| 【発明の名称】 |
活性液塗布装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】西 毅 【住所又は居所】大阪府大阪市城東区放出西2丁目7番19号 大研化学工業株式会社内
【氏名】辻本 智昭 【住所又は居所】大阪府大阪市城東区放出西2丁目7番19号 大研化学工業株式会社内
【氏名】原田 昭雄 【住所又は居所】大阪府大阪市城東区放出西2丁目7番19号 大研化学工業株式会社内
【氏名】小林 清美 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内
【氏名】佐藤 元昭 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内
【氏名】藤井 並次 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内
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| 【要約】 |
【課題】膜厚を制御できる無電解メッキ法を利用するため、貴金属の無駄を無くし、電子部品の表面に薄膜の活性膜を塗布できる活性液塗布装置を実現する。
【解決手段】本発明に係る活性液塗布装置2は、活性液を貯留したディスペンサ本体12と、活性液14を電子部品4の表面に塗布する塗布部21と、ディスペンサ本体12と塗布部21の間に連結されたノズル管16と、このノズル管16の中に挿入されて一端が塗布部21に連結され他端が活性液14に接して活性液14を塗布部に浸透させる浸透部材18と、この塗布部21を電子部品4の表面に接触させる手段と、接触状態のまま塗布部21と電子部品4を相対運動させて電子部品表面の所望領域に活性液14を塗布する手段から構成されることを特徴とする。浸透部材の毛細管現象を利用して活性液を塗布部により電子部品表面に自然力で供給して活性膜を形成でき、無電解メッキにより電極膜の形成が簡単になる。特に、酸素センサ等の内面に電極を形成するのに効果的である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 活性液を貯留したディスペンサ本体と、活性液を電子部品の表面に塗布する塗布部と、ディスペンサ本体と塗布部の間に連結されたノズル管と、このノズル管の中に挿入されて一端が塗布部に連結され他端が活性液に接して活性液を塗布部に浸透させる浸透部材と、この塗布部を電子部品の表面に接触させる手段と、接触状態のまま塗布部と電子部品を相対運動させて電子部品表面の所望領域に活性液を塗布する手段から構成されることを特徴とする活性液塗布装置。 【請求項2】 ノズル管に挿入された浸透部材において、その挿入部長さがノズル管の直径の5倍以上である請求項1に記載の活性液塗布装置。 【請求項3】 前記ディスペンサ本体は略鉛直に配置され、浸透部材が活性液に対して毛細管現象を有し、この毛細管現象により活性液が浸透部材中を自然に浸透し、特別な制御をすることなく塗布部により電子部品表面に安定な塗布膜を形成できる請求項1に記載の活性液塗布装置。 【請求項4】 筒状の電子部品を配置し、浸透部材の前記塗布部を筒状電子部品の中空部に挿通させ、塗布部と電子部品の内面とを接触させて活性液を塗布する請求項1、2又は3に記載の活性液塗布装置。 【請求項5】 前記電子部品は内部に基準ガス室が設けられた固体電解質からなるコップ型の酸素センサであり、前記塗布部をこの酸素センサの基準ガス室内に挿通させ、塗布部を酸素センサの内側面に接触させて基準電極を形成すべき領域に活性液を塗布する請求項4に記載の活性液塗布装置。 【請求項6】 前記浸透部材がフェルト、繊維体又は多孔質体から構成される請求項1、2、3、4又は5に記載の活性液塗布装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は酸素センサなどの電子部品の表面、特に内面に活性液を所望形状に塗布する装置に関し、更に詳細には、活性液を塗布した後乾燥し、これを低めの温度で焼成してアイランド状膜又は層状膜からなる活性金属膜を形成し、その後無電解メッキにより活性金属膜上に電極膜を析出形成して電子部品を完成するもので、適量の活性液を塗着して貴金属量の無駄を省くことができ、電極膜の薄膜化を実現できる活性液塗布装置に関する。 