| 【発明の名称】 |
バー塗布装置及びバー塗布方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】市川 和紀 【住所又は居所】静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写真フイルム株式会社内
【氏名】西野 剛 【住所又は居所】静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写真フイルム株式会社内
【氏名】金子 修芳 【住所又は居所】静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写真フイルム株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】異なる厚みの塗布対象物に対応して、均一の塗布面質を得ることの可能なバー塗布装置及びバー塗布方法を得る。
【解決手段】サポートロール32と塗布用バー16との間には、塗布用バー16の反対側からアルミウエブ14に接触する押圧ロール54が配置され、支持装置55によって昇降可能に支持される。アルミウエブ14と堰板20のとのクリアランスを、アルミウエブ14の厚みに応じて調整することができるので、厚さの異なるアルミウエブ14に対応して、均一の塗布面質を得ることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一定方向に搬送される塗布対象物に対し接触し塗布対象物への塗布液の塗布及び塗布対象物からの余剰塗布液の除去を行う塗布用バーと、前記塗布用バーよりも前記塗布対象物の搬送方向上流側に配置され、塗布対象物と前記塗布用バーとの間で塗布液の液溜まりを形成する堰部材と、前記塗布用バーの近傍に配置され、塗布用バーの反対側から塗布対象物を押圧する押圧部材と、前記押圧部材を、前記塗布対象物の厚み方向へ移動させる移動手段と、を有することを特徴とするバー塗布装置。 【請求項2】 前記押圧部材が、前記塗布対象物との摩擦により従動回転する押圧ロール、とされていることを特徴とする請求項1に記載のバー塗布装置。 【請求項3】 前記塗布用バーを、前記塗布対象物の搬送速度に対応した周速と異なる周速となるように回転させる回転駆動装置、を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のバー塗布装置。 【請求項4】 一定方向に搬送される塗布対象物に対し塗布用バーを接触させ塗布対象物への塗布液の塗布及び塗布対象物からの余剰塗布液の除去を行うバー塗布方法であって、前記塗布用バーの近傍において、塗布用バーの反対側から塗布対象物を押圧部材により押圧すると共に、塗布状態に応じて押圧部材を塗布対象物の厚み方向へ移動させることを特徴とするバー塗布方法。 【請求項5】 前記塗布用バーを、前記塗布対象物の搬送速度に対応した周速と異なる周速で回転させることを特徴とする請求項4に記載のバー塗布方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、バー塗布装置及びバー塗布方法に関し、さらに詳しくは、塗布対象物に塗布液を所望の量だけ塗布することが可能なバー塗布装置及びバー塗布方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、例えば金属板などの塗布対象物に塗布液を塗布したり、塗布対象物から余剰の塗布液を除去(いわゆる計量)したりするために、図8に示すようなバー塗布装置102が使用されることがある。 【0003】このバー塗布装置102では、一定の搬送速度で搬送される金属板104に対し、この金属板104の搬送方向(矢印F1方向)と直交する方向で、金属板104の塗布面(下面)に接触するように配置された円柱状の塗布用バー106を有している。塗布用バー106は金属板104との摩擦により、金属板104の搬送速度に等しい周速で回転する。この回転によって塗布液108が掻き上げられ、堰部材112と金属板104との間に液溜まり110が構成される。すなわち、液溜まり110の塗布液が金属板104に塗布されると共に、余剰の塗布液が金属板104から除去(計量)される。 【0004】ところで、塗布対象物である金属板104には、種々の厚みをもったものが用いられる。しかし、金属板104の厚みが変化すると、金属板104と堰部材112との間のクリアランスも変動する。これにより、液溜まり110も不安定になるため、均一な塗布面質を得ることが難しい。