| 【発明の名称】 |
塗工装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】山田 建治 【住所又は居所】広島県三原市糸崎町5007番地 三菱重工業株式会社紙・印刷機械事業部内
【氏名】杉原 正浩 【住所又は居所】広島県三原市糸崎町5007番地 三菱重工業株式会社紙・印刷機械事業部内
【氏名】三浦 洋司 【住所又は居所】広島県三原市糸崎町5007番地 三菱重工業株式会社紙・印刷機械事業部内
【氏名】宮倉 敏明 【住所又は居所】広島県三原市糸崎町5007番地 三菱重工業株式会社紙・印刷機械事業部内
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| 【要約】 |
【課題】塗工装置に関し、高速運転を行ってもウェットストリーク(光沢ムラ)を十分に抑制することができるようにすることを目的とする。るようにする。
【解決手段】バッキングローラ2に巻き掛けられて移送されるウェブ1に塗工液を吹き出し塗布する給液装置11と、塗布した塗工液層を一定の厚みにならすブレード12とをそなえた塗工装置において、塗工装置よりもウェブ1の走行方向上流側に、給液装置11から吹き出されたウェブ近傍の塗工液を整流するプレブレード19が先端をバッキングローラ2に近接させて設けられ、使用時におけるプレブレード19の先端とバッキングローラ2とのなす角度を6〜15°に設定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 バッキングロールに巻き掛けられて移送されるウェブに塗工液を吹き出し塗布する給液装置と、塗布した塗工液層を一定の厚みにならすブレードとをそなえた塗工装置において、該塗工装置よりも該ウェブの走行方向上流側に、該給液装置から吹き出された該ウェブ近傍の塗工液を整流するプレブレードが先端を該バッキングロールに近接させて設けられ、塗工前の設定時及び塗工状態における該プレブレードの先端と該バッキングロールとのなす角度が3〜15°の範囲内に設定されていることを特徴とする、塗工装置。 【請求項2】 塗工前の設定時及び塗工状態における該プレブレードと該バッキングロールとの隙間が0.7〜3mmの範囲内に設定されていることを特徴とする、請求項1記載の塗工装置。 【請求項3】 バッキングロールに巻き掛けられて移送されるウェブに塗工液を吹き出し塗布する給液装置と、塗布した塗工液層を一定の厚みにならすブレードとをそなえた塗工装置において、該塗工装置よりも該ウェブの走行方向上流側に、該給液装置から吹き出された該ウェブ近傍の塗工液を整流するプレブレードが先端を該バッキングロールに近接させて設けられるとともに、該プレブレードの先端と該バッキングロールとのなす角度を調整可能な角度調整機構が設けられていることを特徴とする、塗工装置。 【請求項4】 該給液装置は、該ウェブの被塗工面に臨むように配置されて該塗工液を貯留するチャンバ部をそなえるとともに、該チャンバ部内には、該チャンバ部内を該ウェブの走行方向上下流側に分割する仕切板が設けられ、該仕切板には、上流側チャンバ部分と下流側チャンバ部分とを連通させる複数の連通孔が設けられていることを特徴とする、請求項1〜3の何れかの項に記載の塗工装置。 【請求項5】 該プレブレードは、該仕切板の先端部に該バッキングロールへ向けて突設されていることを特徴とする、請求項4記載の塗工装置。 【請求項6】 該プレブレードは、該バッキングロールへ向けて先細りになった楔形状に形成されていることを特徴とする、請求項1〜5の何れかの項に記載の塗工装置。 【請求項7】 該プレブレードは、ベースプレート部材と、該ベースプレート部材の先端側に着脱可能に取り付けられ先細りの楔形状に形成されたブロック部材とから構成されていることを特徴とする、請求項6記載の塗工装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、製紙機械の紙コータとして用いて好適の、塗工装置に関する。 【0002】 【従来の技術】製紙機械には、ウェブ状の紙(以下、ウェブという)の表面に塗工液を塗布する塗工装置が備えられる。