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【発明の名称】 一酸化炭素酸化用触媒、その製造方法及び一酸化炭素の酸化方法
【発明者】 【氏名】若林 勝彦

【氏名】岸田 昌浩

【氏名】多湖 輝興

【氏名】林 博樹

【要約】 【課題】微量の一酸化炭素に対して選択的酸化能を持つ高性能触媒を提供する。

【解決手段】鉄を担持させた貴金属/アルミナからなる一酸化炭素酸化用触媒。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 貴金属/アルミナに鉄を担持させたことを特徴とする一酸化炭素酸化用触媒。
【請求項2】 該鉄の割合が、該貴金属1モル当たり、0.005〜0.2モルであることを特徴とする請求項1に記載の一酸化炭素酸化用触媒。
【請求項3】 該貴金属が、白金又はルテニウムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の一酸化炭素酸化用触媒。
【請求項4】 貴金属/アルミナに鉄カルボニル錯体を添加した後、水素気流下で該鉄カルボニルを加熱分解することを特徴とする一酸化炭素酸化用触媒の製造方法。
【請求項5】 貴金属/アルミナに鉄塩を添加した後、空気気流下で焼成し、水素還元することを特徴とする一酸化炭素酸化用触媒の製造方法。
【請求項6】 一酸化炭素を触媒の存在下で酸化する方法において、該触媒として請求項1〜3のいずれかに記載の触媒を用いることを特徴とする一酸化炭素の酸化方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一酸化炭素の酸化用触媒、その製造方法及び一酸化炭素の酸化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】固体高分子型燃料電池(PEFC)は、高分子膜を電解質として用いるため、電解質の逸散・保持等に問題がなく、メンテナンスが容易である。また、100℃以下で運転できるため起動時間が短いことなど原理的に優れた特徴を持っている。燃料ガスとしては、メタンやメタノールを改質した水素ガスが用いられているが、燃料ガスに含まれる微量の一酸化炭素によって電極触媒が被毒を受け、電池性能が大幅に低下することが知られている。この問題の解決には、改質ガスを電池に供給する前に予め一酸化炭素を選択的に低減させる方法が有効である。このため水素を酸化することなく、微量の一酸化炭素を選択的に酸化除去することが可能な高性能触媒の開発が要望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、微量の一酸化炭素に対して選択的酸化能を持つ高性能触媒および該触媒の製造方法並びに該触媒を用いた一酸化炭素の酸化方法を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課題を解決するために鋭意検討をした結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明によれば、以下に示す方法が提供される。
(1)貴金属/アルミナに鉄を担持させたことを特徴とする一酸化炭素酸化用触媒。
(2)該鉄の割合が、該貴金属1モル当たり、0.005〜0.2モルであることを特徴とする前記(1)に記載の一酸化炭素酸化用触媒。
(3)該貴金属が白金又はルテニウムであることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の一酸化炭素酸化用触媒。
(4)貴金属/アルミナに鉄カルボニル錯体を添加した後、水素気流下で該鉄カルボニルを加熱分解することを特徴とする一酸化炭素酸化用触媒の製造方法。
(5)貴金属/アルミナに鉄塩を添加した後、空気気流下で焼成し、水素還元することを特徴とする一酸化炭素酸化用触媒の製造方法。
