トップ :: B 処理操作 運輸 :: B05 霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般




【発明の名称】 化粧材の製造方法
【発明者】 【氏名】高崎 裕
【住所又は居所】東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印刷株式会社内

【氏名】加藤 茂幹
【住所又は居所】東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印刷株式会社内

【要約】 【課題】表面にエンボス模様が形成された基材の、該エンボス模様の凹部を埋没させることなく、該凹部の内面を含む全面に、塗料塗膜を形成することが可能であり、しかも、塗面が平滑で艶ムラの少ない、意匠品質に優れた塗料塗膜を形成することが可能な化粧材の製造方法を提供する。

【解決手段】表面にエンボス模様2が形成された基材1の表面に、スプレー塗工法と、グラビア塗工法又はロール塗工法との、二種の塗工法を併用して塗料塗膜を形成する化粧材の製造方法である。特に、スプレー塗工法による第一の塗料塗膜4の形成後に、グラビア塗工法又はロール塗工法による第二の塗料塗膜6を形成する工程順序によることが望ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】表面にエンボス模様が形成された基材の、該エンボス模様の凹部の内面を含む全面に、塗料塗膜を形成する化粧材の製造方法であって、前記塗料塗膜の形成を、スプレー塗工法と、グラビア塗工法又はロール塗工法との、二種の塗工法を順不同に用いて行うことを特徴とする化粧材の製造方法。
【請求項2】前記塗料塗膜の形成を、スプレー塗工法と、グラビア塗工法又はロール塗工法との、二種の塗工法をこの順に用いて行うことを特徴とする化粧材の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化粧材の製造方法に関する。更に詳しくは、基材の表面にエンボス模様が形成されると共に、該表面に塗料塗膜が形成されてなる化粧材の製造方法であって、該塗料塗膜を基材の一般平面部の表面のみならず、エンボス模様の凹部の内面を含む全面に連続して設けるための化粧材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、住宅等の建築物における壁材、天井材、床材等の内外装材や、扉等の建具、家具、什器、家電製品の外装、車両内装材等の用途に用いられる化粧材としては、基材に天然木材の木目模様や天然石材の石目模様等を模した絵柄模様を印刷等により形成すると共に、天然木材の導管溝の凹凸や天然石材の劈開面の凹凸等を模したエンボス模様を基材の表面に設けたものが、広く用いられている。
【0003】係る化粧材を構成する基材の表面には、一般に、化粧材の使用中における外部からの物理的又は化学的な刺激から基材や絵柄模様等を保護したり、化粧材の表面の艶状態を望ましい状態に調整したりする目的で、保護層又は艶調整層等の塗料塗膜が設けられる場合が多い。
【0004】ところが、基材の表面に凹凸のエンボス模様が設けられていると、該エンボス模様の凹凸形状に沿って表面に塗料塗膜を形成することは、一般に極めて困難である。その理由を順次説明すると、まず、化粧材への塗料塗膜の塗工法として最も一般的なロール塗工法やグラビア塗工法によったのでは、エンボス模様の凹部を除く化粧材の一般平面部においては特に問題はないが、エンボス模様の凹部の内面には、機械的な障害のために塗工ロールやグラビア版が接触できないため、塗料塗膜を形成することができない。このため、得られる化粧材は、エンボス模様の凹部において、耐溶剤性や耐汚染性、耐候性等の各種物性が劣るものとなってしまう。
【0005】エンボス模様の凹部内にまで塗料を十分に供給可能な塗工方法として、上記したロール塗工法又はグラビア塗工法による塗工の前にワイピング法によりエンボス模様の凹部に塗料を充填する方法や、フローコート法やナイフコート法、ディップコート法等の様に、基材の表面に大量の塗料を供給する方法なども考えられる。しかし、この様な方法で塗工を行うと、エンボス模様の凹部が塗料塗膜で埋没してしまうため、折角のエンボス模様による凹凸の意匠感が減殺される結果となってしまう。
