トップ :: B 処理操作 運輸 :: B01 物理的または化学的方法または装置一般




【発明の名称】 水熱酸化反応装置
【発明者】 【氏名】藤井 智範
【住所又は居所】東京都江東区新砂1丁目2番8号 オルガノ株式会社内

【氏名】鈴木 明
【住所又は居所】東京都江東区新砂1丁目2番8号 オルガノ株式会社内

【氏名】岩森 智之
【住所又は居所】東京都江東区新砂1丁目2番8号 オルガノ株式会社内

【氏名】安生 徳幸
【住所又は居所】東京都江東区新砂1丁目2番8号 オルガノ株式会社内

【氏名】中森 理
【住所又は居所】東京都江東区新砂1丁目2番8号 オルガノ株式会社内

【要約】 【課題】処理流体中のイオンを効率的に分離する手段を備えた水熱酸化反応装置を提供する。

【解決手段】本超臨界水酸化装置40は、気液分離器20から出る液流出管24の液面制御弁27の下流に電気透析装置42を備えていることを除いて、従来の超臨界水酸化装置と同じ構成を備えている。電気透析装置42は、電気透析法により処理流体中のイオンを分離して、脱イオン水管44から脱イオン水を流出させ、塩濃縮水管46からイオン濃縮水を流出させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 反応器と、反応器の下流に設けられ、反応器から処理流体を外部に流出させる処理流体系統とを備え、被処理液を水熱酸化反応により処理する水熱酸化反応装置において、処理流体中のイオンを電気透析法により分離して、脱イオン水を生成する電気透析装置を処理流体系統に備えていることを特徴とした水熱酸化反応装置。
【請求項2】 処理流体系統は、反応器から処理流体を流出させる処理流体管と、処理流体管に、順次、設けられた、中和急冷器、冷却器、圧力制御弁、及び気液分離器とを備え、電気透析装置が、気液分離装置で分離された液の流出管に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の水熱酸化反応装置。
【請求項3】 気液分離装置と電気透析装置の間に逆浸透膜装置を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の水熱酸化反応装置。
【請求項4】 電気透析装置で得られた脱イオン水を水熱酸化反応装置に補給水として供給するようにしたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の水熱酸化反応装置。
【請求項5】 電気透析装置として、処理流体を酸と塩基性水溶液と脱塩水とに分離するバイポーラ膜型電気透析装置が設けてあることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の水熱酸化反応装置。
【請求項6】 電気透析装置で分離した塩基性水溶液を処理流体系統の中和急冷器に注入するようにしたことを特徴とした請求項5に記載の水熱酸化反応装置。
【請求項7】 処理流体の温度を30℃以上60℃以下の温度範囲に調節する手段が、電気透析装置の上流の処理流体系統に設けてあることを特徴とした請求項1から6のいずれか1項に記載の水熱酸化反応装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機物を多量に、特に有機ハロゲン化合物を多量に含有する被処理液を水熱酸化反応により処理する水熱酸化反応装置に関し、更に詳細には、被処理液を処理した後、イオン濃度の低い脱イオン水を流出させるようにした水熱酸化反応装置、更には脱イオン水、塩基性物質を閉サイクルで循環使用するようにした水熱酸化反応装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】環境に対する認識の高まりと共に、有害な廃棄物を含む廃液、特に有害な難分解性有機物等を含む廃液は、有害物を完全に分解して排出することが求められている。そこで、高温高圧水、例えば温度180°以上、圧力1MPa以上の熱水を用いる水熱酸化反応を廃液の処理に適用することが試みられている。