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事実を考慮し、異なる厚みの塗布対象物に対応して、均一の塗布面質を得ることの可能なバー塗布装置及びバー塗布方法を得ることを課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明では、一定方向に搬送される塗布対象物に対し接触し塗布対象物への塗布液の塗布及び塗布対象物からの余剰塗布液の除去を行う塗布用バーと、前記塗布用バーよりも前記塗布対象物の搬送方向上流側に配置され、塗布対象物と前記塗布用バーとの間で塗布液の液溜まりを形成する堰部材と、前記塗布用バーの近傍に配置され、塗布用バーの反対側から塗布対象物を押圧する押圧部材と、前記押圧部材を、前記塗布対象物の厚み方向へ移動させる移動手段と、を有することを特徴とする。 【0007】すなわち、このバー塗布装置では、搬送される塗布対象物に対し塗布用バーを接触させて、塗布液を塗布対象物に塗布する。ここで、塗布対象物は、塗布用バーの近傍において、塗布用バーの反対側から押圧部材で押圧されている。押圧部材は、移動手段によって、塗布対象物の厚み方向へ移動可能とされている。従って、異なる厚みの塗布対象物に対し、押圧部材を移動させることで、塗布対象物と堰板との間のクリアランスを調整し、堰部材と塗布用バーと塗布対象物との間に形成される塗布液の液溜まりを安定させることができる。このため、塗布対象物の塗布面質も安定し、異なる厚みの塗布対象物であっても、均一な塗布面質を得ることができる。 【0008】押圧部材としては、単に塗布対象物に接触して押圧するものであってもよいが、請求項2に記載のように、前記押圧部材が、前記塗布対象物との摩擦により従動回転する押圧ロール、とされている構成では、塗布対象物が押圧ロールとの擦れによって損傷をうけることを防止できるので、好ましい。 【0009】請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記塗布用バーを、前記塗布対象物の搬送速度に対応した周速と異なる周速となるように回転させる回転駆動装置、を有することを特徴とする。 【0010】すなわち、塗布用バーを塗布対象物との摩擦によって回転させるのではなく、塗布対象物の搬送速度に対応した周速と異なる周速となるように、回転駆動装置によって積極的に回転させる。これにより、堰板と塗布用バーと塗布対象物との間に構成される液溜まりを安定させることができるので、例えば、塗布対象物の搬送速度を高速化したり、塗布液を高粘度化したりした場合でも、均一な塗布面質を得ることができる。 【0011】請求項4に記載の発明では、一定方向に搬送される塗布対象物に対し塗布用バーを接触させ塗布対象物への塗布液の塗布及び塗布対象物からの余剰塗布液の除去を行うバー塗布方法であって、前記塗布用バーの近傍において、塗布用バーの反対側から塗布対象物を押圧部材により押圧すると共に、塗布状態に応じて押圧部材を塗布対象物の厚み方向へ移動させることを特徴とする。 【0012】すなわち、このバー塗布方法では、搬送される塗布対象物に対し塗布用バーを接触させて、塗布液を塗布対象物に転写し塗布する。ここで、塗布対象物は、当用バーの近傍において、塗布用バーの反対側から押圧部材で押圧されており、さらに、塗布状態に応じて、押圧部材を塗布対象物の厚み方向へ移動させる。従って、異なる厚みの塗布対象物に対し、押圧部材を移動させることで、塗布対象物と堰部材との間のクリアランスを調整し、液溜まりを安定させることができる。このため、塗布対象物の塗布面質も安定し、異なる厚みの塗布対象物であっても、均一な塗布面質を得ることができる。 【0013】請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の発明において、前記塗布用バーを、前記塗布対象物の搬送速度に対応した周速と異なる周速で回転させることを特徴とする。 【0014】すなわち、塗布用バーを塗布対象物との摩擦によって回転させるのではなく、塗布対象物の搬送速度に対応した周速と異なる周速で積極的に回転させる。これにより、堰部材と塗布用バーと塗布対象物との間に構成される液溜まりを安定させることができるので、例えば、塗布対象物の搬送速度を高速化したり、塗布液を高粘度化したりした場合でも、均一な塗布面質を得ることができる。 【0015】 【発明の実施の形態】図1及び図2には、本発明の一実施形態のバー塗布装置12が示されている。このバー塗布装置12は、平版印刷版の製造ラインに組み込まれており、平版印刷版の基材であるアルミウエブ14に塗布液50(感光液等)を塗布するために使用される。