| 【発明の名称】 |
ガス処理装置及びガス処理方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】西口 敏司 【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤノン株式会社内
【氏名】田村 順一 【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤノン株式会社内
【氏名】宮本 守敏 【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤノン株式会社内
【氏名】金子 芳昭 【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤノン株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】大気圧プラズマ反応器において発生した熱による温度上昇を抑制し、安定した反応を図ることが可能となる一方、反応器において発生した熱を他に利用することで、高い処理効率を達成することができるガス処理装置を提供する。
【解決手段】大気圧プラズマ反応器と触媒反応器とを有するガス処理装置または方法において、前記大気圧プラズマ反応器と前記触媒反応器との間に、該大気圧プラズマ反応器において発生した熱を該触媒反応器に伝える熱伝導手段を有する構成とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】大気圧プラズマ反応器と触媒反応器とを有するガス処理装置において、前記大気圧プラズマ反応器と前記触媒反応器との間に、該大気圧プラズマ反応器において発生した熱を該触媒反応器に伝える熱伝導手段を有することを特徴とするガス処理装置。 【請求項2】前記大気圧プラズマ反応器と前記触媒反応器とが、連続して配置されていることを特徴とする請求項1に記載のガス処理装置。 【請求項3】前記大気圧プラズマ反応器は、電極間に粒状誘電体が充填されたリアクタを備え、該リアクタに導入したガスをプラズマ処理するプラズマ反応装置であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガス処理装置。 【請求項4】前記熱伝導手段が、前記プラズマ反応装置に設けられた電極であることを特徴とする請求項3に記載のガス処理装置。 【請求項5】前記熱伝導手段が、前記大気圧プラズマ反応器と前記触媒反応器の双方に接続された伝熱媒体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のガス処理装置。 【請求項6】前記伝熱媒体が、セラミック材で構成されていることを特徴とする請求項5に記載のガス処理装置。 【請求項7】前記触媒反応器における触媒が、酸化触媒であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のガス処理装置。 【請求項8】大気圧プラズマ反応器に触媒反応器を併用してガス処理するガス処理方法において、前記大気圧プラズマ反応器で発生する熱を熱伝導手段を介して触媒反応器に伝える一方、該触媒反応器には新たなエネルギーを投入しないことを特徴とするガス処理方法。 【請求項9】前記大気圧プラズマ反応器と前記触媒反応器とを、連続して配置し、ガス処理することを特徴とする請求項8に記載のガス処理方法。 【請求項10】前記大気圧プラズマ反応器として、電極間に粒状誘電体が充填されたリアクタを備え、該リアクタに導入したガスをプラズマ処理するプラズマ反応装置を用い、ガス処理することを特徴とする請求項8または請求項9に記載のガス処理方法。 【請求項11】前記熱伝導手段として、前記プラズマ反応装置に設けられた電極を用い、ガス処理することを特徴とする請求項10に記載のガス処理方法。 【請求項12】前記熱伝導手段として、前記大気圧プラズマ反応器と前記触媒反応器の双方に接続された伝熱媒体を用い、ガス処理することを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載のガス処理方法。 【請求項13】前記伝熱媒体を、セラミック材で構成し、ガス処理することを特徴とする請求項12に記載のガス処理方法。 【請求項14】前記触媒反応器における触媒に酸化触媒を用い、ガス処理することを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載のガス処理方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ガス処理装置及びガス処理方法に関し、特に大気圧プラズマと触媒の二つの反応によりガス処理を実施する装置に関するものである。