トップ :: B 処理操作 運輸 :: B05 霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般




【発明の名称】 ロールコータ塗装装置
【発明者】 【氏名】加藤 正弘
【住所又は居所】大阪市北区大淀中1丁目1番88号 積水ハウス株式会社内

【要約】 【課題】外壁コーナなどのようにコンベヤに載せた状態でコンベヤの搬送面に対して被塗面が斜めになるものであっても塗装を行うことのできるロールコータ塗装設備を提供すること。

【解決手段】被塗物3を搬送するローラコンベヤ2にロールコータ1が設置されてなるロールコータ塗装装置であって、ロールコータ1の塗装ロール4が、ローラコンベヤ2によって搬送される被塗物3の斜面3a、3bに沿って接するように、ロールコータ1のドクターロール5とともに、コンベヤ2の搬送面6に対して傾斜して設置され、塗装ロール4とドクターロール5の間の傾斜上方側に塗料供給ライン10の塗料供給口10aが配置されたロールコータ塗装装置A。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被塗物を搬送するコンベヤにロールコータが設置されてなるロールコータ塗装装置であって、前記ロールコータの塗装ロールが、前記コンベヤによって搬送される被塗物の斜面に沿って接するように、前記ロールコータのドクターロールとともに、コンベヤの搬送面に対して傾斜して設置され、前記塗装ロールと前記ドクターロールの間の傾斜上方側に塗料供給ラインの塗料供給口が配置されたことを特徴とするロールコータ塗装装置。
【請求項2】 前記塗装ロールによりコンベヤの一側方向へ押圧されながら塗装される前記被塗物を押圧方向側から支持するガイドを前記コンベヤの上方に設けたことを特徴とする請求項1記載のロールコータ塗装装置。
【請求項3】 前記ロールコータから流れ落ちる塗料を受け取って前記塗料供給ラインに復帰させる塗料復帰ラインを設けたことを特徴とする請求項1記載のロールコータ塗装装置。
【請求項4】 前記コンベヤがローラコンベヤであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1に記載のロールコータ塗装装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンベヤ上を流れる建築材等の傾斜面を有する被塗物をロールコータによって塗装するロールコータ塗装装置に関する。
【0002】
【従来の技術】住宅の建築材等に効率よく塗装を施すために、多くの場合、コンベヤ上に各種塗装工程を行う装置を配備した塗装装置が使用される。かかる塗装装置を使用して行う塗装方法は様々であるが、その塗装方法の一つとして、被塗面が凹凸状に成形された外壁材等に2色塗装を施す場合がある。この2色塗装を行う場合は、最初に全体塗装をスプレー式の塗装装置によって行い、次に、図5に示すように、ロールコータ26によって、他の色を被塗物27の表面の凸部27aにのみ塗装を行う。
【0003】前記ロールコータ26は、回転しつつ被塗物27に塗料を塗布する塗装ロール28と、該塗装ロール28と共に回転しつつ塗装ロール28との隙間を調節することによって、被塗物27への塗布量を調節するドクターロール29と、これら塗装ロール28及びドクターロール29に所定の回転力を与える図外の駆動部などから構成されるものであり、コンベヤ25により搬送される被塗物27の表面に均等な膜圧で効率よく塗装を施すものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記ロールコータ26をコンベヤ25に設置した塗装装置では、板状材など被塗物の塗装すべき面がコンベヤの搬送面6に対して平行な場合には容易に塗装できるものの、住宅等の外壁隅部に採用される直角に折れ曲がっている外壁コーナパネルなど、コンベヤ25に載せた状態でコンベヤの搬送面6に対して被塗面が斜めになるものに対しては、被塗面に合わせてロールコータ26を傾斜させたとしても前記2つのロール28、29の間に溜まった塗料が傾斜方向に流れ落ちるので、塗装を行うことができない。従って、このような被塗物に対しては、スプレー塗装装置による1色目の塗装はできるが、上記した2色目の塗装を行うには、作業者がハンドローラ等を使用して1つずつ手作業で行わなければならず、多くの時間と労力を費やさなければならなかった。
