| 【発明の名称】 |
液中洗浄比重分離装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】小西 武史
【氏名】小林 由和
【氏名】臼井 義幸
|
| 【要約】 |
【課題】一つの装置において液中で連続的且つ効率的に軽量紛と重量紛とに洗浄後に高精度で分離していく。
【解決手段】洗浄比重分離装置は、所定比重に維持された液体と、比重差のある2種類の軽量紛LP及び重量紛HPとを含んだスラリーSを供給部49から内筒10の広い上部12aに受けて撹拌用回転羽根33で撹拌して洗浄し、次にスクリュー35で旋回下降流を発生させ、取り囲んでいる分離槽20の底壁21で反転して上昇流として該上昇流と液体に対する相対比重差によって主に内筒下端11から外側において重量紛HPを分離し、軽量紛LPを上昇流によって上縁部側に搬送分離し、分離槽上縁部22を囲み、軽量紛LPを上縁部22を越える液体の溢流と共に受ける上部排出部41で排出し、分離槽周壁23の下部に設けられた下部排出部45から周壁HPを排出する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 比重の異なる2種以上の粉末を含む混合物を液体により洗浄し且つ比重差を利用して重量紛と軽量紛とに分離するための洗浄比重分離装置において、該装置が、有底円筒状の分離槽と、該分離槽内に、開口下端部が分離槽底壁に離間して配置されてた内筒とを含み、上記内筒が、内筒上部の内側に混合物と液体との混合液を供給するための供給部と、混合液を攪拌して洗浄する攪拌羽根と、内筒下部内側に混合液を下降流にするスクリューとを備え、且つ、上記の分離槽が、分離槽上部に分離槽と内筒との間を流れる上昇流に随伴する軽量紛を液体と共に排出する上部排出手段と、分離槽下部に分離槽内の液体中に滞留する軽量紛を排出する下部排出部とを備えたことを特徴とする洗浄比重分離装置。 【請求項2】 内筒が、供給部に近い上部とスクリューを配置した下部との間に縮径部を設け、開口下端部が外側に広がる形状にした請求項1に記載の装置。 【請求項3】 内筒の周壁に、分離槽からの液体を内筒内に流入可能する複数の貫通孔を備えている請求項1または2に記載の装置。 【請求項4】 攪拌羽根が、回転軸回りに回転する回転羽根と、内筒の上部内面にその筒状周壁に固定して、撹拌用回転羽根と協同して混合液を攪拌する固定羽根と、から成る請求項1ないし3いずれかに記載の装置。 【請求項5】 分離槽の底壁が、周縁部より中央部が低位にある逆円錐状をなし、中央部に開閉弁を介して底部排出管が接続されて成る請求項1ないし4いずれかの装置。 【請求項6】 上部排出手段が、上昇流の溢流可能な分離槽上縁部と、上縁部からの溢流を受ける樋と、樋に接続した上部排出配管とから成る請求項1ないし5いずれかに記載の装置。 【請求項7】 内筒の上縁部が、分離槽の上縁部とほぼ同じ高さに配置し、該両方の上縁部よりも下方に位置する下縁を有する仕切り壁が内筒と分離槽との間に装入されて配置されている請求項6に記載の装置。 【請求項8】 内筒が、その上縁部を、分離槽の上縁部より高く設定されている請求項1ないし6何れかに記載の装置。 【請求項9】 液体が水を含み、重量紛が少なくともPET樹脂片を含み、軽量紛が、当該液体より比重の小さい樹脂片を含む請求項1ないし8いずれかに記載の装置。 【請求項10】 液体が水を含み、重量紛としてPET樹脂片を、軽量紛としてPS樹脂から実質的に分離する請求項1ないし8いずれかに記載の装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、所定比重に維持された液体に比重差のある少なくとも2種類の軽量紛及び重量紛を含む樹脂破砕物やフレーク等から軽量紛と重量紛とに分離するための比重分離装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、清涼飲料水の輸送、販売、消費の面で樹脂容器が利用されており、特に、ペットボトルが、多量に使用され、消費後は廃棄されている。