【0006】エンボス模様の凹部が塗料塗膜で埋没しないように、基材の表面への塗料の供給量を必要量のみに抑えつつ、エンボス模様の凹部の内面へも塗料を付着可能な塗工方法として、スプレー塗工法も考えられる。しかし、このスプレー塗工法は、塗料の液性にも依存するが一般に、その塗工原理から、塗料が霧化された際の溶剤分の揮発のために、基材表面に着肉した際に塗膜がレベリングしにくいため、塗面が点付き状になり易く、塗面の粗さや点状艶ムラ(特に艶消タイプの塗料を使用した場合に顕著に見られる)のために、得られる化粧材の意匠品質が頗る悪いという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術における上記した様な問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、表面にエンボス模様が形成された基材の、該エンボス模様の凹部を埋没させることなく、該凹部の内面を含む全面に、塗料塗膜を形成することが可能であり、しかも、塗面が平滑で艶ムラの少ない、意匠品質に優れた塗料塗膜を形成することが可能な化粧材の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の化粧材の製造方法は、表面にエンボス模様が形成された基材の、該エンボス模様の凹部の内面を含む全面に、塗料塗膜を形成する化粧材の製造方法であって、前記塗料塗膜の形成を、スプレー塗工法と、グラビア塗工法又はロール塗工法との、二種の塗工法を順不同に用いて行うことを特徴とするものである。
【0009】また特に、前記塗料塗膜の形成を、スプレー塗工法と、グラビア塗工法又はロール塗工法との、二種の塗工法をこの順に用いて行うことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の化粧材の製造方法の実施の形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1及び図2は、それぞれ本発明の化粧材の製造方法の実施の形態を工程順に示した側断面図である。
【0011】本発明の化粧材の製造方法を工程順に説明すると、図1に示す様に、まず表面にエンボス模様2が施された基材1を用意する(図1(a))。次に、該基材1の表面に、スプレー塗工ヘッド3(スプレーガン、ノズル等ともいう)から塗料を霧状に噴霧させて付着させるスプレー塗工法により塗料を塗布して、第一の塗料塗膜4を形成する(図1(b))。このスプレー塗工法による塗料塗膜4は、基材1の表面のエンボス模様2の凹部の内面にも連続して形成される。
【0012】しかる後に、該第一の塗料塗膜4を含む基材1の表面に、塗工ロール(又はグラビア版)5を用いたロール塗工法(又はグラビア塗工法)により塗料を塗布して、第二の塗料塗膜6を形成する(図1(c))。このロール塗工法(又はグラビア塗工法)による塗料塗膜6は、基材1の表面のエンボス模様2の凹部の内面を除く一般平面部の表面にのみ形成される。以上の工程により、基材1の表面に、スプレー塗工法による塗料塗膜4と、ロール塗工法(又はグラビア塗工法)による塗料塗膜6との二層からなる塗料塗膜7が形成された化粧材が完成する。
【0013】スプレー塗工法による第一の塗料塗膜4は、既に述べた様に、基材1の表面のエンボス模様2の凹部にも十分に塗膜が形成される利点はあるが、塗料がスプレー塗工ヘッド3から霧化された状態で噴霧された際に、塗料が含有する溶剤分が揮発し易く、粘度が上昇し易いため、基材1の表面に着肉した際に、未乾燥塗膜がレベリングしにくいため、点付き状の粗い塗面となり易い。
【0014】しかし、本発明においては、その上にロール塗工法(又はグラビア塗工法)による第二の塗料塗膜6を設けることにより、スプレー塗工法による塗料塗膜4の表面の点付き状の粗い塗面が覆い隠され、ロール塗工法(又はグラビア塗工法)による良好な塗面が形成されるので、外観意匠品質の良好な化粧材を容易に製造することができる。
【0015】なお、エンボス模様2の凹部においては、ロール塗工法(又はグラビア塗工法)による塗料塗膜6が形成されないため、塗料塗膜4の表面は粗い状態のままとなる。しかし、凹部は一般に面積も小さく、しかもその凹状という非平面形状のために表面の粗さが目立ちにくいので、化粧材の外観意匠品質への悪影響は殆ど無視することができる。
