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【発明の名称】 複層塗膜形成方法
【発明者】 【氏名】岡田 勝彦

【氏名】阿河 哲朗

【要約】 【課題】塗装時のVOC排出の問題及び塗装後の廃水処理等の問題がなく、加熱硬化時にトップコート層に塗膜異常や黄変を生じることなく、かつ得られる塗膜の仕上がり外観、耐擦り傷性にも優れる、複層塗膜形成方法を提供すること。

【解決手段】被塗物上に、顔料(D)含有ベース粉体塗料[I]を塗装、加熱し形成せしめた塗膜上に、40℃以上のガラス転移温度を有するエポキシ基含有ビニル共重合体(A)、0℃以下のガラス転移温度を有するエポキシ基含有ビニル共重合体(B)と、多価カルボン酸(C)を含有するトップコート粉体塗料[II]を塗装し加熱して塗膜を形成せしめることを特徴とする複層塗膜形成方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被塗物上に、顔料(D)を含有するベース粉体塗料[I]を塗装し加熱して塗膜を形成せしめた後、さらにその塗膜上に、40℃以上のガラス転移温度を有するエポキシ基含有ビニル共重合体(A)、0℃以下のガラス転移温度を有するエポキシ基含有ビニル共重合体(B)と、多価カルボン酸(C)を、必須の成分として含有するトップコート粉体塗料[II]を塗装し加熱して塗膜を形成せしめることを特徴とする、複層塗膜形成方法。
【請求項2】 被塗物上に、顔料(D)を含有するベース粉体塗料[I]を塗装した後、さらに引き続き、40℃以上のガラス転移温度を有するエポキシ基含有ビニル共重合体(A)、0℃以下のガラス転移温度を有するエポキシ基含有ビニル共重合体(B)と、多価カルボン酸(C)を、必須の成分として含有するトップコート粉体塗料[II]を塗装し加熱して塗膜を形成せしめることを特徴とする、複層塗膜形成方法。
【請求項3】 エポキシ基含有ビニル共重合体(B)が、エポキシ基含有ビニル共重合体(A)よりも低いSP値を有し、かつエポキシ基含有ビニル共重合体(A)とエポキシ基含有ビニル共重合体(B)のSP値の差が、0.5〜4.0である、請求項1又は2に記載の複層塗膜形成方法。
【請求項4】 トップコート粉体塗料[II]が透明トップコート塗料である、請求項3に記載の複層塗膜形成方法。
【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の複層塗膜形成方法によって塗膜が形成された塗装物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規にして有用なる複層塗膜形成方法に関する。さらに詳細には、本発明は、被塗物上に、顔料(D)を含有するベース粉体塗料[I]を塗装して塗膜を形成せしめた後、さらにその上に、40℃以上のガラス転移温度を有するエポキシ基含有ビニル共重合体(A)、ガラス転移温度が0℃以下のエポキシ基含有ビニル共重合体(B)、及び多価カルボン酸(C)とを必須の構成成分として含んでなるトップコート粉体塗料[II]を塗装し、塗膜を形成せしめることから成る、とりわけ、平滑性、鮮映性ならびに仕上がり外観などに優れる、極めて実用性の高い塗膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】粉体塗料は、塗装時に有機溶剤を大気中に揮散することのない、環境調和型塗料として金属塗装全般に広く使用されている。なかでも、エポキシ基含有ビニル共重合体を樹脂成分とし、多価カルボン酸化合物を硬化剤成分として用いた形の粉体塗料が、とりわけ、耐候性に優れた塗膜を形成し得るものであるという処から、広範に適用し利用されている。
【0003】しかしながら、この種の粉体塗料は、とりわけ、耐擦傷性などに劣るという欠点を有しており、斯かる耐擦傷性などを改良しようとすると、とりわけ、塗膜の仕上がり外観などが低下し易くなるし、ひいては、諸性能のバランスをとることが、頗る、困難であった。
【0004】これに対して、仕上がり外観並びに耐擦り傷性に優れるような粉体塗料用組成物及びその塗装法が開示されている。(特開平09−227799号公報) 当該粉体塗料組成物を用いれば、仕上がり外観、耐擦り傷性に優れた塗膜を得ることができることから、その特徴を生かして、従来は仕上がり外観や耐擦り傷性の性能の問題から粉体塗料の使用が困難であった自動車トップクリヤー用等の用途への展開も有望である。
【0005】自動車用塗料等では、トップクリヤー用塗料だけでなく、ベース用塗料も環境調和型塗料への移行が検討されている。現在は、水性着色ベース塗料と粉体トップクリヤー塗料の組み合わせが主として検討されているが、水性塗料を使用する場合には、廃水処理にかかる費用が大きいという問題がある。また、加熱硬化時に水性塗料から蒸発する揮発性成分により、トップコート層にワキ、ヘコミ等の塗膜異常や黄変等が生じる場合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上述した従来技術における問題点を解決し、塗装時のVOC排出の問題及び塗装後の廃水処理等の問題がなく、加熱硬化時にトップコート層のワキ、ヘコミ等の塗膜異常や黄変がなく、しかも塗膜の仕上がり外観にも優れる、極めて実用性の高い、複層塗膜形成方法を得るべく、鋭意、研究を開始した。
【0007】したがって、本発明が解決しようとする課題は、塗装時のVOC排出の問題及び塗装後の廃水処理等の問題がなく、また加熱硬化時にトップコート層に塗膜異常や黄変を生じることなく、しかも得られる塗膜の仕上がり外観ならびに耐擦り傷性にも優れる複層塗膜形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した課題を解決するべく、鋭意、研究を重ねた結果、被塗物上に、顔料(D)を含有するベース粉体塗料[I]を塗装して塗膜を形成せしめた後、さらにその上に、40℃以上のガラス転移温度を有するエポキシ基含有ビニル共重合体(A)、0℃以下のガラス転移温度を有するエポキシ基含有ビニル共重合体(B)と、多価カルボン酸(C)を、必須の成分として含有するトップコート粉体塗料[II]を塗装して塗膜を形成せしめる複層塗膜形成方法が、塗装時のVOC排出の問題及び塗装後の廃水処理等の問題なく、加熱硬化時にトップコート層に塗膜異常や黄変を生じることなく、しかも得られる塗膜の仕上がり外観にも優れることを見出し、ここに本発明を完成させるに至った。
【0008】すなわち、本発明は、被塗物上に、顔料(D)を含有するベース粉体塗料[I]を塗装し加熱して塗膜を形成せしめた後、さらにその塗膜上に、40℃以上のガラス転移温度を有するエポキシ基含有ビニル共重合体(A)、0℃以下のガラス転移温度を有するエポキシ基含有ビニル共重合体(B)と、多価カルボン酸(C)を、必須の成分として含有するトップコート粉体塗料[II]を塗装し加熱して塗膜を形成せしめることを特徴とする複層塗膜形成方法、及び上記複層塗膜形成方法によって塗膜が形成された塗装物を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の詳細を具体的に述べることにする。本発明の複層塗膜形成方法は、被塗物上に、顔料(D)を含有するベース粉体塗料[I]を塗装して塗膜を形成せしめた後、さらにその上に、40℃以上のガラス転移温度を有するエポキシ基含有ビニル共重合体(A)、0℃以下のガラス転移温度を有するエポキシ基含有ビニル共重合体(B)と、多価カルボン酸(C)を、必須の成分として含有するトップコート粉体塗料[II]を塗装して塗膜を形成せしめることからなる。
【0010】ここにおいて、被塗物とは塗料が塗布される基材をいい、具体的には、未塗装の鋼板、未処理の若しくは化成処理されたアルミ基材等の未塗装金属素材であって、自動車車体、2輪車車体等の道路車両に使用される基材や、アルミホイ−ル等の自動車部品用に使用される基材等が挙げられるし、また電着塗装がほどこされた状態の自動車車体等の道路車両に使用される基材も含まれる。さらに、家電製品、自動販売機、スチ−ル家具等に使用される基材、例えば電気亜鉛メッキ鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板等や、瓦類;ガラス類;または各種の無機質建材類;門扉またはフェンス類の如き、各種の建材類;アルミサッシ類の如き、各種の建築内外装用資材類等も例示される。
