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【発明の名称】 セラミック触媒体
【発明者】 【氏名】長谷 智実
【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内

【氏名】太田 実
【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内

【氏名】須沢 匠
【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内

【氏名】長谷川 順
【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内

【氏名】小池 和彦
【住所又は居所】愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会社日本自動車部品総合研究所内

【要約】 【課題】直接担持担体を用いた触媒体において、触媒成分の凝集による劣化を防止し、低熱容量、低圧損で、触媒性能に優れ、かつ高耐久性のセラミック触媒体とする。

【解決手段】構成元素の一部を置換したコーディエライトを基材とし、導入した置換元素上に触媒成分を直接担持可能なセラミック担体に、Pt等の触媒金属を中間基材粒子に担持させた触媒粒子と、CeO2 等の金属酸化物からなる助触媒粒子を直接担持する。結合力の弱いCeO2 粒子が移動しても、Pt等の触媒金属は中間基材粒子に結合しているため、移動して凝集するのを抑制でき、触媒性能を長期間維持できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 セラミック担体に触媒成分を担持してなるセラミック触媒体であって、上記セラミック担体が、基材セラミック表面に触媒成分を直接担持可能なセラミック担体であり、上記触媒成分の少なくとも一部が、中間基材粒子に触媒成分を担持した触媒粒子として、上記セラミック担体に直接担持されていることを特徴とするセラミック触媒体。
【請求項2】 上記中間基材が金属酸化物からなる請求項1記載のセラミック触媒体。
【請求項3】 上記中間基材が1種またはそれ以上の遷移金属元素を含有している請求項1または2記載のセラミック触媒体。
【請求項4】 上記中間基材は、基材構成元素の少なくとも一部が上記遷移金属元素と置換されており、該遷移金属元素と上記触媒成分が結合している請求項3記載のセラミック触媒体。
【請求項5】 上記中間基材が、SiもしくはAl、Mgサイトを上記遷移金属元素で置換したコーディエライトを成分として含む請求項3記載のセラミック触媒体。
【請求項6】 上記遷移金属元素が、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、In、Sn、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Hf、Ta、Wの中から選ばれる1種またはそれ以上の元素である請求項3ないし5のいずれか記載のセラミック触媒体。
【請求項7】 上記中間基材が、下記一般式で表されるペロブスカイト型結晶構造を有し、一般式:(A1 (a-x) ・(A2 X ・B・Ob式中、A1 はLa、Ce、Pr、Ndのうちの2種以上の元素、A2 は1価もしくは2価の陽イオン、Bは元素番号22〜30、40〜51、73〜80の遷移金属元素、であり、a=1のときb=3、a=2のときb=4、0≦x≦0.7の条件を満たす請求項3記載のセラミック触媒体。
【請求項8】 上記中間基材粒子の粒径が1nm以上で、かつ担持する上記触媒成分の粒径以上である請求項1ないし7のいずれか記載のセラミック触媒体。
【請求項9】 上記中間基材粒子の形状が、球状、六面体、四面体、砲台状、凹凸を有する形状、突起物を有する形状、針状、平板状、六角柱状またはチューブ状である請求項1ないし8のいずれか記載のセラミック触媒体。
【請求項10】 上記触媒成分が、金属成分と金属酸化物成分を含み、上記金属成分を上記中間基材粒子に担持される上記触媒成分とするとともに、上記金属酸化物成分を上記セラミック担体に直接担持させた請求項1ないし9のいずれか記載のセラミック触媒体。
【請求項11】 上記セラミック担体は、基材セラミック表面に触媒を直接担持可能な多数の細孔を有しており、この細孔に対して触媒金属を直接担持可能であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか記載のセラミック触媒体。
【請求項12】 上記細孔が、セラミック結晶格子中の欠陥、セラミック表面の微細なクラック、およびセラミックを構成する元素の欠損のうち、少なくとも1種類からなる請求項11記載のセラミック触媒体。
【請求項13】 上記微細なクラックの幅が100nm以下である請求項12記載のセラミック触媒体。
