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【発明の名称】 スピンコータ
【発明者】 【氏名】菅野 孝一
【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

【氏名】岡本 秀俊
【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

【要約】 【課題】ガラス基板のサイズ毎に変更する必要がなく、ガラス基板から飛散したインキを確実に回収することができ、しかも簡単に清掃ができる液跳ね防止板を備えたスピンコータを提供すること。

【解決手段】周囲に液溜まり部を有するカップ10と、そのカップ10の中央部に取り付けられ、上面側に凹形状部13を備えた液跳ね防止板12とからなり、インキを塗布したガラス基板Gを液跳ね防止板12の凹形状部13の中に載荷して回転する。凹形状部13を最大サイズのガラス基板に合わせておくことにより、液跳ね防止板12をガラス基板のサイズ毎に変更する必要がなく、したがって装置価格が押さえられ、段取り替えの必要がない。また、ガラス基板から飛び出したインキが液跳ね防止板の壁面を伝わるため、流速が落ちて飛散しにくい。しかも、シンプルな形状をしているため、清掃が簡単であり、清掃時間の短縮を図ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ガラス基板に対しインキを均一に塗布する工程で使用されるスピンコータであって、周囲に液溜まり部を有するカップと、そのカップの中央部に取り付けられ、上面側に凹形状部を備えた液跳ね防止板とからなり、インキを塗布したガラス基板を液跳ね防止板の凹形状部の中に載荷して回転することを特徴とするスピンコータ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス基板に対してインキを均一に塗布する工程で使用されるスピンコータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ガラス基板に対してインキを均一に塗布するに際していわゆるスピンコータが使用されることが多い。この場合、初めにガラス基板上へ一定量のインキを塗布する。次いで、スピンコータを使用してガラス基板を回転させることにより、その遠心力によって不必要なインキを飛ばし、インキの膜厚を均一化するようになっている。
【0003】図1は従来のスピンコータの一例を示す平面図、図2は図1のA−A断面図とB−B断面図である。
【0004】この図に示されるように、スピンコータは、周囲に液溜まり部2を有する円盤状のカップ1を有しており、そのカップ1の中央部にガラス基板Gを載荷した状態で図1の矢印方向に回転する。そして、遠心力によって飛び出した不必要なインキを回収するため、ガラス基板Gの周囲を取り囲むように液跳ね防止板3と呼ばれる回収機構を設けている。この液跳ね防止板3は、ガラス基板Gから遠心力で飛散したインキを飛行速度が小さい時点(ガラス基板から飛び出した直後)で、カップ1や液跳ね防止板3の内壁部の壁面を伝わらせ移動速度を遅くした上で液溜まり部2に誘導し、ミストの発生を抑制する。また、インキの移動領域を限定することで汚染箇所を少なくする役目も果たしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術で述べたように、スピンコータには、不必要なインキを回収し、さらには汚染箇所を少なくするために液跳ね防止板を設けてある。ところが、ガラス基板のサイズ毎に専用の液跳ね防止板が必要となるため、装置価格が高価になるとともに、基板のサイズが替わる度に行う段取り替えに多大な時間を要するという問題点がある。また、液跳ね防止板は、複雑な形状であるため、ミストにより発生した付着物の清掃に多大な時間と労力を必要とする。
【0006】本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ガラス基板のサイズ毎に変更する必要がなく、ガラス基板から飛散したインキを確実に回収することができ、しかも簡単に清掃ができる液跳ね防止板を備えたスピンコータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明は、ガラス基板に対しインキを均一に塗布する工程で使用されるスピンコータであって、周囲に液溜まり部を有するカップと、そのカップの中央部に取り付けられ、上面側に凹形状部を備えた液跳ね防止板とからなり、インキを塗布したガラス基板を液跳ね防止板の凹形状部の中に載荷して回転することを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0009】図3は本発明に係るスピンコータの一例を示す平面図、図4は図3のA−A断面図である。
【0010】これらの図において10は周囲に液溜まり部11を有する円盤状のカップであり、そのカップ10の中央部には液跳ね防止板12が取り付けられている。液跳ね防止板12は、図示のように、全体が円盤状であって、その上面には逆四角錐状の凹形状部13が目一杯の広さで形成されている。
【0011】このスピンコータは、インキを塗布したガラス基板Gを液跳ね防止板12の凹形状部13の中に載荷して回転させる。この時、図示の如く、ガラス基板Gの四隅を凹形状部13の稜線に合わせて水平状態で載荷する。したがって、凹形状部13はガラス基板の四隅を稜線で支持する形状で形成しておく必要がある。この載荷状態でカップ10を図の矢印方向に回転させると、遠心力により不必要なインキがガラス基板Gの端面より飛んで液跳ね防止板12の壁面に当たり、その壁面を伝わってカップ10の液溜まり部11に落下する。このように、ガラス基板Gから飛び出したインキは液跳ね防止板12の壁面を伝わるため、流速が落ちて飛散しにくい。
【0012】そして、液跳ね防止板12の大きさ、すなわちガラス基板Gを載荷する凹形状部13の大きさは、スピンコータで処理する最大サイズのガラス基板が載荷できる大きさとしておく。このように液跳ね防止板12の大きさを設定しておくことにより、サイズの異なるガラス基板を取り扱う際にいちいち液跳ね防止板を交換する必要がなくなる。
【0013】図5及び図6は中サイズのガラス基板Gの他に大サイズのガラス基板G1 と小サイズのガラス基板G2 を載荷した場合を図示している。このように、3種類のサイズの異なるガラス基板に対しても、同じ一枚の液跳ね防止板12で対処することができる。なお、図5及び図6ではガラス基板のサイズを大、中、小の3種類としたが、3種類にとらわれるものではない。
【0014】以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明によるスピンコータは、上記した実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0015】
【発明の効果】本発明のスピンコータは、ガラス基板に対しインキを均一に塗布する工程で使用されるスピンコータであって、周囲に液溜まり部を有するカップと、そのカップの中央部に取り付けられ、上面側に凹形状部を備えた液跳ね防止板とからなり、インキを塗布したガラス基板を液跳ね防止板の凹形状部の中に載荷して回転することを特徴としているので、凹形状部を最大サイズのガラス基板に合わせておくことにより、液跳ね防止板をガラス基板のサイズ毎に変更する必要がなく、したがって装置価格が押さえられ、段取り替えの必要がなくなる。また、ガラス基板から飛び出したインキが液跳ね防止板の壁面を伝わるため、流速が落ちて飛散しにくくなり、周囲を汚すことが少ない。しかも、シンプルな形状をしているため、清掃が簡単であり、清掃時間の短縮を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号
【出願日】 平成13年9月17日(2001.9.17)
【代理人】 【識別番号】100096600
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 育郎
【公開番号】 特開2003−80160(P2003−80160A)
【公開日】 平成15年3月18日(2003.3.18)
【出願番号】 特願2001−281228(P2001−281228)