【0002】 【従来の技術】電子部品技術の進展に伴って、半導体等の電子部品の電極を白金等の貴金属により形成することが多くなった。従来、この貴金属電極は貴金属ペーストを利用して形成されるのが常であった。貴金属ペーストは貴金属の有機金属錯体を樹脂と共に有機溶媒中に分散させて形成した粘性を有した半流動状物質である。 【0003】この貴金属ペーストを電子部品の所要部に塗着してペースト電極膜を形成し、このペースト電極膜を乾燥させた後、電極部分を所定温度で焼成すれば、有機物質はすべて燃焼して除去され、最終的に金属だけが金属膜として焼結し、電子部品表面に金属配線や金属電極を形成できる。以下に、電子部品として酸素センサを例示して説明する。 【0004】図15は、自動車のエンジン燃焼系に用いられる酸素センサの要部切欠断面図である。この酸素センサ32は一端が閉鎖された円筒状部材(コップ状)に形成された固体電解質からなるセラミック体34を本体とし、その内側面には基準ガスと接触する基準電極36が形成され、外側面には被測定ガスと接触する測定電極40が形成されている。この明細書では一般の電子部品と用語の共通性を保持するため、基準電極を内部電極と呼び、測定電極を外部電極と称する。また、内部電極36にはリード線の役割をする内部リード部38が設けられている。 【0005】酸素センサ32はエンジンに連接される排気管に埋設され、外部電極40は排ガスと接触し、内部電極36は大気と接触する。これらの電極36、40の間に排ガスと大気の酸素濃度差に比例した電気出力が発生し、酸素過剰又は酸素不足の情報を制御系にフィードバックする。この情報により燃料ガスに混合される空気量が自動的に最適値に調整されるものである。 【0006】図20は、酸素センサの内側に内部電極を形成する説明図である。先端が閉鎖された中空のペースト用ノズル管42の塗布部に吐出部材44を形成し、ペースト用ノズル管42と吐出部材44を貫通する複数の吐出孔46を穿設しておく。 【0007】このペースト用ノズル管42の先端をセラミック本体34の内部中空部に挿入し、セラミック本体34の内面と吐出部材44の表面との間隔hを所定値に設定した後、貴金属ペーストを後方から適正圧で圧送しながらセラミック本体34を矢印a方向に1回転させる。その結果、吐出孔46から貴金属ペーストが吐出されて、内面に厚みhのペースト環状体50が形成される。 【0008】ペースト環状体50を形成した後、ペースト用ノズル管42を矢印b方向に後退させると、厚みhのペーストリード体52が形成される。つまり、セラミック本体34の内面に未乾燥状態のペースト環状体50とペーストリード体52が完成される。 【0009】このセラミック本体34を乾燥させ、その後、約1000℃で焼成すると、ペースト中の有機物は全て燃焼して除去され、最終的に白金などの金属成分だけが残留して、図15に示す内部電極36とリード部38が形成される。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】酸素センサの性能は電極の緻密度や厚みに依存する。ペーストから電極を形成する場合、乾燥と焼成によって厚みが減少するから、所定の電極膜厚を得るためにはペースト膜厚の減少率を考慮してペースト膜厚を決めなければならない。 【0011】ところが、ペーストに含まれる有機溶媒は放置しておく間に蒸発するから、ペーストの成分は時間的に変化しており、ペースト膜厚を一定にしたからといっても製造条件に応じて電極膜厚には誤差が生じるのが通常である。 【0012】また、ペースト膜厚はセラミック本体34の内面と吐出部材44の間隔hに依存するが、この間隔hの設定はマイクロメータなどの計測器により機械的に行なわれるから調整はかなり面倒である。特に、セラミック本体34の形状が異なると再調整しなければならない。また、ペースト供給量は圧送圧にも依存するから、その調整も難しい。 【0013】更に、ペースト中には相当量の貴金属が含有されるが、ペースト用ノズル管42やペーストを貯留するディスペンサ本体の中でペーストが固化すると、その中に含まれる貴金属は無駄になることがある。特に、ペースト用ノズル管42の中でペーストが固化すると、ペーストが無駄になるだけでなく、ペーストの注入ができなくなり、高価なノズルの交換を余儀なくされる。 【0014】従がって、本発明者等は、かかる無駄と困難性を有するペースト塗着法に代えて、活性液と無電解メッキ法を組み合わせた電子部品の電極形成法を採用することにした。