| 【発明の名称】 |
光触媒構造物の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】横山 公一 【住所又は居所】広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立株式会社呉研究所内
【氏名】加藤 泰良 【住所又は居所】広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立株式会社呉研究所内
【氏名】武田 豊 【住所又は居所】広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立株式会社呉研究所内
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| 【要約】 |
【課題】触媒表面を粗面化して活性向上を図るとともに触媒成分の耐剥離性を向上させることができる、光触媒構造物の製造方法を提供すること。
【解決手段】無機繊維織布3を、光触媒成分4、コロイダルシリカおよび有機結合剤を含有するスラリ、またはこのスラリに不活性な無機微粒子を添加したスラリと接触させて光触媒成分4を担持させたのち、燃焼により消失する有機繊維製シート状物2を介して成形型に載置し、乾燥、成形した後、焼成すること。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 無機繊維織布を、光触媒成分、コロイダルシリカおよび有機結合剤を含有するスラリ、または該スラリに不活性な無機微粒子を添加したスラリと接触させて前記光触媒成分を該無機繊維織布に担持させた後、燃焼により消失する有機繊維製シート状物を介して成形型に載置し、乾燥、成形した後、焼成することを特徴とする光触媒構造物の製造方法。 【請求項2】 得られた光触媒構造物に対し、光触媒成分、コロイダルシリカおよび有機結合剤を含有するスラリ、または該スラリに不活性な無機微粒子を添加したスラリと接触させて前記光触媒構造物に光触媒成分を担持させた後、乾燥、焼成する工程を1回または複数回繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の光触媒構造物の製造方法。 【請求項3】 無機繊維織布に、不活性な無機微粒子、コロイダルシリカおよび有機結合剤を含有するスラリを含浸させた後、燃焼により消失する有機繊維製シート状物を介して成形型に載置し、乾燥、成形した後、焼成して表面が粗面化された触媒担体を調製し、該触媒担体に対し、光触媒成分とコロイダルシリカを含むスラリ、または光触媒成分とコロイダルシリカと有機結合剤および/または不活性な無機微粒子を含むスラリと接触させて前記光触媒成分を担持させた後、乾燥、焼成する工程を1回または複数回繰り返すことを特徴とする光触媒構造物の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒構造物の製造方法に係り、特に、触媒表面を粗面化して活性を高めるとともに、触媒の耐剥離性を向上させることができる、ガスまたは水中で使用する光触媒構造物の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】光触媒構造物(以下、単に光触媒と称することがある)は、例えばガスや水に含まれる有機物、NOx等を分解するための触媒体として利用されており、反応面に光が照射される必要があることから、光源の形状に適合するように、例えば円筒状、板状等種々の形状に成形したものが用いられている。 【0003】光触媒構造物の製造方法としては、例えば触媒担体として無機繊維織布を用い、これを酸化チタン、コロイダルシリカおよび有機結合剤を含む液に浸漬して触媒成分を担持させたのち、成形型に挟むかまたは巻き付けた状態で乾燥し、例えば400〜500℃で焼成する方法がある。このような光触媒構造物の製造方法としては、例えば特開2000−271487号(特願平11−97447号)公報等が挙げられる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来方法で製造された光触媒構造物は、その表面が平滑であるために、触媒活性を向上させるにも自ずと限度があった。また、成形後の触媒体を型から取り外す際に、触媒成分が担体である無機繊維織布から剥離し易いなど、耐剥離性に劣るという問題があった。 【0005】本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決し、触媒表面を粗面化して活性向上を図るとともに、触媒成分の耐剥離性を向上させることができる、光触媒構造物の製造方法を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本願で特許請求する発明は以下のとおりである。 (1)無機繊維織布を、光触媒成分、コロイダルシリカおよび有機結合剤を含有するスラリ、または該スラリに不活性な無機微粒子を添加したスラリと接触させて前記光触媒成分を該無機繊維織布に担持させた後、燃焼により消失する有機繊維製シート状物を介して成形型に載置し、乾燥、成形した後、焼成することを特徴とする光触媒構造物の製造方法。 (2)得られた光触媒構造物に対し、光触媒成分、コロイダルシリカおよび有機結合剤を含有するスラリ、または該スラリに不活性な無機微粒子を添加したスラリと接触させて前記光触媒構造物に光触媒成分を担持させた後、乾燥、焼成する工程を1回または複数回繰り返すことを特徴とする上記(1)に記載の光触媒構造物の製造方法。 【0007】(3)無機繊維織布に、不活性な無機微粒子、コロイダルシリカおよび有機結合剤を含有するスラリを含浸させた後、燃焼により消失する有機繊維製シート状物を介して成形型に載置し、乾燥、成形した後、焼成して表面が粗面化された触媒担体を調製し、該触媒担体に対し、光触媒成分とコロイダルシリカを含むスラリ、または光触媒成分とコロイダルシリカと有機結合剤および/または不活性な無機微粒子を含むスラリと接触させて前記光触媒成分を担持させた後、乾燥、焼成する工程を1回または複数回繰り返すことを特徴とする光触媒構造物の製造方法。 【0008】本発明において、無機繊維製織布としては、例えばEガラス製繊維織布が好適に使用される。無機繊維製織布は、あらかじめ脱脂処理されたものを用いることが好ましい。これによって触媒成分含有スラリが含浸し易くなり、触媒成分が担持され易くなる。 【0009】本発明において、光触媒成分としては、例えばアナターゼ型の酸化チタンが用いられる。不活性な無機微粒子としては、例えばルチル型の酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムまたは酸化ケイ素のように光触媒活性は低いが、光触媒の被毒物質ではない化合物が用いられる。また有機結合剤としては、例えばポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、メチルセルロースなどの水溶性の結合剤が好適に用いられる。 【0010】本発明において、燃焼により消失する有機繊維製シート状物(以下、単に有機繊維製シートという)としては、例えば濾紙や和紙のような紙、ポリエチレン製の織布や不織布等が好適に使用される。これら有機繊維製シートの表面は凹凸状を呈しており、触媒または触媒担体と成形型との間にこれらのシートを介在させることにより、前記触媒または触媒担体を粗面化して表面積を大きくすることができる。なお、有機繊維製シートとして紙を使う場合は、耐水紙であことが好ましい。耐水紙であれば繊維が容易にほぐれず、触媒製造中の取り扱いも容易となる。 【0011】本発明において、触媒または触媒担体の乾燥温度は、例えば60℃程度の低温であり、焼成温度は、例えば500℃である。本発明において、無機繊維織布に光触媒成分が担持された光触媒構造物を、さらに光触媒成分、コロイダルシリカおよび有機結合剤を含むスラリ、またはこれに不活性な無機微粒子を添加したスラリと接触させて前記光触媒成分を担持させた後、乾燥、焼成する工程を1回または複数回繰り返すことが好ましい。これによって、光触媒成分の担持量を調整することができる。 【0012】また、無機繊維織布に、不活性な無機微粒子、コロイダルシリカおよび有機結合剤を含有する、担体強化用のスラリを含浸させ、成形型に、燃焼により消失する有機繊維製シートを介して載置し、乾燥、成形した後、焼成して表面が粗面化した高強度の触媒担体を調製し、該触媒担体に光触媒成分を担持させる場合においても、上記と同様、光触媒成分含有スラリと接触させて光触媒成分を担持させたのち、乾燥、焼成する工程を1回または複数回繰り返すことが好ましい。この場合、光触媒成分を含有するスラリとしては、例えば蓚酸チタニアアンモニウムを含有する水溶液に、光触媒成分としてアナターゼ型の酸化チタンを分散させたスラリが用いられる。 【0013】本発明において、無機繊維製織布を、光触媒成分、不活性な無機微粒子、コロイダルシリカおよび有機結合剤を含有する光触媒スラリ、または不活性な無機微粒子、コロイダルシリカおよび有機結合剤を含有する強化用のスラリと接触させる方法としては、例えば前記無機繊維織布を前記スラリに浸漬する浸漬法が好適に採用されるが、これに限定されるものではなく公知の塗布方法、噴霧方法等であってもよい。 