具体的には、例えば、有機あるいは無機の有害物質を含有するガスを、無害化するガス処理装置及びガス処理方法に関するものであり、とりわけ複数の有機化合物が混在するガスを分解するような場合に使用されるガス処理装置及びガス処理方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に有害ガスとされるものの中に、窒素酸化物や有機化合物を含むガスなどが挙げられる。近年活発化している環境関連技術開発の一つとして、これらのガス処理を実施する数多くの技術が、研究、提案されている。具体的に挙げれば、触媒法、熱分解法、活性炭法などがその主な技術であり、それぞれ特徴を有しているが、処理速度、エネルギー効率、生成物などの点で完全な方法はない。このような状況下において、近年、常圧下で放電を発生させ、その放電によりガスを処理する方法が注目されている。この常圧下で放電を発生させる方法には、無声放電、沿面放電、パルスコロナ放電等がある。 【0003】無声放電は、オゾン発生器として知られているが電極間距離が数mm程度と非常に狭く大容量のガスで安定放電を得るためには反応器を数多く用意する必要がある。また、沿面放電は、セラミックス等の無機物表面と内部に電極を形成し、交流電界を印加するとセラミックス表面に放電が発生するもので、極めて部分的な放電状態となる。また、パルスコロナ放電は、電極の立ち上がり時間が10から50nsと速く、半値幅50から500nsの極短パルス高電圧を印加するとストリーマーコロナが電極空間に発生するが、電源、電極等が高価である。さらに、電極の工夫により大気圧下で安定なグロー放電を得る方法も提案されているが、ヘリウムあるいはアルゴンといった高価なガスを必要としたり、安定放電部分が極端に狭いなどの欠点を有している。 【0004】これらの問題を解決する技術として、粒状の無機誘電体を使用した大気圧プラズマ法による放電が挙げられる。ここで言う大気圧プラズマ法とは、大気圧下において、安定で均一なグロー放電を極めて小さい印加電圧で発生する方法で、反応効率、発熱等のエネルギーロスの少ないエネルギー効率に優れた方法をさすものである。具体的には、反応器電極間に充填された誘電体が最適な形態を有し、その電極に交流電圧を加えることで安定した放電を得ることができることを特徴としたものである。 【0005】この大気圧プラズマ法は、目的に応じて他の処理方法と併用することも可能である。例えば、熱処理やUV処理などの反応器を併用することが可能であるが、特にその中でも触媒法との併用が効果的である。それは、この触媒法によると、他の化学物質を使用しない、組成変化がおきない、表面反応が中心である、等の点において上記大気圧プラズマ法との共通点が多いため、この大気圧プラズマ法の長所を生かした装置設計が可能となることによる。そのため、例えば特開2000−237529号公報などに示されるように放電と触媒を連続に設置した方法が既に提案されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところで、大気圧プラズマ法では、処理装置の設計あるいは処理条件の設定において、それらを決定するための因子として、処理風量、処理ガス濃度、処理ガス成分、目的処理効率、コストなどが挙げられる。これらの因子により装置仕様や処理条件が決定されるが、一般に処理負荷が増大する場合、すなわち処理風量が増大する場合や処理ガス濃度が高くなる場合、あるいは処理ガス成分が難分解性物質である場合に、目的の処理効率を得るためには、投入電力を増大することが最も確実な方法である。 【0007】しかしながら、投入電力を増やすと、それに伴い発熱量が増加し、放電状態が変化し、それによって処理効率が変化することとなり、目的の効果を得ることが困難になるといった問題が生じる。また、発熱量が増加するということは、投入エネルギーのロスの増加につながり、ランニングコストの面からも望ましくない。 【0008】そこで、本発明は、上記課題を解決し、大気圧プラズマ反応器において発生した熱による温度上昇を抑制し、安定した反応を図ることが可能となる一方、反応器において発生した熱を他に利用することで、高い処理効率を達成することができるガス処理装置及びガス処理方法を提供することを目的とするものである。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達成するため、つぎの(1)〜(14)のように構成したガス処理装置及びガス処理方法を提供するものである。 (1)大気圧プラズマ反応器と触媒反応器とを有するガス処理装置において、前記大気圧プラズマ反応器と前記触媒反応器との間に、該大気圧プラズマ反応器において発生した熱を該触媒反応器に伝える熱伝導手段を有することを特徴とするガス処理装置。 (2)前記大気圧プラズマ反応器と前記触媒反応器とが、連続して配置されていることを特徴とする上記(1)に記載のガス処理装置。 (3)前記大気圧プラズマ反応器は、電極間に粒状誘電体が充填されたリアクタを備え、該リアクタに導入したガスをプラズマ処理するプラズマ反応装置であることを特徴とする上記(1)または上記(2)に記載のガス処理装置。 (4)前記熱伝導手段が、前記プラズマ反応装置に設けられた電極であることを特徴とする上記(3)に記載のガス処理装置。 (5)前記熱伝導手段が、前記大気圧プラズマ反応器と前記触媒反応器の双方に接続された伝熱媒体であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のガス処理装置。 (6)前記伝熱媒体が、セラミック材で構成されていることを特徴とする上記(5)に記載のガス処理装置。 (7)前記触媒反応器における触媒が、酸化触媒であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載のガス処理装置。 (8)大気圧プラズマ反応器に触媒反応器を併用してガス処理するガス処理方法において、前記大気圧プラズマ反応器で発生する熱を熱伝導手段を介して触媒反応器に伝える一方、該触媒反応器には新たなエネルギーを投入しないことを特徴とするガス処理方法。 (9)前記大気圧プラズマ反応器と前記触媒反応器とを、連続して配置し、ガス処理することを特徴とする上記(8)に記載のガス処理方法。 (10)前記大気圧プラズマ反応器として、電極間に粒状誘電体が充填されたリアクタを備え、該リアクタに導入したガスをプラズマ処理するプラズマ反応装置を用い、ガス処理することを特徴とする上記(8)または上記(9)に記載のガス処理方法。 (11)前記熱伝導手段として、前記プラズマ反応装置に設けられた電極を用い、ガス処理することを特徴とする上記(10)に記載のガス処理方法。 (12)前記熱伝導手段として、前記大気圧プラズマ反応器と前記触媒反応器の双方に接続された伝熱媒体を用い、ガス処理することを特徴とする上記(8)〜(11)のいずれかに記載のガス処理方法。 (13)前記伝熱媒体を、セラミック材で構成し、ガス処理することを特徴とする上記(12)に記載のガス処理方法。 (14)前記触媒反応器における触媒に酸化触媒を用い、ガス処理することを特徴とする上記(8)〜(13)のいずれかに記載のガス処理方法。 【0010】 【発明の実施の形態】上記構成を適用し、プラズマリアクターより発生する熱を触媒層に伝えることで、プラズマ層の温度上昇を抑制し、安定した反応が得られるようにすると共に、新たなエネルギーを投入することなしに、触媒に反応を促進することが可能となる。すなわち、プラズマ装置で発生した熱を連続して設置している触媒反応器に伝導し触媒反応に利用することで、プラズマ反応器の温度上昇を抑制して反応の安定化を図ることが可能となる一方、このプラズマで発生した熱を利用して触媒反応を活性化し、これらにより高い処理効率を達成することが可能となる。 【0011】 【実施例】以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。 [実施例1]図1、図2、図3に、本発明の実施例1におけるガス処理装置の構成を示す。図1はリアクターをガスの流れ方向に切断した断面図で、ガスは左から右方向に流れる。また、図2は同じリアクターをガスの流れ方向と垂直方向に、図1に示すA−Bのところで切断した断面図である。また、図3はこの装置の外観図で、高圧交流電源と接続されている様子が示されている。 【0012】図1に示すように、本実施例のリアクターは5枚の板状電極と、その電極の間に充填された粒状誘電体3および触媒4からなる。5枚の電極のうち、外側の二枚と、中心の一枚の合計三枚の電極はアース線と接続されている接地電極1であり、また接地電極に挟まれる2枚の電極は交流高圧電源と接続されている高圧電極2である。 【0013】この状態において、交流高圧電源を用いて、高圧電極2に電圧を加えた場合、接地電極1と高圧電極2との間に充填されている粒状誘電体3により、これらの電極間にプラズマ状態が発生する。このプラズマが発生している状態で、前記電極間にガスを流せば、ガス成分が酸化される。一例を挙げれば、ガスを構成する成分が、空気中にメタノールなどの有機化合物を含んだものである場合、このガス中の有機化合物は、プラズマにより二酸化炭素や水などに酸化分解される。この酸化分解はプラズマのエネルギーにより行われるが、プラズマを発生させる為に投入した電力は、すべて分解に使用されるわけでなく、一部は熱エネルギーに変換される。そのため、粒状誘電体3は熱を受け、誘電体部分の温度が上昇するが、大気圧プラズマ法では、低温プラズマを利用するため、大幅な温度上昇は見られない。 【0014】しかし、誘電体は一般に温度によりその電気特性が変化する為、所定の効率を得るためには温度制御が重要な因子である。