使用済みの樹脂容器の廃棄は、種々の問題を含んでいるので、容器の回収・再利用が検討され、実施されている。特に、2000年には包装物リサイクル法が施行されて、再利用の促進が図られている。 【0003】ここに、ペットボトルとは、ポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分とする樹脂から形成された容器、特に、液体用の容器を言うことにするが、市中から使用済みペットボトルとして回収された廃棄物の中には、ペットボトル以外に、他の種類の樹脂製の容器を含み、さらに、ペットボトル自体にも、容器本体がPETであっても、ラベル包装フィルムがポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)であったり、キャップがPP、PS(内部ネジがPET)によって、本体ネックネジ部がPETによって造られているなど、異種の樹脂成分を含んでおり、さらに、金属のキャップや紙ラベルも使用されている。再利用に当たってはこれら異種の樹脂や、金属、紙などを分離する必要がある。 【0004】大量に廃棄される使用済みペットボトルからは、PET樹脂を分離、回収して再生ペットボトルや再生繊維の製造に使用することができることは知られている。 【0005】このような再生用のPET原料を得る従来の方法は、ペットボトルとして回収された廃棄物から、コンベヤ上でペットボトル以外の樹脂ボトルを除去して、さらに、着色ペットボトルを除去して透明ペットボトルのみを収集し、透明ペットボトルをフレーク状に破砕していた。フレークを洗浄槽内で苛性ソーダ等を溶かしたアルカリ水等を用いて、洗浄してボトル内容物、醤油や油分や色々な汚れ付着物を除去し、次に、ハイドロサイクロンや高速遠心分離機によってPET樹脂などの重い樹脂片を軽い樹脂片から分離していた。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】特に、ペットボトルからPET再生繊維を製造するには、例えば、75デニールの細いファイバーが切れることなしに製造できるように再生原料の純度を高める必要がある。そのため使用済みペットボトルからの上記の再生繊維用に高純度再生透明PETフレークを得るには、PET以外の混入率は、例えば、着色ペットボトルフレークを10ppm以下に、異種樹脂のキャップを15ppm以下に、PSラベルを5ppm以下に、PETラベル(着色・印刷)5ppm以下に、紙等の他の材質ラベを2ppm以下に、砂や埃等鉱物質を3ppm以下に、調製するのが好ましいとされる。 【0007】このような高純度で透明なPETボトルフレーク等の混合紛からPET樹脂片のみを比重分離する際には、PPやPEのポリオレフィン系樹脂は比重1より小さくて水による比重分離が簡単であるが、比重が1.04前後のPSと比重が1.34前後のPETとでは静水中に両者が一部オーバラップして滞留ないし沈静する傾向があり、両者を分離するには、沈静と分離とを断続的に繰り返す必要があった。断続作業は作業効率が悪く、またPS樹脂片とPET樹脂片とが混合したオーバラップ層は、PSの混入を回避するために、捨てることになり、PET樹脂片の回収効率が低い問題があった。 【0008】高純度再生透明PETフレーク等の高品質の再生品を得るためには、洗浄を完全に行って汚れ付着物を除去しておく必要があるが、上記の従来装置は、洗浄と比重差分離とを別工程で行うので、それぞれの装置のための設置場所が必要で、そのための移送配管やポンプなどの付属設備が必要であった。 【0009】本発明は、上記課題に鑑みて、比重差のある混合した樹脂破砕物など2種以上の粉末の混合物を単一の装置によって液体による洗浄と比重差分離とを行って全体の構造を省スペースでコンパクトに効率的且つ経済的に改善して、純度の高い再生品用原料の回収を可能にした洗浄比重分離装置を提供するものである。本発明は、混合物の比重差を利用して液体中で効率よく軽量紛と重量紛とに比重分離する洗浄比重分離装置を提供するものである。 