| 【発明の名称】 |
基板面端部の過剰塗布液除去方法および装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉川 俊明 【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノン株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】スリットコート法により塗布された有機膜の塗布開始部及び塗布終了部の盛り上がり部分を除去し、塗布膜全面が均一な膜厚になるようにする。
【解決手段】スリットコート法により基板上に塗布された有機膜の塗布開始部及び塗布終了部の盛り上がり部分にレーザー光を照射することで不要部分の有機膜を気化除去する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基板面への塗布液の塗布終了時に基板面端部に残留する過剰塗布液を除去する、基板面端部の過剰塗布液除去方法であって、基板面への塗布液の塗布終了後に、基板の過剰塗布液が残留する側の端縁に光を照射し過剰塗布液を蒸散させることを特徴とする過剰塗布液除去方法。 【請求項2】 前記照射光としてレーザー光を用い、このレーザー光を、基板の過剰塗布液が残留する側の端縁に沿って進退自在に設けられた往復動部材の先端部に支持された光反射板に反射させることより基板の過剰塗布液の各部分に照射する事を特徴とする請求項1記載の基板面端部の過剰塗布液除去方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、LCD用カラーフィルターに代表される大型ガラス基板等の枚葉基板への塗布液の塗布終了後における、基板面端部の過剰塗布液除去方法およびその方法に用いられる装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、LCD用カラーフィルターに代表される大型ガラス基板等の枚葉基板への塗布液のコーティング方式としては、スピンコーティング方法が知られている。この方式は、塗布効率が10%程度と低く、しかも基板のコーナー部分で塗布膜厚が厚くなるという欠点がある。さらに、ガラス基板面端部にレジストが付着した状態で次工程へ基板が搬送されると、次工程のユニットの基板規正部分やステージ部分にレジストが転写して装置が汚染し、転写したレジストが硬化することにより、ダストの原因となるこの欠点を解決でき、かつ枚葉基板に塗布液を効率よく塗布する方法としては、ナイフコート方式、ロールコート方式、ダイコート方式があるが、これらの方式を用いて均一な膜厚を得るために、基板表面の平滑度が塗布精度以下でなければならないという問題がある。この問題をも解決できる液塗布方式として、塗布液ビードを基板面と塗布ヘッドの間に形成し、基板と塗布ヘッドを相対移動させて、基板面に塗布液を塗布する方式が、国際出願PCT/JP 94/00845号(国際出願日:平成6年5月27日)において提案されていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上述のナイフコート方式、ロールコート方式、ダイコート方式を用いて塗布を行う場合においても、また上述の国際出願に記載の方式においても、塗布終了時に基板の塗布終了端部に過剰の塗布液が残留し、この残留液のために、塗布膜厚の均一領域が縮小したり、部分的な乾燥不良が生じたりして、塗布膜の品質が阻害される要因となっている。 【0004】そこで上記国際出願に開示された方法では、過剰塗布液を除去するために、過剰塗布液の真空吸引による除去や、吸収性ロールによる除去や、有機溶剤の吹き付けによる溶解除去が行われる。しかしながら、真空吸引による塗布液除去は、塗布幅全体にわたって行うのに時間を要し、かつ吸い取った余剰塗布液の処理が必要になり、配管、真空源の設置によりスペースを要するという欠点がある。また、吸収性ロールによる除去は、特に有機溶剤系塗布液を用いる場合に、ロールの耐久性、洗浄性の点で問題があり、ロールの材質に制限を受けるという問題があり、しかも吸収性ロールは使用後に洗浄しなければならないため洗浄溶剤を多く使用する必要があるという問題や、機構的に複雑で設置スペースを多く要するという問題がある。更に、有機溶剤による吹き付けによる溶解除去の場合、大量の有機溶剤を使用するという問題がある。 【0005】本発明は上述の問題を解決するためになされたもので、その目的は、過剰塗布液の蒸散のための原理が簡単であるため安価で、蒸散に時間をとらず、しかも蒸散を確実に行うことができ、蒸散雰囲気処理や洗浄を必要としない、基板面端部の過剰塗布液除去方法および装置を得ることにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、基板面への塗布液の塗布終了時に基板面端部寄りに残留する過剰塗布液を除去する、または、基板面への塗布液をフォト工程を経てパターニングした後、基板面端部の過剰塗布液除去方法であって、基板面への塗布液の塗布終了時又はパターニング後に、基板の過剰塗布液が残留する側の端縁に光を順次照射し、過剰塗布液を蒸散除去することを特徴とする。 【0007】請求項2の発明では、請求項1の方法において、レーザー光を用い、このレーザー光を、順次過剰塗布液部に照射するように、基板に関して送るようにする。 【0008】 【作用】請求項1による過剰塗布液除去方法では、基板面への液塗の終了時又は基板面への塗布液をフォト工程を経てパターニングした後に、基板の端縁の過剰塗布液のある基板面部分に照射させられて、過剰塗布液は蒸散される。 【0009】請求項2による過剰塗布液除去方法では、基板の端縁に反射光が照射される位置に反射板が移動し、次いで光源から照射された光が反射板で反射され端縁近くの過剰塗布液のある基板面部分に照射させられて過剰塗布液は蒸散され、さらにその異なる部分にも過剰塗布液部分が存在する場合反射板が移動し順次過剰塗布液にレーザー光が照射され過剰塗布液を蒸散する。