| 【発明の名称】 |
小型無線機の振動発生装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】渋田 正幸 【住所又は居所】静岡県裾野市千福46番地の1 三菱マテリアルシーエムアイ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】回転軸と振動子との結合力の向上を図ることにある。
【解決手段】振動子10に、回転軸12が嵌まり込む溝部13を形成し、振動子10における溝部13の外周部分を、回転軸12側に向けて加締めすることにより、振動子10を回転軸12に一体的に結合するようになっている。そして、回転軸12の外周面に係止凹部を形成することによって、加締めによる回転軸と振動子との結合力の向上を図るように構成している。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 モータの回転軸に振動子を一体的に結合してなる小型無線機の振動発生装置において、上記振動子は、上記回転軸が嵌まり込む溝部が形成され、かつこの溝部の外周部分が、上記回転軸側に向けて加締められることにより、上記回転軸に一体的に結合されるようになっており、かつ上記回転軸の外周面には、係止凹部が形成されていることを特徴とする小型無線機の振動発生装置。 【請求項2】 上記係止凹部は、周方向に連続して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の小型無線機の振動発生装置。 【請求項3】 上記係止凹部は、軸方向に所定の間隔をおいて複数形成されていることを特徴とする請求項2に記載の小型無線機の振動発生装置。 【請求項4】 上記係止凹部は、螺旋状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の小型無線機の振動発生装置。 【請求項5】 上記係止凹部は、軸方向に延在するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の小型無線機の振動発生装置。 【請求項6】 上記係止凹部は、周方向に所定の間隔をおいて複数形成されていることを特徴とする請求項5に記載の小型無線機の振動発生装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、携帯電話のような小型無線機の呼び出しなどに用いられる振動発生装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、ページング方式の小型無線呼び出し機やPHSあるいは携帯式電話機等の小型無線機の一種として、モータの回転軸に高比重金属製の振動子を偏心させて結合してなる振動発生装置を内蔵した形式のものが普及しつつある。このような振動発生装置を内蔵した小型無線呼び出し機等によれば、呼び出し音を発する代わりに、振動子の回転によって振動を発生させるため、例えば、人込みの中や会議中などにおいても他人に知られることなく受信を確認することができる。 【0003】従来、この種の小型無線機の振動発生装置は、小型無線機の信号発生回路に接続された小型モータの回転軸に、非円筒状に形成された振動子を一体的に結合させた構成となっている。ここで、この振動子は、粉末冶金法によって成形された高比重金属製のものであり、横断面略扇状の偏心荷重部に円筒状のボス部が一体形成され、そのボス部に形成された取付孔に回転軸を差し込み、当該ボス部を加締めて塑性変形させることにより、ボス部と回転軸とを所定の圧力で密着させて回転軸に一体的に結合されている。また、回転軸は、断面が円形で、直線状に延在するもので形成されている。 【0004】このような上記従来の振動発生装置によれば、振動子自体を加締めて回転軸に直接的に結合させているため、それまでの接着剤や他の結合部品を介して振動子を回転軸に固定したものと比較して、部品点数の削減が可能になるという利点がある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の振動発生装置にあっては、回転軸が断面円形の直線状に延在するもので形成されているため、この回転軸と振動子との結合力をより高くすることが難しいという問題があった。 【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、回転軸と振動子との結合力の向上を図ることのできる小型無線機の振動発生装置を提供することを課題としている。 