【0011】これらの基材は、最終用途に応じた形状に加工されたものでも良いし、またPCM(プレコ−トメタル)塗装法が適用される形態、つまりおおまかに平板状の切板状基材であって本発明の方法により複層塗膜が形成された後に目的に応じた所定の形状に折り曲げ加工されるものであっても良いし、さらにはコイルコ−ティングのような完全に後加工に供される塗装システムに使用される基材でも良い。
【0012】また、必要に応じて、これらの基材上に中塗り塗料による塗膜が形成されたものも、被塗物として好適に使用できる。ここにおいて、中塗り塗料とは、上記した基材上に、最終的に得られる複層塗膜の、平滑性、耐チッピング性、層間付着性の向上等のために塗布される塗料であって、かかる中塗り塗料としては、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂の如き各種主剤成分と、アミノ樹脂あるいはポリイソシアネート化合物の如き硬化剤成分とからなるような、有機溶剤型、非水分散型、粉体、水可溶型あるいは水分散型の熱硬化性ないしは常温硬化性塗料がいずれも使用できる。
【0013】次に、顔料(D)を含有するベース粉体塗料[I]について述べることにする。本発明のベ−ス粉体塗料[I]は、基材上に直接、あるいは中塗り塗料により形成された塗膜上に、塗装されて着色塗膜を形成する。水性塗料のように、廃水処理の必要がなく、加熱硬化時にトップコート層の黄変や塗膜異常の原因となる揮発成分を含まないことから、好適に使用される。
【0014】ベース粉体塗料[I]は、熱可塑性、熱硬化性いずれも使用できるが、塗膜の機械的物性等に優れることから、熱硬化性樹脂(E)と硬化剤(F)の組み合わせからなる熱硬化性粉体塗料が特に好ましい。
【0015】ベース粉体塗料[I]の種類としては、アクリル粉体塗料、ポリエステル粉体塗料、ポリエステル/アクリル複合硬化型粉体塗料、ポリエステル/エポキシ粉体塗料、エポキシ粉体塗料等公知慣用のものが使用できるが、顔料分散性、塗膜の機械的物性に優れることから、アクリル粉体塗料、ポリエステル粉体塗料、ポリエステル/アクリル複合硬化型粉体塗料が好適に使用できる。
【0016】熱硬化性樹脂(E)としては、粉体塗料用に使用されているような公知慣用のものがいずれも使用できるが、なかでも、塗膜の機械的物性、顔料分散性に優れることからアクリル樹脂、ポリエステル樹脂が好ましく使用できる。
【0017】まず、熱硬化性樹脂(E)が、熱硬化性アクリル樹脂(E−1)である場合、当該熱硬化性アクリル樹脂(E―1)の硬化反応性基としては、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、酸無水基、(ブロック)イソシアネート基などが挙げられるが、製造が容易なことから、エポキシ基、カルボキシル基および水酸基からなる群から選ばれる少なくとも1つであることが望ましい。なかでも、貯蔵安定性や塗膜外観に優れることから、硬化反応性基の少なくとも一種はエポキシ基であることがより好ましい。
【0018】硬化反応性基を有するビニル単量体類として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、まず、硬化反応性基がエポキシ基の場合には、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、アリルグリシジルエーテルの如き、各種のエポキシ基含有単量体類;(2−オキソ−1,3−オキソラン)メチル(メタ)アクリレートの如き、(2−オキソ−1,3−オキソラン)基含有ビニル単量体類;3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレートの如き、各種の脂環式エポキシ基含有ビニル単量体などがある。
【0019】硬化反応性基がカルボキシル基の場合には、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸の如き、各種のカルボキシル基含有単量体類;フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノブチル、フマル酸モノイソブチル、フマル酸モノtert−ブチル、フマル酸モノヘキシル、フマル酸モノオクチル、フマル酸モノ2−エチルヘキシル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノイソブチル、マレイン酸モノtert−ブチル、マレイン酸モノヘキシル、マレイン酸モノオクチル、マレイン酸モノ2−エチルヘキシルの如き、各種のα,β−不飽和ジカルボン酸と、炭素数が1〜18なる1価アルコールとのモノエステル類;イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノブチル、イタコン酸モノイソブチル、イタコン酸モノヘキシル、イタコン酸モノオクチル、イタコン酸モノ2−エチルヘキシルの如き、イタコン酸モノアルキルエステルなどがある。
【0020】硬化反応性基が水酸基の場合には、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートの如き、各種の水酸基含有(メタ)アクリレート類;上掲したような各種の(メタ)アクリレートと、ε−カプロラクトンの付加反応生成物;
【0021】2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテルの如き、各種の水酸基含有ビニルエーテル類;上掲したような各種のビニルエーテルと、ε−カプロラクトンとの付加反応生成物;
【0022】2−ヒドロキシエチル(メタ)アリルエーテル、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アリルエーテル、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アリルエーテル、4−ヒドロキシブチル(メタ)アリルエーテル、3−ヒドロキシブチル(メタ)アリルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル(メタ)アリルエーテル、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アリルエーテル、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アリルエーテルの如き、各種の水酸基含有アリルエーテル;上掲したような各種のアリルエーテルと、ε−カプロラクトンとの付加反応生成物などがある。
【0023】さらに、他の共重合可能なビニル単量体類をも、必要に応じて、使用できるが、かかる他の共重合可能な単量体類として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチルまたは(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、【0024】(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルオクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ラウリルまたは(メタ)アクリル酸ステアリルの如き、(メタ)アクリル酸アルキルエステルや、【0025】(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチルまたは(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、【0026】あるいはエチルカルビトール(メタ)アクリレートの如き、各種のアルキルカルビトール(メタ)アクリレートなどをはじめ、さらには、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートまたはジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレートの如き、各種の(メタ)アクリル酸エステル類;
【0027】エチレン、プロピレン、ブテン−1の如き、各種のα−オレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデンの如き、フルオロオレフィンを除く各種のハロゲン化オレフィン類(ハロ・オレフィン類);スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの如き、各種の芳香族ビニル単量体;