【0010】本発明は、さらに、液体の比重に近似しないしわずかに大きくて静止液体中に浮遊する傾向がある各種の比重が近似した軽量紛と重量紛の粉末などの破片を含む混合物から、効率よく軽量紛と重量紛とに比重分離する装置を提供するものである。本発明は、特に、回収されたペットボトル廃棄物の破砕物からPS片とPET片とを効率的に分離してPET片の回収率と純度とを高めるのに適した比重分離装置を提供するものである。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明の分離装置は、比重の異なる2種以上の粉末を含む混合物を液体により比重差を利用して重量紛と軽量紛とに分離する液中洗浄比重分離装置であるが、装置は、該比重分装置が、有底円筒状の分離槽と、該分離槽内に開口下端部が分離槽底壁と離間して配置されて内筒とを含んでおり、上記内筒には、内筒上部の内側に上記の混合物と液体とを供給するための供給部と、混合物と液体の混合液を攪拌して洗浄する攪拌用回転羽根と、内筒下部内側に混合液を下降流にして下端開口部から放出するスクリューと、を備え、他方の分離槽には、分離槽上部に設けて分離槽と内筒との間を流れる上昇流に随伴される軽量紛を液体と共に排出する上部排出手段と、分離槽下部に設けて分離槽内の液体中に滞留する重量紛を排出する下部排出部と、を備えて構成されている。 【0012】本発明は、分離槽内壁と内筒周壁との間に適当な間隙を設て、内筒の開口下端部から供給された混合液中の液体が上昇する領域を作り、上昇流に随伴する軽量紛を分離槽上部に設けた上部排出部から上昇流と共に排出する。他方の重量紛は、下部に滞留する液体中に滞留ないし沈降して、下部排出部から液体と共に排出し、これによって、混合物中の粉末を重量紛と軽量紛とに、効果的に且つ精度よく分離される。 【0013】内筒の上部には、混合物を含む混合液が、供給され、混合液中の混合物からの重量紛片と軽量紛片を、液体中で解きほぐして、液体中に個々の片に分離して分散させて、下降流を作り、内筒の開口下端部から底壁に放出するものである。放出された混合液の流れは、底壁で反転されて、内筒外壁と分離槽内壁との間の領域を上昇する上昇流となる。この領域では、上述のように、分離槽の下部側で液体中に滞留ないし沈積しようとする重量紛片と、上部側では液体の上昇流に随伴して上昇する軽量紛片に分離される。 【0014】内筒の上部には、混合液を混合攪拌するための攪拌羽根が配置されており、攪拌羽根は、上方の供給部から供給される混合液を攪拌し、重量紛片と軽量紛片とを液体中で解きほぐし、同時に、液体中に分散した片を洗浄する。攪拌羽根は、攪拌用回転羽根を含み、内筒内の軸方向に配置した回転軸に固定されて、垂直軸回りに回転する。回転羽根は、回転軸から放射する数本の細長の棒又は数枚の細長の捩れ板が利用できる。また、捩れ板の回転羽根を、相互に間隔を設けて、上下2段以上にして配置してもよい。 【0015】さらに、攪拌羽根は、固定羽根を含むことができ、固定羽根は、内筒の上部内面にその筒状周壁に固定して、撹拌用回転羽根と協同して混合液を攪拌することができる。固定羽根は、例えば、内筒内壁から突出した突起棒であってもよく、これにより、回転羽根により回転流が生じるのを妨げて、回転羽根と固定羽根により、混合液の攪拌、混合紛の各樹脂片など軽量紛、重量紛の破片・粒子の分散及び洗浄を一層強化できる。 【0016】スクリューは、内筒内の下部に、特に、攪拌用回転羽根の下方に、配置されて、垂直な回転軸回りに回転して、供給部からの混合液を吸引して攪拌用回転羽根を通過させ、さらに、スクリューの下側に押出して混合液の下降流を生じさせるものである。スクリューの回転軸は、分離槽上部に固定したモータにより駆動される。スクリューの回転軸は、回転羽根の回転軸と共用してもよい。 【0017】内筒は、好ましくは、縮径部を設け、開口下端部が外側に広がる形状にされる。縮径部は、回転羽根を設けた上部とスクリューを配置した下部に対して、中間部位に配置するのが好ましい。 