【0007】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の小型無線機の振動発生装置は、モータの回転軸に振動子を一体的に結合してなる小型無線機の振動発生装置において、上記振動子は、上記回転軸が嵌まり込む溝部が形成され、かつこの溝部の外周部分が、上記回転軸側に向けて加締められることにより、上記回転軸に一体的に結合されるようになっており、かつ上記回転軸の外周面には、係止凹部が形成されていることを特徴とするものである。 【0008】請求項2に記載の小型無線機の振動発生装置は、請求項1に記載の発明において、上記係止凹部は、周方向に連続して形成されていることを特徴とするものである。 【0009】請求項3に記載の小型無線機の振動発生装置は、請求項2に記載の発明において、上記係止凹部は、軸方向に所定の間隔をおいて複数形成されていることを特徴とするものである。 【0010】請求項4に記載の小型無線機の振動発生装置は、請求項1に記載の発明において、上記係止凹部は、螺旋状に形成されていることを特徴とするものである。 【0011】請求項5に記載の小型無線機の振動発生装置は、請求項1に記載の発明において、上記係止凹部は、軸方向に延在するように形成されていることを特徴とするものである。 【0012】請求項6に記載の小型無線機の振動発生装置は、請求項5に記載の発明において、上記係止凹部は、周方向に所定の間隔をおいて複数形成されていることを特徴とするものである。 【0013】請求項1〜6のいずれかに記載の小型無線機の振動発生装置においては、モータの回転軸を溝部内に嵌め込み、この溝部の外周部分を回転軸側に向けて加締めると、振動子の一部が塑性変形により回転軸の外周面に所定の圧力で密着するとともに、該回転軸の係止凹部に所定の圧力で食い込むことになる。したがって、回転軸と振動子との結合力をより高くすることができる。 【0014】請求項2または3に記載の小型無線機の振動発生装置においては、係止凹部が周方向に連続して形成されているので、この周方向に連続する係止凹部に振動子の一部が食い込むことになる。このため、振動子を回転軸の軸方向に移動させようとする力に対して大きな抵抗力が生じることになる。したがって、特に軸方向の結合力の向上を図ることができる。そして、請求項3に記載の発明は、上記係止凹部を軸方向に所定の間隔をおいて複数形成しているので、軸方向の結合力をさらに向上させることができる。 【0015】請求項4に記載の小型無線機の振動発生装置においては、係止凹部が螺旋状に形成されているので、この螺旋状の係止凹部に振動子の一部が食い込むことになる。このため、振動子を回転軸の軸方向に移動させようとする力に対して大きな抵抗力が生じるとともに、振動子を回転軸回りに回転させようとする力に対しても大きな抵抗力が生じることになる。したがって、軸方向および回転方向の結合力の向上を図ることができる。 【0016】請求項5または6に記載の小型無線機の振動発生装置においては、係止凹部が軸方向に延在するように形成されているので、この軸方向に延在する係止凹部に振動子の一部が食い込むことになる。このため、振動子を回転軸回りに回転させようとする力に対して大きな抵抗力が生じることになる。したがって、特に回転方向の結合力の向上を図ることができる。そして、請求項6に記載の発明は、上記係止凹部を周方向に所定の間隔をおいて複数形成しているので、上記回転方向の結合力をさらに向上させることができる。 【0017】 【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1〜図3は、本発明の第1の実施形態を示すもので、図中符号10が振動子である。この振動子10は、粉末冶金法によって成形された高比重金属製のものであり、軸線Oを中心とする横断面略扇型状とされ、その軸線Oから偏心する扇状部分全体が偏心荷重部11となっている。この振動子10は、偏心荷重部11の扇状を描く外周円弧の中心部に、モータの回転軸12が嵌まり込む溝部13が形成されている。溝部13は、その底部が回転軸12の直径とほぼ等しい半円形状に形成されている。また、溝部13の幅方向の両側には、偏心荷重部11から平行に膨出して溝部13の両側縁部となる側壁14が当該偏心荷重部11と一体に形成されている。また、この種の振動子10は、一般に偏心荷重部11の円弧半径が数mmと極めて小さく、この結果異なる大きさの振動子との識別が困難であるため、偏心荷重部11の両端面には、当該振動子10の大きさを示すための種々の形状(図では円形)の凹状の識別マーク16が形成されている。 【0018】そして、上記振動子10は、側壁14の先端部端面14aのうち、軸線O方向の両端部を残した中央部分において、側壁14の外周側部分14bを残した溝部13側の加締部分14cが、直方体状の加締めパンチ15によって溝部13の開口側から底側に向けて、即ち回転軸12側に向けて塑性変形させられることにより、回転軸12に一体的に結合されている。