【0028】フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル、イタコン酸ジオクチルの如き、各種の不飽和ジカルボン酸と、炭素数が1〜18なる1価アルコールとのジエステル類;
【0029】N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドの如き、各種のアミノ基含有アミド系不飽和単量体類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートの如き、各種のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類;
【0030】tert−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、tert−ブチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、ピロリジニルエチル(メタ)アクリレート、ピペリジニルエチル(メタ)アクリレートの如き、各種のアミノ基含有単量体類;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水(メタ)アクリル酸、無水テトラヒドロフタル酸の如き、各種の酸無水基含有単量体類;【0031】ジエチル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、ジブチル−2−(メタ)アクリロイルオキシブチルフォスフェート、ジオクチル−2−(メアクリロイルオキシエチルフォスフェート、ジフェニル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェートの如き、各種の燐酸エステル基含有単量体類;γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランの如き、各種の加水分解性シリル基含有単量体;
【0032】酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、炭素原子数9なる分岐状(分枝状)脂肪族カルボン酸ビニル、炭素原子数10なる分岐状脂肪族カルボン酸ビニル、炭素原子数11なる分岐脂肪族カルボン酸ビニル、ステアリン酸ビニルの如き、各種の脂肪族カルボン酸ビニル類;
【0033】シクロヘキサンカルボン酸ビニル、メチルシクロヘキサンカルボン酸ビニル、安息香酸ビニル、p−tert−ブチル安息香酸ビニルの如き、環状構造を有するカルボン酸の、各種のビニルエステル類などがある。
【0034】以上に例示したような、種々の硬化反応性基含有ビニル単量体の使用量は、使用するビニル単量体総量の10〜70重量%なる範囲内が好ましい。硬化反応性基含有ビニル単量体の使用量が上記した範囲内であれば、機械的物性及び柔軟性に優れるような塗膜を得ることができる。
【0035】熱硬化性アクリル樹脂(E−1)の調製に際して使用する、有機溶剤としては、公知慣用の有機溶剤を使用することができる。
【0036】かかる有機溶剤として代表的なもののみを例示するにとどめれば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノールの如き、アルキルアルコール類;
【0037】メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテルの如き、グリコールエーテル類;
【0038】ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンの如き芳香族炭化水素類;エクソンアロマティックナフサNo.2(米国エクソン社製)の如き、芳香族炭化水素を含有する混合炭化水素類;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタンの如き、脂肪族炭化水素類;アイソパーC、アイソパーE、エクソールDSP100/140,エクソールD30(いずれも米国エクソン社製)、IPソルベント1016(出光石油化学社製)の如き、脂肪族炭化水素を含有する混合炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンの如き、脂環族炭化水素類;
【0039】テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテルの如き、エーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンの如き、ケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチルの如き、エステル類等がある。
【0040】熱硬化性アクリル樹脂(E−1)の調製の際に使用する、ラジカル重合開始剤としては、公知慣用の種々の化合物を使用することが出来る。
【0041】それらのうちでも特に代表的なるもののみを例示するにとどめるならば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−メチルブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1'−アゾビス−シクロヘキサンカルボニトリル、ジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレート、4,4'−アゾビス−4−シアノ吉草酸、2,2'−アゾビス−(2−アミジノプロペン)2塩酸塩、2−tert−ブチルアゾ−2−シアノプロパン、2,2'−アゾビス(2−メチル−プロピオンアミド)2水和物、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロペン]または2,2'−アゾビス(2,2,4−トリメチルペンタン)の如き、各種のアゾ化合物;
【0042】あるいは過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、カリウムパーサルフェート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス−tert−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンまたはtert−ブチルパーオキシーラウレート、【0043】tert−ブチルパーオキシイソフタレート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキシドまたはジ−tert−ブチルパーオキシドの如き、各種のケトンパーオキシド類;パーオキシケタール類;ハイドロパーオキシド類;ジアルキルパーオキシド類;ジアシルパーオキシド類;パーオキシエステル類;パーオキシジカーボネート類;あるいは過酸化水素などである。
【0044】当該熱硬化性アクリル樹脂(E−1)の数平均分子量としては、1,000〜20,000の範囲内にあることが好ましく、なかでも1,500〜15,000なる範囲内にあることがより好ましい。当該熱硬化性アクリル樹脂(B−1)の数平均分子量が上記した範囲内であれば、平滑性に優れ、しかも機械的物性にも優れる塗膜を得ることができる。
【0045】当該熱硬化性樹脂(E)として用いる熱硬化性ポリエステル樹脂(E−2)を得るための調製方法については、特に制限はなく、多価アルコールと多塩基酸を縮合せしめる方法により製造する、公知慣用の種々の方法が利用できる。硬化反応性基としては、調製の容易さから、カルボキシル基及び/または水酸基が好ましく採用される。
【0046】熱硬化性ポリエステル樹脂(E−2)の原料として使用し得る多価アルコールならびに多塩基酸もまた、公知慣用の種々の化合物が使用でき、これら多価アルコールと多塩基酸の使用量を調節することにより、カルボキシル基及び/または水酸基を有する熱硬化性ポリエステル樹脂(E−2)を得ることができる。
【0047】まず、上記した多価アルコールとして特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、ビス−ヒドロキシエチルテレフタレート、シクロヘキサンジメタノール、オクタンジオール、ジエチルプロパンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチルペンタンジオール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートなどがある。