【請求項14】 上記細孔が、担持する触媒イオンの直径の1000倍以下の直径あるいは幅を有し、上記細孔の数が、1×1011個/L以上である請求項12記載のセラミック触媒体。
【請求項15】 上記セラミック担体は、上記基材セラミックを構成する元素のうち少なくとも1種類またはそれ以上の元素が、構成元素以外の元素と置換されており、この置換元素に対して上記触媒成分を直接担持可能である請求項1ないし10のいずれか記載のセラミック触媒体。
【請求項16】 上記置換元素上に上記触媒成分が化学的結合により担持されている請求項15記載のセラミック触媒体。
【請求項17】 上記置換元素はその電子軌道にdまたはf軌道を有する少なくとも1種類またはそれ以上の元素である請求項15または16記載のセラミック触媒体。
【請求項18】 上記基材セラミックがコーディエライトを成分として含む請求項1ないし17のいずれか記載のセラミック触媒体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車エンジンの排ガス浄化用触媒等に適用されるセラミック触媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジンから排出される有害物質を浄化するために、従来より、種々の触媒が提案されている。排ガス浄化用触媒は、一般に、高耐熱衝撃性のコーディエライトハニカム構造体を担体として用い、その表面にγ−アルミナ等の高比表面積材料からなるコート層を形成した後、触媒貴金属や助触媒成分を担持している。コート層を形成するのは、コーディエライトの比表面積が小さいためで、γ−アルミナ等を用いて担体の表面積を増加させて、必要な量の触媒成分を担持させている。
【0003】ところが、コート層の形成は、担体の熱容量増加をまねき早期活性化に不利である、開口面積が小さくなり圧損が増加する、といった不具合があることから、近年、コージェライト自体の比表面積を向上させる方法が検討されている。例えば、特公平5−50338号公報には、酸処理した後、熱処理してコージェライト構成成分の一部を溶出させることにより、コート層を不要としている。しかしながら、この方法では、酸処理や熱処理によりコージェライトの結晶格子が破壊されて強度が低下する問題があり、実用性が低い。
【0004】これに対し、本発明者等は、先に、比表面積を向上させるためのコート層を形成することなく、必要量の触媒成分を直接担持可能なセラミック担体を提案した(特願2000−104994)。このセラミック担体は、基材セラミックの構成元素の少なくとも1種類を価数の異なる元素と置換することによって、基材セラミック表面に結晶格子中の格子欠陥等からなる多数の細孔を形成したものである。これら細孔は極めて小さいため、従来のような強度低下の問題を生じることなく、必要量の触媒成分を直接担持可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、排ガス浄化用触媒には、一般に、主触媒となるPt等の触媒貴金属の他、目的に応じて種々の助触媒が担持される。ところが、これら触媒成分を、コート層なしで、上記触媒成分を直接担持可能なセラミック担体に担持させたところ、触媒の組み合わせによっては、長期使用により触媒貴金属が凝集して粒径が増大し、触媒性能が低下することが判明した。例えば、三元触媒やNOx触媒にはCeO2 等の金属酸化物が助触媒として添加されるが、粒径の大きいCeO2 等の助触媒粒子が基材セラミック上を移動することによって、基材セラミックと結合しているPt等の触媒貴金属まで結合が切れ、劣化しやすくなると考えられる。
【0006】そこで、本発明は、触媒成分の移動による劣化を抑制し、コート層を形成しないことによる低熱容量、低圧損のセラミック担体の利点を最大限に活かして、高性能かつ高耐久性のセラミック触媒体を実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の発明は、セラミック担体に触媒成分を担持してなるセラミック触媒体であり、上記セラミック担体を、基材セラミック表面に触媒成分を直接担持可能なセラミック担体とする。上記触媒成分は、少なくとも一部を、中間基材粒子に触媒成分を担持した触媒粒子として、上記セラミック担体に直接担持させている。
【0008】上記構成によれば、上記セラミック担体を直接担持担体としたので、コート層が不要で低熱容量、低圧損にできる。また、上記触媒成分の少なくとも一部、例えば粒径の小さい触媒貴金属を、中間基材粒子に担持させた触媒粒子として、直接担持させるので、粒径の大きい助触媒成分が移動しても、その影響を受けて凝集劣化することが抑制できる。また、中間基材粒子を用いることで触媒担持面積が大きくなり、触媒担持量を増加させることができる。よって、高い触媒性能を長期間維持できる実用性の高いセラミック触媒体が得られる。