(6)一酸化炭素の選択的酸化方法において、該触媒として前記(1)〜(3)のいずれかに記載の触媒を用いることを特徴とする一酸化炭素酸化方法。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の触媒は、貴金属/アルミナに鉄を担持させた、鉄−貴金属/アルミナ触媒である。この触媒における、貴金属/アルミナは、市販の貴金属/アルミナ触媒を用いることができる。その場合、貴金属の担持量は、アルミナに対して0.1〜5重量%が好ましく、さらには0.1〜0.5重量%が好ましい。前記貴金属/アルミナは、下記の方法の貴金属を含むアルミナゲルとして調製することができる。本発明で用いる貴金属には、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、ルテニウム等が挙げられるが、白金、ロジウム、パラジウム又はルテニウムの使用がさらに好ましい。
【0006】該貴金属/アルミナゲルを調製するには、先ず、貴金属塩の水溶液を、界面活性剤を含む有機溶媒に加え、攪拌して、油中水滴型(W/O)のマイクロエマルジョンを作る。この場合、水滴粒子の直径は10〜100Åであり、一つの水滴に含まれる貴金属イオンの数は5〜50が好ましく、さらに5〜20であることが望ましい。このマイクロエマルジョンを安定的に得るためには、界面活性剤および有機溶媒の選定が重要である。該界面活性剤としては、非イオン界面活性剤であるアルキルポリエチレンエーテルが好ましく、さらには、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルの使用が望ましい。前記ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルのポリオキシエチレン基において、そのオキシエチレンの平均付加モル数は3〜10が好ましく、さらに好ましくは4〜6である。
【0007】前記有機溶媒としては非水溶性の溶媒の使用が好ましく、炭化水素溶媒、例えばシクロヘキセン、シクロヘキサン、トルエンを使用することがさらに好ましい。前記マイクロエマルジョン作成のための攪拌速度は200〜500rpmが好ましく、さらに好ましくは300〜500rpmである。また、攪拌温度は20〜60℃が好ましく、さらに好ましくは40〜50℃である。前記水溶液中の貴金属塩濃度は、0.1〜1モル/dm3が好ましく、さらに好ましくは0.2〜0.8モル/dm3である。
【0008】前記マイクロエマルジョンに対して、セチルトリメチルアンモニウムクロライド(CTAC)を加えて、前記貴金属塩と反応させることにより、貴金属とCTACとの錯体超微粒子を形成させる。次いで、アルミニウムトリイソプロポキシドを加えて加水分解させ、重縮合させる。この場合の加水分解温度は40〜60℃が好ましく、さらに好ましくは50℃である。この操作により、貴金属/アルミナの超微粒子が得られる。この超微粒子は、液中から濾別し、次いで2−プロパノールで洗浄した後、乾燥し、さらに空気流通下で焼成する。この焼成温度は、300〜700℃が好ましく、さらに好ましくは350〜600℃である。この焼成により、超微粒子に付着する界面活性剤が焼失される。この結果、超微粒子状貴金属/アルミナゲルが得られる。この貴金属/アルミナにおいて、その平均粒径は3〜20nm、好ましくは3〜10nmである。
【0009】前記貴金属塩化合物は、水溶性の塩であればよく、特に制約されない。この様なものには、例えば塩化物や臭化物などのハロゲン化物、硝酸塩等が包含される。
【0010】本発明の触媒は、前記市販の貴金属/アルミナ又は前記方法で調製した貴金属/アルミナゲルに鉄を担持することにより調製することができる。好ましい一つの鉄の担持方法においては、所定量の鉄カルボニル錯体を該貴金属/アルミナに添加した後、水素気流下で鉄カルボニル錯体を加熱分解することにより、鉄−貴金属/アルミナ触媒を調製することができる。鉄カルボニル錯体としては従来公知のものが用いられるが、本発明では、特に、鉄ペンタカルボニルが好ましい。加熱分解温度としては、200〜300℃が好ましく、さらには250〜300℃が好ましい。