【0048】他方の、上記した多塩基酸として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、メチルテレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸あるいはそれらの無水物;コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸あるいはそれらの無水物;マレイン酸、イタコン酸あるいはそれらの無水物;フマル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸あるいはそれらの無水物;シクロヘキサンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などがある。
【0049】さらに、熱硬化性ポリエステル樹脂(E−2)の原料としては、ジメタノールプロピオン酸、ヒドロキシピバレートの如き、一分子中にカルボキシル基と水酸基とを併せ有する化合物;「カージュラ E10」(オランダ国シェル社製の、分岐脂肪族カルボン酸のグリシジルエステルの商品名)などのモノエポキシ化合物;メタノール、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコールの如き、種々の1価アルコール;安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸の如き、種々の1価の塩基酸;ひまし油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸の如き、種々の脂肪酸類なども使用することができる。
【0050】以上に掲げたような、種々の多価アルコール、多塩基酸、その他の原料等を用いて得られる、ポリエステル樹脂としては、酸価と水酸基価との合計が10〜250(mgKOH/g;以下同様)なる範囲内で、しかも、数平均分子量が500〜10,000なる範囲内であるような形のものの使用が好ましい。
【0051】酸価と水酸基価との合計が上記した範囲内であれば、平滑性及び機械的物性により優れる塗膜を得ることができる。さらに、数平均分子量が上記した範囲内であれば、平滑性及び機械的物性に優れる塗膜が得られるばかりでなく、貯蔵安定性にもより優れるような塗料を得ることができる。
【0052】当該熱硬化性ポリエステル樹脂(E−2)の構造は、上述したような樹脂の諸特性値の範囲内であれば、特に制限されるものではなく、分岐構造のものでも、線状構造のものでもよい。
【0053】当該熱硬化性樹脂(E)として用いることのできるエポキシ樹脂としては、特に限定はないが、例えばビスフェノール−Aのポリグリシジルエーテルの如きエポキシ樹脂が挙げられる。
【0054】次に、硬化剤(F)について述べる。本発明で用いられるところの硬化剤(F)は、熱硬化性樹脂(E)の硬化反応性基の種類に応じて、通常粉体塗料用として使用されているようなものが、適宜選択して使用される。
【0055】かかる硬化剤(F)としては、熱硬化性樹脂(E)の硬化反応性基がエポキシ基の場合、特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ドデカン二酸、アイコサン二酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、あるいはこれらの酸無水物やウレタン変性物などがあり、なかでも塗膜物性、貯蔵安定性に優れることから、脂肪族二塩基酸が好ましく、特に塗膜物性に優れることから、ドデカン二酸が特に好ましい。
【0056】また、熱硬化性樹脂(E)の硬化反応性基がカルボキシル基の場合、硬化剤(F)として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、ビスフェノールAのポリグリシジルエーテルの如き、種々のエポキシ樹脂;グリシジル基含有アクリル樹脂の如き、エポキシ基含有アクリル樹脂;1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンの如き、種々の多価アルコールのポリグリシジルエーテル類;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸の如き、種々の多価カルボン酸のポリグリシジルエステル類;ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルアジペートの如き、種々の脂環式エポキシ基含有化合物;トリグリシジルイソシアヌレート、β−ヒドロキシアルキルアミドなどのヒドロキシアミド類が挙げられる。
【0057】熱硬化性樹脂(E)の硬化反応性基が水酸基の場合、硬化剤(F)として特に代表的なものとしては、ポリブロックイソシアネート化合物や、アミノプラスト等が好適である。
【0058】ポリブロックポリイソシアネート化合物として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの如き、各種の脂肪族ジイソシアネート類;キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートの如き、各種の環状脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートの如き、各種の芳香族ジイソシアネート類などの有機ジイソシアネート、あるいは此等の有機ジイソシアネートと、多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂(ポリエステルポリオール)または水などとの付加物などがあるし、【0059】さらには、上掲したような有機ジイソシアネート同志の重合体(イソシアヌレート型ポリイソシアネート化合物をも含む。)や、イソシアネート・ビウレット体などのような各種のポリイソシアネート化合物を公知慣用のブロック化剤で以てブロック化せしめて得られる形のものや、ウレトジオン結合を構造単位として有する、いわゆるセルフ・ブロックポリイソシアネート化合物等が挙げられる。
【0060】一方、アミノプラストとしては、例えばメラミン、尿素、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミンの如き、種々のアミノ基含有化合物と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グリオキザールの如き、種々のアルデヒド系化合物成分とを、公知慣用の種々の方法により反応せしめることによって得られる形の縮合物、あるいは此等の縮合物を、アルコール類で以てエーテル化せしめることによって得られる形の化合物などがある。
【0061】かかるアミノプラストとして特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、ヘキサメトキシメチロールメラミン、ヘキサブチルエーテル化メチロールメラミン、メチルブチル混合エーテル化メチロールメラミン、メチルエーテル化メチロールメラミン、n−ブチルエーテル化メチロールメラミン、イソブチルエーテル化メチロールメラミン、あるいはそれらの縮合物;ヘキサメトキシグリコールウリル、ヘキサブトキシグリコールウリル、テトラメトキシメチルグリコールウリルの如き、種々の双環状化合物;脂肪族二塩基酸と、ジエタノールアミンなどのような種々のアルカノールアミンとの縮合反応によって得られるという形の種々の酸アミド類;N−メチロールアクリルアミドのブチルエーテルなどのような重合性単量体を単独で、あるいは他の共重合可能なる単量体類と共重合反応せしめて得られるような、種々の高分子化合物などがある。
【0062】尚、上記ヘキサメトキシメチロールメラミンは「サイメル 300、301もしくは303」(三井サイアナミッド社製品)として;メチルブチル混合エーテル化メチロールメラミンは「サイメル 238、232もしくは266」(三井サイアナミッド社製品)として;n−ブチルエーテル化メチロールメラミンは「スーパーベッカミン L−164」(大日本インキ化学工業(株)社製品)として;テトラメトキシメチルグリコールウリルは「パウダーリンク(POWDERLINK) 1174」(米国アメリカン・サイアナミッド社製品)として;酸アミド類は「プリミド(PRIMID) XL−552」、「プリミド (PRIMID) QM−1260」(EMS社製品)として、それぞれ市販されている。