活性液はさらさらの液体であるから目詰まりや固化が生じにくい。従って、貴金属の無駄が無くなるし、同時に電極膜厚の調整が容易になるからである。 【0015】つまり、本発明に係る活性液塗布装置は、酸素センサなどの電子部品の表面に極めて薄膜の活性膜を形成できる具体的装置を提供することにより、貴金属の無駄を排除でき、しかもこの活性膜の上に金属膜厚の高精度制御が可能な無電解メッキ法を適用できるようにすることを目的とする。 【0016】 【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、その第1の発明は、活性液を貯留したディスペンサ本体と、活性液を電子部品の表面に塗布する塗布部と、ディスペンサ本体と塗布部の間に連結されたノズル管と、このノズル管の中に挿入されて一端が塗布部に連結され他端が活性液に接して活性液を塗布部に浸透させる浸透部材から構成され、活性液を浸透部材を介して塗布部まで移動させて塗布部を活性液で湿潤させるものである。この塗布部を電子部品の表面に接触させながら、塗布部と電子部品を相対運動させることにより電子部品表面の所望領域に活性液を自在に塗布することができる。浸透部材と塗布部は浸透部材から一体に形成してもよいし、別体に形成されてもよい。また、浸透部材の長さは自在に調整でき、浸透部材の後端である級液端がノズル管からディスペンサ本体内に突出する長さを有してもよいし、ノズル管の途中までの流さでもよく、少なくとも活性液を塗布部に供給する能力を有しておればよい。 【0017】第2の発明は、ノズル管に挿入された浸透部材において、その挿入部長さがノズル管の直径の5倍以上である活性液塗布装置を提供し、5倍以上に設定することにより、活性液を効率的に塗布部に供給して塗布部の湿潤度を高めることができ、電子部品表面の塗布状態を効果的にする。 【0018】第3の発明は、ディスペンサ本体は略鉛直に配置され、浸透部材が活性液に対して毛細管現象を有し、この毛細管現象により活性液が浸透部材中を自然に浸透し、特別な制御をすることなく塗布部により電子部品表面に安定な塗布膜を形成できる。略鉛直配置すると、活性液の自重による流下力が毛細管吸液力に加わり、活性液の自然浸透性を高めることができる。浸透力を強化するために、ディスペンサ本体の活性液を圧送することもできる。 【0019】第4の発明は、筒状の電子部品を配置し、浸透部材の前記塗布部を筒状電子部品の中空部に挿通させ、塗布部と電子部品の内面とを接触させて活性液を塗布するもので、電子部品の回転制御と挿通制御を組み合わせることにより塗布作業の自動化に貢献できる。 【0020】第5の発明は、電子部品が内部に基準ガス室が設けられた固体電解質からなるコップ型の酸素センサであり、前記塗布部をこの酸素センサの基準ガス室内に挿通させ、塗布部を酸素センサの内側面に接触させて基準電極を形成すべき領域に活性液を塗布するもので、コップ状の酸素センサの内面に活性液を効率的に塗布することができる。 【0021】第6の発明は、浸透部材をフェルト、繊維体又は多孔質体から構成するもので、これらの浸透部材は活性液に対する毛細管作用が強力で、活性液を塗布部に自然円滑供給することができる。 【0022】 【発明の実施の形態】本発明者等は、ペースト塗着法に代わる電極膜の形成方法を鋭意研究した結果、活性膜と無電解メッキ法を併用して電極形成することが最も望ましいとの結論に到達した。そして活性膜を形成する装置として本発明を完成したものである。 【0023】活性膜とは、電極を形成すべき表面に活性液(活性触媒液)を塗着して形成された膜である。活性触媒とは、白金等の活性金属のことを云い、例えばこの活性金属の有機錯体等を有機溶媒に分散させて活性液を調製している。 【0024】この活性液を電子部品の所望表面に塗着して活性膜を形成しておき、この活性膜を乾燥させた後、例えば600℃でこの活性膜を焼成すると、活性膜中の全ての有機成分が燃焼除去され、最後に活性金属膜が形成される。この活性金属膜は活性金属核がアイランド状に分散した構造を有し、この活性金属核はできるだけ微細で且つ均一に分散した状態に形成されることが好ましい。 【0025】次に、この活性金属膜を形成した電子部品を、無電解メッキ液の中に浸漬する。活性金属核には金属が析出して各アイランドが連続した薄膜へと成長し、更に金属が析出してその膜厚が厚くなってくる。