トップ :: B 処理操作 運輸 :: B02 破砕,または粉砕;製粉のための穀粒の前処理




【発明の名称】 竪形ミル
【発明者】 【氏名】三代 秀久
【住所又は居所】千葉県八千代市上高野1780番地 川崎重工業株式会社八千代工場内

【氏名】廣澤 賢一
【住所又は居所】千葉県八千代市上高野1780番地 川崎重工業株式会社八千代工場内

【氏名】武本 剛
【住所又は居所】千葉県八千代市上高野1780番地 川崎重工業株式会社八千代工場内

【要約】 【課題】ローラ間における原料のスルーパス及び粗粒排出をほぼ完全に防止して破砕・粉砕効率を大幅に高め得る竪型ローラミルの提供。

【解決手段】ほぼ円筒状のケーシング1内の下部に、外周がケーシングの内周と間隙を存して配設された回転テーブル5と、回転テーブルの上面外周部に近接して配設された回転自在な複数のローラ9とを有する竪型ローラミルにおいて、前記ケーシングに基部が取り付けられ、先端部が回転テーブルの上面外周部まで延在すると共に回転テーブルの回転方向A前側となるように半径方向と交差する垂直な板状を呈し、水平な下縁が回転テーブルの上面と所要間隙を存して隣り合うローラ間に配置された戻し板13を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ほぼ円筒状のケーシング内の下部に、外周がケーシングの内周と間隙を存して配設された回転テーブルと、回転テーブルの上面外周部に近接して配設された回転自在な複数のローラとを有する竪形ミルにおいて、前記ケーシングに基部が取り付けられ、先端部が回転テーブルの上面外周部まで延在すると共に回転テーブルの回転方向前側となるように半径方向と交差する垂直な板状を呈し、水平な下縁が回転テーブルの上面と所要間隙を存して隣り合うローラ間に配置された戻し板を備えることを特徴とする竪形ミル。
【請求項2】 前記ケーシングに取り付けられ、回転テーブルの上面外周縁に沿う曲板状を呈し、回転テーブルの回転方向前側の端部が前記戻し板と当接され、かつ、水平な下縁が回転テーブルの上面と所要間隙を存して各ローラの外側方に配置された第2戻し板を備えることを特徴とする請求項1記載の竪形ミル。
【請求項3】 前記回転テーブルが、上面外周縁に設けたダムリングを有することを特徴とする請求項1又は2記載の竪形ミル。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、岩石や石炭等を破砕、粉砕する竪形ミルに関し、特に、ローラ間のスルーパス及び粗粒排出を防止して破砕・粉砕効率を高めるようにした竪形ミルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の竪形ミルとしては、特開平5−23605号公報記載の竪型粉砕機が知られている。この竪型粉砕機は、回転テーブル外周部上面に複数個の回転自在な粉砕ローラを配置し、粉砕機の頂部中央から竪型粉砕機の軸芯線を上下に垂下して設けた原料投入シュートから供給した原料を、粉砕ローラに所定の粉砕圧力を与えて回転テーブル上面と粉砕ローラ周面との間で粉砕する竪型粉砕機において、該回転テーブル外周で、かつ、該粉砕ローラの回転方向下流側に、該回転テーブル外周に沿う曲面板を垂設したガイドプレートを竪型粉砕機のケーシング内面に突設するとともに、該回転テーブルと該ケーシングとで形成される環状空間を落下した原料の排出シュートを回転テーブル外周下部に設けたものであり、粉砕ローラ間の回転テーブル上をすり抜けて落下しようとする原料のうち、大径のものは、ガイドプレートの側面板に当って跳ね返り、回転テーブルへ戻されると共に、次位の粉砕ローラに噛み込まれるというものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方式は、テーブル外周に沿って曲面板を間欠的に設置しただけであるため、ガイドプレートをすり抜けて排出される粗粒子や、ガイドプレートで跳ね返ったものの、次位ローラに噛み込まれずに排出される粗粒子が大部分であり、結局、粉砕効率の僅かな向上がみられるだけである。
