| 【発明の名称】 |
濾材提供システム、リガンド選択プログラム、及び、サーバ |
| 【発明者】 |
【氏名】吉田 一 【住所又は居所】大分県大分市大字里2111番地2 旭メディカル株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】個々のもつ様々な用途に応じた特定物質の分離の要望や提案を広く受け入れ、新たな濾材による分離方法を発掘することができる濾材提供システムを提供する。
【解決手段】人体組織からの特定細胞の分離等、ある混合物から特定物質を分離したいと要望する顧客3が、その特定物質、混合物に関する情報等分離に必要な情報を用途情報J1としてインターネット等に接続されたサーバ2に登録する。リガンドメーカー1も同様に、リガンドに関するリガンド情報J2をサーバ2に登録する。濾材提供者4は、この登録された情報により用途に適合するリガンドR1を選択し、リガンドメーカーからリガンドR1を入手し、濾材に固定後、固定濾材R2を顧客3に提供する。その後、濾材提供者4は、濾材の用途や使用方法、実績に関する情報を固定濾材情報J3としてサーバに登録する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の物質の混合物から特定物質の分離を求める顧客に、前記特定物質に対し特異的に結合することにより前記特定物質を分離するリガンドを選択し、前記選択されたリガンドを固定した固定濾材を提供する濾材提供システムであって、前記リガンドのメーカーが前記リガンドに関する情報として登録するリガンド情報と、前記顧客が前記リガンドにより前記特定物質を分離させるための情報として登録する用途情報と、を保持するサーバを含み、前記サーバに保持された情報を参照することにより前記特定物質を分離させるための前記リガンドを選択し、この選択されたリガンドを濾材提供者が濾材に固定して前記顧客に提供するようにしたことを特徴とする濾材提供システム。 【請求項2】 前記サーバは、前記リガンドメーカーと、前記顧客とに通信回線により接続されており、前記通信回線を介して前記リガンド情報及び前記用途情報を登録できるようにしたことを特徴とする請求項1記載の濾材提供システム。 【請求項3】 前記リガンドの選択は、前記サーバに保持された情報を参照可能な濾材提供者が行い、前記濾材提供者が前記選択したリガンドを前記濾材に固定して前記顧客に提供することを特徴とする請求項1又は2記載の濾材提供システム。 【請求項4】 前記サーバは、前記選択されたリガンドが固定された前記濾材に関する情報である固定濾材情報を更に保持することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の濾材提供システム。 【請求項5】 前記サーバに登録された情報は、前記顧客に対して開示可能であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の濾材提供システム。 【請求項6】 前記サーバに登録される情報の登録を行う者が、該登録した情報の開示を希望しない場合には、前記情報の開示を不可能にするための開示制限手段を有することを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の濾材提供システム。 【請求項7】 前記サーバは、更に、前記濾材提供者が前記リガンドの選択を行うためのリガンド選択手段を有することを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載の濾材提供システム。 【請求項8】 前記リガンド情報は、少なくとも前記リガンドが特異性を示す物質についての対象物質情報を含むことを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載の濾材提供システム。 【請求項9】 前記用途情報は、少なくとも分離を求める特定物質についての特定物質情報を含むことを特徴とする請求項1〜8いずれか1項に記載の濾材提供システム。 【請求項10】 前記リガンドは、抗体であることを特徴とする請求項1〜9いずれか1項に記載の濾材提供システム。 【請求項11】 前記リガンドは、ポリペプチドであることを特徴とする請求項1〜10いずれか1項に記載の濾材提供システム。 【請求項12】 前記濾材は、不織布であることを特徴とする請求項1〜11いずれか1項に記載の濾材提供システム。 【請求項13】 前記特定物質は、特定の細胞であることを特徴とする請求項1〜12いずれか1項に記載の濾材提供システム。 【請求項14】 顧客の用途に適合した最適なリガンドを選択するリガンド選択プログラムであって、複数のリガンドそれぞれについての該リガンドが高い親和性を示す対象物質情報と、分離を求める特定物質についての特定物質情報と、を比較することにより前記リガンドを選択する選択ステップを含むことを特徴とするリガンド選択プログラム。 【請求項15】 前記選択ステップは、更に、前記特定物質に対し特異的に結合し得る複数のリガンドのうち、前記リガンド情報に含まれる各情報につけられた前記選択における優先順位をもとに、より優先順位の高い前記情報においてより高い適性を示す前記リガンドを選択することを特徴とする請求項14記載のリガンド選択プログラム。 【請求項16】 顧客の用途に適合した最適なリガンドを選択し、濾材に該リガンドを固定後、顧客に提供する濾材提供システムに用いるサーバであって、特定物質に対し特異性を示すリガンドに関してのメーカーが登録するリガンド情報と、前記顧客が前記リガンドにより前記特定物質を分離させるための用途情報とを保持する情報保持手段と、前記情報保持手段に保持された情報を参照することにより前記特定物質に対し特異的に結合して混合物より前記特定物質を分離するための前記リガンドを選択するリガンド選択手段とを含むことを特徴とするサーバ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【従来の技術】混合物からの特定の物質を分離する技術は、再生医療の分野等において頻繁に用いられる。