このように、活性金属膜の表面の上にだけ金属が連続的に析出してくる。金属膜の厚みは無電解メッキ液の金属濃度とメッキ時間とメッキ浴の温度に依存する。この金属膜が電極膜を構成するから、電極膜の厚み制御は無電解メッキ段階で行われる事になる。従って、電極膜の厚みを単純且つ正確に制御することができる。 【0026】従って、電極膜のメッキ形成領域は活性膜の範囲に限られ、活性膜の秀麗な形成と、活性金属膜の緻密性が後工程における無電解メッキの成否を左右する。つまり、この活性膜は形成すべき電極膜の前駆膜であるから、前駆膜の秀麗度が電極膜の秀麗性に影響する。この発明は、電子部品に前記活性膜を形成する活性液塗布装置に関する。以下に、本発明に係る活性液塗布装置の実施形態を図面に従がって詳細に説明する。 【0027】図1は、本発明に係る活性液塗布装置の正面図である。本発明者等はこの活性液塗布装置2の主要構造を既にWO99/62644号として国際公開している。この公開公報では、この装置を金属ペーストを注入するペースト均一塗布装置として公開しているが、本発明ではこれを改良して活性液の塗布装置としたものである。 【0028】この活性液塗布装置2は、電子部品側装置2aと活性液側装置2bを横に連接した横型装置である。勿論、これら装置2a・2bを上下に配置した縦型装置としてもよい。電子部品側装置2aは、筒状の電子部品4を固定する取付部6と、この取付部6を回転自在に構成する回転駆動部8と、この回転駆動部8を一体に上下動させる上下位置調整装置10から構成される。 【0029】活性液側装置2bは、内部に活性液14を貯留したディスペンサ本体12と、活性液14を圧送する圧送部22と、活性液14を注出するノズル管16と、活性液14の塗布用ペン先となる塗布部21と、この塗布部21を左右に移動させる進退移動装置24から構成される。 【0030】図2は塗布部による電子部品内面への塗布操作の簡略説明図である。電子部品4は矢印A方向に回転され、ノズル管16と塗布部21は矢印C方向に高さ調整され、電子部品4の中空部に矢印B方向に進退される。電子部品4を矢印C方向に高さ調整し、同時に矢印B方向に進退させることもできることは云うまでもない。従って、塗布を実行は回転操作、進退操作及び高さ調整操作により行なわれる。 【0031】図3は本発明の要部である活性液の注出部の断面図である。ディスペンサ本体12の中に活性液14が貯留されている。ディスペンサ本体12の下端にはL字状のノズル管16が配設され、このノズル管16の内部には浸透部材18が内挿されている。 【0032】この浸透部材18は毛細管現象によって活性液14を塗布部21に浸透供給する材料で構成されている。従って、浸透部材18は、活性液14の中に突設されて活性液14を吸収する吸液端19と、この活性液14を毛細管現象で伝達する中間部20と、活性液14を塗布するペン先となる塗布部21から構成される。 【0033】この実施形態では、浸透部材20の吸液端19はディスペンサ本体12の中に突出しているが、ノズル管16の中間の任意位置にあってもよい。つまり、浸透部長さLはノズル管16の長さLnより長くてもよい(L>Ln)が、0<L≦Lnであってもよい。L≦Lnの場合には、活性液がノズル管16の中にまで位置するが、浸透部材20の吸液端19により活性液14は十分に吸引されて塗布部21に供給される。ノズル管16の内径(内面直径)をRとすると、後述するように、活性液の浸透力はL/Rの比率に依存する事が分る。 【0034】浸透部材18の材料は、毛細管現象を発揮する材料から選択される。特に、マーキングペンのペン先に使用される材料が好適である。例えば、ウール・合成繊維・熱融着繊維などを柔らかいフェルト状に加工したフェルトペン素材、又このフェルトに樹脂加工を施して耐久性を付与したフェルトペン素材、アクリル・ポリエステル・ナイロン等の合成繊維を樹脂で接着して強化した合成繊維ペン素材、その他の繊維を利用した繊維ペン素材がある。 【0035】毛細管現象を生起する材料はフェルトペンや繊維ペン等の繊維状ペン素材に限られず、内部に活性液が毛細管現象で伝達する連通孔を有するプラスチックペン素材も利用できる。例えば、ポリアセタール樹脂などのコポリマーやホモポリマーは内部に無数の隙間(連通孔)を有しており、この隙間が毛細管現象を生起するから、このプラスチックペン素材も浸透部材18の材料となる。また、スポンジ体の様に連通孔を有する多孔質素材も浸透材料となる。 