【0009】請求項2のように、上記中間基材としては、例えば、金属酸化物を使用することができる。請求項3のように、上記中間基材が1種またはそれ以上の遷移金属元素を含有していると、担持される上記触媒成分と結合しやすくなる。請求項4のように、上記遷移金属元素は、上記中間基材の基材構成元素の少なくとも一部と置換させることができ、該遷移金属元素と上記触媒成分を結合させると、上記触媒成分の劣化を抑制する効果が高い。具体例として、請求項5のように、SiもしくはAl、Mgサイトを上記遷移金属元素で置換したコーディエライトを成分として含む材料を用いることができる。
【0010】請求項6のように、上記中間基材に含有される上記遷移金属元素は、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、In、Sn、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Hf、Ta、Wの中から選ばれる1種またはそれ以上の元素とすると好ましい。
【0011】請求項7のように、上記中間基材として、下記一般式で表されるペロブスカイト型結晶構造を有し、一般式:(A1 (a-x) ・(A2 X ・B・Ob式中、A1 はLa、Ce、Pr、Ndのうちの2種以上の元素、A2 は1価もしくは2価の陽イオン、Bは元素番号22〜30、40〜51、73〜80の遷移金属元素、であり、a=1のときb=3、a=2のときb=4、0≦x≦0.7の条件を満たすペロブスカイト型酸化物を用いることもできる。
【0012】この場合も、上記中間基材となるペロブスカイト型酸化物の組成中に含まれる遷移金属元素が、上記触媒成分と強固に結合し、劣化を抑制することができる。
【0013】請求項8のように、上記中間基材粒子は、粒径が1nm以上で、かつ担持する上記触媒成分の粒径以上とする。担持される上記触媒成分の粒径は、通常1nm以上であるので、これより大きい粒子とすることで上記触媒成分を確実に保持できる。また、請求項9のように、上記中間基材粒子は、球状、六面体、四面体、砲台状、凹凸を有する形状、突起物を有する形状、針状、平板状、六角柱状またはチューブ状といった形状とすることができる。
【0014】請求項10のように、上記触媒成分が、金属成分と金属酸化物成分を含む場合には、粒径の小さい上記金属成分を上記中間基材粒子に担持される上記触媒成分とするとよい。粒径の大きい上記金属酸化物成分は上記セラミック担体に直接担持させる。この時、上記セラミック担体との吸着力が弱い上記金属酸化物成分が動いても、上記中間基材粒子に結合される上記金属成分は動かないので、劣化を抑制できる。
【0015】請求項11のように、上記セラミック担体は、基材セラミック表面に触媒を直接担持可能な多数の細孔を有しており、この細孔に対して触媒成分を直接担持可能であるものを用いることができる。これにより、コート層を用いることなくセラミック担体に触媒成分を直接担持させた触媒体が得られる。
【0016】請求項12のように、上記細孔は、具体的には、セラミック結晶格子中の欠陥、セラミック表面の微細なクラック、およびセラミックを構成する元素の欠損のうち、少なくとも1種類からなる。
【0017】請求項13のように、上記微細なクラックの幅が100nm以下であると、担体強度を確保する上で好ましい。
【0018】請求項14のように、触媒成分を担持可能とするには、上記細孔が、担持する触媒イオンの直径の1000倍以下の直径あるいは幅を有するとよく、この時、上記細孔の数が、1×1011個/L以上であると、従来と同等な量の触媒成分を担持可能となる。
【0019】請求項15のように、上記セラミック担体として、基材セラミックを構成する元素のうち少なくとも1種類またはそれ以上の元素が構成元素以外の元素と置換されており、この置換元素に対して触媒成分を直接担持可能であるものを用いるいこともできる。
【0020】この場合、請求項16のように、上記置換元素上に上記触媒成分が化学的結合により担持されることが好ましい。触媒成分が化学的に結合されることにより、保持性が向上し、また、触媒成分が担体に均一分散して、凝集しにくくなるので、長期使用による劣化も小さい。
【0021】請求項17のように、上記置換元素には、その電子軌道にdまたはf軌道を有する少なくとも1種類またはそれ以上の元素を用いることができる。電子軌道にdまたはf軌道を有する元素は、触媒成分と結合しやすいため、好ましい。
【0022】請求項18のように、上記セラミック担体は、コーディエライトを成分として含むものが好適に用いられる。コーディエライトを用いることで耐熱衝撃性が向上する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。図1(a)は、本発明のセラミック触媒体の概略構成を示す図で、セラミック担体に、触媒成分としての触媒粒子および助触媒粒子を担持してなる。セラミック担体は、基材セラミック表面に触媒成分を直接担持可能な担体であり、触媒成分としての触媒粒子および助触媒粒子は、上記セラミック担体に、コート層を介さずに直接担持されている。触媒成分としての触媒粒子および助触媒粒子の担持形態は、本発明の特徴部分であり、詳細を後述する。本発明のセラミック触媒体は、コート層が不要であるため、熱容量や圧損の低減に効果があり、例えば、自動車用の排ガス浄化触媒等に好適に用いられる。