【0063】上記硬化剤(F)は、単独でも2種以上を組み合わせて使用してもよい。熱硬化性樹脂(E)の硬化反応性基と硬化剤(F)の配合量は、硬化剤(F)の当量に対する熱硬化性樹脂(E)の硬化反応性基の当量比が、2.0〜0.5の間であることが好ましい。
【0064】ベース粉体塗料[I]は、顔料(D)を含有するものである。ここで顔料(D)とは、アルミフレ−ク、マイカフレ−ク等の光輝性(メタリック調)顔料、有機顔料、酸化チタン等の無機顔料や体質顔料等を総称するものである。
【0065】本発明の複層塗膜形成方法は、加熱硬化による塗膜形成時のトップコート層の黄変や、塗膜異常を起こす恐れがないばかりでなく、特に得られる塗膜の平滑性に優れることから、高仕上がり外観が要求される光輝性顔料含有ベース塗料を使用する場合の複層塗膜形成方法として好適である。
【0066】顔料(D)の例としては、公知慣用の種々のものが掲げられるが、それらのうちでも特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、【0067】光輝性顔料としては、アルミニウム粉、金粉、銀粉、銅粉、ブロンズ粉または真鍮粉の如き、各種の金属粉末顔料;あるいは此等の金属フレーク顔料ならびにマイカ・フレーク顔料;金属酸化物を被覆した形のマイカ・フレーク顔料や、雲母状酸化鉄顔料などといった部類のメタリック顔料や、パール顔料などがあげられる。
【0068】有機顔料としては、ベンチジンエロー、ハンザエローまたはレーキッド4Rの如き、各種の不溶性アゾ顔料;レーキッドC、カーミン6Bまたはボルドー10の如き溶性アゾ顔料;
【0069】フタロシアニンブルーまたはフタロシアニングリーンの如き、各種の銅フタロシアニン系顔料;ローダミンレーキまたはメチルバイオレットレーキの如き、各種の塩素性染め付けレーキ;キノリンレーキまたはファストスカイブルーの如き、各種の媒染染料系顔料;
【0070】あるいはアンスラキノン系、チオインジゴ系またはペリノン系の如き、各種の建染染料系顔料;シンカシアレッドBの如き、各種のキナクリドン系顔料;ヂオキサジンバイオレットの如き、各種のヂオキサジン系顔料;クロモフタールの如き、各種の縮合アゾ顔料などをはじめ、さらには、アニリンブラックなどである。
【0071】次いで、無機顔料としては、黄鉛、ジンククロメートまたはモリブデートオレンジの如き、各種のクロム酸塩;紺青の如き、各種のフェロシアン化合物;酸化チタン、亜鉛華、マピコエロー、酸化鉄、ベンガラまたは酸化クロームグリーンの如き、各種の金属酸化物;
【0072】カドミウムエロー、カドミウムレッドまたは硫化水銀の如き、各種の硫化物ないしはセレン化物;硫酸バリウムまたは硫酸鉛の如き、各種の硫酸塩;ケイ酸カルシウムまたは群青の如き、各種のケイサン塩;炭酸カルシウムまたは炭酸マグネシウムの如き、各種の炭酸塩;コバルトバイオレットまたはマンガン紫の如き、各種の燐酸塩;等が挙げられる。
【0073】さらに、体質顔料としては、沈降性硫酸バリウム、ご粉、石膏、アルミナ白、クレー、シリカ、シリカ白、タルク、沈降性炭酸マグネシウムまたはカオリンなどであるし、さらには、カーボンブラックなどをも、此の種の顔料類として使用することが出来る。
【0074】ベ−ス粉体塗料塗料[I]は、顔料(D)の他にも、硬化促進剤、レベリング剤、顔料分散剤等の公知慣用の添加剤を添加して使用することができる。
【0075】本発明のベース用粉体塗料[I]を調製するには、公知慣用の、いずれの方法をも採用することが出来るが、通常は、前述したような諸成分を混合せしめたのちに、加熱ロールまたはエクストルーダーなどのような種々の溶融混練機により、約50〜約130℃なる温度で、充分に溶融混合せしめ、冷却せしめたのちに、粉砕・分級せしめるということによって、目的とする粉体塗料と為す方法が採られている。
【0076】熱硬化性樹脂(E)が溶液に溶解した状態で得られるような場合には、予め熱硬化性樹脂(E)の溶液中に、サンドミル等の公知慣用の顔料分散機を使用して顔料(D)を分散させておき、しかる後に他の諸成分と混合せしめて溶融混練する方法も採用できる。
【0077】光輝性顔料を使用する場合には、上述した方法でベース粉体塗料[I]を調製すると、光輝性顔料が変色したり、得られる塗膜の光輝感が低下したりしやすいため、予め他の原料を溶融混練、粉砕、分級した後、光輝性顔料をドライブレンドしてベース粉体塗料[I]として用いる方法が適している。
【0078】次に、トップクリヤー粉体塗料[II]について述べる。本発明におけるトップコート塗料[II]は、透明トップコート塗料が好ましい。当該透明トップコート塗料は、透明であれば顔料により着色されていてもよい。
【0079】本発明のトップクリヤー粉体塗料[II]は、40℃以上のガラス転移温度を有するエポキシ基含有ビニル共重合体(A)、0℃以下のガラス転移温度を有するエポキシ基含有ビニル共重合体(B)と、多価カルボン酸(C)を、必須の成分として含有してなる。
【0080】これらの中で、まず、ガラス転移温度が40℃以上のエポキシ基含有ビニル共重合体(A)について述べることにする。
【0081】ガラス転移温度が40℃以上のエポキシ基含有ビニル共重合体(A)とは、一分子中に、エポキシ基を好ましくは平均して二個以上有し、かつガラス転移温度が40℃以上であるビニル共重合体を指称するものである。
【0082】当該エポキシ基含有ビニル共重合体(A)を調製するには公知慣用の方法が適用できるが、エポキシ基含有ビニル単量体を、さらに必要に応じて他の共重合可能なビニル単量体類をも用いて、これらの各単量体類を有機溶剤中で重合せしめるという方法が、最も簡便であるので推奨される。その際に使用する重合開始剤や溶剤としては、公知慣用のものがそのまま使用できる。
【0083】エポキシ基含有ビニル共重合体(A)の調製に際して使用する、エポキシ基含有ビニル単量体として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、【0084】グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、アリルグリシジルエーテルの如き、各種のエポキシ基含有単量体類;(2−オキソ−1,3−オキソラン)メチル(メタ)アクリレートの如き、(2−オキソ−1,3−オキソラン)基含有ビニル単量体類;3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレートの如き、各種の脂環式エポキシ基含有ビニル単量体などがある。
【0085】こうしたエポキシ基含有ビニル単量体と共重合可能な、その他のビニル単量体としては、熱硬化性アクリル樹脂(E−1)の説明で述べたような公知慣用の種々のエチレン性不飽和結合含有単量体などをも使用することが出来る。これらは単独でも、2種以上の併用でもよい。
【0086】当該エポキシ基含有ビニル共重合体(A)の調製の際に使用する、ラジカル重合開始剤や有機溶剤としては、熱硬化性アクリル樹脂(E−1)の説明で述べたような、公知慣用の種々の化合物を使用することが出来る。
【0087】また、必要に応じて、熱硬化性アクリル樹脂(E−1)の説明で述べたような、連鎖移動剤を用いることもできる。
【0088】上述したような、ガラス転移温度40℃以上のエポキシ基含有ビニル共重合体(A)中のエポキシ当量は、約250〜約450が好ましく、300〜400の範囲内であることがより好ましい。
【0089】また、エポキシ基含有ビニル共重合体(A)の数平均分子量としては、約1,000〜約10,000の範囲内が好ましく、さらには、1,500〜6,000の範囲内がより好ましい。
【0090】次いで、ガラス転移温度0℃以下のエポキシ基含有ビニル共重合体(B)について述べる。当該エポキシ基含有ビニル共重合体(B)は、エポキシ基含有ビニル単量体と、さらに必要に応じて他のビニル単量体類をも用いて、これらの各単量体類を有機溶剤中で重合せしめるという方法により調製される。その際に使用されるビニル単量体類として、前記のガラス転移温度が40℃以上のエポキシ基含有ビニル共重合体(A)の調製に用いられるようなビニル単量体類が使用できる。