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する本発明で塗布処理される枚葉基体は、典型的にはLCDカラーフィルター用大型ガラス基板であり、また、基板に塗布される液は、ガラス基板上に微細パターンを形成するための感光性樹脂である。ガラス基板は非可撓性であるが、本発明で処理される基板はこのようなガラス基板に限らずプラスチック、金属、紙等でもよく、また基板自体が可撓性をもっていてもよい。また、塗布される液は、水系、溶剤系等各種の液を用いることができ、顔料、染料、フィラー、増感剤、樹脂、添加剤等を単独または組合せて混合することができる。 【0011】(実施形態1)図1において、1はガラス基板であり550×670mm,厚さ0.7mm,NHテクノグラス製無アルカリガラスを使用した。基板1は基板ホルダー2上に図示していない機構により真空吸着されている。3はレーザー光光源で本実施形態においては波長0.248μmのKrFエキシマレーザーを使用した。この光源3から出たレーザー光は、4の光学系により基板1表面で所望のビーム径となるように調整される。5は鏡で、光学系4で調整された光はこの鏡で反射され基板1の表面に照射され、この結果基板端部の過剰塗布液部がレーザー光で蒸散される。 【0012】基板上におけるレーザー光はスポット径が2mmの円形で、照度が0.5J/cm2で、200Hzある。鏡5はリニアベアリング6に取り付けてあり、リニアベアリング6は7のモーターの回転により鏡5を直線移動させる事が可能で7mm/secの速度で移動させた。更に、基板1の1辺の端部に沿ってスキャンする事が可能である。このとき、光源3から基板1表面までの距離が変化するが、基板1の表面に照射される光はスポット径・照度の変化をしないよう光学系4を鏡5の動きに合わせて調整する。基板端部の1辺が上述の工程により過剰塗布液除去が終了した後、基板回転機構8(図2参照)により基板ホルダー2ごと基板1を180度回転させ反対側の基板端部の過剰塗布液を同様に除去し全工程が終了する。 【0013】図2は図1に示した実施形態の装置を水平方向から見たものである。 【0014】本実施形態において、基板1はガラス製でその表面にブラックレジストが塗布され、ブラックマトリクスパターンが形成されている。基板1上のブラックレジストは富士フィルムオーリン製CK−A029で膜厚は2μmとした。ブラックレジストの塗布にはスリット式塗布機を用いたため、基板端部の過剰塗布液はブラックレジスト塗布方向の塗布開始端部・塗布終了端部が特に激しい。本実施形態においては、ブラックマトリクスパターンをフォトリソ工程で形成したため、ブラックレジスト塗布方向の塗布開始端部・塗布終了端部の特に激しい過剰塗布液部分が線状に残留する。これを基板ホルダー回転機構8で180度回転させることで前述の塗布開始端部・塗布終了端部の両方を交互にレーザー光照射により蒸散させた。 【0015】(実施形態2)基板1上にブラックレジストを塗布し基板の端部4辺の過剰塗布液を除去したときの実施形態を図3に示した。実施形態1と同様に基板1は基板ホルダー2上に真空吸着されており、光源3から出たレーザー光は光学系4を通り10の鏡で基板1の面に平行に90度方向に反射され、更に鏡5で基板方向に反射され基板表面に照射される。鏡5・リニアベアリング6・モーター7・鏡10は同時に移動するように1つのステージに配置され、モーター9で基板1の内、ベアリング6と直交する1辺に沿って移動するリニアベアリング11に固定されている。実施形態1に記した処理工程が終了した後、基板回転機構8により基板1を90度回転させる。その結果、鏡5は基板1の端部からはずれてしまう。この時、モーター9を回転させリニアベアリング11の移動により鏡5・リニアベアリング6・モーター7・鏡10を基板1の端部に移動させ、再び実施形態1に記したようにリニアベアリング6の移動により鏡5を基板1の端部に沿って移動させ光源3よりレーザー光を照射し基板端部の過剰塗布液部分を除去する。 【0016】同様の工程を残りの2辺についても行うことで基板1の4辺全ての過剰塗布液部分の除去処理を行い、全ての工程を終了する。 【0017】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば基板上の過剰塗布液の除去を行うために真空吸引による除去や、吸収性ロールによる除去や、有機溶剤の吹き付けによる溶解除去方法と比較して、真空吸引及び吸収性ロールによる除去時に発生しやすい不完全除去による塗布液の残留や、有機溶剤の吹き付けによる除去時に発生する有機溶剤の大量消費と言った問題を確実に回避できる。 【0018】また、有機溶剤を全く使用していないため火災や人体への危険性が無く、環境汚染も生じずに済む。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001007 【氏名又は名称】キヤノン株式会社 【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号
|
| 【出願日】 |
平成13年11月29日(2001.11.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090538 【弁理士】 【氏名又は名称】西山 恵三 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2003−164789(P2003−164789A) |
| 【公開日】 |
平成15年6月10日(2003.6.10) |
| 【出願番号】 |
特願2001−364357(P2001−364357) |
|