【0003】水熱酸化反応のなかでも、特に、超臨界水の高い反応性を利用した、有機物の酸化分解能力の高い超臨界水酸化反応が注目されている。超臨界水酸化反応では、従来技術では分解することが難しかった有害な難分解性の有機物、例えば、PCB(ポリ塩素化ビフェニル)、ダイオキシン、有機塩素系溶剤等を酸化分解して、二酸化炭素、窒素、水、無機塩などの無害な生成物に転化することができる。超臨界水酸化反応は、超臨界水の高い反応性を利用して有機物を分解する反応であって、例えば、難分解性の有害な有機物を酸化分解して無害な二酸化炭素と水に転化したり、難分解性の高分子化合物を分解して有用な低分子化合物に転化したりするために、現在、その実用化が盛んに研究されている。超臨界水とは、超臨界状態にある水、即ち、水の臨界点を越えた状態にある水を言い、詳しくは、374.1℃以上の温度で、かつ22.04MPa以上の圧力下にある状態の水を言う。超臨界水は、有機物を溶解する溶解能が高く、有機化合物に多い非極性物質をも完全に溶解することができる一方、逆に、金属、塩等の無機物に対する溶解能は著しく低い。また、超臨界水は、酸素や窒素などの気体と任意の割合で混合して単一相を構成することができる。
【0004】ここで、水熱酸化反応装置の一つとして、図6を参照して、PCB、ダイオキシン等の有機塩素化合物を含む被処理液を超臨界水反応処理して酸化分解する超臨界水酸化装置の基本的な構成を説明する。図6は従来の超臨界水酸化装置の構成を示すフローシートである。超臨界水酸化装置10は、有機塩素化合物を含む被処理液を超臨界水の存在下で超臨界水反応により処理する装置であって、図6に示すように、超臨界水反応を行う反応器として、縦型の耐圧密閉型反応器12を備えている。
【0005】また、超臨界水酸化装置10は、反応器12から処理流体を流出させる処理流体系統13として、反応器12の処理流体出口に接続された処理流体管14に、処理流体にアルカリ水溶液を注入して中和急冷する中和急冷器15、処理流体を更に冷却する冷却器16、反応器12内の圧力を制御する圧力制御弁18、及び、処理流体をガス成分と液成分とに気液分離する気液分離器20を、順次、備えている。中和急冷器15は、アルカリ水溶液を処理流体に注入して、反応器12内で超臨界水反応により被処理液中の有機塩素化合物から発生した塩酸等を中和すると共に処理流体を冷却する。
【0006】気液分離器20の上部には、分離したガス成分を流出させるガス流出管22が接続され、下部には分離した液成分を流出させる液流出管24が接続されている。更に、ガス流出管22には、気液分離器20の圧力を制御する背圧弁26が、液流出管24には流出流量を調整して気液分離器20の液面を制御する液面制御弁27が設けてある。
【0007】超臨界水酸化装置10は、超臨界水反応に供する反応物を反応器12に供給する供給系統として、被処理液ポンプ28と、空気圧縮機30とを備え、被処理液管32を介して有機塩素化合物を含む被処理液を反応器12に送入し、かつ、被処理液管32に接続された空気送入管34を介して酸化剤として空気を被処理液と共に反応器12に送入する。また反応器12内の超臨界水反応を維持するために、被処理液管32に補給水等を加える補給水管38を被処理液管32に接続している。
【0008】超臨界水酸化装置10は、被処理液中の有機塩素化合物をほぼ完全に酸化分解して、処理液中の有機塩素化合物の濃度を基準値以下にすることができる。例えば、超臨界水酸化装置10は、PCBやダイオキシンを処理する場合、処理液のPCB濃度を基準の3μg/リットル以下に、また処理液のダイオキシン濃度を基準の10pgTEQ/リットル以下にすることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の超臨界水酸化装置10では、上述のように、有機塩素化合物、例えば変圧器等の絶縁油として用いられていた高濃度PCBを含む被処理液を処理した場合、塩酸等の酸が有機塩素化合物の水熱酸化に伴って生成する。生成した塩酸等の酸は、処理流体に同伴して反応器から流出し、処理流体系統を腐食させ、長期間にわたる安全な運転を阻害する。そこで、従来、処理流体系統の腐食防止の観点から、処理流体系統に中和急冷器15を設け、アルカリ水溶液を処理流体に注入して急冷中和している。その結果、高濃度の塩、あるいはイオンが処理流体中に含まれることが多い。
【0010】しかし、イオンが高濃度で含まれている処理流体をそのまま放流することは、水質保全関係から好ましくない。従って、高濃度のイオンを効率的に分離し、分離した塩をリサイクル使用することにより、環境に負荷を与えないようなシステムを構築することが必要である。以上の説明では、超臨界水酸化装置を例にして処理流体中の塩の問題を説明したが、この問題は水熱酸化反応装置全般に該当する問題である。