例えば、血液中から特定機能の細胞を分離して、外部において培養することにより増幅し、患者へ適用する過程において、人体より採取した血液には、多種類の物質が混在する。このため、増幅前にこの混在する夾雑物を取り除き、必要な特定細胞のみを分離・培養する必要があるからである。 【0002】この細胞やタンパク質の分離においては、特定の分離すべき物質に対して強い親和性を示すリガンドを固定した濾材を用いた方法が用いられる。この分離方法においては、リガンドが固定された濾材に分離すべき物質を含む液体の溶媒等を通過させることにより、特定物質のみをリガンドに吸着させて分離する。これにより、細胞等の複雑な構造を維持し、かつ、その分子中のわずかな構造的特徴を認識して、混合物から高い精度で分離を行うことができる。 【0003】濾材には、リガンドを固定するための固定面と、溶媒を通すための適度な空隙とを形成するものを用いる。例えば、図10(A)に示されるポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタラート(PET)を使用した不織布濾材21等が用いられる。この不織布濾材21を拡大した図が、同図(B)である。同図に示されるように、不織布濾材21は、その固定面にリガンドである抗体22が固定され、かつ、適度な空隙を形成している。 【0004】リガンドは、特定物質に対して特異的に結合する分子である。例えば、特定の細胞や生体高分子を分離する場合においては、同図(B)に示されるように、抗体22が用いられる。抗体22は、細胞中のタンパク質等の分子に特異的に結合するため、この抗原を含む細胞20のみを分離することができる。同図(B)には、不織布濾材21に固定された抗体22に特定細胞20が結合し、結合状態をとった抗体23が示されている。リガンドには、抗体22のほかに、抗体22の抗原との結合部位のみを有するポリペプチドや、逆に抗体に特異的に結合する抗原等特異的な結合をする多くの分子を用いることができる。 【0005】上記方法により特定の細胞等の分離を希望する顧客が、その分離に使用する濾材を入手する場合には、図11に示されるような濾材提供システムが用いられるのが一般的である。以下、同図に示される濾材提供システムについて、図12のフローチャートで示される濾材提供者4の役割を中心として、説明する。最初のステップS401においては、濾材提供者4が顧客3よりどのような物質を分離するのかという濾材の用途Jについての要望や提案を受ける。このステップにおいては、濾材提供者4と顧客3とが直接面談することにより、顧客3の用途Jについての細かな要望あるいは提案を受ける。 【0006】この用途Jについての要望・提案は、どのような特定の物質、すなわち特定物質をどのような混合物中から分離するのかについてのものであり、例えば、臍帯血中からヒト造血幹細胞を分離したい、あるいは、骨髄組織から未分化細胞を濾材を用いて分離できないかというようなものである。ゆえに、用途Jについての要望・提案は、非常に多様なものとなり、分離の可能性も極めて低く実現性のないものから、類似の分離実績が多数存在し分離可能性が高いものまで幅広い。このため、上述のように、分離を行うには、このような多様な用途Jから特定物質がどのリガンドに対応するのかについての情報を見出さなければならない。 【0007】上記の例のように、ヒト造血幹細胞を分離するためには、ヒト造血幹細胞がどのようなリガンドに対応するかの情報を得る必要がある。しかし、実際においては、用途Jについての要望・提案の段階において、特定物質がどのリガンドに対応するのか判明していない場合も多い。ゆえに、この面談においては、用途Jについての様々な要望から、この対応するリガンドを見つけるために、特定物質についての情報、混合物についての情報、その他必要な情報をできる限り入手する。上記の例においては、ヒト造血幹細胞についてそれがどのような構造であり、どのような反応性が確認され、どのような対応するリガンドが確認され、また同様の分離を行った例、例えば臍帯血ではなく骨髄液からの造血幹細胞の分離等が存在するか等、必要な情報を集め、分離を行うためのリガンドを選択する際に利用する。 【0008】次のステップS402においては、顧客3から用途Jについての要望を受けた濾材提供者4が、その特定物質を分離することができるように、特定物質に特異的に結合するリガンドを選択する。この選択においては、ステップS402において濾材提供者4が顧客3の要望・提案について収集、整理した用途Jに関する情報だけでなく、リガンドに関するリガンド情報J2が必要である。このリガンド情報J2は、リガンドが特異性を示す対象物質、その対象物質との結合力、及び、リガンドを取り扱うために必要なリガンド自身についての情報などである。リガンド情報J2は、図10に示されるように、濾材提供者4がリガンドメーカー1からあらかじめ入手する。 【0009】リガンドの選択は、用途Jに関する情報と、リガンド情報J2とを突き合わせ、特定物質に特異性を示すリガンドを抽出することにより行う。この時点において、特異性を示すリガンドが複数抽出されることもある。例えば、このリガンドに多用される抗体と、抗体と特異的に反応する抗原との関係においては、通常は、1つの抗原に結合する抗体は複数となるからである。これは、抗体が抗原の全部の構造に対してではなく、その一部の構造である特定の抗原決定基に対し反応性を示すことによる。すなわち、抗体は、互いに異なる抗体が特異性を示す複数の抗原決定基を有する場合があるからである。 【0010】また、抽出された抗体が一定の用途、すなわち、ある混合物における特定物質の分離には使用することができない場合がある。