| 【発明の名称】 |
包 丁 |
| 【発明者】 |
【氏名】稲垣 豊 【住所又は居所】兵庫県洲本市安乎町平安浦530−2 稲垣産業有限会社内
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| 【要約】 |
【課題】包丁の柄として、木製の柄部に対して耐食性を向上し、腐食を生じせしめず、同時に、衛生的な調理を可能とし、さらには、滑り止めが好適に得られて使い勝手を向上せしめた包丁を提供することにある。
【解決手段】本発明にかかる包丁の構成は、刃体の中子を柄部に穿孔したホゾ穴に嵌合し、柄部の端部に口輪を嵌着してなる包丁において、前記柄部の柄部端面から柄尻の全表面に亘ってウレタン樹脂塗料による塗装を施したものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 刃体の中子を柄部に穿孔したホゾ穴に嵌合し、柄部の端部に口輪を嵌着してなる包丁において、前記柄部の柄端部から柄尻の全表面に亘ってウレタン樹脂塗料による塗装を施したことを特徴とする包丁。 【請求項2】 請求項1記載の包丁において、口輪を嵌着する柄部の段部にエポキシ樹脂塗料による塗装を施し、さらに、柄部の柄端部から柄尻の全表面に亘ってウレタン樹脂塗料による塗装を施したことを特徴とする包丁。 【請求項3】 砥粒、陶器粉末、硬化樹脂粉末等の微粒固形粉末を混合してなるウレタン樹脂塗料による塗装を柄部の柄端部から柄尻の全表面に亘って施したことを特徴とする請求項1、2記載の包丁。 【請求項4】 抗菌剤を混合してなるエポキシ樹脂塗料およびウレタン樹脂塗料による塗装を施したことを特徴とする請求項1および3記載の包丁。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、包丁に関し、特に、包丁の柄として、耐水性、耐食性を向上し、滑り止めの機能を具備してなる包丁に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 一般に包丁は、刃先の形状、使用目的によって、例えば、刃先の峰が厚く、全体が重いことを利用して上方から振り下ろして魚を骨ごとたたき切るように使用される出刃包丁、野菜・根菜などを調理する薄刃包丁、刺身・お造りなどを調理する柳刃包丁など多種に分類されており、これらの包丁は、目的・用途に応じて鋼鉄やステンレス鋼等により刃体を形成し、これに木製または合成樹脂製の柄を取付けて構成されている。 【0003】即ち、従来の包丁に関して図1を参照して説明すると、柄部3の端部3aにホゾ穴4を穿設し、その端部3aに成形された段部3bに口輪5を嵌着したのち、刃体1の中子2を嵌合してなるもので、この柄部3における握り部3cには蝋、あるいは、クリアラッカーの塗装が施されている。 【0004】ところで、包丁は、使用時に水洗を繰り返し、あるいは、調理の最後には必ず洗浄して収納するが、柄が木製である場合、柄部3の端部3aに口輪5を嵌着しているものの、ホゾ穴4に水が廻りこみ、この結果、柄部3が水分を吸収することから、水分による急激な膨張、乾燥に伴う収縮から材料の劣化を生起して、刃体1に対する柄部の取替えの時期を早め、加えて、水分が付着したままであると該柄部3における刃体1のホゾ穴4に腐りが生じ、使用時において刃体1の脱落を生じたり、また、ホゾ穴4に水が滞留することから該部分に雑菌が発生し、これが調理時に食品に滴下して不衛生なものとなり、従って、使用時あるいは使用後にあっては水分を充分に拭き取ることが必要となる。 【0005】また、柄部3に水が付着すると滑り易くなり、このため柄を強く握りしめることが必要になり、これに伴って、その使い易さ、すなわち使い勝手が低下することになり、特に、上記したように出刃包丁のように上方から振り下ろして使用するに際しては、例えば柄に付着した水分を充分に拭き取る作業が必要となり、また、柄が手から抜け出ないように強く柄を握りしめる必要があって、疲労の原因ともなっている。 【0006】このため、従来、包丁の柄部3に対ししては、蝋の塗布による防水加工、あるいは、塗料による防水塗装が行なわれるが、係る場合においても、柄部3において直接に握る部分3cにのみに限られ、換言すれば、刃体のホゾ穴4における水分の侵入による問題を解決するものではなかった。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】 本発明は上記の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、包丁の柄として、木製の柄部に対して耐食性を向上し、腐食を生じせしめず、同時に、衛生的な調理を可能とし、さらには、滑り止めが好適に得られて使い勝手を向上せしめた包丁を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】 前述の課題を解決するための本発明に係る包丁の構成は、刃体の中子を柄部に穿孔したホゾ穴に嵌合し、柄部の端部に口輪を嵌着してなる包丁において、前記柄部の得端から柄尻の全表面にウレタン樹脂塗料による塗装を施したことを点に存するものである。 【0009】また、本発明にあっては、口輪を嵌着する柄部の段部にエポキシ樹脂塗料による塗装を施し、さらに、柄部の柄端部から柄尻の全表面に亘ってウレタン樹脂塗料による塗装を施した点に存するものである。 【0010】また、本発明にあっては、ウレタン樹脂塗料に砥粒、樹脂粉末の微粒粉末を混合せしめることによって、塗膜表面を粗面化することで、滑り止めの硬化を付与せしめた点に存するものである。 【0011】加えて、本発明にあっては、柄部、特に刃体のホゾ穴における雑菌の繁殖を防止するために、ウレタン樹脂塗料に抗菌剤を混合せしめ点に存するものである。 