【0005】本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、外壁コーナパネルなどのようにコンベヤに載せた状態でコンベヤの搬送面に対して被塗面が斜めになるものであっても塗装を行うことのできるロールコータ塗装装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1記載のロールコータ塗装装置は、被塗物を搬送するコンベヤにロールコータが設置されてなるロールコータ塗装装置であって、前記ロールコータの塗装ロールが、前記コンベヤによって搬送される被塗物の斜面に沿って接するように、前記ロールコータのドクターロールとともに、コンベヤの搬送面に対して傾斜して設置され、前記塗装ロールと前記ドクターロールの間の傾斜上方側に塗料供給ラインの塗料供給口が配置されたことを特徴としている。
【0007】請求項2記載のロールコータ塗装装置は、請求項1記載のロールコータ塗装装置において、前記塗装ロールによりコンベヤの一側方向へ押圧されながら塗装される前記被塗物を押圧方向側から支持するガイドを前記コンベヤの上方に設けたことを特徴としている。
【0008】請求項3記載のロールコータ塗装装置は、請求項1記載のロールコータ塗装装置において、前記ロールコータから流れ落ちる塗料を受け取って前記塗料供給ラインに復帰させる塗料復帰ラインを設けたことを特徴としている。
【0009】請求項4記載のロールコータ塗装装置は、請求項1乃至3の何れか1に記載のロールコータ塗装装置において、前記コンベヤがローラコンベヤであることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るロールコータ塗装装置について、図面に基づき説明する。図1及び2に示すように、前記ロールコータ塗装装置Aは、ロールコータ1がコンベヤ2の両側部に搬送方向に前後して2台設置され、該コンベヤ2によって搬送される、断面がくの字型の長尺な外壁コーナパネル等の被塗物3の斜面3a、3bを夫々塗装するものであって、前記ロールコータ1の塗装ロール4及びドクターロール5がコンベヤ2の搬送面6に対して傾斜されて設置されたものである。以下、更に詳細に説明する。
【0011】前記コンベヤ2としては、図外のコンベヤ駆動モータと連動して所定の速度で回転駆動する複数の駆動ローラ7が配設されたローラコンベヤを用いているが、これに限定されるものではない。
【0012】前記ロールコータ1は、回転しつつ被塗物3に塗料を塗布する塗装ロール4と、該塗装ロール4と共に回転しつつ塗装ロール4との隙間を調節することによって、被塗物3への塗布量を調節するドクターロール5とを備え、該塗装ロール4及びドクターロール5の間に塗料供給ライン10の塗料供給口10aから連続的に塗料Sの供給を受けながら、減速機8を介して駆動モータ9から駆動力を受けて回転駆動することで、被塗物3に対して塗装を行う。
【0013】前記塗装ロール4及び前記ドクターロール5は、架台16上でローラコンベヤ2の搬送面6に対して角度調節可能に固定され、且つ、前記塗装ロール4を前記搬送面6に対して先端側を下向きに傾斜させたときにその傾斜下方端部4aが前記駆動ローラ7の間に位置するように設置されている。すなわち、前記塗装ロール4は、前記ドクターロール5、減速機8及び駆動モータ9と共に、傾斜台14に揺動自在に固定されたベースプレート15上に前記駆動ローラの間に位置するように固定されている。又、ローラコンベヤ2側の下部の裏面が前記架台16に軸16aによって回転自在に接続される一方、上部の裏面がジャッキボルト17の上端に回転自在に接続されている。このジャッキボルトは、その下端が前記架台16に搬送方向に対して直角方向に形成されたスリット18にナット19にて固定されているので、該ナット19を廻してジャッキボルト17の高さ及びスリット18に沿って水平方向の位置を変更することにより、ベースプレート15及びその上に固定された塗装ロール4等のローラコンベヤの搬送面6に対する角度を調節することができるようになっており、また、塗装ロール4の前記傾斜下方端部4aを前記搬送面6より下に位置させることができるようになっている。なお、ベースプレート15は、前記傾斜台14に対して、被塗物3の搬送方向に対し直角斜め上方を回転軸とした揺動が自在に行われるように軸14a及び軸受け14bによって接続されている。