図5は、従来のスーパー・ショート・ドゥエル・コータと称される塗工装置の従来例を示す模式的な断面図であり、このような技術は、例えば実公平8−4137号公報に開示されている。 【0003】図5に示すように、外周面にゴム等の弾性体が装着されたバッキングロール2の外周に、ウェブ(紙)1を巻き掛けて矢印Fで示す方向に移送させるようになっている。バッキングロール2の外周下部位置には、ウェブ1の下面に向けて垂直上方に塗工液(コート液)を吹き出させる吹き出し部(給液装置)11が設けられている。この吹き出し部11の下流端には、矢印F1で示すように流入した塗工液を貯留するチャンバ部13が設けられ、チャンバ部13内の塗工液がウェブ1の表面に付着するようになっている。また塗工液をチャンバ13内に堰き止める目的で、堰板14がチャンバ13の紙移送方向上流に設置されている。 【0004】チャンバ部13は基体10Aに設けられており、基体10Aには、このチャンバ部13よりウェブの走行方向下流側に、ブレード12が設けられている。ウェブ1の表面に付着した塗工液はウェブ1の移送力でブレード12まで達するが、このブレード12は、ここでウェブ1の表面に付着した塗工液のうちの余剰の塗工液を除去してウェブ1の表面に一定の塗工液層を形成させる。 【0005】この塗工装置には、さらに、チャンバ部13内をウェブ走行方向前後に分割する仕切板15が設けられるとともに、塗工液をウェブ1に塗布する板状体(プレブレード)18が仕切板15の先端部15aに取付部材17により取り付けられ、仕切板15の下部には、分割された各チャンバ部分13a,13b間で塗工液を流通可能とする複数の連通孔16が設けられている。 【0006】このような仕切板15,板状体18,連通孔16は以下のような課題に鑑みて設けられている。つまり、仕切板15,連通孔16,及びプレブレード18が設けられていなかったショート・ドゥエル・コータでは、ウェブ速度を高速化(たとえば1000m/min以上をいう)した時等において、ブレード12で計量しても塗工厚みがウェブ巾方向に均一ではなくなり、製品の塗工膜厚もその影響を受けるという課題があった。 【0007】すなわち、給液装置11から吹き出した塗工液はチャンバ内で循環し、加圧してウェブ1に転写する推進力となるものは循環流の上方への圧力及びブレード12での掻き落した液の速度であるが、循環流はウェブ1の巾方向に一様ではなく、特にマシンが高速になるほどその一様性が失われ、その不均一性のためにブレードでも均一にならすことができない場合があった。 【0008】このような不具合は、塗工紙を透かしてみた場合とか、螢光染料を有する塗工液を塗布した塗工紙に螢光発色灯(紫外光)を当てた場合等において、ウェブ流れ方向に、また接着剤の塗工層不均一分布に伴う流れ方向に、ウェットストリークと称される帯状の塗工ムラ(光沢ムラ)が見えるなどの現象として現れる。これに対し、仕切板15,板状体18,連通孔16を設けたスーパー・ショート・ドゥエル・コータの場合、塗工液を流すと、吹き出し部11から吐出した液は矢印F1で示すように流入して移送方向下流側のチャンバ部分13aの液と混合し、一部は、矢印F2で示すように仕切板15の連通孔16を通って上流側のチャンバ部分13bを通り、矢印F3で示すように流れながら、ウェブ1に達して付着した液はウェブ1と板状体18との間を乱れることなく通過してブレード12に到達する。 【0009】また、余剰な塗工液はブレード12に沿って下降し、チャンバ部分13aを充満すると同時に圧力を上昇させ、吹き出し部11からの液を混合されて大部分は矢印F2で示すように仕切板15の連通孔16を通ってチャンバ部分13bに出る。なお、このようにチャンバ部分13bに流入した塗工液の一部は、矢印F6で示すように堰板14の外部に流出する。 【0010】このような流れを構成した場合、仕切板15の穴配列などにより巾方向の塗工液の流れを均一化することが可能になり、下流側のチャンバ部分13aの内圧を穴面積で調整し、板状体18に背圧を加えウェブ巾方向に塗工液を均一に転写することが可能になる。