【0011】そこで、本発明の目的は、処理流体中のイオンを効率的に分離する手段を備えた水熱酸化反応装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、処理流体中のイオンを効率的に分離するために、水熱酸化処理した後の処理流体から電気透析法によりイオンを分離することを着想し、種々の実験の末に、本発明を発明するに到った。上記目的を達成するために、上述の知見に基づいて、本発明に係る水熱酸化反応装置は、反応器と、反応器の下流に設けられ、反応器から処理流体を外部に流出させる処理流体系統とを備え、被処理液を水熱酸化反応により処理する水熱酸化反応装置において、処理流体中のイオンを電気透析法により分離して、脱イオン水を生成する電気透析装置を処理流体系統に備えていることを特徴としている。
【0013】電気透析装置とは、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを交互に設置し、そこに電気を通電することにより陽イオン及び陰イオンを相互に別方向に移動させて、濃縮水と希釈水とに分離する装置である。希釈水として、水熱反応により有機物が分解され、かつイオンの存在が極めて低下した水、つまり脱イオン水が電気透析装置の希釈水側に流出する。PCB等の有機塩素化合物の極めて濃度の高い被処理液を水熱酸化反応により処理した場合に生じるイオン濃度の高い処理流体であっても、電気透析装置を設けて、処理流体を電気透析することにより、処理流体からイオンを効率良く分離して、イオン濃度の極めて低い脱イオン水を流出させることができる。電気透析装置で得られた脱イオン水を水熱酸化反応装置に補給水として供給するようにしても良い。
【0014】電気透析法を施す際、水熱酸化反応の高い圧力下ではなく、常圧下で電気透析法を適用することが、技術的及び経済的見地から好ましい。そこで、本発明の好適な実施態様の処理流体系統は、反応器から処理流体を流出させる処理流体管と、処理流体管に、順次、設けられた、中和急冷器、冷却器、圧力制御弁、及び気液分離器とを備え、電気透析装置が、気液分離装置で分離された液の流出管に設けられている。
【0015】本発明では、電気透析装置として既知の構成の電気透析装置を使用できるものの、好適には、電気透析装置として、処理流体を酸と塩基性水溶液と脱イオン水とに分離するバイポーラ膜型電気透析装置を設け、電気透析装置で分離した塩基性水溶液を水熱反応後の中和急冷器に注入するようにする。これにより、塩基性物質の閉サイクルを構成することができる。
【0016】好適には、電気透析装置の上流に、処理流体の温度を30℃以上60℃以下の温度範囲に調節する手段、例えば冷却器又は加温器を設け、電気透析装置のイオン分離効率を高めることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、実施形態例を挙げ、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に説明する。
実施形態例1本実施形態例は、本発明に係る水熱酸化反応装置を超臨界水酸化装置に適用した実施形態の一例であって、図1及び図2は、それぞれ、本実施形態例の超臨界水酸化装置及び電気透析装置のフローシートである。本実施形態例の超臨界水酸化装置40は、図1に示すように、気液分離器20から出る液流出管24の液面制御弁27の下流に電気透析装置42を備えていることを除いて、従来の超臨界水酸化装置10と同じ構成を備えている。電気透析装置42は、電気透析法により処理流体中のイオンを分離して、脱イオン水管44から脱イオン水を流出させ、イオン濃縮水管46から塩濃縮水を流出させる。
【0018】電気透析装置42は、図2に示すように、容器48の一方の端部に陽極56が、他方の端部に陰極58がそれぞれ設けられ、陽極側から陰極側に向かって、陰イオン交換膜50及び陽イオン交換膜52を交互に離隔対面して多数枚配置し、陰イオン交換膜50と陽イオン交換膜52とで容器48内を区画して、それぞれ、小室54を多数形成している。容器48の一方の端部の容器壁と陰イオン交換膜50との間の小室54Aには陽極56が設けられ、容器の他方の端部の容器壁と陽イオン交換膜52との間の小室54Bには陰極58が設けてある。
