| 【発明の名称】 |
液体の吐出口 |
| 【発明者】 |
【氏名】久米 昭也 【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノン株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】液体塗布装置の吐出口開口部の乾燥を防ぎ、塗布膜の安定形成と異物混入防止。
【解決手段】吐出口表面を粗面化することにより、特別な機構なしに吐出口外側の塗布液ぬれ上がり部分に積極的に溶剤成分を吸い上げ、乾燥を防止し吐出流体の形状を保ち、さらに異物固形分の形成を防止する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 有機溶剤を含む液体の流路出口を粗面化したことを特徴とする液体の吐出口。 【請求項2】 液体の吐出口が有機溶剤を含む液体用のスリットコーター塗布装置のヘッドである請求項1に記載の液体の吐出口。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、液体塗布装置の吐出口開口部の乾燥を防ぎ、塗布膜の安定形成と異物混入防止を目的とした塗布装置に関する。 【0002】 【従来の技術】塗布対象上に吐出口から液体を吐出して薄膜を形成させる方法としてフローコート、スピンコート、ダイコート、スリットコートなどがある。 【0003】これら装置の塗布時、吐出口の外側に塗布液がぬれ上がり、それが乾燥することによって吐出口付近に塗布液の固形分が異物として出現し、これに塗布液が表面張力で引っ張られることによって吐出流体の形状が変形してしまう。 【0004】すると、形成される膜厚がばらついてしまい、所望の精度の薄膜が得られなくなってしまう。 【0005】さらに、乾燥した塗布液の固形分が吐出口より剥がれて再び塗布液に混入したり、形成された薄膜上に落下すれば異物不良となり、所望の品質は得られない。 【0006】これらの問題を解決すべく特開平08−155369号公報のように吐出口の外側をテフロン(登録商標)等の防汚れ性の樹脂で被覆し、塗布液のぬれ上がりを防ぐ方法があるが、完全にぬれ上がりを防ぐことは出来ない。 【0007】そこで特開平08−173891号公報では、塗布を開始する前もしくは後に塗布液の捨て打ちを行い、吐出口の外側を定期的に拭き取ることでこの問題を解決しようとしている。 【0008】他の方法としては、特開平10−216598号公報や特開平12−042468号公報、特開平12−140735号公報のように吐出口を塗布液溶剤のベーパー雰囲気中に保つことで乾燥を防いでいる。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来技術のように捨て打ちを行い、吐出口の外側を定期的に拭き取る方法では捨て打ち分の塗布液が無駄になり、特に高価な液体の塗布を行う場合にはコストアップを免れない。又、拭き取りの動作は製造タクトを長くすると共に、毎回同レベルの清浄度を再現するのは難しく、同品質の薄膜を形成することは難しい。 【0010】もう一方のベーパー雰囲気中に保つ技術では、ベーパーが抜けないような気密を保つ装置を作ることは難しく、又、溶剤ベーパーによる火災、爆発等の危険からも量産装置には不向きである。 【0011】 【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するため本発明の液体の吐出口は、吐出口表面を粗面化することにより、特別な機構なしに吐出口外側の塗布液ぬれ上がり部分に積極的に溶剤成分を吸い上げ、乾燥を防止し吐出流体の形状を保ち、さらに異物固形分の形成を防止することができる。 【0012】 【発明の実施の形態】実際に処理する部分は、塗布液体と雰囲気気体、吐出口構造体の3つが接する吐出口表面であり、それは金属表面でも樹脂の表面でもよく、加工法としてはサンドブラスト、研磨、酸処理等の方法を用いてその表面を粗面化する。 【0013】特にサンドブラストでの加工は、使用する砂の粒度や吹きつけ圧力の調整によってその表面粗さの制御がし易いので、均一で再現性の良い加工が行える。 【0014】表面粗さは中心線平均粗さを表すRaが0.4μm〜50μmが好ましく、特に0.8μm〜5μmが良好である。 【0015】(実施形態1)スリットコート装置のSUS製ヘッドをサンドブラストを用いてその表面を荒らした。 【0016】表面粗さRaは加工前0.1μm、加工後の粗さは0.5μmであった。 【0017】このヘッドを用いて有機溶剤を含む東京応化工業株式会社製フォトレジスト塗料CFPR CL−016Sの塗布を行ったところ、ヘッドは常に溶剤で湿潤した状態を保つことが出来るようになり、加工前には発生していたヘッドの塗液汚れが発生せず、塗布スジ(膜厚ムラ)を回避することが出来るようになった。 【0018】ヘッド表面の接触角をCL−016S液で測定すると、加工前は12゜であったが加工後は8゜となり、表面の凹凸によって溶剤がぬれ易くなり、塗液の保持能力を高めていることが分かった。 【0019】(実施形態2)同様にして、汚れを防ぐためにPTFEをコ−トしてあるスリットコートのSUS製ヘッドをサンドブラストを用いてその表面を荒らした。 【0020】表面粗さRaは加工前0.8μm、加工後の粗さは1.5μmであった。このヘッドを用いてCL−016Sの塗布を行ったところ、ヘッドは常に溶剤で湿潤した状態を保つことが出来るようになり、加工前には発生していたヘッドの塗液汚れが発生せず、塗布スジ(膜厚ムラ)を回避することが出来るようになった。 【0021】ヘッド表面の接触角をCL−016S液で測定すると、加工前は54゜であったが加工後は23゜となり、表面の凹凸によって溶剤がぬれ易くなり、塗液の保持能力を高めていることが分かった。 【0022】 【発明の効果】本発明の液体吐出口によれば、頻繁な清掃操作や特別な機構なしに吐出口外側の塗布液乾燥を防止し吐出流体の形状を保ち、膜厚精度の良い塗布を行うことが出来る。 【0023】さらに、異物固形分の形成を防止することができるので、形成した薄膜の異物不良もなくすことが出来る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001007 【氏名又は名称】キヤノン株式会社 【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号
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| 【出願日】 |
平成13年11月29日(2001.11.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090538 【弁理士】 【氏名又は名称】西山 恵三 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−164787(P2003−164787A) |
| 【公開日】 |
平成15年6月10日(2003.6.10) |
| 【出願番号】 |
特願2001−364309(P2001−364309) |
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