なお、この塗工装置の塗工前の設定時及び塗工状態には、基体10Aを移動させることでブレード12がバッキングロール2に圧接されるため、ブレード12の先端部12aは、一点鎖線で示すように、点(仮想的な回転中心)P1回りに回動してその本来に対して傾斜する。このブレード12の回動とともに、板状体(プレブレード)18も回動してその先端がバッキングロール2に接近し、同時に通紙方向上流側端はバッキングロール2から離れる方向に移動する。 【0011】この結果、板状体(プレブレード)18とバッキングロール2とのなす角度が大きくなることがある。ここで、「塗工前の設定時」とは、「本塗工装置が設置されている抄紙機または塗工機(コータ)が停止状態にあって、運転時における本塗工装置の基準設定条件を設定/調整するために本塗工装置が塗工状態と同じ、もしくは塗工状態の動作基準条件となる位置に移動されている場合」を言う。この場合の「動作基準」とは、例えば仕上げブレード12に加圧力が作用しておらず、ブレード12とバッキングロール2、もしくはブレード12と塗工原紙がキスタッチしている状態など、塗工操業中の本塗工装置動作の基準となる機械設定条件を示す。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のように、板状体(プレブレード)18を設けると、ウェットストリークと称される帯状の塗工ムラ(光沢ムラ)の発生をある程度抑えることができるが、未だに十分ではない。特に、ショート・ドゥエル・コータ等の塗工装置は、ウェブ速度が1300〜1600m/min程度とより高速運転されるようになっており、このように高速運転を行うと、単に、仕切板15,板状体(プレブレード)18,連通孔16を設けただけでは、かかる光沢ムラの発生を十分には抑えられず、例えば図6に示すような縦スジ(ウェブ走行方向に延びるスジ)状のウェットストリーク(光沢ムラ)1aが発生する場合がある。 【0013】このような不具合の原因の一つは、塗工液の流れの乱れにあるものと考えられる。つまり、板状体18とバッキングロール2との角度が大き過ぎると、板状体(プレブレード)18のウェブ走行方向上流側領域において板状体18とバッキングロール2に巻き掛けられたウェブ1表面との間に形成される塗工液流路すきまが広くなり、この領域で塗工液の流れに乱れが生じ易くなる。この塗工液流の乱れ即ちウェブ1表面と板状体(プレブレード)18との間における塗工液の不安定な渦流が時間的に変化したり、ウェブ幅方向で異なるようになったりして、光沢ムラを助長すると考えられる。 【0014】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、高速運転を行ってもウェットストリーク(光沢ムラ)を十分に抑制することができるようにした、塗工装置を提供することを目的とする。 【0015】 【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載の本発明の塗工装置は、バッキングロールに巻き掛けられて移送されるウェブに塗工液を吹き出し塗布する給液装置と、塗布した塗工液層を一定の厚みにならすブレードとをそなえた塗工装置において、該塗工装置よりも該ウェブの走行方向上流側に、該給液装置から吹き出された該ウェブ近傍の塗工液を整流するプレブレードが先端を該バッキングロールに近接させて設けられ、塗工前の設定時及び塗工状態における該プレブレードの先端と該バッキングロールとのなす角度が3〜15°の範囲内に設定されていることを特徴としている。更に好ましくは、かかる角度を6〜15°の範囲内に設定する。 【0016】この場合、塗工前の設定時及び塗工状態における該プレブレードと該バッキングロールとの隙間は、0.7〜3mmの範囲内に設定されていることが好ましい(請求項2)。更に好ましくは、かかる隙間を1〜2.5mmの範囲内に設定する。請求項3記載の本発明の塗工装置は、バッキングロールに巻き掛けられて移送されるウェブに塗工液を吹き出し塗布する給液装置と、塗布した塗工液層を一定の厚みにならすブレードとをそなえた塗工装置において、該塗工装置よりも該ウェブの走行方向上流側に、該給液装置から吹き出された該ウェブ近傍の塗工液を整流するプレブレードが先端を該バッキングロールに近接させて設けられるとともに、該プレブレードの先端と該バッキングロールとのなす角度を調整可能な角度調整機構が設けられていることを特徴としている。 