【0011】他の鉄の担持方法においては、鉄塩水溶液を該貴金属−アルミナに添加して攪拌し、放置後、乾燥させる。次に、空気流通下で焼成する。この焼成温度は、300〜700℃が好ましく、さらに好ましくは350〜600である。その結果、鉄−貴金属/アルミナ触媒を調製することができる。この様にして調製された鉄−貴金属/アルミナ触媒は、成形機で成形して粒径を調整する。この場合、粒径は使用反応装置により適宜調整することができる。続いて、水素気流下で還元することで鉄−貴金属/アルミナ触媒を調製することができる。還元温度としては、150〜300℃が好ましく、さらには200〜300℃が好ましい。本発明の触媒において、その鉄の割合は、それに含まれる貴金属1モル当り、0.005〜0.2モル、好ましくは0.05〜0.1モルである。
【0012】前記鉄塩は、水溶性の塩であればよく、特に制約されない。このようなものには、例えば塩化物や臭化物などのハロゲン化物、硝酸塩等が包含される。前記水溶液中の鉄塩濃度は、0.2〜4.0モル%が好ましく、さらに好ましくは0.2〜2.0モル%である。
【0013】本発明の鉄−貴金属/アルミナ触媒は、粉末状の他、それを成形した球形状、円柱状、筒体状等の各種形状で用いることができる。粉末状の場合、その平均粒径は10〜500μm、好ましくは300〜500μmである。本発明の触媒において、該鉄の形態は、通常、金属状態であり、貴金属の状態も、通常、金属状態である。
【0014】本発明の触媒を用いてガス中に含まれる一酸化炭素を酸化するには、該ガスを酸素の共存下において、本発明の触媒と接触させればよい。ガス中に含まれる一酸化炭素の割合は、通常、0.4〜2.0モル%、好ましくは0.4〜1.0モル%である。また、一酸化炭素に対する酸素のモル比は0.5〜3.0、好ましくは1.0〜3.0である。反応温度は120〜250℃、好ましくは150〜200℃である。
【0015】一酸化炭素を含むガスは、水素や、炭化水素、アルコール、水蒸気、二酸化炭素等で用いることができる。本発明によれば、これらのガスに含まれる一酸化炭素を選択的に酸化することができる。この反応により生成する酸化物は二酸化炭素や水蒸気等である。本発明によれば、メタン等の炭素数1〜3の低級炭化水素やメタノールやエタノール等のアルコールをスチームや炭酸ガスで改質し、精製して得られる水素ガス中に含まれる微量(通常、0.4〜2.0モル%程度)の一酸化炭素を酸化除去することができる。この場合、水素は実質的に酸化されず、一酸化炭素のみが選択的に酸化される。この様にして得られる精製水素ガスは、固体高分子型燃料電池用水素ガスとして好適なものである。
【0016】
【実施例】本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこの実施例によって限定されるものではない。
【0017】実施例1内容積1000mlのビーカーに0.2Mのポリオキシエチレン(平均付加モル数5))ノニルフェニルエーテル/シクロヘキサン溶液を400ml入れ、これに0.5M塩化白金酸溶液及び精製水をそれぞれ2ml、17ml加え、50℃の温度で、300rpmで攪拌して、油中水滴型のマイクロエマルジョンを作った。この水滴粒子の直径は79Åと計算され、一つの水滴中に含まれる白金イオンは平均8個と計算された。このマイクロエマルジョンに、セチルトリメチルアンモニウムクロライド(CTAC)4gを、予めシクロヘキサン50mlに混合攪拌した物を添加し、50℃で30分間よく攪拌して、白金とCTACの錯体超微粒子を形成した。次に、アルミニウムトリイソプロポキシド170gをシクロヘキセン400mlに予め混合攪拌したものを添加して、1時間加水分解を行った。