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【発明の名称】 乱反射性コーティング処理方法及び乱反射性塗料及び乱反射体の製造方法
【発明者】 【氏名】狩野 公俊
【住所又は居所】岩手県水沢市卸町4−7 株式会社環境保全サービス内

【要約】 【課題】従来、埋め立て廃棄され、再利用されていなかった廃液晶フィルムを乱反射素材として活用することを目的とし、その乱反射特性を生かした、乱反射性コーティング処理方法や、乱反射性塗料あるいは各種用途の乱反射体を提供することを課題とする。

【解決手段】乱反射効果を発揮させる乱反射ベース材の表面に、合成樹脂材を一定の厚さに塗布し、その上に粒径が0.05mmから3mmである廃液晶フィルムの破砕材を均一に散布し、表面をローラーなどで展圧し、表面を乾燥させた後、ブラッシング処理し、液晶フィルムの光沢面を露出させ、最後に透明色の合成樹脂材で仕上げコーティングを行うことにより乱反射効果を発揮させる乱反射性コーティング処理方法である。また、透明塗料組成物に、廃液晶フィルム破砕材を混合して乱反射性塗料とするものである。さらにまた、廃液晶フィルム破砕材と透明色の合成樹脂材とを混合し、固化させて成型することにより乱反射体とするものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 乱反射ベース材の表面に、樹脂材を塗布し、次に粒径が0.05mmから5mmである廃液晶フィルム破砕材を散布し、展圧後、表面をブラッシング処理し、最後に透明色の仕上げコーティングを行うことを特徴とする乱反射性コーティング処理方法。
【請求項2】 透明塗料組成物に、粒径が0.05mmから3mmである廃液晶フィルム破砕材が混合されていることを特徴とする乱反射性塗料の製造方法。
【請求項3】 粒径が0.1mmから10mmである廃液晶フィルム破砕材と、透明色の合成樹脂材とを混合し、固化させて成型することを特徴とする乱反射体の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶パネルを有する各種の電子機器や家庭用機器が廃棄処理される際に、分解して分別されて破棄されている液晶フィルム廃材の再利用に関し、特に該廃液晶フルムを乱反射素材とした乱反射性シート及び乱反射性塗料および乱反射体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶パネル工場から排出される不良廃液晶パネルや、家電製品や情報機器の廃棄物に含まれる廃液晶パネルなどは、分解されて液晶廃棄物として分別され、破砕され、そのほとんどが破棄処分場などに埋め立て処分されている。
【0003】このような液晶パネルは、少電力駆動、少資源製品の製造が可能であるという利点から、今後、急速に生産量が増大すると予測されている。
【0004】従って、廃液晶パネルの量も急速に増大すると考えられ、今後、これらの廃棄物に対する再利用技術の開発が強く望まれている。
【0005】液晶パネルとは、貼合わせた2枚のガラス基板の内側に液晶材料を注入した後に封止し、各ガラス基板の外側に偏光板や反射板や保護膜を貼り付けたものである。
【0006】これらは、液晶材料が数μm厚、偏光板・反射板は数百μm厚でTAC、アクリル樹脂およびPVA等の多層構造、および保護薄膜は数μm厚であり、ガラス板に設けられるとともに、その他多種類の有機物や配線用金属材料などの薄膜が重なっている。
【0007】このように液晶パネルは、ガラス、薄膜、プラスチック製のフィルム等から構成される多層構造であるため、事前の分離作業は煩雑で困難である。したがって、一括して破砕することが望ましく、ガラス等の脆性体の破砕には処理能力が大きくランニングコストが低いことから、衝撃力による衝撃破砕機(ハンマークラッシャ)などが多く用いられている。
【0008】ガラスは硬い脆性体であり、一方プラスチックフィルムは軟質の弾性体であることから、上記のような衝撃力でガラスを破砕し、液晶フィルムなどのプラスチックフィルムから簡単に分離される。
【0009】分離されたガラス廃材は、化学処理されて再生利用される。一方、液晶フィルムなどのプラスチックフィルム廃材は、電極部分などを分離すると、鏡面を有する液晶フィルム廃材が分別される。