【0018】これにより、分離されるべき粉末を含む混合物の撹拌と洗浄は、縮径部の上方の内筒上部の広い空間の上部で行われ、混合液の旋回下降流は、内筒の中間部から下部にかけての縮径部の狭い部分においてスクリューによって形成され、旋回下降流は、分離槽の下部に放出するようにされる【0019】縮径部上方の内筒の広い上部空間では混合液の滞留時間が長く成るので攪拌羽根による洗浄が十分行われ、内筒の中間部から下部にかけての縮径部の狭い部分においてスクリューによって比較的強い旋回下降流が発生されて分離槽の下部に放出される。分離槽の下部に放出された比較的強い旋回下降流も、広くなった開口か端部では流れが広がり流速いが低下するので、混合物中の重量紛を置き去りにして分離し、底壁で反転して緩やかな上昇流となって軽量紛を随伴させ分離する。 【0020】この装置においては、内筒と分離槽とは、水平断面を各々円形とし、ほぼ同心状に配置されているのが好ましい。この配置は、特に、内筒と分離槽との周壁間の上昇流の領域を、軸対称として、上昇流の速度分布を回転対称に均一化できる利点がある。 【0021】分離槽の底壁は、周縁部より中央部が低位にある逆円錐状をなして、傾斜しているのが好ましい。分離槽と内筒とを断面円形の同心状の配置にするときには、底壁中央部は、内筒の開口端部直下になり、底壁を中央部に向けて下方に傾斜させることにより、内筒で形成されて開口端部から放出された下降流が、傾斜した底壁により反転されて、一様な上昇流にすることができ、重量紛と軽量紛の分離効率を高めることができる。 【0022】さらに、分離槽の底壁を逆円錐状に傾斜させて、中央部を低くすることは、比重のさらに大きい鉱物質の異材の沈積に利用する中央沈積部にするのに好適であり、この中央部には、配管が接続され、開閉弁を介して底部排出管が接続されている。そこで、撹拌用回転羽根やスクリューにより内筒内で混合物から洗い落された汚れの土砂粒子や粉塵などの微粒子、さらに、金属片の重い異物は、分離槽底壁の中央沈積部に蓄積し、適宜開閉弁を開いて、底部排出管から排出することができる。 【0023】上記の上部排出手段は、分離槽上部に周壁に連通して接続されて排出配管、即ち上部排出管、が利用できるが好ましくは、分離槽上縁部を溢流可能にして、上縁部からの溢流を受ける樋と、樋に接続した上部排出配管とから成るものが採用できる。 【0024】分離槽上縁部の全周ないしはその一部から溢流させることにより、分離槽内の上昇流の速度分布を円周方向にほぼ一様にでき、分離精度を高めることができる。即ち、上昇流の流域内に、他の部分より速度の大きい部分が生じると、この上昇流には、軽量紛と共に重量紛も随伴する可能性があるが、上縁部部での溢流を利用して、領域内の速度分布を均一化することにより、軽量紛の分離精度が高められる。 【0025】このようにして、分離槽の周壁上部の上部排出部からは、混合物中に含まれていた軽量紛が排出され、分離槽の周壁の下部から中間部にかけた部分に設けられた下部排出部からは、重量紛が排出されて、両者は分離される。重量紛も軽量紛も、通常の手段で、それぞれ個別に脱水される。 【0026】本発明の洗浄比重分離装置は、回収された使用済みペットボトルからPET樹脂片の回収に適しており、破砕機によって破砕されたペットボトルの混合物中に含まれるPSやPETの樹脂片は、液体に水を使用することにより、水の比重に同等ないしより大きい重量紛として、重い樹脂片に回収され、水の比重より小さい軽いPPやPE等のオレフィン系の軽い樹脂片は、軽量紛として極めて容易に分離することができる。 【0027】さらに、重い樹脂片として回収されたPS片とPET片とは、さらに、混合分としてこの装置により洗浄比重分離処理をすれば、重量紛として水より大きい比重のPET片から、軽量紛として水の比重に同等なPS片を分離することができる。 【0028】このようにして、ペットボトル廃棄物から、従来は、効率的な分離が困難であったPS片とPET片の分離も連続的且つ効果的に行うことができる。