ここで、加締部分14cは、先端部端面14aの溝部13側から外周側までの幅寸法Wのうち、溝部13側の縁部から0.25W〜0.9Wの範囲となるように設定されている。 【0019】上記回転軸12は、例えばSUS420などのステンレス製の金属で断面円形の直線状に延在するもので形成されており、振動子10の加締部分14cに対応する位置に、周方向に連続する係止凹部12aが形成されている。この係止凹部12aは、例えば転造により、回転軸12の外周面に周方向に一周するように形成されたものであり、軸方向の中央部が最も深くなるように円弧状の凹状に形成されている。このため、係止凹部12aは、上述した加締部分14cの塑性変形により、振動子10の一部が無理なく食い込むようになっている。なお、係止凹部12aに食い込む振動子10の一部には、加締部分14cおよび回転軸12に接する溝部13の一部が含まれる。 【0020】そして、係止凹部12aの軸方向の長さL1は、加締部分14cの軸方向の長さをL2とすると、0.1L2〜0.7L2に設定されている。即ち、0.1L2以上に設定することにより、振動子10の一部が係止凹部12a内に食い込みやすくなるため結合力を十分高くすることができ、0.7L2以下に設定することにより、係止凹部12aの位置に加締部分14cを必ず対応させることができる。また、係止凹部12aの最大深さH1は、回転軸12の直径をDとすると、0.02D〜0.10Dに設定されている。即ち、0.02D以上に設定することにより、振動子10の一部が食い込むことによる結合力を十分高くすることができ、0.10D以下に設定することにより回転軸12の強度低下をほぼ無視することができる。ちなみに、加締部分14cの軸方向の長さL2は、2D〜3Dに設定されている。 【0021】このような範囲となる具体例を示せば、回転軸12の直径D(mm)が、それぞれ0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0である場合には、加締部分14cの軸方向の長さL2(mm)を、0.8〜3.0に設定すればよく、係止凹部12aの軸方向の長さL1(mm)を、0.08〜2.1に設定すればよく、係止凹部12aの最大深さH1(mm)を、0.008〜0.1に設定すればよい。 【0022】また、振動子10は、例えば、W−Ni系、W−Ni−Fe系、W−Ni−Cu系、あるいはW−Mo−Ni−Fe系等の、比重が17〜19g/cm3 程度の超重合金材料を用いて、粉末冶金法により成形されたものである。具体例としては、W粉末;89〜98重量%およびNi粉末;1.0〜11重量%からなる組成の混合粉末、あるいは上記重量%の範囲のW粉末およびNi粉末に、Cu;0.1〜6重量%、Fe粉末;0.1〜6重量%、Mo粉末;0.1〜6重量%、およびCo粉末;0.1〜5重量%の1種または2種以上を含有する組成の混合粉末を、1ton/cm2 〜4ton/cm2 で扇板状に圧粉成形し、この圧粉体を0℃〜−6℃の露点の水素気流中またはアンモニア分解ガス中で液相焼結した後、さらに、真空、中性もしくは還元性のいずれかの雰囲気中において700℃〜1430℃±30℃の温度範囲で加熱した後に、少なくとも300℃まで40℃/min以上の冷却速度で急冷する熱処理を施したものである。 【0023】このような振動子10の組成において、W(タングステン)の含有量が98重量%を越えると展性が低下するものの高比重となり、また89重量%に満たない場合には所定の比重が得られなくなり、この種の振動子としては不都合となる。また、Ni(ニッケル)の含有量が11重量%を越えた場合にも所定の比重が得られなくなり、それが1.0重量%に満たない場合には焼結性が進まなくなってしまう。さらに、Co(コバルト)は、Niと同様の効果があるものの、それが0.1重量%未満では充分な添加の効果が得られず、一方、それが5重量%を越えても相応の効果が得られずに製造上不経済となる。また、Cu粉末およびFe粉末は、これらを含有させることにより焼結温度を下げることができるものの、上記の上限値以上では所定の比重が得られなくなる。 【0024】以上の構成からなる小型無線機の振動発生装置によれば、溝部13内にモータの回転軸12を嵌め込み、この溝部13の両側縁部を形成する側壁14の先端部端面14aのうち、外周側部分14bを残して、溝部13側から外周側までの幅寸法Wのうち、溝部13側の縁部から0.25W〜0.9Wの範囲の加締部分14cを、加締めパンチ15によって溝部13の底側、即ち回転軸12側に向けて塑性変形させているので、従来例で示したように振動子の円筒状のボス部を加締めることにより、そのボス部と回転軸とを一体的に結合させる場合に比べて、より小さな加締め力によって振動子10を回転軸12に結合させることができる。 