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【発明の名称】 振動発生装置及び前記装置を搭載した電子機器
【発明者】 【氏名】増田 淳
【住所又は居所】東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプス電気株式会社内

【要約】 【課題】小型の機器にも搭載することができ、多彩な振動を発生させることができる振動発生装置を提供する。

【解決手段】ケース1内にステッピングモータ2が設けられ、前記ステッピングモータ2の回転軸6が、ケース1に固定された弾性部材4の先端で付勢されている。前記ステッピングモータ2に駆動パルスを与えて制御することで、ステップ駆動による衝撃や衝撃に基づく減衰振動が得られ、この衝撃または振動によりケース1を振動させることができる。ステッピングモータ2を使用すると回転の制御が容易であり、振動の周波数や振幅を変化させることで多彩な振動をケース1に与えることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ケース内に支持されるステッピングモータと、前記ステッピングモータを回転駆動させる制御部とが設けられ、前記制御部によって、前記ステッピングの回転軸がステップ駆動され、このステップ駆動により前記ケースが振動させられることを特徴とする振動発生装置。
【請求項2】 前記回転軸と前記ケースとの間を結ぶ弾性部材が設けられており、前記回転軸のステップ駆動による振動が前記弾性部材を介して前記ケースに伝達される請求項1記載の振動発生装置。
【請求項3】 前記回転軸に、回転中心に対して質量が偏って分布する錘が取り付けられている請求項1または2記載の振動発生装置。
【請求項4】 前記ステッピングモータのロータが、回転中心に対して質量が偏って分布する形状である請求項1ないし3のいずれかに記載の振動発生装置。
【請求項5】 前記制御部では、前記ステッピングモータへ与えられる駆動パルスが制御され、前記振動の周波数が可変可能とされている請求項1ないし4のいずれかに記載の振動発生装置。
【請求項6】 前記制御部では、前記ステッピングモータへ与えられる駆動パルスが制御され、前記振動の振幅が可変可能とされている請求項1ないし5のいずれかに記載の振動発生装置。
【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の振動発生装置と、前記制御部に操作信号を与える操作部が設けられていることを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば各種携帯端末などに搭載されてケース全体に振動を発生させることができる振動発生装置及び前記装置を搭載した電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】据え置き型のテレビゲームなどに使用されるゲームコントローラには、コントローラを構成するケース内に振動を発生させる振動発生装置が設けられている。
【0003】この種の振動発生装置は、ブラシ付きのDCモータやコアレスモータが使用され、これらモータの回転軸に錘(分銅)が偏心した状態で取り付けられている。錘を連続回転させることで得られる遠心力によってモータを振動させ、ケース全体を振動させている。例えば、ゲーム用のコントローラでは、ケース内に大小2種類の振動発生装置を搭載して状況に応じて異なる大きさの振動を発生させているものがある。
【0004】また、その他の振動発生装置としてはソレノイド方式のものがあり、これはコイルに電流を流すことで生じる磁界により鉄製の芯材を軸方向に往復運動させることで振動を発生させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記した従来の振動発生装置では複数の振動を発生させることができるものの、めりはりのない単調な振動しか得ることができない。このような振動発生装置では、ゲーム機器などのしかも特定のゲーム機器にしか搭載することができず、適用範囲を広げることができない。またソレノイド方式の振動発生装置であっても振動が単調であり、また大電流が必要で、しかもケースを小型化できない。
【0006】また、近年においては携帯可能なゲーム機器やゲームソフトが組み込まれたものが普及する傾向にあり、この種の端末にも上記の振動発生装置を搭載する必要性が高まっている。しかし、携帯電話などの端末は小型であるので、複数の振動発生装置を搭載することができず、単調な振動しか得ることができない。
【0007】本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、低消費電力で且つケースを小型にしても搭載でき、しかも多彩な振動を発生させることができる振動発生装置及び前記装置を搭載した電子機器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ケース内に支持されるステッピングモータと、前記ステッピングモータを回転駆動させる制御部とが設けられ、前記制御部によって、前記ステッピングの回転軸がステップ駆動され、このステップ駆動により前記ケースが振動させられることを特徴とするものである。