【0010】この液晶フィルム廃材は、現時点では量的に少ないことから、さらに、二軸剪断破砕機、シュレッダなどで破砕され、プラスチック廃棄物と共に埋め立て廃棄されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように、液晶パネルの再利用のおいては、ガラス廃材を再利用するのみであり、今後大量に発生することが確実に予想されている液晶フィルムの再利用技術は、まったく省みられていないのが現状である。
【0012】本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、今まで埋め立て廃棄され、再利用されていなかった廃液晶フィルムを乱反射素材として活用することであり、その乱反射特性を生かした、乱反射性コーティング処理方法や、乱反射性塗料あるいは各種用途の乱反射体を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記に示す課題を解決するために、廃液晶フィルムの乱反射特性を効果的に発揮させることが出来るように、一定の大きさに破砕したものを使用するものである。
【0014】すなわち、乱反射効果を発揮させる乱反射ベース材として、樹脂製又は金属製ベース材を用い、例えば、樹脂製シート材の表面に、合成樹脂材を一定の厚さに塗布し、その上に粒径が0.05mmから3mmである廃液晶フィルムの破砕材を均一に散布し、表面をローラーなどで展圧し、表面を乾燥させた後、ワイヤーブラシなどでブラッシング処理し、液晶フィルムの光沢面を露出させ、最後に透明色の合成樹脂材で仕上げコーティングを行うことにより乱反射効果を発揮させる乱反射性コーティング処理方法である。
【0015】該乱反射ベース材は、各種の成形体やシート材などが使用でき、樹脂製または、アルミやステンレスなどの金属製ベース材なども使用でき、シート材などでは、軟質樹脂シートや硬質プラスチックシートなどでも良く、例えば、塩ビ樹脂シートなどでも良い。これらの乱反射ベース材の表面に樹脂材を均一の厚さに塗布する。使用する樹脂材は、廃液晶フィルム破砕材及びシート材との接着性の良いものを選択すると良い。例えば、アクリル樹脂系接着材を厚さ2mm程度に均一に塗付したものでも良い。
【0016】また、シート材が軟質樹脂シートの場合には、硬化後に弾性を有するウレタン樹脂系接着剤やビニル樹脂系接着剤やシリコーン樹脂系接着剤などを使用すると良い。シート材が硬質プラスチックシートの場合には、透明度が高いファイバーレジン(株)製の繊維化樹脂接着剤であるファイバーレジンなども使用できる。
【0017】該廃液晶フィルムは、液晶パネルを有する各種の通信機器や家庭用機器が廃棄処理される際に、分別破棄されている液晶フィルム廃材を使用できる。この廃液晶フィルムを粒径が0.05mmから5mm程度に破砕し、粒度調整して使用する。上記の乱反射ベース材に樹脂材を塗布した後にその表面に均一に散布する。
【0018】粒径が0.05mm未満では、反射面が小さ過ぎて反射効果はほとんど期待できない。粒径が3mm以上では、ベース材に接着した際に均一な乱反射効果となり難く、また接着し難くなる。微細な乱反射効果を発揮するには、1.0mm以下とすることが好ましく、強い反射光度を必要とする場合には、2.5mm程度以上とすることが好ましい。
【0019】廃液晶フィルム破砕材を散布した後、ローラーや形材などで展圧する。展圧により、表面がなめらかになり、廃液晶フィルム破砕材が、樹脂材に埋め込まれる。この状態でしばらく表面を乾燥させ、ワイヤーブラシなどで表面をブラッシングし、廃液晶フィルム破砕材の光沢を出す。ブラッシング処理後、保護層として透明色の仕上げコーティングを行う。仕上げコーティング材としては、透明色の樹脂材や透明色樹脂塗料などが使用できる。
【0020】また、本発明では、透明塗料組成物に、粒径が0.05mmから3mmである廃液晶フィルム破砕材を混合することにより、乱反射性塗料とするものである。
【0021】該透明塗料組成物は、透明色の塗料であればいずれでも良く、透明樹脂塗料や塩化ビニル樹脂系塗料やアクリル樹脂系塗料やポリウレタン樹脂系塗料やアクリルシリコン樹脂系塗料やフッ素樹脂系塗料や合成樹脂ワニスなどが使用できる。この透明塗料組成物に、廃液晶フィルムの破砕材を混合する。この廃液晶フィルムは、粒径が0.05mmから3mm程度に粒度調整する。粒径が0.05mm以下では、乱反射効果は期待できず、全体が薄い灰色となってしまう。粒径が3mm以上では、塗料組成物中に均一に分散させ難くなる。
【0022】また、本発明では、粒径が0.1mmから3mmである廃液晶フィルム破砕材と透明色の合成樹脂材とを混合し、固化させて成型することにより乱反射体とするものである。
