| 【発明の名称】 |
分析廃液の処理方法及び分析廃液処理装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】中森 理 【住所又は居所】東京都江東区新砂1丁目2番8号 オルガノ株式会社内
【氏名】鈴木 明 【住所又は居所】東京都江東区新砂1丁目2番8号 オルガノ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】有機塩素化合物を含む分析廃液を確実に無害化処理できる方法を提供する。
【解決手段】本方法は、有機塩素化合物を含む分析廃液を無害化処理する方法である。本方法では、分析廃液処理装置10の水ポンプ18、分析廃液ポンプ22及び界面活性剤ポンプ26を起動して、水槽16、槽20、及び槽24から所定比率で水、分析廃液、界面活性剤を乳化装置14に送る。乳化装置で、界面活性剤の作用によりミセル平均粒径が2μm以下の水/分析廃液エマルションを形成してタンク30に収容する。ポンプ34を起動してエマルションを反応器12に送入する。ポンプ37を起動して過酸化水素水槽35から過酸化水素水を吸引し、予熱器38で所定温度に予熱しつつ送入管32に注入する。エマルションと過酸化水素水とは、ラインミキサー39で混合された後、反応器に流入する。以下、通常の超臨界水酸化装置と同様にして運転する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 有機溶媒に有機塩素化合物を溶解させた分析廃液を超臨界水酸化反応により処理する方法であって、分析廃液と水と乳化剤とを混合して、エマルションを形成するエマルション形成工程と、エマルションと液状酸化剤とを反応器に送って、超臨界水酸化反応によりエマルションを処理する処理工程とを有し、分析廃液に添加した水を超臨界水酸化反応に要する補給水として利用することを特徴とする分析廃液の処理方法。 【請求項2】 エマルション形成工程と処理工程との間にエマルションと酸化剤とを混合する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の分析廃液の処理方法。 【請求項3】 酸化剤が過酸化水素水又は酸素溶存水であることを特徴とする請求項1又は2に記載の分析廃液の処理方法。 【請求項4】 エマルション形成工程では、単位量当たりのエマルションを超臨界水酸化する際に発生する熱エネルギーが、エマルションの超臨界水酸化反応を維持するのに必要な熱エネルギーを超えないように、分析廃液に水を添加して、単位量当たりのエマルションの超臨界水酸化反応の際の発生熱エネルギーを低下させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の分析廃液の処理方法。 【請求項5】 エマルション形成工程では、ミセルの平均粒径が2μm以下であるエマルションを形成することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の分析廃液の処理方法。 【請求項6】 乳化剤の分析廃液に対する添加比率は1質量%以上であることを特徴とする請求項5に記載の分析廃液の処理方法。 【請求項7】 乳化剤として、アルカリ、アルカリ土類金属等の塩基生成成分、及びハロゲン、硫黄等の酸生成成分を含まない非イオン性界面活性剤を用いることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の分析廃液の処理方法。 【請求項8】 有機溶媒に有機塩素化合物を溶解させた分析廃液を超臨界水酸化反応により処理するために、超臨界水を収容する管型反応器を備え、水と分析廃液とのエマルション、及び液状酸化剤を反応器に供給して、超臨界水の存在下で分析廃液と酸化剤との超臨界水酸化反応を行い、分析廃液を処理する分析廃液処理装置であって、分析廃液と水と乳化剤とを混合して、エマルションを形成する乳化手段と、エマルションを反応器に注入するエマルション注入手段と、管型予熱器を備え、予熱器で液状酸化剤を予熱してエマルションと共に反応器に注入する酸化剤注入手段と、反応器から流出した処理流体を冷却する管型冷却器とを備えていることを特徴とする分析廃液処理装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、有機溶媒に有機塩素化合物を溶解させた分析廃液の処理方法及び処理装置に関し、更に詳細には、安全かつ確実に分析廃液中の有機塩素化合物の濃度を排出基準値以下に低下できる分析廃液の処理方法及び処理装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】環境問題に対する認識の高まりと共に、試料中の有機塩素化合物、例えばPCB(ポリ塩素化ビフェニル)、ダイオキシン、有機塩素系溶剤等の有無、また試料中のそれらの含有量等を分析する作業が増大しており、特にダイオキシンを分析する作業が著しく増大している。そして、分析作業の増大と共にダイオキシンを含む分析廃液の量も増大している。ダイオキシンを含む分析廃液は、通常、トルエン、アセトン等の有機溶媒に少量ないし微量のダイオキシンを溶解させたもので構成されている。尚、本明細書で、分析廃液とは、分析に供するために、有機溶媒に有機塩素化合物を溶解させて調製した分析試料の残余等、分析に供した試料及び分析廃液自体を含む概念である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、例えばダイオキシン類の分析廃液は、極めて有害なダイオキシン類を有機溶媒に溶解させているために、分析廃液を処理することが技術的に難しく、従来、処分することなく、分析廃液をそのまま保管していることが多かった。しかし、分析廃液の保管は、分析廃液の逸出、拡散を防止するために、厳重な注意を必要とする結果、多大な人手とコストを要し、しかも保管できる分析廃液の量にも倉庫等の容積から限界があるので、発生し続ける分析廃液を保管し続けることは、難しい。そこで、ダイオキシン類の有害な有機塩素化合物を溶解している分析廃液を無害化して処分する装置及び方法の実現が要望されていた。 【0004】本発明の目的は、ダイオキシン等の有機塩素化合物を含む分析廃液を確実に無害化処理できる装置及び方法を提供することである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者は、有機物の酸化/分解性に優れ、環境汚染物質を分解、無害化できる反応として評価されている超臨界水反応に注目し、分析廃液の処理に超臨界水反応を利用することを着想した。超臨界水反応方法とは、超臨界水の高い反応性を利用して有機物を分解する方法であって、例えば、難分解性の有害な有機物を分解して無害な二酸化炭素と水に転化したり、難分解性の高分子化合物を分解して有用な低分子化合物に転化したりするために、現在、その実用化が盛んに研究されている。超臨界水とは、超臨界状態にある水、即ち、水の臨界点を越えた状態にある水を言い、詳しくは、374.1℃以上の温度で、かつ22.04MPa以上の圧力下にある状態の水を言う。超臨界水は、有機物を溶解する溶解能が高く、有機化合物に多い非極性物質をも完全に溶解することができる一方、逆に、金属、塩等の無機物に対する溶解能は著しく低い。また、超臨界水は、酸素や窒素などの気体と任意の割合で混合して単一相を構成することができる。 【0006】ここで、図2を参照して、基本的な超臨界水酸化装置の構成を説明する。図2は超臨界水酸化装置の構成を示すフローシートである。超臨界水酸化装置60は、有機物を含む被処理液を超臨界水の存在下で超臨界水反応により酸化処理する装置であって、図2に示すように、超臨界水反応を行う反応器として、縦型の耐圧密閉型反応器62を備え、反応器62から処理流体を流出させる処理流体管64に、順次、処理流体を冷却する冷却器66、反応器62内の圧力を制御する圧力制御弁68、及び、処理流体をガスと液体とに気液分離する気液分離器70を備えている。 【0007】超臨界水酸化装置60は、超臨界水反応に供する反応物を反応器62に供給する供給系統として、被処理液ポンプ72と、空気圧縮機74とを備え、被処理液管76を介して有機物を含む被処理液を反応器62に送入し、かつ、被処理液管76に接続された空気送入管78を介して酸化剤として空気を被処理液と共に反応器62に送入する。