続いて、ビーカー内容物を室温まで冷却した後、母液を遠心分離により分離し、得られた沈殿を2−プロパノールで3回洗浄した。この精製沈殿を80℃で12時間乾燥後、500℃で2時間焼成した。この結果、0.5wt%の白金を含むアルミナゲル(触媒I)が39.8g得られた。以上のようにして調製した白金/アルミナ(触媒I)3.0gに、鉄ペンタカルボニルを鉄担持量に応じて所定量添加して、250℃で鉄ペンタカルボニルを熱分解させた。この結果、鉄:白金=1:50〜200(モル比)の鉄−白金/アルミナ触媒(触媒A、B、C)が得られた。この鉄−白金/アルミナ触媒A、B、Cを成形機で成形して粒径:16−18メッシュのペレットを作った。この成形触媒0.2gを内径8mmの反応管に装填し、水素気流下で500℃、2時間水素還元を行った。水素還元後の各触媒の物性を表1に示した。水素還元を行った後、一酸化炭素の選択酸化反応を行った。すなわち、温度幅1℃以内で温度制御の可能な電気炉内に反応管を設置し、この反応管に一酸化炭素:酸素:水素:二酸化炭素:水蒸気=0.5:0.5:40:9:50(モル比)の混合ガスを送入して反応させた。反応圧は常圧で、反応温度は200℃、混合ガスの流量は60ml/minで行った。その実験結果を表2に示した。
【0018】実施例2蒸発皿に0.05Mの硝酸鉄水溶液とイオン交換水を鉄担持量に応じて調製して入れ、これに実施例1で調製した触媒Iを3.0g加え、攪拌後1時間放置した。放置後、減圧乾燥機内で3時間乾燥後、さらに乾燥機内で、80℃12時間乾燥させた。その後、実施例1と同じ条件で焼成し、続いて水素還元を行った。この結果、鉄:白金=1:10〜100(モル比)の鉄−白金/アルミナ触媒(触媒D、E、F)が得られた。その触媒物性を表1に示した。これらの触媒を用いて、実施例1と同様の触媒性能評価試験を行った。その実験結果を表2に示した。
【0019】実施例3蒸発皿に0.05Mの塩化鉄水溶液とイオン交換水を鉄担持量に応じて調製して入れ、これに実施例1で調製した触媒Iを3.0g加え、攪拌後1時間放置した。放置後、減圧乾燥機内で3時間乾燥後、さらに乾燥機内で、80℃12時間乾燥させた。その後、実施例1と同じ条件で焼成し、続いて水素還元を行った。この結果、鉄:白金=1:10〜100(モル比)の鉄−白金/アルミナ触媒(触媒G、H、I)が得られた。その触媒物性を表1に示した。これらの触媒を用いて、実施例1と同様の触媒性能評価試験を行った。その実験結果を表2に示した。
【0020】実施例4市販の0.5wt%白金/アルミナ触媒(触媒II)に、鉄ペンタカルボニルを鉄担持量に応じて所定量添加して、 水素気流下中、250℃で鉄ペンタカルボニルを熱分解させた。この結果、鉄:白金=1:50〜200(モル比)の鉄−白金/アルミナ触媒(触媒J、K、L)が得られた。この各触媒の物性を表1に示した。これらの触媒を用いて、実施例1と同様の触媒性能評価試験を行った。その実験結果を表2に示した。
【0021】実施例5蒸発皿に0.05Mの硝酸鉄水溶液とイオン交換水を鉄担持量に応じて調製して入れ、これに実施例4の触媒IIを3.0g加え、攪拌後1時間放置した。放置後、減圧乾燥機内で3時間乾燥後、さらに乾燥機内で、80℃12時間乾燥させた。その後、実施例1と同じ条件で焼成し、続いて水素還元を行った。この結果、鉄:白金=1:10〜100(モル比)の鉄−白金/アルミナ触媒(触媒M、N、O)が得られた。その触媒物性を表1に示した。これらの触媒を用いて、実施例1と同様の触媒性能評価試験を行った。その実験結果を表2に示した。
【0022】実施例6蒸発皿に0.05Mの塩化鉄水溶液とイオン交換水を鉄担持量に応じて調製して入れ、これに実施例4の触媒IIを3.0g加え、攪拌後1時間放置した。放置後、減圧乾燥機内で3時間乾燥後、さらに乾燥機内で、80℃、12時間乾燥させた。その後、実施例1と同じ条件で焼成し、続いて水素還元を行った。この結果、鉄:白金=1:10〜100(モル比)の鉄−白金/アルミナ触媒(触媒P、Q、R)が得られた。その触媒物性を表1に示した。これらの触媒を用いて、実施例1と同様の触媒性能評価試験を行った。その実験結果を表2に示した。