【0024】セラミック担体の基材セラミックとしては、例えば、理論組成が2MgO・2Al2 3 ・5SiO2 で表されるコーディエライトを主成分とするものが好適に用いられる。自動車用触媒に用いる場合には、通常、基材セラミックをガス流れ方向に多数の流路を有するハニカム構造に成形し、焼成してセラミック担体とする。コーディエライトは、耐熱性に優れるため、高温条件で使用される自動車用触媒に好適であるが、コーディエライト以外のセラミック、例えば、アルミナ、スピネル、チタン酸アルミニウム、炭化珪素、ムライト、シリカ−アルミナ、ゼオライト、ジルコニア、窒化珪素、リン酸ジルコニウム等を、基材セラミックとして用いることができる。また、担体形状は、ハニカム状に限らず、ペレット状、粉体状、フォーム体状、中空繊維状、繊維状等、他の形状とすることもできる。
【0025】セラミック担体は、触媒成分を直接担持可能とするために、基材セラミック表面に触媒成分を直接担持可能な多数の細孔を有するか、または触媒成分を直接担持可能な置換元素を多数有している。そして、これら細孔または置換元素に対して触媒成分を直接担持することにより、γ−アルミナ等の高比表面積のコート層を形成することなく触媒成分を担持可能とする。
【0026】まず、基材セラミックの表面に、触媒成分を直接担持可能な多数の細孔を有するセラミック担体について説明する。この細孔は、具体的には、セラミック結晶格子中の欠陥(酸素欠陥または格子欠陥)、セラミック表面の微細なクラック、およびセラミックを構成する元素の欠損のうち、少なくとも1種類からなる。これら細孔は、少なくとも1種類がセラミック担体に形成されていればよく、複数種類を組み合わせて形成することもできる。
【0027】ここで、担持される触媒成分イオンの直径は、通常、0.1nm程度であるので、コーディエライトの表面に形成される細孔は、直径あるいは幅が、0.1nm以上であれば、触媒成分イオンを担持可能であり、セラミックの強度を確保するには、細孔の直径あるいは幅が触媒成分イオンの直径の1000倍(100nm)以下で、できるだけ小さい方が好ましい。好ましくは、1〜1000倍(0.1〜100nm)とする。細孔の深さは、触媒成分イオンを保持するために、その直径の1/2倍(0.05nm)以上とすることが好ましい。この大きさで、従来と同等な量の触媒成分(1.5g/L)を担持可能とするには、細孔の数が、1×1011個/L以上、好ましくは1×1016個/L以上、より好ましくは1×1017個/L以上であるとよい。
【0028】セラミック表面に形成される細孔のうち、結晶格子の欠陥には、酸素欠陥と格子欠陥(金属空格子点と格子歪)がある。酸素欠陥は、セラミック結晶格子を構成するための酸素が不足することにより生ずる欠陥で、酸素が抜けたことにより形成される細孔に触媒成分を担持できる。格子欠陥は、セラミック結晶格子を構成するために必要な量以上の酸素を取り込むことにより生じる格子欠陥で、結晶格子の歪みや金属空格子点によって形成される細孔に触媒成分を担持することが可能となる。
【0029】具体的には、コーディエライトハニカム構造体が、酸素欠陥あるいは格子欠陥の少なくとも1種類を単位結晶格子に1個以上有するコーディエライト結晶を4×10-6%以上、好ましくは、4×10-5%以上含有する、あるいは、酸素欠陥あるいは格子欠陥の少なくとも1種類をコーディエライトの単位結晶格子当たり4×10-8個以上、好ましくは、4×10-7個以上含有すると、セラミック担体の細孔の数が上記所定数以上となる。次にこの細孔の詳細と形成方法について説明する。
【0030】結晶格子に酸素欠陥を形成するには、特願2000−104994に記載したように、Si源、Al源、Mg源を含むコーディエライト化原料を成形、脱脂した後、焼成する工程において、■焼成雰囲気を減圧または還元雰囲気とする、■原料の少なくとも一部に酸素を含まない化合物を用い、低酸素濃度雰囲気で焼成することにより、焼成雰囲気または出発原料中の酸素を不足させるか、■酸素以外のセラミックの構成元素の少なくとも1種類について、その一部を該元素より価数の小さな元素で置換する方法が採用できる。コーディエライトの場合、構成元素は、Si(4+)、Al(3+)、Mg(2+)と正の電荷を有するので、これらを価数の小さな元素で置換すると、置換した元素との価数の差と置換量に相当する正の電荷が不足し、結晶格子としての電気的中性を維持するため、負の電荷を有するO(2−)を放出し、酸素欠陥が形成される。
