トップ :: B 処理操作 運輸 :: B06 機械的振動の発生または伝達一般




【発明の名称】 振動発生装置
【発明者】 【氏名】古木 茂
【住所又は居所】東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプス電気株式会社内

【要約】 【課題】複数のモータを同時に駆動したとしても消費電流を抑えることができる振動発生装置を提供する。

【解決手段】ケース内に、モータの回転軸に錘が設けられた2種類の分銅モータ12,18が設けられている。分銅モータ12,18には制御部から与えられるパルス信号S12,S18の周期に応じた駆動電流が流れる。前記パルス信号S12,S18は、いずれもオン時間とオフ時間が交互に形成された波形であり、分銅モータ12のオン時間と分銅モータ18のオン時間とが重ならないように制御される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ケース内に少なくとも2個のモータが設けられ、前記モータを駆動するときの振動が前記ケースに伝達される振動発生装置において、少なくとも2個の前記モータを間欠駆動し、一方のモータの間欠駆動でのオン時間と、他方のモータの間欠駆動でのオン時間とが重複しないように各モータの駆動を制御する制御部が設けられていることを特徴とする振動発生装置。
【請求項2】 いずれか1つの前記モータが単体で駆動されるときも、前記モータはオン時間とオフ時間が交互に繰り返される間欠駆動となるように制御される請求項1記載の振動発生装置。
【請求項3】 前記制御部は、モータのオン時間から次のオン時間までの1周期に対するオン時間の割合であるデューティー比を可変する制御が可能である請求項1または2記載の振動発生装置。
【請求項4】 前記モータの回転軸には、質量が回転中心から偏って分布する錘が設けられている請求項1ないし3のいずれかに記載の振動発生装置。
【請求項5】 前記モータの回転軸は、前記間欠駆動によって一方向へ連続的に回転させられる請求項1ないし4のいずれかに記載の振動発生装置。
【請求項6】 前記モータの回転軸は、前記間欠駆動によって一方向へ回転させられた後に間欠駆動によって逆方向へ回転させられ、前記一方向の回転と前記逆方向の回転とが交互に繰り返す往復回動動作が行われる請求項1ないし4のいずれかに記載の振動発生装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケース内に設けられたモータの回転軸の回転によってケースに振動を発生させる振動発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】据え置き型のテレビゲームでは、手で握って操作するパッド型のコントローラが設けられている。この種のコントローラには、ゲーム内容の状況に応じて前記コントローラを構成するケースを振動させる振動発生装置が設けられており、このようにコントローラを振動させて操作者にその振動を伝えることでゲームをよりリアルに体感できるようになっている。
【0003】従来のこの種のコントローラとして、ケース内にそれぞれが振動源となる大小2種類のモータが設けられているものがある。このようなコントローラでは、大小2種類のモータを搭載することで異なる規模の振動を発生させることができ、ゲームをよりリアルに演出ができるようになる。この場合、ケース内に前記各モータを制御する制御部が設けられており、前記制御部から小さな振動の要求を受けた場合には前記小モータに予め設定されている電流が連続して与えられ、大きな振動の要求を受けた場合には前記大モータに予め設定されている電流が連続して与えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この種のコントローラでは、前記制御部によって各モータが個別に制御されているため、大小2つのモータを同時に駆動させる要求を受けた場合には、双方のモータに対して同時に電流が連続して与えられる。それぞれのモータには、それぞれ予め設定されている大きさの電流が与えられるが、大小2つのモータが同時に駆動されると、両モータへの電流を加算した大きな電流を与えることが必要になる。そのため、電源回路で設定されている電流を予め大きく設定することが必要であり、電源回路の負荷が大きくなる。さらに大小2つのモータを同時に駆動する期間が長くなると、消費電力も大きくなる。
【0005】また、従来は、それぞれのモータに一定の電流を与えてモータの回転軸を、所定の回転数で連続回転させ、この回転により振動を発生させていたため、振動の強弱などの設定をするのがきわめて困難であった。
【0006】本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、複数のモータを同時に駆動させても消費電流を増大させることがなく、また個々のモータの振動の細かな制御も可能な振動発生装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ケース内に少なくとも2個のモータが設けられ、前記モータを駆動するときの振動が前記ケースに伝達される振動発生装置において、少なくとも2個の前記モータを間欠駆動し、一方のモータの間欠駆動でのオン時間と、他方のモータの間欠駆動でのオン時間とが重複しないように各モータの駆動を制御する制御部が設けられていることを特徴とするものである。
【0008】上記本発明では、モータのオン時間が互いに重なることがないので、電源回路に流れる電流を大きく設定する必要がなく、電源回路の負荷を低く抑えることができる。また消費電力は、最も消費電力の大きなモータの消費電力を超えることがない。よって、各モータが持つ最大の性能を十分に発揮することができる。