【0091】さらに、使用されるビニル単量体類において、炭素数4以上のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル(b−1)の、使用されるビニル単量体類の全量中に占める割合が、30〜90重量%であることが好ましく、40〜80重量%であることがより好ましい。炭素数4以上のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル(b−1)の、使用されるビニル単量体類の全量中に占める割合を、30〜90重量%、より好ましくは40〜80重量%とすることにより、最終的に得られる塗膜の平滑性、耐擦り傷性が向上するばかりでなく、特に耐湿性、耐水性にも優れる塗膜を得ることができる。
【0092】かかる炭素数4以上のアルキルを有するメタクリル酸アルキルエステル(b−1)としては、メタクリル酸アルキルエステルのうち、アルキル基の炭素数が4以上のものが使用でき、特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸2−エチルオクチル、メタクリル酸n−デシル、メタクリル酸イソデシル、メタアクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸エイコシル、メタクリル酸テトラエイコシル等があげられる。これらの炭素数4以上のアルキルを有するメタクリル酸アルキルエステル(b−1)は単独でも、2種以上を併用してもよい。
【0093】これらの炭素数4以上のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル(b−1)のなかでも、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリルの使用が特に好ましい。
【0094】重合開始剤や溶剤としては、前記のエポキシ基含有ビニル共重合体(A)の調製の際に用いるような、上掲した、それぞれ、エポキシ基含有ビニル単量体、その他のビニル単量体ならびにラジカル重合開始剤が、さらには、連鎖移動剤が、そのまま使用できる。
【0095】エポキシ基含有ビニル共重合体(B)のエポキシ当量は1500以下であることが好ましく、800以下であることがより好ましい。エポキシ基含有ビニル共重合体(B)のエポキシ当量が好ましくは1500以下、より好ましくは800以下であれば、得られる塗膜の耐擦り傷性が向上する。
【0096】また、エポキシ基含有ビニル系共重合体(B)の数平均分子量としては、約2,000〜約20,000の範囲内が好ましく、4,000〜15,000の範囲内であることがより好ましい。
【0097】当該エポキシ基含有ビニル共重合体(B)の添加量としては、(A)成分に対して、約0.1〜約10重量%の範囲内が好ましく、0.5〜5重量%の範囲内がより好ましく、1〜4重量%の範囲内がさらに特に好ましい。さらに、エポキシ基含有ビニル共重合体(A)とエポキシ基含有ビニル共重合体(B)は、上記したエポキシ基含有ビニル共重合体(B)の添加量の範囲内において、実質的に相溶しないことが望ましい。ここで、実質的に相溶しないとは、エポキシ含有ビニル共重合体(A)と、エポキシ基含有ビニル共重合体(B)とを上記した範囲で混合、加熱して、両者を溶融させた後、冷却して被膜を形成させたとき、その被膜に濁りが認められる場合をいう。
【0098】上記したエポキシ基含有ビニル共重合体(A)とエポキシ基含有ビニル共重合体(B)が実質的に相溶しないようにするためには、エポキシ基含有ビニル共重合体(A)と、エポキシ基含有ビニル共重合体(B)のSP値の差は、0.5〜6.0、より好ましくは1.0〜4.0の範囲内であることが望ましく、また、エポキシ基含有ビニル系共重合体(B)は、エポキシ基含有ビニル共重合体(A)よりも低いSP値を有することが好ましい。
【0099】ここで、SP値とは、樹脂の極性を表すパラメータであり、以下の方法により求められる。
【0100】サンプル樹脂0.5gを100mlマイヤーフラスコに秤量し、テトラヒドロフラン(THF)10mlを加えて樹脂を溶解する。溶解した溶液を液温25℃に保持し、マグネチックスターラーで攪拌しながら、50mlビュレットを用いてヘキサンを滴下していき、溶液に濁りが生じた点(濁点)の滴下量(vh)を求める。
【0101】次に、ヘキサンの代わりに脱イオン水を使用したときの、濁点における滴下量(vd)を求める。
【0102】vh、vdより、樹脂のSP値δは、SUH,CLARKE[J. Polym. Sci. A-1 , Vol.5,1671-1681 (1967)]により示された式を用いて、以下のようにして、求めることができる。
δ=((Vmh(1/2)δmh+(Vmd(1/2)δmd)/(Vmh(1/2)+(Vmd(1/2)
ここで、Vmh=(Vh・Vt)/(φh・Vt+φt・Vh) 、Vmd=(Vd・Vt)/(φd・Vt+φt・Vd
δmh=φh・δh+φt・δt 、δmd=φd・δd+φt・δtφh,φd,φt ;濁点における、ヘキサン,脱イオン水,THFの体積分率(φh=vh/(vh+10)、φd=/(vd+10))
δh,δd,δt ;ヘキサン,脱イオン水,THFのSP値Vh,Vd,Vt ;ヘキサン,脱イオン水,THFの分子容(ml/mol)【0103】さらに、エポキシ基含有ビニル共重合体(B)の数平均分子量の、エポキシ基含有ビニル共重合体(A)の数平均分子量に対する比((Bの数平均分子量)/(Aの数平均分子量))は、1.5〜5.0の範囲であることが好ましく、2.5〜5.0の範囲であることがより好ましい、。
【0104】エポキシ基含有ビニル共重合体(B)とエポキシ基含有ビニル共重合体(A)のエポキシ当量の比((Bのエポキシ当量)/(Aのエポキシ当量))は、1.2〜7.0の範囲内であることが好ましく、1.2〜2.5の範囲内であることがより好ましい。
【0105】次いで、前記した多価カルボン酸(C)としては、主として、脂肪族または芳香族の多価カルボン酸類を使用することができる。それらのうちでも特に代表的なるもののみを例示するにとどめることにすれば、【0106】コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ブラシリン酸、ドデカン2酸、エイコサン2酸、テトラエイコサン2酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸またはグルタコン酸;
【0107】さらには、フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸またはシクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸;あるいはこれらの酸無水物等である。
【0108】さらに、上述した多価カルボン酸あるいはその無水物と、ポリイソシアネート化合物を反応せしめて得られるウレタン変性化合物等も使用できる。これらの多価カルボン酸(C)は、単独でも2種以上を併用してもよい。これらのうちでも、なかでも塗膜物性、貯蔵安定性に優れることから、脂肪族二塩基酸が好ましく、特に塗膜物性に優れることから、ドデカン2酸が好適に使用できる。
【0109】ここにおいて、前述したエポキシ基含有多官能性ビニル系共重合体(A)および(B)と、当該多価カルボン酸(C)との配合比としては、前者共重合体(A)および(B)中のエポキシ基と、多価カルボン酸(C)中のカルボキシル基との、((A)+(B))/(C)なる当量比で以て、約0.5〜約2.0の範囲内が好ましく、約0.8〜約1.2の範囲内がより好ましい。
【0110】かくして得られる、本発明の粉体塗料用組成物には、さらに、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂またはポリアミド樹脂の如き、各種の合成樹脂などをはじめ、【0111】硬化触媒、流動調節剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、ベンゾイン、帯電防止剤、酸化防止剤、セルロースエステルなどのような、公知慣用の種々の塗料用添加剤類あるいは上述したような顔料(D)等を、必要に応じて加えて使用することが出来る。
