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【発明の名称】 紫外線照射システム及び紫外線照射方法
【発明者】 【氏名】菊地 善宏
【住所又は居所】埼玉県川口市領家5丁目14番25号 東芝ケミカル株式会社川口工場内

【要約】 【課題】製品温度が過剰に上昇するのを効率良く防止することのできる紫外線照射システム及びそのような紫外線照射方法を提供する。

【解決手段】紫外線照射室3内の製品8通過部分に温度センサ6の検知部6aを位置決め配置しておき、この温度センサ6で検知した紫外線照射室3内の検知温度に基づいて、製品の搬送を一旦停止させたり、冷却ファン5の回転数を制御して製品8の過加熱を防止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 製品を搬送する搬送コンベアと、前記搬送コンベアの途中に配設され、前記製品に紫外線を照射する紫外線源を備えた紫外線照射部と、前記搬送コンベアに関して前記紫外線照射部の上流側に配設され、前記紫外線照射部に冷風を送るための冷却ファンと、前記紫外線照射部の温度を検出する温度検知部と、前記検出した前記紫外線照射部の温度に基づいて、照射紫外線量が最適化されるように前記搬送コンベア、前記冷却ファン、及び、前記紫外線照射部からなる群から選択される1又は2以上を制御する制御部とを具備する紫外線照射システム。
【請求項2】 請求項1に記載の紫外線照射システムであって、前記制御部が、前記搬送コンベアの作動を制御する制御部であることを特徴とする紫外線照射システム。
【請求項3】 請求項1に記載の紫外線照射システムであって、前記制御部が、前記冷却ファンの回転数を制御する制御部であることを特徴とする紫外線照射システム。
【請求項4】 請求項1に記載の紫外線照射システムであって、前記制御部が、前記紫外線源の出力を制御する制御部であることを特徴とする紫外線照射システム。
【請求項5】 製品を搬送する搬送コンベアの途中に配設された紫外線照射部の温度を検出し、この検出した温度に基づいて、搬送コンベアの作動を制御することを特徴とする紫外線照射方法。
【請求項6】 製品を搬送する搬送コンベアの途中に配設された紫外線照射部の温度を検出し、この検出した温度に基づいて、前記紫外線照射部の下流側に配設された冷却ファンの回転数を制御することを特徴とする紫外線照射方法。
【請求項7】 製品を搬送する搬送コンベアの途中に配設された紫外線照射部の温度を検出し、この検出した温度に基づいて、前記紫外線源の出力を制御することを特徴とする紫外線照射方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は紫外線照射システム及び紫外線照射方法に係り、更に詳細には、製造ラインで搬送される製品に紫外線を照射する紫外線照射システム及び紫外線照射方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、製造ラインで搬送されてくる製品に紫外線を照射する紫外線照射システムでは、製造ラインの一部に紫外線照射部を設けて、この紫外線照射部を通過する製品に紫外線を照射している。図4は代表的な紫外線照射システムの概略構成を示した図である。図4に示したように、この紫外線照射システム200では、製造ラインを構成する搬送コンベア100bの一部に紫外線ランプ105を内蔵した紫外線照射部101が配設されており、搬送コンベア100a〜100cに載置された製品104がこの紫外線照射部101を通過する際に紫外線の照射を受けるようになっている。
【0003】ところで、紫外線は高エネルギー波であり、紫外線照射量が過剰になると熱や光の影響で製品にダメージを与える場合がある。そのため、図4のような代表的な紫外線照射システムでは、例えば紫外線照射部101内に積算照射計102を配設して製品104に向けて照射される紫外線量を積算し、製品104に照射される紫外線量が過剰にならないように監視している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、照射紫外線量の積算値と製品の温度とは必ずしも一致しない場合があり、紫外線照射量の積算値が規定量に達する前に製品の温度が上昇し、塑性変形を起こして不良品化してしまう場合がある。また紫外線照射部101内には排気ファン106aや吸気ファン106b等の冷却ファン106が配設されているものもあるが、このような冷却ファン106は製品温度と無関係に手動で回転数を調節する型のものが配設されているに過ぎず、製品温度が過剰に上昇するのを有効に防止できる紫外線照射システムは設備されていないという問題があった。