【0019】陽極側に陰イオン交換膜50が、陰極側に陽イオン交換膜52がある小室54Cの入口には、処理流体が供給され、更にイオン濃度の低い処理流体(脱イオン水)となって小室54Cの出口から脱イオン水が流出する。処理流体中の陽イオンは陰極に向かって移動し、陰イオンは陽極に向かって移動する。また、陽極側に陽イオン交換膜52が、陰極側に陰イオン交換膜50がある小室54Dの入口には、塩濃縮水が供給され、更に塩濃度の高い塩濃縮水となって小室54Dの出口から塩濃縮水が流出する。陽イオンは陽イオン交換膜52を透過するものの、陰イオン交換膜50を透過しない。一方、陰イオンは陰イオン交換膜50を透過するものの、陽イオン交換膜52を透過しない。これにより、小室54Cの処理流体中の陰イオン及び陽イオンの濃度は低下して脱イオンされ、小室54Dの塩濃縮水中の陰イオン及び陽イオンの濃度は高くなる。
【0020】小室54Cから流出した処理流体(脱イオン水)は、液排出管24から流入した処理流体と共に、脱イオン水中間タンク60及び脱イオン水ポンプ61を介して小室54Cの入口に循環される。脱イオン水の一部が、脱イオン水中間タンク60から脱イオン水管44通って抜き出され、補給水として補給水管38から超臨界水酸化装置10に送られる。尚、脱イオン水のイオン濃度を低くするためには、本実施形態例とは異なり、液排出管24からの処理流体を脱イオン水中間タンク60に流入させず、脱イオン水の抜き出し点の下流に流入させることが好ましい。小室54Dから流出した塩濃縮水は、塩濃縮水中間タンク62及び塩濃縮水ポンプ63を介して小室54Dの入口に循環される。塩濃縮水の一部が、塩濃縮水管46を介して塩濃縮水中間タンク62から抜き出され、別の処理装置に送られる。なお、このようにして抜き出された塩濃縮水の水量に相当する補充水が塩濃縮水中間タンク62に補給される。
【0021】冷却器16の冷却水の流量の調整により、処理流体の温度が40℃程度になるように調整されていて、電気透析装置42が効率的に電気透析できるようになっている。電気透析装置42は、バッチ式又は連続式で運転することができ、陰イオン交換膜及び陽イオン交換膜の仕様、膜面積、脱イオン時間等を設定することにより、処理能力を調整することができる。本実施形態例では、電気透析装置として、例えば旭化成(株)製の中型電気透析装置のアシライザーG5型を使用している。被処理液の処理量は、1ton/日であって、被処理液の塩濃度が塩化ナトリウム5%のとき、脱塩率は99.8%である。以上の構成により、本実施形態例の超臨界水酸化装置40では、処理流体中の塩濃度がNaCl換算で5質量%のとき、脱イオン水のイオン濃度は100mg/リットル、塩濃縮水の濃度は10質量%となる。塩濃縮水を蒸発乾固して製塩したり、或いは電気分解して苛性ソーダを生成したりすることもできる。
【0022】実施形態例2本実施形態例は、本発明に係る水熱酸化反応装置を超臨界水酸化装置に適用した実施形態の別の例であって、図3及び図4は、それぞれ、本実施形態例の超臨界水酸化装置及び電気透析装置の単位ブロックのフローシートである。本実施形態例の超臨界水酸化装置70は、図3に示すように、気液分離器20から出る液流出管24の液面制御弁27の下流に実施形態例1の電気透析装置42とは異なる構成のバイポーラ膜型電気透析装置72を備えていることを除いて、実施形態例1の超臨界水酸化装置40と同じ構成を備えている。
【0023】電気透析装置72は、バイポーラ膜型電気透析装置と呼ばれているものであって、通常の陰イオン交換膜及び陽イオン交換膜に加えて、バイポーラ膜を備えていることに特徴を有し、バイポーラ膜の作用により、脱イオン水管74から脱イオン水を、酸流出管76から酸を、塩基性水溶液流出管78から塩基性水溶液をそれぞれ、流出させる。脱イオン水は、補給水として補給水管38に供給され、塩基性水溶液は、中和急冷器15に供給される。
【0024】バイポーラ膜は、図4(a)に示すように、陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とを接合した構成の膜であって、図4(a)に示す方向で電場をかけると、陰陽イオン交換膜間の水が解離分裂してH+ とOH- になり、電流が流れる。バイポーラ膜型電気透析装置では、バイポーラ膜と通常の陰イオン交換膜及び陽イオン交換膜を組み合わせて使用することにより、塩が生成した際の元の酸と塩基に塩を分解することができる。
【0025】バイポーラ膜電気透析装置には、2室式と3室式との2通りの方式がある。本実施形態例のバイポーラ膜電気透析装置72は3室式の装置である。3室式のバイポーラ膜電気透析装置72は、以下に説明するブロックを一つの構成単位する複数個のブロックの集合体である。一つのブロックは、図4(b)に示すように、容器79と、容器79の一方の端部に設けられ、陽極80を有する陽極室82と、他方の端部に設けられ、陰極84を有する陰極室86と、並びに陽極側から陰極側に向かって交互に離隔対面して配置されている、第1バイポーラ膜88、陰イオン交換膜90、陽イオン交換膜92、及び第2バイポーラ膜94により区画された3室を備えている。図4(b)では、簡単のために、1単位ブロックのみを図示している。