【0036】浸透部材18の塗布部21はペン先であり、電子部品4に活性液14を塗布しやすい形状に形成されている。この塗布部21は曲線部21aと直線部21bを有しており、曲線部21aにより湾曲部に塗布でき、直線部21bにより内周面に塗布できる。 【0037】浸透部材18をノズル管16の内部にL字状に挿通配置させるには、まず直管状のノズル管に直線状の浸透部材18を挿入し、その後にノズル管をL字状に曲げ加工して形成する。 【0038】活性液21は活性金属を含有した金属化合物からなるさらさらの液体である。活性金属としては白金などがよく用いられ、金属有機化合物としては硫化バルサム白金など、また金属無機化合物として塩化白金などが利用される。この金属有機化合物や金属無機化合物を有機溶媒に分散させて活性液とする。 【0039】本発明者は特開平9−272996号において貴金属有機錯体を有機溶媒に分散させた活性液も提案している。特に、貴金属有機錯体として、ビス[ジ(置換)ベンジリデンアセトン]貴金属やトリス[ジ(置換)ベンジリデンアセトン]貴金属を有機溶媒に分散させた活性液が有効である。 【0040】このように、ペーストと異なり活性液は粘性の小さなさらさらの液体であるから、ディスペンサ本体12の中で固化し難く、また浸透部材18の中でも固化しにくい材料である。従って、ペーストを利用していた従来の塗布装置ではペーストがノズル管の中で固化してペーストの注出が困難になることがあったが、本発明の浸透部材18を用いた活性液塗布装置2では斯かる事態は発生し難く、いつも適量の活性液14を塗布部21から注出することができる。 【0041】また、ペーストの場合には、ディスペンサ本体12の中で固化したり、他の部材に付着したりすると、それらのペーストは無駄になり、ペーストの中に含まれる貴金属も無駄になりがちであった。ところが、活性液では不要部分にかなりの量が付着することがないので、貴金属類の無駄が減少できるメリットがある。 【0042】毛細管現象により、活性液14は塗布部21を常に湿潤させた状態にある。しかし、毛細管の吸水力だけでは活性液14の供給量には限界がある。そこで、電子部品4に活性液14を塗布する時に、活性液14の分量が増やしたい場合には、圧送部22の圧力で活性液14を強制的に浸透供給することもできる。 【0043】図4は電子部品の内面に活性液を塗布する工程図である。図1において上下位置調整装置10により、塗布部21の直線部21bを電子部品4の内周面4aに接触する程度に高さ調整する。次ぎに、進退移動装置24により塗布部21を電子部品4の内部の所定位置まで前進させる。 【0044】直線部21bが電子部品4の内周面4aにほぼ接触した状態になると、塗布部21を湿潤させている活性液が内周面4aに転移し、内周面4aに活性液が極めて薄く付着する。この位置関係で電子部品4を1回転させると、内周面4aに内部活性膜25が360度にわたって形成される。 【0045】図5は図4のA−A線断面図である。塗布部21の幅をWとし、この塗布部21により内面に塗着された活性液の幅をwとすると、一般にW≦wが成立する。活性液の浸透力が大きいほど、塗着幅wは塗布部幅Wより大きくなってゆくから、wとWの大小関係から塗布効率が推定できる。後述する試験では、w−Wが2mm以下を良好(○)とし、2mmを超えたものを不良(×)と判断した。 【0046】図6は図5の部分拡大図である。塗布部21と電子部品4とは略接触していることが好ましく、また塗布部21の塗布面21dの曲率は電子部品4の内側面の曲率と同程度であることが望ましい。但し、塗布面21dと内側面との隙間は非常に小さいから、積極的に曲面設計しなくてもよく、略直線形状に形成されても塗布特性には大きく影響しない。 【0047】図7は電子部品の内面にリード活性膜を形成する工程図である。図4の状態から塗布部21を矢印b方向に後退させると、塗布部21の厚みWに対応した幅wでリード活性膜26が連続的に形成される。この段階で、活性膜として内部活性膜25とこれに連続するリード活性膜26が電子部品4の内面に塗着形成される。この活性膜に対して無電解メッキを施すと、図15に示される内部電極36が形成される。 【0048】図8は電子部品の内奥部に活性液を塗布する工程図である。酸素センサとして用いられる場合には、電子部品の内奥部に内部電極が形成されると、最も効率の良いセンサとなる。