【0014】次に、本発明における、燃焼により消失する有機繊維製シートの機能を説明する。触媒成分が担持された無機繊維織布(基材)は、例えば、円筒状成形型の外表面に巻き付けて載置した状態で成形されるが、この場合、基材である無機繊維織布が乾燥工程中に収縮して成形型とより密着するために、例えば乾燥中に蒸発または昇華する成分が含まれていると無機繊維基材が成形型に接触、固着してしまうことがある。 【0015】このような不都合を回避するため従来から、一般に水に不溶性のシリコーンオイル、蝋、ワックス等の離型剤が使用されていた。すなわち、触媒成分担持無機繊維基材と成形型との間に上記離型剤を介在させた状態で乾燥、成形することにより、成形型に無機繊維基材を固着させないまま成形することができる。しかしながら、このような方法では、得られた触媒表面が平滑になるので、単位体積または面積当たりの触媒活性を向上させるにも自ずと限度があった。 【0016】本発明は、図1に示すように、触媒成分4を担持させた無機繊維織布3を燃焼により消失する有機繊維製シート2を介して成形型1に載置、例えば巻き付け、乾燥、成形した後、成形型から外し、そのまま焼成するものである。この方法によれば、成形型1と無機繊維織布3に担持された触媒成分4との間に有機繊維製シート2が介在するので、前記成形型1と触媒成分4とが直接接触することはない。従って、成形型1に触媒成分4が付着するのを回避することができる。 【0017】また、有機繊維製シート2は触媒の焼成時に焼失するので、前記有機繊維製シート2を除去する工程で触媒成分4が無機繊維織布3から剥離することもない。さらに、有機繊維製シート2の表面には凹凸があり、該有機繊維製シート2に当接した触媒の表面にも同様の凹凸が形成されるので、単に、触媒担持無機繊維織布を型に挟むか、または巻きつけて成形する従来の方法や上記の離型剤を用いた方法に比べて触媒表面が粗面化される。従って、単位面積当たりの触媒表面積が大きくなり、触媒性能が向上する。 【0018】また、不活性な無機微粒子、コロイダルシリカおよび有機結合剤を含む強化用スラリを含浸した無機繊維織布を、上記と同様の方法で乾燥、成形した後、焼成することにより、高強度でかつ表面が粗面化された触媒担体が得られるので、この触媒担体を、光触媒成分を含有するスラリと接触させて前記光触媒成分を担持させて乾燥、焼成する工程を1回または複数回繰り返すことにより、前記触媒担体と触媒成分とが強固に固着した、耐剥離性に優れた高活性の光触媒構造物を得ることができる。すなわち、この方法によれば、触媒担体表面が凹凸状となるので、触媒担体とこれに担持される触媒成分との固着力が増大して耐剥離強度が向上するうえ、前記有機繊維製シートの凹凸表面に伴って焼成後の触媒表面も凹凸状となって触媒表面積が増大し、高活性の光触媒となる。 【0019】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。 実施例1有機結合剤としてポリビニールアルコール(PVA)(クラレ社製)をあらかじめ水に溶解させ,これに弱アルカリ性シリカゾル(日産化学社製)、光触媒としてアナターゼ型の酸化チタン(デグッサ社製P25)および不活性な無機微粒子としてルチル型の酸化チタン(石原産業社製)を、PVA:シリカゾル:光触媒:酸化チタンが1:162.5:35:12.5の重量比となるように加えて攪拌し,粘性を有するスラリ(以下、便宜上含浸液ともいう)を得た。 【0020】一方、円筒状の内型と、3つ割の外型からなる外径100φの成形型の外表面に、あらかじめ有機繊維製シートとして濾紙を巻き付けた後、上記含浸液に浸漬して光触媒成分を担持させた無機繊維織布(Eガラス)を巻き付け、60℃で乾燥、成形した後、内型、外型の順に成形型を取り外し、濾紙が付着したまま500℃で焼成し、実施例1の光触媒構造物とした。 【0021】実施例2有機結合剤としてポリビニールアルコール(PVA)(クラレ社製)をあらかじめ水に溶解させ,これに弱アルカリ性シリカゾル(日産化学社製)および不活性な無機微粒子として酸化チタン(石原産業社製)を、PVA:シリカゾル:酸化チタンが1:162.5:47.5の重量比となるように加えて攪拌し,粘性を有する強化用の含浸液を得た。実施例1と同じ成形型の外表面に有機繊維製シートとして濾紙を巻き付けた後、上記含浸液を浸漬にて含浸させた無機繊維織布(Eガラス)を巻き付け、60℃で乾燥、成形したのち、内型、外型の順に成形型を取り外して濾紙が付着したままの触媒担体を得、これを500℃で焼成して表面が粗面化された触媒担体を得た。 