さらに、、樹脂片の洗浄と分離を単一装置によって実施するので、洗浄装置が省略できて設備全体の小型化ができ、従来の洗浄装置と分離装置とに必要であった配管や移送ポンプを等の付帯設備を省くことができる。 【0029】内筒は、その上縁部を分離槽の上縁部と同じ高さに設定し、これら両方の上縁部よりも下方に位置する下縁を有した仕切り壁が内筒と分離槽との間において上方から差し込む構成にすることができる。上昇流に随伴した軽量紛とともにわずかに重量紛が比較的混入し易い内寄り側の上昇流を仕切り壁によって仕切って、外寄りの上部排出部側とは遮断するので、内寄り側の上昇流を内筒上縁部から内筒内に溢流させ、上部排出部側のものへの混合を防止することができ、軽量紛の分離精度を高めることができる。 【0030】内筒は、その上縁部を分離槽の上縁部よりも高く設定することみできる。重量紛が上昇流によって搬送される軽量紛と混合して上昇することがない場合に仕切り壁を省いた簡単な構造とすることができる。撹拌用回転羽根及びスクリューは、分離槽上に設置された可変速モータによって回転駆動される構成とすることができ、使用する液体の比重に対して適当な旋回下降流をスクリューを変えることなしに簡単に可変速モータの回転数を変えることで設定できるようになる。 【0031】 【実施例】次に、本発明に係る液中洗浄比重分離装置を、使用済みペットボトル廃棄物の破砕物からPET片を分離する実施例によって添付図を参照して以下に詳細に説明する。 【0032】この実施例の液中洗浄比重分離装置1は、水中で撹拌した後で上部と下部の分離層が比較的はっきりと離れ出現する程比重差が大きい、例えばオレフィン系のPPやPE(比重が約0.93〜0.95)等の軽量紛とPSやPET(比重が約1.04〜1.34)等の重量紛との分離に使用するものである。洗浄分離に先立って、市中から回収された使用済みペットボトル廃棄物は、破砕・粉砕されて混合物にされる。 【0033】ペットボトル廃棄物は、先ず、石や木、金属片、カラーボトル等の異物を除去して後に、粗砕機へ投入されて、約50mm前後の粗い破片に粗砕される。次に、風力選別機などの選別機によって粗砕片からラベル片が分離され、金属選別機、例えば、ドラム磁選機とアルミニウムセパレータに供給され、それぞれキャップ等の鉄片とアルミニウム片とが分離される。その後に、粗砕片は、輸送ファンによって一旦サイクロンに集められて、粉砕機に供給されて約10mm以下の細かく粉砕される、粉砕片中には、オレフィン系のPPやPEの破片とPSやPETの破片とを含んでいる。 【0034】粉砕片は、定量供給フィーダに供給され、ロータリシールバルブを介して混合槽(不図示)に定量供給され、一定量の液体と混合して適当な流動性の混合液(以下、スラリーという)Sに調製する。この実施例では、液体として、洗浄液を兼ねて、アルカリ水溶液が利用される。この水溶液は、調製タンクで、清水と苛性ソーダと回収液体とを混合するが、苛性ソーダを所定の濃度に、例えば、1.5〜5.0重量%に、調整し(通常は、水溶液のpH測定してpHを制御する)、混合槽に注入して、紛細片と混合される。このように調整されたスラリーが、洗浄比重分離装置に供給される。 【0035】洗浄比重分離装置1は、図1に示すように、分離槽20が、円筒状周壁23を含み、周壁上縁部が開放され、周壁下部に底壁21を備え、この分離槽20の内部に挿入固定された開口下端部を有する内筒10と、から成っている。 【0036】内筒は、内筒上部の内側に混合物と液体の混合液、ここでは、スラリー、を供給するための供給部49と、内筒内で回転駆動されてスラリーを攪拌し洗浄する攪拌用回転羽根33と、内筒下部内側に混合液を下降流にする上下一対のスクリュー35とを備えている。 【0037】分離槽20は、底壁21により液体受容できる円筒周壁を有する容器であり、円筒周壁の内側に内筒10を含み、分離槽20上方のカバー40から懸垂固定され、内筒10の開口下端部11が、底壁21との間に、下降流が流通可能にする間隔を設けて、配置されている。 