更に、被処理液中の有機物の酸化熱のみでは超臨界水温度以上に維持できないような場合は、反応器62での超臨界水反応を維持するのに必要な熱エネルギー源として石油系炭化水素油等の補助燃料を反応器62に送入する補助燃料管80を被処理液管76に合流させる。更に、必要に応じて、反応器62で超臨界水反応により処理流体中の有機物から発生した塩素等を中和するアルカリ剤を反応器62に送入するアルカリ剤送入管82を被処理液管76に合流させている。また、被処理液中の水分が不足し、超臨界水反応が維持できない場合は、補給水管84を介して被処理液管76に補給水を加えることもある。 【0008】なお、被処理液と処理流体とを熱交換させて処理流体を冷却するとともに被処理液を昇温して熱回収を図る熱交換器(図示せず)を冷却器66の上流の処理流体管64に、又は被処理液を予熱する予熱器を反応器62の上流の被処理液管76に設けることもある。更には、反応器62の下部に亜臨界水領域を設け、反応器62内で生じた無機塩類を亜臨界水領域に沈降させ、除去する機構を設けることもある。 【0009】そして、超臨界水反応を利用することにより、ダイオキシン等の有機塩素化合物を比較的容易に分解できることが、実験的にも、実用的にも、確認されている。 【0010】しかし、かかる有機溶媒からなる分析廃液の処理装置として上述の超臨界水酸化装置をそのまま適用することは、以下の理由から技術的に難しい。 (1)第1の理由は、超臨界水反応の際に発生する単位量当たりの有機溶媒の熱エネルギーが、超臨界水反応の維持に必要な熱エネルギーに比べて高すぎることである。 (2)第2の理由は、上述の超臨界水酸化装置の構成機器を単に小型化するだけでは、分析廃液の処理を行う実験室等で要求される小型処理装置を実現することが難しいことである。 【0011】本発明者は、第1の理由に対しては、有機溶媒からなる分析廃液を水で希釈して単位量当たりの分析廃液の発生熱エネルギーを低下させ、かつ希釈した水を超臨界水反応の補給水として利用することを考えた。 【0012】ところで、主として有機溶媒からなる分析廃液と水とを混合した混合流体を小型の管型反応器に送入して、超臨界水酸化反応を行うと、反応温度が不安定になることが多い。それは、有機溶媒からなる分析廃液と水とが相互に分離して、分析廃液リッチのブロックと、水リッチのブロックとにブロック化し、分析廃液濃度が高いブロックと、分析廃液濃度が低いブロックとに分離して、交互に管型反応器に流入するからである。その結果、分析廃液濃度の高いブロックが反応器に流入すると、有機溶媒の超臨界水酸化反応が急激に進行して反応温度が上昇する。逆に、分析廃液濃度の低いブロックが流入すると、発熱量が不足して、反応温度が低下する。即ち、分析廃液が均一な濃度で被処理液中に分散した状態で反応器に流入しないために、反応温度が不安定になることを見い出した。この現象は、特に管型反応器に著しい。 【0013】そこで、本発明者は、分析廃液と水の混合流体を処理する際には、分析廃液と水とを混合して相互に分散させたエマルション状の流体を形成し、形成したエマルションを反応器に送入することを着想し、種々の実験を行った結果、次のことを見い出した。 (1)エマルションを形成する際、分析廃液と水とに単に乳化剤、例えば界面活性剤を添加して混合・分散しただけでは、以下のような理由から、反応器内の反応温度は安定しないことが、実験により判った。即ち、単に界面活性剤を添加し、混合、分散させただけでは、エマルション中に生成したミセルが、エマルションを収容したエマルション槽内、エマルションを送入する被処理液管内、更にはエマルションを反応器に送入するために圧送する圧送ポンプ内で沈降してしまうことが多い。その結果、エマルション中のミセル濃度、従って分析廃液濃度が不均一になるので、分析廃液濃度の異なるエマルションの導入に伴い、反応器温度も変動する。つまり、エマルションの性状が反応温度の変動の大小を規定することが判った。 【0014】(2)エマルションの性状を規定する因子は、エマルション中に生成したミセルの平均粒径及びミセル濃度であって、特にミセルの平均粒径が重要である。