【0025】この際に、加締められない側壁の外周部分14bが、加締部分14cにおける塑性変形に対して壁部として作用するために、加締部分14cの大部分が溝部13側へと膨出する結果、回転軸12を溝部13の底部と、左右の各加締部分14cにおける膨出した側壁との3点によって強固に振動子10を回転軸12に固定することができる。このため、振動子10の製造が容易であることに加えて、さらに小さな加締め力によっても高い結合力で振動子をモータの回転軸に結合させることができる。 【0026】しかも、加締部分14cの塑性変形によって、その加締部分14cの一部が回転軸12の外周面に所定の圧力で密着するとともに、係止凹部12aの凹状の面の全体に所定の圧力で密着するように食い込むことになり、また溝部13の底部の一部が係止凹部12aに食い込むことにもなる。したがって、より大きな結合力で回転軸12と振動子10とを結合することができる。そして、係止凹部12aが周方向に連続して形成されていることから、特に軸方向の結合力の向上を図ることができる。 【0027】このように、上記振動発生装置によれば、従来よりも小さな加締め力によって、強固に振動子10を回転軸12に固定することができるため、振動子10の小型軽量化、ひいては振動発生装置および小型無線機全体の小型軽量化を実現することができる。また、加締め荷重を小さくし、かつ振動子10の特に側壁14におけるクラックの発生を防ぐことができるため、振動発生装置の生産性を向上させるとともに、振動子10の高比重化による振動効率の向上が可能となる。 【0028】(第2の実施の形態)図4および図5は、本発明の第2の実施形態を示すもので、この振動発生装置においては、振動子20の偏心荷重部21に底部22aがほぼ半円形状をなす溝部22が形成されるとともに、この溝部22の両側壁を形成する側壁23が、溝部22内に嵌め込まれたモータの回転軸12の露出部分を軸線O方向の両側から間隔をおいて覆うように一体に形成されている。この結果、振動子20の溝部22は、回転軸12の中心角180°以上の範囲を内在させる大きさに形成されている。そして、対向する側壁23間における溝部22の開口幅W1は、回転軸12の直径Dとの比(W1/D)が0.70〜0.95の範囲になるように設定されている。 【0029】このような範囲となる具体例を示せば、回転軸12の直径D(mm)が、それぞれ0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0である場合には、側壁23間における溝部22の開口幅W1(mm)を、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9等に設定すればよい。そして、上記振動子20は、図5に示すように、側壁23の先端部端面23aのうち、軸線O方向の両端部を残した中央部分において、側壁23の外周側部分23bを残した溝部22側の加締部分23cが、直方体状の加締めパンチ25によって溝部22の開口側から底側に向けて、即ち回転軸12側に向けて加締めにより塑性変形させられることにより、回転軸12に一体的に結合されている。この際に、加締部分23cは、第1の実施形態と同様に、先端部端面23aの溝部22側から外周側までの幅寸法Wのうち、溝部22側の縁部から0.25W〜0.9Wの範囲となるように設定されている。 【0030】以上の構成からなる振動発生装置においても、第1の実施形態に示したものと同様の作用効果が得られる他、特に本実施形態に示す振動子20においては、振動子20の溝部22を、回転軸12の中心角180°以上の範囲を内在させる大きさに形成し、かつ溝部22の開口幅W1を、回転軸12の直径Dとの比(W1/D)が0.70〜0.95の範囲になるように設定しているので、振動子20は、溝部22の底部22aと、両側壁23の底部23dとの3点において、回転軸12に強固に固定されるとともに、振動子10が係止凹部12a(図4および図5には図示せず)に食い込む量が多くなる。この結果、より一層小さな加締め力によって強固に振動子20を回転軸12に固定することができる。 【0031】(第3の実施形態)図6は、本発明の第3の実施形態としての振動発生装置を示すものである。なお、図1〜図3に示す第1の実施形態の構成要素と共通する要素には同一の符号を付し、その説明を簡略化する。 【0032】この振動発生装置における回転軸12は、周方向に連続して形成された係止凹部12bが軸方向に所定の間隔をおいて複数(この実施形態では3つ)形成されている。各係止凹部12bは、例えば転造により、回転軸12の外周面に周方向に一周するように形成されたものであり、軸方向の中央部が最も深くなるように円弧状の凹状に形成されている。