【0023】該廃液晶フィルム破砕材は、前記と同様のものを使用できる。また、透明色の樹脂材は、各種の樹脂接着剤などが使用でき、無色透明のものであればいずれでも良い。特に、硬化後の強度の面から繊維化樹脂を用いると良い。たとえば、ファイバーレジン株式会社製の繊維化樹脂材ファイバーレジンなどでも良い。
【0024】これらの乱反射性シートや乱反射性塗料、あるいは乱反射体は、各種の装飾用や注意・危険表示用などの用途に使用することができる。
【0025】例えば、乱反射性を有する道路標識やガイドレール、駐車場の柱や角面、夜光性釣り針、岸壁の注意表示板、各種内装外装用建材などに使用すると良い。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、本発明による実施の形態を図面を用いて説明する。
【0027】図1は、本発明による乱反射性コーティング処理方法を示すフロー図である。本実施例では、乱反射ベース材としてシート厚5mm、サイズ300mm×1000mmの塩ビ樹脂製のシート材1を使用した。
【0028】該シート材1は、乱反射効果を高めるために、下地塗装として予め、黒色の塗装処理2を施した。尚、黒色のシート材を使用しても良い。
【0029】次に、シート材1の表面に樹脂材3を均一に塗付処理4する。樹脂材3は、透明色のビニル樹脂系接着材を使用した。塗付厚は、2mm程度とした。
【0030】樹脂材3が塗布されたシート材の表面に廃液晶フィルム5を粒度調整6し、均一に散布処理7した。該廃液晶フィルム破砕材は、廃家電製品などの液晶パネル廃材から分別処理された廃液晶フィルム5を使用することができる。この廃液晶フィルム5は二軸剪断破砕機を用いて、2mm以下となるように破砕し、粒度調整処理6して使用した。
【0031】廃液晶フィルム破砕材5を散布後、ローラーで展圧処理8を行い、樹脂材による表面層中に廃液晶フィルム破砕材5を埋め込む。展圧処理8後、1日〜2日間養生し、表面を完全に乾燥させた後、ワイヤーブラシにより表面を丁寧にブラッシング処理9した。このブラッシング処理9により、廃液晶フィルム5の鏡面がシート面に分散して露出し、乱反射面となる。
【0032】最後に上記の乱反射面を保護するための仕上げコーティング処理10を行う。このコーティング処理10には、透明色の樹脂材を薄く塗布した。透明度が高いファイバーレジン(株)製の繊維化樹脂材であるファイバーレジンを使用した。コーティング層の膜厚は、均一に1mm程度とし、乱反射シートを製造した。該シートの全厚は、9〜10mm程度となった。
【0033】廃液晶フィルム破砕材3の粒度を小さくすると、コーティング層を薄くすることができる。また、粒径の大きなものを使用すると、強い反射光となり、粒径を小さくすると、均一できめ細かな乱反射となる。更に、粒径の大きなものとちいさなものを同時に混合させると、より、均一で強い乱反射光を実現できる。
【0034】図2は、本発明による乱反射性塗料の製造方法を示すフロー図である。本実施例では、屋外塗料用の乱反射性塗料の例である。
【0035】塗料原料21は、透明色の塩化ビニル樹脂系塗料を使用した。例えば、関西ペイント(株)社製の塩化ビニル樹脂系塗料であるビニボン100クリアーなどが使用できる。必要に応じて塗面調整剤などを混合することができる。
【0036】廃液晶フィルム破砕材22は、二軸剪断破砕機を用いて、1mm以下となるように破砕し、粒度調整処理23をした。
【0037】上記の塗料原料21と粒度調整した廃液晶フィルム破砕材22とをミキサーで混合処理24をした。混合割合は、廃液晶フィルム破砕材22が体積比率で30%となるように混合した。廃液晶フィルム破砕材22の混合割合を多くすると、輝度が強くなる。また、廃液晶フィルム破砕材22の粒度を大きくすると、反射光は強くなるが、均一な反射となり難くなる。粒度の大きなものと小さなものを混合して使用すると、バランスのとれた均一で輝度の強い乱反射を実現できる。
【0038】図3は、本発明による乱反射体の製造方法を示すフロー図である。本実施例では、型枠成形による乱反射体の例である。
【0039】廃液晶フィルム破砕材31を粒径が2.5mmとなるように、二軸剪断破砕機を用いて、粒度調整処理32をし、合成樹脂材として、繊維化樹脂材33に混合34した。
【0040】この混合材を任意形状の型枠に注入35し、固化36させる。固化後脱型37し、乱反射体38を得た。
【0041】この乱反射体38は、廃液晶フィルム破砕材31が全面が均一に分散されており、光を照射すると、細かな乱反射効果を発揮し、美しい輝きが得られた。