【0038】分離槽20上部には、上部排出部41が設けられるが、この例は、分離槽20の上縁部22は、上方に開口して水平に保持し、上昇流の溢流可能にし、分離槽の上縁部22の外側周囲に樋42を形成して溢流を受容搬送し、樋42の底部に、上部排出管411を配管して、構成されている。樋42の外周が上記カバー40と接続されている。他方の分離槽20下部には、底壁21より上部の周壁に下部排出管451を接続して、下部排出部45としている。 【0039】内筒10には、スラリーを供給するための供給部49として、カバー40に貫通する配管により形成され、供給部49から内筒内に混合液としてスラリーが供給される。 【0040】内筒10は、この例では、上部12aを大径の直管状とし、中間部12bに縮径部19を設けて下部から開口端部11が曲率を設けて外側に広がったベンチュリー管状にされている。 【0041】内筒10の攪拌羽根は、この例では、内筒上部12aの大径にした直管部に配置されており、攪拌羽根は、内筒内に配置した垂直な回転軸31に取着された上下2段の回転羽根33を含む。この回転羽根33は、回転軸31から水平で放射状に突出する棒から構成されている。さらに、攪拌羽根は、これらの回転羽根33に接近して内筒の周壁内面から回転軸に向けて突出する上下2段の固定羽根331、この例では、突出片331を含んでいる。回転羽根33の回転により、スラリーを攪拌して、各樹脂片を液中に分散させて、同時に洗浄する。回転軸31は、カバー40の上面中央部に設置された可変速モータ30によって回転駆動される。 【0042】内筒10の周壁には、攪拌羽根に対応する位置に、多数の貫通孔15を開口して、分離槽20と内筒10の外周との間での上昇流の一部を、攪拌部に吸引するようにされ、これにより、混合液、即ち、スラリーを希釈すると共に、内筒の外周近くの液体中に混合される重量樹脂片HPを回収して、再度の分離を行うことができる。 【0043】さらに、内筒内で、回転羽根より下位の位置で、上記の回転軸31に、スクリュー35、35が縮径部19の上方位置と、下方位置とに分けられて、それぞれ1段に配置されている。 【0044】この内筒の構造においては、スラリーSは、内筒の広い上部12aの空間で、滞留時間を長く確保して、攪拌羽根による攪拌と洗浄とを十分行うようにされ、中間部12bから下端部12cにかけての狭い部分において上下のスクリュー35、35によって比較的強い旋回下降流が発生されて、外側に曲率を取って広がっている下端部12cに案内されて、開口下端部11から分離槽20の底壁21に向けて放出される。 【0045】このように内筒には、縮径部19を設けたので、分離槽20の下部に比較的強く放出されたスラリーSは、広くなった分膨張して勢いが低下して重い樹脂片HPを滞留させながら、底壁21で反転して下部から分離領域29にかけて緩やかな上昇流となる。そこで、該上昇流と液体に対する相対比重差とによって実線で示すように主に下部から外側中間部に滞留する重い樹脂片HPと上昇流によって破線で示すように搬送される軽い樹脂片LPとを分離する。 【0046】上昇流は、上縁部22に至って、樋に溢れ出て、軽い樹脂LPを伴って、上部排出管411から排出する。他方の重い樹脂HPは、分離槽20の下部に設けた下部排出管451から排出される。 【0047】分離槽20の底壁21は、周縁部より中央部が低い位置にした逆円錐状に形成されており、上記の如く、内筒内のスクリュー35によって下降流は、軽い樹脂片LPを随伴しながら、破線で示すように比較的勢いよく底壁21に当たって内筒外側において内寄りに反射されて下部排出部45から離れるように搬送される。上昇流は、再度内筒周壁23の中間部外側で外寄りに案内されて集中的に上部排出部41へ向かうことになり、軽い樹脂片LPの分離精度が高められる。 【0048】底壁21が水平な平坦である場合には、軽い樹脂片LPは、周壁23の下端部に当たって内寄りに反射されてほぼ同じく下部排出部45から離れ、ほぼと同じ経路に沿って搬送される。 【0049】下部排出部45は、この例では、周壁回りの略同じレベルで、複数の下部排出管451を配置して、重量紛を含む液体の捕集を容易にしている。