これは、抗体と抗原との関係においては、上記の1つの抗原に複数の抗体が対応するのとは逆に、1つの抗体に複数の抗原が対応することがあるからである。これは、互いに異なる複数の物質が、共通の抗原決定基を有することによる。このため、抽出された抗体が、混合物中の夾雑物に対して、特定物質に対するよりも強い特異性を示す場合には、夾雑物の方がより多く抗体と結合し、分離の精度を上げることができないからである。 【0011】このように、リガンドによる特定物質の分離は、個々の用途、すなわち特定物質の性質、反応性、夾雑物の種類等の様々な使用条件に応じて、最適なリガンドが変化する。このため、選択は入手できるあらゆる情報を十分検討し、行う必要がある。ステップS403においては、ステップS402においてリガンドの選択を行った濾材提供者4が顧客3に、選択したリガンドを固定した固定濾材について提案する。顧客3が、この提案した固定濾材の使用、また提案が複数ある場合にはその一部の使用、を決定した場合には、該固定濾材作成のための次のステップに移行する。しかし、顧客3が固定濾材について更に提案や要望がある場合には、再びステップS402によってリガンドの選択を行う。 【0012】ステップS404においては、濾材提供者4が、ステップS403において決定された濾材に固定すべきリガンドR1を、リガンドメーカー1へ発注し、入手する。ステップS405においては、ステップS404において入手したリガンドR1を濾材提供者4が濾材に固定する。このリガンドR1を濾材に固定する固定技術には、専門の技術が必要とざれる場合がある。例えば、濾材にPPの不織布を用いた不織布濾材においては、PPに2−Hydroxymetyl−iodoacetoamideを結合させる過程を経て、リガンドを固定する。 【0013】ステップS406においては、ステップS405において固定した濾材を、濾材提供者4が顧客3に提供する。 【0014】 【発明が解決しようとする課題】上述したように、特定の物質に特異的に結合するリガンドを用いた物質の分離を行うためには従来の濾材提供システムによって、固定濾材を入手する。又、上記のように、濾材の性質上、分離をしたいという要望は様々であり、濾材の使用条件は個々の利用ケースに応じて微妙に異なることから、一定の用途に使用する固定濾材は利用ケースに応じて個別に設計せざるを得ない。 【0015】しかし、従来の濾材提供システムにおいては、濾材提供者が直接顧客と面談することにより用途についての要望・提案を受け、その設計及び作成を行っている。このため、様々な分離したいという要望や提案が存在するにもかかわらず、それらが十分に顕在化していない。また、多数のリガンドが様々な分野で、様々な用途において潜在的な使用可能性を有するにもかかわらず、十分に利用されていなかった。 【0016】本発明の目的は、これら十分に顕在化していない特定物質の分離の要望や提案を広く受け入れ、その要望や提案を検討することにより、濾材の新たな用途を発掘することができる濾材提供システム、リガンド選択プログラム、及び、サーバを提供することにある。 【0017】 【課題を解決するための手段】本発明の請求項1による濾材提供システムは、複数の物質の混合物から特定物質の分離を求める顧客に、前記特定物質に対し特異的に結合することにより前記特定物質を分離するリガンドを選択し、前記選択されたリガンドを固定した固定濾材を提供する濾材提供システムであって、前記リガンドのメーカーが前記リガンドに関する情報として登録するリガンド情報と、前記顧客が前記リガンドにより前記特定物質を分離させるための情報として登録する用途情報と、を保持するサーバを含み、前記サーバに保持された情報を参照することにより前記特定物質を分離させるための前記リガンドを選択し、この選択されたリガンドを濾材提供者が濾材に固定して前記顧客に提供するようにしたことを特徴とする。 【0018】本発明の請求項2による濾材提供システムは、請求項1において、前記サーバは、前記リガンドメーカーと、前記顧客とに通信回線により接続されており、前記通信回線を介して前記リガンド情報及び前記用途情報を登録できるようにしたことを特徴とする。本発明の請求項3による濾材提供システムは、請求項1又は2において、前記リガンドの選択は、前記サーバに保持された情報を参照可能な濾材提供者が行い、前記濾材提供者が前記選択したリガンドを前記濾材に固定して前記顧客に提供することを特徴とする。 【0019】本発明の請求項4による濾材提供システムは、請求項1〜3いずれか1項において、前記サーバは、前記選択されたリガンドが固定された前記濾材に関する情報である固定濾材情報を更に保持することを特徴とする。本発明の請求項5による濾材提供システムは、請求項1〜4いずれか1項においてにおいて、前記サーバに登録された情報は、前記顧客に対して開示可能であることを特徴とする。 【0020】本発明の請求項6による濾材提供システムは、請求項1〜5いずれか1項においてにおいて、前記サーバに登録される情報の登録を行う者が、該登録した情報の開示を希望しない場合には、前記情報の開示を不可能にするための開示制限手段を有することを特徴とする。本発明の請求項7による濾材提供システムは、請求項1〜6いずれか1項において、前記サーバは、更に、前記濾材提供者が前記リガンドの選択を行うためのリガンド選択手段を有することを特徴とする。 【0021】本発明の請求項8による濾材提供システムは、請求項1〜7いずれか1項において、前記リガンド情報は、少なくとも前記リガンドが特異性を示す物質についての対象物質情報を含むことを特徴とする。本発明の請求項9による濾材提供システムは、請求項1〜8いずれか1項において、前記用途情報は、少なくとも分離を求める特定物質についての特定物質情報を含むことを特徴とする。 【0022】本発明の請求項10による濾材提供システムは、請求項1〜9いずれか1項において、前記リガンドは、抗体であることを特徴とする。