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【発明の名称】 気液混合送液装置
【発明者】 【氏名】礒崎 和文
【住所又は居所】東京都新宿区高田馬場1丁目29番10号 東亜ディーケーケー株式会社内

【氏名】森 敏之
【住所又は居所】東京都新宿区高田馬場1丁目29番10号 東亜ディーケーケー株式会社内

【要約】 【課題】調製される気液混合状態の液体における気液混合比率が安定しているとともに、送液を予定している液体の全量を確実に送液することが可能な気液混合送液装置を提供する。

【解決手段】内部に液体20が導入される容器2と、容器内に加圧気体22を導入する加圧気体導入パイプ10と、加圧気体により加圧された容器内の液体が内部を上向流で流れて排出されるほぼ垂直な送液パイプ52と、内径が送液パイプの外径より大きいとともに、下端部に液体流入溝56が形成され、送液パイプの周囲に配置されたガイドパイプ54とを具備し、ガイドパイプの下端面は容器の底面に接触し、送液パイプの下端面はガイドパイプの液体流入溝より上方に位置する気液混合送液装置とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】内部に液体が導入される容器と、容器に取り付けられ、容器内の液体の液面を上方から加圧する加圧気体を容器内に導入する加圧気体導入パイプと、容器に取り付けられ、前記加圧気体により液面が加圧された容器内の液体が下端開口部から内部に流入し、内部を上向流で流れて容器外に排出されるほぼ垂直な送液パイプと、内径が送液パイプの外径より大きいとともに、下端部に液体流入溝または液体流入孔が形成され、送液パイプの周囲に配置されたガイドパイプとを具備し、ガイドパイプの下端面は容器の底面に接触し、送液パイプの下端面はガイドパイプの液体流入溝または液体流入孔より上方に位置していることを特徴とする気液混合送液装置。
【請求項2】ガイドパイプは送液パイプの周囲にフリーな状態で配置されていることを特徴とする請求項1に記載の気液混合送液装置。
【請求項3】ガイドパイプは送液パイプまたは容器の底面に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の気液混合送液装置。
【請求項4】送液パイプの下端面はガイドパイプの液体流入溝または液体流入孔よりやや上方に位置していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の気液混合送液装置。
【請求項5】ガイドパイプの上端面は容器の天面のやや下方に位置していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の気液混合送液装置。
【請求項6】内径が異なる複数のガイドパイプを備え、ガイドパイプを交換可能としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の気液混合送液装置。
【請求項7】液体流入溝または液体流入孔の大きさが異なる複数のガイドパイプを備え、ガイドパイプを交換可能としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の気液混合送液装置。
【請求項8】容器は周壁部、上壁部および底壁部を備え、加圧気体導入パイプおよび送液パイプはそれぞれ容器の上壁部に該上壁部を貫通した状態で取り付けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の気液混合送液装置。
【請求項9】容器は液体中に浸漬されるものであり、容器の底壁部には逆止弁を設けた液体流入口が形成されていることを特徴とする請求項8に記載の気液混合送液装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体に気体を混合して気液混合状態の液体を調製するとともに、この気液混合状態の液体を送液する気液混合送液装置に関する。本発明の気液混合送液装置は、例えば、所定量の薬液を気液混合状態で測定装置の検出器に噴射することにより、該検出器を洗浄する洗浄装置などとして使用される。
【0002】