【0005】本発明は上記従来の問題点を解消するためになされた発明である。即ち、本発明は、製品温度が過剰に上昇するのを効率良く防止することのできる紫外線照射システム及びそのような紫外線照射方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の紫外線照射システムは、製品を搬送する搬送コンベアと、前記搬送コンベアの途中に配設され、前記製品に紫外線を照射する紫外線源を備えた紫外線照射部と、前記搬送コンベアに関して前記紫外線照射部の下流側に配設され、前記紫外線が照射された製品に冷風を送るための冷却ファンと、前記紫外線照射部の温度を検出する温度検知部と、前記検出した前記紫外線照射部の温度に基づいて、照射紫外線量が最適化されるように前記搬送コンベア、前記冷却ファン、及び、前記紫外線照射部からなる群から選択される1又は2以上を制御する制御部とを具備する。更に補助冷却ファンを備えていてもよい。
【0007】上記紫外線照射システムにおいて、前記制御部の例として、前記搬送コンベアの作動を制御する制御部を挙げることができる。
【0008】上記紫外線照射システムにおいて、前記制御部の例として、前記冷却ファンの回転数を制御する制御部を挙げることができる。
【0009】上記紫外線照射システムであって、前記制御部の例として、前記紫外線源の出力を制御する制御部を挙げることができる。
【0010】本発明の紫外線照射方法は、製品を搬送する搬送コンベアの途中に配設された紫外線照射部の温度を検出し、この検出した温度に基づいて、搬送コンベアの作動を制御することを特徴とする。
【0011】本発明の他の紫外線照射システムは、製品を搬送する搬送コンベアの途中に配設された紫外線照射部の温度を検出し、この検出した温度に基づいて、前記紫外線照射部の下流側に配設された冷却ファンの回転数を制御することを特徴とする。
【0012】本発明の更にもうひとつの紫外線照射方法は、製品を搬送する搬送コンベアの途中に配設された紫外線照射部の温度を検出し、この検出した温度に基づいて、前記紫外線源の出力を制御することを特徴とする。
【0013】本発明では、紫外線照射部内に温度検知部を設けて直に紫外線照射部の温度を監視しているので、製品が過加熱されて変形するトラブルを未然に防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の第1の実施形態に係る紫外線照射システムについて説明する。図1は本実施形態に係る紫外線照射システムの全体構成を示した概略図である。
【0015】図1に示したように、本実施形態に係る紫外線照射システム10は、例えばベルトコンベアのような製品搬送用の搬送コンベア1と、この搬送コンベア1の下側に配置された制御盤付架台2と、前記搬送コンベア1を介して制御盤付架台2の上側に配設された紫外線照射部としての紫外線照射装置室3とから構成されている。搬送コンベア1の製品搬送方向両隣には製造ライン側のラインコンベア4A及び4Bがそれぞれ配設されている。紫外線照射装置室3の上部には紫外線源としての紫外線ランプ9が例えば製品搬送方向に2列にわたって配設されており、製品8に対して紫外線を照射する。更に紫外線照射室3の上部には吸気ファン5aや排気ファン5b等の冷却ファン5が配設されており、紫外線照射装置室3内の空間を冷却するようになっている。
【0016】紫外線照射室3内には、上部から下部に向けて温度センサ6が取り付けられており、温度センサ6下端の温度検知部6aが搬送コンベア1上の製品通過部分に相当する箇所の温度を検知するようになっている。
【0017】前記制御盤付架台2には制御部としてのデジタル温調装置21が配設されており、前記冷却ファン5、温度センサ6、及び搬送コンベア1のそれぞれと、前記デジタル温調装置21とが電気的に接続されている。
【0018】本実施形態に係る紫外線照射システム10では、デジタル温調装置21により、紫外線照射装置室3内の温度に基づいて、製品8に照射される紫外線量が最適化されるように冷却ファン5の風量や搬送コンベア1の速度を制御することにより搬送コンベア1上を搬送される製品8の温度を管理するようになっている。
【0019】即ち、紫外線照射量を最適化するとは、製品の過加熱が起きない温度範囲において製品8の処理、例えば表面に塗布した紫外線硬化型塗料の硬化が十分行われるような量の紫外線が照射されるように制御する。
【0020】次に本実施形態に係る紫外線照射システム10の制御プロセスについて説明する。図2は本実施形態に係る紫外線照射システム10の制御フローを示したフローチャートである。