従がって、塗布部21の曲線部21aの形状を電子部品4の内奥面4bの形状に一致させる。 【0049】直線部21bを電子部品4の内周面4aに接触させながら、塗布部21を前進させ、曲線部21aを部品内奥面4bに接触させる。この状態で電子部品4を矢印a方向に1回転させると、活性液が付着して内部活性膜25と先端活性膜25aが一体に形成される。その後、塗布部21を後退させて図示しないリード活性膜を形成する。 【0050】図9は活性膜を形成した電子部品の一部切欠き断面図である。電子部品4の内面に先端活性膜25a、内部活性膜25及びリード活性膜26が形成されている。この電子部品4を乾燥し、400〜600℃で焼成して活性膜から有機物を除去し活性金属膜を形成する。これを無電解メッキすると、活性金属膜に白金などの金属がメッキされて内部電極が形成されることになる。 【0051】図10は段部を有した電子部品に活性膜を形成する場合の工程図である。塗布部21は直線部21bを有しているが、曲線部21aの替わりに垂直端21cを形成している。この状態で、電子部品4を1回転させて360℃にわたり内部活性膜25を形成する。その後、塗布部21を矢印b方向に後退させる。 【0052】図11は図10の工程の完成図である。塗布部21を後退させながら段部4cに到達すると、垂直端21cを段部4cに沿わせながら移動させて段部活性膜26aを形成する。従がって、段部4cを有する電子部品4の場合には、内部活性膜25、リード活性膜26及び段部活性膜26aにより活性膜が構成される。 【0053】電子部品4の内面及び外面に活性膜を形成すると、この電子部品4を乾燥させて、活性膜から有機溶媒を蒸発させる。次に、電子部品4を約600℃で焼成して有機物を燃焼除去し、活性膜を緻密な活性金属膜に転換させる。 【0054】前述したように、活性金属膜は活性金属だけからなる前駆金属膜で、その厚みは例えば1μm程度あればよい。最後に電子部品を無電解メッキ液に浸漬して、活性金属膜の上に活性金属を無電解析出させて電極膜を形成する。このとき、無電解メッキ液の濃度、メッキ温度、メッキ時間を調整すれば電極膜の厚みは自在に制御できる。 【0055】図12は塗布部の変形例を示した断面図である。塗布部21の先端は半球状に形成され、その球面は電子部品4の部品内奥面4bの形状よりやや小さく形成されている。半球状であるため、塗布部21が操作中に部材と衝突しても変形し難く、耐久性を有している。この半球面を内奥面4bに略接触させて電子部品4を回転させると、一気に先端活性膜25aと内部活性膜25が形成される。 【0056】図13は浸透部材の変形例を示した断面図である。この浸透部材18は中間部20が多少の長さLのみ存在しており、浸透部材18により塗布部21と吸液部19を一体に形成している。塗布部21が脱落しないように、吸液部19は多少の長さLを有しており、また塗布部21の脱落防止のためにノズル管係止部16aを設けて塗布部21の先端部を固定している。従って、ノズル管16の先端近傍まで活性液14が進入している。このような場合でも、吸液端19から活性液14が浸透して塗布部21は活性液で湿潤状態にある。 【0057】図14は浸透部材の他の変形例を用いた活性液の注出部の断面図である。浸透部材18の吸液端19はノズル管16の中間位置にあり、ノズル管16には活性液14が進入している。従って、吸液部19はノズル管16の中で活性液14を吸液することになる。 【0058】この浸透部材18の浸透部材長さLやノズル管16の内径R(内面直径)を変化させたり、浸透部材18の材質を変更して塗布特性を測定した。前述したように、塗布性の判断は、塗着幅wの塗布部材幅Wより延出量(滲み出し量)が2mm以下を良好(○)、2mmを超えたものを不良(×)とした。結果は表1に記載されている。 【0059】 【表1】