【0004】そこで、本発明は、ローラ間における原料のスルーパスをほぼ完全に防止すると共に、粗粒排出をほぼ完全に防止して破砕・粉砕効率を大幅に高め得るようにした竪形ミルを提供することを主目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため、本発明の第1の竪形ミルは、ほぼ円筒状のケーシング内の下部に、外周がケーシングの内周と間隙を存して配設された回転テーブルと、回転テーブルの上面外周部に近接して配設された回転自在な複数のローラとを有する竪形ミルにおいて、前記ケーシングに基部が取り付けられ、先端部が回転テーブルの上面外周部まで延在すると共に回転テーブルの回転方向前側となるように半径方向と交差する垂直な板状を呈し、水平な下縁が回転テーブルの上面と所要間隙を存して隣り合うローラ間に配置された戻し板を備えることを特徴とする。
【0006】又、第2の竪形ミルは、第1のものにおいて、前記ケーシングに取り付けられ、回転テーブルの上面外周縁に沿う曲板状を呈し、回転テーブルの回転方向前側の端部が前記戻し板と当接され、かつ、水平な下縁が回転テーブルの上面と所要間隙を存して各ローラの外側方に配置された第2戻し板を備えることを特徴とする。
【0007】一方、前記回転テーブルが、上面外周縁に設けたダムリングを有することが好ましい。
【0008】
【作用】上記本発明の第1の竪形ミルにおいては、ローラに噛み込まれて破砕・粉砕された後に戻し板に到達したもの及びローラ間をスルーパスして戻し板に到達したもののうち、戻し板の下縁と回転テーブルの上面との間隙(製品の粒度の上限に相当)より大きなものは、一部分が戻し板に当接して回転テーブルの上面外周部に跳ね返り、又、大部分が戻し板に当接した後、回転テーブルの回転に伴って戻し板に摺接しながら強制的に回転テーブルの上面外周部に戻され、次位のローラに噛み込まれる。
【0009】又、第2の竪形ミルにおいては、第1のものによる作用の他、ローラに噛み込まれて破砕・粉砕された後に第2戻し板に到達したもののうち、第2戻し板の下縁と回転テーブルの上面との間の間隙(製品の粒度の上限に相当)より大きなものは、一部分が第2戻し板に当接して回転テーブルの上面外周部に跳ね返る一方、大部分が第2戻し板に当接した後、回転テーブルの回転に伴って第2戻し板及びこれに連なる戻し板に摺接しながら強制的に回転テーブルの上面外周部に戻され、次位のローラに噛み込まれる。
【0010】一方、回転テーブルが、上面外周縁に設けたダムリングを有していることにより、原料層圧が調整される。このダムリングを有する場合、戻し板の下縁は、ダムリングの上面と内周面及び回転テーブルの上面に対して所要間隙を存する段付きとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1、図2は本発明は係る竪形ミルの実施の形態の一例を示す縦断面図、図1におけるII−II線矢視拡大断面図である。図中1はベース2に立設され、天板1aの中心部に原料を供給する供給管3を垂直に貫設したほぼ円筒状のケーシングである。ケーシング1内におけるベース2上には、図示しない回転駆動装置と連動連結される平面視矩形状の減速機4が配設されており、この減速機4の垂直な出力軸(図示せず)には、外周がケーシング1の筒壁1bの内周面と所要の間隙を存する回転テーブル5が連結されている。回転テーブル5は、テーブル本体5aと、その上面外周部に嵌着され、後述するタイヤ形のローラが原料を介在して転動可能な凹曲面を有するリング状のライナ5bとからなり、その上面外周縁には、原料層圧を調整するダムリング6が設けられている。又、回転テーブル5の上面外周部には、ケーシング1の筒壁1bに水平な支持軸7を介して基部を軸支されたアーム8の先端部に取り付けた回転自在の複数のタイヤ形のローラ9が近接して配置されており、これらのローラ9は、油圧シリンダ等の圧加手段10を介して下方へ加圧されていると共に、間隙調整ボルト11を介して転動軌跡となるライナ5bの凹曲面との間隙を調整可能に設けられている。