本発明の請求項11による濾材提供システムは、請求項1〜10いずれか1項において、前記リガンドは、ポリペプチドであることを特徴とする。本発明の請求項12による濾材提供システムは、請求項1〜11いずれか1項において、前記濾材は、不織布であることを特徴とする。 【0023】本発明の請求項13による濾材提供システムは、請求項1〜12いずれか1項において、前記特定物質は、特定の細胞であることを特徴とする。本発明の請求項14によるリガンド選択プログラムは、顧客の用途に適合した最適なリガンドを選択するリガンド選択プログラムであって、複数のリガンドそれぞれについての該リガンドが高い親和性を示す対象物質情報と、分離を求める特定物質についての特定物質情報と、を比較することにより前記リガンドを選択する選択ステップを含むことを特徴とする。 【0024】本発明の請求項15によるリガンド選択プログラムは、請求項14において、前記選択ステップは、更に、前記特定物質に対し特異的に結合し得る複数のリガンドのうち、前記リガンド情報に含まれる各情報につけられた前記選択における優先順位をもとに、より優先順位の高い前記情報においてより高い適性を示す前記リガンドを選択することを特徴とする。本発明の請求項16によるサーバは、顧客の用途に適合した最適なリガンドを選択し、濾材に該リガンドを固定後、顧客に提供する濾材提供システムに用いるサーバであって、特定物質に対し特異性を示すリガンドに関してのメーカーが登録するリガンド情報と、前記顧客が前記リガンドにより前記特定物質を分離させるための用途情報とを保持する情報保持手段と、前記情報保持手段に保持された情報を参照することにより前記特定物質に対し特異的に結合して混合物より前記特定物質を分離するための前記リガンドを選択するリガンド選択手段とを含むことを特徴とする。 【0025】 【発明の実施の形態】次に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明において参照する各図においては、他の図と同等の部分が同一符号によって示されている。濾材提供者が顧客に濾材を提供するまでの濾材提供システムは、図1に示されている。 【0026】本システムにおいては、濾材提供者4は、図12のフローチャートに示されている従来の役割と、基本的に同様な流れによって顧客に固定濾材を提供する。すなわち、濾材提供者4が顧客3から特定物質を分離したいという要望や提案を収集し、その用途に適合するリガンドR1を選択し、リガンドR1をリガンドメーカー1から入手し、リガンドR1を濾材に固定し、固定濾材R2を顧客4に提供する。しかし、顧客3と濾材提供者4との間、濾材提供者4とリガンドメーカー1との間、及び、リガンドメーカー1と顧客3との間に新たにサーバ2が設置され、このサーバ2によってそれらの間の情報のやり取りを行っている。 【0027】以下、サーバの構成及びその処理を中心に、図1に示される本実施例にかかる濾材提供システムを説明する。サーバ2は、本実施例においては、図2に示されるように、入力部16と、情報保持部14と、リガンド選択プログラム11と、参照制御プログラム12と、制御部13と、表示部15と、を含んで構成される。入力部16は、リガンドメーカー1と、顧客3と、濾材提供者4と、がサーバ2に渡す情報を受け付ける。 【0028】表示部15は、入力部16と同様に、サーバ2に接続される者にサーバ2からの情報を表示する。制御部13は、入力部16と、表示部15と、情報保持部14と、参照制御プログラム12と、リガンド選択プログラム11と、をつなぎ、図2の矢印に示されているように、それらの間の命令及びデータのやり取りを制御する。情報保持部14は、濾材提供システムにおいてリガンドメーカー1と、顧客3と、濾材提供者4と、の間にやり取りされる情報を保持する。情報保持部14は、周知のハードディスク装置や、光ディスク装置、半導体メモリ装置等によって構成されている。 【0029】情報保持部14に保持される情報には、用途情報J1と、リガンド情報J2と、固定濾材情報J3とが含まれる。リガンド情報J2は、上述のように、分離を行うためのリガンドを選択するために必要なリガンドに関する情報である。特定物質との関連付けを行うために、リガンドが特異性を示す対象物質に関する対象物質情報と、その反応についての情報、リガンドを取り扱うために必要なリガンド自身についての情報などがある。 【0030】リガンドが抗体である場合に、リガンド情報J2に含められる情報が、図3に示されている。同図を参照すると、リガンド情報J2には、例えば「抗体の名称」、「抗体が特異性を示す対象物質」、「抗体の由来動物」、「抗体のクラス」、「価格」、「抗体の製造方法(マウス腹水、培養など)」、「夾雑タンパク質に関する情報(質、量)」、「抗体の結合力(アフィニティー:Affinity)」、「安全性に関する情報」、「供給量」、「権利関係に関する情報」、「抗体のサブクラス」、「製造元」、「使用実績」などの項目がある。 【0031】例に示される情報のうち、「抗体が特異性を示す対象物質」は、特定物質との関係を示す情報であり必須の対象物質情報である。この情報としては、対象物質、例えば抗体が結合するタンパク質の名称等を記録する。判明している場合には、抗原決定基のアミノ酸配列等、できる限り細かい部分を表すとよい。「抗体の由来動物」は、抗体の抗原性に関係する情報であり、マウス、ヒト等抗体が作成された由来動物を記録する。これらの情報は、特に、特定物質に対応する抗体が複数存在するような場合に、それらのうち分離に最適なリガンドを選択するような際にも役立つ。例えば、マウスの抗体に対する反応性を有する物質が、対象物質を含む混合物中に共存する場合、マウスの抗体は利用に適さない。 