【0031】また、格子欠陥については、■酸素以外のセラミック構成元素の一部を該元素より価数の大きな元素で置換することにより形成できる。コーディエライトの構成元素であるSi、Al、Mgの少なくとも一部を、その元素より価数の大きい元素で置換すると、置換した元素との価数の差と置換量に相当する正の電荷が過剰となり、結晶格子としての電気的中性を維持するため、負の電荷を有するO(2−)を必要量取り込む。取り込まれた酸素が障害となって、コーディエライト結晶格子が整然と並ぶことができなくなり、格子歪が形成される。この場合の焼成雰囲気は、大気雰囲気として、酸素が十分に供給されるようにする。あるいは、電気的中性を維持するために、Si、Al、Mgの一部を放出し、空孔が形成される。なお、これら欠陥の大きさは数オングストーム以下と考えられるため、窒素分子を用いたBET法のような通常の比表面積の測定方法では、比表面積として測定できない。
【0032】酸素欠陥および格子欠陥の数は、コーディエライト中に含まれる酸素量と相関があり、上記した必要量の触媒成分の担持を可能とするには、酸素量が47重量%未満(酸素欠陥)または48重量%より多く(格子欠陥)なるようにするのがよい。酸素欠陥の形成により、酸素量が47重量%未満になると、コーディエライト単位結晶格子中に含まれる酸素数は17.2より少なくなり、コーディエライトの結晶軸のbo 軸の格子定数は16.99より小さくなる。また、格子欠陥の形成により、酸素量が48重量%より多くなると、コーディエライト単位結晶格子中に含まれる酸素数は17.6より多くなり、コーディエライトの結晶軸のbo 軸の格子定数は16.99より大きくまたは小さくなる。
【0033】さらに、元素置換によって、基材セラミック表面に触媒担持能を有する元素を多数配置したセラミック担体とすることもできる。この場合、セラミックの構成元素と置換される元素、例えば、コーディエライトであれば、酸素を除く構成元素であるSi、Al、Mgと置換される元素は、これら構成元素よりも担持される触媒成分との結合力が大きく、触媒成分を化学的結合により担持可能な元素がよい。具体的には、これら構成元素と異なる元素で、その電子軌道にdまたはf軌道を有する元素が挙げられ、好ましくはdまたはf軌道に空軌道を有するか、または酸素状態を2つ以上持つ元素が用いられる。dまたはf軌道に空軌道を有する元素は、担持される触媒成分とエネルギー準位が近く、電子の授与が行われやすいため、触媒成分と結合しやすい。また、酸化状態を2つ持つ元素も、電子の授与が行われやすく、同様の作用が期待できる。
【0034】dまたはf軌道に空軌道を有する元素の具体例には、W、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zr、Mo、Ru、Rh、Ce、Ir、Pt等が挙げられ、これら元素のうちの少なくとも1種類またはそれ以上を用いることができる。これら元素のうち、W、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Mo、Ru、Rh、Ce、Ir、Ptは、酸素状態を2つ以上持つ元素であり。酸素状態を2つ以上持つ元素の具体例としては、その他、Cu、Ga、Ge、Se、Pd、Ag、Au等が挙げられる。
【0035】これら置換元素で、セラミックの構成元素を置換する場合には、予め、置換される構成元素の原料の一部を置換量に応じて減らしておいたセラミック原料中に、置換元素の原料を添加、混練する方法を採用することができる。これを、通常の方法で、例えばハニカム状に成形し、乾燥させた後、大気雰囲気中で脱脂、焼成する。セラミック担体のセル壁の厚さは、通常、150μm以下とし、壁厚が薄いほど熱容量が小さくなるため、好ましい。あるいは、予め、置換される構成元素の原料の一部を置換量に応じて減らしておき、通常の方法で、混練、成形、乾燥させた後、置換元素を含む溶液に含浸させる方法によってもよい。これを溶液から取り出した後、同様にして、乾燥、大気雰囲気中で脱脂、焼成する。このように成形体に溶液を含浸させる方法を用いると、成形体表面に置換元素を多く存在させることができ、その結果、焼成時に表面で元素置換がおきて固溶体を生じやすくなるので、好ましい。
【0036】置換元素の量は、総置換量が、置換される構成元素の原子数の0.01%以上50%以下、好ましくは5〜20%の範囲となるようにするのがよい。なお、置換元素が、セラミックの構成元素と価数の異なる元素である場合には、価数の差に応じて格子欠陥または酸素欠陥が同時に生じるが、置換元素を複数使用し、置換元素の酸化数の和と、置換される構成元素の酸化数の和と等しくなるようにすれば、欠陥は生成しない。このように、全体として価数の変化がないようにすると、触媒成分を置換元素との結合によってのみ担持させることができる。