【0022】次に、得られた触媒担体を、蓚酸チタニアアンモニウムを含有する水溶液に光触媒成分としてアナターゼ型の酸化チタン(デグッサ社製P25)を分散させた含浸液に浸漬して光触媒成分を担持させたのち、60℃で乾燥し、500℃で焼成して実施例2の光触媒構造物としたところ、担体と触媒成分とが強固に固着した、耐剥離性に優れた光触媒構造物が得られた。 【0023】実施例3有機繊維製シートとしてポリエチレン製の網状織布を用いた以外は上記実施例1と同様の条件で同様の構造物を製造して実施例3の光触媒構造物とした。 実施例4有機繊維製シートとして和紙を用いた以外は上記実施例1と同様の条件で同様の構造物を製造し、実施例4の光触媒構造物とした。 実施例5有機繊維製シートとしてポリエチレン製不織布を用いた以外は上記実施例1と同様の条件で同様の構造物を製造し、実施例5の光触媒構造物とした。 【0024】比較例1成形型の外表面に、含浸液を担持させた無機繊維織布(Eガラス)を直接巻き付けて成形した以外は実施例1と同様の条件で構造物を製造し、比較例1の触媒構造物とした。 比較例2成形型の外表面に、含浸液を含浸させた無機繊維織布(Eガラス)を直接巻き付けて成形した以外は実施例2と同様の条件で構造物を製造し、比較例2の触媒構造物とした。 比較例3成形型の外面に蝋を塗り、含浸液を担持させた無機繊維織布(Eガラス)を巻き付けて成形した以外は上記実施例1と同様の条件で構造体を製造し、比較例3の触媒構造体とした。 【0025】実施例1〜5および比較例1〜3における、触媒調製後の成形型への触媒成分の付着状況を観察したところ、実施例1〜5および比較例3は、いずれも成形型に触媒成分は付着しておらず、本発明方法においても、成形型への触媒成分の付着を防止できることが分かった。一方、比較例1および2では外側成形型の表面に触媒成分の付着が認められた。 【0026】また、実施例1〜5および比較例1〜3の触媒を用い、内壁面に長さ1,000mmの触媒構造物を配置した内径100φのパイレックス(登録商標)製のガラス管からなる外管と該外管の内側に同心円状に設けられ、中心部に40Wのブラックライト蛍光灯を設置した石英製の内管とからなる二重管構造の流通式反応器の前記外管と内管との間に、o-クロロフェノールを水に溶解させた模擬液10リットルを循環、供給し、前記ブラックライト蛍光灯から60分間光を照射したときの前記o-クロロフェノールの分解率を調べたところ、実施例1〜5の触媒構造物における分解率は、いずれも90%以上であった。結果を表1に示す。 表1 表1から、実施例1〜5の触媒構造物は比較例1〜3に比べて高活性であることが分かる。また、比較例3の分解率が各実施例に比べて低いことから、比較例3では成形型への触媒成分の付着を防止することはできるが、触媒体の表面が平滑であるために、触媒活性を向上させることはできないことが分かった。 【0027】 【発明の効果】本願の請求項1に記載の発明によれば、触媒製造時の触媒剥離を抑制できるとともに、触媒表面を粗面化して単位面積当たりの触媒表面積を増大させることができるので高活性の光触媒構造物が得られる。本願の請求項2に記載の発明によれば、上記発明の効果に加え、光触媒成分の担持量を調整してより高活性の光触媒構造物が得られる。 【0028】本願の請求項3に記載の発明によれば、触媒担体の表面が粗面化されるので担体と触媒成分とが強固に固着した耐剥離性に優れた光触媒構造物が得られるとともに、触媒成分の担持量を調整してより高活性の光触媒構造物を得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005441 【氏名又は名称】バブコック日立株式会社 【住所又は居所】東京都港区浜松町二丁目4番1号
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| 【出願日】 |
平成14年1月15日(2002.1.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076587 【弁理士】 【氏名又は名称】川北 武長
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| 【公開番号】 |
特開2003−205243(P2003−205243A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月22日(2003.7.22) |
| 【出願番号】 |
特願2002−6227(P2002−6227) |
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