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【発明の名称】 塗布方法及び塗布装置
【発明者】 【氏名】大塚 正義
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内3丁目4番2号三菱製紙株式会社内

【氏名】栗生 貞夫
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内3丁目4番2号三菱製紙株式会社内

【氏名】丸山 利仁
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内3丁目4番2号三菱製紙株式会社内

【要約】 【課題】本発明の目的は、高速においても薄層塗布が可能な、新規な塗布方法及び塗布装置を提供することにある。

【解決手段】ウエブに液状塗布組成物を施す際に、設定塗布量に対して、予め過剰塗布量で塗布し、塗布面に気体を吹き付けながら余剰の液状塗布組成物を吸引除去して、設定塗布量に調整することを特徴とする塗布方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ウエブに液状塗布組成物を施す際に、設定塗布量に対して、予め過剰塗布量で塗布し、塗布面に気体を吹き付けながら余剰の液状塗布組成物を吸引除去して、設定塗布量に調整することを特徴とする塗布方法。
【請求項2】 粘度が5cP以下の液状塗布組成物を設定塗布量が30ml/m2以下になるように調整する請求項1に記載の塗布方法。
【請求項3】 ウエブに液状塗布組成物を設定塗布量に対して過剰量塗布するための液状塗布組成物供給装置と、該液状塗布組成物供給装置よりウエブ搬送方向下流側に、前記過剰量塗布された液状塗布組成物に気体を吹付けながら余剰の液状塗布組成物を吸引除去するための手段を有することを特徴とする塗布装置。
【請求項4】 前記液状塗布組成物供給装置に、前記気体を吹付けながら余剰の液状塗布組成物を吸引除去するための手段が付設されている請求項3に記載の塗布装置。
【請求項5】 前記液状塗布組成物供給装置と、前記気体を吹付けながら余剰の液状塗布組成物を吸引除去するための手段とが別々に設置されている請求項3に記載の塗布装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真用フィルム・印画紙等の写真感光材料や写真製版材料、磁気録音テープ等の磁気記録材料、感圧記録紙・感熱記録紙等材料、インクジェット記録シートの製造において連続走行する長尺可撓性支持体(以下「ウエブ」と称する)に液状塗布組成物(以下塗布液とも称する)を塗布する工程の改良に関し、更に詳しくは塗布層の薄層化を行なう処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記の如き塗布工程においては、スライドビード、カーテンコータ、スロットダイ等による前計量タイプの塗布方式と、ワイヤバー、ブレード、エアナイフ等を用いて過剰塗布後に計量する後計量タイプの塗布方式が、一般的に用いられている。近年の生産性向上のためコータの高速化、塗布液の濃縮化が行なわれている。このため、従来以上の低塗布量での高速・薄層塗布が求められている。
【0003】しかし、前計量タイプの塗布方式では、塗布量が最低でも40g/m2程度は必要であった。また、前記前計量塗布方式における最低塗布量を更に低下させる工程的努力にも限界があった。後計量タイプの塗布方式では、コータの高速化、塗布液の濃縮化により、後計量部での薄層化処理時の塗布装置での泡、塗布液の固着等による筋といった塗布故障の発生、また塗布液の飛散による除去装置の設置が必要といった高速・薄層化に対する課題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、高速においても薄層塗布が可能な、新規な塗布方法及び塗布装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以下の塗布方法及び塗布装置によって達成された。
1)ウエブに液状塗布組成物を施す際に、設定塗布量に対して、予め過剰塗布量で塗布し、塗布面に気体を吹き付けながら余剰の液状塗布組成物を吸引除去して、設定塗布量に調整することを特徴とする塗布方法を提供することにある。
【0006】2)前記塗布方法を用いて、粘度が5cP以下の液状塗布組成物を設定塗布量が30ml/m2以下になるように調整することを特徴とする塗布方法を提供することにある。
【0007】3)ウエブに液状塗布組成物を設定塗布量に対して過剰量塗布するための液状塗布組成物供給装置と、該液状塗布組成物供給装置よりウエブ搬送方向下流側に、前記過剰量塗布された液状塗布組成物に気体を吹付けながら余剰の液状塗布組成物を吸引除去するための手段を有することを特徴とする塗布装置を提供することにある。
【0008】4)前記液状塗布組成物供給装置に、前記気体を吹付けながら余剰の液状塗布組成物を吸引除去するための手段が付設されていることを特徴とする塗布装置を提供することにある。
【0009】5)前記液状塗布組成物供給装置と、前記気体を吹付けながら余剰の液状塗布組成物を吸引除去するための手段とが別々に設置されていることを特徴とする塗布装置を提供することにある。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の塗布方法は、過剰塗布後の液状塗布組成物を気体による吹き飛ばしと吸引による塗布量調整を主体とする。以下添付図面によって、本発明の塗布方法を実施するための塗布装置について詳細に説明する。図1は、本発明の塗布装置の一実施態様を示す側断面図である。図2は、本発明の塗布装置の別態様を示す側断面図である。図3は、余剰の液状塗布組成物を気体を吹付けながら吸引除去する手段の拡大側断面図である。