ミセルの平均粒径が大きいときには、ミセルの負に帯電した相互反発力よりもミセルに作用する重力の方が大きくなり、ミセルが沈降し始める。ミセルの平均粒径が小さいと、ミセル同士の相互反発力が、重力による沈降力を上回り、沈降作用を抑制して、長時間安定した濃度分布を示す。つまり、ミセルの粒径が小さいほど、ミセル濃度が均一で、長時間安定した乳化状態のエマルションを維持することができる。そして、ミセルの平均粒径が2μm以下であれば、ミセルの沈降が殆ど起こらないことを実験により確認した。 【0015】(3)また、界面活性剤にも制約があって、界面活性剤であれば、何でもよいという訳ではなく、非イオン性界面活性剤を使用することが重要である。適用できる界面活性剤は、分析廃液中に含まれる有機溶媒の種類によって異なるものの、トルエン等のベンゼン環を含む有機溶媒を主体とする分析廃液には、アルキルフェニルエーテル系、多環フェニルエーテル系、ソルビタン系の非イオン性界面活性剤を用いることができ、特に、ソルビタン系あるいは多環フェニルエーテル系非イオン性界面活性剤が望ましい。これらの界面活性剤を使用することにより、ミセルの平均粒径が2μm以下の分析廃液と水のエマルションを容易に形成することができる。また、界面活性剤が酸生成成分又は塩基生成成分を含んでいると、それらが反応器内で塩類や酸を形成して、塩類の析出や酸による反応器の腐食等を引き起こす恐れがあるので、界面活性剤は、アルカリ、アルカリ土類金属等の塩基生成成分、ハロゲン及び硫黄等の酸生成成分を含まないことが重要である。 (4)ミセルの平均粒径を2μm以下にするためには、臨界ミセル濃度以上の濃度範囲で、疎水性有機物の質量に対して1質量%以上の添加率で界面活性剤を添加することが必要であることが判った。 【0016】更に、本発明者は、第2の理由に対して、超臨界水酸化装置の機器をチューブラー化すること、及び酸化剤の注入設備を小型化し易くするために、酸化剤として大型の機器である圧縮機を必要とする空気に代えて、小型のポンプで供給できる液状の酸化剤、例えば過酸化水素(H2 O2 )水を使用することを考え、実験によりその有効性を確認した。 【0017】上記目的を達成するために、上述の知見に基づいて、本発明に係る分析廃液の処理方法は、有機溶媒に有機塩素化合物を溶解させた分析廃液を超臨界水酸化反応により処理する方法であって、分析廃液と水と乳化剤とを混合して、エマルションを形成するエマルション形成工程と、エマルションと液状酸化剤とを反応器に送って、超臨界水酸化反応によりエマルションを処理する処理工程とを有し、分析廃液に添加した水を超臨界水酸化反応に要する補給水として利用することを特徴としている。 【0018】好適には、反応器の上流にラインミキサー等を設け、エマルション形成工程と処理工程との間にエマルションと酸化剤とを均一に混合するようにする。酸化剤として、例えば、過酸化水素水又は酸素溶存水を使用する。 【0019】また、エマルション形成工程では、エマルション形成工程では、単位量当たりのエマルションを超臨界水酸化する際に発生する熱エネルギーが、エマルションの超臨界水酸化反応を維持するのに必要な熱エネルギーを超えないように、分析廃液に水を添加して、単位量当たりのエマルションの超臨界水酸化反応の際の発生熱エネルギーを低下させるようにする。 【0020】更には、エマルション形成工程では、ミセルの平均粒径が2μm以下であるエマルションを形成することにより、エマルションの分離を抑制して、エマルション中の分析廃液濃度の安定性を増大させることができる。ミセルの平均粒径が2μm以下であるエマルションを形成するためには、乳化剤の分析廃液に対する比率は1質量%以上である。また、乳化剤として、アルカリ、アルカリ土類金属等の塩基生成成分、及びハロゲン、硫黄等の酸生成成分を含まない非イオン性界面活性剤を用いることにより、超臨界水酸化装置の腐食、特に反応器等の腐食を防止することができる。 