【0012】隣り合うローラ9間には、ブラケット12を介してケーシング1の筒壁1bの内周に基部が上下方向、及び回転テーブル5の周方向と径方向へ移動調整可能に取り付けられ、先端部が回転テーブル5の上面外周部まで延在すると共に回転テーブル5の回転方向A前側となるように半径方向と交差する垂直な板状を呈し、水平な下縁がダムリング6の上面と内周面及び回転テーブル5の上面に対して所要間隙(製品の粒度の上限に相当)を存する段付きとなる複数の戻し板13が、周方向へ所要間隙を存して配置されている。これらの戻し板13は、ローラ9間をスルーパスした原料及びローラ9、回転テーブル5間で粉砕された原料のうち、戻し板13の下縁と回転テーブル5の上面(ダムリングの上面及び内周面を含む)との間隙より大きなもののの一部分を回転テーブル5の上面外周部に跳ね返す一方、大部分をその内側面(回転テーブルの回転方向後側の側面)に摺接させながら回転テーブル5の回転に伴わせて強制的に回転テーブル5の上面外周部に戻すためのものである。一方、各ローラ9の外側方には、ブラケット14を介してケーシング1の筒壁1bの内周に上下方向、及び回転テーブル5の周方向へ移動調整可能に取り付けられ、回転テーブル5のダムリング6の上面に沿う曲板状を呈し、回転テーブル5の回転方向A前側の端部が前記戻し板13の一方の内側面と当接され、かつ、水平な下縁がダムリング6の上面と所要間隙(製品の粒度の上限に相当)を存する第2戻し板15が配置されている。これらの第2戻し板15は、ローラ9に噛み込まれたもののうち、第2戻し板15の下縁とダムリング6の上面との間隙より大きなものの一部分を回転テーブル5の上面外周部へ跳ね返す一方、大部分をその内側面(回転テーブルの中心側の側面)及び戻し板13の一方の内側面に摺接させながら回転テーブル5の回転に伴わせて強制的に回転テーブル5の上面外周部に戻すためのものである。
【0013】前記回転テーブル5の外周下部とケーシング1の筒壁1bの内周との間には、ダムリング6を乗り越えて落下した破砕・粉砕産物を収容する断面ほぼ方形の環状室16が形成されている。環状室16の底壁には、破砕・粉砕産物を排出口17が設けられており、この排出口17には、破砕・粉砕産物を機外へ排出する排出シュート18が連設されている。一方、環状室16には、破砕・粉砕産物を掻き出すべく、回転テーブル5に取り付けたスクレーパ19が、回転テーブル5の回転に伴って移動可能に設けられている。
【0014】上記構成の竪形ミルを用いて、原料を破砕・粉砕する場合、回転テーブル5を所要の速度で回転しながら、供給管3から原料を回転テーブル5の中央部に供給する。回転テーブル5の中央部に供給された原料は、回転テーブル5の回転によって生じる遠心力により回転テーブル5上を渦巻状の軌跡を描いて外周に向って移動し、ローラ9と回転テーブル5の凹曲面との間で、ダムリング6による層圧の調整を受けながら破砕・粉砕された後戻し板13に到達したもの及びローラ9間をスルーパスして戻し板13に到達したもののうち、戻し板13の下縁と回転テーブル5の上面、ダムリング6の上面及び内側面との間の間隙より小さなものは、その間隙を通過して回転テーブル5の外周に至り、ダムリング6を乗り越えて重力落下して環状室16に収容された後、スクレーパ19により掻き出され、排出口17から排出シュート18を経て機外へ排出される一方、その間隙より大きなものは、一部分が戻し板13に当接して回転テーブル5の上面外周部に跳ね返り、又、大部分が戻し板13に当接した後、回転テーブル5の回転に伴って戻し板13に摺接しながら強制的に回転テーブル5の上面外周部に戻され、次位のローラ9に噛み込まれる。