【従来の技術】pH測定装置の浸漬型検出器(電極)に所定量の薬液を気液混合状態で噴射することにより電極の汚れを除去し、電極特性を維持したり回復させたりするための洗浄装置として、従来より図3に示すものが使用されている。
【0003】図3の洗浄装置において、2は周壁部4、上壁部6および底壁部8を備えた容器(計量カップ)を示す。この容器2の上壁部6には、加圧気体導入パイプ10および送液パイプ12が該上壁部6を貫通した状態で取り付けられており、加圧気体導入パイプ10の下端面は上壁部6の下面とほぼ同じ高さに位置し、送液パイプ12の下端面は底壁部8の上面よりやや上方に位置し、送液パイプ12の上部は上壁部6の上方に突出している。また、送液パイプ12には、上壁部6の下面よりやや下方において複数個の小径の空気導入孔14が形成されている。さらに、送液パイプ12の上端部には送液チューブ14が接続されている。底壁部8には、液体流入口16が形成されているとともに、この液体流入口16には逆止弁18が設けられている。
【0004】図3の洗浄装置を使用する場合、まず容器2を薬液タンク(図示せず)内の薬液中に浸漬する。これにより、薬液タンク内の薬液の位置水頭によって液体流入口16を通って容器2内に薬液20が流入し、容器2内に薬液20が充満する。この状態で計装エア等の加圧エア22を加圧気体導入パイプ10から容器2内に導入すると、容器2内の薬液20の液面24が加圧エア22に加圧されて液面24が下降するとともに、薬液20が送液パイプ12の下端開口部26から送液パイプ12内に流入し、送液パイプ12内を上向流で流れて容器2内から排出される。
【0005】また、上記のように容器2内の薬液20の液面24が下降するので、加圧エア22が空気導入孔14を通って送液パイプ12内に入り、加圧気体の圧力と液体の流れによるアスピレータ効果により送液パイプ12内を上向流で流れる薬液20にエアが混合され、気液混合状態の薬液28が調製される(送液パイプ12内の気液混合がなされる箇所を符号30で示す)。この気液混合状態の薬液28は、送液チューブ14を通ってpH測定装置の電極設置場所に移送され、送液チューブ14の先端に設けられたノズルから電極に噴射され、これにより電極が洗浄されるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図3に示した従来の洗浄装置は、送液チューブ14の長さ等によって変わる負荷の状況によっては、送液パイプ12内を流れる薬液の流量が低下し、調製される気液混合状態の薬液28における気液混合比率が不安定になって、薬液28の洗浄能力が低下することがあった。また、上記負荷の状況によっては、薬液20が送液パイプ12内を上向流で流れなくなって送液パイプ12内にエアのみが流入し、送液を予定している薬液の全量を送液できなくなることがあった。
【0007】本発明者らの検討によれば、上記のような現象が起こるのは、図3の洗浄装置は、容器2内の薬液20の液面24をエア22により加圧すると同時に、容器2内の上部に設けた空気導入孔14から送液パイプ12内の薬液中にエアを混合するものであるため、送液チューブ14の長さ等によって定まる負荷の状況によっては、空気導入孔14から送液パイプ12内に入るエア量が増え、エア22が液面24を加圧する力が弱くなることが原因であると考えた。
【0008】本発明は、前述した事情に鑑みてなされたもので、液体に気体を混合して気液混合状態の液体を調製するとともに、この気液混合状態の液体を送液する気液混合送液装置であって、調製される気液混合状態の液体における気液混合比率が安定しているとともに、送液を予定している液体の全量を確実に送液することが可能な気液混合送液装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達成するため、内部に液体が導入される容器と、容器に取り付けられ、容器内の液体の液面を上方から加圧する加圧気体を容器内に導入する加圧気体導入パイプと、容器に取り付けられ、前記加圧気体により液面が加圧された容器内の液体が下端開口部から内部に流入し、内部を上向流で流れて容器外に排出されるほぼ垂直な送液パイプと、内径が送液パイプの外径より大きいとともに、下端部に液体流入溝または液体流入孔が形成され、送液パイプの周囲に配置されたガイドパイプとを具備し、ガイドパイプの下端面は容器の底面に接触し、送液パイプの下端面はガイドパイプの液体流入溝または液体流入孔より上方に位置していることを特徴とする気液混合送液装置を提供する。