【0009】また、いずれか1つの前記モータが単体で駆動されるときも、前記モータはオン時間とオフ時間が交互に繰り返される間欠駆動となるように制御されることが好ましい。このような間欠駆動を行うことで、消費電力を抑えることができる。
【0010】また、前記制御部は、モータのオン時間から次のオン時間までの1周期に対するオン時間の割合であるデューティー比を可変する制御が可能である。例えばデューティー比を変化させることで個々のモータの振動の細かな制御が可能になる。例えば、デューティー比を大きくすることで振動を大きくでき、またデューティー比を小さくすることで振動を小さくできる。
【0011】また、前記モータの回転軸には、質量が回転中心から偏って分布する錘が設けられている構成にできる。モータを回転させたときに、回転軸からより強い振動を得ることができる。
【0012】また前記モータの回転軸は、前記間欠駆動によって一方向へ連続的に回転させられるものであってもよく、あるいは前記モータの回転軸は、前記間欠駆動によって一方向へ回転させられた後に間欠駆動によって逆方向へ回転させられ、前記一方向の回転と前記逆方向の回転とが交互に繰り返す往復回動動作が行われるものであってもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明の振動発生装置が搭載されたゲームコントローラの一例を示す概略図、図2は分銅モータの一例を示す斜視図、図3はコントローラを示す機能ブロック図、図4はモータおよびモータドライバの回路構成図、図5は各分銅モータに入力されるパルス波形図、図6は各分銅モータでの振動の強弱を変化させるための制御方法を示す説明図である。
【0014】図1に示すコントローラ1は、据え置き型のテレビゲーム機器の本体に接続されて使用されるパッド型のものである。このコントローラ1は、合成樹脂で成型されたケース2を有し、左右に手で握ることのできる握り部3,4が形成されている。またケース2には複数の操作部5,6が設けられており、操作部5,6はいずれも押圧式のスイッチで構成されている。操作部5では独立して形成されたボタンで構成され、操作部6では十字型に一体に形成されたボタンで構成されている。
【0015】前記ケース2の内部には、前記握り部3,4に相当する位置にそれぞれ分銅モータ12と18が設けられている。前記分銅モータ12は前記分銅モータ18よりも大型であり、より強い振動が得られるようになっている。
【0016】図2に示すように、前記分銅モータ12は、補助ケース11にモータ7が設けられ、さらにモータ7に錘17が設けられて構成されている。
【0017】補助ケース11は合成樹脂で四角箱型に成形されており、一側面全体に開口部11aが形成され、補助ケース11の上面11bに前記開口部11aと連続した四角形状の切欠部11cが形成されている。
【0018】モータ7は直流(DC)モータであり、例えば永久磁石界磁型ブラシ付きモータを使用できる。モータ7の上面中央には軸受14が突出して設けられており、この軸受14に回転軸15の先端が上方へ突出した状態で回転自在に支持されている。前記モータ7の側面には、ゴム製で帯状の緩衝部材16が巻かれており、前記モータ7を前記補助ケース11に挿入する際に、前記緩衝部材16がモータ7と補助ケース11の内面11dとの間に介在し、前記モータ7が前記補助ケース11の内側に保持される。またこのとき、前記軸受14が前記切欠部11cに嵌合した状態になる。前記緩衝部材16を介在させることで、モータ7が駆動したときの高周波数なノイズを除去することができる。なお、モータ7を補助ケース11に固定する場合には、接着剤やねじを用いて同時に固定してもよい。
【0019】前記分銅モータ12では、前記モータ7の回転軸15に錘17が偏心した状態で設けられている。このように形成された分銅モータ12は、前記ケース2の内部の所定の位置に固定される。一方、前記分銅モータ18についても、前記分銅モータ12とほぼ同じ構成であり、DCモータ8の回転軸に錘19が偏心した状態で設けられ、前記ケース2の内部の所定の位置に固定される(図1参照)。
【0020】前記分銅モータ12では、回転軸15を一方向に連続して回転させて前記錘17を偏心運動させることで、前記偏心運動による遠心力によってケース2を振動させることができる。また分銅モータ18についても同様にケース2を振動させることができる。
【0021】図3に示すように、前記コントローラ1には制御部20が設けられ、前記制御部20に前記操作部5,6が接続されている。前記操作部5,6で生成された各操作信号が、コントローラ1が接続されている図示しないゲーム機器本体に送られて、ゲーム機器本体と接続されている表示部が前記操作信号に基づいて制御される。
【0022】また制御部20にはモータドライバ12aが接続され、このモータドライバ12aにより分銅モータ12が駆動される。また、制御部20には、モータドライバ18aが接続され、このモータドライバ18aにより分銅モータ18が駆動される。前記分銅モータ12と前記制御部20とで第1の振動発生部21が構成され、前記分銅モータ18と前記制御部20とで第2の振動発生部22が構成されており、本発明の実施の形態では、前記2つの振動発生部21と22とを有する振動発生装置が構成されている。
【0023】前記制御部20から各モータドライバ12a,18aへは、分銅モータ12または18を駆動するパルス信号Sが与えられ、前記分銅モータ12および分銅モータ18は、前記パルス信号Sにより駆動制御される。