【0042】次に、上記の製造方法により得られた乱反射効果を有するシート、塗料、乱反射体の使用例について説明する。
【0043】図4は、上記の製造方法により製造された乱反射性シートの利用例を示す図である。(1)は、港に船舶が接岸する時に、岸壁面が視認しやすくするための岸壁面表示シートの設置例を示す。
【0044】港の岸壁41の船舶の接岸面42に乱反射性シート43が取り付けられている。船舶の接岸ときには、岸壁41へ船舶が衝突しないように、十分に注意しながら、ゆっくりと接岸するが、港内といえどもまったく波が無いわけではなく、多少の揺れがあるため、衝突防止の緩衝材として古タイヤ44などが設置されていることも多い。特に夜間などは、岸壁面42の視認は難しく、熟練した操縦者においてもしばしば目測を誤ることもある。
【0045】この乱反射性シート43は、接岸面42の上部の視認しやすい位置に複数個所、一定間隔を開けて取り付けられている。サイズは、厚さ10mm、300mm×1000mmのものを用い、シート材は、耐久性の高いステンレス鋼製シート材を用いた。この乱反射性シート43を接岸面42の上端面に、間隔100mmを開けて取り付けた。
【0046】接岸する船舶から、この乱反射性シート43に対して、ライトを照らすことにより、きらきらと乱反射を起こし、接岸面42が非常に視認しやすくなる。乱反射であるため、反射光がまぶしいこともなく、しかも均一に鮮やかに輝いて見える。
【0047】(2)は、駐車場の柱や角面に乱反射性シートを用いた例を示したものである。デパートや大型スーパーなどの立体駐車場などでは、駐車スペースは、必ずしも十分でない場合も多く、駐車時に、周囲の壁や柱に車体を擦ってしまうことも少なくない。このような、事故の多い個所には、多少擦っても、車体にキズがつかないように、プラスチック製保護板が取り付けられることも多い。
【0048】本使用例では、この事故の多い柱45や角面46に乱反射性シート47を接着剤などで貼り付けて設置するものである。図に示すように、車両に乗車中に視認しやすい高さの位置に乱反射性シート47を柱45や角部46に貼り付ける。この乱反射性シート47は、基材シートとして塩ビ樹脂シートを使用し、シート厚は、基材シート5mm、乱反射層4mm、サイズは、高さが500mmで、角部より幅200mmの部分を覆うような大きさとした。
【0049】このように、駐車場のぶつけやすい柱45や角部46に乱反射性シートを取り付けると、乱反射効果により、視認しやすく注意が喚起される。特に、地下駐車場などの薄暗い場所では、乱反射で非常に視認しやくなり、不注意による接触事故などの有効な防止手段となる。
【0050】図5は、上記の製造方法により製造された乱反射性塗料の利用例を示す図である。(1)は、道路に設置されるガイドレールに使用した例である。このガイドレールは、白色などに塗装された鋼板製のガイドレール本体51と、該ガイドレール本体を取り付ける支柱52とで構成されており、ガイドレール本体51の中心部分に帯状に乱反射性塗料53が塗装されているものである。尚、乱反射塗料に替えて、乱反射性シート材を取付けても良く、また鋼製ガイドレールに乱反射性コーティング処理層を形成しても良い。
【0051】交通事故の中で、道路がカーブしている部分のガイドレールに衝突してしまう事故も少なくない。このような前方不注意による衝突事故などの場合において、上記のような乱反射性塗装や乱反射性コーティングが用いられたガイドレールとした場合には、視認性が非常によくなり、注意が喚起され、前方不注意などの事故防止に効果発揮するものである。
【0052】(2)は、道路標識に乱反射塗料を使用した例であり、(3)は、そのA―A断面図である。この道路標識54は、落石のおそれありを示す道路標識であり、黄色地に黒の記号が記されている。55は支柱である。その表面にさらに乱反射性塗料58を塗装したものである。
【0053】(3)の断面図に示すように、鋼製円板56の表面に標識表示塗装57が施され、さらにその表面に乱反射性塗料58が塗装されている。尚、乱反射塗料に替えて、乱反射性シートを貼り付けても良く、また標識板に直接、乱反射性コーティング処理を施しても良い。
【0054】この乱反射性塗装あるいは、乱反射性コーティングが用いられた道路標識では、その乱反射効果により視認性が非常に高くなっており、注意を喚起するができ、道路標識の見落としを防止する効果的な手段となる。特に夜間においては、車両のライトにより、乱反射効果できらきら輝くため、運転者の注意を引き付け、標識の認識性が非常に高くなる。