【0032】又、リガンドがペプチドである場合は、図示しないが、例えば「ペプチドの名称(アミノ酸配列、分子量、純度)」、「ペプチドが結合する対象物質」、「ペプチドの製造方法(合成物、天然物質の分解物など)」、「ペプチドの由来物質」、「ペプチドの結合力(アフィニティー:Affinity)」、「生体内での分解性、分解酵素の種類」、「安全性、安定性に関する情報」、「供給量」、「権利関係に関する情報」、「製造元」、「使用実績」などの項目がある。 【0033】図3には、これらの情報の例として、抗CD34抗体についての情報が示されている。これらリガンド情報J2は、1つのリガンド情報J2、すなわちリガンド情報J2の1レコードにつき、例に示されるような各項目に対する情報を集めて、データベースに登録される。ただし、本実施例においては、上記に列挙した各項目全てを1レコードとして限定するものではない。また、項目には、情報が存在しない空の情報を含んでいてもよい。 【0034】また、サーバ2へのリガンド情報J2の登録時においては、これら項目を明示的に列挙するとよい。これにより、登録主体が異なっても登録されるデータを統一し、選択時において、統一的な方法で選択が行えるからである。同様の理由で、この項目に登録する情報は、利用する分野における統一した名称を使用するようにする。複数の表記方法がある場合には、あらかじめ選択肢を提示する等の対策を講じてもよい。 【0035】このリガンド情報J2は、主に、当該リガンドを販売するリガンドメーカー1が、リガンドメーカー1が有する端末等から、電話回線等の通信回線によって接続されたサーバに情報を送信することにより行う。又、濾材提供者4が個別に入手した情報に基づき、登録を行ってもよい。この情報の送信は、インターネットを経由して行うことが望ましい。こうすれば従来においてはなかなか連携の取れなかった新規リガンドの開発を行うベンチャー企業等を含め、より多くのリガンドメーカーによる情報の送信を可能とすることができる。しかし、この場合には、情報の信頼性が問題となるため、あらかじめリガンドメーカーを登録し、情報送信時にパスワード入力を求める等、送信元の認証を行うようにするのが望ましい。 【0036】このように、サーバ2に接続したリガンドメーカー1により広く、簡便にリガンド情報J2の登録を行わしめることにより、リガンド情報2をより多く、統一的に蓄積することができる。これにより、顧客3にとっては、多様な物質の分離可能性が広がり、濾材提供者4及びリガンドメーカー1にとっては、新たなリガンドの用途開発による販路拡大の可能性が大きくなる。用途情報J1は、上述のように、特定物質の分離を希望する顧客3が、その分離を行うための濾材の用途について登録する情報である。 【0037】この用途情報J1に含まれる情報は、図4に示されている。同図を参照すると、用途情報J1には、例えば「分離をすべき特定物質」、「所在または混合物の種類」、「特定物質表面の抗原タンパク質又は抗原決定基」、「反応性が確認されるリガンド」、「夾雑物の種類・量」、「化学式、分子量、立体構造」、「期待する特定物質の回収率や純度」、「除去したい成分と期待する除去率(許容される分離後の夾雑物の種類及び量)」の項目がある。すなわち、特定物質そのものの特定物質情報と、混合物中に含まれる夾雑物の種類・量等分離の条件に関する情報とが含まれる。 【0038】「分離をすべき特定物質」は、何を分離するかを表す情報であり、必須の特定物質情報である。特定物質が利用される分野において統一された名称等がある場合には、できる限り統一された名称により登録する。「所在または混合物の種類」は、特に細胞等の生体物質を分離する場合においては、分離すべき物質を特定し、又、混合物中の夾雑物を特定するための情報である。生体物質以外の、化学物質等においては、どのような製法・抽出法により処理することにより生成・抽出されたか等の情報を登録することができる。 【0039】「特定物質表面の抗原タンパク質又は抗原決定基」は、特定物質の表面に、既に抗原となることが確認されている抗原タンパク質又は抗原決定基を特定物質を有することが確認されている場合に登録するとよい。「特異性が確認されているリガンド」には、実験等により既に特異性が確認されるリガンドが存在する場合には登録する。この項目は、「特定物質表面の抗原タンパク質又は抗原決定基」とも関連する項目である。すなわち、特定物質表面の抗原タンパク質又は抗原決定基を有することが先に判明すれば、そこから既に存在が確認されている特定物質表面の抗原タンパク質又は抗原決定基に反応するリガンドと結合することが推認されるからである。しかし、逆にリガンドの存在がその結合部分の構造よりも先に判明する場合も多い。ゆえに、各情報が関連し、重複する場合であっても、登録すべき項目として設けるとよい。 【0040】混合物中に含まれる「夾雑物の種類・量」は、上述のようにリガンドと夾雑物との反応を検討するうえで必要な情報となる。又、「期待する特定物質の回収率や純度」、「除去したい成分と期待する除去率(許容される分離後の夾雑物の種類及び量)」は、対応するリガンドが複数確認された場合に更により適切なリガンドを選択するための条件として、又は、完全な分離等が可能なリガンドが見つからない場合に、リガンドが最低限満たすべき条件として利用するために、項目として設けると良い。 【0041】図4には、これらの情報の例として、臍帯血からヒト造血幹細胞を分離するという用途についての情報が示されている。又、用途情報J1は、顧客3の使用分野、使用条件等様々な情報を有し、上記のような情報として区分することができない情報が多いと考えられる。ゆえに、「その他」の情報を設置し、1つの用途につき、より多くの用途情報J1を得ることができるようにするとよい。 【0042】用途情報J1は、サーバ2においては、1つの用途情報J1、すなわち用途情報J1の1レコードにつき、例に示されるような各項目に対する情報を集めて、データベースに登録される。ただし、本実施例においては、上記に列挙した各項目全てを1レコードとして限定するものではない。