【0010】本発明の気液混合送液装置は、計装エア等の加圧気体を加圧気体導入パイプから容器内に導入すると、容器内の液体の液面が加圧気体に加圧され、液体がガイドパイプの液体流入溝または液体流入孔を通ってガイドパイプ内に流入した後、送液パイプの下端開口部から送液パイプ内に流入する。また、加圧気体が送液パイプ外面とガイドパイプ内面との間に形成される間隙を通って送液パイプの下方に流入し、ガイドパイプ内の送液パイプより下方位置において液体に気体が混合され、気液混合状態の液体が調製される。この気液混合状態の液体は、送液パイプ内を上向流で流れて容器内から排出され、所定箇所に移送される。
【0011】本発明の気液混合送液装置は、上記のようにガイドパイプ内の送液パイプより下方位置において液体と気体とが接触するので、送液すべき液体と気体とが必ず接触する。そのため、調製される気液混合状態の液体における気液混合比率が安定するとともに、送液を予定している液体の全量を確実に送液することが可能となる。この場合、本発明の気液混合送液装置では、送液パイプの周囲にガイドパイプをフリーな状態、すなわち上下動可能および回転可能な状態で配置すると、加圧気体を容器内に導入したときに、送液パイプ外面とガイドパイプ内面との間に間隙がうまく形成される。ただし、ガイドパイプをフリーな状態で配置すると、容器の揺れや液体の乱流によってガイドパイプが上下動する可能性がある。このような可能性がある場合には、ガイドパイプを送液パイプまたは容器の底面にビス止め、ねじ込み等によって固定することにより、ガイドパイプの上下動を防止することができる。なお、加圧気体が上記間隙を通って送液パイプの下方に流入するのは、加圧気体の圧力と、液体の流れによるアスピレータ効果が合成された働きによるものである。
【0012】本発明の気液混合送液装置は、後述する実施形態に示すように、下記構成を好適に採用することができる。
(1)送液パイプの下端面はガイドパイプの液体流入溝または液体流入孔よりやや上方に位置している構成。
(2)ガイドパイプの上端面は容器の天面のやや下方に位置している構成。
(3)内径が異なる複数のガイドパイプを備え、ガイドパイプを交換可能とした構成。
(4)液体流入溝または液体流入孔の大きさが異なる複数のガイドパイプを備え、ガイドパイプを交換可能とした構成。
(5)容器は周壁部、上壁部および底壁部を備え、加圧気体導入パイプおよび送液パイプはそれぞれ容器の上壁部に該上壁部を貫通した状態で取り付けられている構成。
(6)容器は液体中に浸漬されるものであり、容器の底壁部には逆止弁を設けた液体流入口が形成されている構成。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明をさらに詳しく説明する。図1は本発明に係る気液混合送液装置の一実施形態を示すもので、この気液混合送液装置はpH測定装置の浸漬型検出器(電極)の洗浄装置として構成されている。なお、図1において図3の洗浄装置と同一構成の部分には、同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0014】本例の洗浄装置において、52は送液パイプを示す。この送液パイプ52は上壁部6を貫通した状態で上壁部6に取り付けられており、その上部は上壁部6の上方に突出している。また、図3に示した送液パイプと異なり、本例の送液パイプ52に空気導入孔は形成されていない。
【0015】本例の洗浄装置において、54はガイドパイプを示す。このガイドパイプ54は、内径が送液パイプ52の外径より大きいとともに、下端に2つの液体流入溝56が互いに対向した状態で形成されている(図2の拡大正面図および拡大底面図参照)。また、ガイドパイプ54は、送液パイプ52の周囲にフリーな状態、すなわち上下動自在および回転自在な状態で配置されている。したがって、ガイドパイプ54の下端面は自重によって底壁部8の上面(容器の底面)に接触している。