【0017】なお、該給液装置は、該ウェブの被塗工面に臨むように配置されて該塗工液を貯留するチャンバ部をそなえるとともに、該チャンバ部内には、該チャンバ部内を該ウェブの走行方向上下流側に分割する仕切板が設けられ、該仕切板には、上流側チャンバ部分と下流側チャンバ部分とを連通させる複数の連通孔が設けられていることが好ましい(請求項4)。 【0018】この場合、該プレブレードは、該仕切板の先端部に該バッキングロールへ向けて突設されていることが好ましい(請求項5)。また、該プレブレードは、該バッキングロールへ向けて先細りになった楔形状に形成されていることが好ましい(請求項6)。この場合、該プレブレードは、ベースプレート部材と、該ベースプレート部材の先端側に着脱可能に取り付けられ先細りの楔形状に形成されたブロック部材とから構成されていることも考えられる(請求項7)。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明の第1実施形態について説明すると、図1〜図3は本発明の第1実施形態としての塗工装置を示すもので、図1はその要部を示す模式的な断面図、図2,図3はその効果を説明する図である。図1において、図5と同符号は同様なものを示す。 【0020】図1に示すように、外周面にゴム等の弾性体が装着されたバッキングロール2の外周に、ウェブ(紙)1を巻き掛けて矢印Fで示す方向に移送させるようになっており、バッキングロール2の外周下部位置には、ウェブ1の下面に向けて垂直上方に塗工液(コート液)を吹き出させる吹き出し部(給液装置)11が設けられ、吹き出し部11よりもウェブ走行方向下流には、余剰の塗工液を除去するブレード12が設けられている。 【0021】吹き出し部11の下流端には、矢印F1で示すように流入した塗工液を貯留するチャンバ部13が設けられ、チャンバ部13内の塗工液がウェブ1の表面に付着するようになっている。また塗工液をチャンバ13内に堰き止める目的で、堰板14がチャンバ13の紙移送方向上流に設置されている。これらのチャンバ部13,堰板14はブレード12とともに基体10Aに設けられている。 【0022】さらに、チャンバ部13内をウェブ走行方向前後に分割する仕切板15が設けられるとともに、ウェブ1に接する塗工液の流れを整流するプレブレード(板状体)19が仕切板15の先端部15aにバッキングロール2へ向かうように配置され取付部材17により取り付けられ、仕切板15の下部には、分割された各チャンバ部分13a,13b間で塗工液を流通可能とする複数の連通孔16が設けられている。 【0023】このようにチャンバ部13,仕切板15,連通孔16,プレブレード19を設けることによって、塗工液を流すと、吹き出し部11から吐出した液は矢印F1で示すように流入して移送方向下流側のチャンバ部分13aの液と混合し、一部は、矢印F2で示すように仕切板15の連通孔16を通って上流側のチャンバ部分13bを通り、矢印F3で示すように流れながら、ウェブ1に達して付着した液はウェブ1とプレブレード19との間を乱れることなく通過してブレード12に到達する。これにより、ウェットストリークの発生を抑制することや、塗工品質を向上させることに寄与しうるようになっている。 【0024】また、余剰な塗工液はブレード12に沿って下降し、チャンバ部分13aを充満すると同時に圧力を上昇させ、吹き出し部11からの液を混合されて大部分は矢印F2で示すように仕切板15の連通孔16を通ってチャンバ部分13bに出て、チャンバ部分13bに流入した塗工液の一部は、矢印F6で示すように堰板14の外部に流出するようになっている。 【0025】特に、本塗工装置10のプレブレード19は、使用状態において、その先端のバッキングロール2との最接近部において、バッキングロール2(その接線方向)とのなす角度αが略3〜15°の範囲内で且つバッキングロール2との隙間tが0.7〜3mmの範囲内になるように配設されている。より一層好ましい態様としたは、角度αが略6〜15°の範囲内で且つバッキングロール2との隙間tが1〜2.5mmの範囲内になるように配設する。 【0026】なお、この塗工装置の使用状態とは、実際の塗工操作を行う際、ウェブ1表面上に塗布する塗工液量を制御する目的で、基体10Aを移動させてブレード12をバッキングロール2に圧接し、ブレード12の先端部12aが、一点鎖線で示すように、点(仮想的な回転中心)P1回りに回動してその本来に対して傾斜する状態である。このブレード12の回動とともに、板状体(プレブレード)19も回動してバッキングロール2に接近し角度αも変化する。 【0027】このような角度α,隙間tの設定の理由を説明する。プレブレード19とバッキングロール2との角度αを略15°以下に設定しているのは、この角度αが大き過ぎると、プレブレード19の先端に進入する塗工液の流れに乱れが生じてしまいあまり大きくはできない。このような塗工液流の乱れがあまり問題にならない上限値の角度αが15°程度であることが実験的に確かめられたためである。また、プレブレード19とバッキングロール2との角度αを略3°以上に設定しているのは、この角度αが小さ過ぎると、プレブレード19に加わる塗工液の圧力が強まって、隙間tが拡大する方向にプレブレード19を不均一に弾性変形させて、却って、塗工液流の乱れを発生させてしまうためであり、さらに好ましくは角度αを略6°以上に設定する。 【0028】なお、これらの角度αの下限値3〜6°及び上限値15°は、ウェブ1の搬送速度(走行速度)や塗工液の質やプレブレード19の材料等によって変化するので、これらの条件に応じて微妙に変化するが、概ね3〜15°(より好ましくは概ね6〜15°)の範囲内とすればよく、より詳細に設定するには、上記のような観点から、各条件下での下限角度及び上限角度を設定すればよい。 【0029】プレブレード19とバッキングロール2との隙間tを略3mm以下に設定しているのは、この隙間tが大き過ぎると、プレブレード19による塗工液流の整流作用が低下し、塗工液流の乱れを発生させてしまうためである。また、隙間tを略0.7mm以上に設定しているのは、この隙間tが小さ過ぎると、プレブレード19に加わる塗工液の圧力が強まって、隙間tが拡大する方向にプレブレード19を不均一に弾性変形させて、却って、塗工液流の乱れを発生させてしまうためである。 【0030】なお、これらの隙間tの下限値0.7mm及び上限値3mmは、ウェブ1の搬送速度(走行速度)や塗工液の質等によって変化するので、これらの条件に応じて微妙に変化するが、概ね0.7〜3mm(より好ましくは概ね1〜2.5mm)の範囲内になるように配設する。もちろん、更に限定して、下限値1mm及び上限値2.5mmに(即ち、概ね1〜2.5mmの範囲内に)するのがより好ましいが、いずれにしても詳細に設定するには、上記のような観点から、各条件下での下限値及び上限値を設定すればよい。 【0031】また、本塗工装置10のプレブレード19そのものを上記のような設定条件で取付けることが困難な場合には、ベースプレート部材19aと、このベースプレート部材19aの先端側に着脱可能に取り付けられた先細りの楔形状に形成されたブロック部材(アタッチメント)19bとを装着することも可能である。この場合、ブロック部材19bは楔角度や長さ等の異なるものを複数種類用意して、適宜のものを選択してボルト20によってベースプレート部材19aに結合するようになっている。 【0032】先細りの楔形状に形成されたブロック部材19bを用いる上記以外の理由として、下記のような事も考えられる。即ち、上述のように角度αを小さくした場合でプレブレード19の曲げ剛性が不足しているような場合には、プレブレード19とウェブ1表面間に発生する塗工液圧でプレブレードが変形した際、プレブレード19とウェブ1との間に形成される塗工液流路がウェブ走行方向下流に向って先開き状体となり、これによって塗工液流れを乱す恐れが生じる。これを回避するために、ベースプレート部材19aにブロック部材19bを合体させて剛性を向上させているのである。 