関連する全ての情報を含み得るようできるだけ多くの項目を設けることにより、従来は、高度な専門知識をもった濾材提供者4が、直接面談することによって得ていた情報の質・量を自由な登録形式においても確保することができるようにする。 【0043】また、項目には、情報が存在しない空の情報を含んでいてもよい。上記項目の多くの情報が、未登録であってもリガンドの選択が可能な場合があるからである。又、選択が不可能な場合であっても、判明している項目について登録しておくことにより、情報を蓄積し、順次判明した項目について、登録することができるからである。例えば、骨髄に存在する未分化の細胞の細胞を分離するというような用途情報J1においては、「所在または混合物の種類」項目に「骨髄」、分離をすべき特定項目に「未分化細胞」と登録する。これは、特異性が確認されているリガンド項目も、他の細胞と区別できるような特定物質表面の抗原タンパク質又は抗原決定基項目についての情報もなく、このままではほとんど特異性を有するリガンドを選択することができない。しかし、後の研究等によって判明したデータにつき、項目に情報を加えていくことにより、リガンド情報J2も平行して増加するため、やがてこれらサーバ2に蓄積された情報に基づきリガンドの選択が可能となる。 【0044】上記リガンド情報J2と同様に、リガンド情報J2の登録時においても、これら項目を明示的に列挙し、各項目の登録内容が統一されるようにするとよい。しかし、用途情報J1は、上記のように、さまざまな情報が含まれるので、登録内容にある程度の自由度を持たせるとよい。この用途情報J1の送信は、サーバ2に通信回線を通じて接続された顧客3の端末等から行われる。例えば、この用途情報J1の送信をインターネットのWEBページ等において受け付けることにより、更に多くの顧客にとって登録しやすいものとすることができる。 【0045】これにより、従来においては、顧客3と濾材提供者4とが直接面談することによってしか顕在化されなかった用途情報J1が、顧客3において分離の用途が発生した時点ですぐに、簡単に、かつ、インターネット等に接続する顧客3なら誰でも登録することができるようになるため、多数顕在化され得る。固定濾材情報J3は、濾材提供者4が一定の用途のために選択したリガンドを固定する固定濾材についての情報である。この固定濾材情報J3には、まだ固定濾材が未作成であって、一定の用途に適合するよう選択したリガンド、濾材の種類、固定濾材を使用した分離方法等を提案する固定濾材情報J3と、既に作成した固定濾材につきその用途、固定されたリガンド、濾材の種類、固定濾材を使用した分離方法及びその固定濾材を使用した使用実績に関する情報を含む固定濾材情報J3とがある。この固定濾材情報J3に、含む情報の例は、図5に示されている。同図を参照すると、固定濾材情報J3には、例えば「固定リガンド」、「濾材種類」、「用途」、「固定濾材を使用した分離方法」、「使用実績」等の項目についての情報がある。更に、同図にはこれらの情報の例として、臍帯血からヒト造血幹細胞を分離するために使用される固定濾材についての情報の例が示されている。 【0046】以上のように、サーバ2に登録された各情報は、顧客3、濾材提供者4に開示可能となっている。濾材提供システムにおいて、サーバに保持する情報を公開することにより、例えば、顧客3は、図6に示されるように、サーバに保持する情報を有効に利用することができる。ステップS601においては、新たな分離を希望する顧客3は、自己の用途において判明している用途情報J1の一部を、顧客3がWEBページの入力フォーム等を用いて、入力する。 【0047】ステップS602においては、サーバ2がその入力された情報と一致する情報があるか、サーバ2に蓄積された全用途情報及び、全固定濾材情報について検索処理を行う。この検索条件は、一致する語を項目等に関わらず全レコードについて行う全文検索等、顧客3が指定できるようにする。この検索により、一致する情報が、用途情報に存在した場合は、ステップ603において、顧客3にその一致した情報が表示される。顧客3はその用途情報が、自分の用途情報に類似するか否か判断する。 【0048】ステップ603の判断において、情報が類似した時は、ステップS604において、顧客3はその類似する用途情報を参考に、自分の用途を具体化、又は自分用途への適用可能性を判断し、新たな用途情報として自分の用途情報を登録することができる。すなわち用途情報を公開することにより、濾材提供者4、リガンドメーカー1にとっては、登録されている用途のみでは導き出すことができなかった提案を受け、又は知ることができなかった顧客3の需要を知ることができる。これにより、新たな分野における用途を確保することができる。又、顧客3にとっても、従来公開されることなく知ることができなかった用途について知ることにより、特定物質の分離可能性が高くなる。 【0049】又、情報が一致した場合には、その用途情報に自分の持っている追加の情報を各項目に追加することができる。これにより、濾材提供者4、リガンドメーカー1にとっては、需要の動向を把握し、新たな固定濾材の開発が容易になる。又、顧客3にとっても、他の顧客3によって自分の用途情報が追加され、固定濾材の提供による分離の可能性がより高まるという効果が得られる。ステップ603の判断において、同様のケースを発見できない時は、再びステップS601において、別の条件での検索を行う。また、新たな用途情報として登録してもよい。 【0050】ステップS605には、検索処理において、入力情報が固定濾材情報に一致した場合には、顧客3は、固定濾材情報における用途項目が自分の用途と一致するか否か判断する。ステップS605の判断において、一致した場合には、ステップS606のにおいて、自分の用途に合致した固定濾材を発注する。すなわち、固定濾材情報を公開することにより、濾材提供者4、リガンドメーカー1にとっては、特定の固定濾材に対する需要を確保することができる。