アルミウエブ14は、図示しない搬送装置によって、その長手方向に所定の搬送速度で搬送される。以下、単に「搬送方向」というときは、アルミウエブ14の搬送方向をいい、図面において矢印Fで示す。また、単に「幅方向」というときはアルミウエブ14の幅方向をいい、図面において矢印Wで示す。 【0016】バー塗布装置12は、アルミウエブ14に対し下方から接触するように配置された塗布用バー16を有している。塗布用バー16は、略円柱状(又は略円筒状)に形成されており、その長手方向が、アルミウエブ14の幅方向と一致する向きとなるように、軸受部材18に支持されている。 【0017】軸受部材18の上面は、塗布用バー16の外周面に沿って円弧状に形成された支持面18Sとされており、塗布用バー16は、この支持面18Sに接触した状態で、回転可能に支持されている。 【0018】軸受部材18の上流側及び下流側にはそれぞれ、堰板20、22が配置されている。それぞれの堰板20、22と軸受部材18との間には所定の間隙が構成されており、特に、上流側の堰板20と軸受部材18との間隙は塗布液供給路24とされている。図示しない塗布液供給装置から送られた塗布液50は、塗布液供給路24を通り、塗布用バー16の回転によって、塗布液50が順次掻き上げられて、アルミウエブ14に転移される。また、アルミウエブ14と塗布用バー16との接触部分の上流側において、アルミウエブ14と堰板20と塗布用バー16との間で塗布液50の液溜まり52が形成される。 【0019】図2に示すように、軸受部材18及び堰板20、22はホルダー28によって一体的に保持され、全体としてコーター30が構成されている。また、コーター30の上流側及び下流側には、コーター30の反対側(すなわち上側)からアルミウエブ14に接触するサポートロール32、34が配置されている(図1ではサポートロール32、34は図示を省略している)。サポートロール32、34がアルミウエブ14を上方から押圧することで、アルミウエブ14に所定のテンションを作用させながら塗布用バー16と接触させることができるようになっている。 【0020】そして、図示しない昇降装置を駆動させることで、コーター30を構成している軸受部材18及び堰板20、22を一体的に昇降させることができる。図2(A)に示すように、降下した状態では、塗布用バー16がアルミウエブ14に接触しないので塗布液50を塗布しないが、図2(B)に示すようにこれらを上昇させることで塗布用バー16をアルミウエブ14に接触させ、塗布液50を塗布可能となる。また、接触状態を維持しつつ、コーター30をわずかに上下させることで所望の接触圧とし、アルミウエブ14や塗布液50の種類に合わせた塗布を行うことが可能になる。 【0021】図3及び図4には、塗布用バー16を回転駆動させるための回転駆動装置36の概略構成が示されている。 【0022】回転駆動装置36は、モータ及び減速装置等を含んで構成され、所定のトルク及び角速度で回転駆動力を発生させる駆動源38を有している。駆動源38の出力軸40には、第1ユニバーサル手継ぎ手42を介してシャフト44が連結され、さらにシャフト44は、第2ユニバーサル手継ぎ手46を介して、切替部材48に連結されている。切替部材48は、塗布用バー16に連結されて回転駆動力を伝達可能な伝達位置(図3に実線で示す位置)と、塗布用バー16との連結を解除されて回転駆動力を伝達しない非伝達位置(図3に二点鎖線で示す位置)との間を移動するようになっている。 【0023】また、このように、2つのユニバーサル手継ぎ手を介して、駆動源38と塗布用バー16とを連結しているので、駆動源38の出力軸40に対する塗布用バー16の角度と常に一定に維持しつつ(本実施形態では平行)、駆動源38の回転駆動力を塗布用バー16に伝達することができる。例えば、コーター30をわずかに上下させた場合や、図4に二点鎖線で示すように、コーター30を降下させてアルミウエブ14から塗布用バー16を離間させた場合でも、駆動源38の出力軸40と塗布用バー16とが平行で、駆動源38の回転駆動力を受けて塗布用バー16が回転する。 【0024】本実施形態のバー塗布装置12では、塗布用バー16の周速が、アルミウエブ14の搬送速度に対応した周速と異なる周速となるように、駆動源38からの回転駆動力によって塗布用バー16を積極的に回転させることが可能とされている。 【0025】サポートロール32と塗布用バー16との間には、アルミウエブ14の上方、すなわち塗布用バー16の反対側からアルミウエブ14に接触する押圧ロール54が配置されている。