【0033】また、ブロック部材19bをベースプレート部材19aに着脱可能に取り付ける場合には、適宜の楔角度や長さのブロック部材19bを用いることで、上記の角度αや隙間tを最適なもの設定することも可能となる。なお、上記のブロック部材19bに相当する部分の楔角度や長さを角度αや隙間tを最適なものとなるように設定すれば、ブロック部材19bとベースプレート部材19aとが一体になったもの(つまり、プレブレード19の基端は平板状であっても先端側は楔状になっているもの)としてプレブレード19を構成してもよい。 【0034】本発明の第1実施形態としての塗工装置は、上述のように構成されており、特に、プレブレード19とバッキングロール2とのなす角度αが略3〜15°の範囲内で且つプレブレード19とバッキングロール2との隙間tが略0.7〜3mmの範囲内になるように配設されているいるので、例えば、ウェブ速度が1300〜1600m/min程度とより高速運転されるようになっても、縦スジ(ウェブ走行方向に延びるスジ)状のウェットストリーク(光沢ムラ)1aの発生を抑制することができ、塗工品質を向上させることができる。 【0035】つまり、プレブレード19とバッキングロール2との角度αが適正値(略3〜15°の範囲内)に設定されているので、角度αが大き過ぎてプレブレード19の先端に進入する塗工液の流れに乱れが生じてしまう不具合や、角度αが小さ過ぎて、プレブレード19とウェブ1との間に形成される塗工液流路形状が先開きとなり、塗工液流の乱れを発生させてしまう不具合を回避することができる。また、角度αを略6〜15°の範囲内に設定すれば、上記効果をより一層確実に得ることができる。 【0036】また、プレブレード19とバッキングロール2との隙間tが適正値(略0.7〜3mmの範囲内)に設定されているので、隙間tが大き過ぎてプレブレード19による塗工液流の整流作用が低下し塗工液流の乱れを発生させてしまう不具合や、隙間tが小さ過ぎてプレブレード19に加わる塗工液の圧力が強まってプレブレード19を不均一に弾性変形させて、却って、塗工液流の乱れを発生させてしまう不具合を回避することができる。また、隙間tを略1〜2.5mmの範囲内に設定すれば、上記効果をより一層確実に得ることができる。 【0037】特に、塗工するウェブ1の地合に薄い部分があるなどウェブ(原紙)1にムラがある場合にも、光沢ムラ1aの発生を十分に抑制できる。図2,図3は、本実施形態の塗工装置によって塗工処理したウェブ表面と、図5に示す従来例によって塗工処理したウェブ表面との輝度特性を示す図であり、いずれも実際に塗工処理したサンプルの測定結果である。図2は、塗工処理したウェブ表面のCMD(装置幅方向,ウェブ幅方向)における輝度分布を示し示したものであり、横軸はCMD位置を、縦軸は輝度(上方が高輝度,下方が低輝度)を示している。また、図3は、輝度偏差(縦軸)を示す。図2,図3において、「現状」は図5に示す従来例に相当し、「CASEB」は本実施形態を示す。 【0038】図2,図3に示すように、本実施形態のものは、従来例に比べて輝度分布に偏りがなく輝度偏差が小さいこと、すなわち、光沢ムラが少ないことがわかる。次に、本発明の第2実施形態について説明すると、図4は本発明の第2実施形態としての塗工装置の要部を示す模式的な断面図である。図4において、図1,図5と同符号は同様なものを示す。 【0039】本実施形態では、図4に示すように、プレブレード19の角度αを調整しうる角度調整機構21が設けられている。この角度調整機構21は、プレブレード19をその基点回りに回動させることができればよく、手動でも電動でもよいが、例えばギヤ機構を介装するなどして角度αを微調整できるようにすることが好ましい。 【0040】本発明の第2実施形態としての塗工装置は、上述のように構成されているので、角度調整機構21を通じて、プレブレード19の角度αを容易に最適値に調整でき、塗工条件に応じて光沢ムラの発生が最も少なくなるようにすることができる。以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。 