又、ローラ9に噛み込まれて破砕・粉砕された後、第2戻し板15に到達したもののうち、第2戻し板15の下縁とダムリング6の上面との間の間隙より小さなものは、その間隙を通過してダムリング6の外周から重力落下して環状室16に収容された後、スクレーパ19により掻き出され、排出口17から排出シュート18を経て機外へ排出される一方、その間隙より大きなものは、一部分が第2戻し板に当接して回転テーブル5の上面外周部に跳ね返る一方、大部分が第2戻し板15に当接した後、回転テーブル5の回転に伴って第2戻し板15及びこれに連なる戻し板13の一方に摺接しながら強制的に回転テーブル5の上面外周部に戻され、次位のローラ9に噛み込まれる。
【0015】なお、上述した実施の形態においては、破砕・粉砕産物を回転テーブル5の外周から重力落下させ、回転テーブル5の外周上部とケーシング1の筒壁1bの内周との間の間隙、環状室16、排出口17及び排出シュート18を経て機外に排出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、回転テーブル5の外周から重力落下する破砕・粉砕産物を、図示は省略するが、回転テーブル5の外周上部とケーシング1の筒壁1bの内周との間に介装したリング状のガスノズルから上方へ噴出する搬送気体により搬送し、ケーシング1の天板1aの中央部に設けた排出口から機外へ排出するようにしてもよい。又、ローラ9は、タイヤ形とする場合に限らず、截頭円錐体状とし、かつ、回転テーブル5の上面を平面とするようにしてもよい。更に、戻し板13は、ローラ9間に2個配置する場合に限らず、1個としてもよい。更に又、回転テーブル5の上面外周縁にダムリング6を設ける場合に限らずダムリング6を設けなくてもよい。この場合、戻し板13の下縁は、回転テーブル5の上面と平行な直線状となる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1の竪形ミルによれば、ローラに噛み込まれて破砕・粉砕された後に戻し板に到達したもの及びローラ間をスルーパスして戻し板に到達したもののうち、戻し板の下縁と回転テーブルの上面との間の間隙より大きなものは、一部分が戻し板に当接して回転テーブルの上面外周部に跳ね返り、又、大部分が戻し板に当接した後、回転テーブルの回転に伴って戻し板に摺接しながら強制的に回転テーブルの上面外周部に戻され、次位のローラに噛み込まれるので、ローラ間における原料のスルーパス及び粗粒排出をほぼ完全に防止して破砕・粉砕効率を大幅に高めることができる。
【0017】又、第2の竪形ミルによれば、第1のものによる作用効果の他、ローラに噛み込まれて破砕・粉砕された後に第2戻し板に到達したもののうち、第2戻し板の下縁と回転テーブルの上面との間の間隙より大きなものは、一部分が第2戻し板に当接して回転テーブルの上面外周部に跳ね返る一方、大部分が第2戻し板に当接した後、回転テーブルの回転に伴って第2戻し板及びこれに連なる戻し板に摺接しながら強制的に回転テーブルの上面外周部に戻され、次位のローラに噛み込まれるので、破砕・粉砕効率を一層大幅に高めることができる。
【0018】一方、回転テーブルが、上面外周縁に設けたダムリングを有していることにより、原料層圧が調整されるので、ダムリングの高さを変えることによって、原料圧層の調整を容易に行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
【住所又は居所】兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1号
【出願日】 平成13年12月3日(2001.12.3)
【代理人】 【識別番号】100064296
【弁理士】
【氏名又は名称】高 雄次郎
【公開番号】 特開2003−164770(P2003−164770A)
【公開日】 平成15年6月10日(2003.6.10)
【出願番号】 特願2001−368388(P2001−368388)