このため、係止凹部12bは、上述した加締部分14cの塑性変形により振動子10の一部が無理なく食い込むようになっている。係止凹部12bに食い込む振動子10の一部には、加締部分14cおよび回転軸12に接する溝部13の一部が含まれる。 【0033】そして、3つ合わせた係止凹部12bの軸方向の長さL5は、0.4L2〜0.7L2に設定されている。即ち、0.4L2〜0.7L2に設定することにより、3つの係止凹部12bをすべて加締部分14cの位置に対応させることができる。また、各係止凹部12bの軸方向の長さL3および各係止凹部12b間の軸方向の長さL4は、L5の1/5の寸法に設定されている。即ち、L5の1/5に設定することにより、振動子10の一部が食い込むことによる結合力を十分高くすることができる。また、係止凹部12bの最大深さH2は、0.02D〜0.10Dに設定されている。即ち、0.02D以上に設定することにより、振動子10の一部が食い込むことによる結合力を十分高くすることができ、0.10D以下に設定することにより回転軸12の強度低下をほぼ無視することができる。なお、加締部分14cの軸方向の長さL2は、2D〜3Dに設定されている。 【0034】このような範囲となる具体例を示せば、回転軸12の直径D(mm)が、それぞれ0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0である場合には、加締部分14cの軸方向の長さL2(mm)を、0.8〜3.0に設定すればよく、3つ合わせた係止凹部12bの軸方向の長さL5(mm)を、0.32〜2.1に設定すればよく、各係止凹部12bの軸方向の長さL3および各係止凹部12b間の軸方向の長さL4(mm)を、0.064〜0.42に設定すればよく、係止凹部12bの最大深さH2(mm)を、0.008〜0.1に設定すればよい。 【0035】上記構成からなる振動発生装置においても、第1の実施形態に示したものと同様の作用効果が得られる他、係止凹部12bを軸方向に所定の間隔をおいて複数形成しているので、軸方向の結合力をさらに向上させることができる。 【0036】(第4の実施形態)図7は、本発明の第4の実施形態としての振動発生装置を示すものである。なお、図1〜図3に示す第1の実施形態の構成要素と共通する要素には同一の符号を付し、その説明を簡略化する。 【0037】この振動発生装置における回転軸12は、螺旋状に連続して形成された係止凹部12cが形成されている。各係止凹部12cは、例えば転造により、回転軸12の外周面に所定のピッチで形成されたものであり、軸方向の中央部が最も深くなるように円弧状の凹状に形成されている。このため、係止凹部12cは、上述した加締部分14cの塑性変形により振動子10の一部が無理なく食い込むようになっている。係止凹部12cに食い込む振動子10の一部には、加締部分14cおよび回転軸12に接する溝部13の一部が含まれる。 【0038】そして、係止凹部12cは、1.5ピッチ分の長さ、即ち隣接する2つの係止凹部12cの軸方向の合計長さL8が0.4L2〜0.7L2に設定されている。即ち、0.4L2〜0.7L2以下に設定することにより、隣接する2つの係止凹部12bを加締部分14cの位置に必ず対応させることができる。また、各係止凹部12cの軸方向の長さL6および各係止凹部12b間の軸方向の長さL7は、L8の1/3の寸法に設定されている。即ち、L8の1/3に設定することにより、振動子10の一部が食い込むことによる結合力を十分高くすることができる。なお、係止凹部12cのピッチは、L6+L7となる。また、係止凹部12cの最大深さH3は、0.02D〜0.10Dに設定されている。即ち、0.02D以上に設定することにより、振動子10の一部が食い込むことによる結合力を十分高くすることができ、0.10D以下に設定することにより回転軸12の強度低下をほぼ無視することができる。なお、加締部分14cの軸方向の長さL2は、2D〜3Dに設定されている。 【0039】このような範囲となる具体例を示せば、回転軸12の直径D(mm)が、それぞれ0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0である場合には、加締部分14cの軸方向の長さL2(mm)を、0.8〜3.0に設定すればよく、2つ合わせた係止凹部12cの軸方向の長さL8(mm)を、0.32〜2.1に設定すればよく、各係止凹部12bの軸方向の長さL6および各係止凹部12c間の軸方向の長さL7(mm)を、0.107〜0.7に設定すればよく、係止凹部12bの最大深さH3(mm)を、0.008〜0.1に設定すればよい。 