又、顧客3にとっては、用途に見合った濾材をいち早く入手することができる。 【0051】この例においては、公開された用途情報及び固定濾材情報の利用例を示したが、リガンド情報を公開することによっても同様な利用が可能である。すなわち、顧客3が、自分の用途に見合ったリガンドが存在するか否かを知ることにより、分離可能性があるか否か等の判断を行い、新たな用途を提案することができるからである。しかし、用途情報J1は、顧客の研究・開発にとってはその研究の内容や方向性を示すものであり、通常においてはそれを秘密にしておく要請が高い。ゆえに、本実施例における濾材提供システムは、サーバに保持された情報の開示制限手段を有する。 【0052】開示制限手段は、開示を制御する機能であり、本実施例においては、図7に示されるように、登録する各情報に対して開示フラグをつけることにより行う。図に示されている登録番号は、用途情報J1の各レコードにつけられた識別番号である。開示フラグを用いて、開示制御を行う開示制御プログラムが、図8のフローチャートによって示されている。ステップS501は、サーバ2に保持された情報になされた開示要求を検知する。 【0053】ステップS502においては、ステップS501において開示要求がなされ対象データのフラグ値を図7に示されるようなフラグ表より取得する。ステップS503においては、フラグ値によるケース分けを行う。この実施例においては、フラグ値が「1」の時は開示を拒否し、フラグ値が「0」の時には開示を許可する。フラグ値が「1」の時は、ステップS505において、開示を拒否し、開示要求を行ったものに対し、開示拒否のメッセージを表示する。フラグ値が「0」の時は、開示を許可する。 【0054】また、この開示制限は、各情報の項目毎に細かく開示フラグを対応させることにより、項目毎に制限を行ったり、開示を求める側にログインID等の識別子を付して細かく開示フラグの値を対応させることにより、開示を求める者に応じた制限を行ってもよい。開示制限を行うことにより、特に用途情報について、顧客3が登録時に開示制限を行うことにより、濾材提供者4以外の者、例えば他の顧客3には公開されないため、安心して登録を行うことを保証することができる。これは、最先端の研究に用いる濾材を提供する濾材提供システムにおいて情報の秘密を守るうえで重要な機能である。又、開示を求める者について細かく開示制限を行うことにより、例えば、濾材提供者4がその固定濾材情報J3を顧客の希望に従い、その用途情報J1を提供した顧客3のみに開示し、固定濾材の提案等を行うことができる。 【0055】又、リガンド情報J2についても、リガンドメーカー1が特定物質との関係を決めるために必要な特異性を示す対象物質の項目等以外のリガンドの製法の項目等について開示を希望しない場合がある。このような場合に、参照制限を可能にすることによりリガンドメーカー1の情報の登録を促進することができる。濾材提供システムを構成するサーバ2に含まれるリガンド選択プログラムは、濾材提供者4が、サーバに保持され情報に基づき、用途に適合するリガンドの選択をする際に使用される。このリガンド選択プログラムは、データベースに保存された用途情報に含まれる情報と、リガンド情報又は固定濾材情報に含まれる情報とを比較することにより行う。本実施例においては、図9のフローチャートに示されるような手順により、最適なリガンドの選択を行うプログラムがサーバに設置される。このプログラムは、リガンドの選択を要求する端末の側に設置してもよい。 【0056】図9は、リガンドが選択される手順を説明するフローチャートである。尚、同図中の6角形で示される処理は、条件欄に示された条件を検索レコード欄に示された検索対象の各レコードが満たすか否かの判断を、検索対象の全レコードについてループ処理によって行うことを表す。ステップS210では、リガンドの選択を行う用途情報J1の1レコード分を、サーバ2に保持されたデータベースより取り込み、又は、手入力する。 【0057】ステップS220においては、検索対象は全リガンド情報J2であるので、入力された用途情報の比較すべき項目と、データベースに保持されたリガンド情報J2の全レコードの対応して比較すべき項目と、の比較を行う。この比較すべき項目は、検索条件に従う。ゆえに、特異性に関連する項目どうしを比較する。この条件と比較すべき項目の対応は、あらかじめ項目の内容、経験則等により定めておく。特異性において比較すべき項目は、用途情報J1にあっては、「分離をすべき特定物質」、「特定物質表面の抗原タンパク質又は抗原決定基」、および、「反応性が確認されるリガンド」である。リガンド情報J2にあっては、抗体の名称及び特異性を示す対象物質である。具体的に、図4に示される臍帯血からヒト造血幹細胞を分離するという用途に基づく用途情報J1の例と、図3に示される抗CD34抗体のリガンド情報J2の例とを比較する。比較すべき項目である、用途情報J1・「特定物質表面の抗原タンパク質又は抗原決定基」項目とリガンド情報J2・「抗体が特異性を示す対象物質」項目が「CD34」で互いに一致する。又、用途情報J1・「特異性が確認されるリガンド」項目と、リガンド情報J2・「抗体の名称」項目が互いに一致する。このため、このステップにおいては、図3の抗CD34抗体は選択される。 【0058】ステップS230以降のステップにおいては、ステップS220において選択されたリガンドにつき、更に、リガンド情報又は用途情報の別の項目に着目して条件を課すことにより、より分離に適したリガンドの抽出処理を行う。ステップS230においては、条件は、抗体の由来動物である。このステップにおいて比較すべき項目は、本実施例においては、用途情報J1においては、「分離をすべき特定物質」項目であり、リガンド情報J2では「抗体の由来動物」項目である。図4及び図3の例においては、「分離をすべき特定物質」項目のヒト造血幹細胞に、「抗体の由来動物」項目のマウスが含まれていない。