【0009】この場合、前記回転軸と前記ケースとの間を結ぶ弾性部材が設けられており、前記回転軸のステップ駆動による振動が前記弾性部材を介して前記ケースに伝達される構成にできる。
【0010】また、前記回転軸に、回転中心に対して質量が偏って分布する錘が取り付けられていてもよい。また前記ステッピングモータのロータが、回転中心に対して質量が偏って分布する形成であってもよい。
【0011】また、前記制御部では、前記ステッピングモータへ与えられる駆動パルスが制御され、前記振動の周波数が可変可能とされていてもよい。また前記制御部では、前記ステッピングモータへ与えられる駆動パルスが制御され、前記振動の振幅が可変可能とされていてもよい。
【0012】上記本発明では、ステッピングモータを用いて回転させることで、ステップ駆動させたときに生じる衝撃や減衰振動によってケースに振動を与えることができる。またステッピングモータを使用すると、駆動パルス(周波数)を制御するだけで回転軸の回転動作に様々な変化を与えることができ、多彩な振動を得ることができる。また錘を設けたり、ロータの形状を変えることで回転軸をより大きく偏心運動させることができ、ケースを振動させる規模も大きくできる。
【0013】また、本発明の電子機器は、前記振動発生装置と、前記制御部に操作信号を与える操作部が設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明の振動発生装置の一例を示す斜視図である。この振動発生装置は、ゲーム機器のコントローラや携帯電話などの端末に搭載してケース全体を振動させることができるものである。
【0015】この振動発生装置10では、ケース1にステッピングモータ2が設けられている。図1では、ケース1を簡略化した形状で示しているが、前記ケース1が携帯電話等の携帯端末の外観を成すケース全体であってもよい。
【0016】前記ステッピングモータ2は、パルス駆動が可能であり、ひとつの駆動パルスに対して一定の角度だけ回転するモータである。またステッピングモータ2は、ゴム製の素材で形成された緩衝部材3を介してケース1の上面1aに回転軸6が上方に突出した状態で固定されている。前記緩衝部材3を設けることで、ステッピングモータ2が駆動したときの高周波なノイズを除去することができる。
【0017】前記ケース1には金属製の板ばねで形成された弾性部材4が設けられ、前記弾性部材4で前記ステッピングモータ2の回転軸6が付勢されている。すなわち、ケース1の上面1aから前記ステッピングモータ2の設置位置から外れた位置に、軸方向に平行に延びる支持板1bが形成され、前記支持板1bの側面に前記弾性部材4が固定され、前記弾性部材4の先端で前記回転軸6に対して軸方向に直交する側から付勢力が与えられている。なお、前記支持板1bの側面には、位置決め突起1cと取り付け穴が形成され、前記弾性部材4には位置決め穴4aとねじ穴が形成されており、前記位置決め穴4aが前記位置決め突起1cと勘合させられ、ねじ部材がねじ穴に挿通され、取り付け穴に螺着されて前記弾性部材4がケース1に固定されている。
【0018】前記振動発生装置10では、前記弾性部材4が前記回転軸6を側方から常に付勢した状態にある。前記ステッピングモータ2を駆動させて回転軸6をステップ駆動させることで各ステップ毎に生じる衝撃または衝撃に基づく減衰振動により、前記回転軸6が振動させられる。そして、前記衝撃や振動が前記弾性部材4を伝わってケース1を振動させる。
【0019】前記振動発生装置10では、モータにステッピングモータを使用しているので、駆動パルス(駆動周波数)を変えるだけで回転動作を容易に変化させることができる。このように、駆動パルスを制御することでモータ駆動時に発生する振動の周波数を変化させることができる。また振動の周波数だけでなく、振動の振幅を変化させる制御を行ってもよく、ステップ毎の振幅を大きくすることで、同じ動作量に対する振動の規模を拡大できる。またステッピングモータを使用すると、始動や停止に対する応答性に優れるので、振動にめりはりを与えることができる。
【0020】なお、前記振動発生装置10では、ステッピングモータ2として、例えば2相励磁方式のステッピングモータを使用することができる。図3はステッピングモータの一例を示す断面図である。
【0021】図3に示すステッピングモータ2は、金属材料で形成された円柱状の筒体100に前記回転軸6が軸受け102,102を介して回転自在に支持されている。前記筒体100内に位置する回転軸6には、外周面がN極とS極に交互に着磁されたロータマグネット101が設けられている。また前記筒体100内には、前記ロータマグネット101の周囲に環状に形成されたステータコイル103が設けられている。ステータコイル103は、上下2段に重ねて設けられたヨーク104,105にコイル106,107が巻回された構造である。