【0037】上記セラミック担体に担持させる触媒成分としては、通常、主触媒となるPt、Rh、Pd等の貴金属と、さらに必要に応じて付加される種々の助触媒が挙げられる。助触媒には、例えば、La、Ce等のランタノイド元素、Sc、Y、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru等の遷移金属元素、Na、K、Rb、Cs、Fr等のアルカリ金属元素、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra等のアルカリ土類金属元素等が挙げられ、これら金属元素またはその酸化物、複合酸化物の1種類または複数種類を、目的に応じて使用することができる。例えば、CeO2 を助触媒成分とする触媒は、NOx触媒として有効で、排気ガス中のCOとH2 Oを反応させてH2 とCO2 を生成し、生成したH2を用いてNOxを還元浄化する。CeO2 のCeをZr等に置換した酸化物も、同様の作用を有する。その他、酸素吸蔵能、劣化抑制等、種々の作用を有する助触媒成分を付加することができる。
【0038】本発明の特徴は、上記セラミック担体にこれら触媒成分を担持させる際に、その少なくとも一部を、中間基材粒子に触媒成分を担持した触媒粒子として担持させることにある。中間基材粒子に担持させる触媒成分は、通常、触媒粒径が小さく、そのまま直接担持させると触媒粒径が大きい助触媒粒子の移動によって、基材セラミックとの結合が切れるおそれがある金属成分であり、例えば、図1(a)では、主触媒である触媒貴金属と、金属酸化物を除く助触媒を中間基材粒子に担持させて触媒粒子を構成している。金属酸化物からなる助触媒、例えば、CeO2 等は、中間基材粒子に担持させずに、そのまま助触媒粒子として直接担持させる。
【0039】中間基材には、コーディエライトやペロブスカイト型酸化物、その他の金属酸化物系セラミックが好適に用いられる。特に、中間基材が遷移金属元素を含有していると、担持させる触媒貴金属等との結合が強固になるため、好ましい。組成中に遷移金属元素を含まない場合は、基材構成元素の少なくとも一部を遷移金属元素と置換することにより、遷移金属元素を導入することができ、例えば、コーディエライトであれば、酸素を除く構成元素であるSi、Al、Mg、好ましくはSiサイトを遷移金属元素で置換した置換コーディエライトの粒子を、中間基材粒子とするとよい。置換コーディエライトの製造は、上記セラミック担体の基材セラミックにおける元素置換と同様の方法で行うことができる。遷移金属元素の具体例としては、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、In、Sn、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Hf、Ta、Wの中から選ばれる1種またはそれ以上の元素が挙げられ、この遷移金属元素に触媒貴金属等の触媒成分が化学的に結合することにより、担持される。
【0040】コーディエライト以外にも、種々の金属酸化物を中間基材として用いることができる。これら金属酸化物としては、例えば、アルミナ系(γ−、θ−、α−Al2 3 )、SiO2 ・Al2 3 系、SiO2 ・MgO系、ゼオライト系(X型、Y型、A型、ZSM−5型)、SiO2 、MgO、TiO2 、ZrO2 、Al2 3 ・ZrO2 、Al2 3 ・TiO2 、TiO2 ・ZrO2 、SO4 /ZrO2 、SO4 /ZrO2 ・TiO2 、SO4 /ZrO2 ・Al2 3 、6Al2 3 ・BaO、11Al2 3 ・La2 3 、モルデナイト、シリカライト等の粒子が挙げられる。また、活性炭等、その他の吸着性の粒子を用いることもできる。
【0041】あるいは、中間基材に、一般にA・B・O3 で表されるペロブスカイト型酸化物を用いることもできる。図1(b)はペロブスカイト型結晶構造を示す図で、特に、一般式:(A1 (a-x) ・(A2 X ・B・Ob で表され、式中、A1 はLa、Ce、Pr、Ndのうちの2種以上の元素、A2 は1価もしくは2価の陽イオン(Na、K、Ca、Sr、Ba、Pb、Co、Ni等)、Bは元素番号22〜30、40〜51、73〜80の遷移金属元素、であり、a=1のときb=3、a=2のときb=4、0≦x≦0.7の条件を満たすペロブスカイト型酸化物が好適に用いられる。この時、図1(b)のように、ペロブスカイト型結晶のBサイトに入る遷移金属元素が、触媒貴金属等と化学的に結合するため、中間基材と触媒成分の結合を強固にできる。
【0042】中間基材粒子の粒径は、通常、1nm以上で、かつ担持する触媒成分の粒径以上とする。主触媒である触媒貴金属の粒径は、通常、1nm以上100nm以下であり、金属酸化物よりなる助触媒粒子は、通常、10nm以上100nm以下の粒径を有するので、望ましくは、中間基材粒子の粒径を、助触媒粒子と同様の10nm以上100nm以下の範囲で、担持する触媒成分の粒径以上となるように適宜設定するとよい。また、中間基材粒子の形状は、特に限定されず、例えば、略球状(半球状)以外に、六面体、四面体等の多面体状、砲台状、凹凸を有する形状、突起物を有する形状、針状、平板状、六角柱等の多角柱状またはチューブ状等、種々の形状とすることができる。一般に、球状よりもそれ以外の形状の方が、比表面積が大きくなり、担持する触媒成分の量を多くすることができる。