押圧ロール54は、その軸方向がアルミウエブ14の幅方向と一致する向きで且つ回転可能に、支持装置55によって支持されている。さらに支持装置55は、押圧ロール54を、アルミウエブ14の厚み方向と同方向(すなわち上下方向)に移動可能に支持している。そして、押圧ロール54は、図2(A)に示すように、コーター30の降下状態では、サポートロール32、34間のアルミウエブ14の平面性を損なわない程度に、アルミウエブ14に接触している。押圧ロール54は、アルミウエブ14が搬送されると、アルミウエブ14との摩擦によって回転する。 【0026】これに対し、図2(B)及び(C)に示すように、コーター30が上昇しアルミウエブ14に塗布液50を塗布している状態では、サポートロール32、34間のアルミウエブ14に対し、押圧ロール54を上下に移動させることで、アルミウエブ14と堰板20との間のクリアランスCの長さCL(図5参照)を調整することができるようになっている。 【0027】押圧ロール54の搬送方向の位置は、このように、アルミウエブ14と堰板20との間のクリアランスの長さを調整することができれば特に限定されない。図2(B)に示すように、塗布状態で塗布用バー16の中心から押圧ロール54の中心までの距離を押圧位置Lとすると、この押圧位置Lを10〜150mmの範囲とすることが好ましく、15〜60mmの範囲とすることがより好ましい。 【0028】押圧ロール54の上下位置及び上下移動量も、アルミウエブ14と堰板20との間のクリアランスCの長さCLを調整して所望の範囲とすることができれば特に限定されない。図2(C)に示すように、塗布状態で塗布用バー16の頂点から押圧ロール54の下端位置まで、コーター30の昇降方向と同方向に図った長さを押込量をPとすると、この押込量Pを1〜30mmの範囲とすることが好ましい。 【0029】次に、本実施形態のバー塗布装置12によってアルミウエブ14に塗布液50を塗布する方法、及びバー塗布装置12の作用を説明する。 【0030】アルミウエブ14に塗布液50を塗布するときには、図示しない搬送装置により、アルミウエブ14を一定の搬送速度で搬送する。 【0031】また、コーター30を図2(B)に示すように上昇させて塗布用バー16をアルミウエブ14に接触させた状態とし、図示しない塗布液供給装置から、塗布液50を供給する。ここで、本実施形態のバー塗布装置12では、アルミウエブ14を塗布用バー16の反対側から押圧ロール54によって押圧しており、しかも、この押圧ロール54の上下位置は、支持装置55により、上下に移動するようになっている。従って、アルミウエブ14と堰板20との間のクリアランスCの長さCLを、例えば、アルミウエブ14の厚みに対応させて調整することで、アルミウエブ14と堰板20と塗布用バー16の間に形成される液溜まり52を安定的に保持することができる。例えば、アルミウエブ14として相対的に厚いものを使用している場合には、剛性が高いので、押圧ロール54による押圧がない状態ではクリアランスCの長さCLが長くなることが多い。逆に、アルミウエブ14として相対的に薄いものを使用している場合には、剛性が低いので、押圧ロール54による押圧がない状態ではクリアランスCの長さCLが短くなることが多い。従って、これらの場合に、押圧ロール54の上下位置を調整してクリアランスCの長さCLを一定に維持する(若しくは一定に近づける)ことで、液溜まり52を安定的に保持することができる。これにより、アルミウエブ14と堰板20と塗布用バー16との間に構成される液溜まり52が安定するので、塗布された塗布液50に液溜まりの乱れによる塗布スジ等が生じず、アルミウエブ14に対し均一した塗布面質を得ることが可能になっている。 【0032】もちろん、アルミウエブ14の剛性だけでなく、それ以外の要因によってもクリアランスCの長さCLが変動することがある。本実施形態のバー塗布装置12では、クリアランスCの長さCLが変動する要因に関係なく、これを一定に維持して、液溜まり52を安定的に保持することが可能となる。 【0033】また、本実施形態のバー塗布装置12では、塗布時に、図3に実線で示すように、切替部材48を伝達位置へと移動させ、駆動源38の回転駆動力を塗布用バー16に伝達することができる。これにより、塗布用バー16は、その周速が、アルミウエブ14の搬送速度に対応した周速と異なる周速で、積極的に回転されることとなる。 