【0016】本発明において、スプレー塗工法による塗料塗膜4の形成と、ロール塗工法(又はグラビア塗工法)による塗料塗膜6の形成とは、上記と逆の順序で行うことも可能である(図2(a)〜(d))。この様にしても、基材1の表面の一般平面部においては、スプレー塗工法による塗料塗膜4の下地として、ロール塗工法(又はグラビア塗工法)による表面の平滑な塗料塗膜6が既に形成されていることから、ロール塗工法(又はグラビア塗工法)を用いずにスプレー塗工法のみによって塗工した場合と比較すれば、スプレー塗工法による塗料塗膜4の表面の点付き状の粗さは、目立ちにくくなる。
【0017】特に、ロール塗工法(又はグラビア塗工法)による第一の塗料塗膜6の塗工形成後、これを乾燥させることなく直ちに、スプレー塗工法による第二の塗料塗膜4を塗工形成すると、溶剤分を十分に含んだ湿潤状態の第一の塗料塗膜6から、霧化時の溶剤分の揮発により増粘した第二の塗料塗膜4に溶剤分が補われて、第二の塗料塗膜4のレベリングが促進され、より外観意匠品質の良好な化粧材を製造することができる。
【0018】但し、この様な塗膜間での溶剤分の移動を利用したレベリング作用は、塗料の液性への依存性が大きく、また、スプレー塗工ヘッド3からの噴霧条件や、スプレー塗工時の第一の塗料塗膜6の乾燥状態(特に表面の皮張り状態)等、諸々の塗工条件の変化によって仕上がり品質が不安定になり易いという短所もある。
【0019】また、エンボス模様2の凹部における物性の確保のためには、該凹部の内面への塗料の塗着が可能なスプレー塗工法による第二の塗料塗膜4の塗布量を増す必要があるが、そうすると、スプレー塗工法による第二の塗料塗膜4の塗面の粗さが増す上に、ロール塗工法による第一の塗料塗膜6からの溶剤分の移動による、スプレー塗工法による第二の塗料塗膜4のレベリング作用が不足となるので、結果的に塗料塗膜7の表面に良好な塗面状態が得られにくいという問題もある。
【0020】従って、本発明においては可能な限り、図1に示した様に、スプレー塗工法による塗工の後でロール塗工法(又はグラビア塗工法)による塗工を行う工程順序によることが望ましい。この工程順序による限り、少なくとも基材1のエンボス模様2の凹部を除く一般平面部における塗面の仕上がりは、スプレー塗工法による塗工の後で行われる、ロール塗工法(又はグラビア塗工法)による塗工塗膜6の塗面の仕上がりで決定されるので、外観意匠品質の良好な化粧材をより安定的に製造することができるからである。
【0021】なお、スプレー塗工法による塗工の後でロール塗工法(又はグラビア塗工法)による塗工を行う場合には、スプレー塗工法による塗料塗膜4を乾燥させることなく直ちにロール塗工法(又はグラビア塗工法)による塗工を行っても良いが、ロール塗工法(又はグラビア塗工法)による塗工時の塗料塗膜4の取られを防止し、安定的に塗工を行うためには、スプレー塗工法による塗料塗膜4を乾燥させた後にロール塗工法(又はグラビア塗工法)による塗工を行うことが望ましい。
【0022】図1及び図2では簡単のため、スプレー塗工ヘッド3から噴射した塗料ミストを被塗工体である基材1の表面に直接噴霧する、ダイレクト方式のスプレー塗工法の例を図示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記ダイレクト方式に代えて、図3に示す様なバウンド方式のスプレー塗工法を採用することも、勿論可能である。
【0023】バウンド方式のスプレー塗工法とは、図3に示す様に、スプレー塗工ヘッド84から噴射した塗料ミスト85を、循環移動するベルト82(又はロール等)に一旦衝突させて反射させ、その反射流を被塗工体である基材1に塗着させる塗工方式である。
【0024】この塗工方式は、塗料ミスト85がベルト82(又はロール等)に衝突した際に、ミスト粒径が反射前の2分の1乃至10分の1程度の超微粒子状になって反射されるので、ダイレクト方式によるよりも塗膜厚の平均化には有利である。
【0025】但し、ミスト粒径が小さくなる分だけ、塗工中の溶剤分の揮発の影響も増すためか、塗面のレベリング性の改善効果は少ない。従って、良好な表面意匠品質の化粧材の製造には、やはりロール塗工法(又はグラビア塗工法)の併用が必要である。
【0026】本発明において、塗料塗膜7の膜厚は特に制限されるものではなく、目的とする化粧材の用途により適宜設計すれば良いが、一般的には3〜100μm程度とされる場合が多く、特に化粧紙又は化粧シート等の様に可撓性が要求される化粧材の場合には、通例3〜30μm程度とされる場合が多い。