【0021】また、本発明に係る分析廃液処理装置は、有機溶媒に有機塩素化合物を溶解させた分析廃液を超臨界水酸化反応により処理するために、超臨界水を収容する管型反応器を備え、水と分析廃液とのエマルション、及び液状酸化剤を反応器に供給して、超臨界水の存在下で分析廃液と酸化剤との超臨界水酸化反応を行い、分析廃液を処理する分析廃液処理装置であって、分析廃液と水と乳化剤とを混合して、エマルションを形成する乳化手段と、エマルションを反応器に注入するエマルション注入手段と、管型予熱器を備え、予熱器で液状酸化剤を予熱してエマルションと共に反応器に注入する酸化剤注入手段と、反応器から流出した処理流体を冷却する管型冷却器とを備えていることを特徴としている。 【0022】管型予熱器とは、例えば液状酸化剤が流れる管体の外側に発熱体を被覆した形式の加熱器、或いは液状酸化剤が流れる管体をコイル状又は蛇管状にして電気炉内に設けた加熱器等を言う。管型冷却器とは、二重管型冷却器、水槽に処理流体が流れる管体をコイル状又は蛇管状にして浸漬させた冷却器等を言う。管型反応器とは、いわゆるチューブラー反応器を言う。反応器は、21秒以上の反応時間を確保できる容積を有し、反応器での反応温度は560℃以上である。そのため、反応器の外側には、必要に応じて、発熱体を設けてもよい。 【0023】 【発明の実施の形態】以下に、添付図面を参照し、実施形態例を挙げて本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に説明する。 分析廃液処理装置の実施形態例本実施形態例は、本発明に係る分析廃液処理装置の実施形態の一例であって、図1は本実施形態例の分析廃液処理装置の構成を示すフローシートである。本実施形態例の分析廃液処理装置10は、分析廃液を超臨界水生成用の水と共に反応器に送入して分析廃液を超臨界水反応させて処理する装置であって、図1に示すように、管状反応器12、反応器12に分析廃液、超臨界水生成用の水及び界面活性剤を供給する供給系統、分析廃液と水とを界面活性剤によってエマルション化する乳化装置14、酸化剤として過酸化水素水を供給する供給系統、及び反応器12以降の処理流体系統を備えている。反応器12は、チューブラー反応器であって、21秒以上の反応時間を確保できる容積を有し、反応器12での反応温度は560℃以上である。そのため、反応器12の外側には、必要に応じて、発熱体を設けてもよい。 【0024】水の供給系統は、水を収容した水槽16と、水槽16から乳化装置14に水を送る水ポンプ18とから、分析廃液の供給系統は、分析廃液を収容した分析廃液槽20と、分析廃液槽20から乳化装置14に分析廃液を送る分析廃液ポンプ22とから、また、界面活性剤の供給系統は、界面活性剤を収容した界面活性剤槽24と、界面活性剤槽24から乳化装置14に界面活性剤を送る界面活性剤ポンプ26とから、それぞれ、構成されている。乳化装置14は、エマルションを生成する乳化装置本体28と、乳化装置本体28から流出したエマルションを収容するエマルション・タンク30、及び、エマルション・タンク30から送入管32を通って反応器12にエマルションを送入する送入ポンプ34を備えている。 【0025】乳化装置本体28は、連続運転型でも、バッチ運転型でも良い。更には、連続運転型の乳化装置本体28と、送入ポンプ34とを円滑に連動させることができる限り、エマルション・タンク30を設ける必要はなく、乳化装置本体28と送入ポンプ34とを配管で直接、接続して連続運転することもできる。尚、エマルションが再び分離することを防ぐためには、エマルション・タンク30の容量は小さいことが望ましく、更に望ましくは、上述のように乳化装置本体28と送入ポンプ34とを配管で直接、接続して連続運転する。本分析廃液処理装置10で使用する乳化装置本体28は、例えばミズホ工業(株)製の乳化攪拌装置、真空乳化攪拌装置を使用することができる。 【0026】過酸化水素水の供給系統は、過酸化水素水を収容する過酸化水素水槽35と、過酸化水素水槽35から送入管32に接続され、過酸化水素水を注入する過酸化水素水注入管36、過酸化水素水送入管36と送入管32を介して反応器12に過酸化水素水を圧入する過酸化水素水ポンプ37、及び過酸化水素水ポンプ37の下流の過酸化水素水注入管36に設けられ、過酸化水素水を予熱する管状予熱器38とを備えている。送入管32と過酸化水素水注入管36の合流点と反応器12との間の送入管32には、エマルションと過酸化水素水とを一様に混合するために、ディスク/ドーナツ式又はリボン式のラインミキサー39が設けてある。 