ゆえに、この例の抗CD34抗体は、このステップにおいて抽出されない。 【0059】ステップS240においては、同様に、条件が、抗体のクラスであるので、リガンド情報J2・「抗体のクラス」項目に着目し、ステップS220において抽出されたリガンド情報についての比較を行うことにより、用途に見合ったクラスの抗体が抽出される。図4においては、抗体クラスの指定項目が設けられていないため「その他」項目により指定を行うことができる。この場合の抽出は、抗体クラスに関する単語を「その他」項目より抽出後、リガンド情報との比較を行うことになる。 【0060】図示せぬ後に続くステップにおいても、同様に、更なる条件を課し、ステップS220で選択されたリガンドにつき抽出処理を行うことができる。次のステップにおいては、リガンド情報J2・「価格」項目に着目し、抗体の価格を条件に抽出処理を行う。用途情報J1に指定がある場合は、その条件に見合うものを抽出するが、そうでない場合は価格の安いものを抽出する。これに続くステップにおいては、リガンド情報J2・「抗体の製造方法」項目に着目し、抗体の製造方法を条件に抽出処理を行う。この製造方法は、例えば、該製造方法による反応基以外の部分の性質、又は、製造時に混在する夾雑物等に関連する情報である。用途情報J1に指定がある場合は、用途情報J1に指定がある場合は、その条件に見合うものを抽出する。 【0061】以後に、更に同様の抽出ステップを付け加えてもよい。この際条件となるのは、図3に示されるリガンド情報の項目7.〜項目15.である。これらの抽出においては、上記のように必ずしもリガンド情報と用途情報の双方において比較することができる項目が存在するとは限らない。用途情報は、顧客の要求により様々であり、常に登録すべき項目として挙げることはできないからである。そのような場合は、1レコードに含まれる全ての情報に対して、項目にかかわらず、1つのキーワードによる検索を行いそのキーワードを含む場合に抽出を行う全文検索等、抽出方法を変化させることができる。但し、例えば全文検索を行った場合には、不要なリガンドについても抽出され、抽出の精度が落ちることに注意する。ゆえに、抽出することなく該情報を表示させるとよい。 【0062】ステップS220〜S240は、上記に説明したように必須のステップであり、それに続く2つのステップは、行うと望ましいステップである。それ以降については、それ以前のステップによってもなお複数のリガンドが同等の分離可能性を有するような場合に、行うべきステップである。このステップS230以降のステップによる抽出処理においては、抽出条件を満たさないものについては選択しないこととしてもよいし、又、ステップS220において選択されたリガンドのうち抽出条件を満たすものについて得点を与えることにより、ステップS220において選択されたリガンドに獲得得点による順位をつけてもよい。 【0063】ステップS250は、ステップS220の抽出処理により選択されたリガンドのうち、ステップS230以降の抽出処理において選択されたリガンドを出力し、又は、順位づけを行った場合には、その順位とともに出力する。上記のように、リガンドの選択は用途情報とリガンド情報とに対応する項目が存在する場合には、それらの項目の突き合わせを行うリガンド選択プログラムにより、分離に適したリガンドを選択することができる。さまざまな経験則等から法則化できる事項については、サーバ2等にプログラムを設置し自動的に処理を行えるようにすることが望ましい。しかし、用途は様々であり、1つの明確な項目として扱うことができない情報については、サーバに登録された用途情報をもとに濾材提供者4の技術者が選択を行う。 【0064】 【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にかかる濾材提供システムを利用することにより、通信回線によって接続されたサーバに情報を登録することにより、従来において十分顕在化することができなかった顧客からの濾材の用途に関する用途を広く受け入れることができるようになる。又、リガンドメーカーからの情報も広く受け入れることができる。これにより、濾材提供者及びリガンドメーカーにとっては、その濾材及びリガンドの販路を拡大できるとともに、顧客にとっては、特定物質の分離がより容易となる。 【0065】又、サーバに登録されたリガンド情報、用途情報及び固定濾材情報を特に顧客に広く公開することにより、同一の濾材の需要を確保するとともに、類似する用途、分野における新たなる用途のを発掘し、より多くの物質、用途における分離に対応する濾材の提供が可能となる。また、サーバによって一元的に情報が登録、管理されることにより、用途に適合するリガンドの選択をより容易にすることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000116806 【氏名又は名称】旭メディカル株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区神田美土代町9番地1
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| 【出願日】 |
平成13年11月28日(2001.11.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066980 【弁理士】 【氏名又は名称】森 哲也 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−164758(P2003−164758A) |
| 【公開日】 |
平成15年6月10日(2003.6.10) |
| 【出願番号】 |
特願2001−363370(P2001−363370) |
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