【0023】実施例7蒸発皿に0.1Mの塩化ルテニウム水溶液5mlとイオン交換水15mlを入れ、これに予めマイクロエマルジョン中で調製したアルミナゲル10.0gを加え、攪拌後1時間放置した。放置後、減圧乾燥機内で3時間乾燥した後、さらに乾燥機内で80℃、12時間乾燥させた。その後、実施例1と同じ条件で焼成、水素還元を行った。ルテニウム担持量0.5wt%のアルミナゲル(触媒III)を調製した。以上のように調製したルテニウム/アルミナ触媒(触媒III)3.0gに、鉄ペンタカルボニルを添加して、水素気流下中、250℃で鉄ペンタカルボニルを熱分解させた。この結果、鉄:ルテニウム=1:80(モル比)の鉄−ルテニウム /アルミナ触媒(触媒S)が得られた。この各触媒の物性を表1に示した。この触媒を用いて、実施例1と同様の触媒性能評価試験を行った。その実験結果を表2に示した。
【0024】実施例8蒸発皿に0.01Mの硝酸鉄水溶液1.5mlとイオン交換水4.5mlを入れ、これに実施例7の触媒IIIを3.0g加え、攪拌後1時間放置した。放置後、減圧乾燥機内で3時間乾燥後、さらに乾燥機内で、80℃12時間乾燥させた。その後、実施例1と同じ条件で焼成し、続いて水素還元を行った。この結果、鉄:ルテニウム=1:10(モル比)の鉄−ルテニウム/アルミナ触媒(触媒T)が得られた。その触媒物性を表1に示した。この触媒を用いて、実施例1と同様の触媒性能評価試験を行った。その実験結果を表2に示した。
【0025】実施例9蒸発皿に0.01Mの塩化鉄水溶液1.5mlとイオン交換水4.5mlを入れ、これに実施例7の触媒IIIを3.0g加え、攪拌後1時間放置した。放置後、減圧乾燥機内で3時間乾燥後、さらに乾燥機内で、80℃12時間乾燥させた。その後、実施例1と同じ条件で焼成し、続いて水素還元を行った。この結果、鉄:ルテニウム=1:10(モル比)の鉄−ルテニウム/アルミナ触媒(触媒U)が得られた。その触媒物性を表1に示した。この触媒を用いて、実施例1と同様の触媒性能評価試験を行った。その実験結果を表2に示した。
【0026】実施例10市販の0.5wt%ロジウム/アルミナ触媒(触媒IV)に鉄ペンタカルボニルを付加し、250℃下で鉄ペンタカルボニルを熱分解させた。この結果、鉄:ロジウム=1:50〜200(モル比)の鉄−ロジウム/アルミナゲル触媒(触媒V、W、X)が得られた。その触媒物性を表1に示す。これらの触媒を用い、実施例1の場合と同様な触媒性能評価試験を行った。その実験結果を表2に示す。
【0027】実施例11蒸発皿に0.05M硝酸鉄水溶液とイオン交換水を入れ、これに実施例10の触媒IV3.0gを加え、攪拌後1時間放置した。放置後、減圧乾燥機内で3時間乾燥後、乾燥機内で80℃で12時間乾燥させた。その後、実施例1と同条件で焼成、水素還元を行った。この結果、鉄:ロジウム=1:10(モル比)の鉄−ロジウム/アルミナゲル触媒(触媒Y)が得られた。その触媒物性を表1に示す。これらの触媒を用い、実施例1の場合と同様な触媒性能評価試験を行った。その実験結果を表2に示す。
【0028】実施例12蒸発皿に0.05M塩化鉄水溶液とイオン交換水を入れ、これに実施例l0の触媒IV3.0gを加え、攪拌後1時間放置した。放置後、減圧乾燥機内で3時間乾燥後、乾燥機内で80℃で12時間乾燥させた。その後、実施例1と同条件で焼成、水素還元を行った。この結果、鉄:ロジウム=1:10(モル比)の鉄一ロジウム/アルミナゲル触媒(触媒Z)が得られた。その触媒物性を表1に示す。これらの触媒を用い、実施例1の場合と同様な触媒性能評価試験を行った。その実験結果を表2に示す。