【0014】前記塗装ロール4と前記ドクターロール5はローラコンベヤの搬送面6に対して傾斜した状態で設置されるため、これらロール4、5の全体に均一に塗料が行き渡るように、前記塗料供給ライン10の塗料供給口10aは、前記塗装ロール4と前記ドクターロール5の間の傾斜上方側に配置されている。また、該塗料供給口10aから供給される塗料Sは、これらロール4、5の谷間に沿って流れ落ちるが、この塗料Sを受け取って塗料供給ライン10に復帰させる塗料復帰ライン11が設けられているので、周囲を塗料で汚したり、塗料を無駄にすることがない。該塗料復帰ライン11としては、例えば、ローラコンベヤ2を構成する駆動ローラ7の間の下方に流れ落ちる前記塗料Sを受け取る樋12、該樋12が受け取った塗料Sを蓄積する塗料タンク13a、該塗料タンク13a内に蓄積された塗料Sを塗料供給ライン10に移送するポンプ13b及び配管13cなどによって構成される。
【0015】また、前記ローラコンベヤ2上には、塗装ロール4に塗装される外壁コーナパネル3を反塗装ロール4側から支持するガイド20が設けられている。すなわち、図1に示すように外壁コーナパネル3の斜面3a又は3bが塗装ロール4に接触し所定の圧力で押圧しているときに、外壁コーナパネル3がその押圧力でローラコンベヤ2上を移動しないように、それぞれの塗装ロール4の押圧方向側に外壁コーナパネル3を支持するガイド20がローラコンベヤ2の長手方向の上方に沿って設けられている。該ガイド20は、その長手方向を搬送方向に向けて、スペーサ20e等を介して駆動ローラ7より少し浮いた状態で取付座20a上に固定されている。また、ガイド20は、図1に示すように、大きさの異なる外壁コーナパネル3にも対応できるように、例えば取付座20aの取付面に穿設された長穴20dにボルト20b及びナット20cを用いて固定し、搬送方向に対して直角方向に平行移動できるようにしている。なお、前記取付座20aは、ローラコンベヤ2の搬送面6に対して固定位置となるように、駆動ローラ7の間から架台16の一部などに固定されている。
【0016】つぎに、表面が凹凸状に成形された外壁コーナパネル3の凸部に前記ロールコータ1を使用して塗装する場合について説明する。なお、外壁コーナパネル3の全体には1色目の塗料がスプレー塗装装置によってあらかじめ塗装されている。
【0017】まず、ガイド20の固定位置、塗装ロール4及びドクターロール5のローラコンベヤ2の搬送面6に対する角度を、直角を形成している外壁コーナパネル3の斜面3a、3bの傾斜角度である45°となるようにし、且つ、塗装ロール4の傾斜下方端部4aが前記搬送面6より下に位置するように調節して、全面が漏れなく塗布できるように準備する。又、前記ボルト20bの長穴20d内における位置を、外壁コーナパネル3の大きさに合わせてあらかじめ調節しておく。
【0018】つぎに、ローラコンベヤ2により搬送される外壁コーナパネル3がロールコータ1の配置場所に到達する前に、前記2台のロールコータ1を稼働させ、塗料供給ライン10から塗装ロール4とドクターロール5の谷間に塗料を供給して、塗装ロール4の表面に適量な塗膜を形成させておく。
【0019】つぎに、図3(a)に示すように、様々な方向を向いてローラコンベヤ2上を搬送されてくる外壁コーナパネル3を、図3(b)に示すように、作業者や所定の機械などにより、まず上流側の前記ガイド20に沿わせることによって、外壁コーナパネル3の縦方向を搬送方向に向けて搬送させると、その被塗面たる斜面3aが上流側の塗装ロール4に当接して押圧されることによってガイド20に当接しつつ塗布される。このようにして一方の斜面3aが塗装され、さらに続けて下流側に配置されたロールコータ1Bによって同様に他方の斜面3bが塗装される。このとき、図1に示したように、塗装ロール4の傾斜下方端部4aが前記搬送面6より下に位置していれば、搬送面6上を搬送される外壁コーナパネル3の斜面3a、3bに塗り残しが生じない。