【0016】本例の洗浄装置では、送液パイプ52の下端面はガイドパイプ54の液体流入溝56よりやや上方に位置し、ガイドパイプ54の上端面は上壁部6の下面(容器の天面)のやや下方に位置している。なお、本例では液体流入溝56の数は2個としたが、2個に限定されるものではない。また、液体流入溝に代えて、あるいは液体流入溝とともに、ガイドパイプの先端部に液体流入孔を設けてもよい。
【0017】本例の洗浄装置を使用する場合、まず容器2を薬液タンク(図示せず)内の薬液中に浸漬する。これにより、薬液タンク内の薬液の位置水頭によって液体流入口16を通って容器2内に薬液20が流入し、容器2内に薬液20が充満する。この状態で計装エア等の加圧エア22を加圧気体導入パイプ10から容器2内に導入すると、容器2内の薬液20の液面24が加圧エア22に加圧されて液面24が下降するとともに、薬液20が液体流入溝56を通ってガイドパイプ54内に流入した後、送液パイプ52の下端開口部26から送液パイプ52内に流入し、送液パイプ52内を上向流で流れる。
【0018】また、上記のように容器2内の薬液20の液面24が下降するので、加圧エア22が送液パイプ52の外面とガイドパイプ54の内面との間に形成される間隙58を通って送液パイプ52の下方に流入し、ガイドパイプ54内の送液パイプ52より下方位置において、薬液20にエアが混合され、気液混合状態の薬液28が調製される(ガイドパイプ54内の気液混合がなされる箇所を符号62で示す)。この気液混合状態の薬液28は、送液パイプ52内および送液チューブ14内を順次通ってpH測定装置の電極設置場所に移送され、送液チューブ14の先端に設けられたノズルから電極に噴射され、これにより電極が洗浄されるものである。
【0019】ところで、送液パイプ外面とガイドパイプ内面との間に形成される間隙を通って送液パイプの下方に流入するエアの量は、上記間隙の断面積によって変化する。したがって、本発明の気液混合送液装置は、内径が異なる複数のガイドパイプを備え、ガイドパイプを交換可能とすることにより、調製される気液混合状態の液体における気液混合比率を調製することができる。
【0020】また、ガイドパイプの液体流入溝または液体流入孔を通ってガイドパイプ内に流入する薬液の流量は、液体流入溝または液体流入孔の大きさによって変化する。したがって、本発明の気液混合送液装置は、液体流入溝または液体流入孔の大きさが異なる複数のガイドパイプを備え、ガイドパイプを交換可能とすることにより、調製される気液混合状態の液体における気液混合比率を調製することができる。
【0021】
【実施例】図1に示した洗浄装置を用い、薬液に空気を混合して気液混合状態の薬液を調製するとともに、この気液混合状態の薬液を送液する実験を行った。この場合、送液チューブ52としては外径8mmのもの、ガイドパイプ54としては長さ40mm、内径9.3mmのものを用いた。また、送液チューブ14の長さは5.5m、7m、13mとして負荷を変化させた。送液チューブ14から噴射される薬液の気液混合状態が安定していることを目視で確認しながら、噴射開始から終了までに要する時間を調べた。その結果、送液チューブ14の長さが5.5mのときには41秒、7mのときには47秒、13mのときには55秒でそれぞれ容器内の薬液の全量を良好な気液混合状態で送液できることがわかった。したがって、本実験により、本発明の気液混合送液装置によれば、調製される気液混合状態の液体における気液混合比率が安定しているとともに、送液を予定している液体の全量を確実に送液することができることが確認された。
【0022】
【発明の効果】以上のように、本発明の気液混合送液装置は、調製される気液混合状態の液体における気液混合比率が安定しているとともに、送液を予定している液体の全量を確実に送液することが可能である。
【出願人】 【識別番号】000219451
【氏名又は名称】東亜ディーケーケー株式会社
【住所又は居所】東京都新宿区高田馬場1丁目29番10号
【出願日】 平成14年1月16日(2002.1.16)
【代理人】 【識別番号】100095326
【弁理士】
【氏名又は名称】畑中 芳実 (外2名)
【公開番号】 特開2003−205226(P2003−205226A)
【公開日】 平成15年7月22日(2003.7.22)
【出願番号】 特願2002−7231(P2002−7231)