【0060】表1から分るように、塗布特性はL/Rをパラメータとして変化する。L/Rの値が5以上、好ましくは10以上にすることで秀麗な塗布膜が得られる。活性液はさらさらの液体で、浸透部材18を浸透しやすいから、L/Rが5より小さいと、塗布部21からの活性液供給量を制御し難くなり、塗布膜に大きな滲みが生じることが分った。 【0061】L/R<5の領域においても、活性液の粘度を高くして圧送する方法もあるが、浸透部材長さLが短い場合には、秀麗な塗布膜を形成するための圧力制御が困難で、制御装置などに必要以上のコストがかかり、本発明の優位性が十分ではなくなる。 【0062】L/Rの値が大きい場合には、特に表1のNo.18では塗布量が不足し、カスレなどが発生する虞があるため、圧送した方が秀麗な塗布膜を与える。No.29、30は塗布部材に多孔質ゴムを用いた例であるが、フェルトより若干だけ気孔が少ない材質を選定したため、圧送する方が望ましい結果を与えた。 【0063】図15は、既に説明したように、自動車のエンジン燃焼系に用いられる酸素センサの要部切欠断面図である。電子部品の一例として説明されるこの酸素センサ32は固体電解質からなるセラミック体34と、基準電極に相当する内部電極36と、内部電極36を外部回路に接続する内部リード体38と、測定電極に相当する外部電極40から構成されている。 【0064】まず、外部電極40を形成するために、貴金属核形成用の貴金属化合物を含有する活性ペーストをロールパッド転写法により、セラミック体34の外側面に所望の外部電極形状に塗布印刷し、この塗膜を加熱して活性ペースト中の有機溶剤などを乾燥させる。 【0065】次いで、内部電極36を形成するために、図1及び図3に示す本発明装置により、貴金属核形成用の貴金属化合物を含有する活性液を内側面に所望の内部電極形状で塗布し、加熱して有機溶剤などを乾燥させる。更に、400℃〜600℃に加熱して塗膜中のバインダーなどを除去し、貴金属化合物を分解して貴金属核を前記塗膜部に形成する。この焼成により有機成分が除去されて外部電極40も完成される。 【0066】次に、内部電極部の貴金属核形成部に無電解メッキを施し、メッキ膜電極を形成して内部電極36を完成した。貴金属核やメッキ膜は白金が最も好ましいが、例えばPd、Au、Rhなどでもよい。勿論、貴金属核とメッキ膜は同一材料としなくてもよい。 【0067】図16は他の酸素センサの外部電極の外観図である。外部電極40は排ガスと接触する測定電極であり、外部リード体39を介して外部電極端子部41に接続されて、外部回路に信号が供給される。以下の例では、酸素センサ32の外観は全て図16と同一である。 【0068】図17は図16の内部電極のパターンを説明する断面図である。(A)の縦断面図では、内部電極36と内部電極端子部37とが内部リード体38により接続されている。(B)は内部リード体38が見えない位置の縦断面図を示し、(C)は横断面図で、2本の内部リード体38、38と1本の外部リード体39が形成されていることが分る。 【0069】図18は図16の内部電極の他のパターンを説明する断面図である。(A)では内部電極36と内部電極端子部37が内部リード体38により接続された状態が示され、(B)では2本の内部リード体38、38と2本の外部リード体39、39が形成されている状態が示されている。 【0070】図19は図16の内部電極の別のパターンを説明する断面図である。(A)では内部電極36と内部リード体38が接続された状態が示されているが、内部電極端子部37は形成されていない。内部リード体38の上端部が内部電極端子部37を兼任している。(B)では2本の内部リード体38、38と2本の外部リード体39、39が形成されている状態が示されているが、内部リード体38、38と外部リード体39、39は相互に90度づつ回転配置されていることが分る。 【0071】以上のように、本発明は一般の電子部品の特に内側面に活性液を自在な形状で塗着できる装置に関し、電子部品の一例として酸素センサを取り上げて説明した。酸素センサだけを取り上げても様々な電極形状や様々なコップ形状があり、電子部品に関しては当然にして多くの形状が存在している。しかし、本発明は筒状の電子部品の内側面への活性液の塗布には良好な性質を示し、外側面へ活性液の塗布は更に簡単に行えることは云うまでもない事である。 【0072】活性液塗布装置2は電子部品側装置2aを下方、活性液側装置2bを上方に配置した縦型装置としても構成できる。この場合の一例として次のような装置が考えられる。電子部品4を鉛直に立設させて、その開口部を上方に配置する。ノズル管16はディスペンサ本体12から鉛直下方に垂下させた鉛直管とし、その塗布部21は下方に向いている。この塗布部21を下動させて、塗布部21を電子部品4の内面に接触させ、回転と上下動によって内部活性膜25とリード活性膜26を形成する。 【0073】また、縦型装置を傾斜させて傾斜装置としてもよい。この傾斜配置において、活性液側装置2bを上方に配置した方が、活性液が毛細管現象により塗布部21を湿潤させ易いと考えられる。