【0040】上記構成からなる振動発生装置においても、第1の実施形態に示したものと同様の作用効果が得られる他、係止凹部12cを螺旋状に形成しているので、振動子10を回転軸12の軸方向に移動させようとする力に対して大きな抵抗力が生じるとともに、振動子10を回転軸12回りに回転させようとする力に対しても大きな抵抗力が生じることになる。したがって、軸方向および回転方向の結合力の向上を図ることができる。 【0041】(第5の実施形態)図8及び図9は、本発明の第5の実施形態としての振動発生装置を示すものである。なお、図1〜図3に示す第1の実施形態の構成要素と共通する要素には同一の符号を付し、その説明を簡略化する。 【0042】この振動発生装置における回転軸12は、軸方向に延在する係止凹部12dが周方向に所定の間隔をおいて複数(この実施形態では8つ)形成されている。各係止凹部12dは、例えば転造により、回転軸12の外周面に周方向に所定のピッチで形成されたものであり、周方向の中央部が最も深くなるように円弧状の凹状に形成されている。このため、係止凹部12dは、上述した加締部分14cの塑性変形により振動子10の一部が無理なく食い込むようになっている。係止凹部12dに食い込む振動子10の一部には、加締部分14cおよび回転軸12に接する溝部13の一部が含まれる。また、係止凹部12dは、周方向に8等分した位置に形成されている。 【0043】そして、係止凹部12dの軸方向の長さL9は、0.4L2〜0.7L2に設定されている。即ち、0.4L2〜0.7L2以下に設定することにより、係止凹部12bを加締部分14cの位置に対応させることができる。また、係止凹部12dの最大深さH4は、0.02D〜0.10Dに設定されている。即ち、0.02D以上に設定することにより、振動子10の一部が食い込むことによる結合力を十分高くすることができ、0.10D以下に設定することにより回転軸12の強度低下をほぼ無視することができる。なお、加締部分14cの軸方向の長さL2は、2D〜3Dに設定されている。 【0044】このような範囲となる具体例を示せば、回転軸12の直径D(mm)が、それぞれ0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0である場合には、加締部分14cの軸方向の長さL2(mm)を、0.8〜3.0に設定すればよく、係止凹部12dの軸方向の長さL9(mm)を、0.32〜2.1に設定すればよく、係止凹部12dの最大深さH4(mm)を、0.008〜0.1に設定すればよい。 【0045】上記構成からなる振動発生装置においても、第1の実施形態に示したものと同様の作用効果が得られる他、係止凹部12dが軸方向に延在するように形成されているので、振動子10を回転軸12回りに回転させようとする力に対して大きな抵抗力が生じることになる。また、係止凹部12dの全体が加締部分14cの範囲内に入っているので、振動子10を回転軸12の軸方向に移動させようとする力に対しても大きな抵抗力が生じることになる。したがって、軸方向および回転方向の結合力の向上を図ることができる。そして、係止凹部12dを周方向に複数形成しているので、上記結合力をさらに向上させることができる。 【0046】 【実施例】本発明の振動発生装置における回転軸12に対する振動子10の抜去力を測定することにより、回転軸12と振動子10との結合力を比較する試験を行なった。この試験は、従来例(比較例)、実施例1、実施例2の3種類のものについて行った。 【0047】(試験条件) 1.回転軸について■従来例 :回転軸12がストレートのものであり、直径Dが0.798mmである。 ■実施例1:回転軸12に係止凹部12aを形成したもの(図1の第1の実施形態に対応したもの)であり、直径Dが0.798mmであり、L1が0.7mmであり、H1が0.05mmである。 ■実施例2:回転軸12に係止凹部12cを形成したもの(図7の第4の実施形態に対応したもの)であり、直径Dが0.798mmであり、L6およびL7が0.3mmであり、L8が0.9mmであり、H3が0.03mmである。 2.振動子について振動子10については、上記従来例、実施例1、実施例2のすべてに対して、溝部の形状が図4および図5に示す溝部22の形状のものを用いた。また、加締めパンチは、図5に示す直方体状の加締めパンチ25を用い、溝部22の幅方向の加締め寸法W2(図5参照)が1.5mm、溝部22の軸方向の加締め寸法L2(図1等参照)が1.7mmとなるようにした。 【0048】(試験方法)試験は、従来例、実施例1、実施例2のそれぞれについて5つの供試体を作製して行った。加締めは、従来例、実施例1、実施例2のそれぞれについて、3822N(390Kgf)の荷重を2秒間作用させることによって行った。