【0027】上記塗料塗膜7における、スプレー塗工法による塗料塗膜4と、ロール塗工法(又はグラビア塗工法)による塗料塗膜6との膜厚の関係についても、本発明において特に制限されるものではなく、塗料の液性等にもよるが、一般的には、スプレー塗工法による塗料塗膜4の塗面の粗さを覆い隠し、レベリングし又は目立ちにくくさせて、良好な塗面を得るためには、ロール塗工法(又はグラビア塗工法)による塗料塗膜6の膜厚は少なくとも1μm以上とし、なお且つ、少なくともスプレー塗工法による塗料塗膜4の膜厚の3分の1以上とすることが望ましい。一方、スプレー塗工法による塗料塗膜4の膜厚が薄過ぎても、凹部の物性が不十分となるので、スプレー塗工法による塗料塗膜4の膜厚も少なくとも1μm以上とし、なお且つ、少なくともロール塗工法(又はグラビア塗工法)による塗料塗膜6の膜厚以上とすることが望ましい。
【0028】スプレー塗工法による塗料塗膜4に用いる塗料と、ロール塗工法(又はグラビア塗工法)による塗料塗膜6に用いる塗料とは、同種のものであっても異種のものであっても良い。但し、異種のものを組み合わせて用いる場合には、両者の界面が目立ちにくい様に、色相差や乾燥後(硬化型であれば硬化後)の屈折率差の小さいものを組み合わせるのが良い。また、両者の界面を融合させて、界面をより目立ちにくくさせると共に、レベリング作用も十分に得られる様に、互いに同一又は相溶性の高い溶剤系のものを組み合わせることが好ましい。
【0029】本発明において、基材1の材質や構造には特に制限はなく、例えば従来より同種の化粧材における基材として使用されているものであって、表面にエンボス模様2の形成が可能なものであれば、何であっても使用可能である。
【0030】具体的には、例えば薄葉紙、チタン紙、上質紙、リンター紙、クラフト紙、板紙等の紙類や、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂等の合成樹脂からなるフィルム又はシート類、木材単板、合板、集成材、中密度繊維板、パーティクルボード等の木質系基材、ガラス、石膏ボード、珪酸カルシウム板、スレート板、木毛セメント板、スラグセメント板、軽量気泡コンクリート板等の無機質系基材、炭素繊維強化プラスチック、ガラス繊維強化プラスチック等の合成樹脂系基材、鋼板、ステンレス板、真鍮板、アルミニウム板等の金属系基材等、或いはそれらの複数種の混合物、複合体、積層体等を挙げることができる。
【0031】本発明において、基材1の表面にエンボス模様2を形成する方法にも特に制限はなく、金属製のエンボス版又はエンボスロールを使用して熱及び圧力の作用によりエンボス模様2を賦形するメカニカルエンボス法が最も一般的であるが、その他、例えばケミカルエンボス法、射出成型法、注型成型法、感光性樹脂法、賦型フィルム法、厚膜印刷法、機械切削法、サンドブラスト法、エッチング法、部分メッキ法、電鋳法等、従来公知の任意の凹凸加工方法を適宜用いることができる。
【0032】エンボス模様2のなす柄の種類にも特に制限はなく、例えば木目柄、木目導管柄、石目柄、抽象柄、布目柄、和紙状、ヘアライン状、万線状、幾何学図形、文字又は記号等、或いはそれらの複数種の組み合わせ等、所望により任意である。但し、エンボス模様2の凹部を除く一般平面部の面積比率が著しく少ない柄であると、本発明の効果は必ずしも十分に発揮されず、例えば木目導管柄等の様に、凹部よりも一般平面部の面積比率の高い柄のエンボス模様2の場合に、本発明の効果が最も顕著に発揮される。
【0033】塗料塗膜7の形成に用いる塗料の種類にも特に制限はなく、従来より同種の化粧材における表面塗装に使用されている塗料であれば良い。この塗料は通例、合成樹脂を主成分とするものが用いられ、該合成樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等の熱可塑性樹脂や、硝化綿等の繊維素誘導体等の、非硬化性樹脂が用いられる場合もあるが、さらに耐溶剤性や耐摩耗性等の表面物性に優れた化粧材を得るために、例えばイソシアネート硬化型ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、アミノアルキド系樹脂、酸硬化型アクリル系樹脂等の熱硬化性樹脂や、(メタ)アクリレート系樹脂等の電離放射線硬化性樹脂等が用いられる場合もある。