【0055】また、動物注意の道路標識などでは、夜間に道路を横断する夜光性の動物に対するものが多く、これらの標識に乱反射性塗装を施すことで見落としを少なくすることができる。また、本発明による乱反射性塗料は、一般建材用の内装材や外装材の上塗り塗装として使用することもできる。この場合には、美しくきめ細かな乱反射特性を有する、装飾性、意匠性に優れた建材として各用途に使用することができる。
【0056】図6は、上記の製造方法により製造された乱反射性塗料の他の利用例を示す図であり、釣り針に使用した例である。
【0057】本釣り針は、(1)に示すように、釣り針61のほぼ半分より下部側部分に乱反射性塗料62が塗装されたものである。該乱反射性塗料62は、乱反射性素材である廃液晶フィルム破砕材の粒径が0.5mm以下のものを使用し、塗料原料は、耐水性の透明樹脂塗料を用いた。
【0058】この乱反射性釣り針61は、乱反射効果により魚を誘き寄せるためのものであり、水中ライトなどで、該乱反射性釣り針を照らすと、きらきらと鮮やかな乱反射が発生し、この明かりに誘われて魚が誘き寄せられ、釣り上げられるというものである。
【0059】特に(2)に示すような、イカ釣りなど照明63を使用して魚(イカ)64を誘い寄せて、明かりに誘われてきた魚(イカ)64を釣り上げる、イカ釣り漁などに使用する釣り針65などに用いると、釣り針自体が乱反射光を放ち、魚の誘引効果がさらに高まる。尚、乱反射塗料に替えて、釣り針を乱反射ベース材として乱反射性コーティング処理を施しても良い。
【0060】図7は、上記の製造方法により製造された乱反射体の利用例を示す図であり、公園や公共施設などに設置されて屋外設置時計台に使用した例である。
【0061】この時計台は、(1)に示すように、支柱71の上部に円形の時計装置72が設けらたものであり、該時計装置72の表示盤の各時刻表示部73と、時計の針74が乱反射体により構成されているものである。
【0062】該時刻表示部73は、(2)に示すように、前記に示した乱反射体の製造方法により、円形で凸レンズ形状の型枠で製造されたものである。また、長針と短針74は、(3)に示すように、矢印形状の型枠により製造された乱反射体である。尚、これらの乱反射体に替えて、同形状の樹脂材の表面に乱反射塗装や乱反射性コーティングを施して乱反射体としても良い。
【0063】この乱反射性時計台は、視認性が良く、日中は、太陽の光できらきら乱反射光を放ち、夜間は、周囲の外灯の明かりにより乱反射してきらきらと鮮やかに輝き、かつ視認性の良い、見た目も良く、意匠性に優れた時計台となり、公園内の美しいシンボルとしての演出効果を発揮することとなる。
【0064】
【発明の効果】以上、詳細に説明した本発明では、以下に示すような効果がある。
【0065】1)今後、液晶パネルの急速な普及に伴い、大量に廃棄処分されることが予想される、廃液晶フィルムの有効な再利用が可能となる。
【0066】2)廃液晶フィルムを破砕して粒度を調整することで有効な乱反射素材を提供できる。
【0067】3)廃液晶フィルム破砕材を乱反射ベース材に樹脂材を用いてコーティング処理することにより、美しい乱反射効果を有するコーティング処理を実現でき、各種の形状に対応でき、用途が広く、安価に処理できる。
【0068】4)廃液晶フィルム破砕材を塗料組成物に混合することにより、美しい乱反射効果を有する塗料を実現でき、安価に製造可能となる。
【0069】5)廃液晶フィルム破砕材を透明色樹脂材に混合して固化させることにより、乱反射効果を有する任意形状の造形物を実現することができる。
【0070】このように、本発明によれば、今まで埋め立て廃棄され、再利用されていなかった廃液晶フィルムを乱反射素材として活用することであり、その乱反射特性を生かした、乱反射性コーティング処理方法及び乱反射性塗料あるいは各種用途の乱反射体を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】595142336
【氏名又は名称】株式会社環境保全サービス
【住所又は居所】岩手県水沢市卸町4−7
【出願日】 平成13年9月10日(2001.9.10)
【代理人】 【識別番号】100112151
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 宣幸
【公開番号】 特開2003−80164(P2003−80164A)
【公開日】 平成15年3月18日(2003.3.18)
【出願番号】 特願2001−274064(P2001−274064)