【0012】 【実施例】 次に、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明するに、包丁の構造は従来と同様のものであって、即ち、刃体1には中子2が連続して形成されており、該中子2を柄部3に差し込み嵌合する。即ち、柄部3は一端に段部3bが成形されるとともに、柄端面3aからホゾ穴4が穿孔されてなり、該段部3bに口輪5を嵌着したのち前記刃体1の中子2を嵌合している。 【0013】前記柄部3は、口輪5を嵌着するに先立って柄部3の全表面に亘って木地の目止めを行ない、木地に対する過度の塗料の浸透を回避しつつ、仕上げ塗装を行ないやすくするためにサンデングシーラーの下塗り塗装を施し、その表面を平滑に研磨した後にポリウレタン樹脂塗料の塗装を施し、このポリウレタン樹脂塗料は、例えば、ポリイソシアネートとヒドロキシル基を含むポリエステルの反応物からなり、主剤と硬化剤の2液性塗料で、溶剤で希釈して仕上げの塗装を施す。 【0014】この塗装において特に留意すべきは、柄部3における柄端面3a、段部3b、および、柄尻3dの全体に亘って均一に塗装を施すことであって、これにより、柄端面3aに前記塗膜6が形成されるため、ホゾ穴4の開口部に該塗膜6が存在することから、刃体1を嵌合した場合に、中子2とホゾ穴4の間に形成される微小な空隙を埋める作用をなし水分の侵入を阻止する。 【0015】さらに、柄部3の段部3bの外表面にも塗膜6が形成されるために、該段部3bに口輪5を嵌着するに際して、塗膜6が密着性を向上せしめるが、さらに、本発明にあっては柄部3における柄端面3a、段部3bに対してエポキシ樹脂塗料による塗装を施すのが好ましく、エポキシ樹脂塗料浴に前記段部3bを浸漬して柄端面3a、段部3bにエポキシ樹脂塗料を塗膜7の厚みが0.1mm以上となるようにエポキシ樹脂塗料の粘度を調整して塗布し、この時、ホゾ穴4にエポキシ樹脂塗料を押しこむようにしてホゾ穴4内にも塗料を充満させるようにするのが望ましく、塗装後に柄部3を引き上げて乾燥するとともに、前述するステップに基づいて柄部3外周面のポリウレタン樹脂塗料による塗装を行なう。 【0016】このようにして塗装された柄部3にあっては、柄部3の木地にエポキシ樹脂塗料が浸透し、柄部自身が硬化して耐久性を向上し、口輪5との接着性も向上することとなり、エポキシ樹脂塗料の持つ耐薬品性と耐水性から防水効果に優れたものとなり、従って、塗膜7の厚みが厚ければ厚いほどその効果を発揮し、また、刃体1の中子2をホゾ穴4に嵌合した場合、ホゾ穴4に存在するエポキシ樹脂塗料の存在により、中子2が柄部3によって強固に把持、固定されることになり、更に、柄部3全体にポリウレタン樹脂塗料による塗装を行なうことによって安定した塗膜物性が得られ、長寿命なものとなる。 【0017】このポリウレタン樹脂塗料は、撥水性と木地に対する付着力に優れ、形成される塗膜6も強靭で耐摩耗性に優れたものであって、さらには、耐薬品性、耐溶剤性に強く、常時、水分に晒され、熱湯消毒され洗浄される包丁の柄部に対する塗膜として好適である。 【0018】また、ポリウレタン樹脂塗料に砥粒、陶器粉末、硬化樹脂粉末等々の微粒固形粉末を混合することによって、塗料の乾燥後における塗膜面に固形粉末が現出して柄部3における表面を粗面化し、調理時に水にぬれた状態で包丁を握った際にも、塗膜6の粗面によって滑りを防止する事ができる。 【0019】加えて、ポリウレタン樹脂塗料およびエポキシ樹脂塗料に抗菌剤を混入することによって雑菌の繁殖が抑えられて、より衛生的な使用状態を維持することができ、特に、ホゾ穴4に水分が滞留し、これに起因して繁殖する雑菌を抑制することで、衛生面での懸念をなくすることができる。 【0020】以上にこの発明の具体的な実施形態について説明したが、この発明は上記形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更することが可能であり、例えば、ポリウレタン樹脂塗料および/またはエポキシ樹脂塗料に着色剤を混合することによって任意の色彩を有する柄部を、また、柄部に模様あるいはキャラクターのシールを貼付し、その上から透明・半透明のウレタン樹脂塗料で塗装することで、斬新な包丁を提供することもできる。 【0021】 【発明の効果】 以上のように、本発明の包丁においては、柄部にポリウレタン樹脂塗料による塗装を施すことによって、あるいはそれに加えて口輪5を嵌着する部位にエポキシ樹脂塗料を塗装することよって、水分を撥水し、水分の付着による膨潤、柄部の乾燥に起因する柄部の腐食、特に、ホゾ穴からの腐食を防止し、耐久性を向上せしめ、塗料に微粒固形粉末を混入することによって滑り止め効果が得られ、使用時において安定した握り感覚を保証するとともに、抗菌剤を含有させていることで、口輪の近傍に滞留する水分の落下による食品への雑菌の移行を防止でき、衛生的な使用状態が維持され、これによって使い勝手が向上する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】501410377 【氏名又は名称】稲垣産業有限会社 【住所又は居所】兵庫県洲本市安乎町平安浦530―2
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| 【出願日】 |
平成13年9月14日(2001.9.14) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−80163(P2003−80163A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月18日(2003.3.18) |
| 【出願番号】 |
特願2001−324224(P2001−324224) |
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