称】清水 千春 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−80170(P2003−80170A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月18日(2003.3.18) |
| 【出願番号】 |
特願2001−277068(P2001−277068) |
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