【0112】かかる添加剤類のうちで、紫外線吸収剤、光安定剤または酸化防止剤として代表的なもののみを例示すれば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン(「シーソーブ 100」)、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(「シーソーブ 101」)、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−メトキシベンゾフェノンまたは2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルフォベンゾフェノンの如き、各種のベンゾフェノン系;
【0113】2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(「チヌビン 328」)、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール(「チヌビン P」)、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル]−2Hベンゾトリアゾール(「チヌビン 900」)の如き、各種のベンゾトリアゾール系;フェニルサリシレート(「シーソーブ 201」)の如き、各種のサリシレート系;
【0114】エチル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート(「シーソーブ 501」)の如き、各種の置換アクリロニトリル系;2−エトキシ−2'−エチルオキザックアシッドビスアニリド(「チヌビン 312」)の如き、各種のシュウ酸アニリド系;[2,2'−チオビス(4−tert−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミン−ニッケル(II)(「シーソーブ 612NH」)の如き、各種の、ニッケル錯体系;
【0115】ビス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート(「チヌビン 292」)、ビス(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(「チヌビン 770」)、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)(「チヌビン 144」)の如き、各種のヒンダードアミン系;
【0116】3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(「BHT スワノックス」)、テトラキス−[メチレン−(3,5ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)](「イルガノックス 1010」)の如き、各種のフェノール系などである。
【0117】硬化触媒として代表的なものを例示すれば、トリフェニルフォスフィンなどのフォスフィン類、2−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類、テトラブチルアンモニウム クロライドなどのアンモニウム塩類等である。
【0118】本発明のトップクリヤー用粉体塗料[II]を調製するには、ベース粉体塗料[I]と同様に、公知慣用の、いずれの方法をも採用することができる。
【0119】かくして得られるベース粉体塗料[I]とトップコート粉体塗料[II]を使用して、被塗物上に、ベース粉体塗料[I]を塗装して加熱硬化により塗膜を形成せしめた後、トップコート粉体塗料[II]を塗装して加熱硬化せしめて複層塗膜を形成する方法や、ベース粉体塗料[I]を塗装後、引き続いてトップコー[II]粉体塗料を塗装し、加熱硬化せしめて複層塗膜塗膜を形成せしめる、いわゆる2コート1ベークによる方法等により、本発明の複層塗膜を形成することができる。塗装方法についても特に制限はなく、コロナ帯電、トリボ帯電または流動浸漬などのような、公知慣用の種々の方法が使用でき、加熱硬化温度は、約120〜約250℃とすることが望ましい。
【0120】以上に述べてきたように、本発明の複層塗膜形成方法は、常法により、被塗物基材類に塗布され、次いで、常法に従って、焼き付け乾燥せしめるということによって、塗膜の仕上がり外観、とりわけ、平滑性ならびに鮮映性などに優れた塗膜を与えることが出来るものである。
【0121】
【実施例】次に、本発明を参考例、実施例及び比較例により、一層具体的に説明するが、本発明はこれらの例示例にのみ限定されるものではない。以下において、特に断りのない限りは、「部」は、すべて「重量部」を意味するものとする。
【0122】参考例1(本発明に係るベース粉体塗料[I]の調製例)
「ファインディック A−254」(大日本インキ化学工業製 グリシジル基含有固形アクリル樹脂 エポキシ当量500)84部、ドデカン二酸(宇部興産製、脂肪族二塩基酸)16部、ベンゾイン0.5部、「モダフロー」(米国モンサント社製レベリング剤)1部 を「ヘンシェル・ミキサー」(三井三池加工機(株)社製の、混合機)で混合せしめ、さらにその混合物を、「MP−2015」(米国APVケミカルマシナリー社製の、二軸押し出し混練機)によって、加熱混練せしめた。
【0123】次いで、得られた混練物を冷却後、粉砕せしめ、さらに200メッシュの篩で分級して、粉体塗料を調製した。得られた粉体塗料100部と、光輝性顔料として「アルペースト1200M」(東洋アルミ社製ノンリーフィングタイプアルミニウム顔料)10部を「ヘンシェル・ミキサー」で混合せしめることにより、ベース粉体塗料[I−1]を得た。
【0124】参考例2(同上)
参考例1で光輝性顔料をパール顔料「Iriodin 120 Lustre Stain」(メルク社製 酸化チタン被覆雲母)10部に変更した以外は参考例1と同様にしてベース粉体塗料[I−2]を調製した。
【0125】参考例3(同上)
「ファインディック M−8961」(大日本インキ化学工業製 カルボン酸基含有固形ポリエステル樹脂 酸価33 )95部、「プリミド XL552」(EMS社製、ヒドロキシアルキルアミド)5部、ベンゾイン0.5部、「モダフロー」1部 を、「ヘンシェル・ミキサー」で混合せしめ、さらにその混合物を、「MP−2015」によって、加熱混練せしめた。
【0126】次いで、得られた混練物を冷却後、粉砕せしめ、さらに200メッシュの篩で分級して、粉体塗料を調製した。得られた粉体塗料100部に、光輝性顔料としてアルミ顔料「アルペースト1200M」(東洋アルミ製アルミ顔料)10部を「ヘンシェル・ミキサー」でドライブレンドすることにより、ベース粉体塗料[I−3]を得た。
【0127】参考例4(同上)
「ファインディック M−8034」(大日本インキ化学工業製 水酸基含有固形ポリエステル樹脂 水酸基価30 )87部、「ベスタゴン B1530」(デグサ社製、ブロックイソシアネート化合物)13部、「ファーストゲンブルー NK」(大日本インキ化学工業(株)社製、フタロシアニン系青色有機顔料)10部、ベンゾイン0.5部、「モダフロー」(モンサント社製レベリング剤)1部を「ヘンシェル・ミキサー」で混合せしめ、さらにその混合物を、「MP−2015」によって、加熱混練せしめた。
【0128】次いで、得られた混練物を冷却後、粉砕せしめ、さらに200メッシュの篩で分級して、ベース粉体塗料[II−4]を得た。
【0129】参考例5〔エポキシ基含有ビニル系共重合体(A)の調製〕
温度計、撹拌機、還流冷却器および窒素導入口を備えた反応容器に、キシレンの100部を入れ、130℃にまで昇温した。
【0130】これに、単量体としての、グリシジルメタクリレートの45部、n−ブチルメタクリレートの5部、メチルメタクリレートの35部およびスチレンの15部と、重合開始剤としてのtertーブチルパーオキシ2ーエチルヘキサノエートの7.5部とからなる混合物を、5時間に亘って滴下した。
【0131】滴下終了後も、同温度に、さらに、10時間のあいだ保持して、重合反応を続行し反応を完結せしめることによって、エポキシ含有ビニル共重合体(A−1)の溶液(A’−1)を得た。さらに、得られた共重合体溶液(A’−1)の30部を、約20Torrの減圧下に保持し、キシレンを除去することによってエポキシ含有ビニル共重合体(A−1)を得た。エポキシ含有ビニル共重合体(A―1)及び、その溶液(A’−1)の性状値を第1表に示す。
【0132】参考例6、7(同上)