【0026】容器79は、第1バイポーラ膜88と陰イオン交換膜90とにより区画された酸室96と、陰イオン交換膜90と陽イオン交換膜92とにより区画された塩室98と、陽イオン交換膜92と第2バイポーラ膜94とにより区画された塩基室100の3室に仕切られている。処理流体中に含まれる塩が主として塩化ナトリウム(NaCl)の場合、処理流体を塩室98に流入させると、処理流体は脱塩されて、脱イオン水として脱イオン水管74から流出する。同時に、酸室96から酸流出管76を通って、酸、例えば塩酸(HCl)等が流出し、塩基室100からは塩基性水溶液流出管78を通って水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液が流出する。酸室96、塩室98、及び塩基室100には、必要に応じて、実施形態例1の電気透析装置42と同様に、脱イオン水、酸、及び塩基性水溶液の循環を行うようにすることもできる。酸濃縮水は、塩酸等としてリサイクル使用することが考えられる。例えば、製鉄の酸洗浄水や、研究所、工場等の排水のpH調整用の酸としての利用が考えられる。
【0027】実施形態例2の変形例1本変形例は、実施形態例2の超臨界水酸化装置70の変形例であって、図5に示したごとく液流出管24の下流に逆浸透膜装置101及びバイポーラ膜型電気透析装置72を設けたフローを示すものである。本実施形態例の超臨界水酸化装置105は、図5に示すように、気液分離器20から出る処理流体を図示してない高圧ポンプにより逆浸透膜装置101に圧入し、透過水管103から透過水を、そして濃縮水管102から濃縮水を得る。濃縮水管102からの濃縮水は、バイポーラ膜型電気透析装置72の塩室98に流入し、また、透過水管103からの透過水は、バイポーラ膜型電気透析装置72の酸室96及び塩基室100に流入し、また塩室98から流出する脱イオン水は脱イオン水管74を介して濃縮水管102の濃縮水に循環混合される。そして、塩基室100で得られる塩基性水溶液は、塩基性水溶液流出管78を介して中和急冷器15に供給されて中和剤として用いられ、酸室96で得られる酸は、酸流出管76から工場等の排水のpH調整用の酸として利用される。
【0028】本実施態様は、バイポーラ膜型電気透析装置から得られる塩基性水溶液あるいは酸の濃度をより濃くする場合に用いられるフローであって、このようなフローを採用することにより、水酸化ナトリウム濃度及び酸とも約2モル/リットルの濃度として回収することが可能である。
【0029】実施形態例2の変形例2本変形例は、実施形態例2の超臨界水酸化装置70の変形例であって、図示しないが、電気透析装置72は、気液分離器20で分離された超臨界水酸化装置70の処理流体に加えて、超臨界水酸化装置70に隣接して設けられている装置、例えば純水製造装置から排出される塩含有水をも処理するようになっている。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、被処理液を水熱酸化させて処理する水熱酸化反応装置において、PCB等の極めて有機塩素化合物濃度の高い被処理液を水熱酸化反応により処理した場合に生じるイオン濃度の高い処理流体であっても、電気透析装置を設けて、処理流体を電気透析することにより、処理流体からイオンを効率良く分離して、イオン濃度の極めて低い脱イオン水を流出させることができる。また、処理水を水熱酸化反応装置等の補給水としても使用することができる。電気透析装置としてバイポーラ膜型電気透析装置を設けることにより、塩基性物質及び酸物質を回収して、リサイクル使用することができるので、これらの物質に関して閉サイクルの水熱酸化反応装置を構成することができる。
【出願人】 【識別番号】000004400
【氏名又は名称】オルガノ株式会社
【住所又は居所】東京都江東区新砂1丁目2番8号
【出願日】 平成13年11月30日(2001.11.30)
【代理人】 【識別番号】100095821
【弁理士】
【氏名又は名称】大澤 斌 (外2名)
【公開番号】 特開2003−164751(P2003−164751A)
【公開日】 平成15年6月10日(2003.6.10)
【出願番号】 特願2001−366434(P2001−366434)