【0043】上記構成のセラミック触媒体は、触媒粒径の小さい主触媒と助触媒の一部をまず中間基材粒子に化学結合により担持させて動きにくくしてから、この触媒粒子をセラミック担体に直接担持させたので、触媒の凝集による劣化を防止することができる。すなわち、触媒成分とセラミック担体の基材セラミックとの結合力の強さは一様ではなく、触媒成分や基材によって結合力に大小が生じる。例えば、置換元素を導入したコーディエライトはPt等の触媒貴金属と強固に結合するが、CeO2 等の酸化物との結合力は比較的弱い。このため、図2(a)に示すように、主触媒であるPt、Pd、Rh等の貴金属と、CeO2 等の助触媒の両方を、セラミック担体の基材セラミックに直接担持した場合、吸着していないCeO2 等の助触媒粒子が熱等によって動き回ると、粒子径の小さい主触媒を引き剥がしてしまい、粒径の増大による劣化をまねく。
【0044】これに対し、図2(b)に示すように、主触媒である貴金属等を、置換コーディエライトやペロブスカイトからなる中間基材粒子に担持させた触媒粒子とした場合には、助触媒粒子が動き回っても、粒径が比較的大きい中間基材粒子の移動は抑制される。中間基材粒子が動いても、中間基材粒子と強く結合している主触媒や助触媒は移動しないので、触媒の凝集は生じにくく、触媒性能の低下を防止することができる。この時、セラミック担体が、コーディエライト等の基材セラミックをW、Co、Ti等で置換した直接担持担体であると、中間基材である置換コーディエライトやペロブスカイトが、担体に導入された置換元素に強い結合力を有するので、より効果的である。
【0045】上記構成のセラミック触媒体を製造する方法としては、図3(a)〜(c)のいずれかを採用することができる。図3(a)は、最初に中間基材粒子に触媒を担持させる方法で、■粉末状の中間基材粒子を、触媒(主触媒または助触媒)を含む触媒溶液またはスラリーに浸漬して、中間基材粒子に触媒を担持させる。
■溶液またはスラリーを乾燥させた後、細かく粉砕し、炉で焼き付ける(100℃以上1000℃以下)。炉で焼き付けは、溶液によって不要な場合もある。
■中間基材粒子に担持する触媒が複数ある場合には、以上の工程を繰り返して、中間基材粒子に触媒(主触媒および助触媒)を担持させた触媒粒子とする。触媒溶液をミスト状に吹き付けてから乾燥させ、粉状としてもよい。
■この触媒粒子を溶液中に分散させ、細孔または置換元素に触媒成分を直接担持可能なセラミック担体を浸漬して、触媒粒子を担持させ、炉で焼き付ける(100℃以上1000℃以下)。
【0046】図3(b)は、最初にセラミック担体に中間基材粒子を担持させる方法で、■粉末状の中間基材粒子を、酸、アルカリまたは水等の中に入れて分散させ、セラミック担体を浸漬して、中間基材粒子を担持させる。
■中間基材粒子を担持させたセラミック担体を、炉で焼き付ける(100℃以上1000℃以下)。
■このセラミック担体を触媒を含む触媒溶液に浸漬して、中間基材粒子に触媒を担持させ、炉で焼き付ける(100℃以上1000℃以下)。触媒は中間基材粒子と結合しやすいため、選択的に中間基材粒子に担持されて触媒粒子を形成する。
【0047】図3(c)は、触媒の中間基材粒子への担持と、中間基材粒子のセラミック担体への担持を同時に行う方法で、■触媒を含む溶液またはスラリー中に粉末状の中間基材粒子を分散させる。
■この溶液またはスラリー中にセラミック担体を浸漬すると、触媒は中間基材粒子と結合しやすいため、選択的に中間基材粒子に担持されて触媒粒子を形成し、この触媒粒子がセラミック担体に担持される。
■炉で触媒、中間基材粒子をセラミック担体上に焼き付ける(100℃以以上1000℃以下)。
【0048】いずれの方法による場合も、金属酸化物からなる助触媒を使用する場合には、さらに、助触媒粒子を分散させた溶液中にセラミック担体を浸漬し、炉で焼き付ける。これにより、触媒を中間基材粒子に担持させた触媒粒子と、助触媒粒子が直接担持したセラミック触媒体が得られる。
【0049】なお、図1、2では、中間基材粒子に主触媒と助触媒の一部を担持させて触媒粒子としたが、中間基材粒子に主触媒と助触媒の両方を担持させる必要はなく、CeO2 等の金属酸化物以外の助触媒を用いない場合には、主触媒である貴金属のみを触媒粒子に担持すればよい。また、助触媒成分を全く用いず、中間基材粒子に主触媒を担持した触媒粒子のみを、セラミック担体に直接担持させた構成としてもよい。このような構成とすることで、セラミック担体の基材セラミックと主触媒の結合が弱い場合でも、主触媒との結合力が強い中間基材粒子を用いることによって、劣化を抑制する効果が得られる。セラミック担体の基材セラミックと主触媒の結合が強い場合も、中間基材粒子を用いることで、触媒担持面積が増大するので、触媒担持量を増加できる。