第1表に示すような、ビニル単量体と、重合開始剤を用いるというように変更した以外は、参考例1と同様にして、目的とするエポキシ基含有ビニル共重合体(A−2)、(A−3)の溶液(A’−2)、(A’−3)を得た。さらに各共重合体溶液(A’−2)、(A’−3)の30部を、約20Torrの減圧下に保持し、キシレンを除去することによってエポキシ含有ビニル共重合体(A−2)、(A−3)を得た。各共重合体(A)、及びその溶液(A’)の性状を第1表に示す。
【0133】
【表1】

【0134】参考例8〔エポキシ基含有ビニル系共重合体(B)の調製〕
温度計、撹拌機、還流冷却器および窒素導入口を備えた反応容器に、キシレンの100部を入れ、120℃にまで昇温した。
【0135】これに、第2表に示すような、それぞれ、単量体と重合開始剤とからなる混合物を、4時間に亘って滴下した。滴下終了後も、同温度に、10時間のあいだ保持し、重合反応を続行し反応を完結せしめることによって、エポキシ含有ビニル共重合体(B−1)の溶液(B’−1)を得た。
【0136】さらに、得られた共重合体溶液(B’−1)の30部を、約20Torrの減圧下に保持し、キシレンを除去することによってエポキシ含有ビニル共重合体(B−1)を得た。エポキシ含有ビニル共重合体(B―1)及び、その溶液(B’−1)の性状値を第2表に示す。
【0137】参考例9,10〔エポキシ基含有ビニル系共重合体(B)の調製〕
第2表に示すような、それぞれ、単量体と、重合開始剤とからなる混合物を用いるというように変更した以外は、参考例1と同様にして、目的とするエポキシ基含有ビニル共重合体(B−2)、(B−3)の溶液(B’−2)、(B’−3)を得た。さらに各共重合体溶液(B’)の30部を、約20Torrの減圧下に保持し、キシレンを除去することによってエポキシ含有ビニル共重合体(B−2)、(B−3)を得た。各共重合体(B)、及びその溶液(B’)の性状を第2表に示す。
【0138】
【表2】

【0139】《註》
アクリエステル SL」・・・三菱レイヨン(株)製の、炭素数12のアルキル基を側鎖に有するメタクリル酸アルキルエステル及び炭素数13のアルキル基を側鎖に有するメタクリル酸アルキルエステルの混合物の商品名【0140】参考例11〔エポキシ基含有ビニル共重合体(A)及びエポキシ含有ビニル共重合体(B)の混合物(S)の調製例〕
第3表に示すような配合割合で、参考例1で得られたエポキシ含有ビニル共重合体(A)の溶液(A’−1)と、参考例1で得られたエポキシ含有ビニル共重合体(B)の溶液(B’−1)を容器に仕込み、攪拌・混合し、150℃で、約20Torrの減圧下に保持してキシレンを除去することにより、不揮発分99.5%以上の混合物(S−1)を得た。
【0141】参考例12〜14(同上)
第3表に示すような配合割合で、参考例1〜3で得られたエポキシ含有ビニル共重合体(A)の溶液(A’−1)〜(A’−3)と、参考例4〜6で得られたエポキシ含有ビニル共重合体(B)の溶液(B’−1)〜(B’−3)を容器に仕込み、攪拌・混合し、150℃で、約20Torrの減圧下に保持してキシレンを除去することにより、不揮発分99.5%以上の混合物(S−2)〜(S−4)を得た。
【0142】参考例15〔比較対照用のエポキシ基含有ビニル共重合体(A)の調製例〕
エポキシ含有ビニル共重合体(A)の溶液(A’−3)を、150℃、約20hPaの減圧下に保持してキシレンを除去することにより、比較対照用のエポキシ基含有ビニル共重合体(A−3)(不揮発分99.7%)を得た。
【0143】
【表3】

【0144】
【表4】

【0145】参考例16〜19(本発明のトップコート粉体塗料[II]の調製例)
第4表に示すような配合割合で以て、各成分を「ヘンシェル・ミキサー」(三井三池加工機(株)社製の、混合機)で混合せしめ、さらにその混合物を、「MP−2015」(米国APVケミカルマシナリー社製の、二軸押し出し混練機)によって、加熱混練せしめた。
【0146】次いで、かくして得られた各種の混練物を冷却後、粉砕せしめ、さらに分級するということによって、平均粒径が15〜35マイクロメーター(μm)なる、目的とする各種の粉体塗料[II−1]〜[II−4]を調製した。
【0147】比較参考例1エポキシ含有ビニル共重合体(A−3)を使用する以外は、参考例16と同様にして比較対照用のトップコート粉体塗料[II−5]を調製した。
【0148】
【表5】

【0149】
【表6】

【0150】《註》
モタ゛フロー P2000」・・・米国モンサント社製の、アクリルレヘ゛リンク゛剤の商品名【0151】実施例1以下に示すような、いわゆる複層塗膜形成方法に従って、2コート2ベーク塗装を行なって塗膜を形成し、その諸性能の評価判定を行なった。その際の被塗物基材としては、次のような前処理を施したものを用いた。
【0152】すなわち、「ボンデライト #3030」[日本パーカライジング(株)製の、燐酸亜鉛系処理剤の商品名]で以て処理された軟鋼板上に、エポキシ樹脂系カチオン電着塗料を電着せしめ、次いで、その上に、アミノ・ポリエステル樹脂系中塗り塗料を塗装せしめた形のものを用いた。
【0153】まず、参考例16で得られたベース粉体塗料[I−1]を、粉体塗料用の静電スプレー塗装機で膜厚が50μmになるように塗装した後、140℃で20分間焼き付けを行った。次に、トップコート粉体塗料[II−1]を、静電スプレー塗装機で膜厚が60μmになるように塗装せしめ、しかるのち、140℃で20分間焼き付けを行なうことによって、硬化塗膜の形成された試験板を得た。その塗膜の評価判定結果を、第5表(1)に示す。
【0154】実施例2〜4使用するベース粉体塗料[I]、トップコート粉体塗料[II]を、第6表に示すように変更する以外は、実施例1と同様にして、硬化塗膜の形成された試験板を得た。それらの塗膜の評価判定結果を、まとめて、第5表(1)に示す。
【0155】実施例5実施例1と同じ被塗物基材を用いて、ベース粉体塗料[I−1]を、粉体塗料用の静電スプレー塗装機で膜厚が50μmになるように塗装した後、引き続いてトップコート粉体塗料[II−2]を、静電スプレー塗装機で膜厚が60μmになるように塗装せしめ、しかるのち、140℃で25分間焼き付けを行なうことによって、硬化塗膜の形成された試験板を得た。その塗膜の評価判定結果を、第5表(2)に示す。
【0156】実施例6使用するベース粉体塗料[I]、トップコート粉体塗料[II]を、第6表に示すように変更する以外は、実施例5と同様にして、硬化塗膜の形成された試験板を得た。評価判定結果を、第5表(2)に示す。
【0157】比較例1比較参考例1で調製したトップコート粉体塗料[II−5]を使用する以外は、実施例1と同様にして、硬化塗膜の形成された試験板を得た。その塗膜の評価判定結果を、第5表(2)に示す。
【0158】
【表7】

【0159】
【表8】

【0160】《塗膜諸物性評価判定の要領》
【0161】・平滑性・・・目視判定により、5段階の評価判定を行なった。
【0162】
評価「5」: 非常にスムーズなる平滑な塗面の場合評価「4」: 小さいラウンドが有る場合評価「3」: 大きなラウンドが有る場合評価「2」: 大きなラウンドが有り、細かいチリ肌が多く認められる場合評価「1」: 大きなラウンドが有り、細かいチリ肌が著しく、塗膜外観を著しく損ねている場合【0163】・メタリック感・・・・「ALCOPE LMR−100」[関西ペイント(株)社製の、メタリック感測定装置の商品名]で以て測定して求められたIV値に応じて、評価判定を行なった。
【0164】
評価「優」 : 250を超える場合評価「良」 : 200以上250未満の場合評価「不可」: 200未満の場合【0165】
【発明の効果】
【0166】以上に詳述して明らかとなったように、本発明に係る粉体塗料用組成物及び塗膜形成方法は、塗膜の仕上がり外観、とりわけ、平滑性などに優れているという、本発明の目的とする諸効果の発現が認められる。
【出願人】 【識別番号】000002886
【氏名又は名称】大日本インキ化学工業株式会社
【出願日】 平成13年9月10日(2001.9.10)
【代理人】 【識別番号】100088764
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 勝利
【公開番号】 特開2003−80166(P2003−80166A)
【公開日】 平成15年3月18日(2003.3.18)
【出願番号】 特願2001−273602(P2001−273602)