もし、反応電極間に流すガス流量が大きければ、誘電体は空冷効果により温度上昇を抑制することができるが、ガス流量が小さくなるほど空冷効果が落ち誘電体の温度上昇が大きくなる。この温度上昇を抑制し制御するために、本実施例では、図1に示すように誘電体層の後段に触媒層を設けている。この触媒は150℃以下程度で効果を発揮する触媒であれば特に制限はなく、一般的なもので構わない。前述の粒状誘電体3および触媒4による触媒層と前段の誘電体層は、本実施例では誘電体が充填されているリアクタ内の電極により連続した状態で接続することで、プラズマリアクターで発生した熱を触媒層へ伝える構造になっている。これにより、誘電体層の温度上昇が抑制されると同時に触媒層が加熱され、触媒によりガス中の成分が影響を受ける。この時触媒に酸化触媒を使用していれば、ガス中の成分は酸化される事になり、プラズマと触媒の二重の作用により酸化されることになる。 【0015】つぎに、図1に示す装置を用いてガスを分解処理した実験例について説明する。ここでの装置は、誘電体層部分体積300mL、触媒層部分体積200mLとし、5枚の電極はステンレス製で、電極間距離は10mmとした。また、誘電体は比誘電率7000で、チタン酸バリウムを主材料とした材料からなる直径3mmのほぼ球状のペレットとした。また、触媒はアルミナに白金を添加したもので、直径2mmのほぼ球状のペレットとした。 【0016】この装置に、メタノールを100ppm含有する空気を3L/分の流量で誘電体層側より流した。誘電体層部分の電極には、常に30Wの電力を交流電源により投入している。放電開始直後は誘電体層、触媒層とも温度は室温(25℃)であったが、放電開始後1時間経過した時点で、温度を測定したところ、誘電体層は約75℃、触媒層は70℃であった。1時間経過した時点で、出口側のガスをガスクロマトグラフで分析した結果、メタノールは95%以上分解されていることが確認された。 【0017】[実施例2]図4、図5に、本発明の実施例2におけるガス処理装置の構成を示す。図4はリアクターをガスの流れ方向に切断した断面図で、ガスは左から右方向に流れる。また、図5は同じリアクターをガスの流れ方向と垂直方向に、図4に示すA−Bのところで切断した断面図である。 【0018】実施例1と異なり、実施例2はプラズマを発生させる誘電体層と触媒層は同一電極では接続されていないが、誘電体と触媒の両方に接している伝熱媒体を介して熱が伝わる構造を有している。この伝熱媒体は熱伝導性の高い物質が適しているが、導電性が高い物質の場合、放電が影響を受けるため、注意が必要である。 【0019】図4に示す装置では、伝熱媒体8としてセラミック材が用いられており、このセラミックにより、熱伝導がなされ、高い分解効率を得ることができる。この装置を用いて、実施例1と同様にガス処理を実施した結果、同様にメタノールは95%以上分解されていることが確認された。 【0020】(比較例)比較例において用いた図6に示すガス処理装置は、誘電体層と触媒層が熱伝導性の高い物質で接続されていない、という部分以外は、図1と同様の装置である。この装置を用いて、実施例1と同様に1時間放電した後温度を測定したところ、誘電体層は95℃、触媒層は30℃であった。この装置により、実施例1と同様にガス処理をした結果、メタノールは82%しか分解されておらず、実施例1よりも処理能力の劣ることが確認された。 【0021】 【発明の効果】本発明によれば、大気圧プラズマ反応器において発生した熱による温度上昇を抑制し、安定した反応を図ることが可能となる一方、反応器において発生した熱を他に利用することで、高い処理効率を達成し得るガス処理装置及びガス処理方法を実現することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001007 【氏名又は名称】キヤノン株式会社 【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号
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| 【出願日】 |
平成13年12月4日(2001.12.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100105289 【弁理士】 【氏名又は名称】長尾 達也
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| 【公開番号】 |
特開2003−164755(P2003−164755A) |
| 【公開日】 |
平成15年6月10日(2003.6.10) |
| 【出願番号】 |
特願2001−370005(P2001−370005) |
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