抜去力は、回転軸12から振動子10を軸方向に引き抜く力を測定することによって行った。また、振動子の溝部22の底部22aの直径については、軸方向の一端側Aと、他端側Bの二箇所で測定した。 【0049】(試験結果および考察)表1は従来例、表2は実施例1、表3は実施例2のそれぞれの抜去力について測定した結果である。従来例では、表1に示すように、抜去力の平均値が120.6Nであり、最大値と最小値との差である範囲が17.4Nとなった。これに対して、実施例1では、表2に示すように、抜去力の平均値が224.6Nであり、範囲が24Nとなった。さらに、実施例2では、表3に示すように、抜去力の平均値が206Nであり、範囲が27Nとなった。 【0050】 【表1】
【0051】 【表2】
【0052】 【表3】
【0053】以上より、回転軸12に係止凹部12aや係止凹部12cを形成することにより、抜去力が従来例に対して約2倍上昇することが確認できた。また、実施例1では、係止凹部12aが周方向に連続して形成されていることから、特に軸方向の結合力が上昇することが確認できた。さらに、実施例2では、係止凹部12cが螺旋状に形成されていることから、実施例1に比べて軸方向の抜去力が小さくなることが確認できた。しかし、この結果から同時に、実施例2においては、実施例1に比べて周方向の結合力が増加していることが推定できる。 【0054】なお、上記各実施形態においては、溝部13、22の外周部分として側壁14、23の先端部端面14a、23aを選択し、この先端部端面14a、23aを回転軸12側に向けて加締めるように構成したが、溝部13、22における先端部端面14a、23a以外の外周部分を選択して、その部分を回転軸12側に加締めるように構成してもよい。 【0055】 【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜6のいずれかに記載の小型無線機の振動発生装置によれば、回転軸の外周面に係止凹部が形成されているので、溝部の外周部分を回転軸側に向けて加締めることにより、振動子の一部を係止凹部に食い込ませることができる。したがって、回転軸と振動子との結合力をより高くすることができる。 【0056】請求項2または3に記載の小型無線機の振動発生装置によれば、係止凹部が周方向に連続して形成されているので、振動子を回転軸の軸方向に移動させようとする力に対して大きな抵抗力を生じさせることができる。したがって、特に軸方向の結合力の向上を図ることができる。そして、請求項3に記載の発明は、上記係止凹部を軸方向に所定の間隔をおいて複数形成しているので、軸方向の結合力をさらに向上させることができる。 【0057】請求項4に記載の小型無線機の振動発生装置においては、係止凹部が螺旋状に形成されているので、振動子を回転軸の軸方向に移動させようとする力に対して大きな抵抗力が生じるとともに、振動子を回転軸回りに回転させようとする力に対しても大きな抵抗力が生じることになる。したがって、軸方向および回転方向の結合力の向上を図ることができる。 【0058】請求項5または6に記載の小型無線機の振動発生装置においては、係止凹部が軸方向に延在するように形成されているので、振動子を回転軸回りに回転させようとする力に対して大きな抵抗力が生じることになる。したがって、特に回転方向の結合力の向上を図ることができる。そして、請求項6に記載の発明は、上記係止凹部を周方向に所定の間隔をおいて複数形成しているので、上記回転方向の結合力をさらに向上させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】594111292 【氏名又は名称】三菱マテリアルシ−エムアイ株式会社 【住所又は居所】静岡県裾野市千福46番地の1
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| 【出願日】 |
平成13年9月7日(2001.9.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096862 【弁理士】 【氏名又は名称】清水 千春 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−80167(P2003−80167A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月18日(2003.3.18) |
| 【出願番号】 |
特願2001−272438(P2001−272438) |
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