【0034】一般的に、アルミウエブ14と堰板20と塗布用バー16の間に構成される液溜まり52は、アルミウエブ14と塗布用バー16との接触部分T(図1に一点鎖線で示す)から見たときに、液溜まり52の縁部分52Eが幅方向に周期的な曲線を描いている場合に塗布面質が良好になり、特に、この縁部分52Eが正弦曲線あるいはこれに近い形状となっているときに、塗布面質がさらに良好になる。 【0035】本実施形態では、上記のように、塗布用バー16の周速を、アルミウエブ14の搬送速度に対応した周速と異なる周速となるようにすることで、液溜まり52の縁部分52Eの形状を正弦曲線に近い形状とし、液溜まり52を安定的に維持している。従って、塗布された塗布液50に液溜まりの乱れによる塗布スジ等が生じず、均一した塗布面質を得ることが可能になっている。 【0036】特に、塗布液50として高粘度のものを使用した場合や、アルミウエブ14の搬送速度を高めた場合であっても、液溜まり52の縁部分52Eの形状を正弦曲線に近い形状とし、液溜まり52を安定的に維持することができるので、塗布面質を均一にすることが可能になる。かかる観点からは、塗布用バー16の回転速度は、アルミウエブ14の搬送速度に対応した周速と異なる周速となっていれば特に限定されない。 【0037】もちろん、アルミウエブ14の搬送速度や塗布液50の粘度その他の条件によっては、従来と同様に塗布用バー16をアルミウエブ14との摩擦によって回転(従動)させたほうがよい場合もある。その場合には、切替部材48を図3に二点鎖線で示すように非伝達位置へと移動させるだけで、容易に駆動源38の回転駆動力が塗布用バー16に伝達されないようにすることが可能となる。 【0038】図6には、本発明の第2実施形態のバー塗布装置56が示されている。第2実施形態において、第1実施形態と同一の構成要素、部材等については同一符号を付して説明を省略する。 【0039】第2実施形態のバー塗布装置56では、第1実施形態と同様の押圧ロール54に加えて、さらに押圧ロール58が配置されており、この点のみが、第1実施形態と異なっている。 【0040】押圧ロール58は、図6からも分かるように、塗布用バー16及び軸受部材18の中心を通る中心線Cに対し押圧ロール54と対称の位置に配置されている。また、押圧ロール58は押圧ロール54と同様に、その軸方向がアルミウエブ14の幅方向と一致する向きで且つ回転可能に、支持装置55によって支持されており、押圧ロール54は、アルミウエブ14の厚み方向と同方向(すなわち上下方向)に移動可能となっている。そして、押圧ロール54、58はいずれも、図6(A)に示すように、コーター30の降下状態では、サポートロール32、34間のアルミウエブ14の平面性を損なわない程度に、アルミウエブ14に接触しており、アルミウエブ14が搬送されると、アルミウエブ14との摩擦によって回転する。 【0041】このような構成とされた第2実施形態のバー塗布装置56も、第1実施形態のバー塗布装置12と同様の効果を有する。すなわち、アルミウエブ14の厚み等の条件に応じて、押圧ロール54、58の上下位置を調整することで、アルミウエブ14と堰板20との間のクリアランスCの長さCLを調整して所望の範囲とし、アルミウエブ14と堰板20と塗布用バー16との間に形成される液溜まり52を安定的に保持することができる。 【0042】特に、第2実施形態では、塗布用バー16の下流側でも、押圧ロール58を上下に移動させるので、例えば、塗布用バー16の下流側でのアルミウエブ14の搬送状態等によってクリアランスCの長さCLが変化することが懸念されるような場合に特に、第2実施形態のバー塗布装置56では液溜まり50をより安定させ、アルミウエブ14の塗布面質を良好にすることができる。 【0043】図7には、本発明の第3実施形態のバー塗布装置62が示されている。第3実施形態においても、第1実施形態又は第2実施形態と同一の構成要素、部材等については同一符号を付して説明を省略する。 【0044】第3実施形態のバー塗布装置62では、第1実施形態及び第2実施形態の押圧ロール54は設けられておらず、第2実施形態の押圧ロール58と同様の押圧ロール58のみが設けられ、支持装置55によって上下方向に移動可能に支持されている。 【0045】このような構成とされた第3実施形態のバー塗布装置62も、第1実施形態のバー塗布装置12と同様の効果を有する。すなわち、アルミウエブ14の厚み等の条件に応じて、押圧ロール58の上下位置を調整することで、塗布用バー16よりも下流側においてアルミウエブ14の撓み量が変化するので、結果的に、塗布用バー16の上流側でもアルミウエブ14の撓み量が変化し、アルミウエブ14と堰板20との間のクリアランスCの長さCLが調整される。