【0024】図4は、分銅モータ12とモータドライバ12aの回路図を示している。なお、他方の分銅モータ18とモータドライバ18aの構成も前記図4と実質的に同じである。この回路図に示すように、分銅モータ12,18のコイル端子にコンデンサ23が接続されている。また、前記分銅モータ12,18の一方のコイル端子には、電源回路から電源電圧Vccが与えられ、他方のコイル端子は、トランジスタから成るスイッチ素子24を介して接地されており、前記制御部20からのパルス信号Sにより前記スイッチ素子24が開閉する。
【0025】前記パルス信号Sによって前記スイッチ素子24がオンされたときに、電源電圧Vccが与えられている分銅モータ12または18のコイルに電流が流されて、モータ駆動がオンになり、前記パルス信号Sにより前記スイッチ素子24がオフされたときに、モータのコイルに電流が流れず、モータの駆動がオフになる。
【0026】したがって、分銅モータ12,18には、制御部20から与えられるパルス信号Sの周期に応じた駆動電流が流れる。またこのときに分銅モータ12に流れる電流、および分銅モータ18に流れる電流は、モータ12およびモータ18の規格により決定される。
【0027】本発明の振動発生装置では、制御部20から各モータドライバ12a,18aに図5に示す波形のパルス信号が入力される。制御部20からモータドライバ18aにはパルス信号S18が与えられ、図4に示すスイッチ素子24がパルス信号S18により開閉して、分銅モータ18には、パルス信号S18の波形に基づいた周期で駆動電流が間欠的に流れ、モータが間欠的に駆動される。制御部20からモータドライバ12aにはパルス信号S12が与えられ、モータ12には、パルス信号S12の波形に基づいた周期で駆動電流が間欠的に流されて、モータ12が間欠的に駆動される。
【0028】ここで、制御部20において、パルス信号S12とS18は、オン時間が互いに重複する期間を生じないように生成される。よって、分銅モータ12へ電流が流れているときに、分銅モータ18に電流が流れず、分銅モータ18へ電流が流れているときに分銅モータ12に電流が流れない。よって、電源回路での設定電流の上限を、分銅モータ12または分銅モータ18のいずれか規格電流の大きい方を基準として決めればよく、両分銅モータ12と18に流れる電流が加算されることがない。
【0029】よって、電源回路の負荷を低減でき、また消費電流を低減できる。また、この実施の形態では、前記分銅モータ12が前記分銅モータ18よりも駆動力が大きな大型のモータであるので、モータ12のオン時間をモータ18の時間よりも長く保持することが好ましい。
【0030】また、分銅モータ12と分銅モータ18のいずれか一方のみが駆動されるときにも、図5に示すパルス信号S12またはS18が、前記モータドライバ12aまたは18aに与えられる。
【0031】さらに、図6では、モータドライバに与えられるパルス信号S(S12、S18)のオン時間の始期から次のオン時間の始期までを1周期として符号Tで表すと、前記周期Tに対するオン時間tがデューティー比(t/T)である。前記オン時間tを長く維持することでモータに流れる実効電流が多くなって得られる駆動トルクが大きくなり、また前記オン時間tを短くすることでモータの駆動トルクが小さくなる。よって、それぞれの分銅モータ12または18に対する駆動電流のデューティー比を変化させることによって振動の強弱を変化させることができるので、さらに多彩な振動をケース2に与えることができる。
【0032】また、分銅モータ12と分銅モータ18は、間欠的な駆動電流を与えて、一方向へ連続して回転駆動することも可能であるし、前記間欠的な駆動電流を与えることで、モータの回転軸を一方向へ所定角度回転させた後に、前記間欠的な駆動電流を与えることでモータの回転軸を他方向へ所定角度回転させ、これによりモータの回転軸を往復駆動して振動を発生させてもよい。
【0033】なお、上記した実施の形態では種類の異なる大小2種類のモータを搭載した振動発生装置について説明したが、この組み合わせに限られるものではなく、同一種類のモータを搭載した振動発生装置であってもよい。同一の種類とは、構成がまったく同一で、同一のパルス信号を与えることで、同一の回転数や駆動トルクを得られるものである。またモータを3個以上設け、それぞれのモータに与えられる電流の供給時間が2個のモータ間で重複しないように、駆動電流を制御してもよい。
【0034】また、本発明の振動発生装置は、据え置き型のゲーム機器のコントローラに限られるものではなく、携帯電話、携帯可能なゲーム機器、PDA(パーソナルディジタルアシスタント)、ノート型のパーソナルコンピュータなどの携帯端末に搭載することもできる。
【0035】
【発明の効果】以上説明した本発明では、複数のモータが同時にオンになることがないので、電源回路に過大な負荷を与えることがなく、消費電流を抑えることができる。また、各モータの振動の強弱を個別に制御することができ、ケースを様々なパターンで振動させることができる。
【出願人】 【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプス電気株式会社
【住所又は居所】東京都大田区雪谷大塚町1番7号
【出願日】 平成13年9月10日(2001.9.10)
【代理人】 【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
【公開番号】 特開2003−80169(P2003−80169A)
【公開日】 平成15年3月18日(2003.3.18)
【出願番号】 特願2001−273803(P2001−273803)