【0011】図1において、バックアップロール1に接して連続的に走行するウエブ2の全幅に、液状塗布組成物供給装置3により設定塗布量より過剰塗布された液状塗布組成物5の塗布層が形成される。続いて、気体吹付けノズル9を持った吸引ノズル7で構成された、気体を吹付けながら余剰の液状塗布組成物を吸引除去する手段により、設定塗布量より過剰塗布された液状塗布組成物5の過剰塗布層部分を吸引除去して設定塗布量51に調整する。図1の塗布装置は、液状塗布組成物供給装置3に気体吹付けノズル9を持った吸引ノズル7が一体的に付設されている。気体吹付けノズル9を持った吸引ノズル7については、図3にて詳細な説明をする。
【0012】液状塗布組成物供給装置3としては、エクストルージョン、ファウンテン等のスロットダイコーティング装置が好適である。液状塗布組成物供給装置3には、一般的に減圧装置4が付設されている。本発明においては、液状塗布組成物供給装置3に吸引ノズル7も付設構造で構成されていて、液状塗布組成物供給装置3、減圧装置4、吸引ノズル7の各々の接液部とウエブ2との間隙は個々に調整できるような構造となっている。
【0013】図2において、バックアップロール1に接して連続的に走行するウエブ2の全幅に、液状塗布組成物供給装置3により設定塗布量より過剰塗布された液状塗布組成物5の塗布層が形成される。続いて、バックアップロール6に接して連続的に走行するウエブ2の全幅に、気体吹付けノズル9を持った吸引ノズル7により、設定塗布量より過剰塗布された液状塗布組成物5の過剰塗布層部分を吸引除去して設定塗布量51に調整する。
【0014】液状塗布組成物供給装置3としては、エクストルージョン、ファウンテン等のスロットダイ、ディップ、ワイヤーバーコーティング装置が好適である。図2では、連続走行するウエブをバックアップロール1で液状塗布組成物供給装置3による過剰塗布を行ない、その後のバックアップロール6で過剰塗布部を気体吹付けノズル9を持った吸引ノズル7により吸引除去して設定塗布量に調整しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、バックアップロール1に液状塗布組成物供給装置3と吸引ノズル7が配置されていても構わない。
【0015】図3において、連続的に走行するウエブ2の全幅に、設定塗布量より過剰塗布された液状塗布組成物5の塗布層が形成されており、ウエブ2の幅方向全体に取付けられた本発明による吸引ノズル7により、過剰塗布部を吸引除去して設定塗布量51に調整する。吸引ノズル7の先端部には、ウエブ2に向けて気体を吹出す吹出しノズル9がウエブ2に対して傾斜角度θを持たせて取り付けられている。設定塗布量に対して過剰塗布された液状塗布組成物5は、ウエブ2に向けて気体を吹出す吹出しノズル9によりウエブ2から一部が剥ぎ取られ、吸引ノズル8の先端から吸引され、設定塗布量51に調整される。吸引された液状塗布組成物は、図示しない排気装置により、吸引ノズル8上部に取り付けられる配管より排出される。
【0016】図3において、吸引ノズル8及び気体を吹出す吹出しノズル9の先端は、ウエブ2、設定塗布量より過剰塗布された液状塗布組成物5に直接当たらないようにウエブ2との距離Aに設置される。距離Aは、液状塗布組成物5の塗布量により多少変化させる必要があるが、0.2mm〜2mm程度、より好ましくは、0.3mm〜1mmがよい。
【0017】気体を吹出す吹出しノズル9は、ウエブ進行方向10と逆向きに吹き付けられるように取り付けるのが好ましい。吹出しノズル9とウエブ2との角度θは、ウエブ2に対する吸引ノズル7を垂直として、10°〜70°程度、より好ましくは、20°〜60°がよい。吸引ノズル7は、ウエブ2に対して、60°〜100°程度、より好ましくは、70°〜90°がよい。塗布液の粘度は、5cp以下、好ましくは3cp以下で、湿潤塗布量が30ml/m2以下の場合に好適である。
【0018】
【実施例】以下、本発明の効果を明確にするために実施例を挙げる。但し、本発明は以下に述べる実施例により限定されるものではない。
【0019】支持体として、ポリエチレン樹脂被覆紙にハロゲン化銀乳剤を塗布して乾燥させたものを用いて、物理現像核を含有する塗布液を塗布した。なお支持体の幅は1500mm、塗布幅は1490mm。塗布速度は250m/min。設定塗布量は10、20、30ml/m2。粘度は5cP。
【0020】実施例1本発明の塗布装置は、図2に示す液状塗布組成物供給装置3と吸引ノズル7が別々に設置される塗布装置を用いた。
【0021】比較例1比較例として、図4に示すファウンテンノズルとエアーナイフからなる塗布装置を用いた。連続的に走行するウエブ2の全幅に、ファウンテンノズル31により、設定塗布量より過剰塗布された液状塗布組成物5の塗布層を形成させ、エアナイフ21により掻き落として設定塗布量51に調整する塗布装置である。
【0022】実験結果を表1に示す。尚、表1中の○は、塗布故障の無い均一塗布、×は、泡、筋故障の発生。本発明により、高速、薄層領域において従来にない良好な塗布性を示すことがわかる。比較例のような従来の方式では、過剰塗布部を掻き落とす際に泡、筋等の塗布故障が発生し、綺麗な塗布面が得られない。従って、本発明の塗布装置を用いれば好ましいことが確認できた。
【0023】
【表1】

【0024】
【発明の効果】上記で明らかなように、本発明による液状塗布組成物の吸引除去を行う方法により、高速塗布・薄層塗布を可能にし、生産性、品質の向上をさせることが出来る。
【出願人】 【識別番号】000005980
【氏名又は名称】三菱製紙株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内3丁目4番2号
【出願日】 平成13年9月11日(2001.9.11)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−80151(P2003−80151A)
【公開日】 平成15年3月18日(2003.3.18)
【出願番号】 特願2001−274985(P2001−274985)