この下部排出管451の数は、装置のスラリーSの供給量や分離能力に応じて適宜増減されるが、その開口部の上部に重い樹脂片HPのリング状ないし内鍔状の捕獲板46を備えて、重量紛を含む液体の捕集を容易にすることができる。 【0050】比重差の大きな樹脂片LP、HPの分離を行うこの実施例では、上部排出部41と下部排出部45との間隔を大きくして重い樹脂片HPの沈静化距離を十分取ると内筒周壁12aの貫通孔15を省くことができる。 【0051】分離槽20には、底壁21に下底排出手段50を設けている。この例は、分離層の底壁21は、上述のように逆円錐状にされており、底壁の中央部に下底排出手段50として土砂や金属等の非常に比重の大きな物の沈積部51を形成して、下底排出手段50は、該底壁中央部に接続した開閉弁52を備えた下底排出管51(ドレインパイプ)から構成している。 【0052】[実施例2]この実施例の洗浄比重分離装置1は、水中での撹拌後に静止液中で上部と下部の分離層の間にオーバラップ層を成す程比重が近似した、例えばPS(比重が約1.04)とPET(比重が約1.34)の分離に有効なものである。これらPSとPETの破片は、実施例1の液中比重分離装置1によって重い樹脂片HPとして分離されたものである。 【0053】この実施例2においては、実施例1の洗浄比重分離装置を改良したもので、内筒12の上縁部16も上方に開口するようにし、内筒上縁部16が分離槽20の上縁部22とほぼ同じ高さになるように配置して、内筒10の外周を上昇する上昇流の一部を内筒10の上部に混入可能にしてある。そして、内筒の上部と分離槽20の上部との間を仕切り壁38により遮蔽している。 【0054】仕切り壁38は、分離槽20の上縁部と内筒12の上縁部の間に両方の上縁部22、16よりも下方に位置する下縁39を上方から差し込まれている。仕切り壁38は、上記のカバー40の下面に固定して下方に延設し、分離槽20の周壁23からブラケットBによって支持されている。 【0055】仕切り壁38は、その差込み部の外側にほぼ軽量紛のPS片だけを含む上昇流を、その内側に軽量紛のPS片と共に随伴して重量紛のPET片を含む上昇流から仕切って、ほぼ高純度の軽量紛のPS片は分離槽の上部排出部41から分離するが、PS片を混合したPET片は、内筒の上縁部16を溢流して内筒12の内側に再度取り込んで分離精度を高めるようにしている。仕切り壁38の差込み部の差込み深さを調節することでも分離精度が加減される。 【0056】両実施例では、スラリーSの供給部49を内筒10、15の内側に望ませて配置しているが、内筒10に貫通孔15が設けられているので分離槽20の周壁23に上昇流と干渉しないように貫通孔15に供給部開口を接続配置することができる。また両実施例では、液体を苛性ソーダ水溶液としているが、他にカゼインやゼラチン、ポリビニルアルコール等の各種水溶性の高分子を水に加えて比重調節することで他の物品の分離も行うことができる。 【0057】 【発明の効果】本発明の液中洗浄比重分離装置は、所定比重に維持された液体に軽量紛と重量紛とが混合した混合液は内筒内に供給部から連続的に供給され、その上部において回転駆動される撹拌用回転羽根を設けたので、混合物の各片が撹拌で解きほぐされ且つ、液体で洗われ、汚れが落とされので、分離と同時に洗浄を自動的に実施することができ、洗浄装置が省略できる。 【0058】内筒内には、スクリューを設けて、混合液の旋回下降流として分離槽の底壁に向かって混合物が良く解されながら推進され、分離槽底壁に当たって反転されて内筒下縁から外側において緩やかな上昇流れを発生するようにしたので、軽量紛は上昇流がなければ沈む程に液体の比重よりも若干重くても、相対的に軽いために液体に対する比重差と上昇流の影響を受けて比較的勢いよく内筒外側において上昇流に乗って上昇して行くのに対して、重量紛は相対的に重いために上昇流によって搬送されずに分離槽の底壁から周壁中間部にかけて滞留するために内筒の外側でかなりはっきりした上部の軽量紛領域と下部の重量紛領域とに分離することができる。