【0022】この方式のステッピングモータは、2つの相を一度に励磁するものであり、このような2相励磁方式のモータを組み込むことで、1相励磁のステッピングモータよりも大きな駆動トルクを得ることが可能になる。
【0023】図2は、図1に示す振動発生装置の変形例を示す斜視図である。この振動発生装置20は、図1に示す振動発生装置10とほぼ同様の構成であり、同一の符号を付した部分は同一の構成としてその説明を省略する。
【0024】前記振動発生装置20は、ステッピングモータ2から突出した回転軸6の先端に錘7が偏心した状態で固定されている。前記錘7を設けると回転軸6の回転中心に対して質量が偏って分布するので、前記回転軸6を回転させたときに錘7のない状態よりも大きな遠心力を得ることができ、それによってより大きな振動を得ることができる。
【0025】前記振動発生装置20では、ステッピングモータ2を駆動させてステップ駆動させたときの衝撃または前記衝撃に基づく振動をより大きな規模で得ることが可能となり、前記衝撃または振動が回転軸6から弾性部材4に伝達されてケース1を前記振動発生装置10で発生する振動よりも大きく振動させることができる。
【0026】図4は、前記振動発生装置10または20を駆動させたときに得られる波形図を示している。この振動発生装置10,20ではステッピングモータを使用しているので、1パルスの入力信号に対して1ステップ動作させることができる。図4に示すように、1ステップ動作させる毎に若干間隔を空けて動作させると、図の範囲A、範囲Bで示すように、1ステップの駆動の終了時点で減衰振動が発生する。この減衰振動をケース1を振動させる力として利用できる。また1ステップで動作する回転角度を大きくしたり、回転速度を速めたりすることで、ステップ駆動させたときに衝撃となって、この衝撃でケース1を振動させることもできる。またステッピングモータ2の回転軸6を連続回転させて連続振動をケース1に与えることもできる。
【0027】本発明の振動発生装置は、上記した実施の形態に限られるものではなく、例えば、前記弾性部材4や錘7を設けずにケース1にモータを単体で搭載したものでもよい。
【0028】また、図3に示すロータマグネット101の素材の一部を切除して回転中心に対して質量を偏らせた状態にすることで、回転軸6の偏心運動を大きくしてもよい。この場合に素材を切除する領域としては、例えばロータマグネット101の外周面を除く、回転軸6とロータマグネット101との間の位置にすることが好ましい。また逆にロータマグネット101に回転中心に対して質量が異なるように錘を取り付けてもよい。
【0029】このように、前記振動発生装置10,20では、回転軸6をステップ駆動させることでステップ毎に発生する衝撃や減衰動作を振動として取り出すことができる。また回転軸6を連続回転させることで連続した振動を得ることもできる。
【0030】図5は、本発明の振動発生装置を搭載した電子機器の一例を示すブロック図である。この電子機器15としては、携帯電話、PHS(personal handyphone system)、ページャー、PDA(personal digital assistant)、ノートPCなどの携帯端末を挙げることができる。また据え置き型のテレビゲームのコントローラや携帯型のゲーム機器であってもよい。
【0031】前記電子機器15には、前記振動発生装置10が内臓され、前記振動発生装置10にはモータ2を制御する制御部11が設けられている。また制御部11は操作部12と接続されている。前記操作部12を操作すると、操作部12から操作信号が生成されて制御部11に送られる。前記操作信号に基づいて前記制御部11から駆動パルスが出力される。この駆動パルスは、ステッピングモータ2に接続されたモータドライバ2aに送られて、モータドライバ2aを介してステッピングモータ2が制御される。
【0032】前記操作部12から各種の操作信号を与えることで前記ステッピングモータ2の回転動作に変化を与えて、電子機器のケースを多彩なパターンで振動させることができる。
【0033】
【発明の効果】以上説明した本発明では、携帯端末などの小型のケース内に搭載することができ、しかもめりはりのない単調な振動に限らず振動を多彩に変化させることができる。
【出願人】 【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプス電気株式会社
【住所又は居所】東京都大田区雪谷大塚町1番7号
【出願日】 平成13年9月10日(2001.9.10)
【代理人】 【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
【公開番号】 特開2003−80168(P2003−80168A)
【公開日】 平成15年3月18日(2003.3.18)
【出願番号】 特願2001−273801(P2001−273801)