これにより、アルミウエブ14と堰板20と塗布用バー16との間に形成される液溜まり52を安定的に保持し、アルミウエブ14の塗布面質を良好にすることができる。 【0046】以上説明したように、本発明のいずれの実施形態においても、アルミウエブ14の厚み等に応じて、押圧ロール54、58の少なくとも一方の上下位置を変更してクリアランスCの長さCLを調整することで、厚さの異なるアルミウエブ14であっても、塗布面質を均一にすることができる。 【0047】本発明の塗布用バー16としては、周面がフラットなバーや、バー周面の周方向にワイヤーを密に巻き付けて隣接するワイヤーどうしの間に溝を形成したワイヤーバー、さらには、バー周面の周方向にバーの幅全長にわたって又は必要な部分に溝を刻設した溝切バー等を用いることができる。塗布用バー16の外径は、バー転造精度(真直度・真円度)、回転モーメント及び重量バランス等の観点からφ1〜30mmの範囲とすることが好ましく、φ6〜20mmの範囲とすることがさらに好ましい。 【0048】軸受部材18としては、塗布用バー16を確実に支持することが可能であれば限定されないが、塗布用バー16との摩擦係数が低いものが、塗布用バー16のスムーズな回転には好ましく、さらに、耐磨耗性の高いものが好ましい。これらの条件を満たすものとしては、ポリエチレン樹脂、フッ素樹脂、ポリアセタール樹脂等を挙げることができる。なお、少なくとも支持面18S(塗布用バー16を支持する部分)を、上記した材質のもので構成すれば、上記した効果を奏する。 【0049】本発明の押圧部材としても、アルミウエブ14を押圧できれば、その構成は特に限定されない。例えば、上記のようにロール状(円柱状又は円筒状)とされている必要はなく、棒状の部材や板状の部材であってもよい。ロール状とした場合には、その径をφ10〜φ200mmの範囲とすることが、アルミウエブ14(支持体)の平面性確保や、搬送時のスリップ防止の観点から好ましい。 【0050】また、バー塗布装置12によって塗布液50を塗布する塗布対象物(支持体)としても、帯状のものでもシート状のものでも良く、アルミニウム等の薄板金属(上記したアルミウエブ14)、紙、プラスチックフィルム、レジンコーティング紙、合成紙等を使用できる。平版印刷版の支持体としてアルミニウム板を使用する場合には、例えば、JIS1050材、JIS1100材、JIS1070材、Al−Mg系合金、Al−Mn系合金、Al−Mn−Mg系合金、Al−Zr系合金、Al−Mg−Si系合金等を適用し得る。プラスチックフィルムの場合の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等のビニル重合体、6,6−ナイロン、6−ナイロン等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、セルトーストリアセテート、セルロースダイアセテート等のセルロースアセテト等が使用される。また、レジンコーティング紙に用いるレジンとしては、ポリエチレンをはじめとするポリオレフィンが代表的であるが、これらには限定されない。 【0051】アルミウエブ14の厚みも特に限定されないが、0.01mm〜1.0mm程度のものが取り扱いや、汎用性の点で有利である。 【0052】さらに、塗布液50としても、上記した感光液に限定されず、例えば、高分子化合物の水溶液や、有機水溶液、顔料分散液、コロイド溶液などを用いることができる。平版印刷版の感光層を構成するための塗布液50としては、以下の(1)〜(11)の態様の感光層を構成するような感光液が挙げられる。 (1) 感光層が赤外線吸収剤、熱によって酸を発生する化合物、および酸によって架橋する化合物を含有する態様。 (2) 感光層が赤外線吸収剤、および熱によってアルカリ溶解性となる化合物を含有する態様。 (3) 感光層が、レーザ光照射によってラジカルを発生する化合物、アルカリに可溶のバインダー、および多官能性のモノマーあるいはプレポリマーを含有する層と、酸素遮断層との2層を含む態様。 (4) 感光層が、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層との2層からなる態様。 (5) 感光層が、多官能性モノマーおよび多官能性バインダーとを含有する重合層と、ハロゲン化銀と還元剤を含有する層と、酸素遮断層との3層を含む態様。 (6) 感光層が、ノボラック樹脂およびナフトキノンジアジドを含有する層と、ハロゲン化銀を含有する層との2層を含む態様。 (7) 感光層が、有機光導電体を含む態様。 (8) 感光層が、レーザー光照射によって除去されるレーザー光吸収層と、親油性層および/または親水性層とからなる2〜3層を含む態様。 (9) 感光層が、エネルギーを吸収して酸を発生する化合物、酸によってスルホン酸またはカルボン酸を発生する官能基を側鎖に有する高分子化合物、および可視光を吸収することで酸発生剤にエネルギーを与える化合物を含有する態様。 (10) 感光層が、キノンジアジド化合物と、ノボラック樹脂とを含有する態様。 (11) 感光層が、光又は紫外線により分解して自己もしくは層内の他の分子との架橋構造を形成する化合物とアルカリに可溶のバインダーとを含有する態様。 【0053】本発明のバー塗布装置12としても、上記説明では平版印刷版を製造する製造ラインにおいて、アルミウエブ14(支持体)に感光液を塗布するバー塗布装置12(図2参照)を取り上げたが、これに限定されない。 【0054】 【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。 【0055】<実施例>本実施例では、第1実施形態のバー塗布装置12を使用して、アルミウエブ14に塗布液50を塗布した。 【0056】まず、アルミニウム板に砂目仕立て、エッチング、電解粗面化及び陽極酸化等の必要な処理を施し、アルミウエブ14を得た。このアルミウエブ14にバー塗布装置12によって塗布液50を塗布し、乾燥後、一旦ロール状に巻き取った。さらにこのアルミウエブを巻出し、目視によって塗布面質を評価した。 【0057】塗布条件は、以下のように設定した。 【0058】 ・アルミウエブの幅 :500mm ・アルミウエブの厚さ :0.3mm、0.2mm ・搬送速度 :50m/min ・塗布量 :0.02リットル/m2 ・塗布用バーの径 :10mm ・塗布用バーの回転数 :−50/min(逆回転) ・塗布液の粘度 :5mPa・s ・押圧ロールの径 :φ50mm ・押圧位置L :30mm以上の条件で、押込量Pを種々に変更し、それぞれについて、クリアランスCの長さCL、アルミウエブ14への塗布液50の塗布性、及びアルミウエブ14の塗布面質(特に、液溜まりの乱れによる塗布スジ)について評価した。また、押圧ロール54を有さない構成のバー塗布装置についても、同様の評価を行った。 【0059】 【表1】
表中、「◎」は結果が良好であり、問題や不都合が生じないことを、「○」は「◎」と比較するとやや劣るものの、実用上は問題や不都合が生じない程度であることを、「×」は問題や不都合が生じることがあることをそれぞれ示す。 【0060】この表から分かるように、各実施例において、クリアランスCの長さCLを一定範囲内(5.5mm以内)とすることで、塗布性及び塗布面質が良好になり、特に、クリアランスCの長さCLが4.0mm以下の場合(実施例1、実施例3〜実施例6)では、特に塗布性及び塗布面質が良好になっている。 【0061】これらに対し、押圧ロール54を有さない構成のバー塗布装置で塗布した場合(比較例)では、クリアランスCの長さCLを調整することができない。この結果液溜まりが安定せず、塗布面質が、問題や不都合が生じる程度に低下している。 【0062】 【発明の効果】本発明は上記の構成としたので、塗布対象物の搬送速度を高速化しても均一の塗布面質を得ることが可能になる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005201 【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社 【住所又は居所】神奈川県南足柄市中沼210番地
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| 【出願日】 |
平成13年9月13日(2001.9.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079049 【弁理士】 【氏名又は名称】中島 淳 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−80141(P2003−80141A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月18日(2003.3.18) |
| 【出願番号】 |
特願2001−277542(P2001−277542) |
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