【0050】また、触媒粒径の小さい主触媒を基材セラミックに直接担持すると、基材の内部深くに入り込み、機能しない触媒が生じるが、中間基材粒子を用いることで、これを防止することができ、触媒担持量当たりの浄化率が高くなる。なお、従来のγ−アルミナ等のコート層が基材セラミック表面の全面を被覆するのに対し、本発明は粒子状の中間基材が、基材セラミックの細孔もしくは置換元素に直接担持されており、図4のように、各中間基材粒子(同じ組成の粒子が寄り集まって形成する塊)の間には、隙間が形成される。つまり、中間基材の使用量は、γ−アルミナ等のコート層に比べて少量(1/2以下)で、基材セラミック表面を被う割合も少ない(1/2以下)ので、低熱容量、低圧損の効果を保持できる。さらに、図5(a)、(b)に簡略図を示すように、本発明の中間基材粒子の大きさ、厚さは、コート層を形成するγ−アルミナの粒子より小さく(1/2以下)、粒子の数が多いので(2倍以上)、比表面積が大きく、触媒担持量を多くできる。
【0051】次に、本発明を適用したNOx触媒を製作し、その効果を確認した。NOx触媒の製造方法は以下の通りとした。まず、コーディエライト化原料として、タルク、カオリン、アルミナ、水酸化アルミニウムと、Si元素の40%を価数の異なる2種類の元素(W、Co)で置換するために、これら元素の酸化物(WO3、CoO)を使用し、コーディエライトの理論組成点付近となるように調合した。この原料に、バインダ、潤滑剤および保湿剤、水分を適量添加し、セル壁厚100μm、セル密度400cpsi、直径50mmのハニカム形状に成形した。このハニカム構造体を大気雰囲気で1260℃で2時間保持することにより焼成して、置換元素(W、Co)に触媒成分を直接担持可能なセラミック担体とした。
【0052】一方、中間基材としてペロブスカイト型酸化物を用い、下記式La0.9 ・Ce0.1 ・Fe0.6 ・Co0.4 ・O3で表されるペロブスカイト組成となるように、クエン酸錯体を用いた公知の方法で原料を調製し、焼成した後、粉砕して、粉末状の中間基材を得た(10nm≦粒径≦100nm)。この粉末状の中間基材を、主触媒となるPt、Pd、Rdを含む触媒溶液(1nm≦触媒粒径≦100nm)に入れて攪拌し、中間基材粒子に主触媒を担持させた。触媒溶液から取り出した中間基材粒子を、粒径が10nm〜100nmとなるように粉砕し、炉で焼き付けて(600℃)、触媒粒子とした。得られた触媒粒子と、助触媒となるCeO2 粉末を蒸留水に溶かしてスラリ−状としたものを、溶液中で分散させ、この溶液中に、上記のようにして作製した直接担持セラミック担体を浸漬して、主触媒を含む触媒粒子と助触媒粒子を担持させた。これを炉で焼き付けて(600℃)、本発明のセラミック触媒体とした。
【0053】得られたセラミック触媒体のNOx浄化性能を、新品時と劣化後(大気雰囲気、1000℃で24時間耐久後)でそれぞれ調べて、図6に示した。また、図6には、比較のため、同様にして作製した直接担持セラミック担体(W、Co置換)に、中間基材粒子を用いずに主触媒であるPt、Pd、Rhを直接担持させ、助触媒であるCeO2 を担持させない場合と、中間基材粒子を用いずに主触媒であるPt、Pd、Rhを直接担持させ、かつ助触媒であるCeO2 を直接担持させた場合についても、新品時と劣化後のNOx浄化性能をそれぞれ示した。
【0054】図6の比較品の結果から明らかなように、助触媒であるCeO2 を担持しない場合、新品時と劣化後のNOx浄化性能の差は、0.01g/mileと少ないが、検出されるNOxは、0.23g/mile(劣化後)と高い値となってしまう。また、助触媒であるCeO2 を担持した場合、新品時はNOxが0.17g/mileと低い値で浄化性能が大きく向上するが、新品時と劣化後のNOx浄化性能の差は、0.05g/mileと逆に増大してしまう。この原因は、助触媒であるCeO2 の粒子が、セラミック担体の基材セラミックとの吸着力が弱く、熱等によって動き回る時に主触媒を引き剥がしているためと推測させる。これに対し、本発明のセラミック触媒体は、新品時に高いNOx浄化性能を示すと同時に(NOx:0.17g/mile)、新品時と劣化後のNOx浄化性能の差が0.01g/mileと減少しており、主触媒を中間基材粒子に担持させた触媒粒子を用いることで、CeO2 の粒子による触媒の劣化を抑制して、新品時の浄化性能を長期に渡り保持できることが分かる。
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社日本自動車部品総合研究所
【住所又は居所】愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地
【出願日】 平成13年11月29日(2001.11.29)
【代理人】 【識別番号】100067596
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 求馬
【公開番号】 特開2003−164760(P2003−164760A)
【公開日】 平成15年6月10日(2003.6.10)
【出願番号】 特願2001−363842(P2001−363842)