【0034】また、上記塗料には必要に応じて、例えば着色剤、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、艶調整剤、減摩剤、滑剤、抗菌剤、防黴剤、帯電防止剤等の各種添加剤を適宜添加することもできる。これらの添加剤は、二層の塗料塗膜の両方に同等量を添加する必要性は必ずしもなく、例えば、減摩剤は先に塗工する塗料のみに添加することによって、表面のざらつき感や艶の低下を防止したり、艶調整剤や滑剤、抗菌剤等は、後から表面側に塗工する塗料のみに添加することによって、効果を落とすことなく使用量を削減することなども可能である。
【0035】
【実施例】<基材の調製>図4に示す様に、厚さ80μmのポリプロピレン系樹脂フィルムを基材シート91とし、その表面に、木目模様の絵柄層92と、2液ウレタン系のアンカー層93とを施した後、該アンカー層93上に、無水マレイン酸変性ランダムポリプロピレン樹脂からなる接着性樹脂層94と、ホモポリプロピレン樹脂からなる透明樹脂層95とを、厚さがそれぞれ15μm及び65μmとなる様に共押出ラミネート法て積層すると同時に、透明樹脂層95の表面に、金属製のエンボス冷却ロールを使用して、最大深度が50μmの木目導管柄のエンボス模様99を施して、化粧シート用の基材を作製した。
【0036】<実施例1〜4、比較例1〜3>上記基材の表面に、下表の要領で塗料塗膜98を塗工形成し、実施例1〜4及び比較例1〜3の化粧シートを作製した。但し、塗料は紫外線硬化型アクリル系樹脂(溶剤:酢酸エチル/1−プロパノール=1/1、固形分:50重量%)、スプレー塗工装置はエアロコートシステム(ノードソン株式会社製、ノズル:0.04−14″×1、平均ミスト径:0.8μm)を使用し、塗膜厚は、二層塗工の場合はスプレー塗工法にて5μm及びロール塗工法にて3μm、単層塗工の場合はスプレー塗工法又はロール塗工法にて8μm(いずれも乾燥硬化後)とした。実施例1及び2においては、スプレー塗工法による塗工後、70℃にて5秒間乾燥後、ロール塗工法による塗工を行った。塗工及び乾燥後、紫外線を照射して塗料塗膜を硬化させて、各化粧シートを完成した。なお、図4に示す構成は、実施例1又は実施例2の化粧シートの場合に相当する。
【0037】
塗工方法一覧 第一の塗料塗膜 第二の塗料塗膜 実施例1 スプレー塗工法(バウンド) ロール塗工法実施例2 スプレー塗工法(ダイレクト) ロール塗工法実施例3 ロール塗工法 スプレー塗工法(バウンド)
実施例4 ロール塗工法 スプレー塗工法(ダイレクト)
比較例1 スプレー塗工法(バウンド) (なし)
比較例2 スプレー塗工法(ダイレクト) (なし)
比較例3 ロール塗工法 (なし) 【0038】<評価>上記実施例1〜4及び比較例1〜3の化粧シートについて、エンボス模様の凹部への付着状態と、一般平面部における塗面の「ゆずはだ」(点付き状の艶ムラ)及び「まだら」(塗布量が場所により不均一なこと)の有無について評価した。その結果は下表のとおりであった。但し、評価は目視官能検査による5段階評価で、「5」が最も優れ(「ゆずはだ」及び「まだら」は、目視で認められないこと)、「1」が最も劣ることを意味する。
【0039】

【0040】
【発明の効果】以上詳細に説明した様に、本発明の化粧材の製造方法は、表面にエンボス模様が形成された基材の表面に、スプレー塗工法と、グラビア塗工法又はロール塗工法との、二種の塗工法を用いて塗料塗膜を塗工形成するので、スプレー塗工法によりエンボス模様の凹部の内面にも十分に塗料塗膜を塗工形成可能であるとともに、グラビア塗工法又はロール塗工法の併用により、スプレー塗工法による塗料塗膜の塗面の粗さを覆い隠し、レベリングし又は目立ちにくくすることができるので、エンボス模様の凹部の諸物性に優れ、しかも外観意匠品質も良好な化粧材を容易に製造することができるという顕著な効果を奏するものである。
【出願人】 【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
【住所又は居所】東京都台東区台東1丁目5番1号
【出願日】 平成13年11月30日(2001.11.30)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−164799(P2003−164799A)
【公開日】 平成15年6月10日(2003.6.10)
【出願番号】 特願2001−366551(P2001−366551)