【0041】例えば、第1実施形態では、プレブレード19とバッキングロール2とのなす角度αを略3〜15°の範囲内にし且つプレブレード19とバッキングロール2との隙間tを略0.7〜3mmの範囲内にしているが、いずれか一方をこの範囲に設定し、他方をこの範囲外(ただし、この範囲から大きく外れないこと(例えば隙間tをt=3.5mm程度まで))に設定しても一定の効果は得られる。特に、角度αの寄与度が大きいと考えられるため、角度αを略3〜15°の範囲内(さらに好ましくは略6〜15°の範囲内)に設定し、隙間tを0.7〜3mmから大きく外れないように設定すればある程度の効果が得られるものと考えられる。 【0042】 【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本発明の塗工装置によれば、塗工前の設定時及び塗工状態におけるプレブレードの先端とバッキングロールとのなす角度が3〜15°の範囲内に設定されているので、装置が高速運転されても、縦スジ状の光沢ムラなどのウェットストリークの発生を抑制することができ、塗工品質を向上させることができる。 【0043】さらに、塗工前の設定時及び塗工状態における該プレブレードと該バッキングロールとの隙間が、0.7〜3mmの範囲内に設定されると、ウェットストリークの発生をより抑制することができ、塗工品質をより向上させることができる(請求項2)。また、請求項3記載の本発明の塗工装置によれば、プレブレードの先端とバッキングロールとのなす角度を調整可能な角度調整機構を設けているので、プレブレードの先端とバッキングロールとのなす角度を容易に最適角度に設定でき、ウェットストリークの発生を抑制することができ、塗工品質を向上させることができる。 【0044】該給液装置に、該ウェブの被塗工面に臨むように配置されて該塗工液を貯留するチャンバ部をそなえるとともに、該チャンバ部内に、該チャンバ部内を該ウェブの走行方向上下流側に分割する仕切板を設け、該仕切板に、上流側チャンバ部分と下流側チャンバ部分とを連通させる複数の連通孔を設ければ、ウェブに達して付着した塗工液が、ウェブとプレブレードとの間を乱れることなく通過してブレードに到達するようになり、ウェットストリークの発生を抑制することや、塗工品質を向上させることに寄与する(請求項4)。 【0045】また、該プレブレードは、該バッキングロールへ向けて先細りになった楔形状に形成されていれば、プレブレードの先端とバッキングロールとのなす角度を小さく設定してもプレブレードが変形し難くなり、ウェットストリークの発生を抑制することができ、塗工品質を向上させることができる(請求項6)。この場合、該プレブレードを、ベースプレート部材と、該ベースプレート部材の先端側に着脱可能に取り付けられ先細りの楔形状に形成されたブロック部材とから構成すれば、プレブレードの先端とバッキングロールとのなす角度を容易に最適角度に設定できる(請求項7)。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006208 【氏名又は名称】三菱重工業株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目5番1号
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| 【出願日】 |
平成13年9月13日(2001.9.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100092978 【弁理士】 【氏名又は名称】真田 有
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| 【公開番号】 |
特開2003−80158(P2003−80158A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月18日(2003.3.18) |
| 【出願番号】 |
特願2001−278690(P2001−278690) |
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