これにより、昇流の上縁部を越える液体の溢流と共に軽量紛を受ける上部排出部と分離槽の周壁の下部から中間部にかけた部分に設けられた下部排出部とから各々軽量紛と重量紛とを分離した状態で液体と共に取り出すことができる。 【0059】本発明の装置は、破砕機によって破砕されたペットボトル破片に混合している水の比重より重いPSやPET等の重い樹脂片と水の比重より軽いPPやPE等のオレフィン系の軽い樹脂片との分離は極めて容易に、また両者共に水の比重より重く比重の近似したPS片とPET片の分離も連続的且つ効果的に行うことができる。 【0060】内筒は、供給部に近い上部空間が広く、中間部で狭く絞られていて、下端部が外側に曲率を取って広がっている構成とすると、混合液が内筒の広い上部空間で滞留時間が長くなった分だけ混合物の洗浄が十分行われ、内筒の中間部から下部にかけての狭い部分においてスクリューによって比較的強い旋回下降流が発生されて、外側に曲率を取って広がっている下端部に案内されて分離槽の下部に放出される。 【0061】内筒は、上部空間において筒状周壁に複数の孔を有している構成とすると、スクリューによる内筒内の旋回下降流によって内筒外側下部で分離して滞留している重量紛を再度内筒内に取り込むのが防止されると共に、上昇する軽量紛によって連れ上がりした重量紛を孔を通して再度内筒内に取り込むことで分離作業性が改善されて分離精度を高めることができるようになる。 【0062】内筒は、その筒状周壁の上部内面に撹拌用回転羽根と干渉しないように複数の固定羽根を突出部を設ければ、撹拌用回転羽根の撹拌作用を一層高めることができね、各片の洗浄を容易にすることができる。 【0063】混合物は、供給部から液体と共に混合液として内筒内に供給すれば事前に混合物と液体とが流動性の高い混合液として混合されて供給部から内筒内に供給されることですぐに撹拌用回転羽根による撹拌とスクリューによる旋回下降流の発生とが行われて作業性がよい。 【0064】分離槽の底壁が中央部が下がった逆円錐状に形成すれば、逆円錐状の分離槽底壁によって内筒内の旋回下降流をスムースに緩やかな上昇流に変換することができる分離効率を高めることができる。さらに、中央部に、開閉弁を備えたパイプを接続することにより、撹拌用回転羽根による撹拌によって混合物から洗い落された汚れの土砂や金属片等の重い異物を分離槽底壁のパイプ製の中央沈積部に蓄積させることができ、適時開閉弁を開いて排出することができる。 【0065】内筒は、その上縁部を分離槽の上縁部と同じ高さに設定し、これら両方の上縁部よりも下方に位置する下縁を有した仕切り壁が内筒と分離槽との間において上方から差し込まれている構成とすると、上昇流によって搬送された軽量紛の内で重量紛が比較的混入し易い内寄りのものを仕切り壁によって外寄りの上部排出部側のものと仕切って内筒上縁部から内筒内に戻すと共に上部排出部側のものへの混合を防止することができ、軽量紛の分離精度を高めることができる。 【0066】内筒は、その上縁部を分離槽の上縁部よりも高く設定された構成とると、重量紛が上昇流によって搬送される軽量紛と混合して上昇することがない場合に仕切り壁を省いた簡単な構造とすることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】591119624 【氏名又は名称】株式会社御池鐵工所 【識別番号】501466226 【氏名又は名称】オール・ウェイスト・リサイクル株式会社
|
| 【出願日】 |
平成13年12月3日(2001.12.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062144 【弁理士】 【氏名又は名称】青山 葆 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2003−164774(P2003−164774A) |
| 【公開日】 |
平成15年6月10日(2003.6.10) |
| 【出願番号】 |
特願2001−368404(P2001−368404) |
|