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【発明の名称】 塗工装置
【発明者】 【氏名】津田 武明
【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

【氏名】吉羽 洋
【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

【氏名】青木 孝
【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

【要約】 【課題】ヘッド幅方向における両端部の薄膜部分を最小限に抑えることができる塗工装置を提供すること。

【解決手段】液入口からの塗工液を幅方向に広がらせるためのマニホールドと、そのマニホールドから塗工液が押し出される先端の吐出スリットとを具備してなるエクストルージョン方式のダイヘッドHを用いた塗工装置において、ダイヘッド先端の両端部に吐出スリットSの端から外側に広がるテーパー面4を有した凸部5を設ける。塗工時において塗工液が凸部5の先端で保持されて側面に回り込むのが防止され、ヘッド幅方向端部における膜厚精度の良好な領域を拡大することが可能となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液入口からの塗工液を幅方向に広がらせるためのマニホールドと、そのマニホールドから塗工液が押し出される先端の吐出スリットとを具備してなるエクストルージョン方式のダイヘッドを用いた塗工装置において、ダイヘッド先端の両端部に吐出スリットの端から外側に広がるテーパー面を有した凸部を設けたことを特徴とする塗工装置。
【請求項2】 ダイヘッド先端の両端部に設ける凸部の先端を鋭角としたことを特徴とする請求項1に記載の塗工装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被塗工物である基材の表面に塗工液を塗布するエクストルージョン方式のダイヘッドを用いた塗工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、エクストルージョン方式のダイヘッドを用いた塗工装置は、均一な薄膜塗工が可能であることから種々の分野で広く利用されている。このダイヘッドは、基本的に、液入口からの塗工液を幅方向に広がらせるためのマニホールドと、そのマニホールドから塗工液が押し出される吐出スリットとを備えた構造をしている。そして、図1に示すように、ダイヘッドHと基板Gとが所定の間隔を保って相対的に移動させ、その時に、ダイヘッドHの液入口から流入した塗工液がマニホールドにて幅方向に広がり、先端の吐出スリットSから押し出されることにより、基板Gの表面に一定膜厚の塗膜Mを形成するようになっている。
【0003】このタイプの塗工装置により基板上に塗工を行うと、図2に示すように、基板G上に形成された塗膜Mは、ヘッドの幅方向両端部において膜厚の不安定領域Mbが生じる。そこで、膜厚の一定した安定領域Maを拡大するため、ヘッド先端における吐出スリットより外側の部分のヘッド幅方向長さを短くすることで対応してきた。この点については、図1に示すダイ上板1とダイ下板2を一対の左右側板3で挟持したタイプのダイヘッドについても、また本体部と側板部とが一体型のダイヘッドについても同様のことが言える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の如きダイヘッドを用いた塗工装置において、膜厚の安定領域を拡大するために、ヘッド先端における両端部のヘッド幅方向の長さを短くすると、図3(a)に示すように、ヘッド先端の吐出スリットから吐出された塗工液Lがヘッド先端の両端部から側面に回り込む現象が起こる。その結果、図3(b)に示すように、ダイヘッドHの幅方向両端部に対応する部分の塗膜Mが薄膜化するという問題が生じる。この場合、塗工液の側面への回り込みに加え、ヘッド幅方向の塗布幅が所望の長さよりも塗工液が回り込んだ分だけ長くなり、塗工液がその余分に長い部分で消費されることもあって、ダイヘッドHの幅方向端部で塗膜Mの薄膜化を引き起こす。なお、図3においてXは吐出スリットの端、Yは側板3の先端角部の位置を示している。
【0005】本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ヘッド幅方向における両端部の薄膜部分を最小限に抑えることができる塗工装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明の塗工装置は、液入口からの塗工液を幅方向に広がらせるためのマニホールドと、そのマニホールドから塗工液が押し出される先端の吐出スリットとを具備してなるエクストルージョン方式のダイヘッドを用いた塗工装置において、ダイヘッド先端の両端部に吐出スリットの端から外側に広がるテーパー面を有した凸部を設けたことを特徴としている。
【0007】そして、上記構成の塗工装置において、ダイヘッド先端の両端部に設ける凸部の先端を鋭角とすることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、図1〜3と同様の部位には同じ符号を付すことでその説明を省略する。
【0009】図4は本発明の塗工装置におけるダイヘッドの一例をその端部の一部分で示す正面図である。同図に示されるように、このダイヘッドHでは、側板3の先端に、吐出スリットSの端から外側に広がるテーパー面4を有した凸部5を設けている。このテーパー面4のスリットS先端部に対する角度θは0〜10°程度である。また、スリットSの端から凸部先端までの距離aは、塗工液の粘度によるが、おおよそ30mm程度迄である。
【0010】この図4に示すような先端構造のダイヘッドを備えた塗工装置により基板上に塗工液を塗布すると、図5に示すように、凸部5の先端で塗工液Lが保持されるので側面への回り込みが防止され、したがって塗工液Lのブレが無くなり、ダイヘッドHの幅方向両端部に対応する部分で形成される塗膜の薄膜化を抑えることができる。
【0011】図6は本発明の塗工装置におけるダイヘッドの別の例をその端部の一部分で示す正面図である。同図に示されるように、このダイヘッドHでは、側板3の先端に、吐出スリットSの端から外側に広がるテーパー面4を有した凸部5を設けるとともに、その凸部5の先端形状を鋭角としている。テーパー面4のスリットS先端部に対する角度θは同様に0〜10°程度である。また、スリットSの端から凸部先端までの距離aについても同様に30mm程度迄である。
【0012】この図6に示すような先端構造のダイヘッドを備えた塗工装置により基板上に塗工液を塗布すると、図7に示すように、凸部5の先端が鋭角に尖っているのでその形状からして塗工液Lが側面へ回り込むことが殆どなく、したがって塗工液Lのブレが無くなり、ダイヘッドHの幅方向両端部に対応する部分で形成される塗膜の薄膜化をより抑えることができる。
【0013】以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明による塗工装置は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは当然のことである。
【0014】
【発明の効果】本発明の塗工装置は、液入口からの塗工液を幅方向に広がらせるためのマニホールドと、そのマニホールドから塗工液が押し出される先端の吐出スリットとを具備してなるエクストルージョン方式のダイヘッドを用いた塗工装置において、ダイヘッド先端の両端部に吐出スリットの端から外側に広がるテーパー面を有した凸部を設けたことを特徴としているので、塗工時において塗工液が凸部の先端で保持されて側面に回り込むのが防止され、ヘッド幅方向端部における膜厚精度の良好な領域を拡大することが可能となる。そして、膜厚の薄い領域が減少することで、安定した膜面の領域を有効に利用でき、このように安定領域の膜面を全て有効に利用すれば、無駄な薄膜部領域が極力少なくなり、塗工液の使用量を少なく抑えることができる。
【出願人】 【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号
【出願日】 平成13年9月7日(2001.9.7)
【代理人】 【識別番号】100096600
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 育郎
【公開番号】 特開2003−80146(P2003−80146A)
【公開日】 平成15年3月18日(2003.3.18)
【出願番号】 特願2001−271192(P2001−271192)