【0029】実施例13市販の0.5wt%パラジウム/アルミナ触媒(触媒V)に鉄ペンタカルボニルを付加し、250℃下で鉄ペンタカルボニルを熱分解させた。この結果、鉄:パラジウム=1:50(モル比)の鉄−パラジウム/アルミナゲル触媒(触媒a)が得られた。その触媒物性を表1に示す。これらの触媒を用い、実施例1の場合と同様な触媒性能評価試験を行った。その実験結果を表2に示す。
【0030】実施例14蒸発皿に0.05M硝酸鉄水溶液とイオン交換水を入れ、これに実施例10の触媒IV3.0gを加え、攪拌後1時間放置した。放置後、減圧乾燥機内で3時間乾燥後、乾燥機内で80℃で12時間乾燥させた。その後、実施例1と同条件で焼成、水素還元を行った。この結果、鉄:ロジウム=1:10(モル比)の鉄一パラジウム/アルミナゲル触媒(触媒b)が得られた。その触媒物性を表1に示す。これらの触媒を用い、実施例1の場合と同様な触媒性能評価試験を行った。その実験結果を表2に示す。
【0031】比較例1実施例1で調製した触媒I、実施例4で用いた触媒II、実施例7で調製した触媒III、実施例10で用いた触媒IV、実施例13で用いた触媒Vは、それぞれ鉄を担持していない貴金属−アルミナ触媒である。これらの触媒I、II、III及びIVについて比較例として、実施例1の場合と同様に触媒の性能評価試験を行った。触媒物性を表1に、実験結果を表2に示した。
【0032】実施例及び比較例で得られた触媒の物性を表1に示す。
【表1】

【0033】実施例及び比較例で得られた触媒の一酸化炭素選択酸化反応結果を表2に示す。
【表2】

【0034】反応条件:200℃、常圧、触媒量:0.2g、混合ガス流量:60ml/min試験混合ガス組成;一酸化炭素:酸素:水素:二酸化炭素:水蒸気=0.5:0.5:40:9:50(モル比)
【0035】表1及び表2に示した実施例触媒は、(i)鉄:白金(モル比)=1:10〜200である鉄−白金/アルミナ触媒、(ii)鉄:ルテニウム(モル比)=1:10〜80である鉄−ルテニウム/アルミナ触媒、(iii)鉄:ロジウム(モル比)=1:10〜50である鉄−ロジウム/アルミナ触媒及び、(iv)鉄:パラジウム(モル比)=1:10〜50である鉄−パラジウム/アルミナ触媒としてまとめることができる。実施例触媒の一酸化炭素選択酸化能は表2で明らかなように、鉄−白金/アルミナ触媒(触媒A〜R)、鉄−ルテニウム/アルミナ触媒(触媒S〜U)鉄−ロジウム/アルミナ触媒(触媒V〜X)及び鉄−パラジウム/アルミナ触媒(触媒Y、Z)を一酸化炭素の選択的酸化反応に用いることで、200℃、酸素/一酸化炭素=1.0(モル比)の条件下で、一酸化炭素の残存濃度は2〜2300ppmまで低減させることができた。特に鉄ペンタカルボニルを用いて調製した鉄−白金/アルミナ触媒は高い一酸化炭素の選択酸化能を持つことが分かった。一方、比較例として示した鉄を添加しない白金/アルミナ触媒(触媒I、II)、ルテニウム/アルミナ触媒(触媒III)ロジウム/アルミナ触媒(触媒IV)及びパラジウム/アルミナ触媒(触媒V)は、同一条件下での試験において一酸化炭素の残存濃度が2400〜4400程度と高い値であった。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、水素ガス中の微量の一酸化炭素を選択的に酸化除去することが可能な高性能触媒が提供される。本発明により一酸化炭素の除去された水素ガスは、燃料電池用水素ガスとして好適なものである。
【出願人】 【識別番号】594057668
【氏名又は名称】若林 勝彦
【識別番号】000196680
【氏名又は名称】西部瓦斯株式会社
【出願日】 平成13年11月16日(2001.11.16)
【代理人】 【識別番号】100074505
【弁理士】
【氏名又は名称】池浦 敏明
【公開番号】 特開2003−164764(P2003−164764A)
【公開日】 平成15年6月10日(2003.6.10)
【出願番号】 特願2001−351831(P2001−351831)