【0027】また、分析廃液処理装置10は、反応器12から処理流体を流出させる処理流体管40に、順次、処理流体を冷却する冷却器42、反応器12内の圧力を制御する圧力制御弁44、及び、処理流体をガスと液体とに気液分離する気液分離器46を備えている。尚、濃度が高い有機塩素化合物を含む分析廃液を処理する場合には、反応器12から流出する処理流体に塩酸が含まれ、腐食問題が生じるので、処理流体にアルカリ水溶液を注入して処理流体を中和し、かつ急冷する中和急冷部48を反応器12の出口直後に備え、そこにアルカリ水溶液を注入するアルカリ水溶液注入管50が接続されている。 【0028】本実施形態例の分析廃液処理装置10は、反応器12、予熱器38、冷却器42等の機器が全て管状機器であって、しかも大型の空気圧縮器に代えて小型の過酸化水素水ポンプを設けているので、大幅な小型化が可能であって、全ての機器をハウジングに収容したパッケージ型の分析廃液処理装置として、例えば実験室等に設置できるようにすることができる。 【0029】分析廃液の処理方法の実施形態例本実施形態例は、上述の分析廃液処理装置10を使って本発明に係る分析廃液の処理方法を実施する実施形態の一例である。本実施形態例の方法では、先ず、分析廃液処理装置10の水ポンプ18、分析廃液ポンプ22及び界面活性剤ポンプ26を起動して、水槽16、分析廃液槽20、及び界面活性剤槽24から、それぞれ、所定比率で水、分析廃液、界面活性剤を乳化装置14に送る。 【0030】乳化装置14で、界面活性剤の作用により、ミセルの平均粒径が2μm以下の、水と分析廃液のエマルションを形成して、エマルション・タンク30に収容する。そして、送入ポンプ34を起動して、エマルションを反応器12に送入する。同時に、過酸化水素水ポンプ37を起動して、過酸化水素水槽35から過酸化水素水を吸引し、予熱器38で所定温度に予熱しつつ送入管32に注入する。エマルションと過酸化水素水とは、ラインミキサー39で一様に混合された後、反応器12に流入する。以下、通常の超臨界水酸化装置と同様にして運転する。尚、反応器12での反応温度は560℃以上であり、反応時間は21秒以上である。 【0031】本実施形態例の方法では、小型の分析廃液処理装置により、有害な有機塩素化合物、例えばダイオキシンを含む分析廃液を超臨界水酸化により確実にかつ手軽に排出基準以下の濃度の処理液とすることができる。 【0032】 【発明の効果】本発明によれば、予熱器、反応器、冷却器等の機器を管状機器にし、しかも大型の空気圧縮器を必要とする空気に代えて、酸化剤として小型のポンプのみを必要とする液状酸化剤を使用するので、装置の大幅な小型化が可能であって、全ての機器をハウジングに収容したパッケージ型の分析廃液処理装置として、例えば実験室等に設置できるようにすることができる。本発明方法によれば、小型の分析廃液処理装置により、有害な有機塩素化合物、例えばPCB等を含む分析廃液を超臨界水酸化により確実にかつ手軽に排出基準以下の濃度の処理液とすることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004400 【氏名又は名称】オルガノ株式会社 【住所又は居所】東京都江東区新砂1丁目2番8号
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| 【出願日】 |
平成13年11月30日(2001.11.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095821 【弁理士】 【氏名又は名称】大澤 斌 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−164750(P2003−164750A) |
| 【公開日】 |
平成15年6月10日(2003.6.10) |
| 【出願番号】 |
特願2001−365904(P2001−365904) |
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