【0020】なお、他の実施の形態として、図4に示すように、ガイド20を平行に2本設けてもよい。すなわち、搬送される外壁コーナパネル3を両側から拘束してロールコータ1A、1Bの塗装ロール4に対して夫々の斜面3a、3bが好適に接するように2本のガイド20を平行に固定した構成とする。このことによって、2本のガイド20が形成する入口23に外壁コーナパネル3を誘導するだけで、外壁コーナパネル3はロールコータ1A、1Bの位置まで自動的に搬送され、塗装されるので、片側にのみガイド20を設けたロールコータ塗装装置Aにおいて必要とされる外壁コーナパネル3をガイド20に沿わせる作業、機械等が省略される。
【0021】以上説明したように、前記ロールコータ1をローラコンベヤ2に配置することにより、外壁コーナパネル3のようにローラコンベヤの搬送面6に対して傾斜した被塗面3a、3bを有するものであってもロールコータによる塗装を各被塗面全体に行うことができる。また、ローラコンベヤ2の両側に流れ方向に前後してロールコータ1を配置すれば、外壁コーナパネル3などの両斜面3a、3bを効率よく塗装することができる。さらに、3つ以上の斜面を有する被塗物に対しても、斜面の数と同じ台数の前記ロールコータ塗装装置Aをローラコンベヤ2に配置し、各斜面に対して塗装ロール4の傾斜角度及び位置を調節することにより全ての面に対して効率よく塗装を行うことが可能である。
【0022】また、前記塗装ロール4及びドクターロール5が傾斜して設置されたことにより、これら塗装ロール4、ドクターロール5の谷間に供給される塗料は傾斜に沿って流れ落ちるが、前記したように、この塗料は塗料復帰ライン11によって塗料供給ライン10に戻され、再利用されるので、塗装ロール4及びドクターロール5が傾斜されたことにより塗料が無駄になることはない。
【0023】
【発明の効果】請求項1記載のロールコータ塗装装置は、被塗物を搬送するコンベヤにロールコータが設置されてなるロールコータ塗装装置であって、前記ロールコータの塗装ロールが、前記コンベヤによって搬送される被塗物の斜面に沿って接するように、前記ロールコータのドクターロールとともに、コンベヤの搬送面に対して傾斜して設置され、前記塗装ロールと前記ドクターロールの間の傾斜上方側に塗料供給ラインの塗料供給口が配置されたものであるので、外壁コーナパネルのようにコンベヤに載せた状態でコンベヤの搬送面に対して斜面を形成する被塗物であっても塗装を行うことができる。
【0024】請求項2記載のロールコータ塗装装置は、請求項1記載のロールコータ塗装装置において、前記塗装ロールによりコンベヤの一側方向へ押圧されながら塗装される前記被塗物を押圧方向側から支持するガイドを前記コンベヤの上方に設けたものであるので、被塗物が塗装ロールと一定した押圧力で接しながら塗装されるため、一定した塗装膜厚で塗装を行うことができる。
【0025】請求項3記載のロールコータ塗装装置は、請求項1記載のロールコータ塗装装置において、前記ロールコータから流れ落ちる塗料を受け取って前記塗料供給ラインに復帰させる塗料復帰ラインを設けたものであるので、ロールコータから流れ落ちる塗料は、前記塗料復帰ラインによって塗料供給ラインに戻され、ロールコータを傾斜したことにより塗料が流れ落ちて無駄になることを防止する。
【0026】請求項4記載のロールコータ塗装装置は、請求項1乃至3の何れか1に記載のロールコータ塗装装置において、前記コンベヤがローラコンベヤであるものであるので、塗装ロールの傾斜下方端部を、ローラコンベヤの駆動ローラの間において搬送面より下にした状態で塗装を行えば、被塗物の塗り残しの発生を防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区大淀中1丁目1番88号
【出願日】 平成13年9月12日(2001.9.12)
【代理人】 【識別番号】100080182
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 三彦
【公開番号】 特開2003−80138(P2003−80138A)
【公開日】 平成15年3月18日(2003.3.18)
【出願番号】 特願2001−276141(P2001−276141)