しかし、これらの幾何学的配置については最適装置を構成するために、場合に応じて任意に配置構成する事が可能である。 【0074】その他、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々の変形例、設計変更等をその技術的範囲内に包含することは云うまでもない。 【0075】 【発明の効果】第1の発明によれば、ディスペンサ本体からノズル管内の浸透部材により活性液をその浸透作用により強力に塗布部に供給できるから、塗布部は常に活性液により湿潤された状態となり、この塗布部を電子部品の表面に接触させながら、塗布部と電子部品を相対運動させれば、電子部品表面の所望領域に活性液を自在に塗布することが可能となる。特に、ノズル管の形状や塗布部の形状を任意に変更することにより、電子部品の内面への塗布も自在に行うことができる。また、浸透部材と塗布部は同一の浸透材料から一体に形成してもよいし、同一材料や別材料で別体に形成してもよく、多様な構成を採用できる。更に、浸透部材の長さも自在に調整でき、浸透部材の後端である級液端がノズル管からディスペンサ本体内に突出する長さを有してもよいし、ノズル管の途中までの流さでもよく、少なくとも活性液を塗布部に供給する能力を有しておればよいなど、電子部品表面への活性液の塗布に有効な装置を提供したものである。 【0076】第2の発明によれば、ノズル管に挿入された浸透部材において、その挿入部長さがノズル管の直径の5倍以上に設定すれば、活性液を効率的に塗布部に供給して塗布部の湿潤度を高めることができ、しかも電子部品表面へ塗布した活性液が塗布部の接触面から電子部品表面の不要領域に滲み出ることを有効に防止することができる。 【0077】第3の発明によれば、ディスペンサ本体を略鉛直に配置するから、活性液の自重による流下力が浸透部材の毛細管吸液力に加わり、その結果、活性液の自然浸透性を高度に高めて、電子部品表面に活性液を駆動力を使用しないで自然に且つ確実に塗布する事ができる。勿論、浸透力を強化するために、ディスペンサ本体の活性液を圧送する方式を併用しても構わない。 【0078】第4の発明によれば、筒状の電子部品を配置し、浸透部材の前記塗布部を筒状電子部品の中空部に挿通させ、塗布部と電子部品の内面とを接触させて活性液を塗布するから、回転制御と挿通制御という基本機構により塗布作業の自動化を達成でき、多様で複雑な構造を有する電子部品に対し自在に活性液を塗布することを可能にする。 【0079】第5の発明によれば、電子部品として内部に基準ガス室が設けられた固体電解質からなるコップ型の酸素センサを用いるから、この多様な構造を有する酸素センサの内側面に活性液を所望形状に塗布でき、その後の無電解メッキと組み合わせることにより良好な電極パターンを有した酸素センサの連続生産を可能にし、酸素センサの低価格化と量産を達成するものである。 【0080】第6の発明によれば、浸透部材をフェルト、繊維体又は多孔質体から構成するから、これらの浸透部材は活性液に対する毛細管作用が強力であり、圧送などの駆動力を使用しなくても、活性液を塗布部に自然力で円滑に供給することができる利点がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591040292 【氏名又は名称】大研化学工業株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市城東区放出西2丁目7番19号 【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地
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| 【出願日】 |
平成14年4月17日(2002.4.17) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−80153(P2003−80153A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月18日(2003.3.18) |
| 【出願番号】 |
特願2002−114213(P2002−114213) |
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