【0021】本実施形態に係る紫外線照射システム10を起動すると(ステップ1)、図1に示したラインコンベア4A及び4Bと搬送コンベア1が作動し、製品8が搬送される。このとき、紫外線照射室3内では紫外線カウンタにより照射紫外線量が測定されており、照射紫外線量が適切に保たれているか否かが監視されている。この段階で照射紫外線量が過剰な場合には(ステップ2)、搬送コンベア1の速度や紫外線ランプの出力を制御して紫外線照射室3内で製品に対して照射される紫外線量を調節する(ステップ3)。
【0022】次に紫外線照射量が適正に維持されている場合に紫外線照射室3内の温度、正確には紫外線照射室3内の搬送コンベア1の製品通過位置付近に配設された温度センサ6の検知温度に基づいて紫外線照射室3内の温度を制御する。
【0023】即ち、温度センサ6による検知温度が予め規定された温度(規定温度)に到達していない場合には、ラインコンベア4A,4Bと搬送コンベア1をそのまま作動させて製品8を搬送する。
【0024】ラインコンベア4Aを経て搬送コンベア1に送られた製品8は搬送コンベア1により紫外線照射室3内に送り込まれ、この紫外線照射室3内でUV光源、例えば紫外線ランプ9から発射された紫外線を浴びて(ステップ10)塗膜の硬化などが施される。紫外線照射の完了した製品は搬送コンベア1により搬送されて紫外線照射室3外に出され、ラインコンベア4Bに引き渡されて搬出される(ステップ11)。
【0025】一方、ステップ4で温度センサ6により検知した検知温度が規定温度以上まで上昇している場合には、デジタル温調装置21が作動して冷却ファン5の回転数を温度異常時の回転数に切り替え、正常時の回転数より高い回転数で冷却ファン5を回転させる(ステップ5)。この温度異常時の高い回転数での冷却ファン5の回転は予め決められた所定時間継続させる(ステップ6)。なお、回転数を上げる代わりに補助冷却ファンを用いても良い。
【0026】所定時間高い回転数で冷却ファン5を回転させて強制冷却を行った後、再び温度センサ6で検知した紫外線照射室3内の温度を前記規定値と比較する(ステップ7)。この時点で検知温度が十分低下して前記規定値を下回っている場合には、再び冷却ファン5の回転数を正常時の低い回転数に戻し(ステップ9)、ラインコンベア4A及び搬送コンベア1により製品8を紫外線照射室3内に通過させ、ここで製品8に対して紫外線を照射する(ステップ10)。紫外線照射の完了した製品8は、搬送コンベア1により搬送されて紫外線照射室3外に出され、ラインコンベア4Bに引き渡されて搬出される(ステップ11)。
【0027】一方、ステップ7で検知した温度がまだ高く、前記規定値以上の温度を保っている場合には、搬送コンベア1及びラインコンベア4Aを停止させる(ステップ8)。
【0028】このように本実施形態に係る紫外線照射システム10では温度センサ6で紫外線照射室3内の製品通過位置の温度を監視しながら冷却ファン5の回転数や、搬送コンベア及びラインコンベア4A,4Bの作動を制御するので、製品が過加熱されて塑性変形し不良品化する事態が未然に防止される。
【0029】なお、本実施形態では図2に示したようにステップ7で検知した温度が規定値以上の場合に搬送コンベア1及びラインコンベア4A,4Bを停止させて完全に紫外線照射システム10の作動を止めてしまう構成としたが、図3のフローチャートに示すように、ステップ7で温度検知した後に更に冷却ファン5の回転数を再び温度異常時の高い回転数に上昇させ、温度センサ6で紫外線照射室3内の温度を監視しながら紫外線照射室3内の温度が前記規定値を下回るまで強制空冷し、しかる後に搬送コンベア1とラインコンベア4A,4Bを再び作動させて製品8に対する紫外線照射処理を引き続き行うようにすることもできる。
【0030】また、上記実施形態では温度センサで検知した紫外線照射室の温度に基づいて、冷却ファンの回転数を2段階に切り換える構成としたが、可変抵抗器、可変電圧器或いはインバーターなどの可変装置を用いて冷却ファンの回転数を無段階かつ連続的に変化させるようにしてもよい。
【0031】更に、温度センサ6として赤外線温度計などのように紫外線照射室3内を通過する製品8の温度を非接触かつ直接的に検知することのできる温度センサを用いることもできる。
【0032】
【発明の効果】本発明では、紫外線照射部内に温度検知部を設けて直に紫外線照射部の温度を監視しているので、製品が過加熱されて変形するトラブルを未然に防止することができる。
【出願人】 【識別番号】390022415
【氏名又は名称】京セラケミカル株式会社
【住所又は居所】埼玉県川口市領家五丁目14番25号
【出願日】 平成13年9月14日(2001.9.14)
【代理人】 【識別番号】100077849
【弁理士】
【氏名又は名称】須山 佐一
【公開番号】 特開2003−80154(P2003−80154A)
【公開日】 平成15年3月18日(2003.3.18)
【出願番号】 特願2001−279238(P2001−279238)